JP2627047B2 - 射出成形機の成形条件設定方法 - Google Patents

射出成形機の成形条件設定方法

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JP2627047B2
JP2627047B2 JP17731593A JP17731593A JP2627047B2 JP 2627047 B2 JP2627047 B2 JP 2627047B2 JP 17731593 A JP17731593 A JP 17731593A JP 17731593 A JP17731593 A JP 17731593A JP 2627047 B2 JP2627047 B2 JP 2627047B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は射出工程中に速度制御領
域及び圧力制御領域を有する射出成形機の成形条件設定
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、射出成形機の成形サイクルにお
ける射出工程では、スクリュの速度(射出速度)を制御
して加熱筒内の溶融樹脂を金型キャビティ内に充填する
速度制御領域と、スクリュの圧力(保圧力)を制御して
キャビティ内に充填した樹脂を加圧する圧力制御領域を
有する。速度制御領域では、射出速度の実測値が、予め
設定された指令値に一致するように速度のフィードバッ
ク制御を行うとともに、スクリュが予め設定された切換
点に達したなら圧力制御領域に切換える。そして、圧力
制御領域では、保圧力の実測値が、予め設定された指令
値に一致するように圧力のフィードバック制御を行う。
【0003】ところで、速度制御領域と圧力制御領域の
切換点を的確に設定することは、円滑な成形動作を確保
し、かつ良好な成形品を得るために重要である。例え
ば、速度制御領域では樹脂の充填の進行するに従って、
圧力が上昇するとともに、特に、充填末期には急激な圧
力上昇を伴うため、誤設定があった場合にはフラッシュ
により金型に損傷を生じたり、オーバーパックにより成
形品の離型不良が発生し、成形サイクルの中断を強いら
れることも少なくない。
【0004】このため、従来は、金型キャビティの容積
や加熱筒容量等からスクリュ位置による切換点を設定す
るとともに、さらに、試射を繰り返すことにより、オペ
レータの経験と勘に基づくトライアンドエラーによる最
終調整を行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の成形条件設定方法は、基本的にはオペレータの経験
と勘に頼るとともに、試射の繰り返しを必要とするた
め、設定に時間がかかり、工数増加、無駄な材料消費を
伴うとともに、相当の熟練を要するため、設定できるオ
ペレータが限られ、しかも、高品質の成形品を得にく
く、かつ品質のバラつきを生じやすい問題があった。な
お、圧力を制限する圧力リミッタを設けることにより、
過大圧力による金型の損傷等を防止するようにした射出
成形機(例えば、特開平4−278321号公報等参
照)も知られているが、高品質及び均一な成形品を得る
ためには不十分である。
【0006】本発明はこのような従来の技術に存在する
課題を解決したものであり、速度制御領域から圧力制御
領域への最適な切換点を容易、迅速かつ正確に設定でき
るとともに、高品質かつ均一の成形品を得ることができ
る射出成形機の成形条件設定方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る射出成形機
の成形条件設定方法は、予め、速度制御領域Zvから圧
力制御領域Zpへの切換点Sh(S1、S2…)におけ
る射出圧力のピーク値に対して、例えば、一定の許容範
囲をもたせた目標値Psを設定するとともに、射出工程
における射出圧力を検出し、前記切換点Shにおける射
出圧力の実測値Pdが前記目標値Psとなるように、射
出圧力を変更可能な圧力変更要素、例えば、スクリュ位
