JP2623390B2 - シリコン単結晶棒の成長方法 - Google Patents

シリコン単結晶棒の成長方法

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JP2623390B2
JP2623390B2 JP3307127A JP30712791A JP2623390B2 JP 2623390 B2 JP2623390 B2 JP 2623390B2 JP 3307127 A JP3307127 A JP 3307127A JP 30712791 A JP30712791 A JP 30712791A JP 2623390 B2 JP2623390 B2 JP 2623390B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波コイルを具備し
たFZ法(フロートゾーン法、浮遊帯域溶融法)に依り
高純度シリコン単結晶棒を成長させる製造方法に於て、
特に、該単結晶棒の直径方向断面内に均一な電気抵抗率
をもつ前記シリコン単結晶棒を成長させる方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図8は、本発明に係る従来技術のFZ法
によるシリコン単結晶成長装置の全体構成図で、上軸1
0に所定の直径の多結晶の原料棒1を、下軸8に種結晶
7を保持し、原料棒1と種結晶7を高周波コイル2で溶
解させながら両者を融着し、該両軸を回転させながら、
シリコン棒を微速度で下降させ、溶融帯域4を原料の上
端まで移動させ、単結晶棒3を得る方法である。一方、
CZ法(Czochralski法、引上法)は、大容
量のシリコン融液に目的の結晶方位の種結晶の先端を着
け、該種結晶を装着した引上軸を回転させながら引き上
げ、希望の直径のシリコン単結晶棒を得る方法である。
【0003】前記電気抵抗率の不均一分布は、成長軸方
向と断面内分布の二つに分けられる。成長軸方向の不均
一分布について、前記両成長方法を比較する。CZ法に
あっては、シリコン融液から固体のシリコン単結晶に凝
固するときドーパント物質の偏析が起こり、次第にシリ
コン融液のドーパント濃度は高くなり、成長するにつれ
電気抵抗率は滅少し、成長軸方法の不均一分布は大き
い。一方、FZ法にあっては、少ない融液容量に対して
絶えず上方からシリコン融液が供給されているため、成
長軸方向のドーパント濃度はCZ法よりもマクロ的に分
布は均一になる。
【0004】しかし、FZ法では融液容量が小さい事か
ら、融液内における対流の変動に依りドーパントがミク
ロ的に不規則に取り込まれ、断面内分布は大きくなる。
例えば、図2(a)に示すように、直径100mmで成
長方位が<111>であるようなシリコン単結晶棒(回
転速度、毎分6回転)を、厚さ300μmに形成したシ
リコンウェーハについて直径方向の電気抵抗率を測定
し、該電気抵抗率変化率Aに整理・プロットしたグラフ
を見ると、該変化率Aのばらつきが大きい事が判る。
【0005】但し、測定された電気抵抗率Rの最大値を
Rmax、最小値をRmin、ウエハ面内の電気抵抗率
Rの平均をRaveとするとき、電気抵抗率変化率Aを A=[(R−Rave)/Rave]×100 (%) 又、電気抵抗率の断面内変動率aを a=[(Rmax−Rmin)/Rmin]×100 (%) と定義する。ここで、単純に電気抵抗率Rについてプロ
ットせずに、電気抵抗率変化率Aの値を扱うのは、電気
抵抗率Rが大きくなるに従って見掛け上電気抵抗率の変
化率が大きくなるように見える事を避けるためである。
又、断面内変動率aに依り電気抵抗率Rの変動が一つの
数値として表され、これに依り電気抵抗率分布を相互に
比較評価する事ができる。
【0006】図2(a)は、シリコン単結晶棒の断面内
における電気抵抗率変化率Aの分布図で、ウエハ中心付
近で電気抵抗率が低下しており不均一である事が判る。
又、断面内変動率aの値は、22.1%となる。個別半
導体製造に於て、前記断面内変動率aの値はなるべく小
さいものが要求され、厳しいデバイスでは3%以下のも
