JP2628067B2 - ゴルフカートのエンジン始動装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、ゴルフカートのエンジン始動装置に係
り、詳しくはブレーキレバーの操作でエンジンの始動及
び停止が行なわれるゴルフカートのエンジン始動装置に
関する。

［従来の技術］ ゴルフカートとして、例えばモータを駆動源とし、使
用者が乗車しないで運転する自走式ゴルフカートがあ
る。

この種のゴルフカートは使用者が乗車して運転するも
のに対して、小型で操作が簡単であり、ブレーキレバー
の操作で電動モータを始動或いは停止させるもので、例
えばブレーキレバーの制動位置で電動モータを停止さ
せ、制動解除位置で電動モータを始動させるようになっ
ている。

このように駆動源として電動モータを用いる場合に
は、例えばゴルフカートをゴルフ場の起伏の富む場所の
登り坂に停車させた場合、ブレーキレバーを制動位置か
ら制動解除位置へ操作すると、電動モータに電源が供給
されて、電動モータに制動がかかるため、始動時に自重
で走行することがない。

［発明が解決しようとする課題］ ところで、このような電動モータを駆動源とするゴル
フカートでは、電動モータやバッテリが大きく、嵩ばる
ばかりでなく重量もある。

また、所定距離走向後にはバッテリを充電する必要が
あり、例えば一日に一回充電する等比較的充電が頻繁な
ため、取扱いが面倒である。

そこで、電動モータに替えてエンジンを駆動源とすれ
ば、電動モータ及びこの電動モータの駆動源として重量
のあるバッテリが不用になるため、ゴルフカート全体の
重量を低減することが可能になる。

しかし、このように駆動源をエンジンとする場合に、
電動モータと同様にブレーキレバーの制動解除位置で、
エンジンを始動させるようにすると、始動時の回転速度
では遠心クラッチが接続されないため、例えば坂等で停
車させて始動させるとき、自重で走行するおそれがあ
る。

この発明はこのような実状に鑑みてなされたもので、
駆動源をエンジンとし、このエンジンの始動時には制動
されており、自重で走行することがないゴルフカートの
エンジン始動装置を提供することを目的としている。

［課題を解決するための手段］ 前記課題を解決するために、この発明のゴルフカート
のエンジン始動装置は、ブレーキレバーで制動操作と、
エンジンの始動及び停止を行なうようになし、ブレーキ
レバーの制動位置でエンジンを停止させ、この制動位置
からブレーキレバーを制動解除位置へ操作可能にし、こ
の制動解除位置の前にエンジンの始動位置を設定したこ
とを特徴としている。

また、この発明のゴルフカートのエンジン始動装置に
おいて、ブレーキレバーの始動位置及び制動解除位置を
変更可能とすることができる。

［作用］ この発明では、ブレーキレバーが制動位置にあると
き、エンジンも停止状態にある。

このエンジンを始動する際には、ブレーキレバーを操
作して制動解除位置にするが、この制御解除位置に操作
させるとき、制御解除位置の前に設定された始動位置で
エンジンが始動され、この始動時には制動状態にあるた
め、例えば坂に停車されている場合でも、始動時にゴル
フカートが自重で走行することがない。

また、ブレーキレバーのエンジンの始動位置及び制動
解除位置を変更可能とすることで、ゴルフ場等の使用状
況や使用者の好みに応じて、エンジンの始動や停止のタ
イミングを自由に変更することができる。

［実施例］ 次に、この発明の実施例を添付図面に基づいて詳細に
説明する。

第１図は自走式三輪ゴルフカートの平面図、第２図は
その側面図である。

図中符号１は自走式三輪ゴルフカートのパイプで形成
されるメインフレームで、その先端には操向輪である前
輪２がキャスタ式で支持されている。

メインフレーム１の後部には左右の車軸3,4がケース3
a,4aを介して軸支され、この車軸3,4には駆動輪である
後輪5,6が設けられている。

メインフレーム１の前輪側から操向フレーム７が斜め
後方に向けて設けられ、この操向フレーム７は補強ステ
ー８でメインフレーム１の後部に支持され、操向フレー
ム７の後方はＵ字状のハンドル９が一体に形成されてい
る。

