JP2621147B2 - 水性塗料用樹脂組成物 - Google Patents

水性塗料用樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規にして有用なる水性塗料用樹脂組成物
に関する。さらに詳細には、本発明は、特定の水性樹脂
バインダー(以下、水性バインダーとも、バインダーと
も記載する。)と共に、造膜した際に、優れた白度を与
え、しかも、該バインダーとイオン結合するということ
によって、強靱な塗膜を形成することの出来る非造膜性
重合体微粒子を含有するという、斬新なる水性塗料用樹
脂組成物に関する。
[従来の技術] 従来において、上述したような水性塗料用樹脂組成物
としては、特公昭46−6524号公報に開示されているよう
な、非造膜性重合体微粒子として、モノビニリデン芳香
族類の80重量%(以下、wt%と記載する。)以上、20wt
%以内の其の他の単量体を乳化重合して得られる粒子径
0.3〜0.8μmのエマルジョン粒子を用いたもの、また本
発明者らが先に特許出願した特開昭61−62510号公報に
開示されている、重合性ビニル単量体および必要に応じ
て多官能性架橋性単量体を乳化重合して得られるエマル
ジョンの存在下で前記重合体より溶解度パラメーターの
差が0.1以上である単量体混合物を乳化重合して得られ
る内部に小孔を有するエマルジョン粒子を用いたものが
知られている。
かかる従来技術による水性塗料用樹脂組成物の問題点
としては、何れも非造膜性樹脂エマルジョンの白色度が
満足できるものではなかった。たとえば、特公昭46−65
24号公報に従って得られたものよりも特開昭61−62510
号公報に従って得られた非造膜性重合体微粒子の方が白
色度が優れているものの該白色度を利用して従来の白色
顔料である酸化チタンの代替までに至っていないのが現
状である。
また、従来技術における非造膜性重合体微粒子は、バ
インダーへの分散性において酸化チタンなどの顔料類よ
りも良好ではあるが、バインダーと化学的には結合して
はいないため配合物が分離することがあり、また、造膜
した場合の塗膜の物性も酸化チタンに比べてほぼ同程度
の性能しか得られていなかった。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは以上の点に鑑みて、従来技術によって得
られる非造膜性重合体微粒子よりも優れた白色度を有
し、かつバインダーと化学的に結合することによってそ
の配合物の保存安定性および配合物からの塗膜の物性、
特に耐摩耗性の向上をもたらす該微粒子を含む水性塗料
用樹脂組成物を得るべく鋭意検討した結果、以下の特定
の組成によって得られた該微粒子を必須成分とする水性
塗料用組成物が、満足する性能を有することを見いだし
本発明を完成するに至った。
すなわち、基本的には、それぞれ、 (1) 分子中にカルボキシル基を有する水性樹脂バ
インダーの100重量部(固形分基準)と、 (A)必須の成分としての、それぞれ、α,β−エ
チレン性不飽和カルボン酸の5〜70重量%と、炭素数が
1〜8なるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アル
キルエステルの5〜95重量%〔以上、比率は(A)成分
の総量を基準とするものとする。〕とからなる混合物を
乳化重合せしめ、上記(A)成分の0.1〜30重量部の存
在下に、 (B)必須の成分としての、それぞれ、3級アミノ基含
有単量体の0.1〜10重量%と、芳香族ビニル化合物の50
〜99.9重量%〔以上、比率は(B)成分の総量を基準と
するものとする。〕とからなる混合物の70〜99.9重量%
を乳化重合せしめて得られる非造膜性重合体微粒子エマ
ルジョン(非造膜性重合体エマルジョンとも、非造膜性
樹脂エマルジョンとも記載する。)の0.1〜9900重量部
(固形分基準)とを含有することから成る、水性塗料用
樹脂組成物 を提供しようとするものであるし、 (2) 分子中にカルボキシル基を有する水性樹脂バ
インダーの100重量部(固形分基準)と、 (A)必須の成分としての、それぞれ、α,β−エ
チレン性不飽和カルボン酸の5〜70重量%と、炭素数が
1〜8なるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アル
キルエステルの5〜95重量%〔以上、比率は(A)成分
の総量を基準とするものとする。〕とからなる混合物を
乳化重合せしめ、上記(A)成分の0.1〜30重量部の存
在下に、 (B)必須の成分としての、それぞれ、3級アミノ基含
有単量体の0.1〜10重量%と、芳香族ビニル化合物の50
〜99.9重量%〔以上、比率は(B)成分の総量を基準と
するものとする。〕とからなる混合物の70〜99.9重量%
を乳化重合せしめて得られる非造膜性重合体微粒子エマ
ルジョン(非造膜性重合体エマルジョンとも、非造膜性
樹脂エマルジョンとも記載する。)の0.1〜9900重量部
(固形分基準)と、 顔料類とを含有することから成る、水性塗料用樹脂
組成物を提供しようとするものである。
まず、本発明に係る水性塗料用樹脂組成物を構成して
いる、上記した水性樹脂バインダーとは、リシン、フ
ラット、グロス、弾性ならびに金属用などのような、一
般的なる水性塗料用組成物のバインダーとなるべきもの
であれば、いずれのものも、特に支障なく、使用するこ
とが出来るが、それらのうちでも特に代表的なもののみ
を例示するにとどめれば、カルボキシル基含有のビニル
系樹脂エマルジョン、カルボキシル基含有のビニル系水
溶性樹脂またはカルボキシル基含有のビニル系樹脂水系
ディスパージョンなどである。
こうした樹脂類は、後述するようなビニル系単量体
を、公知慣用の種々の製造方法に従って調製された形の
ものであればよい。