置による切換点Sh又はスクリュ位置による計量終了点
Th(T1、T2…)に係わる成形条件を補正するよう
にしたことを特徴とする。
【0008】この場合、圧力変更要素として切換点Sh
を用いれば、成形条件を補正するに際して、射出圧力の
実測値Pdが前記目標値Psに近付く方向に、予め設定
した一定の補正量ΔSを、スクリュ位置により設定する
前記切換点Shに加算又は減算する補正を成形サイクル
毎に繰り返して行うことができる。また、他の補正方法
としては、射出圧力の実測値Pdが前記目標値Psに近
付く方向に、予め設定した一定の補正量ΔSを、スクリ
ュ位置により設定する前記切換点Shに加算又は減算す
る補正を少なくとも一回行うとともに、得られる二つの
切換点S1、S2における射出圧力の実測値から、次の
成形サイクルの実測値Pdが前記目標値Psになるため
の最終補正量Srを演算により求め、この最終補正量S
rにより前記切換点Shを補正することができる。
【0009】一方、圧力変更要素として計量終了点Th
を用いれば、成形条件を補正するに際して、射出圧力の
実測値Pdが前記目標値Psに近付く方向に、予め設定
した一定の補正量ΔTを、スクリュ位置により設定する
前記計量終了点Thに加算又は減算する補正を成形サイ
クル毎に繰り返して行うことができる。また、他の補正
方法として、射出圧力の実測値Pdが前記目標値Psに
近付く方向に、予め設定した一定の補正量ΔTを、スク
リュ位置により設定する前記計量終了点Thに加算又は
減算する補正を少なくとも一回行うとともに、得られる
二つの切換点T1、T2における射出圧力の実測値か
ら、次の成形サイクルの実測値Pdが前記目標値Psに
なるための最終補正量Trを演算により求め、この最終
補正量Trにより前記計量終了点Thを補正することが
できる。
【0010】他方、以上の設定に際して、予め、前記目
標値Psよりも小さい準目標値Pmを設定し、計量工程
で金型キャビティEcの容積よりも多い樹脂Rの量を計
量するとともに、射出工程における射出圧力を検出し、
射出圧力の実測値Pdが準目標値Pmに達した点を前記
切換点Shとして用いることができる。また、予め、ク
ッション量に対する目標量Csを設定し、計量工程で金
型キャビティEcの容積よりも多い樹脂Rの量を計量す
るとともに、射出工程終了後にクッション量を検出し、
クッション量の実測量Cdが前記目標量Csとなるよう
に、計量終了点Thを設定することができる。なお、ク
ッション量とは、射出工程終了後におけるスクリュの先
端と射出ノズルまでの隙間である。したがって、以上の
方法を組合わせることにより、予め、前記目標値Psよ
りも小さい準目標値Pm及びクッション量に対する目標
量Csの双方を設定し、計量工程で金型キャビティEc
の容積よりも多い樹脂Rの量を計量するとともに、射出
工程における射出圧力を検出し、射出圧力の実測値Pd
が準目標値Pmに達した点を前記切換点Shとして用い
るとともに、併せて射出工程終了後にクッション量を検
出し、クッション量の実測量Cdが前記目標量Csとな
るように、計量終了点Thを設定することができる。
【0011】
【作用】本発明に係る射出成形機の成形条件設定方法に
よれば、予め、速度制御領域Zvから圧力制御領域Zp
への切換点Shにおける射出圧力のピーク値に対し、一
定の許容範囲をもたせた目標値Psが設定される。この
場合、目標値Psは樹脂の種類、成形品の投影面積、型
締力、オペレータの経験等に基づく最適な値が設定され
る。
【0012】一方、実際の射出工程においては、速度制
御領域Zvから圧力制御領域Zpへの切換点Shにおけ
る射出圧力の実測値Pdが得られる。そして、実測値P
dと目標値Psが比較され、実測値Pdが目標値Psの
許容範囲を外れている場合には、射出圧力を変更可能な
圧力変更要素、例えば、スクリュ位置による前記切換点
Sh(成形条件)が補正され、これにより、切換点Sh
における射出圧力の実測値Pdが目標値Psの許容範囲