また、メインフレーム１の前側のバッグトレー10には
ゴルフバック11が載置可能であり、このゴルフバック11
の上部は操向フレーム７に設けた支持バー12で支持され
るようになっている。操向フレーム７の一方には傘立て
13の受部13aと支持輪部13bとが設けられ、他方にはパタ
ーケース14が設けられる。

前記ハンドル９の前側には収納ケース15が設けられ、
ボール、帽子、タオル等の小物を収納できるようになっ
ている。

メインフレーム１の中央部にはエンジン16が搭載さ
れ、このエンジン16のシリンダには燃料供給系及び排気
系が備えられ、燃料供給系のキャブレター17は後方に接
続され、このキャブレター17にはさらにエアクリーナ18
が接続されている。エンジン16の排気系は、その排気管
19がエンジン16のシリンダに接続され、この排気管19に
はマフラー20が接続されている。

この車軸3,4の後側には燃料タンク23やバッテリ24等
が動力伝達機構22に近接して配置され、このバッテリ24
から始動モータＢに電源が供給される。エンジン16の動
力はＶベルト無段変速機構21、減速機構及びデファレン
シャル機構等の動力伝達機構22へ伝達され、車軸3,4を
駆動する。この制動はディスクブレーキＡで行なわれ、
動力伝達機構22にはエンジン側から動力を接続する遠心
クラッチと、車輪側から動力を接続する遠心クラッチが
備えられている。

前記ハンドル９にはブレーキレバー25、操作プレート
26等が設けられ、操作プレート26にはメインスイッチ2
7、車速コントロールレバー28、チョーク29が備えられ
ている。車速コントロールレバー28は第３図に示すよう
に、停止位置ａから、下り坂専用領域ｂ、低速から高速
の走行領域ｃを指定するように設定されている。

前記ブレーキレバー25は第４図乃至第６図に示すよう
に構成され、このブレーキレバー25の操作でエンジン16
の始動及び停止を行なうようになっている。

ブレーキレバー25は第４図に示すように、制動位置Ｘ
では、エンジン16を停止させ、そしてこの制動位置Ｘか
ら制動解除位置Ｙへ操作可能になっており、この制動解
除位置Ｙの前にエンジン16の始動位置Ｚが設定されてい
る。従って、始動時には制動状態にあり、例えば坂に停
車されている場合でも、ゴルフカートが自重で走行する
ことがないようになっている。

ブレーキレバー25はハンドル９に沿わせた略Ｕ字の形
状をしており、その両端の先端25aが取付体30に固定さ
れ、この取付体30はボルト31を介してブラケット32に回
動可能に支持され、このブラケット32はハンドル９に溶
着されている。

ブレーキレバー25の取付体30にはブレーキワイヤー33
が係止部34を介して係止されている。また、この取付体
30には操作片35が設けられ、ブラケット32に設けられた
検出スイッチ36のスイッチ部36aを操作するようになっ
ている。

この検出スイッチ36のスイッチ部36aはボルト37でブ
ラケット32に支持され、この検出スイッチ36には調整レ
バー38が連結ピン39で連結されている。この調整レバー
38は第６図に示すように、押え板40を介して調整ビス41
をブラケット32の長孔42に挿通して調整レバー38に固定
したナット部43に螺着して締付固定されている。

この調整ビス41を緩めると、調整レバー38の締付固定
が解除され、第７図に示すように、例えば調整ビス41を
長孔42の反対側端部に移動して締付固定することがで
き、これにより検出スイッチ36の位置を変化させること
ができる。

これによって、ブレーキレバー25のエンジン16の始動
位置Ｚと制動解除位置Ｙが変化し、任意の位置に調整す
ることができる。

このブレーキレバー25は第４図に示すように、ハンド
ル９に回動可能に支持されたロックレバー44で固定され
るようになっており、制動位置Ｘにあるとき、検出スイ
ッチ36のスイッチ部36aが操作片35に押されて、例えば
点火回路を遮断してエンジン16を停止させている。

