JP2624073B2 - 積層包装材料 - Google Patents
積層包装材料Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、ガスバリヤー性、特
に酸素及び水蒸気バリヤー層としての酸化ケイ素層を有
する積層包装材料に関する。さらに詳しくは、この発明
は、酸化ケイ素層が薄い場合でも、酸素バリヤー性と水
蒸気バリヤー性に優れた積層包装材料に関する。
に酸素及び水蒸気バリヤー層としての酸化ケイ素層を有
する積層包装材料に関する。さらに詳しくは、この発明
は、酸化ケイ素層が薄い場合でも、酸素バリヤー性と水
蒸気バリヤー性に優れた積層包装材料に関する。
【０００２】
【従来の技術】食品の包装材料、例えばレトルト食品の
パウチ材料としては、基材としてのポリエステルフィル
ム、酸素及び水蒸気のバリヤー層としてのアルミ箔及び
ヒートシールのための熱可塑性樹脂フィルムが順次積層
された積層包装材料からなる袋の全面に、装飾効果を高
めるために印刷が施されているものが従来より広く用い
られている。
パウチ材料としては、基材としてのポリエステルフィル
ム、酸素及び水蒸気のバリヤー層としてのアルミ箔及び
ヒートシールのための熱可塑性樹脂フィルムが順次積層
された積層包装材料からなる袋の全面に、装飾効果を高
めるために印刷が施されているものが従来より広く用い
られている。
【０００３】しかしながら、従来のアルミ箔が積層され
た材料は電子レンジに使用できず、また、積層包装材料
の製造コストに占めるアルミ箔の割合が高いという問題
がある。更に、アルミ箔を用いた積層包装材料を焼却処
理すると、アルミニウムが塊となってしまい、処理物と
して残ってしまうという問題がある。このため、アルミ
箔に代わる材料として、１５００〜１８００オングスト
ローム厚の光透過性の酸化ケイ素蒸着層を形成すること
が行われている（特公昭５１−４８５１１号公報、同５
２ー３４１８号公報）。
た材料は電子レンジに使用できず、また、積層包装材料
の製造コストに占めるアルミ箔の割合が高いという問題
がある。更に、アルミ箔を用いた積層包装材料を焼却処
理すると、アルミニウムが塊となってしまい、処理物と
して残ってしまうという問題がある。このため、アルミ
箔に代わる材料として、１５００〜１８００オングスト
ローム厚の光透過性の酸化ケイ素蒸着層を形成すること
が行われている（特公昭５１−４８５１１号公報、同５
２ー３４１８号公報）。
【０００４】最近では、このような酸素、水蒸気バリヤ
ー膜として光透過性の酸化ケイ素蒸着層を有する積層包
装材料を、アルミ箔の代替として、優れた廃棄性と内容
物を外から確認できるという特性を生かしてレトルト食
品用の材料以外の菓子等の食品や医薬品などの包装材料
に用いることが試みられている。
ー膜として光透過性の酸化ケイ素蒸着層を有する積層包
装材料を、アルミ箔の代替として、優れた廃棄性と内容
物を外から確認できるという特性を生かしてレトルト食
品用の材料以外の菓子等の食品や医薬品などの包装材料
に用いることが試みられている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、十分な
酸素バリヤー性、水蒸気バリヤー性を維持するために必
要とされていた１５００〜１８００オングストローム厚
の酸化ケイ素蒸着層は、かなり黄色味を帯びているため
に、そのような酸化ケイ素蒸着層を有する積層包装材料
をレトルト食品以外の用途に使用した場合には次に説明
するような問題が生じている。
酸素バリヤー性、水蒸気バリヤー性を維持するために必
要とされていた１５００〜１８００オングストローム厚
の酸化ケイ素蒸着層は、かなり黄色味を帯びているため
に、そのような酸化ケイ素蒸着層を有する積層包装材料
をレトルト食品以外の用途に使用した場合には次に説明
するような問題が生じている。
【０００６】即ち、酸化ケイ素蒸着層を有する積層包装
材料をレトルトパウチに用いる場合には、内容物を外光
から保護するために全面に印刷を施すことが必要となる
ので、酸化ケイ素蒸着膜が目に直接触れることがない
が、菓子などの包装に用いた場合には、コストアップに