のを要求される事もある。かかる場合には不純物をドー
プする事なしにFZ法でシリコン単結晶棒を成長させた
後、単結晶棒を原子炉内に挿入し中性子照射する事に依
30Siを31Pに核反応で変化させたドーパントで
ドープする方法が知られている。しかし、この中性子照
射ドープ法では原子炉を必要とし、シリコンウエハ製造
のコストは大幅に上昇すると云う欠点があり、中性子照
射する事なく、工業的に前記断面内変動率aの値が低い
シリコン単結晶棒を成長させる方法が要求されている。
【0007】翻って、FZ法とCZ法とのシリコン融液
の容量を比較すると、前者は後者の凡そ100分の1か
ら1000分の1であり、FZ法はCZ法のようにシリ
コン融液内の対流状態を人為的に制御するのは困難であ
るとされている。従って、FZ法によるシリコン単結晶
棒中の直径方向の断面内ドーパントの濃度分布の不均
一、ひいては電気抵抗率の不均一分布を解消出来ないと
されてきた。
【0008】ここで、FZ法の溶融帯域におけるシリコ
ン融液の流れを考えてみるなら、種結晶の回転による強
制対流と、高周波コイルで加熱される事に依り生じる自
然対流、及び融液の体積に対してはるかに比率の大きい
融液自由表面に依り誘起される表面張力による表面張力
対流がある。ここで、自然対流と表面張力対流の速度を
減じる方法として、これらの流れに相対するように前記
強制対流を起こさせる事が考えられるが、FZ法では融
液容量が小さいために強制対流が弱い事から殆ど打消す
効果は得られない。又、成長中のシリコン単結晶棒をよ
り高速に回転させる事に依り強制対流を激しくさせる事
も考えられるが、該単結晶棒下方先端に最初に形成した
絞り部で結晶棒の重量を支えているために、そのような
高速回転に耐えられず成長中の単結晶棒が倒壊してしま
い、この手段は現実的ではない。
【0009】かかる課題を解決させる手段として、FZ
法のシリコン溶融帯域に成長方向に平行に磁場を印加す
る方法が、N.De Leon等(N. De Leo
n,J. Guldberg and J. Sall
ing: J. Cryst. Growth 55
(1981)406−408)に報告されており、溶融
帯域の境界面とほぼ一致する位置に磁場発生手段を配置
し、180ガウス以下の成長軸方向に略平行方向に磁場
を印加し直径42mmのシリコン単結晶棒を成長させ、
断面内の電気抵抗率変動を小さくしたと報告されてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら現在のF
Z法による工業的なウエハの需要は、該ウエハの直径が
75mm以上のものが主流を成し、De Leon等の
直径50mm未満のウエハの製造方法では現状要求を満
たすものでない。即ち、FZ法に於て、その育成単結晶
直径が75mmを超える融液に、その結晶の成長方向に
略平行に、180ガウス以下の磁場を印加する事に依っ
て育成された単結晶の直径方向断面内の電気抵抗率の変
化は、その中心部の電気抵抗率が著しく低くなるために
電気抵抗率断面内変動率aは20%を超える。
【0011】本発明はかかる従来技術の欠点に鑑み、前
記FZ法に依り直径75mm以上のシリコン単結晶棒を
成長させる製造方法に於て、熱中性子照射に依るドープ
工程を採用する事なく、該シリコン単結晶棒の直径方向
断面内のドーパント分布をミクロ的に均一化を図る事を
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、FZ法に依り
直径75mm以上のシリコン単結晶棒を製造する方法に
おいて、高周波誘導加熱コイルとして、コイルの内径が
少なくとも育成単結晶の直径よりも小さい単巻コイルを
用い、更に、溶融帯域の軸方向長さを育成単結晶直径よ
りも小さくなるように設定するとともに、前記溶融帯域
より外れた軸方向の上方位置及び/又は下方位置の非溶
融状態にある原料多結晶棒又は育成単結晶棒を囲繞する
如く磁場形成手段を配し、該磁場形成手段に依りシリコ
ン単結晶棒の溶融帯域に磁場を印加する事を特徴とする