特に限定されることがあれば、そうした限定される事
項としては、一つには、上記した各樹脂類のガラス転移
温度(Tg)が60℃以下であるということであるし、二つ
には、上記した各樹脂類の固形分濃度(NV)が20〜60重
量%であるということであり、好ましくは、Tgが60℃以
下であって、しかも、NVが20〜50重量%なる範囲内のも
のである。
次に、の非造膜性樹脂エマルジョンについて説明す
る。
(A)成分を製造するのに用いられるα,β−エチレ
ン性不飽和カルボン酸の具体例としては、(メタ)アク
リル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、もしくはシトラコン酸、無水マレイン酸、無水イタ
コン酸のごとき酸無水基含有単量体とグリコールとの付
加物のごとき不飽和基含有ヒドロキシアルキルエステル
モノカルボン酸のごときカルボキシル基含有単量体もし
くはジカルボン酸類;無水マレイン酸、無水イタコン酸
などの多価カルボン酸無水基含有不飽和単量体などがあ
り、これらは単独使用でも2種以上の併用でもよいこと
は、勿論である。該α,β−エチレン性不飽和カルボン
酸の使用量としては、当該(A)成分の総量を基準とし
て、概ね、5重量%以上が、好ましくは、5〜70重量%
なる範囲内が適切である。
そして、当該(A)成分を構成している、そのうちの
一つである、炭素類が1〜8なる(以下、これをC1-8
略記する。)、直鎖状、分岐状ないしは環状のアルキル
基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
トが挙げられ、これらも単独もしくは2種以上併用でき
る。使用量としては(A)成分の総量を基準として5〜
95wt%の範囲である。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチル
スチレン、p−tert−ブチル−スチレン、p−メチルス
チレンのごときスチレンもしくはその誘導体が挙げら
れ、同様に単独もしくは2種以上併用できる。使用量と
しては(A)成分の総量基準で0〜50wt%である。
その他これらの単量体と共重合できる単量体としては
以下のようなものが例示できるが、これらもまた、単独
もしくは併用して用いることができる。(A)成分に導
入できる範囲としては0〜50wt%である。
まず水酸基含有単量体としては例えば2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−
クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート
などのごとき(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキル
エステル類;マレイン酸、フマル酸のごとき多価カルボ
ン酸のジ−ヒドロキシアルキルエステル類のごとき不飽
和基含有ポリヒドロキシアルキルエステル類;ヒドロキ
シエチルビニルエーテルのごときヒドロキシアルキルビ
ニルエーテル類などがある。
その他、ベンジル(メタ)アクリレートのごとき(置
換)芳香核含有(メタ)アクリル酸エステル類;マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸のごとき不飽和ジカルボン
酸と1価アルコールのジエステル類;酢酸ビニル、安息
香酸ビニル、「ベオバ」(シェル社製のビニルエステ
ル)のごときビニルエステル類;「ビスコート8F,8FM,3
F,3FM」(大阪有機化学(株)製の含フッ素(メタ)ア
クリル単量体)、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)
アクリレート、ジ−パーフルオロシクロヘキシルフマレ
ート、またはN−i−プロピルパーフルオロオクタンス
ルホンアミドエチル(メタ)アクリレートのごとき(パ
ー)フルオロアルキル基含有のビニルエステル類;塩化
ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、フッ化ビ
ニル、クロロトリフルオロエチレン、エチレン、プロピ
レンなどのオレフィン類;(メタ)アクリルアミド、N,
N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−アルコキシ
メチル化(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリル
アミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどの
ごとき、カルボン酸アミド基含有単量体類;p−スチレン
スルホンアミド、N−メチル−p−スチレンスルホンア
ミド、N,N−ジメチル−p−スチレンスルホンアミドな
どのごとき、スルホン酸アミド基含有単量体類;N,N−ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレートのごときN,N
−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、
または無水マレイン酸のごとき多価カルボン酸無水基含
有単量体類とN,N−ジメチルアミノプロピルアミンのご
とき多価カルボン酸無水基と反応しうる活性水素基なら
びに3級アミノ基とを併せ有する化合物との付加物のご
とき3級アミノ基含有単量体類;(メタ)アクリロニト
リルのごときシアノ基含有単量体類;(メタ)アクリル
酸ヒドロキシアルキルエステルのごときα,β−エチレ
ン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類
とリン酸エステル類との縮合反応によって得られるリン