なる全面印刷を施す必要もなく、かえって内容物を目で
確認できるようにするために、部分的にのみ印刷を施す
ことが好ましく行われている。この結果、酸化ケイ素層
を透過した光が目に直接到達することになる。従って、
内容物が黄色味を帯びて見えてしまい、本来の内容物の
色を表すことができないという問題がある。また、１５
００〜１８００オングストローム厚の酸化ケイ素蒸着膜
は、かなりの剛性を有するのでフレキシブル性に欠け、
しかも、厚みも厚いので成膜コストがかかるという問題
もある。
材料をレトルトパウチに用いる場合には、内容物を外光
から保護するために全面に印刷を施すことが必要となる
ので、酸化ケイ素蒸着膜が目に直接触れることがない
が、菓子などの包装に用いた場合には、コストアップに
なる全面印刷を施す必要もなく、かえって内容物を目で
確認できるようにするために、部分的にのみ印刷を施す
ことが好ましく行われている。この結果、酸化ケイ素層
を透過した光が目に直接到達することになる。従って、
内容物が黄色味を帯びて見えてしまい、本来の内容物の
色を表すことができないという問題がある。また、１５
００〜１８００オングストローム厚の酸化ケイ素蒸着膜
は、かなりの剛性を有するのでフレキシブル性に欠け、
しかも、厚みも厚いので成膜コストがかかるという問題
もある。
【０００７】この問題を解決し、更に製造コストを低減
化するために、酸化ケイ素蒸着層の厚みを例えば８００
オングストローム以下に薄くすることが試みられてい
る。しかし、酸化ケイ素蒸着層の色を所望の色とした場
合には、一般的には酸素バリヤー性は大きく低下しない
が、水蒸気バリヤー性が大きく低下してしまい実用上問
題がある。
化するために、酸化ケイ素蒸着層の厚みを例えば８００
オングストローム以下に薄くすることが試みられてい
る。しかし、酸化ケイ素蒸着層の色を所望の色とした場
合には、一般的には酸素バリヤー性は大きく低下しない
が、水蒸気バリヤー性が大きく低下してしまい実用上問
題がある。
【０００８】この発明は以上のような従来技術の問題点
を解決しようとするものであり、酸化ケイ素蒸着層を薄
くしても酸素バリヤー性と水蒸気バリヤー性とが実用上
問題のない、しかもフレキシブル性に富む積層包装材料
を製造できるようにすることを目的とする。
を解決しようとするものであり、酸化ケイ素蒸着層を薄
くしても酸素バリヤー性と水蒸気バリヤー性とが実用上
問題のない、しかもフレキシブル性に富む積層包装材料
を製造できるようにすることを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】この発明者らは、上記の
目的が、積層包装材料の酸化ケイ素層に水性の接着剤或
いは水性のインキを塗布することにより達成できること
を見出し、この発明を完成させた。
目的が、積層包装材料の酸化ケイ素層に水性の接着剤或
いは水性のインキを塗布することにより達成できること
を見出し、この発明を完成させた。
【００１０】即ち、この発明は、基材、酸化ケイ素層、
接着剤層及びヒートシール性熱可塑性樹脂層が順次積層
された積層包装材料において、該接着剤層が水を含む接
着剤を塗布することにより形成されたものであることを
特徴とする積層包装材料を提供する。
接着剤層及びヒートシール性熱可塑性樹脂層が順次積層
された積層包装材料において、該接着剤層が水を含む接
着剤を塗布することにより形成されたものであることを
特徴とする積層包装材料を提供する。
【００１１】また、この発明は、基材、酸化ケイ素層、
インキ層、接着剤及びヒートシール性熱可塑性樹脂層が
順次積層された積層包装材料において、少なくとも該イ
ンキ層が水性インキ組成物を塗布乾燥することにより形
成したものであることを特徴とする積層包装材料を提供
する。この場合、接着剤層も水を含む接着剤を塗布する
ことにより形成されたものであることが好ましい。
インキ層、接着剤及びヒートシール性熱可塑性樹脂層が
順次積層された積層包装材料において、少なくとも該イ
ンキ層が水性インキ組成物を塗布乾燥することにより形
成したものであることを特徴とする積層包装材料を提供
する。この場合、接着剤層も水を含む接着剤を塗布する