ものである。この場合、前記磁場形成手段は、例えば前
記非溶融状態にあるシリコン単結晶棒又は原料多結晶棒
の外周を囲繞するソレノイドコイルであり、該ソレノイ
ドコイルに直流電流を供給して構成される。又前記直流
電流のリップル率は8%以下に抑えるとともに、上軸
(原料多結晶側)の回転数より下軸(育成単結晶側)の
回転数を大に設定するのがよい。更に直径75〜130
mmのシリコン単結晶棒を製造する場合には、前記磁場
形成手段の磁場強度を150ガウスから600ガウスの
間に設定するとともに、前記シリコン単結晶棒に磁場を
印加させながら該単結晶棒を回転させ、該回転数を毎分
1回転から8回転に設定するのがよい。
【0013】しかしながら、前記シリコン単結晶棒の直
径が130mmを超えると、前記磁場形成手段の磁場強
度は、180ガウスから200ガウスの間に設定するの
が好ましく、更に、該シリコン単結晶棒の回転速度を毎
分0.5回転から4回転とするのが好ましい。
【0014】
【作用】かように製造方法を設定する事に依り、大直
径、例えば75mm以上のシリコン単結晶棒のFZ育成
法に於て下軸回転速度を著しく上昇させる事なく、単結
晶棒の断面内ドーパントの不均一分布が解消可能とな
る。下軸回転速度を上げる事に依って、表面張力対流や
自然対流を妨げる逆方向の強制対流が発生する事は発明
者等の実験で確かめられているが、高々8回転/分程度
ではこの種の効果は無い。又、下軸回転は前述した強制
対流を起こし、融液の強制撹拌を起こすけれども、その
回転中心は強制対流の要因である回転周速度はゼロであ
り、攪拌に依るドーパントの混合効果がない事、又、成
長界面に於ける平坦なファセット成長のために中心部が
低い電気抵抗率を示す事となる。
【0015】ところが、溶融帯域から外れた成長軸方向
の上方、又は下方、具体的には溶融帯域からやや離れた
位置にある非溶融状態にある原料多結晶棒又は育成単結
晶棒外周を囲繞してソレノイドコイルを配置し、これに
直流を供給し溶融帯域を含む成長軸方向の直流磁場を形
成すると、FZ法に於ける溶融帯域の形状は自重の影響
を受けるためにその縦断面内の外側形状は成長軸方向に
対して傾斜し、上記ソレノイドコイルの磁力線と交わる
ようになる。特に本発明においては溶融帯域から外れた
成長軸方向の上方の原料多結晶棒の外周に囲繞配置した
ソレノイドコイルの場合は下の溶融帯域近傍で外方に曲
折する直流磁場が、又溶融帯域から外れた成長軸方向の
下方の育成単結晶棒の外周に囲繞配置したソレノイドコ
イルの場合には、上の溶融帯域近傍で外方に曲折する直
流磁場が丁度溶融帯域表面の表面張力対流、自然対流に
直交する磁力線を形成しこれ等の表面張力対流や自然対
流を抑えるように、磁気特性効果を発揮するものと考え
られる。そして前記De Leon等が報告した従来技
術においては前記磁場が溶融帯域の境界面上を囲繞する
ごとく配置されているためにこのような効果は生ぜじな
い。
【0016】更に、FZ法においてソレノイドコイルに
直流電流を供給して磁場を印加する場合、該直流電流に
リップルが含まれるならば、該リップル分がシリコン溶
融帯域内で誘導渦電流を発生させ、該溶融帯域の断面内
の温度分布と流速の不均一分布を誘起し、該断面内のド
ーパント濃度分布の悪化につながると考えられる。従っ
て前記直流電流のリップル率は8%以下に抑えるととも
に、上軸(原料多結晶側)の回転数より下軸(育成単結
晶側)の回転数を大に設定することにより、該リップル
率の上限は誘起される不均一分布が実用上認められる程
度に抑えられる事になる。これについても前記De L
eon等が報告した従来技術には開示されていない。
【0017】更に、前記De Leon等が報告した従
来技術と本発明を比較する。本発明では、FZ法に於て
ソレノイドコイルを単結晶を成長させる溶融帯域の周囲
に囲繞させ直流磁場を印加する点でDe Leon等と
同じ技術思想ともいえるが、本発明に於て採用するFZ
法は、育成単結晶の直径が75mm以上を対象にしてお
り、高周波誘導加熱コイルとしては単巻コイルを用い、
しかもそのコイルの内径が少なくとも育成単結晶の直径