に入るように変更設定される。具体的には、切換点Sh
に対して、予め設定した一定の補正量ΔSを各成形サイ
クル毎に加算又は減算するとともに、この補正を実測値
Pdが目標値Psの許容範囲に入るまで繰り返す。これ
により、射出圧力の実測値Pdが目標値Psとなる最適
な切換点Shが自動的に設定される。なお、この場合、
切換点Shに対し、予め設定した一定の補正量ΔSを加
算又は減算する補正を少なくとも一回行えば、二つの切
換点S1、S2における射出圧力の実測値が得られると
ともに、射出圧力の変化を推定(例えば、直線性変化に
近似可能)であるため、次の成形サイクルにおける射出
圧力の実測値Pdが目標値Psの許容範囲に入るように
するための最終補正量Srを演算により求めることがで
き、この最終補正量Srにより最終補正を行うこともで
きる。
【0013】他方、圧力可変要素として、スクリュ位置
により設定する計量終了点Thを補正しても同様であ
り、この場合にも、射出圧力の実測値Pdが目標値Ps
の許容範囲に入るための計量終了点Thが自動的に設定
される。
【0014】なお、予め、目標値Psよりも小さい準目
標値Pmを設定し、計量工程で金型キャビティEcの容
積よりも多い樹脂Rの量を計量するとともに、射出工程
における射出圧力を検出すれば、射出圧力の実測値Pd
が準目標値Pmに達した点を前記切換点Shとして用い
ることができ、これにより、切換点Shが不明の場合に
暫定的な切換点Shを初期設定できる。また、予め、ク
ッション量に対する目標量Csを設定し、計量工程で金
型キャビティEcの容積よりも多い樹脂Rの量を計量す
るとともに、射出工程終了後にクッション量を検出し、
クッション量の実測量Cdが前記目標量Csとなるよう
に、計量終了点Thを設定することができ、これによ
り、最適なクッション量を設定しつつ、暫定的な計量終
了点Th及び切換点Shを初期設定できる。
【0015】
【実施例】次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ、図
面に基づき詳細に説明する。 〔第一実施例〕まず、本発明の第一実施例に係る成形条
件設定方法について、図1〜図4を参照して説明する。
【0016】最初に、本発明に係る成形条件設定方法を
適用できる射出成形機の概略構成について、図3を参照
して説明する。
【0017】図3中、Mは射出成形機であり、特に、射
出装置本体部Miとコントローラ部Mcを示す。射出装
置本体Miは機台2に加熱筒3を備え、この加熱筒3の
先端に射出ノズル4を、また、後部にホッパー5を有す
るとともに、内部にはスクリュ6を挿通する。一方、ス
クリュ6は駆動機構部7により駆動制御される。駆動機
構部7はレール8により前後方向にスライド自在に支持
される可動ブロック9を備え、この可動ブロック9の先
端にスクリュ6の後端を回動自在に結合するとともに、
可動ブロック9にはスクリュ6の背圧、即ち、射出圧力
を検出する圧力センサ(ロードセル)10を内蔵する。
また、機台2の後端には射出用サーボモータ11を配設
し、同サーボモータ11の回転シャフトは可動ブロック
9の後端にボールネジ機構を介して結合する。これによ
り、射出用サーボモータ11を正方向又は逆方向に回転
させれば、スクリュ6を前進又は後退させることができ
る。なお、12は射出用サーボモータ11に付設したロ
ータリエンコーダであり、スクリュ6の位置検出に利用
する。他方、可動ブロック9には計量用サーボモータ1
3を配設し、同サーボモータ13の回転シャフトに設け
た駆動ギア14はスクリュ6の中途位置に設けた被動ギ
ア15に噛合する。これにより、計量用サーボモータ1
3を正方向又は逆方向に回転させれば、スクリュ6を正
逆回転させることができる。なお、16は計量用サーボ
モータ13に付設したロータリエンコーダである。
【0018】一方、コントローラ部Mcはコンピュータ
機能部21を備える。コンピュータ機能部21はCPU
22、操作部(設定部)23、表示部24、記憶部25
