JP2621015B2 - 脱水式流し台用排水トラップ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は流し台に取付ける排水用
のトラップに関するものであり、特に排水トラップ本体
内に収容した脱水カゴを回転させる構造としたものにお
いて、前記脱水カゴの上部が偏心回転をしないよう構成
した脱水式流し台用排水トラップに関するものである。

【０００２】

【従来技術】流し台の排水用トラップ本体内に着脱自在
に収容した脱水カゴを、排水用トラップ本体の下方に取
付けたモーターにより回転させ、脱水カゴ内に収容され
た調理屑の水分を強制的に脱水するよう構成した脱水式
排水トラップは既に知られている。

【０００３】これら公知の脱水式排水トラップは、トラ
ップ本体に収容された脱水カゴがトラップ本体を構成す
る筐体下方に取付けたモーター等の回転機構により回転
させられ、カゴ内の調理屑に含まれる水分を強制的に脱
水させる構造としているのが普通である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記構造
からなる公知の排水用トラップは、脱水カゴの下方を強
制的に回転させ、脱水カゴの上方は遊端として構成して
いたため、洗濯機における脱水装置と同様、脱水カゴの
上部が偏心しながら回転することが避けられず、脱水処
理時に脱水カゴの偏心回転に伴う異音が発生したり、偏
心した回転により脱水カゴの上部周縁部がトラップ本体
の内側周縁部に触れて脱水カゴとトラップ本体の双方に
損傷が発生するという欠点があった。

【０００５】

【発明の目的】本発明は上記の事情に鑑みこれに対応し
ようとするものであり、脱水カゴの上部に、脱水カゴの
回転を阻害することなく脱水カゴの上部を支承する支承
機構を取付け、これにより脱水カゴが偏心することなく
常に正確かつ円滑な回転を行うよう構成した脱水式流し
台用排水トラップを提供することを目的としている。

【０００６】

【発明の要点】本発明は、上端部を開口した円筒体から
なり、内側に脱水カゴを回転自在に収容した排水用トラ
ップ本体と、この排水用トラップ本体の下方に、内部に
モーター等の回転機構を取付けるとともに、上端部には
前記回転機構の回転力を伝達する回転軸を突出させた回
転機構用筐体を着脱自在に取付け、前記回転軸が脱水カ
ゴの下端部に接続されてなる脱水式流し台用排水トラッ
プにおいて、脱水カゴの上端部に偏心回転の規制蓋を取
付け、偏心回転の規制蓋の中央部に取付けたベアリング
に、排水トラップ本体の開口部に取付けた外蓋の中央部
から下方に突出させた支承軸を嵌合一体化させてなる脱
水式流し台用排水トラップの構造を発明の要点としてい
る。

【０００７】

【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。

【０００８】本発明の流し台用排水トラップは、円筒状
の筐体からなり、内部に脱水カゴ２を回転自在に収容し
た排水用トラップ本体１と、排水用トラップ本体１の下
方に着脱自在に取付けるものであり、内部にモーター等
の回転機構３を取付けたモーターハウジング４を収容す
るとともに、筐体上部に前記回転機構３の回転力を脱水
カゴ２に伝達する回転軸５を突出させた回転機構用筐体
６とによって構成している。

【０００９】排水用トラップ筒体１は、上端部を開口し
た円筒状に形成すると共に、下端部の側面には排水口11
が形成されている。排水用トラップ本体１の上端外周に
はフランジ12が形成されており、このフランジ12を締め
付けリング13を介して流し台シンク14に穿設した嵌合孔
15に取付けている。

【００１０】７は排水用トラップ本体１の開口部に着脱
自在に嵌着する貯水蓋であり、流し台シンク14内に水を
貯蔵する際に使用する公知のものである。

【００１１】８は、脱水カゴ２の上端開口部に、着脱自
在に冠着した偏心回転の規制蓋であり、周縁部に下方に
折り曲げ形成した鍔部81を脱水カゴ２の開口周縁部に冠
着して一体化させるとともに、中央部に形成した凹部82
には、外蓋９の中央部から下向きに突出した支承軸91を
嵌合させるベアリング83を密嵌している。

【００１２】なお、偏心回転の規制蓋８は、図示例示の
ように脱水カゴ２の開口周縁部に冠着する場合のほか、
規制蓋８の周縁部を脱水カゴ２の開口部の内側周縁部に
密嵌するよう構成することもできる。

【００１３】支承軸91の上部は外蓋９の上方に突出させ
て摘みを兼用できるよう構成している。（図２、図３参
照）

【００１４】外蓋９は、貯水蓋７と、偏心回転の規制蓋
８の中間に介在させるものであり、周縁部を排水用トラ
ップ本体１の開口部の内側周縁部に嵌合させるととも
に、中央部には支承軸91を下方に突出するよう取付けて
いる。