ことにより形成されたものであることが好ましい。
【００１２】以下、この発明を図面に基づいて詳細に説
明する。なお、各図面において、同じ番号は同じ又は同
等の構成要素を示している。
明する。なお、各図面において、同じ番号は同じ又は同
等の構成要素を示している。
【００１３】図１は、この発明の好ましい態様の積層包
装材料１０の断面図である。この積層包装材料１０は、
基材１、酸化ケイ素層２、接着剤層３、及びヒートシー
ル性熱可塑性樹脂層４が順次積層された構造を有する。
装材料１０の断面図である。この積層包装材料１０は、
基材１、酸化ケイ素層２、接着剤層３、及びヒートシー
ル性熱可塑性樹脂層４が順次積層された構造を有する。
【００１４】この基材１は積層包装材料の基体として機
能するものである。このような基材１としては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等の
可撓性の樹脂フィルム、好ましくはポリエチレンテレフ
タレートフィルムを使用することができる。なお、基材
１の厚みは、特に限定されず、使用目的に応じて適宜選
択することができる。
能するものである。このような基材１としては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等の
可撓性の樹脂フィルム、好ましくはポリエチレンテレフ
タレートフィルムを使用することができる。なお、基材
１の厚みは、特に限定されず、使用目的に応じて適宜選
択することができる。
【００１５】酸化ケイ素層２は、ガスバリヤー性、特に
酸素バリヤー性と水蒸気バリヤー性を積層包装材料に付
与するために設けられる層である。このような酸化ケイ
素層２は常法により形成することができ、例えば、真空
蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、
プラズマ蒸着法或いはＣＶＤ法等により、好ましくはコ
ストメリットの大きい真空蒸着法により形成することが
できる。
酸素バリヤー性と水蒸気バリヤー性を積層包装材料に付
与するために設けられる層である。このような酸化ケイ
素層２は常法により形成することができ、例えば、真空
蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、
プラズマ蒸着法或いはＣＶＤ法等により、好ましくはコ
ストメリットの大きい真空蒸着法により形成することが
できる。
【００１６】酸化ケイ素層２の組成は、一酸化ケイ素を
主体とする一般式Ｓｉｘ０ｙ（ｘ＝１，２，ｙ＝０，
１，２，３）で表されるケイ素化合物の混合物となって
いる。酸化ケイ素層の厚みは求める色等により異なる
が、フレキシブル性を考慮すると一般には８００オング
ストローム以下、好ましくは２００〜５００オングスト
ロームである。
主体とする一般式Ｓｉｘ０ｙ（ｘ＝１，２，ｙ＝０，
１，２，３）で表されるケイ素化合物の混合物となって
いる。酸化ケイ素層の厚みは求める色等により異なる
が、フレキシブル性を考慮すると一般には８００オング
ストローム以下、好ましくは２００〜５００オングスト
ロームである。
【００１７】接着剤層３としては、水または水を含む混
合溶媒を使用した接着剤を常法に従って塗布乾燥するこ
とにより形成されたものを使用することができる。この
ような接着剤としては、例えばドライラミネーション用
としては水性アクリル系接着剤やＥＶＡ系接着剤を使用
することができ、押し出しラミネーション用としては水
性ポリエチレンイミン系アンカーコート剤などを使用す
ることができる。
合溶媒を使用した接着剤を常法に従って塗布乾燥するこ
とにより形成されたものを使用することができる。この
ような接着剤としては、例えばドライラミネーション用
としては水性アクリル系接着剤やＥＶＡ系接着剤を使用
することができ、押し出しラミネーション用としては水
性ポリエチレンイミン系アンカーコート剤などを使用す
ることができる。
【００１８】ヒートシール性熱可塑性樹脂層４は、積層
包装材料１０を、例えば袋状の包装体に成形するために
必要なヒートシール性を積層包装材料１０に付与する層
