JP2619731B2 - 脱離ガスの検出装置および方法 - Google Patents

脱離ガスの検出装置および方法

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JP2619731B2 JP2157249A JP15724990A JP2619731B2 JP 2619731 B2 JP2619731 B2 JP 2619731B2 JP 2157249 A JP2157249 A JP 2157249A JP 15724990 A JP15724990 A JP 15724990A JP 2619731 B2 JP2619731 B2 JP 2619731B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は半導体チップの評価に利用する。本発明は、
10mm平方前後の試料(半導体チップ)を真空中で加熱
し、その試料から脱離するガスを質量分析計で観測し、
その観測結果により半導体製造工程を修正し、その製造
歩留りを向上するために利用する。
〔概要〕
本発明は、真空チャンバ内に試料を載置し、この試料
を加熱してその試料から離脱するガスを分析する装置に
おいて、 測定を行わないときにも前記真空チャンバを高真空状
態に保ち、試料の出し入れもその真空を破壊しないよう
にロードロック機構を用いて行うことにより、 発生する背景ノイズをきわめて小さくして検出性能を
飛躍的に向上させたものである。
〔従来の技術〕
試料としての半導体チップを真空チャンバの中に配置
し、この半導体チップに赤外線を照射して加熱し、その
半導体チップから離脱するガスを質量分析系に導いて計
測し、その計測結果から半導体製造工程の評価修正を行
う技術が知られている。この技術は半導体製造工程の製
造歩留りを向上するためにきわめて有効な技術である。
従来のこのための装置は、真空チャンバ内に試料を載
置する適当な台を設け、この真空チャンバの殻壁に石英
ガラスの窓を設け、この窓から真空チャンバ内に赤外線
を導入し、試料を加熱する構造であった。またこの試料
を出し入れするためには、真空チャンバの真空をその都
度破壊することが必要であった。
〔発明が解決しようとする課題〕
一方、試料となる半導体チップは10mm平方程度でその
厚さが1mm程度もしくはそれ以下の小さい物体であると
ともに、その製造工程ではきわめて清浄に処理されてい
るから、試料を加熱してそのときに試料から離脱するガ
スはきわめて微量である。しかし、前述のように真空チ
ャンバ内の真空が破壊されるときに、真空チャンバの内
壁、真空チャンバ内に設置されている試料ステージ、そ
の他に水蒸気などが付着し、試料の測定時にそれらが加
熱されると、放出されるガスが背景ノイズとなって測定
精度を落とす欠点があった。
本発明はこれを解決するもので、試料を加熱し試料か
ら離脱するガスを観測するときに、その妨害となる背景
ノイズをきわめて小さくできる装置および方法を提供す
ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
発明者は、この測定精度を向上するための評価を繰り
返した。
着目点の第一点は、真空チャンバ内に背景ノイズの原
因となる大気を入れないことである。これを解決するた
めに、試料の出し入れに伴い真空チャンバ内の真空を維
持するとともに、この装置では真空チャンバ内の真空を
測定を行わないきわめて長い時間を含めて真空状態に維
持することにした。すなわち、真空チャンバに比べて容
積が十分に小さい空間に収容されたロードロック機構を
設け、そのロードロック機構と真空チャンバとの間を開
閉弁で区切り、試料の出し入れはそのロードロック機構
のみ真空を破壊して行い、試料を真空チャンバに搬送す
るときにそのロードロック機構が収容された空間(実施
