JP2628536B2 - 細胞培養用基材 - Google Patents

細胞培養用基材

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、細胞細胞培養用基材に関する。
〔従来の技術〕
有機合成や微生物醗酵では生産が困難な、例えば、イ
ンターフェロンやプラスミノーゲンアクチベーター等の
有用な生理活性物質は、線維芽細胞等の接着性細胞の培
養によって生産が可能であり、最近、その培養技術の開
発が盛んになってきた。
接着性細胞の培養は小規模の場合には、ガラスやプラ
スチック製のフラスコ、シャーレ等を用いて平面的に行
なう方法が採られ、また、上記有用物質を生産させる場
合には、生産効率を向上させるために、マイクロキャリ
アや中空糸等を用いて立体的に行なわれている。
そして、いずれの場合にも、培養中において細胞の接
着性と増殖性をいかにして高めるかが技術上のポイント
であり、従来より種々の工夫がなされている。
その中で、特開昭58−71884号公報には、平面状、球
状、中空糸状等に成型したガラスやプラスチックの表面
をコラーゲン、ゼラチン等の接着性蛋白質で被覆する方
法が提案され、また、特開昭62−274号公報には、コラ
ーゲン、ゼラチン等の接着性蛋白質自体を膜状、球状、
中空糸状等に成型し、得られた成型物をそのまま培養用
基材とする方法が提案されている。
しかし、上記接着性蛋白質は、天然の高価な蛋白質原
料を用い、複雑な精製工程を経て得られる純度の高いも
のであるため、非常に高価であるのが現状である。
また、上記接着性蛋白質は、γ線照射すると低分子化
して接着性を損なうので、この接着性蛋白質を用いた細
胞培養用基材は、γ線滅菌ができないという欠点があ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
このような状況下において、本発明は、安価に、かつ
γ線滅菌をはじめ各種滅菌操作が可能な動物細胞培養用
担体を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者等は、卵殻膜の主成分が清水に不要な蛋白質
であり、また、卵殻膜の表面には動物細胞がよく接着す
ることに着目し、鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成
したものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、細胞培養用基材に関し、可溶性卵殻膜を担
体としてなることを特徴とするものである。
本発明において可溶性卵殻膜とは、鳥卵等の爬虫類の
卵の卵殻の内側に付着している卵殻膜を酸、アルカリ、
酸化剤、還元剤あるいは酵素等により水に可溶な性状に
した卵殻膜をいう。この卵殻膜が水に可溶な性状は、こ
れを細胞を培養する容器等に被覆する前に可溶性であれ
ば足りる。
また、担体とは、線維芽細胞、ハイブリドーマ等の接
着性動物細胞を培養する場合、細胞が担持されて発育す
る部材のことをいう。
さらに、細胞培養用基材とは、細胞を培養するための
容器、マイクロキャリア、フィルム、中空糸等をいう。
本発明の細胞培養用基材を得るには、まず、卵殻に付
着している卵殻膜を人手により又は機械的に分離する。
卵殻膜に卵殻が付着していると、担体に加工しにくいの
で、得られた卵殻膜を酸処理して卵殻を除去することが
望ましい。
次にこのようにして得られた卵殻膜を担体にするには
種々の方法があるが、一例を示すと、この卵殻膜を酸、
アルカリ、酸化剤、還元剤あるいは酵素等で処理して得
られた可溶性卵殻膜の水溶液をフラスコやペトリ皿等の
容器に塗布し、風乾すれば、可溶性卵殻膜で被覆された
細胞培養用容器を得ることができる。また、上記可溶性
卵殻膜の水溶液中にガラス、プラスチック等からなる小
球体やフィルムを浸漬した後、風乾すれば可溶性卵殻膜
で被覆されたマイクロキャリアやフィルムを得ることが
できる。
さらに、他の一例を示すと、卵殻膜をβ−メルカプト
エタノールあるいはチオグリコール酸等にて還元、溶解
して可溶性卵殻膜の水溶液とし、この水溶液をガラス板
に塗布し、加熱乾燥した後、ガラス板から剥離すれば水
不溶性のフィルムを得ることができる。
〔作用〕
以上のようにして得られた本発明の細胞培養用基材
は、後述の試験例に示すように、接着性動物細胞を培養
するに当り、精製コラーゲンを担体とする従来の細胞培
養用基材と同等の細胞の接着性と増殖効果を示す。
その原理については深く追求したわけではないが、可