である。このようなヒートシール性熱可塑性樹脂層４の
材料となる樹脂としては、従来から用いられものと同様
のもの、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ
ステル、ナイロン等を使用することができる。また、ヒ
ートシール性熱可塑性樹脂層４の形成は、従来と同様に
ヒートシール性熱可塑性樹脂フィルムを接着剤を用いる
ドライラミネーションにより形成してもよいし、あるい
は前述の樹脂を押し出しコーティングすることにより形
成してもよい。
包装材料１０を、例えば袋状の包装体に成形するために
必要なヒートシール性を積層包装材料１０に付与する層
である。このようなヒートシール性熱可塑性樹脂層４の
材料となる樹脂としては、従来から用いられものと同様
のもの、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ
ステル、ナイロン等を使用することができる。また、ヒ
ートシール性熱可塑性樹脂層４の形成は、従来と同様に
ヒートシール性熱可塑性樹脂フィルムを接着剤を用いる
ドライラミネーションにより形成してもよいし、あるい
は前述の樹脂を押し出しコーティングすることにより形
成してもよい。
【００１９】なお、ヒートシール性熱可塑性樹脂層４の
厚みは特に限定されず、必要に応じて適宜決定すること
ができるが、例えば、コストや良好なヒートシール性の
点から一般的には５０μｍ〜１００μｍ程度の厚みであ
る。
厚みは特に限定されず、必要に応じて適宜決定すること
ができるが、例えば、コストや良好なヒートシール性の
点から一般的には５０μｍ〜１００μｍ程度の厚みであ
る。
【００２０】図１に示すような積層包装材料は常法に従
って製造できる。例えば、基材１に、真空蒸着法により
酸化ケイ素層２を形成し、その上に水性のアンカーコー
ト用組成物をグラビア版、ポーズ版、コーター等を用い
て塗布し、８０℃の乾燥炉中で乾燥する。その後に、ヒ
ートシール性熱可塑性樹脂を押し出しコーティングする
ことによりヒートシール性熱可塑性樹脂層４とすること
により製造することができる。或いは、酸化ケイ素層２
を形成した後に、水性の接着剤を塗布し、ドライラミネ
ーション法によりヒートシール性熱可塑性樹脂フィルム
を酸化ケイ素層２と貼り合わせることにより製造するこ
とができる。
って製造できる。例えば、基材１に、真空蒸着法により
酸化ケイ素層２を形成し、その上に水性のアンカーコー
ト用組成物をグラビア版、ポーズ版、コーター等を用い
て塗布し、８０℃の乾燥炉中で乾燥する。その後に、ヒ
ートシール性熱可塑性樹脂を押し出しコーティングする
ことによりヒートシール性熱可塑性樹脂層４とすること
により製造することができる。或いは、酸化ケイ素層２
を形成した後に、水性の接着剤を塗布し、ドライラミネ
ーション法によりヒートシール性熱可塑性樹脂フィルム
を酸化ケイ素層２と貼り合わせることにより製造するこ
とができる。
【００２１】図２は、この発明の別の態様の積層包装材
料２０の断面図である。この態様の積層包装材料２０
は、基材１、酸化ケイ素層２、インキ層５、接着剤層
６、及びヒートシール性熱可塑性樹脂層４が順次積層さ
れた構造を有する。この場合、インキ層５は、積層包装
材料２０に好ましい意匠を付与するとともに酸化ケイ素
層２の酸素バリヤー性と水蒸気バリヤー性を積層包装材
料２０に付与するための層である。このような、インキ
層５としては、水性のインキ組成物を塗布乾燥して形成
されたものを使用することが好ましい。例えば、包装材
料の印刷に通常用いられる水性インキを使用することが
できる。
料２０の断面図である。この態様の積層包装材料２０
は、基材１、酸化ケイ素層２、インキ層５、接着剤層
６、及びヒートシール性熱可塑性樹脂層４が順次積層さ
れた構造を有する。この場合、インキ層５は、積層包装
材料２０に好ましい意匠を付与するとともに酸化ケイ素
層２の酸素バリヤー性と水蒸気バリヤー性を積層包装材
料２０に付与するための層である。このような、インキ
層５としては、水性のインキ組成物を塗布乾燥して形成
されたものを使用することが好ましい。例えば、包装材
