JP2620286B2 - 水系塗料用樹脂組成物 - Google Patents

水系塗料用樹脂組成物

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JP2620286B2
JP2620286B2 JP5074888A JP5074888A JP2620286B2 JP 2620286 B2 JP2620286 B2 JP 2620286B2 JP 5074888 A JP5074888 A JP 5074888A JP 5074888 A JP5074888 A JP 5074888A JP 2620286 B2 JP2620286 B2 JP 2620286B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、カチオン化された水系塗料用樹脂組成物に
関するものである。
更に詳しくは、特定のキレート反応性ポリオール樹脂
を水性にし、ブロックイソシアネート又はアミノ樹脂系
硬化剤とを組み合わせた加熱硬化型塗膜形成用として、
機械特性、特に密着性、折り曲げ加工性と防蝕性に優れ
た水系塗料用樹脂組成物に関するものである。
〔従来の技術及び発明の解決しようとする課題〕
従来、水系塗料用樹脂組成物としては、二価フェノー
ル、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン(以下ビスフェノールAという)とエピクロルヒドリ
ンから得られるエポキシ樹脂を基体に、カチオン化可能
な化合物を反応せしめて得られる樹脂を酸で中和して硬
化剤と共に水溶化せしめて焼付塗料として使用されるも
のが知られているが、水に対する溶解性が悪く、得られ
る塗膜物性は、密着性、可撓性、耐衝撃性や防蝕性等の
面で必ずしも十分に満足しうる塗膜を形成しうるものと
は言えない。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、かかる点に着目し、水溶化しやすく、
更に密着性、可撓性、耐衝撃性等について改良されたカ
チオン化した水系塗料用樹脂をエポキシ樹脂から製造す
るべく鋭意研究を進めた結果、本発明に到達した。
本発明の水系塗料用樹脂組成物は、二価フェノールの
アルキレンオキサイド付加物の置換又は非置換グリシジ
ルエーテル化物と、P−OH結合を少なくとも1個有する
リンの酸、そのエステル、又はその塩とを反応させて得
られる予備縮合物に、二価フェノールを反応させて得ら
れる高分子量エポキシ樹脂に、エポキシ基と反応性を有
しかつカチオン化可能な基を有する化合物を反応させて
得られるポリオール樹脂に、酸及び水を加えてなるカチ
オン化された水系樹脂、及び硬化剤を含有することを特
徴とする。
ここで二価フェノールとは、分子内に芳香族核を1個
又はそれ以上有し、且つ該芳香族核に2個の水酸基が置
換されているものをいい、単核二価フェノール及び多核
二価フェノールが挙げられる。
かかる単核二価フェノールの例としては、例えばレゾ
ルシノール、ハイドロキノン、パイロカテコール、フロ
ログルシノール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,7−
ジヒドロキシルナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタ
レンなどが挙げられる。
また、多核二価フェノールの例としては、一般式: (式中Arはナフチレン基及びフェニレン基の様な芳香族
二価炭化水素で本発明の目的にはフェニレン基が好まし
い。Y′及びY1は同一又は異なっていてもよく、メチル
基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、
n−オクチル基のようなアルキル基なるべくは最高4個
の炭素原子を持つアルキル基或いはハロゲン原子即ち塩
素原子、臭素原子、沃素原子又は弗素原子或いはメトキ
シ基、メトキシメチル基、エトキシ基、エトキシエチル
基、n−ブトキシ基、アミルオキシ基の様なアルコキシ
基なるべくは最高4個の炭素原子を持つアルコキシ基で
ある。前記の芳香族二価炭化水素基の何れか又は両方に
水酸基以外に置換基が存在する場合にはこれらの置換基
は同一でも異なるものでもよい。m及びzは置換基によ
って置換できる芳香環(Ar)の水素原子の数に対応する
0(零)から最大値までの値を持つ整数で、同一又は異
なる値であることができる。R1は例えば −O−、−S−、−SO−、−SO2−、又はアルキレン基
例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テト
ラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、
2−エチルヘキサメチレン基、オクタメチレン基、ノナ
メチレン基、デカメチレン基或いはアルキリデン基例え
ばエチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン
基、イソブチリデン基、アミリデン基、イソアミリデン
基、1−フェニルエチリデン基或いは環状脂肪族基例え
ば1,4−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン
基、シクロヘキシリデン基或いはハロゲン化されたアル
キレン基或いはハロゲン化されたアルキリデン基或いは
ハロゲン化された環状脂肪族基或いはアルコキシ−及び
アリールオキシ−置換されたアルキリデン基或いはアル
コキシ−及びアリールオキシ−置換されたアルキレン基
或いはアルコキシ−及びアリールオキシ−置換された環
状脂肪族基例えばメトキシメチレン基、エトキシメチレ
ン基、エトキシエチレン基、2−エトキシトリメチレン
基、3−エトキシペンタメチレン基、1,4−(2−メト
キシシクロヘキサン)基、フェノキシエチレン基、2−
フェノキシトリメチレン基、1,3−(2−フェノキシシ
クロヘキサン)基或いはアルキレン基例えばフェニルエ
チレン基、2−フェニルトリメチレン基、1−フェニル
ペンタメチレン基、2−フェニルデカメチレン基或いは
芳香族例えばフェニレン基、ナフチレン基或いはハロゲ
ン化された芳香族基例えば1,4−(2−クロルフェニレ
ン)基、1,4−(2−ブロムフェニレン)基、1,4−(2
−フルオロフェニレン)基或いはアルコキシ及びアリー
ルオキシ置換された芳香族基例えば1,4−(2−メトキ
シフェニレン)基、1,4−(2−エトキシフェニレン)
基、1,4−(2−n−プロポキシフェニレン)基、1,4−
(2−フェノキシフェニレン)基或いはアルキル置換さ
れた芳香族基例えば1,4−(2−メチルフェニレン)
基、1,4−(2−エチルフェニレン)基、1,4−(2−n
−プロピルフェニレン)基、1,4−(2−n−ブチルフ
ェニレン)基、1,4−(2−n−ドデシルフェニレン)
基の様な二価炭化水素基などの二価の基であり、或いは
R1は例えば式 で表わされる化合物の場合の様に前記Ar基一つに融着し
ている環であることもでき、或いはR1はポリエトキシ
基、ポリプロポキシ基、ポリチオエトキシ基、ポリブト
キシ基、ポリフェニルエトキシ基の様なポリアルコキシ
基であることもでき、或いはR1は例えばポリジメチルシ
ロキシ基、ポリジフェニルシロキシ基、ポリメチルフェ
ニルシロキシ基の様な珪素原子を含む基であることがで
き、或いはR1は芳香族環、第三−アミノ基エーテル結
合、カルボニル基又は硫黄又はスルホキシドの様な硫黄
を含む結合によって隔てられた2個又はそれ以上のアル
キレン基又はアルキリデン基であることができる)で表
わされる多核二価フェノールがある。
かかる多核二価フェノールであって特に好ましいのは
一般式 (式中Y′及びY1は前記と同じ意味であり、m及びzは
0〜4の値であり、R1はなるべくは1〜3個の炭素原子
を持つアルキレン基又はアルキリデン基或いは式 で表わされる飽和基である)で表わされる多核二価フェ
ノールである。
かかる二価フェノールの例の中には普通商品名ビスフ
ェノールAと称する2,2−ビス−(p−ヒドロキシフェ
ニル)−プロパン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルメ
タン、ビス−(2−ヒドロキシフェニル)−メタン、ビ
ス−(4−ヒドロキシフェニル)−メタン、ビス−(4
−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−3−メトキシフェニ
ル)−メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−エタン、1,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−エタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−2−ク
ロルフェニル)−エタン、1,1−ビス−(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)−エタン、1,3−ビス−
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、
2,2−ビス−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)−プロパン、2,2−ビス−(3−フェニル−4−ヒ
ドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−イ
ソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,
2−ビス−(2−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシナフチ
ル)−プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−ペンタン、3,3−ビス−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−ペンタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−ヘプタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−
メタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘ
キシルメタン、1,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,2−ビス−(フェニル)−プロパン、2,2−ビス
−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン
の様なビス−(ヒドロキシフェニル)アルカン或いは4,
4′−ジヒドロキシビフェニル、2,2′−ジヒドロキシビ
フェニル、2,4′−ジヒドロキシビフェニルの様なジヒ
ドロキシビフェニル或いはビス−(4−ヒドロキシフェ
ニル)−スルホン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、クロル−2,4−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、5−クロル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスル
ホン、3′−クロル−4,4′−ジヒドロキシジフェニル
スルホンの様なジ−(ヒドロキシフェニル)−スルホン
或いはビス−(4−ヒドロキシフェニル)−エーテル、
4,3′−(又は4,2′−又は2,2′−ジヒドロキシ−ジフ
ェニル)エーテル、4,4′−ジヒドロキシ−2,6−ジメチ
ルジフェニルエーテル、ビス−(4−ヒドロキシ−3−
イソブチルフェニル)−エーテル、ビス−(4−ヒドロ
キシ−3−イソプロピルフェニル)−エーテル、ビス−
(4−ヒドロキシ−3−クロルフェニル)−エーテル、
ビス−(4−ヒドロキシ−3−フルオルフェニル)−エ
ーテル、ビス−(4−ヒドロキシ−3−ブロムフェニ
ル)−エーテル、ビス−(4−ヒドロキシナフチル)−
エーテル、ビス−(4−ヒドロキシ−3−クロルナフチ
ル)−エーテル、ビス−(2−ヒドロキシビフェニル)
−エーテル、4,4′−ジヒドロキシ−2,6−ジメトキシジ
フェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−2,5−ジエト
キシジフェニルエーテルの様なジ−(ヒドロキシフェニ
ル)−エーテルが含まれ、また1,1−ビス−(4−ヒド
ロキシフェニル)−2−フェニルエタン、1,3,3−トリ
メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)−6−ヒドロ
キシインダン、2,4−ビス−(p−ヒドロキシフェニ
ル)−4−メチルペンタンも適当である。
更に又かかる多核二価フェノールであって好ましい他
の一群のものは一般式 (ここにR3はメチル又はエチル基、R2は炭素数1〜9個
のアルキルリデン基又はその他のアルキレン基、pは0
〜4) で示されるもので、例えば1,4−ビス−(4−ヒドロキ
シベンジル)−ベンゼン、1,4−ビス−(4−ヒドロキ
シベンジル)−テトラメチルベンゼン、1,4−ビス−
(4−ヒドロキシベンジル)−テトラエチルベンゼン、
1,4−ビス−(p−ヒドロキシクミル)−ベンゼン、1,3
−ビス−(p−ヒドロキシクミル)−ベンゼン等が挙げ
られる。
その他の多核二価フェノールとしては、例えばフェノ
ール類とカルボニル化合物との初期縮合物類(例:フェ
ノール樹脂初期縮合物、フェノールとアクロレインとの
縮合反応生成物、フェノールとグリオキサール縮合反応
生成物、フェノールとペンタンジアリルの縮合反応生成
物、レゾルシノールとアセトンの縮合反応生成物、キシ
レン−フェノール−ホルマリン初期縮合物)、フェノー
ル類とポリクロリメチル化芳香族化合物の縮合生成物
(例:フェノールとビスクロルメチルキシレンとの縮合
生成物)等を挙げることができる。
又、上記二価フェノールとの反応に供されるアルキレ
ンオキサイドとは、例えば炭素数2〜4個のアルキレン
オキサイドであり、好ましいものとしては、エチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド
及びこれらの混合物が挙げられる。
しかして、二価フェノールのアルキレンオキサイド付
加物の製造は、上記二価フェノールとアルキレンオキサ
イドとをアルカリ性又は酸性触媒の存在下で反応させる
ことにより行われる。
ここに上記二価フェノールとアルキレンオキサイドと
の割合は二価フェノールの水酸基1個に対してアルキレ
ンオキサイドが1〜10個、好ましくは1〜3個であるこ