例の説明では「ロードロックチャンバ」と表示される)
を真空チャンバの系とは別系の真空手段により真空状態
としてその開閉弁を開く構造とした。ここに、別系の真
空手段とは、真空チャンバの真空状態を維持する真空系
とは別の真空ポンプによることがよいが、かりに、その
真空ポンプの一部または全部が共通であっても、ロード
ロック機構の真空を破壊したときにも真空チャンバの真
空状態に影響を与えることがない真空系をいう。
第二点は、試料を局所的に加熱することである。すな
わち従来装置では、赤外線を真空チャンバの殻壁に設け
た大きいガラス窓から導入するので、試料以外の場所、
つまり真空チャンバの殻壁面や真空チャンバ内に設置さ
れているマニュピレータなどの装置を照射加熱すること
になり、これらから背景ガスが発生していることがわか
った。これらを解決するために、赤外線ランプは真空チ
ャンバの外に置き、ガラス棒(特に石英ガラス棒)を用
いて赤外線を試料ステージに導入することにした。ガラ
ス棒は直径10〜40mm程度の円柱状であり、その長さは15
0mm以上である。
第三点は、真空チャンバ内に測定に直接関係のない装
置を測定時に留めないようにしたところにある。すなわ
ち、試料を出し入れするためのロードロック機構から真
空チャンバ内まで延長されてくる試料の搬送装置など
は、測定時には真空チャンバ内から退去させる構造とし
た。
第四点は、真空チャンバを試料にくらべて大きくし、
試料を加熱しても真空チャンバの壁面を加熱することが
ないように、かりに加熱されても放熱されやすいように
したことにある。真空チャンバの容積を大きくすると発
生する脱離ガスは拡散して希薄になるから、真空チャン
バを無制限に大きくすることは意味がない。しかし、真
空チャンバの殻壁面を試料から遠ざけることはきわめて
有効であった。また、真空チャンバを金属構造し熱伝導
を大きくした。また真空チャンバの内壁面を研磨して、
赤外線を反射する構造とした。真空チャンバの内壁面を
研磨することは併せてガスの吸着を防止する効果もあ
る。
〔作用〕
ロードロック機構が収容された空間に設けられた試料
挿入口を開け試料を出し入れするときには、開閉弁を閉
じておき、真空チャンバ内の真空状態は破壊されない。
この投入された試料を真空チャンバに搬送する前にあら
かじめ別系の真空ポンプでロードロック機構が収容され
た空間を真空状態にしてから、開閉弁を開き、真空チャ
ンバ内に試料を搬送する。ロードロック機構が収容され
た空間の容積は真空チャンバより十分に小さいので、前
記真空状態にするに要する時間は小さい。また開閉弁を
開いたさいに、真空チャンバ内にガスの進入する可能性
も小さい。
真空チャンバの内径が試料ステージの直径の5倍以上
で試料ステージから天井までの距離が50mm以上の空間で
ある場合には、試料を加熱し脱離ガスを発生させている
ときに、この加熱操作により真空チャンバの内部壁面を
加熱することはない。したがってこれらの部品などから
の背景ガスすなわち背景ノイズが発生することがほとん
どない。
逆にこのように真空チャンバ内の容積を大きくできる
のは、試料を搬入にさいして真空チャンバ内の真空状態
が破壊されず、高真空を作るための時間が短いからであ
る。
真空チャンバは壁構造が金属筒および金属端板であ
り、その内壁面が表面研磨されているから、赤外線を反
射して加熱効果が高まり、さらに万一塵などがこの内部
に進入しても内壁面に付着しにくい。
ロードロック機能は、挿入された試料を載置する搬送
台とこの搬送台の移動機構とが真空チャンバ内から退去
できる構造であるから、この搬送台などからの放出ガス
が測定に影響を及ぼすことがない。
ロードロック機構は、ピニオンおよびラック機構と
し、このピニオン回転軸は二重Oリングを備えたシール
構造を設け、この二重Oリングの間を別系の真空手段で