料の印刷に通常用いられる水性インキを使用することが
できる。
【００２２】なお、図２の積層包装材料２０において、
インキ層５が全面に印刷されている場合には、接着剤層
６は水性であっても油性であってもいずれでもよいが、
インキ層５により覆われていない酸化ケイ素層２がある
場合には、接着剤層６としては図１で説明したような水
性接着剤から形成されたものを使用することが好まし
い。その他の構成要素については図１で説明した通りで
ある。
インキ層５が全面に印刷されている場合には、接着剤層
６は水性であっても油性であってもいずれでもよいが、
インキ層５により覆われていない酸化ケイ素層２がある
場合には、接着剤層６としては図１で説明したような水
性接着剤から形成されたものを使用することが好まし
い。その他の構成要素については図１で説明した通りで
ある。
【００２３】なお、図２の積層包装材料も、図１におい
て説明したように常法に従って製造できる。
て説明したように常法に従って製造できる。
【００２４】この発明の積層包装材料は、適当な形態、
例えば袋状に成形して従来と同様に使用に供することが
できる。
例えば袋状に成形して従来と同様に使用に供することが
できる。
【００２５】
【作用】この発明の積層包装材料によれば、酸化ケイ素
層に水性の接着剤もしくは水性のインキを塗布するの
で、酸化ケイ素層を薄くしても、厚い蒸着層と同等の酸
素バリヤー性及び水蒸気バリヤー性を実現することが可
能となる。
層に水性の接着剤もしくは水性のインキを塗布するの
で、酸化ケイ素層を薄くしても、厚い蒸着層と同等の酸
素バリヤー性及び水蒸気バリヤー性を実現することが可
能となる。
【００２６】
【実施例】以下、この発明を実施例により具体的に説明
する。
する。
【００２７】実施例１ 厚さ１２μｍの２軸延伸ポリエチレンテレフタレート
（ＰＥＴ）フィルム（商品名Ｐ−１１、東レ株式会社
製）の片面に、真空蒸着法で８００オングストロームの
厚さに油性のインキ（ＬＰスーパー、東洋インキ製造株
式会社製）を用いて、部分的にインキ層を乾燥厚２μｍ
で設けた。
（ＰＥＴ）フィルム（商品名Ｐ−１１、東レ株式会社
製）の片面に、真空蒸着法で８００オングストロームの
厚さに油性のインキ（ＬＰスーパー、東洋インキ製造株
式会社製）を用いて、部分的にインキ層を乾燥厚２μｍ
で設けた。
【００２８】このインキ層上にブタジエン系アンカーコ
ート剤（ＥＬ４５１（含水率１０％））を塗布し、５０
℃で乾燥した。この上に１５μｍ厚でポリエチレンを押
し出しコーティングしながら、厚さ２０μｍ厚のポリプ
ロピレンフィルムをラミネーションした。このように製
造した積層包装材料の断面図を図３に示す。図中、３１
はＰＥＴフィルムベースであり、３２は酸化ケイ素層、
３３はインキ層、３４はアンカーコート層、３５はポリ
エチレン層、３６はポリプロピレン層である。図中、Ａ
部は、酸化ケイ素層３２がインキ層３３に覆われている
部分であり、Ｂ部は酸化ケイ素層３２がインキ層３３で
はなくアンカーコート層３４に覆われている部分であ
る。Ｃ部は、Ａ部と同様に酸化ケイ素層３２がインキ層
３３に覆われている部分であるが、その上のアンカーコ
ート層がない部分である。Ｄ部は酸化ケイ素層３２がイ
ンキ層３３でもアンカーコート層３４でも覆われていな
い部分である。
ート剤（ＥＬ４５１（含水率１０％））を塗布し、５０
℃で乾燥した。この上に１５μｍ厚でポリエチレンを押
し出しコーティングしながら、厚さ２０μｍ厚のポリプ
ロピレンフィルムをラミネーションした。このように製
造した積層包装材料の断面図を図３に示す。図中、３１
はＰＥＴフィルムベースであり、３２は酸化ケイ素層、
３３はインキ層、３４はアンカーコート層、３５はポリ
エチレン層、３６はポリプロピレン層である。図中、Ａ
部は、酸化ケイ素層３２がインキ層３３に覆われている
部分であり、Ｂ部は酸化ケイ素層３２がインキ層３３で
はなくアンカーコート層３４に覆われている部分であ
る。Ｃ部は、Ａ部と同様に酸化ケイ素層３２がインキ層
３３に覆われている部分であるが、その上のアンカーコ
ート層がない部分である。Ｄ部は酸化ケイ素層３２がイ
ンキ層３３でもアンカーコート層３４でも覆われていな