酸エステル基を有する単量体類;2−アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸のごときスルホン酸基を有
する単量体もしくはその有機アミン塩などがある。
また、最終的に得られる非造膜性重合体微粒子の耐久
性や耐溶剤性を向上させるために、以下に示すような架
橋性単量体を(A)成分総量基準に対し必要に応じて0
〜30wt%含有させることが好ましい。
架橋性単量体の具体例としては、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ジビニルベンゼン、トリビニルベン
ゼン、ジアリルフタレートなどのごとき、分子中に重合
性不飽和基を2個以上有する単量体;ビニルトリエトキ
シシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
イルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシランの
ごとき加水分解性シリル基含有単量体類がある。
(A)成分を製造するには、上記各単量体群の所要量
を乳化剤、重合開始剤、水の存在下、公知慣用の乳化重
合法によって合成すれば良い。その際に使用される乳化
剤としては、アニオン型乳化剤、非イオン型乳化剤、カ
チオン型乳化剤、その他反応性乳化剤、アクリルオリゴ
マーなどの界面活性能を有する物質が挙げられ、これら
のうち、非イオン型およびアニオン型乳化剤が重合中の
凝集物の生成が少ないこと、および安定なエマルジョン
が得られることから好ましい。非イオン型乳化剤として
はポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ン高級脂肪酸エステル、エチレンオキサイド−プロピレ
ンオキサイドブロック共重合体などが代表的であり、ア
ニオン型乳化剤としてはアルキルベンゼンスルホン酸ア
ルカリ金属塩、アルキルサルフェートアルカリ金属塩、
ポリオキシエチレンアルキルフェノールサルフェートア
ルカリ金属塩などがある。さらに上述のアニオン型乳化
剤のかわりに、もしくは併用でポリカルボン酸もしくは
スルホン酸塩よりなる水溶性オリゴマーの利用もでき
る。さらに一般に乳化重合する際に時折用いられるポリ
ビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロースなどの
水溶性高分子物質を保護コロイドとして用いることがで
きる。これらのものを使用した際には得られるエマルジ
ョンの粒子径が大きくなり、白色度が良好となるが、反
面バインダーと共に形成される塗膜の耐水性、耐候性が
低下するので、総単量体量に対して5wt%以下、好まし
くは2wt%以下の使用量にすべきである。以上の乳化剤
などの使用量は総単量体量に対して0.1〜10wt%程度で
ある。
次に重合開始剤としては乳化重合に一般的に使用され
ているものであれば特に限定されないが、具体例として
は、過酸化水素のごとき水溶性無機過酸化物;過硫酸ア
ンモニウム、過硫酸カリウムのごとき過硫酸塩類;クメ
ンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド
のごとき有機過酸化物類;アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビスシアノ吉草酸のごときアゾ系開始剤類など
があり、これらは1種、もしくは併用してもよい。使用
量としては総単量体量に対して、0.1〜2wt%が好まし
い。なお、これらの重合開始剤と金属イオンおよび還元
剤との併用による、いわゆるレドックス重合法として公
知の方法によっても良いことは勿論である。
(A)成分は水、好ましくはイオン交換水と乳化剤な
どの存在下、(A)成分を構成する前記の単量体混合物
をそのままもしくは乳化した状態で、一括もしくは分割
あるいは連続的に反応容器中に滴下し、前記重合開始剤
の存在下、0〜100℃、好ましくは30〜90℃の温度で重
合させれば良い。総単量体量と水との比率は最終固形分
量が10〜60wt%、好ましくは15〜55wt%の範囲になるよ
うに設定すべきである。また、(A)成分を調整する際
に、得られる(A)成分の粒子径を成長もしくは制御さ
せるためにあらかじめ水相中にエマルジョン粒子を存在
させ重合させる、いわゆるシード重合法によっても良
い。
(A)成分たるビニル系共重合体エマルジョンが調製
されるが、引き続いて、該エマルジョンの固形分基準で
0.1〜30重量部の存在下、(B)成分を構成する単量体
混合物の70〜99.9重量部を追加重合させることにより
(A)成分のエマルジョン粒子表面上に(B)成分を堆
積重合させ、本発明の必須成分である非造膜性重合体微
粒子エマルジョンが製造できる。
本発明の(B)成分で使用すべき単量体としては、
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸0〜10wt%、3級
アミノ基含有単量体0.1〜10wt%、芳香族ビニル化合物5
0〜99.9wt%、その他これらと共重合できる単量体0〜4
9.9wt%(以上比率は(B)成分総量基準)である。こ
れらのうち、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸およ
び芳香族ビニル化合物については(A)成分の項で詳述
したもののうち、適宜選択すればよい。
また、これらと共重合できる単量体としてはC1-8の直
鎖、分岐もしくは、環状のアルキル基を有する(メタ)
アクリル酸アルキルエステル類、および2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−
クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート
などの如き(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエ
ステル類;もしくはマレイン酸、フマル酸の如き多価カ
ルボン酸のジ−ヒドロキシアルキルエステル類の如き不
飽和基含有ポリヒドロキシアルキルエステル類;ヒドロ
キシエチルビニルエーテルの如きヒドロキシアルキルビ
ニルエーテル類;ベンジル(メタ)アクリレートの如き
(置換)芳香核含有(メタ)アクリル酸エステル類;マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボ
ン酸と1価アルコールのジエステル類;酢酸ビニル、安
息香酸ビニル、「ベオバ」(シェル社製のビニルエステ
ル)の如きビニルエステル類;「ビスコート8F,8FM,3F,
3FM」(大阪有機化学(株)製の含フッ素(メタ)アク
リル単量体)、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)ア
クリレート、ジ−パーフルオロシクロヘキシルフマレー
ト、またはN−i−プロピルパーフルオロオクタンスル
ホンアミドエチル(メタ)アクリレートの如き(パー)
フルオロアルキル基含有のビニルエステル類;塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデ
ン、クロロトリフルオロエチレン、エチレン、プロピレ
ンなどのオレフィン類;(メタ)アクリルアミド、N−
アルコキシメチル化(メタ)アクリルアミド、ジアセト
ンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルア
ミドなどの如きカルボン酸アミド基含有単量体類;p−ス
チレンスルホンアミド、N−メチル−p−スチレンスル
ホンアミド;(メタ)アクリロニトリルの如きシアノ基
含有単量体類;(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル
エステルの如きα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の
ヒドロキシアルキルエステル類と、リン酸もしくはリン
酸エステル類との縮合反応によって得られるリン酸エス
テル基を有する単量体類;2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸の如きスルホン酸基を有する単量
体もしくはその有機アミン塩などがある。
ここで本発明において特徴的であるのは、(B)成分
原料として、3級アミノ基含有単量体を必須の成分とし
て用いることである。該単量体の導入の効果としては、
最終的に得られる組成物中の非造膜性重合体微粒子とバ
インダー類、これは通常カルボキシル基を含有している
ものであるが、このバインダー類との塩形成による架橋
効果により該非造膜性重合体微粒子とバインダーとが強
固に結合し、物性向上をもたらすのである。具体的に
は、配合物において該非造膜性重合体微粒子とバインダ
ーの分離が生じにくくなるなどの保存安定性の向上、お
よび塗膜にした場合の耐摩耗性の向上が認められる。
該単量体の具体例としては、N,N−ジメチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミ
ドの如きカルボン酸アミド基含有単量体;N,N−ジメチル
−p−スチレンスルホンアミドのごときN,N−ジアルキ
ルスルホン酸アミド基含有単量体;N,N−ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエ
チル(メタ)アクリレートのごときN,N−ジアルキルア
ミノアルキル(メタ)アクリレート類;または無水マレ
イン酸のごとき多価カルボン酸無水基含有単量体とN,N
−ジメチルアミノプロピルアミンのごとき多価カルボン
酸無水基と反応し得る活性水素基ならびに3級アミノ基
とを併せ有する化合物との付加物のごとき3級アミノ基
含有単量体がある。該単量体の使用量としては、0.1〜1
0wt%が好ましく、これ以上使用した場合には、エマル
ジョン重合時の凝集物の発生につながり適当ではない。
さらに好ましくは、目的物の耐久性や耐溶剤性の向上
のために前述の成分中に(A)成分の項で述べた重合性
不飽和結合を2個以上有する単量体および/または加水
分解性シリル基含有単量体のごとき架橋性単量体を導入
する方が望ましく、その使用量としては0〜30wt%の範
囲内である。
(B)成分の重合においては、(B)成分単独の粒子
が重合基準で大量に生成することは本発明の趣旨に反す
るので、乳化剤類の追加の使用は極力避けるべきであ
り、もし必要ならば、(B)成分使用量の5wt%以下、
好ましくは2wt%以下にすべきである。使用量が5wt%を
越える場合には、(B)成分単独組成のエマルジョン粒
子が多量に副生し、例えば粒子系分布を測定すると2つ
のピークを有するエマルジョンが生成する。
重合開始剤などについては(A)成分の項で述べたの
と同様である。
最終固形分濃度としては、20〜60wt%、好ましくは30
〜55wt%の範囲になるようにすべきであり、得られるエ
マルジョン粒子の粒子径としては、0.3〜1.5μmの範囲
である。また、一般に非造膜性重合体微粒子はその利用
法として例えば前述のバインダーとしての水性エマルジ
ョン、水溶性樹脂、水性ディスパージョンと混合して用
いられるが、その際にバインダー中に存在するアンモニ
ア水、モルホリン、トリエチルアミンなどの塩基性物質
により可溶化もしくは膨潤しにくいものが好ましく、よ
り好ましくは該微粒子と前記塩基性物質との接触後にお
いて、接触前の該微粒子の体積の2倍以下の変化になる
べきである。2倍以上の体積変化を与えるものは、長期
間の塩基性物質と共存するような利用態様において著し