真空に維持するから、測定者がピニオン回転軸をつまみ
などにより回転し前記移動機構により搬送台を真空チャ
ンバ内に移動させる操作を行っても、ロードロックが収
容された空間にはリークが生じない。
加熱器が赤外線発生装置であって真空チャンバの外に
配置され、発生した赤外線をガラス棒で試料ステージに
導入するから、真空チャンバ内部に配置された試料ステ
ージだけが加熱され、分析のさいの背景ノイズの発生が
ほとんどない。
真空ポンプが磁気浮上形ターボ分子ポンプを含む場合
には、機内の圧力を10-10torr(1torrは、1.33ミリバー
ル)程度の超高真空状態にできるので、質量分析がきわ
めて正確に行われる。
真空チャンバの内径が試料ステージの直径の5倍あ
り、試料ステージから天井までの距離が50mm以上にする
ことがよい。
また真空状態を破壊することがどうしても必要な場合
には、その部分に乾燥窒素または乾燥空気を導入する。
これにより背景ガスの原因となる水分その他の進入が防
止できる。ロードロック機構において試料挿入口を開く
場合には、開閉弁より外の空間には乾燥窒素を導入して
おく。
〔実施例〕
次に本発明の実施例を図面を参照して説明する。
第1図は本発明一実施例の全体配置図であり、第2図
は同実施例の系統図であり、第3図は同実施例のロード
ロック機構の説明図である。
図で、脱離ガスの検出装置は、真空チャンバ1と、こ
の真空チャンバを真空に維持する真空ポンプ2Aおよび3A
と、この真空チャンバ1内に配置された試料ステージ5
と、この試料ステージ5の上面に載置された半導体チッ
プである試料6を加熱する加熱器7と、真空チャンバ1
と接続管8を介して連接する質量分析計9、10および11
とを備えている。
ここで本発明の特徴とするところは、 真空チャンバ1より容積が十分に小さいロードロッ
クチャンバ12で覆われ、真空チャンバ1との間に開閉弁
13を備え、真空ポンプ2Aおよび3Aとは弁系の真空ポンプ
2Bおよび3Bによりロードロックチャンハ12内の真空を維
持し、真空チャンバ1の真空状態を破壊せずに試料挿入
口14から挿入された試料を搬入し試料ステージ5に載置
させるロードロック機構を備えたことにある、 さらに、真空チャンバ1はその内径が試料ステージ
5の直径の約7倍であり、この試料ステージ5から真空
チャンバ1の天井である金属端板1Aと同1Bとの間の距離
が約200mmの空間であること、 真空チャンバ1は、その壁構造が金属筒1Cおよび金
属端板1Aおよび1Bから構成され、それぞれの内壁面は表
面研磨されていること、 ロードロック機構は、試料を一時載置して搬送する
搬送台15および搬送台15の移動機構であるラック部16と
が、真空チャンバ1内部から退去できる構造であるこ
と、 ロードロック機構はピニオン17とこのピニオン17に
噛み合うラック部16とを含み、このピニオン17を外部の
ツマミ18Aにより回転されるピニオン回転軸17Aにはスペ
ーサ19Cで所定の位置に二重Oリング19A、19Bが配設さ
れる中間排気室20Aを備えたシール構造が設けられ、こ
の中間排気室20Aの内部を真空に維持するため、前記真
空ポンプ2A、3A、2Bおよび3Bとは別系と真空手段である
ロータリイ型の真空ポンプ3Cを備えたこと、 加熱器7は、赤外線発生ランプ21を一つの焦点に配
置し、他の焦点に透明な石英ガラス棒4の受光面4Aが配
置された回転楕円体状の反射面7Aを備えた赤外線発生装
置7であり、この赤外線発生装置7は真空チャンバ1の
外に配置され、試料ステージ5は赤外線発生装置7で発
生した赤外線を前記受光面4Aの他の端面4Bより射出する
ように垂設されたガラス棒4の上端に被せられること、 真空ポンプのうち2Aは磁気浮上型ターボ分子ポンプ
であり、同2Bはターボ分子ポンプであり、これにより真
空チャンバ1の内部は10-9torrより高い高真空状態に保