とが望ましい。
かくして得られた二価フェノールのアルキレンオキサ
イド付加物は、次いで水酸化アルカリ触媒の存在下にエ
ピハロゲノヒドリン、メチルエピハロゲノヒドリン、ジ
ハロゲノヒドリンから選ばれた1種との反応に供され、
置換又は非置換のグリシジルエーテル化物を与える。
ここでエピハロゲノヒドリン、メチルエピハロゲノヒ
ドリン、ジハロゲノヒドリンとしては、エピクロルヒド
リン、エピブロモヒドリン、メチルエピクロルヒドリ
ン、メチルエピブロモヒドリン、ジクロルヒドリン、ジ
ブロモヒドリンなどが挙げられるが、就中エピクロルヒ
ドリン、エピブロモヒドリン、メチルエピクロルヒドリ
ンを用いるのが好ましい。
ここで二価フェノールのアルキレンオキサイド付加物
とエピハロゲノヒドリン、メチルエピハロゲノヒドリ
ン、ジハロゲノヒドリンから選ばれた1種との反応割
合、前者1モルに対して後者が1〜20モルとなることが
好ましく、得られる置換又は非置換グリシジルエーテル
化物のエポキシ当量は200〜600であることが好ましい。
本発明に用いられる少なくとも1個のP−OH結合を有
するリンの酸としては、例えばオルトリン酸、メタリン
酸、ピロリン酸、亜リン酸、ポリリン酸、ホスホン酸、
ホスフィン酸等が挙げられ、特にオルトリン酸が好まし
い。
又、リンの酸のエステルとしては上記のリンの酸のエ
ステル、好ましくは炭素原子数8程度迄のアルキルエス
テル(水酸基を1個以上有するもの)及びヒドロキシア
ルキルエステル、例えば、エチル、n−ブチル、2−エ
チルヘキシル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシブチル、
ヒドロキシプロピル、ヒドロキシペンチル等の基を持つ
ものが挙げられ、特にエチル、n−ブチル又は2−エチ
ルヘキシルのモノ又はジ−リン酸エステルが好ましい。
又、リンの酸の塩としては上記のリンの酸の塩、例え
ばカリウム、ナトリウム、リチウム、カルシウム、亜
鉛、アルミニウム、スズ、バリウム等の塩が挙げられ、
特にカリウム、ナトリウム又はカルシウムの第1又は第
2のリン酸塩が好ましい。
前記グリシジルエーテル化物とリン酸類との反応はグ
リシジルエーテル化物中のエポキシ基1当量当たりリン
酸類の水酸基が0.05〜0.9当量、好ましくは0.05〜0.4当
量となるような割合で行うのがよく、生成した予備縮合
物のエポキシ当量は3000以下とするのがよい。
更に、予備縮合物に触媒の存在下で80〜250℃の温度
で二価フェノールを反応させることにより、高分子量エ
ポキシ樹脂が得られる。得られる高分子量エポキシ樹脂
のエポキシ当量は1000〜4000が好ましい。
ここで上記二価フェノールとは、前記の二価フェノー
ルのアルキレンオキサイド付加物の製造の際に使用しう
る二価フェノールとして例示されたものの何れを用いて
もよい。
又、この反応に用いられる触媒としては、苛性ソー
ダ、苛性カリ、炭酸ソーダ等の無機アルカリ類、トリエ
チルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミン、
ピリジンの如き第3級アミン類、イミダゾール類、テト
ラメチルアンモニウムクロライドの如き第4級アンモニ
ウム塩、3弗化硼素、塩化アルミニウム、4塩化錫、4
塩化チタンの如きルイス酸類等が挙げられる。
更に前記の予備縮合物と二価フェノールとの反応割合
は、高分子量エポキシ樹脂が好ましいエポキシ当量とな
るように任意に定められる。
本発明に使用されるエポキシ基と反応性を有し、かつ
カチオン化可能な基を有する化合物としては、エポキシ
基と反応性を有する基とカチオン化可能な基を有するも
のであれば何でも使用しうるが、例えばメチルアミン、
エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチ
ルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチ
ルアミン、メチルブチルアミンの如き第1級アミン又は
第2級アミン、例えばエタノールアミン、プロパノール
アミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミ
ンの如きヒドロキシルアミン、例えばピペラジン、N−
メチルピペラジン等のその他のアミン化合物、例えば硫
化ジエチル、硫化ジプロピル、硫化ジブチル、硫化ジフ
ェニル、硫化ジシクロヘキシル、硫化テトラメチレン、
チオジエタノール、チオジプロパノールの如き硫化物、
例えば無水コハク酸、無水フタル酸、無水マレイン酸の
ような酸無水物とジメチルエタノールアミン、メチルジ
エタノールアミンのようなアルカノールアミンを反応さ
せて得られるようなカルボキシル基を含むアミン、例え
ば有機基の少なくとも1個がアミノ基で置換されている
硼酸トリエステル、例えばトリメチルホスフィン、トリ
エチルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンの如き