くその安定性が欠如することとなり、使用に耐えない。
本発明の必須成分である非造膜性重合体エマルジョンは
塩基性物質との接触後の体積変化が2倍以下となるもの
であり、このような塩基性物質に対する安定性は本発明
請求項に記載した範囲によってのみ達成できる。
また、本発明により得た非造膜性重合体微粒子エマル
ジョンは公知慣用の乾燥方法により粉末化することがで
きる。例えば、100〜250℃の温度による噴霧乾燥、50〜
70℃の温度によるトレイ乾燥、または流動床乾燥などで
行うことができる。
得られる非造膜性樹脂粉末の粒子径は、一般に1次粒
子(エマルジョン時の粒子径の微粒子)の凝集体(2次
粒子)であるが、必要に応じて、分散剤、例えば乳化
剤、保護コロイドを加えて水に再分散ができる。
成分と成分の比率は、固形分基準で、の100重
量部に対しの0.1〜9900重量部の範囲で使用できる。
次に成分の顔料類の具体例としては、重質炭酸カル
シウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、沈降
性硫酸バリウム、マイカ、酸化チタンをはじめとして、
寒水粉、ご粉、カオリン、クレー、焼成クレー、タル
ク、ケイ砂、ケイ石灰、超微粒子状シリカ、ホワイトカ
ーボン、アスベスト、パルプ粉、ドロマイト粉末、亜鉛
華、カーボンブラックなどの無機顔料もしくは充填剤;
フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系などの有機
顔料もしくはその分散顔料がある。これらの顔料類の使
用量は成分の100重量部に対して通常0〜300重量部で
ある。
かかる3成分により本発明組成物が得られるが、この
他次に示すような各種添加剤も配合することができる。
チッソサイザーCS−12(チッソ(株)製品)、ブチル
カルビトールアセテート、ブチルセロソルブ、カルビト
ール、ヘキシレングリコール、セロソルブ、ジブチルグ
リコールフタレート、ジブチルフタレート、ベンジルア
ルコール、ジイソプロピルコハク酸エステル、Pycal94
(Atlas Chemical Industries)、Dalyad A(Dow Chemi
cal Co.)などの造膜助剤;さらにはフタル酸ジオクチ
ルなどのフタル酸エステル類、コハク酸イソデシル、ア
ジピン酸ジオクチルなどの脂肪族二塩基酸エステル類、
トリクレジルホスフェートなどのリン酸エステル類、ジ
エチレングリコールベンゾエートなどのグリコールエス
テル類、エポキシ化大豆油などのエポキシ系可塑剤類、
および塩素化パラフィン類などの各種可塑剤類;アニオ
ン系、ノニオン系の各種界面活性剤類;ピロリン酸、ト
リポリリン酸、ヘキサメタリン酸のようなリン酸系誘導
体の塩類、ポリカルボン酸の塩類、ナフタレンスルホン
酸の塩類などの分散剤;ミネラルスピリット、ターペン
オイルなどの乾燥調節剤;エチレングリコール、プロピ
レングリコール、グリセリン、メタノールなどの凍結な
いしは融解安定性付与剤;シリコン系もしくはアクリル
系オリゴマーなどの消泡剤;その他防腐剤などが挙げら
れるが、これらの配合量は使用条件、目的に応じ決定さ
れる。
[発明の効果] 本発明の水性塗料用樹脂組成物は非造膜性重合体微粒
子の効果によって優れた白色度を有するために従来使用
している顔料類、特に酸化チタンの使用量を減少させる
ことができ、かつ該微粒子がその組成物中のバインダー
類の化学的に結合するため保存安定性に優れ、かつ物性
の向上した塗膜を形成することができる。本発明の組成
物はリシン、フラット、グロス、弾性および金属用など
の一般用もしくは工業用の水性塗料として使用できる
が、特にこれらに限定されるものではない。
[実施例] ついで、本発明を製造例、実施例および比較例にて具
体的に説明するが、以下、部および%は特に断わりのな
いかぎり全て重量基準によるものとする。
製造例1 攪はん機、還流冷却器、滴下漏斗、窒素導入管および
温度計を備えた反応容器にイオン交換水50部および乳化
剤3.5部(花王社製のエマルゲン920を2部とエマール10
を1.5部)を添加し、よく攪はんした。次に反応容器を
加熱し、内温を80℃に保ちアクリロニトリル(AN)3
部、n−ブチルアクリレート(BA)6部およびエチレン
グリコールジメタクリレート(EDMA)1部の混合物およ
び過硫酸アンモニウム0.25部とイオン交換水5部の混合
物を1時間で滴下して反応せしめ、さらに1時間同温度
に保持した。その後、内温を80℃に保持しながら、スチ
レン(ST)10部、メチルメタクリレート(MMA)13部、
メタクリル酸(MAA)6部、ジビニルベンゼン(DVB)1
部の混合物および過硫酸アンモニウム0.25部とイオン交
換水5部の混合物を1時間で滴下して反応せしめ、さら
に同温度に45分間保持した。その後、冷却して中間体エ
マルジョン(A−1)を得た。得られたエマルジョンは
固形分濃度40.1%、pH5.5、平均粒子径0.25μm(Coult
er Counter N−4での測定値)であった。
製造例2 攪はん機、還流冷却器、滴下漏斗、窒素導入管および
温度計を備えた反応容器にイオン交換水50部および乳化
剤3.5部(花王社製のエマルゲン920を2部とエマール10
を1.5部)を添加し、よく攪はんした。次に反応容器を
加熱し、内温を80℃に保ちMMA5部、t−ブチルメタクリ
レート4.5部、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリ
メトキシシラン0.5部の混合物および過硫酸アンモニウ
ム0.25部とイオン交換水5部の混合物を1時間で滴下し
て反応せしめ、さらに1時間同温度に保持した。その
後、内温を80℃に保持しながら、ST3部、MMA20部、MAA5
部、DVB2部からなる混合物および過硫酸アンモニウム0.