持でき、ロードロックチャンバ12の内部は10-8torrより
高い高真空状態に維持できると、 である。
さらに本発明により脱離ガスの検出方法の特徴として
は、 真空チャンバ1を高真空状態に維持したまま、その
真空チャンバ1の内部の試料ステージ5に前記試料挿入
口14から試料の出し入れを行うこと、 この検出方法において、その真空状態を破壊する必
要のある場合は、その部分に乾燥窒素または乾燥空気を
導入すること、すなわちロードロックチャンバ12内の真
空を破壊する場合にはコック22Aによりその内部に乾燥
窒素または乾燥空気を導入し、さらに必要により真空チ
ャンバ1の真空を破壊する場合には、コック22Bにより
乾燥窒素または乾燥空気を導入することにある。
次に第1図を用いて、本実施例の配置について説明す
る。
本実施例の各部品はほぼデスク23上に配置され、真空
ポンプのうちロータリイポンプである3A、3B、3Cと、冷
却水タンク24およびコンピュータユニット25はデスク23
外に配置される。
開閉弁13にはこのスライド弁13Aをつまみ18Bを回転す
ることにより開閉させる軸26Aが設けられ、この軸26Aは
ベローズによりシールされる。
真空チャンバ1は直径が大きい接続管8を介して質量
分析計のイオン化部9に連通される。この接続管8は主
排気管8Aにより磁気浮上型ターボ分子ポンプ2Aに接続さ
れる。イオン化部9につづいて励磁部10とコレクタ部11
とが設けられる。
真空チャンバ1のロードロック機構と対向する位置に
マニュピレータ27が設けられている。このマニュピレー
タ27は、前述のラック部16により試料ステージ5に接近
した搬送台15上の試料を試料ステージ5に移し、また戻
すためのものである。
次に各部品の動作をそれぞれ個別に説明する。
第3図において、ロードロック機構では、通常搬送台
15とラック部16とは、ロードロックチャンバ12の端部12
A側に寄せられており、搬送台15は試料挿入口14のほぼ
下方に位置する。このとき開閉弁13はスライド弁13Aに
より閉塞されている。試料挿入口14を開放するときは、
あらかじめコック22Aを開放して、ロードロックチャン
バ12の内部に乾燥窒素N2を充填しておき、試料挿入口14
を開き試料を搬送台15に載置する。つぎにコック22Aを
閉じ、コック22Dを開いて予備排気を行い、次いでコッ
ク22Cを開きロードロックチャンバ12内の排気を行う。
ロードロックチャンバ12内が十分に排気されてから、
開閉弁13を開き、つまみ18Aによりピニオン17を回転し
て、ラック部16を真空チャンバ1側に移動させる。搬送
台15が試料ステージ5の所定の位置に接近すると、ラッ
ク部16の先端は真空チャンバ1内に設けられたストッパ
16Aに接触する。
この状態で搬送台15に載置された試料を試料ステージ
5に移動するには、前記マニュピレータ27による。
マニュピレータ27の縦断面図を示す第6図(b)にお
いて、真空チャンバの殻である金属筒1Cには強固な構造
の鞘体27Aにフランジ27Bが設けられている。このフラン
ジ27Bの外方の大気圧雰囲気に第一および第二操作端で
あるつまみ18Cと18Dとが設けられる。
この第一操作端であるつまみ18Cの操作により真空チ
ャンバの中心から放射方向にほぼ水平に移動する管状の
外軸27Cがあり、その一端に軸受27Dを介して第一作用端
27Eが取付けられる。
この外軸27Cの内側に外軸27Cに沿ってその長手方向に
相対位置を変化する内軸27Fがあり、この内軸27Fの外側
の一端に前記第二操作端であるつまみ18Dが取付けら
れ、この内軸27Fの他端に第二作用端27Gが設けられる。
外軸27Cの真空チャンバ内側の先端とフランジ27Bに固
定された座27Hとの間には外軸27Cの変位にしたがって伸
縮する第一ベローズ28Aが被せられ、内軸27Fと外軸27C