溶性卵殻膜は接着性細胞に対し、強い親和性を有するか
らではないかと推察される。
〔実施例〕
実施例1 殻付鶏卵を割卵して卵液を除いた後、得られた卵殻膜
津の卵殻を粉砕した。
次に、粉砕した卵殻膜付の卵殻を清水中に入れて撹拌
し、卵殻から分離して浮上してきた卵殻膜を採取した。
次に、得られた卵殻膜を1%塩酸水溶液中に1時間浸
漬した後、水洗し、而る後、天日乾燥した。
次に、得られた乾燥卵殻膜1000に2Nの苛性ソーダ水溶
液1200mlと無水エタノール800mlを加え、撹拌しながら4
0℃で5時間処理して卵殻膜を可溶化した。
次に、この液を布製フィルターにてろ別した後、ろ液
を脱塩し、而る後、凍結乾燥して可溶性卵殻膜の粉末53
gを得た。そして、得られた可溶性卵殻膜の粉末90μg
を2mlの清水に溶解した後、121℃で15分間加熱して滅菌
した。
次に、この水溶液を別に用意したポリスイチレン製ペ
トリ皿(直径35mm)に加え、無菌的に風乾したところ、
表面が10μg/cm2の可溶性卵殻膜で被覆された細胞培養
用ペトリ皿が得られた。
実施例2 実施例1と同じ方法で得られた乾燥卵殻膜100gに、1M
β−メルカプトエタノール水溶液500mlを加え、pHを9.5
に調整した後、60℃で4時間処理して卵殻膜を可溶化し
た。
次に、この溶液を遠心分離(6000r.p.m.20分間)して
不溶物を除いた後、透析を行ない蛋白質含量8%の溶液
を得た。
次に、別に用意したポリエチレンシート(表面をプラ
ズマ処理したもの)に、上記方法で得られた溶液を塗布
し、風乾したところ、表面に5μg/cm2の可溶性卵殻膜
が強く被覆された細胞培養用のシートが得られた。この
細胞培養用のシートを用いヒト真皮由来線維細胞を培養
したところ、従来の細胞培養用基材と遜色のない培養効
果を示した。
〔試験例〕
試験例1 実施例1で得られたペトリ皿にヒト真皮由来線維芽細
胞5.0×104/mlを分散させたダルベッコ変法イーグル培
地(10%牛胎児血清含有)2mlを加え、37℃で7日間培
養した(テスト区)。
対照として、表面が未処理のポリスチレン製ペトリ皿
(対照区1)と市販精製コラーゲン((株)高研製、商
品名「KOKEN CELLGEN 1−PC」)を用い、実施例4に
準じて作成したコラーゲン被覆の(10μg/cm2)をペト
リ皿(対照区2)を用い上記と同じテストをした。
そして、2日後、4日後、7日後の培養皿内全体の生
細胞の数を測定したところ、表−1の結果が得られた。
表−1から明らかなように、可溶性卵殻膜を被覆した
ペトリ皿は、従来のコラーゲンを被覆したペトリ皿と比
べて、遜色のない細胞の増殖効果を有する。
試験例2 実施例1で得られたペトリ皿をγ線滅菌(25KGy)し
た。
次に、このペトリ皿にヒト真皮由来線維芽細胞5.0×1
04/mlを分散させたダルベッコ変法イーグル培地(10%
牛胎児血清添加)2mlを加え、37℃で7日間培養した。
そして、2日後、4日後、7日後の培養皿内全体の生
細胞の数を測定したところ、表−2の結果が得られた。
表−2から明らかなように、可溶性卵殻膜を被覆した
ペトリ皿は、γ線照射をしても細胞の接着性や増殖性が
低下せず、良好な増殖効果を有する。
〔発明の効果〕 以上述べたように、本発明の細胞培養用基材は、可溶
性卵殻膜を担体として成るので、特別な精製等の処理を
必要とせず、したがて、安価に得ることができ、また接
着性動物細胞の培養に当り従来の細胞培養用基材と遜色
のない培養効果を示す。
また、γ線滅菌をしても、可溶性卵殻膜は分解しない
ので、基材を数時間で確実に滅菌させることができる。
尚、本発明の細胞培養用基材は、円筒状に加工し、そ
の内面に血管内皮細胞を培養すればハイブリット型人工
血管に応用でき、また、臓器状に加工しその内面で肝実
質細胞を培養すればハイブリッド型人工肝臓に応用でき
る等、人工臓器にも応用可能である。
また、シリコーンやポリビニールアルコールのシート
に可溶性卵殻膜を担持させたものは、創傷被覆材として
応用可能である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可溶性卵殻膜を担体としてなることを特徴
    とする細胞培養用基材。
JP1055225A 1989-03-09 1989-03-09 細胞培養用基材 Expired - Lifetime JP2628536B2 (ja)

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