及び入出力部26を備える。また、コントローラ部Mc
は射出用サーボモータ制御部27を備え、同制御部27
に射出用サーボモータ11及びロータリエンコーダ12
を接続する。さらにまた、計量用サーボモータ制御部2
8を備え、同制御部28に計量用サーボモータ13及び
ロータリエンコーダ16を接続する。そして、射出用サ
ーボモータ制御部27、計量用サーボモータ制御部28
及び前記圧力センサ10はそれぞれ入出力部26に接続
する。なお、ロータリエンコーダ12の出力はコンピュ
ータ機能部21に直接付与し、これにより、スクリュ位
置を求める。
【0019】次に、本発明に係る成形条件設定方法につ
いて、図1及び図3を参照しつつ、図2に示すフローチ
ャートに従って説明する。
【0020】まず、予め、操作部(設定部)23によ
り、図1に示す速度制御領域Zvから圧力制御領域Zp
への切換点Sh(S1、S2…)における射出圧力のピ
ーク値に対して、例えば、下限値Ldと上限値Luによ
り一定の許容範囲をもたせた目標値Psを設定する。こ
の場合、目標値Ps(下限値Ld、上限値Lu)は樹脂
の種類、成形品の投影面積、型締力、オペレータの経験
等に基づいて最適な値に設定する。そして、設定された
目標値Ps(下限値Ld、上限値Lu)は記憶部25に
記憶される。また、計量値(計量終了点)、射出速度
(図1中Vs)、保圧力(図1中Pf)、速度制御領域
から圧力制御領域への初期設定による切換点Sh等の必
要な成形条件は従来と同様に設定される。
【0021】一方、設定された成形条件により実際の成
形工程を開始する(ステップ31)。成形工程には計量
工程及び射出工程を含み、射出工程ではスクリュ6の前
進により射出充填が行われる(ステップ32)。この
際、スクリュ6の前進速度、即ち、射出速度Vは図1に
示すように速度設定値Vsに制御される。また、射出圧
力Pは射出充填の進行とともに上昇し、特に、充填末期
では急激に上昇する。そして、スクリュ位置により設定
される切換点Shに達したなら圧力制御に切換られる。
この場合、切換点Shにおける射出圧力の実測値Pdは
圧力センサ10により検出される(ステップ33、3
4)。なお、図1には、このときの切換点をS1で示す
とともに、射出圧力をP1、射出速度をV1で示す。こ
の場合、切換点S1における射出圧力Pの実測値Pdと
目標値Psを比較すれば、Pd<Psとなるため、切換
点Shを現位置よりも前方の位置に設定し、実測値Pd
を高める必要がある。よって、切換点Shを、現位置に
おける切換点Shから予め設定した一定の補正量ΔSを
減算した切換点(Sh−ΔS)に変更設定する(ステッ
プ35、36)。そして、最初の成形サイクルが終了し
たなら次の成形サイクルを同様に実行する(ステップ3
7)。このような補正を成形サイクル毎に繰り返せば、
切換点ShはS1からS2、S3の順番に前方に変更設
定され、図1の場合では、三回目の成形サイクル、即
ち、切換点S3において、実測値Pdは目標値Psの許
容範囲に入り、切換点Shの設定が終了する。なお、実
測値Pdと目標値Psが、Pd>Psとなれば、切換点
Shは順次後方に変更設定される。即ち、この場合には
切換点Shに対して予め設定した一定の補正量ΔSを加
算した切換点(Sh+ΔS)が設定される(ステップ3
8、39)。
【0022】これにより、当該切換点Sh(S3)にお
いて、速度制御から圧力制御に切換えれば、目標値Ps
の許容範囲に入る射出圧力の最適なピーク値が得られ
る。なお、射出速度Vは切換点Shに達する直前に急激
に低下し、切換点Shに達したときにゼロになるととも
に、圧力制御に移行し、射出圧力Pは予め設定した保圧
力Pfに制御される。図1中、V2、P2はそれぞれ二
回目の成形サイクルにおける射出速度、射出圧力を、V
3、P3はそれぞれ三回目の成形サイクルにおける射出
速度、射出圧力を、Qrは減速角度を示す。
【0023】一方、補正方法の変更実施例としては、図
4に示す補正方法を用いてもよい。まず、切換点Shに