25部とイオン交換水5部の混合物を1時間で滴下して反
応せしめ、更に同温度に1時間保持した。その後、冷却
して中間体エマルジョン(A−2)を得た。得られたエ
マルジョンは固形分濃度40.0%、pH2.4、平均粒子径0.2
7μmであった。
製造例3 攪はん機、還流冷却器、滴下漏斗、窒素導入管および
温度計を備えた反応容器にイオン交換水60部を仕込み85
℃に昇温した。ついでイオン交換水10部にドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0.5部を溶解し、MMA17.9部、
MAA2部、EDMA0.1部からなる混合物を加え乳化させる。
その乳化物と、過硫酸アンモニウム0.2部とイオン交換
水10部との混合物を2時間で前述の反応容器に滴下せし
め重合を行わせる。さらに同温度に1時間保持せしめ反
応を完結させる。その後、冷却して中間体エマルジョン
(A−3)を得た。得られたエマルジョンは固形分濃度
20.0%、pH2.1、平均粒子径0.24μmであった。
製造例4 攪はん機、還流冷却器、滴下漏斗、窒素導入管および
温度計を備えた反応容器にイオン交換水60部を仕込み85
℃に昇温した。ついでイオン交換水10部にドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0.5部を溶解し、MMA16.9部、
MAA3部、EDMA0.1部からなる混合物を加え乳化させる。
その乳化物と、過硫酸アンモニウム0.2部とイオン交換
水10部との混合物を2時間で前述の反応容器に滴下せし
め重合を行わせる。さらに同温度に1時間保持せしめ反
応を完結させる。その後、冷却して中間体エマルジョン
(A−4)を得た。得られたエマルジョンは固形分濃度
20.2%、pH2.2、平均粒子径0.22μmであった。
製造例5(非造膜性重合体エマルジョンの製造) 攪はん機、還流冷却器、滴下漏斗、窒素導入管および
温度計を備えた反応容器にイオン交換水370部、中間体
エマルジョン(A−1)100部を仕込み、85℃まで昇温
する。次に、イオン交換水90部にドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム7部を溶解させ、ST336.24部、MAA18.
36部、DVB3.6部、ジメチルアミノエチルメタクリレート
1.8部からなる混合物を加え乳化させる。その乳化物
と、過硫酸アンモニウム3.6部とイオン交換水80部との
混合物を2時間にわたって前記反応容器中に滴下せしめ
反応を行わせる。さらに同温度に1時間保持した後、冷
却し、目的物のエマルジョン(A−5)を得た。(A−
5)は固形分濃度40.1%、pH2.5、平均粒子径0.52μm
であった。
製造例6(同上) 攪はん機、還流冷却器、滴下漏斗、窒素導入管および
温度計を備えた反応容器にイオン交換水370部、中間体
エマルジョン(A−2)100部を仕込み、85℃まで昇温
する。次に、イオン交換水90部にドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム5部を溶解させ、ST327.6部、MAA18
部、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン7.2部、ジエチルアミノエチルメタクリレート7.2部
からなる混合物を加え乳化させる。その乳化物と、過硫
酸アンモニウム3.6部とイオン交換水80部との混合物を
2時間にわたって前記反応容器中に滴下せしめ反応を行
わせる。さらに同温度に1時間保持した後、冷却し、目
的物のエマルジョン(A−6)を得た。(A−6)は固
形分濃度40.3%、pH2.5、平均粒子径0.49μmであっ
た。
製造例7(同上) 攪はん機、還流冷却器、滴下漏斗、窒素導入管および
温度計を備えた反応容器にイオン交換水190部、中間体
エマルジョン(A−3)300部を仕込み、85℃まで昇温
する。次に、イオン交換水90部にドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム5部を溶解させ、ST320.62部、MAA11.