よりも小さい事、更に、溶融帯域の長さは育成単結晶直
径よりも小さくそのための形状は、De Leon等の
小直径の場合と比較して、直径に対して高さが著しく低
くなり、これにより口径が75mm以上の単結晶を育成
する場合においても断面内のドーパント濃度分布の悪化
を阻止しつつ電気抵抗率の不均一分布が実用上認められ
る程度に抑えられる、従って、De Leon等の場合
とFZ条件が著しく異なっているので、本発明は単なる
De Leon等の開示技術の延長ではとても本発明の
技術課題を解決出来るものではない。
【0018】又De Leon等は、直径42mmのシ
リコン単結晶について、上軸回転速度毎分7回転、下軸
回転速度毎分3.5回転の逆方向回転に於て、最高18
0ガウスの磁場を印加し、その内80ガウスに於て電気
抵抗率の半径方向の変動[R(周辺部)/R(中心
部)]が最低値を示したと報告している。しかし、本発
明の結果から、もし本発明の方法で直径42mmのシリ
コン単結晶棒を育成したとすると、最適な印加磁場の強
度は500ガウス以上、及び下軸回転速度は毎分7回転
以上となる事が予測され、前記De Leon等の報告
結果と本発明の結果とは異なる。
【0019】本発明者等は、De Leon等の開示技
術とは全く別の角度から、即ち、高周波誘導加熱コイル
の内径、形状、溶融帯域に対するソレノイドコイルの位
置、及び磁力線の方向、磁場の強さ、下軸回転速度、及
びリップル分等に就いて種々研究し、本発明に到達した
ものである。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の好適な実施例
を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載さ
れている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置な
どは特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲を
それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎ
ない。
【0021】図1(a)、(b)は本発明の実施例に係
るFZ法によるシリコン単結晶成長装置の全体構成図
で、該成長装置は、チャンバ5内に上方より吊り下げた
シリコン多結晶棒1を、単巻内径23mmの高周波コイ
ル2で溶融した後、種結晶7を接着させ、絞り6に依り
無転位化したのち、シリコン単結晶棒3を成長可能に構
成されている。前記シリコン多結晶棒1及びシリコン単
結晶棒3を、夫々上軸10及び下回転軸8に依り回転す
る。この際、上軸10は回転速度毎分0.4回転、下軸
は回転速度毎分0.5〜10回転の同方向回転とした。
又高周波コイル2には、コイルの内径が少なくとも育成
単結晶の直径よりも小さい単巻のフラットコイルを用
い、更に、溶融帯域の軸方向長さを育成単結晶直径より
も小さくなるように設定する更に、図1(a)では、ソ
レノイドコイル9を、高周波コイル2の下側の前記チャ
ンバ5の外壁に、また図1(b)では、ソレノイドコイ
ル9を、高周波コイル2の上側の前記チャンバ5の外壁
に夫々配置し、図1(a)では、前記ソレノイドコイル
9は溶融帯域より僅かに外れた軸方向の下方位置の非溶
融状態にある原料多結晶棒を囲繞する如く配置され、又
図1(b)では、前記ソレノイドコイル9は溶融帯域よ
り僅かに外れた軸方向の上方位置の非溶融状態にある育
成単結晶棒を囲繞する如く配置されることになる。即ち
具体的には前記高周波コイル2の中心と該ソレノイドコ
イル9の中心との距離を略175mm程度該高周波コイ
ル2の下方若しくは上方に、成長軸と同心に配設する。
該ソレノイドコイル9の寸法は、内径210mm、外径
500mm及び高さ130mmである。
【0022】そして図1(a)の装置において、ドーパ
ントとしてフォスフィンをチャンバ5内に流して燐をド
ープし、成長方位<111>であるn型シリコン単結晶
捧を成長させた。特に、ここでは直径75mm,100