おける射出圧力Pdを検出する処理は図2に示すフロー
チャートのステップ31〜ステップ34に従って行われ
る(ステップ30)。そして、切換点Shにおける射出
圧力の実測値Pdを検出したなら、当該実測値Pdと目
標値Psを比較し、Pd<Psであれば、切換点Shを
前方に変更設定する。即ち、切換点Shから予め設定し
た一定の補正量ΔSを減算した切換点(Sh−ΔS)に
設定する(ステップ41、42)。そして、最初の成形
サイクルが終了したなら次の成形サイクルを同様に実行
する(ステップ43)。変更実施例では、このような補
正を少なくとも一回行い、図1に示す二つの切換点S
1、S2における射出圧力の実測値を得るとともに、実
測値Pdが目標値Psの許容範囲に入るための最終補正
量Srを演算により求める(ステップ44、45)。し
たがって、この最終補正量Srを用いることにより、切
換点(Sh−Sr)に設定すれば、どのような状態であ
っても最適な切換点Shを三回の成形サイクルにより設
定できる(ステップ46)。また、Pd>Psであれ
ば、切換点Shを後方に変更設定する。この場合、切換
点Shに対して予め設定した一定の補正量ΔSを加算し
た切換点(Sh+ΔS)を設定する点及び最終補正量S
rを加算して切換点(Sh+Sr)を設定する点以外は
上記同様に設定できる(ステップ47、48、49、5
0、51)。 〔第二実施例〕次に、本発明の第二実施例に係る成形条
件設定方法について、図3及び図5を参照しつつ、図6
に示すフローチャートに従って説明する。
【0024】第二実施例は、圧力変更要素として計量終
了点Thを用いた点が第一実施例と異なる。まず、切換
点Shにおける射出圧力の実測値Pdを検出するための
処理(ステップ30)は図2に示すフローチャートのス
テップ31〜34に従って行われる。この際、第二実施
例では成形サイクルの開始後、計量終了時に計量終了点
Thを検出して記憶する。
【0025】一方、図5に示すように、初期設定として
計量終了点T1が設定されている場合を想定する。この
場合、切換点Shにおける射出圧力の実測値Pdと目標
値Psを比較すれば、Pd<Psとなるため、計量終了
点T1を現位置よりも後方の位置に変更設定し、実測値
Pdを高める必要がある。よって、計量終了点Thを、
現位置における計量終了点Thに対して予め設定した一
定の補正量ΔTを加算した切換点(Th+ΔT)に変更
設定する(ステップ61、62)。そして、最初の成形
サイクルが終了したなら次の成形サイクルを同様に実行
する(ステップ63)。このような補正を成形サイクル
毎に繰り返せば、計量終了点ThはT1からT2、T3
の順番に後方に変更設定され、図5の場合では、三回目
の成形サイクル、即ち、計量終了点T3において、実測
値Pdは目標値Psの許容範囲に入り、計量終了点Th
の設定が終了する。なお、実測値Pdと目標値Psが、
Pd>Psとなれば、計量終了点Thは順次前方に変更
設定される。即ち、この場合には計量終了点Thから予
め設定した一定の補正量ΔSを減算した切換点(Th−
ΔT)が設定される(ステップ64、65)。
【0026】これにより、当該計量終了点Th(S3)
により計量を行うとともに、切換点Shにおいて速度制
御から圧力制御に切換えれば、射出圧力の実測値Pdは
目標値Psの許容範囲に入り、射出圧力の最適なピーク
値が得られる。なお、射出速度Vは切換点Shに達する
直前に急激に低下し、切換点Shに達したときにゼロに
なるとともに、圧力制御に移行し、射出圧力Pは予め設
定した保圧力Pfに制御される。図5中、V1、P1は
それぞれ初回の成形サイクルにおける射出速度、射出圧
力を、V2、P2はそれぞれ二回目の成形サイクルにお
ける射出速度、射出圧力を、V3、P3はそれぞれ三回
目の成形サイクルにおける射出速度、射出圧力を、ま
た、Qfは加速角度を、Qrは減速角度をそれぞれ示
す。
【0027】一方、補正方法の変更実施例としては、図
7に示す補正方法を用いてもよい。まず、切換点Shに