い部分である。
【００２９】これらのＡ〜Ｄ部について、水蒸気バリヤ
ー性に関して透湿度（ＷＶＴＲ，ｇ／ｍ２・ｄａｙ）
を、大気圧下、４０℃、１００％ＲＨという条件で、透
湿度試験機（ＰＥＲＭＡＴＲＡＮ−Ｗ ＴＷＩＮ，ＭＯ
ＤＥＲＮ ＣＯＮＴＲＯＬＳ，ＩＮＣ製）を用いて測定
した。酸素バリヤー性に関して酸素透過率（Ｏ２ＴＲ，
ｃｃ／ｍ２・ｄａｙ）を、ＯＸ−ＴＲＡＮ１０／５０Ａ
（ＭＯＤＥＲＮ ＣＯＮＴＲＯＬＳ，ＩＮＣ製）を用い
て、大気圧下、２５℃、１００％ＲＨという条件で測定
した。これらの結果を表１に示す。なお、ＰＥＴフィル
ムベースに酸化ケイ素層だけが積層されたもののＷＶＴ
Ｒは５．０ｇ／ｍ２・ｄａｙでありＯ２ＴＲは４．４ｃ
ｃ／ｍ２・ｄａｙであった。また、更にインキ層のみが
積層された状態でのＷＶＴＲは２・６ｇ／ｍ２・ｄａｙ
でありＯ２ＴＲは３．０ｃｃ／ｍ２・ｄａｙであった。
ー性に関して透湿度（ＷＶＴＲ，ｇ／ｍ２・ｄａｙ）
を、大気圧下、４０℃、１００％ＲＨという条件で、透
湿度試験機（ＰＥＲＭＡＴＲＡＮ−Ｗ ＴＷＩＮ，ＭＯ
ＤＥＲＮ ＣＯＮＴＲＯＬＳ，ＩＮＣ製）を用いて測定
した。酸素バリヤー性に関して酸素透過率（Ｏ２ＴＲ，
ｃｃ／ｍ２・ｄａｙ）を、ＯＸ−ＴＲＡＮ１０／５０Ａ
（ＭＯＤＥＲＮ ＣＯＮＴＲＯＬＳ，ＩＮＣ製）を用い
て、大気圧下、２５℃、１００％ＲＨという条件で測定
した。これらの結果を表１に示す。なお、ＰＥＴフィル
ムベースに酸化ケイ素層だけが積層されたもののＷＶＴ
Ｒは５．０ｇ／ｍ２・ｄａｙでありＯ２ＴＲは４．４ｃ
ｃ／ｍ２・ｄａｙであった。また、更にインキ層のみが
積層された状態でのＷＶＴＲは２・６ｇ／ｍ２・ｄａｙ
でありＯ２ＴＲは３．０ｃｃ／ｍ２・ｄａｙであった。
【００３０】表１から明らかなように、この実施例の積
層包装材料は、酸化ケイ素層が水性のアンカーコート剤
で処理された場合にその酸素バリヤー性と水蒸気バリヤ
ー性が向上していた。
層包装材料は、酸化ケイ素層が水性のアンカーコート剤
で処理された場合にその酸素バリヤー性と水蒸気バリヤ
ー性が向上していた。
【００３１】
【表１】 ＷＶＴＲ Ｏ２ＴＲ 実施例１の積層包装材料の部分 Ａ部 ２．１ ２．５ Ｂ部 １．４ ０．９ Ｃ部 ２．２ ２．９ Ｄ部 ２．９ ４．５ 実施例２ ベースフィルム上に１０００オングストローム厚さの酸
化ケイ素層を有する基材として東洋インキ製の１０００
Ｓ１を使用する以外は実施例１と同様に積層包装材料を
製造した。これに対して実施例１と同様に水蒸気バリヤ
ー性と酸素バリヤー性とを測定した。その結果を表２に
示す。なお、東洋インキ１０００Ｓ１のＷＶＴＲは１．
５ｇ／ｍ２・ｄａｙでありＯ２ＴＲは１．９ｃｃ／ｍ２
・ｄａｙであった。また、更にインキ層のみが積層され
た状態でのＷＶＴＲは１．６ｇ／ｍ２・ｄａｙでありＯ
２ＴＲは１．５ｃｃ／ｍ２・ｄａｙであった。
化ケイ素層を有する基材として東洋インキ製の１０００
Ｓ１を使用する以外は実施例１と同様に積層包装材料を
製造した。これに対して実施例１と同様に水蒸気バリヤ
ー性と酸素バリヤー性とを測定した。その結果を表２に
示す。なお、東洋インキ１０００Ｓ１のＷＶＴＲは１．
５ｇ／ｍ２・ｄａｙでありＯ２ＴＲは１．９ｃｃ／ｍ２
・ｄａｙであった。また、更にインキ層のみが積層され
た状態でのＷＶＴＲは１．６ｇ／ｍ２・ｄａｙでありＯ
２ＴＲは１．５ｃｃ／ｍ２・ｄａｙであった。
【００３２】
【表２】 ＷＶＴＲ Ｏ２ＴＲ 実施例２の積層包装材料の部分 Ａ部 １．１ １．７ Ｂ部 ０．７ ０．６ Ｃ部 １．０ １．６ Ｄ部 １．０ １．７ 実施例３ 酸化ケイ素層の厚さを４００オングストロームとした以
外は実施例１と同様に積層放送材料を製造した。これに
対して実施例１と同様に水蒸気バリヤー性と酸素バリヤ
ー性とを測定した。その結果を表３に示す。
外は実施例１と同様に積層放送材料を製造した。これに
対して実施例１と同様に水蒸気バリヤー性と酸素バリヤ
ー性とを測定した。その結果を表３に示す。
【００３３】なお、ＰＥＴフィルムベースに酸化ケイ素
だけが積層されたもののＷＶＴＲは２４．０ｇ／ｍ２・
ｄａｙであり、Ｏ２ＴＲは２．２ｃｃ／ｍ２・ｄａｙで