mm及び125mmのシリコン単結晶棒3について取り
上げた。該ソレノイドコイル9にリップル率8%以下の
直流電流を流し、成長界面の中心の位置における測定値
が磁力0〜1000ガウスの範囲に変化させ、結晶を成
長させた。このとき、上軸10は回転速度毎分0.4回
転で一定としてシリコン単結晶棒3の回転を同方向で毎
分0.5〜10回転迄変化させ、シリコン溶融帯域4内
の強制対流を変動させるようにした。
【0023】シリコン単結晶棒3を成長後チャンバ5よ
り取り出して、所定の位置よりダイヤモンドソーで厚さ
300μmのシリコンウエハを切り出し、電気抵抗率測
定用のサンプルとした。切り出した該ウエハの電気抵抗
率Rを4探針測定方法に依り測定した後、そのウエハ面
内での電気抵抗率Rの平均値をRave、最大値をRm
ax、及び最小値をRminとすると、電気抵抗率変化
率Aを A=[(R−Rave)/Rave]×100 (%) 又、電気抵抗率の断面内変動率aを a=[(Rmax−Rmin)/Rmin]×100 (%) の定義に依り、測定値を整理し評価の物差とする。
【0024】図2は、前記電気抵抗率変化率Aの値を該
ウエハの中心からの距離についてプロットしたグラフ
で、図2(a)は、前記シリコン単結晶を成長させる溶
融帯域に磁場を印加しない場合を示す。図2(b)は、
該溶融帯域に磁場の強度250ガウスを印加した場合を
示す。但し、下回転軸8を回転速度6回転/分で回転し
生成した直径100mmのシリコン単結晶棒(成長方位
<111>、燐ドープn型結晶)から切り出したウエハ
について測定したものを示す。別に、測定値から電気抵
抗率の断面内変動率aを求めると、夫々22.1%及び
9.7%となり、磁場を印加した事に依り該断面内の均
一分布が得られた事が判る。
【0025】図3は、直径が75mm、100mm及び
125mmの前記サンプルウエハについて、電気抵抗率
の断面内変動率aを示す表図である。但し、これらは夫
々好適な下軸回転速度を中心に適宜範囲に回転し、リッ
プル率が3%である直流電流による磁場の強度を0〜1
000ガウスの範囲にわたって印加成長させたシリコン
単結晶棒から切出したサンプルウエハについて測定整理
したものである。
【0026】好適な成長条件である下軸回転速度と磁場
の強度は、前記表図3から電気抵抗率の断面内変動率a
が小さい値である所を読み取り、該回転速度は1〜8回
転/分、磁場の強度は190〜600ガウス、更に好ま
しくは、該断面内変動率aが最小値である最適条件は、
直径75mmのシリコン単結晶棒にあっては下軸回転速
度が7回転/分で印加する磁場の強度は500ガウス、
直径100mmでは6回転/分で250ガウス、及び直
径125mmでは2回転/分で220ガウスである事が
判る。ウエハの直径が増加するにつれて下軸回転速度を
減少させ、さらに磁場の強度を減少させなければ良好な
結果が得られない理由は、前記作用の欄で述べたとお
り、シリコン溶融帯域における下軸回転による遠心力と
磁場が作用する力の微妙なバランスの上で、境界拡散層
の厚さの不均一分布が改善されたものと考えられる。
【0027】図4は、前記各種直径の単結晶棒につい
て、前記最適条件における前記直流電流に含まれるリッ
プ率を3〜15%に変化させたときの、電気抵抗率の断
面内変動率aを示した表図である。該図4から断面内変
動率aの値が許容される程度に小さい値であるリップル
率の範囲は、8%以下である事が判る。
【0028】次に、シリコン単結晶棒の直径が130m
mを超えた場合の好適な第2の実施例を、更に揚げる。
図1と同一のFZ法によるシリコン単結晶成長装置を用
いた。又、同一ソレノイドコイルを用い、高周波コイル
2との空間的位置関係を同一とした。ドーパントには、
フォスフィンをチャンバ5内に流して燐をドープし、成
長方位<111>である。直径150mmのn型シリコ
ン単結晶棒を成長させた。該ソレノイドコイル9にリッ
プル率3%、8%及び15%の直流電流を流し、成長界
面の中心の位置に於ける測定値が、磁力0ガウスから2
50ガウスの範囲内で変化させた。このときの上軸10