ホスフィン化合物等が挙げられ、これらの中で好ましい
ものは水溶性アミン化合物であり、特に好ましいものは
水酸基を含有するヒドロキシルアミンである。
高分子量エポキシ樹脂とエポキシ基と反応性を有しか
つカチオン化可能な基を有する化合物との反応は常温で
混合しただけでも起るが、反応を完全に行わせるために
も50〜130℃、好ましくは70〜100℃に加熱して行うのが
好ましい。
エポキシ基と反応性を有し、かつカチオン化可能な基
を有する化合物は、前記の反応生成物が有しているエポ
キシ基に対するエポキシ基と反応性を有する基の比率が
0.2〜1.2、好ましくは0.5〜1.0となるような量を使用す
るのがよく、急激な発熱を防ぐために前記の反応生成物
中に徐々に加えることが好ましい。反応を容易に進行さ
せるために溶剤を使用してもよく、かかる溶剤として
は、例えばイソプロパノール、イソブタノール、エチル
セロソルブ等のアルコール系、例えばメチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケソン、シクロヘキサノン等のケ
トン系の他、種々の溶剤が使用しうる。
このようにして得られた本発明のポリオール樹脂は、
例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸の如き有機酸、
又は例えばリン酸、塩酸、硼酸、硫酸等の無機酸を含む
水性液を混合して塗料用樹脂の水性エマルジョン又は水
溶液とし、カチオン化された水系樹脂とすることができ
る。
なお、前記のエポキシ基と反応性を有し、しかもカチ
オン化可能な基を有する化合物を反応させる際に、前記
のような酸を同時に添加し、その反応終了後、水を加え
ることにより同様に塗料用樹脂の水性エマルジョン又は
水溶液とすることもできる。酸の量は少なくとも樹脂を
水に可溶化又は分散させるのに必要な量以上で、かつ樹
脂中に含まれるカチオン化可能な基の当量以下であるこ
とが好ましい。
このようにして得られた本発明のカチオン化された水
系樹脂は、種々の硬化剤と併用して被塗装物を塗布、浸
漬、電着等により被覆後、硬化することにより、優れた
密着性、可撓性及び耐蝕性を持った塗膜を与える。
硬化剤としては、例えばブロックイソシアネート、部
分的にキャップした有機ポリイソシアネートやアミノ樹
脂が使用でき、特にブロックイソシアネート、部分的に
キャップした有機ポリイソシアネートが好ましい。
上記のブロックイソシアネートとしては、トリレンジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネートなどのイソシアネートモノマーに
水酸基含有の化合物を反応せしめて得られる1個より多
いイソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基
をフェノール、メチルエチルケトン、オキシム、メタノ
ールなどでブロックしたもの等が挙げられる。
また、本発明に用いられるアミノ樹脂としては、例え
ば尿素とホルムアルデヒド類(主としてホルムアルデヒ
ド)との縮合反応によって得られる尿素樹脂、尿素の代
わりにチオ尿素を用いたチオ尿素樹脂、メラミンとホル
ムアルデヒド類とを反応させて得られるメラミン樹脂、
グアナミンとホルムアルデヒド類とを反応させて得られ
るグアナミン樹脂及び/又はこれらの共縮合樹脂が挙げ
られる。又、これらを脂肪族アルコール、例えばメチル
アルコール、ブチルアルコール等にてメチル化、ブチル
化したものも使用することができる。
硬化剤の配合量は、水系樹脂100重量部に対して2〜5
0重量部が好ましい。
本発明のポリオール樹脂は界面活性剤を必要とせずに
水に可溶化又は分散しうるが、場合によっては界面活性
剤を使用しても良く、また溶剤は水と親和性のあるもの
ならば使用してもよい。本発明の水系樹脂を種々の硬化
剤と使用する場合、硬化をより迅速にかつ完全に行わせ
しめるため硬化促進剤として、例えば第3級アミン、ア
ルキル金属塩等を使用することができる。また本発明の
組成物はこれに顔料を加えて使用しても良く、顔料とし
ては酸と反応性を有しないものが好ましい。
尚、本発明の組成物に相溶しうる範囲内で他の中性又
はカチオン性の樹脂を混合することもできる。
本発明で得られる水系塗料用樹脂組成物は、従来のカ
チオン化可能な塗料用樹脂に比較して水に対する溶解性
に優れ、かつ密着性、可撓性や耐衝撃性及び耐蝕性にお
いて非常に優れた塗膜を与える。
〔実 施 例〕
以下に製造例、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、
例中の「部」は「重量部」を意味する。
製造例 1 ビスフェノールAにエチレンオキサイドを付加し、グ
リシジルエーテル化した液状エポキシ樹脂(エポキシ当
量600)200部とリン酸モノエチル10部を混合して90℃で
4時間撹拌反応を行い、得られた予備縮合物を〔I〕と