あった。
だけが積層されたもののＷＶＴＲは２４．０ｇ／ｍ２・
ｄａｙであり、Ｏ２ＴＲは２．２ｃｃ／ｍ２・ｄａｙで
あった。
【００３４】
【表３】 ＷＶＴＲ Ｏ２ＴＲ 実施例３の積層包装材料の部分 Ａ部 ５．０ ２．５ Ｂ部 １．８ ２．０ Ｃ部 ５．１ ２．５ Ｄ部 ５．４ ２．７ 実施例４ インキとしてアクリル系の水性インキ（アクアカラー、
東洋インキ製造株式会社製）、アンカーコート層として
ウレタン系の油性アンカー剤（ＡＤ９８０ＡＢ、東洋イ
ンキ製造株式会社製）を用いた以外は実施例３と同様に
積層放送材料を製造した。これに対して実施例１と同様
に水蒸気バリヤー性と酸素バリヤー性とを測定した。そ
の結果を表４に示す。
東洋インキ製造株式会社製）、アンカーコート層として
ウレタン系の油性アンカー剤（ＡＤ９８０ＡＢ、東洋イ
ンキ製造株式会社製）を用いた以外は実施例３と同様に
積層放送材料を製造した。これに対して実施例１と同様
に水蒸気バリヤー性と酸素バリヤー性とを測定した。そ
の結果を表４に示す。
【００３５】なお、ＰＥＴフィルムベースに酸化ケイ素
だけが積層されたもののＷＶＴＲは２４．０ｇ／ｍ２・
ｄａｙであり、Ｏ２ＴＲは２．２ｃｃ／ｍ２・ｄａｙで
あった。
だけが積層されたもののＷＶＴＲは２４．０ｇ／ｍ２・
ｄａｙであり、Ｏ２ＴＲは２．２ｃｃ／ｍ２・ｄａｙで
あった。
【００３６】
【表４】 ＷＶＴＲ Ｏ２ＴＲ 実施例４の積層包装材料の部分 Ａ部 １．８ ２．０ Ｂ部 ５．２ ２．６ Ｃ部 １．９ ２．０ Ｄ部 ５．４ ２．７
【００３７】
【発明の効果】この発明によれば、酸化ケイ素蒸着層を
薄くしても酸素バリヤー性と水蒸気バリヤー性とが実用
上問題のない積層包装材料を製造できるようになった。
薄くしても酸素バリヤー性と水蒸気バリヤー性とが実用
上問題のない積層包装材料を製造できるようになった。
【図１】図１は、この発明の積層包装体材料の断面図で
ある。
ある。
【図２】図２は、この発明の別の態様の積層包装材料の
断面図である。
断面図である。
【図３】図３は、実施例１で製造された積層包装材料の
断面図である。
断面図である。
１ 基材 ２ 酸化ケイ素層 ３、６ 接着剤層 ４ ヒートシール性熱可塑樹脂層 ５ インキ層 １０、２０ 積層包装材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ６５Ｄ 65/40 Ｂ６５Ｄ 65/40 Ｅ
Claims (3)
- 【請求項１】 基材、酸化ケイ素層、接着層及びヒート
シール性熱可塑性樹脂層が順次積層された積層包装材料
において、該接着層が水を含む接着剤を塗布することに
より形成されたものであることを特徴とする積層包装材
料。 - 【請求項２】 基材、酸化ケイ素層、インキ層、接着層
及びヒートシール性熱可塑性樹脂層が順次積層された積
層包装材料において、少なくとも該インキ層が水性イン
キ組成物を塗布乾燥することにより形成したものである
ことを特徴とする積層包装材料。 - 【請求項３】 該接着層が水を含む接着剤を塗布するこ
とにより形成されたものである請求項１記載の積層包装
材料。
Priority Applications (6)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3358827A JP2624073B2 (ja) | 1991-12-28 | 1991-12-28 | 積層包装材料 |
| DE1992626875 DE69226875T2 (de) | 1991-12-28 | 1992-12-28 | Laminiertes verpackungsmaterial |
| EP93900402A EP0624460B1 (en) | 1991-12-28 | 1992-12-28 | Laminated wrapping material |
| PCT/JP1992/001722 WO1993012932A1 (en) | 1991-12-28 | 1992-12-28 | Laminated wrapping material |