おける射出圧力Pdを検出する処理は図2に示すフロー
チャートのステップ31〜ステップ34に従って行われ
る(ステップ30)。そして、切換点Shにおける射出
圧力の実測値Pdを検出したなら、当該実測値Pdと目
標値Psを比較し、Pd<Psであれば、計量終了点T
hを後方に変更設定する。即ち、計量終了点Thに対し
て予め設定した一定の補正量ΔTを加算した切換点(T
h+ΔT)に設定する(ステップ71、72)。そし
て、最初の成形サイクルが終了したなら次の成形サイク
ルを同様に実行する(ステップ73)。変更実施例で
は、このような補正を少なくとも一回行い、図5に示す
二つの計量終了点T1、T2における射出圧力の実測値
を得るとともに、実測値Pdが目標値Psの許容範囲に
入るための最終補正量Trを演算により求めることがで
きる(ステップ74、75)。したがって、この最終補
正量Trを用いることにより、計量終了点(Th+T
r)に設定すれば、どのような状態であっても最適な計
量終了点Thを三回の成形サイクルにより設定できる
(ステップ76)。また、Pd>Psであれば、計量終
了点Thを前方に変更設定する。この場合、計量終了点
Thから予め設定した一定の補正量ΔTを減算した切換
点(Th−ΔT)を設定する点及び最終補正量Trを減
算して切換点(Th−Tr)を設定する点以外は上記同
様に設定できる(ステップ77、78、79、80、8
1)。
【0028】ところで、第一実施例又は第二実施例を実
施するに際し、例えば、新規な金型に交換した後のよう
に、切換点Shが不明の場合には、図8に示す設定方法
により、暫定的な切換点Shを初期設定でき、これによ
り、切換点Shが誤設定されることに伴う金型損傷等を
防止できる。即ち、予め、目標値Psよりも小さい準目
標値Pmを設定する(ステップ91)。そして、成形サ
イクルを開始し、計量工程で金型キャビティEcの容積
よりも多い樹脂Rの量を計量する(ステップ92,図9
参照)。一方、射出工程では射出圧力を検出し、射出圧
力の実測値Pdが準目標値Pmに達したなら、圧力制御
(保圧工程)に切換えるとともに、切換点Shを検出し
て記憶する(ステップ93、94、95、96)。これ
より得る切換点Shは暫定的設定値のため、この後は、
第一実施例と同様に切換点Shに対する補正による変更
設定を行う(ステップ97)。
【0029】また、切換点Shが不明の場合に、予め、
最適なクッション量、計量終了点Th及び切換点Shを
初期設定することもできる。この場合、図9及び図10
に示すように、予め、目標値Psよりも小さい準目標値
Pm及びクッション量に対する目標量Csを設定する
(ステップ100)。そして、成形サイクルを開始し、
計量工程で金型キャビティEcの容積よりも多い樹脂R
の量を計量する(ステップ101,図9参照)。一方、
射出工程では射出圧力を検出し、射出圧力の実測値Pd
が準目標値Pmに達したなら、圧力制御(保圧工程)に
切換えるとともに、切換点Shを検出して記憶する(ス
テップ102、103、104、105)。また、射出
工程終了後にクッション量の実測量Cdを検出し(ステ
ップ105)、実測量Cdが目標量Csとなるように、
計量終了点Thを設定する。即ち、実測量Cdと目標量
Csを比較し、Cd≧(Cs+1成形分)であれば、樹
脂Rの残量過多となっているため、計量を行うことな
く、次の成形サイクル(射出工程)に移行するステップ
を繰り返す(ステップ106、107)。他方、Cd<
(Cs+1成形分)であれば、必要な計量値、即ち、計
量終了点Thを演算により算出し、かつ当該計量終了点
Thを暫定値として初期設定する(ステップ108)。
図9の場合には初回のクッション量が実測量C1とな
り、三回目の成形サイクルにおいて、目標量Csに一致
する実測量C3を得る状態を示している。なお、計量終
了点Thの変更に応じて、切換点Shも更新される(ス
テップ109)。切換点Shの更新は、実測値に基づい
てその都度変更してもよいし、計量終了点Thの変更結