との間にはこの外軸27Cと内軸27Fとの相対変位にしたが
って伸縮する第二ベローズ28Bが被せられている。また
第一作用端27Eと第二作用端27Gとの間には、板ばね27J
により吊り下げられた逆コ字状の爪27Kが取付けられて
いる。
このように二つのベローズを設けることにより、各操
作端の操作に伴う真空チャンバ内のリークが防止され
る。
通常の状態、すなわち試料の交換を行わない状態で
は、つまみ18Cの操作により外軸27Cと内軸27Fは共に図
の右側に引き出された位置にあり、第一ベローズ28Aは
圧縮され、第一および第二作用端27Eおよび27Gは鞘体27
Aの方向に引かれている。
前述のようにロードロック機構の搬送台15が試料ステ
ージ5に近接した状態で、第一操作端であるつまみ18C
により、外軸27Cと内軸27Fとを真空チャンバ内に挿入
し、爪27Kを破線の位置に移動させる。搬送台15の近傍
では、つまみ18Dを外軸27Cに対して内軸27Fを図の左側
に押し込むように操作する。これによい第二ベローズ28
Bが伸ばされ、第一および第二作用端27Eと27Gとの間隔
は縮むので、板ばね27Jが押し出され爪27Kは下降する。
ここでつまみ18Cを操作することにより外軸27Cと内軸27
Fを共に図の右側に移動させると、搬送台15の上の試料
を試料ステージ5の上に移載することができる。このよ
うにして、試料を移すことができる。
この操作は、真空チャンバの金属筒1Cに設けられた覗
き窓1E(第6図(b)で破線で示すもの)から観察しな
がら行われる。
赤外線発生装置7は真空チャンバ1の外側下方に配置
され、その内部の回転楕円体状の反射面7Aのひとつの焦
点に置かれた赤外線発生ランプ21が発生する赤外線を他
の焦点に置かれた石英ガラス棒4の受光面4Aより吸収
し、他の端面4Bより試料ステージ5の下面に向けて射出
する。赤外線発生ランプ21はコンピュータユニット25に
より制御される温度制御部29の送出する電流により試料
ステージ5に所定の温度を与える。この反射面7Aの熱を
赤外線発生装置7の外部に放散させないように、反射面
7Aの外部に前記冷却水タンク24からパイプ30Aにより冷
却水が送入される。
第4図は、試料ステージの図である。ガラス棒4は透
明石英ガラスであり、ステージ5は半透明石英ガラスで
ある。第4図(b)に示すように試料ステージ5はガラ
ス棒4の端面4Bに嵌合する嵌合部5Aにて前記端面4Bとゆ
るく嵌合し、しかも端面4Bと嵌合部5Aとのすき間には、
孔5Bが設けられ真空チャンバ内の雰囲気と連通する。こ
れにより試料ステージ5が加熱されてもガラス棒4がそ
の影響で加熱されることがなくなる。試料ステージ5の
上部に設けられた孔5Cは熱電対21Aを挿通するものであ
る。
ガラス棒4の真空チャンバの金属端板1Bを貫通する部
分にもシール構造が設けられる。本シール構造も前述の
ロードロック機構のピニオン軸17Aに設けられたものと
同様に中間排気室20Bに二重のOリング19D、19Eとスペ
ーサ19Fとが設けられ、真空チャンバ1内部の真空度を
保持する。この中間排気室20Bは真空チャンバ1または
ロードロックチャンバ12のそれぞれを排気する真空ポン
プとは別系の真空手段である真空ポンプ3Cにより排気さ
れる。
一方、前述のように赤外線発生装置7を冷却した冷却
水はパイプ30Bを介して、中間排気室20Bの外方に設けら
れた冷却水通路31に送入され、パイプ30Cを介して、冷
却水タンク24に送りかえされる。このためシール部分は
冷却され、前記の真空状態の保持には熱による支障が起
こらない。
第5図は、質量分析計の構造を示す図である。
本図に示すようにイオン化部9内のイオン化室9Aは複
数の開口9Bを備えた開放型のもので、このイオン化部9
と真空チャンバ1とは太くかつ短い通路である接続管8