| CA 2104870 CA2104870C (en) | 1991-12-28 | 1992-12-28 | Laminated packaging material |
| US08/405,457 US5491018A (en) | 1991-12-28 | 1995-03-16 | Laminated packaging material |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3358827A JP2624073B2 (ja) | 1991-12-28 | 1991-12-28 | 積層包装材料 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05177759A JPH05177759A (ja) | 1993-07-20 |
| JP2624073B2 true JP2624073B2 (ja) | 1997-06-25 |
Family
ID=18461317
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3358827A Expired - Fee Related JP2624073B2 (ja) | 1991-12-28 | 1991-12-28 | 積層包装材料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2624073B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH01313561A (ja) * | 1988-06-13 | 1989-12-19 | Mitsui Toatsu Chem Inc | 芳香族ポリエーテルイミド系樹脂組成物 |
Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6336939A (ja) * | 1986-07-31 | 1988-02-17 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 動圧型流体軸受の流体溝形成装置 |
| JPS63278834A (ja) * | 1987-05-11 | 1988-11-16 | Oike Ind Co Ltd | 電子レンジ用蒸着積層体 |
| JPH02299826A (ja) * | 1989-05-15 | 1990-12-12 | Mitsubishi Monsanto Chem Co | 透明ガスバリヤフィルムの製造方法 |
| JPH0325348A (ja) * | 1989-06-10 | 1991-02-04 | Draegerwerk Ag | 気体成分測定用のセンサ装置 |
-
1991
- 1991-12-28 JP JP3358827A patent/JP2624073B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6336939A (ja) * | 1986-07-31 | 1988-02-17 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 動圧型流体軸受の流体溝形成装置 |
| JPS63278834A (ja) * | 1987-05-11 | 1988-11-16 | Oike Ind Co Ltd | 電子レンジ用蒸着積層体 |
| JPH02299826A (ja) * | 1989-05-15 | 1990-12-12 | Mitsubishi Monsanto Chem Co | 透明ガスバリヤフィルムの製造方法 |
| JPH0325348A (ja) * | 1989-06-10 | 1991-02-04 | Draegerwerk Ag | 気体成分測定用のセンサ装置 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05177759A (ja) | 1993-07-20 |
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