は回転速度毎分0.4回転で一定として、シリコン単結
晶棒3の回転を同方向で毎分0.5回転から毎分4回転
の間で変化させた。
【0029】図5は、前記第2の実施例に於ける電気抵
抗率変化率Aの値を、図2と同様に、前記ウエハの中心
からの距離についてプロットしたグラフで、印加磁力及
びシリコン単結晶棒の回転数が、夫々(a)0ガウス、
毎分2回転、及び(b)185ガウス、毎分2回転の場
合を示す。
【0030】図6は、印加磁力を0ガウスから250ガ
ウスまで、またシリコン単結晶棒の回転数を毎分0.5
回転から毎分4回転まで変化させ、電気抵抗率の断面内
変動率aを測定計算した表図である。前記図3の、シリ
コン単結晶棒の直径が75mmから125mmの場合と
比較すると、該直径が150mmの場合は、その好まし
い範囲が移動縮小し、シリコン単結晶棒の回転数は毎分
0.5回転から毎分4回転に、印加磁場の強さは180
ガウスから200ガウスになる事が判る。該直径が75
mmから125mm以上の場合としては、直径150m
mの他に、直径140mmについても試みたが、前記最
適範囲は同じであった。
【0031】図7は、前記直流電流に含まれるリップル
率の電気抵抗率の断面内変動率aへの影響を示す表図で
ある。リップル率に関しては、シリコン単結晶棒の直径
が大きくなると、その許容上限値は小さくなるようであ
るが、リップル率8%に対し電気抵抗率の断面内変動率
aは、約16%で磁場を印加しないときのそれらに比較
すると、格段に改善されている。
【0032】図1(b)については前記実験を行わなか
ったが、該成長装置は、ソレノイドコイル9を高周波コ
イル2の上側、言換えれば溶融帯域の上方の非溶融状熊
にある育成単結晶の外周に囲繞配設した点を除き、他は
前記1(a)の成長装置と同様に構成されている為に、
該成長装置にあっても、磁場は溶融帯域及び結晶成長域
を同様に含むので、前記成長装置と同様の効果が容易に
期待される。又、ソレノイドコイル9を高周波コイル2
の上方・下方に同時に配設した場合、該両ソレノイドコ
イルで形成される磁場が同一方向であれば、夫々のソレ
ノイドコイルが形成する磁場の強度は、単一ソレノイド
コイルにおける略半分で前記実施例における成長装置と
同様の効果が達成される。又、該両ソレノイドコイルで
形成される磁場が逆方向である場合は、該磁場の強度の
差が単一ソレノイドコイルにおける磁場の強度と略等し
くなったとき、前記実施例における成長装置と同様の効
果が得られるものと期待できる。
【0033】
【発明の効果】以上記載した如く本発明によれば、FZ
法に依り直径75mm以上のシリコン単結晶棒を成長さ
せる製造方法に於て、該シリコン単結晶棒の直径方向の
断面内のドーパント分布をミクロ的に均一化を図る事が
出来る。又、本発明によれば、該FZ法の工程中に熱中
性子照射に依りドープする工程は含まれないために、望
ましい原価で該シリコン単結晶棒を成長させる事が出来
る。等の種々の著効を有す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシリコン単結晶成長装置の全体構
成図で、図1(a)はソレノイドコイルを溶融帯域の下
方位置に配設した場合の全体構成図、図1(b)はソレ
ノイドコイルを溶融帯域の上方位置に配設した場合の全
体構成図。
【図2】本発明の第1の実施例に係わるシリコン単結晶
棒の断面内における電気抵抗率変化率Aの分布図で、図
2(a)は磁場を印加しない場合の分布図、図2(b)
は磁場を印加した場合の分布図。
【図3】本発明の第1の実施例に係る各種直径のシリコ
ン単結晶棒の成長にあたって、下軸回転速度、及び印加
した磁場の強度を適宜範囲内に変化させたときの、該単
結晶棒の断面内における電気抵抗率変動率aを示す表
図。
【図4】本発明の第1の実施例に係る各種直径のシリコ
ン単結晶棒の成長にあたって、印加する磁場を形成する
直流電流に含まれるリップル率を変化させたときの、該
単結晶棒断面内における電気抵抗率変動率aを示す表
図。
【図5】本発明の第2の実施例に係る電気抵抗率変化率