で連結されている。
質量分析計の一般的な試料導入においては、試料ステ
ージに載置された試料6が発生する脱離ガスを一旦蓄積
してこれを狭い通路を通してイオン化室9Aに送ってい
る。この方法では脱離ガスが発生した時点と、電極でこ
の脱離ガスがイオン化される時点とは若干のタイムラグ
があり、リアルタイムの分析ができない。
本実施例では試料6から発生した脱離ガス33Gは蓄積
されることなくイオン化部9内に導かれ、開口9Bを通し
てイオン化室9Aに入り、そこでフィラメント(図示せ
ず)からの電子線の衝撃によってイオン化される。引出
し電極9Cによりイオン化室9Aから引出されたイオンビー
ム33Eは、励磁部10の磁極10Aの磁界により偏倚されコレ
クタ部11で検出される。
次に第2図を参照して、本実施例の動作手順を説明す
る。
・開閉弁13を閉塞し、コック22Aを開きロードロックチ
ャンバ12内に乾燥窒素N2を充填する。
・試料挿入口14を開き搬送台15に試料を挿入する。
・コック22Aを閉じ、試料挿入口14を閉じる。
・コック22Dを開き、ロータリイ型の真空ポンプ3Cで予
備排気する。
・コック22Dを閉じ、コック22Cを開きロードロックチャ
ンバ12内をターボ分子ポンプ2Bで排気する。
・真空計32Aによりロードロックチャンバ12内の到達圧
力を確認して、開閉弁1を開く。
・つまみ18Aによりピニオン17を回転し、ラック部16に
より搬送台15を真空チャンバ1内にストッパ16Aに触れ
るまで移送し搬送台15を試料ステージ5に横づけする。
・マニュピレータ27により、搬送台15の試料6を試料ス
テージ5上に移載する。
・マニュピレータ27を試料ステージ5より引き離す。
・搬送台15などをロードロックチャンバ12内に引きもど
す。
・開閉弁13を閉塞する。
・真空計32Bにより真空チャンバ1の到達真空度を確認
する。
・コンピュータユニット25で温度制御部29を制御する昇
温プログラムをロードする。
・コンピュータユニット25で質量分析計で測定しようと
する脱離ガスの質量数を設定する。
・分析開始(昇温し、その温度信号をコンピュータユニ
ットに取込むと同時に設定した質量数のイオン電流信号
を取込む)。
・分析測定終了。
・開閉弁13を開き、搬送台15をステージ5に横づけし、
マニュピレータ27を用いて試料を搬送台15に移載する。
・搬送台15などをロードロックチャンバ12内に引き上
げ、開閉弁13を閉塞する。
・コック22Aを開き、乾燥窒素N2をロードロックチャン
バ12内に充填させる。
・試料挿入口14を開き試料を交換する。
・一方、コンピュータユニット25は分析データを処理
し、イオン電流と温度との関係図(パイログラム)を印
字出力する。
以上の動作手順により、本実施例により分析を行った
パイログラムの実績を第7図の(a)および(b)に示
す。本図では縦軸はイオン電流の相対値である。第7図
(a)に示すように、質量数M/z=18(H2O)と質量数M/
z=28(C2H4)のそれぞれのピーク値の前後の平坦な部
分でも、イオン電流値はほぼ一定している。これはノイ
ズの混入が極めて小さいことを意味する。第7図(b)
は試料を挿入しない状態の測定値で、M/z=18およびM/z
=28の値は変化しない。これは試料以外からの放出ガス
による背景ノイズがないことを示している。
比較例として、1990年4月に開催されたアメリカの電
気電子技術協会(IEEE)の会議に報告された最近の最良
といわれる分析測定例を第7図(c)に示す。本図では
縦軸はイオン電流の絶対値となるように整理されている
が、例えばM/z=18のカーブではピーク値の高温側の平
坦部は低温側の平坦部より破線で示すように傾斜してい
る。これは、背景ノイズによる影響であると考えられ
る。
第8図は、本発明の他の実施例の系統図である。これ
は第2図に示す前例とほとんど同様であるので詳しい説