また、ロックレバー44が解除されて、ブレーキレバー
25が始動位置Ｚの位置に操作されると、検出スイッチ36
のスイッチ部36aが操作片35よって押されない状態にあ
り、点火回路が閉じており、エンジン16が始動する。

さらに、ブレーキレバー25がブラケット32のストッパ
45で停止され、制動解除位置Ｙの位置にあるとき、検出
スイッチ36のスイッチ部36aと操作片35が非接触状態に
あり、しかもブレーキの制動が解除される。

従って、ゴルフカートの停車中には、ブレーキレバー
25がロックレバー44に係止されて、パーキング状態にあ
り、このときはブレーキレバー25によって操作片35が検
出スイッチ36のスイッチ部36aを押圧してエンジン16の
点火回路が開き、エンジン16が停止する。

そして、メインスイッチ27をオンにし、車速コントロ
ールレバー28を停止から低速側にしてロックレバー44を
解除し、ブレーキレバー25をエンジン始動位置にする
と、点火回路が閉じてエンジン16がセルモータの回転で
始動する。

このときは、ブレーキレバー25によってブレーキは制
動状態にあり、例えゴルフカートをゴルフ場の起伏の富
む場所の登り坂に停車させた場合でも制動がかかってお
り、始動時に自重で走行することがない。

さらに、ブレーキレバー25を制動解除位置Ｙに操作
し、車速コントロールレバー28を操作すると、ゴルフカ
ートが走行を開始し、車速コントロールレバー28で車速
の調整が行なわれる。

そして、ゴルフコースの状況やキャディーの好みに応
じて、エンジン16の始動や停止のタイミングを調整した
い場合には、第７図に示すように調整ビス41を緩め、調
整レバー38を回転させて、締付固定すると検出スイッチ
36の位置が変化する。従って、ブレーキレバー25によっ
て操作されるエンジン16の停止や始動のタイミングが変
化する。

［発明の効果］ 以上説明したように、この発明のゴルフカートのエン
ジン始動装置は、ブレーキレバーで制動操作と、エンジ
ンの始動及び停止を行なうようになし、ブレーキレバー
の制動位置でエンジンを停止させ、この制動位置からブ
レーキレバーを制動解除位置へ操作可能にし、この制動
解除位置の前にエンジンの始動位置を設定したから、制
御解除位置に操作させるとき、この制御解除位置の前に
設定された始動位置でエンジンが始動され、この始動時
には制動状態にあるため、例えば坂に停車されている場
合でも、ゴルフカートが自重で走行することがない。

また、ブレーキレバーのエジンの始動位置及び制動解
除位置を変更可能とすることで、ゴルフ場等の使用状況
や使用者の好みに応じて、エンジンの始動や停止のタイ
ミングを自由に変更することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明における自走式三輪ゴルフカートゴル
フカートの平面図、第２図はこの発明におけるゴルフカ
ートの側面図、第３図は車速コントロールレバーの操作
範囲を示す図、第４図はブレーキレバーの側面図、第５
図は第４図のＶ−Ｖ断面図、第６図は第４図のVI−VI断
面図、第７図は検出スイッチの調整範囲を示すブレーキ
レバーの側面図である。 図中符号１はメインフレーム、16はエンジン、９はハン
ドル、25はブレーキレバー、36は検出スイッチである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 // Ｂ６０Ｋ 41/20 Ｂ６０Ｋ 41/20

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ブレーキレバーで制動操作と、エンジンの
   始動及び停止を行なうようになし、ブレーキレバーの制
   動位置でエンジンを停止させ、この制動位置からブレー
   キレバーを制動解除位置へ操作可能にし、この制動解除
   位置の前にエンジンの始動位置を設定したことを特徴と
   するゴルフカートのエンジン始動装置。
2. 【請求項２】前記請求項１記載のブレーキレバーの始動
   位置及び制動解除位置を変更可能となしたことを特徴と
   するゴルフカートのエンジン始動装置。