果から演算により変更してもよい。そして、この後は、
第二実施例と同様に計量終了点Thに対する補正による
変更設定を行う(ステップ110)。図9中、Eは固定
型Eaと可動型Ebからなる金型、C2は二回目の成形
サイクルにおける実測量を示す。また、図9において、
図3又は図5と同一部分には同一符号を付した。
【0030】以上、実施例について詳細に説明したが、
本発明はこのような実施例に限定されるものではない。
例えば、圧力変更要素は切換点と計量終了点を例示した
が、その他、射出圧力を変更可能な任意の圧力変更要素
を利用できる。また、目標値は一定値で設定してもよ
い。さらにまた、スクリュの駆動機構部としてサーボモ
ータを利用したタイプを例示したが油圧回路を利用した
タイプであっても同様に実施できる。その他、細部の構
成、手法等において本発明の要旨を逸脱しない範囲で任
意に変更できる。
【0031】
【発明の効果】このように、本発明は射出工程中にスク
リュに対する速度制御領域及び圧力制御領域を有する射
出成形機の成形条件設定方法において、予め、速度制御
領域から圧力制御領域への切換点における射出圧力のピ
ーク値に対して目標値を設定するとともに、射出工程に
おける射出圧力を検出し、前記切換点における射出圧力
の実測値が前記目標値となるように、射出圧力を変更可
能な圧力変更要素に係わる成形条件を補正するようにし
たため、次のような顕著な効果を奏する。
【0032】 速度制御領域から圧力制御領域への最
適な切換点を自動で設定できるため、容易、迅速かつ正
確な設定が保証され、特に、オペレータが試射による微
調整を行う場合にも、試射回数を著しく低減できる。
【0033】 速度制御領域から圧力制御領域への切
換点において、ピーク状となる最適な大きさの射出圧力
が付与されるため、高品質かつ均一の成形品を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例に係る成形条件設定方法を
説明するためのスクリュ位置に対する射出速度及び射出
圧力の変化特性図、
【図2】同実施例に係る成形条件設定方法を説明するた
めのフローチャート、
【図3】本発明に係る成形条件設定方法を実施できる射
出成形機のブロック構成図、
【図4】同実施例の変更実施例に係る成形条件設定方法
を説明するためのフローチャート、
【図5】本発明の第二実施例に係る成形条件設定方法を
説明するためのスクリュ位置に対する射出速度及び射出
圧力の変化特性図、
【図6】同実施例に係る成形条件設定方法を説明するた
めのフローチャート、
【図7】同実施例の変更実施例に係る成形条件設定方法
を説明するためのフローチャート、
【図8】本発明に係る成形条件設定方法に使用する切換
点を暫定設定する方法を説明するためのフローチャー
ト、
【図9】本発明に係る成形条件設定方法に使用する計量
終了点を暫定設定する方法を説明するためのスクリュ位
置に対する射出速度及び射出圧力の変化特性図、
【図10】同成形条件設定方法に使用する計量終了点を
暫定設定する方法を説明するためのフローチャート、
【符号の説明】
Zv 速度制御領域 Zp 圧力制御領域 Sh 切換点 S1… 切換点 Ps 目標値 Pd 実測値 Th 計量終了点 T1… 計量終了点 Pm 準目標値 Ec 金型キャビティ R 樹脂 Cs 目標量 Cd 実測量

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出工程中にスクリュに対する速度制御
    領域及び圧力制御領域を有する射出成形機の成形条件設
    定方法において、予め、速度制御領域から圧力制御領域
    への切換点における射出圧力のピーク値に対して目標値
    を設定するとともに、射出工程における射出圧力を検出
    し、前記切換点における射出圧力の実測値が前記目標値
    となるように、射出圧力を変更可能な圧力変更要素に係
    わる成形条件を補正することを特徴とする射出成形機の
    成形条件設定方法。