明を省く。詳しくは配管系や弁などが少し異なるのみで
ある。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、試料の脱離ガ
スの質量分析による検出時に、背景ノイズの発生が極め
て小さい。計測がリアルタイムで確実に行われる。本発
明により半導体チップなどの試料のそれぞれの製造工程
における不都合な点が、端的に指摘されるようになっ
た。これにより半導体生産工程における不良率が極めて
減少でき、その歩溜りを大きく向上できる効果がある。
また、ロードロック機構で搬送された試料はマニュピ
レータで試料ステージ上に載置、あるいは戻す構成であ
るため、ロードロック機構の構成が簡単であり、種々の
大きさの試料の試験に対応できる。また、試料の加熱
は、試料ステージの下面から石英ガラス棒を介して赤外
線で加熱されるため、試料のみを加熱することができ、
試料以外のものを加熱することがなく、背景ノイズとな
るガスを発生することがなくなる。また加熱機構が試料
の搬入の妨げにならない。
さらにマニュピレータの移動距離は比較的長くしてあ
り、試料ステージから遠い位置に変位できるため、試料
からの放熱を受けたり、赤外線による加熱の影響を受け
ることがないため、背景ノイズを小さくすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明一実施例の全体配置図、(a)は正面
図、(b)は平面図。 第2図は、同実施例の系統図。 第3図は、同実施例のロードロック機構の説明図、
(a)は外観斜視図、(b)は内部構成図、(c)はシ
ール構造図。 第4図は、試料ステージ図、(a)は全体図、(b)は
ステージ詳細図。 第5図は、質量分析計構造図。 第6図は、マニュピレータ図で、(a)は平面図、
(b)は縦断面図。 第7図は、分析結果の一例を示す図(パイログラム)。 第8図は、本発明他の実施例による系統図。 1……真空チャンバ、1A、1B……その金属端板、1C……
金属筒、1D、1E……覗き窓、2A……磁気浮上型ターボ分
子ポンプ、2B……ターボ分子ポンプ、3A、3B、3C……ロ
ータリイ型の真空ポンプ、4……透明石英ガラスである
ガラス棒、4A……受光面、4B……他の端面、5……試料
ステージ、5A……嵌合部、5B、5C……孔、6……試料、
7……加熱器である赤外線発生装置、7A……反射面、8
……接続管、8A……主排気管、9、10、11……質量分析
計のそれぞれイオン化部、励磁部、コレクタ部、9A……
イオン化室、9B……開口、9C……引出し電極、10A……
磁極、12……ロードロックチャンバ、12A……その端
部、13……開閉弁、13A……スライド弁、14……試料挿
入口、15……搬送台、16……ラック部、16A……ストッ
パ、17……ピニオン、17A……ピニオン軸、18A、18B…
…つまみ、18C、18D……マニュピレータのそれぞれ第一
および第二操作端であるつまみ、19A、19B、19D、19E…
…Oリング、19C、19F……スペーサ、19G……筒体、20
A、20B……中間排気室、21……赤外線発生ランプ、21A
……熱電対、22A、22B、22C、22D……コック、23……デ
スク、24……冷却水タンク、25……コンピュータユニッ
ト、26A……軸、27……マニュピレータ、27A……鞘体、
27B……フランジ、27C……外軸、27F……内軸、27D……
軸受、27E、27G……第一および第二作用端、27H……
座、27J……板ばね、27K……爪、27L……ばね、28A、28
B……ベローズ、30A、30B、30C……パイプ、31……冷却
水通路、32A、32B……真空計、33G……脱離ガス、33E…
…イオンビーム。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空チャンバと、この真空チャンバを真空