9部、DVB6.8部、ジメチルアミノエチルメタクリレート
0.68部からなる混合物を加え乳化させる。その乳化物
と、過硫酸アンモニウム3.4部とイオン交換水80部との
混合物を2時間にわたって前記反応容器中に滴下せしめ
反応を行わせる。さらに同温度に1時間保持した後、冷
却し、目的物のエマルジョン(A−7)を得た。(A−
7)は固形分濃度40.0%、pH2.2、平均粒子径0.46μm
であった。
製造例8(同上) 攪はん機、還流冷却器、滴下漏斗、窒素導入管および
温度計を備えた反応容器にイオン交換水270部、中間体
エマルジョン(A−4)200部を仕込み、85℃まで昇温
する。次に、イオン交換水90部にドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム6部を溶解させ、ST318.6部、MAA19.8
部、DVB18部、ジメチルアミノエチルメタクリレート3.6
部からなる混合物を加え乳化させる。その乳化物と、過
硫酸アンモニウム3.6部とイオン交換水80部との混合物
を2時間にわたって前記反応容器中に滴下せしめ反応を
行わせる。さらに同温度に1時間保持した後、冷却し、
目的物のエマルジョン(A−8)を得た。(A−8)は
固形分濃度40.1%、pH2.5、平均粒子径0.49μmであっ
た。
比較製造例1 攪はん機、還流冷却器、滴下漏斗、窒素導入管および
温度計を備えた反応容器にイオン交換水370部、中間体
エマルジョン(A−1)100部を仕込み、85℃まで昇温
する。次に、イオン交換水90部にドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム7部を溶解させ、ST336.24部、MAA18.
36部、DVB3.6部からなる混合物を加え乳化させる。その
乳化物と、過硫酸アンモニウム3.6部とイオン交換水80
部との混合物を2時間にわたって前記反応容器中に滴下
せしめ反応を行わせる。さらに同温度に1時間保持した
後、冷却し、比較用のエマルジョン(B−1)を得た。
(B−1)は固形分濃度40.1%、pH2.7、平均粒子径0.5
1μmであった。
比較製造例2 攪はん機、還流冷却器、滴下漏斗、窒素導入管および
温度計を備えた反応容器にイオン交換水370部、中間体
エマルジョン(A−2)100部を仕込み、85℃まで昇温
する。次に、イオン交換水90部にドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム5部を溶解させ、ST327.6部、MAA18
部、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン7.2部からなる混合物を加え乳化させる。その乳化
物と、過硫酸アンモニウム3.6部とイオン交換水80部と
の混合物を2時間にわたって前記反応容器中に滴下せし
め反応を行わせる。さらに同温度に1時間保持した後、
冷却し、比較用のエマルジョン(B−2)を得た。(B
−2)は固形分濃度40.0%、pH2.6、平均粒子径0.56μ
mであった。
比較製造例3 攪はん機、還流冷却器、滴下漏斗、窒素導入管および
温度計を備えた反応容器にイオン交換水190部、中間体
エマルジョン(A−3)300部を仕込み、85℃まで昇温
する。次に、イオン交換水90部にドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム5部を溶解させ、ST320.62部、MAA11.
9部、DVB6.8部からなる混合物を加え乳化させる。その
乳化物と、過硫酸アンモニウム3.4部とイオン交換水80
部との混合物を2時間にわたって前記反応容器中に滴下
せしめ反応を行わせる。さらに同温度に1時間保持した
後、冷却し、比較用のエマルジョン(B−3)を得た。
(B−3)は固形分濃度40.1%、pH2.6、平均粒子径0.4
9μmであった。
比較製造例4 攪はん機、還流冷却器、滴下漏斗、窒素導入管および
温度計を備えた反応容器にイオン交換水270部、中間体
エマルジョン(A−4)200部を仕込み、85℃まで昇温
する。次に、イオン交換水90部にドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム6部の溶解させ、ST318.6部、MAA19.8
部、DVB18部からなる混合物を加え乳化させる。その乳
化物と、過硫酸アンモニウム3.6部とイオン交換水80部
との混合物を2時間にわたって前記反応容器中に滴下せ
しめ反応を行わせる。さらに同温度に1時間保持した
後、冷却し、比較用のエマルジョン(B−4)を得た。
(B−4)は固形分濃度40.0%、pH2.6、平均粒子径0.5
1μmであった。
実施例1〜5ならびに比較例1〜5 製造例5〜8ならびに比較製造例1〜4で得られた、
それぞれのエマルジョン(A−5)〜(A−8)ならび
に(B−1)〜(B−4)と、バインダー・エマルジョ
ンとしての「VONCOAT EC−880」[大日本インキ化学工
業(株)製の、カルボキシル基含有の、アクリル−スチ
レン共重合ビニル系樹脂エマルジョンの商品名;不揮発
分=50%]と、増粘剤としてのヒドロキシエチルセルロ
ースと、さらに、実施例5および比較例5の場合にあっ
ては、表−1に示すような酸化チタン・ペーストとを、
此の表−1に示すような配合割合で、各別に、配合せし
め、粘度が均一になるまで撹拌を行なって、塗料化せし
めた。
次いで、それぞれの塗料を、各別に、6ミル・アプリ
ケーターで以て、ガラス板上および艶消し塩ビ・シート
上に塗布せしめ、しかるのち、室温に、1日間(塩ビ・
シートの場合にあっては、7日間)放置して乾燥を行な
った。
以後は、かくして得られた、それぞれの乾燥塗膜につ