【００１５】支承軸91は、外蓋９の下方に突出する軸杆
部分を、ベアリング83の内筒に強固に嵌合させ、座金92
を介して止めネジ93を係止することにより支承軸91とベ
アリング83の内筒とを強固に一体化させている。

【００１６】なお、座金92は偏心回転の規制蓋の中央部
に形成した凹部82の内側とベアリング83との中間部に位
置させるものであり、その周縁部がベアリング83の内筒
の下面だけに接する大きさとして形成している。（図３
参照）

【００１７】また止めネジ93は偏心回転の規制蓋８の中
央部に穿設した透孔84の外径よりも小さいネジ径を有す
るようにしベアリング83の外筒が回転するのを妨害しな
いよう構成している。（図２、図３参照）

【００１８】外蓋９及び偏心回転の規制蓋８は排水トラ
ップ本体１に常時取付けて使用するものであり、それぞ
れの蓋体８及び９には、調理屑を流入落下させるための
透孔93…93及び85…85を多数穿設している。（図４、図
５参照）

【００１９】86は脱水カゴ８の下面に形成した回転受け
用のカプラーであり、回転軸５に取付けた回転伝達用カ
プラー51を着脱自在に嵌合させることにより回転機構３
の回転力を効果的に伝達させるよう構成している。

【００２０】モーターハウジング４には、モーター41、
トランス42、バランスウエイト43等が収容されており、
モーター41の回転力は減速機構44を介して回転軸５に伝
えられる。

【００２１】なお、回転機構３の構造及び脱水カゴ２の
下端部に形成する回転受け用のカプラー86や回転軸５の
上端部に取り付ける回転伝達用カプラー51の構造は本発
明にとって重要な構造部ではないので、その詳細な構造
の説明は省略する。

【００２２】

【発明の効果】上記のように構成した本発明の効果は以
下のとおりである。

【００２３】（１） 脱水カゴ２の上端開口部に、偏心
回転の規制蓋８を着脱自在に冠着したので、脱水のため
脱水カゴ２を回転させる時に、脱水カゴ２の上部が偏心
して回転することを正確に規制することができ、従来の
脱水カゴが有していた各種の欠点を完全に解決できる特
徴がある。

【００２４】（２） 脱水カゴ２が偏心した回転を行わ
ないので、偏心回転時に発生する異音を防止し、しか
も、偏心回転により脱水カゴ２の上端外周部と排水トラ
ップ本体１の上端内周部とが接触することに伴う損傷等
を正確に回避できる優れた特徴がある。

【００２５】（３）外蓋９の中央部に、下方に突出する
よう取付けた支承軸91を、偏心回転の規制蓋８の中央部
に取付けたベアリング83の内筒と強固に一体化させ、ベ
アリング83の外筒は自由に回転できるよう構成したの
で、外蓋９を排水トラップ本体１の開口上端部に固定し
ても脱水カゴ２の回転を阻害することなく、正確に回転
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 排水トラップの横断面図

【図２】 偏心回転の規制蓋と外蓋との取付け部を示す
拡大断面図

【図３】 要部の拡大分解図

【図４】 外蓋の平面図

【図５】 偏心回転の規制蓋の平面図

【符号の説明】

１ 排水用トラップ本体 11 排水口 14 流し台シンク 15 嵌合孔 ２ 脱水カゴ ３ 回転機構 ４ モーターハウジング 41 モーター 42 トランス 43 バランスウエイト 44 減速機構 ５ 回転軸 51 回転伝達用カプラー ６ 回転機構用筐体 ７ 貯水蓋 ８ 偏心回転の規制蓋 81 鍔部 82 凹部 83 ベアリング 84 透孔 85 透孔 86 カプラー ９ 外蓋 91 支承軸 92 座金 93 止めネジ 94 透孔

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上端部を開口した円筒体からなり、内側に
   脱水カゴを回転自在に収容した排水用トラップ本体と、
   この排水用トラップ本体の下方に、内部にモーター等の
   回転機構を取付けるとともに、上端部には前記回転機構
   の回転力を伝達する回転軸を突出させた回転機構用筐体
   を着脱自在に取付け、前記回転軸が脱水カゴの下端部に
   接続されてなる脱水式流し台用排水トラップにおいて、
   脱水カゴの上端部に偏心回転の規制蓋を取付け、偏心回
   転の規制蓋の中央部に取付けたベアリングに、排水トラ
   ップ本体の開口部に取付けた外蓋の中央部から下方に突
   出させた支承軸を嵌合一体化させてなる脱水式流し台用
   排水トラップ。
2. 【請求項２】外蓋の中央部から下方に突出した支承軸
   が、ベアリングの内筒に嵌合一体化されている請求項１
   記載の脱水式流し台用排水トラップ。