Aの値を、前記ウエハの中心からの距離についてプロッ
トした分布図で、図5(a)は磁場を印加しない場合の
分布図、図5(b)は磁場を印加した場合の分布図。
【図6】本発明の第2の実施例に係るシリコン単結晶棒
の成長にあたって、下軸回転速度、及び印加した磁場の
強度を適宜範囲内に変化させたときの、該単結晶棒の断
面内における電気抵抗率変動率aを示す表図。
【図7】本発明の第2の実施例に係るシリコン単結晶棒
の成長にあたって、印加する磁場を形成する直流電流に
含まれるリップル率を変化させたときの、該単結晶棒断
面内における電気抵抗率変動率aを示す表図。
【図8】従来技術によるシリコン単結晶成長装置の全体
構成図。
【符号の説明】
1 シリコン多結晶棒 2 高周波コイル 3 シリコン単結晶棒 4 溶融帯域 5 チャンバ 6 絞り 7 種結晶 8 下回転軸 9 ソレノイドコイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/208 H01L 21/208 M H05B 6/32 H05B 6/32 (56)参考文献 JOURNAL OF CRYSTA L GROWTH,55(1981)P.406 −408

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 FZ法に依り直径75mm以上のシリコ
    ン単結晶棒を製造する方法において、 高周波誘導加熱コイルとして、コイルの内径が少なくと
    も育成単結晶の直径よりも小さい単巻コイルを用い、更
    に、溶融帯域の軸方向長さを育成単結晶直径よりも小さ
    くなるように設定するとともに、 前記溶融帯域より外れた軸方向の上方位置及び/又は下
    方位置の非溶融状態にある原料多結晶棒又は育成単結晶
    棒を囲繞する如く磁場形成手段を配し、該磁場形成手段
    に依りシリコン単結晶棒の溶融帯域に磁場を印加する事
    を特徴とするシリコン単結晶棒の成長方法。
  2. 【請求項2】 前記磁場形成手段が、前記非溶融状態に
    あるシリコン単結晶棒又は原料多結晶棒の外周を囲繞す
    るソレノイドコイルであり、該ソレノイドコイルに直流
    電流を供給する事を特徴とする請求項1記載のシリコン
    単結晶棒の成長方法。
  3. 【請求項3】 前記直流電流のリップル率を8%以下に
    抑えるとともに、上軸(原料多結晶側)の回転数より下
    軸(育成単結晶側)の回転数を大に設定した事を特徴と
    する請求項2記載のシリコン単結晶棒の成長方法。
  4. 【請求項4】 FZ法に依り直径75〜130mmのシ
    リコン単結晶棒を製造する方法において、 前記磁場形成手段の磁場強度を150ガウスから600
    ガウスの間に設定するとともに、前記シリコン単結晶棒
    の溶融帯域に磁場を印加させながら該単結晶棒を回転さ
    せ、該回転数を毎分1回転から8回転に設定した事を特
    徴とする請求項3記載のシリコン単結晶棒の成長方法。
  5. 【請求項5】 直径130mm以上のシリコン単結晶棒
    を製造する方法において、 前記磁場形成手段の磁場強度を180ガウスから200
    ガウスの間に設定するとともに、該シリコン単結晶棒の
    回転数を毎分0.5回転から4回転に設定した事を特徴
    とする請求項3記載のシリコン単結晶棒の成長方法。
JP3307127A 1991-03-22 1991-10-28 シリコン単結晶棒の成長方法 Expired - Lifetime JP2623390B2 (ja)

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EP92104900A EP0504929B1 (en) 1991-03-22 1992-03-20 Method of growing silicon monocrystalline rod
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