いて、光透過率ならびに耐磨耗性(塩ビ・シート)の評
価判定を行なった。それらの結果は、まとめて、表−1
に示す。
また、それぞれの塗料についての保存安定性を調べる
ために、各塗料を、50℃の恒温恒湿機中に、3ヵ月間の
あいだ放置した。それらの結果は、まとめて、表−1に
示す。
さらに、それぞれのエマルジョンについての保存安定
性を調べるために、14%アンモニア水を、所定の量だけ
加えて、50℃に、1ヵ月間のあいだ放置したのちの粒子
径を測定した。それらの結果は、まとめて、表−1に示
す。
*1) ルチル型酸化チタンの70%水分散液 *2) それぞれ、エマルジョン(A−5)〜(A−
8)ならびに対照用エマルジョン(B−1)〜(B−
4)と、酸化チタン・ペーストとの固形分を、顔料と見
なした場合の顔料体積濃度を意味している。
*3) 日本電色(株)製の濁度計で以て、光透過率を
測定した。
*4)作成した塗料を6ミルアプリケーターにて隠ぺい
率試験紙(日本テストパネル工業(株)製)に塗布し、
23℃、1日間放置し45゜/0゜の拡散反射率を黒地部分、
白地部分のそれぞれについて測定し、次式にて算出。
隠ぺい率=(黒地上の45゜/0゜の拡散反射率)/(白地上の45゜/0゜の拡散反射
率) (JIS−k−5400) *5)艶消し塩ビシートに6ミルアプリケーターで塗料
を塗布し、7日間乾燥後、ガードナー耐洗浄性試験機に
て測定。
◎;3,000回で塗膜の剥離なし。
×;3,000回で塗膜の剥離が認められる。
*6)50℃、3ヵ月間恒温恒湿機に放置し、凝集物の有
無を判定。
◎…凝集物や沈澱などの現象が、全く、認められない場
合 ○…沈澱こそ有るものの、撹はんにより、容易に分散化
ができる場合 ×…凝集物の発生が、顕著に、認められる場合 *7) それぞれ、エマルジョン(A−5)〜(A−
8)ならびに対照用エマルジョン(B−1)〜(B−
4)に、各別に、14%アンモニア水の7.5部を加えて、
よく撹はんしてから、密栓をして、1ヵ月のあいだ、50
℃の恒温恒湿機中に放置する。
◎…粒子径の変化が、体積換算で、初期の粒子径の2倍
未満に過ぎないような変化にどどまる場合 ×…粒子径の変化が、体積換算で、初期の粒子径の2倍
を超えるような変化が認められるか、あるいは凝集が認
められる場合 実施例6〜13 製造例5〜8で得られた、それぞれの非造膜性重合体
エマルジョンを用いるというように変更した以外は、実
施例1〜5および比較例1〜5と同様にして、配合を行
なって、塗料化せしめ、次いで、塗布し乾燥せしめて、
光透過率ならびに耐摩耗性を測定した。それらの結果
は、まとめて、同表に示す。
また、保存安定性についても、同様に行なった。それ
らの結果も、同表に併せて示す。
表−2および表−3にも示したように、本発明に係る
水性塗料用樹脂組成物は、優れた白色度を有するし、し
かも、とりわけ、耐摩耗性などの改善された塗膜を与え
るという、極めて実用性の高いものであることが、無理
なく、知り得よう。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 265/00 MQM C08F 265/00 MQM C08L 25/02 LEG C08L 25/02 LEG 51/06 LKS 51/06 LKS

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中にカルボキシル基を有する水性
    樹脂バインダーの100重量部(固形分基準)と、 (A)必須の成分としての、それぞれ、α,β−エ
    チレン性不飽和カルボン酸の5〜70重量%と、炭素数が
    1〜8なるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アル
    キルエステルの5〜95重量%〔以上、比率は(A)成分
    の総量を基準とするものとする。〕とからなる混合物を
    乳化重合せしめ、上記(A)成分の0.1〜30重量部の存
    在下に、 (B)必須の成分としての、それぞれ、3級アミノ基含
    有単量体の0.1〜10重量%と、芳香族ビニル化合物の50
    〜99.9重量%〔以上、比率は(B)成分の総量を基準と
    するものとする。〕とからなる混合物を乳化重合せしめ
    て得られる非造膜性重合体微粒子エマルジョンの0.1〜9
    900重量部(固形分基準)とを含有することを特徴とす
    る、水性塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 分子中にカルボキシル基を有する水性
    樹脂バインダーの100重量部(固形分基準)と、 (A)必須の成分としての、それぞれ、α,β−エ
    チレン性不飽和カルボン酸の5〜70重量%と、炭素数が
    1〜8なるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アル
    キルエステルの5〜95重量%〔以上、比率は(A)成分
    の総量を基準とするものとする。〕とからなる混合物を
    乳化重合せしめ、上記(A)成分の0.1〜30重量部の存
    在下に、 (B)必須の成分としての、それぞれ、3級アミノ基含
    有単量体の0.1〜10重量%と、芳香族ビニル化合物の50
    〜99.9重量%〔以上、比率は(B)成分の総量を基準と
    するものとする。〕とからなる混合物を乳化重合せしめ
    て得られる非造膜性重合体微粒子エマルジョンの0.1〜9
    900重量部(固形分基準)と、 顔料類 とを含有することを特徴とする、水性塗料用樹脂組成
    物。
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