    に維持する真空ポンプと、この真空チャンバ内に配置さ
    れた試料ステージと、この試料ステージに載置された試
    料を加熱する加熱器と、前記真空チャンバ内と連接する
    質量分析計とを備えた脱離ガスの検出装置において、 この真空チャンバより容積が十分に小さい空間に収容さ
    れ、この真空チャンバとの間に開閉弁を備え、前記真空
    ポンプとは別系の真空手段により真空を維持し、前記真
    空チャンバの真空状態を破壊せずに前記試料ステージに
    試料を搬入または搬出するロードロック機構と、 前記ロードロック機構で搬入される試料を前記試料ステ
    ージに載置しまたはロードロック機構に戻す把持機構を
    有するマニュピレータと を備えたことを特徴とする脱離ガスの検出装置。
  2. 【請求項2】前記真空チャンバは、その内径が前記試料
    ステージの直径の5倍以上で、前記試料ステージから真
    空チャンバ内壁面までの距離が50mm以上である請求項1
    記載の脱離ガス検出装置。
  3. 【請求項3】前記真空チャンバは、その壁構造は金属筒
    および金属端板により構成され、その金属筒および金属
    端板はその内壁面が表面研磨された請求項1記載の脱離
    ガスの検出装置。
  4. 【請求項4】前記ロードロック機構は、その搬送台およ
    び搬送台の移動機構が前記真空チャンバ内から退去でき
    る構造である請求項1記載の脱離ガスの検出装置。
  5. 【請求項5】前記ロードロック機構は、ピニオンおよび
    ラック機構を含み、 ピニオン回転軸には二重Oリングを備えたシール構造を
    設け、 その二重Oリングの間に形成される空間を真空に維持す
    る真空手段を備えた請求項4記載の脱離ガスの検出装
    置。
  6. 【請求項6】前記加熱器は、赤外線発生装置であり、前
    記真空チャンバの外に配置され、前記試料ステージは、
    その赤外線発生装置で発生された赤外線をその真空チャ
    ンバ内の前記試料ステージの下面に導入する石英ガラス
    棒を含む請求項1記載の脱離ガスの検出装置。
  7. 【請求項7】前記真空ポンプは磁気浮上形ターボ分子ポ
    ンプを含む請求項1記載の脱離ガスの検出装置。
  8. 【請求項8】マニュピレータは、つまみの操作により真
    空チャンバの中心からほぼ水平方向に移動する軸とこの
    軸を覆うベローズとを備え、試料の加熱時には把持部を
    試料ステージから加熱の影響がない遠い位置に変位させ
    る構成である請求項1ないし7のいずれか記載の脱離ガ
    スの検出装置。
  9. 【請求項9】真空チャンバ内で試料を加熱し、その試料
    から発生する脱離ガスを質量分析計で観測する脱離ガス
    の検出方法において、 真空チャンバを高真空状態に維持したまま、真空チャン
    バ内の試料ステージにロードロック機構を用いて前記真
    空チャンバの真空状態を破壊せずに試料を搬入し、この
    搬入された試料をマニュピレータによって前記試料ステ
    ージ上に載置して試料の出し入れを行い、 前記試料ステージ上の試料を試料ステージの下面から導
    入した赤外線により加熱する ことを特徴とする脱離ガスの検出方法。
  10. 【請求項10】請求項9記載の脱離ガスの検出方法にお
    いて、前記ロードロック機構の一部分を開閉弁により遮
    断してその一部分の真空状態を破壊することが必要な場
    合には、その一部分に乾燥窒素または乾燥空気を導入す
    ることを特徴とする脱離ガスの検出方法。
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