  2. 【請求項2】 前記目標値は一定の許容範囲をもたせて
    設定することを特徴とする請求項1記載の射出成形機の
    成形条件設定方法。
  3. 【請求項3】 圧力変更要素はスクリュ位置により設定
    する前記切換点であることを特徴とする請求項1記載の
    射出成形機の成形条件設定方法。
  4. 【請求項4】 成形条件を補正するに際し、射出圧力の
    実測値が前記目標値に近付く方向に、予め設定した一定
    の補正量を、スクリュ位置により設定する前記切換点に
    加算又は減算する補正を成形サイクル毎に繰り返すこと
    を特徴とする請求項1又は3記載の射出成形機の成形条
    件設定方法。
  5. 【請求項5】 成形条件を補正するに際し、射出圧力の
    実測値が前記目標値に近付く方向に、予め設定した一定
    の補正量を、スクリュ位置により設定する前記切換点に
    加算又は減算する補正を少なくとも一回行うとともに、
    得られる二つの切換点における射出圧力の実測値から、
    次の成形サイクルの実測値が前記目標値になるための最
    終補正量を演算により求め、この最終補正量により前記
    切換点を補正することを特徴とする請求項1又は3記載
    の射出成形機の成形条件設定方法。
  6. 【請求項6】 圧力変更要素はスクリュ位置により設定
    する計量終了点であることを特徴とする請求項1記載の
    射出成形機の成形条件設定方法。
  7. 【請求項7】 成形条件を補正するに際し、射出圧力の
    実測値が前記目標値に近付く方向に、予め設定した一定
    の補正量を、スクリュ位置により設定する前記計量終了
    点に加算又は減算する補正を成形サイクル毎に繰り返す
    ことを特徴とする請求項1又は6記載の射出成形機の成
    形条件設定方法。
  8. 【請求項8】 成形条件を補正するに際し、射出圧力の
    実測値が前記目標値に近付く方向に、予め設定した一定
    の補正量を、スクリュ位置により設定する前記計量終了
    点に加算又は減算する補正を少なくとも一回行うととも
    に、得られる二つの切換点における射出圧力の実測値か
    ら、次の成形サイクルの実測値が前記目標値になるため
    の最終補正量を演算により求め、この最終補正量により
    前記計量終了点を補正することを特徴とする請求項1又
    は6記載の射出成形機の成形条件設定方法。
  9. 【請求項9】 予め、前記目標値よりも小さい準目標値
    を設定し、計量工程で金型キャビティの容積よりも多い
    樹脂量を計量するとともに、射出工程における射出圧力
    を検出し、射出圧力の実測値が準目標値に達した点を前
    記切換点として用いることを特徴とする請求項1記載の
    射出成形機の成形条件設定方法。
  10. 【請求項10】 予め、クッション量に対する目標量を
    設定し、計量工程で金型キャビティの容積よりも多い樹
    脂量を計量するとともに、射出工程終了後にクッション
    量を検出し、クッション量の実測量が前記目標量となる
    ように、計量終了点を設定することを特徴とする請求項
    1又は6記載の射出成形機の成形条件設定方法。
  11. 【請求項11】 予め、前記目標値よりも小さい準目標
    値及びクッション量に対する目標量を設定し、計量工程
    で金型キャビティの容積よりも多い樹脂量を計量すると
    ともに、射出工程における射出圧力を検出し、射出圧力
    の実測値が準目標値に達した点を前記切換点として用い
    るとともに、射出工程終了後にクッション量を検出し、
    クッション量の実測値が前記目標量となるように、計量
    終了点を設定することを特徴とする請求項1又は6記載
    の射出成形機の成形条件設定方法。
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