する。
予備縮合物〔I〕200部に対してビスフェノールA20部
に触媒として水酸化ナトリウムを加え、200℃で6時間
加熱撹拌を続けた。得られた高分子量エポキシ樹脂は、
エポキシ当量2700であった。
更にメチルイソブチルケトン60部とジエタノールアミ
ン5.5部を加え、100℃で3時間撹拌してポリオール樹脂
(I)を得た。そのあと50℃に温度を下げ、10%酢酸、
120部を徐々に添加して撹拌し均一になったところで蒸
留水510部を加え、カチオン化した水系樹脂(I−A)
を得た。
製造例 2 ビスフェノールFにプロピレンオキサイドを付加し、
グリシジルエーテル化した液状エポキシ樹脂(エポキシ
当量=300)150部と第二リン酸カリウム15部とを混合し
て100℃で6時間撹拌反応を行い、得られた予備縮合物
を〔II〕とする。
予備縮合物〔II〕150部に対してビスフェノールF50部
に触媒としてジメチルアミンを加え、150℃で8時間加
熱撹拌を続けた。得られた高分子エポキシ樹脂は、エポ
キシ当量1300であった。
更にメチルイソブチルケトン40部とジブチルアミン17
部を加え、100℃で3時間撹拌してポリオール樹脂(I
I)を得た。そのあと50℃に温度を下げ、10%酢酸105部
を徐々に添加して撹拌し均一になったところで蒸留水50
5部を加え、カチオン化した水系樹脂(II−A)を得
た。
製造例 3 ビスフェノールAにプロピオンオキサイドを付加し、
グリシジルエーテル化した液状エポキシ樹脂(エポキシ
当量=520)200部とオルトリン酸6部とを混合して80℃
で5時間撹拌反応を行い、得られた予備縮合物を〔II
I〕とする。
予備縮合物〔III〕150部に対してビスフェノールF11
部に触媒として水酸化カリウムを加え、180℃で6時間
加熱撹拌を続けた。得られた高分子量エポキシ樹脂は、
エポキシ当量3800であった。
更にアノン40部、ジイソプロパノールアミン4.0部を
加え、100℃で3時間撹拌してポリオール樹脂(III)を
得た。そのあと50℃に温度を下げ、10%酢酸110部を徐
々に添加して撹拌し均一になったところで、蒸留水350
部を加え、カチオン化した水系樹脂(III−A)を得
た。
製造例 4 ビスフェノールAとエピクロルヒドリンより得られる
旭電化工業製アデカレジンEP−4100(エポキシ当量=19
0)150部とビスフェノールA65部に触媒として水酸化ナ
トリウムを加え、180℃で5時間加熱撹拌を続けた。得
られたエポキシ樹脂は、エポキシ当量980であった。
更にメチルイソブチルケトン200部とジエタノールア
ミン23部を加えて80℃で3時間撹拌してポリオール樹脂
(IV)を得た。そのあと50℃に温度を下げて、10%酢酸
220部を徐々に添加して撹拌し均一になったところで蒸
留水295部を加え、カチオン化した水系樹脂(IV−A)
を得た。
製造例 5 ビスフェノールFとエピクロルヒドリンより得られる
旭電化工業製アデカレジンEP−4900(エポキシ当量=18
0)150部とビスフェノールF70部に触媒としてジメチル
アミンを加え、200℃で10時間加熱撹拌を続けた。得ら
れたエポキシ樹脂は、エポキシ当量1700であった。
更にアノン200部とジイソプロパノールアミン18部を
加えて100℃で2時間撹拌してポリオール樹脂(V)を
得た。そのあと50℃に温度を下げて、10%酢酸200部を
徐々に添加して撹拌し均一になったところで蒸留水315
部を加え、カチオン化した水系樹脂(V−A)を得た。
実施例1〜4、比較例1〜3 上記の製造例で得られた水系樹脂と硬化剤を含有する
表1に示す水系塗料用樹脂組成物を下記の条件で焼付
け、塗膜の物性を評価した。
焼付条件;200℃×5分 膜厚:8〜10μ 試験片;ボンデライト#137鋼板

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二価フェノールのアルキレンオキサイド付
    加物の置換又は非置換グリシジルエーテル化物と、P−
    OH結合を少なくとも1個有するリンの酸、そのエステ
    ル、又はその塩とを反応させて得られる予備縮合物に、
    二価フェノールを反応させて得られる高分子量エポキシ
    樹脂に、エポキシ基と反応性を有しかつカチオン化可能
    な基を有する化合物を反応させて得られるポリオール樹
    脂に、酸及び水を加えてなるカチオン化された水系樹
    脂、及び硬化剤を含有することを特徴とする水系塗料用
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】硬化剤がブロックイソシアネート、部分的
    にキャップした有機ポリイソシアネート、又はアミノ樹
    脂から選ばれる一の化合物からなる硬化剤である請求項
    1記載の水系塗料用樹脂組成物。
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