JP2619106B2 - 酸化物陰極 - Google Patents

酸化物陰極

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、熱電子管に用いられる酸化物陰極に係
り、特にその電子放射物層の改良に関する。
(従来の技術) 一般に陰極基体上にアルカリ土類金属炭酸塩の電子放
射物層が活性化処理して形成された酸化物陰極は、他の
種類の陰極に比べて低い動作温度での電子放出比が大き
いこと、任意形状のものが得易いこと、安価なこと、等
多くの利点を有するため、各種の電子管に広く利用され
ている。
その反面、管内ガスイオン衝撃に弱いこと、高電流密
度が得難いこと等の問題を有している。特に、最近はブ
ラウン管の高電流密度が要求され、一層の改善が望まれ
ている。
従来の酸化物陰極は、所定形状に形成された陰極基体
にバリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム
(Ca)からなるアルカリ土類金属炭酸塩粉末を吹付け法
などで塗布し、電子管内に組込み、排気工程で炭酸塩を
加熱分解し、アルカリ土類金属酸化物を形成している。
このアルカリ土類金属炭酸塩は、バリウムを主成分と
する他のアルカリ土類金属との複塩又は混合塩である
が、一般的にはバリウムが57重量%、ストロンチウムが
39重量%、カルシウムが4重量%の複塩である三元炭酸
塩が広く用いられている。
アルカリ土類金属炭酸塩は、高純度を必要とし、通常
は高純度アルカリ土類硝酸塩の水溶液に高純度炭酸ナト
リウム又は炭酸アンモニウム水溶液を反応させて作製さ
れる。そして、生成するアルカリ土類金属炭酸塩の結晶
形状及び粒度は、反応条件、特に温度、濃度等に依存す
る。
又、懸濁液は均一安定であることを必要とするので、
アルカリ土類金属炭酸塩を有機溶媒に懸濁し、必要に応
じてニトロセルローズのような結合分散剤を加えて50時
間程度のボールミルによる分散、均一化を行なう。そし
て、アルカリ土類金属炭酸塩の懸濁液を作り、陰極基体
面に浸漬、スプレー、電着等の方法で塗布する。この陰
極を電子管内に組込み、所要の排気操作を行ないアルカ
リ土類金属酸化物を形成する。更に、活性化処理によっ
て充分な電子放出が得られる。
この活性化処理は、陰極基体に含有するマグネシウ
ム、シリコン、クロム等還元剤によるもので、この還元
剤が酸化バリウムと反応し、過剰バリウム濃度を増加さ
せる働きをしている。
ところで、特開昭63−110521号公報には、アルカリ土
類金属炭酸塩に微量の炭酸スカンジウムを共沈させた酸
化物陰極が提案されている。
しかし、この酸化物陰極によると、短時間の電子放射
能力は優れているが、長時間動作させると急激な電子放
射能力の低下が生じる。その理由は、明確には解明され
ていないが、長時間(6000時間)動作で電子放射能力の
低下した陰極表面を観察すると、第1グリッドの孔径直
下部に微細な塗布剥離現象と塗布面のクラックが認めら
れる。
恐らく、電子放射能がスカンジウムの含有によって局
部的組成偏析を起こし、収縮応力で上記の現象が発生す
ると考えられる。この現象の程度は、含有スカンジウム
の量に依存し、動作時間と共に塗布面中央部のスカンジ
ウムが初期に比べて高濃度となる。
結果的に、塗布剥離は電子放射面の温度低下と基体金
属との還元反応を阻害し、クラックは有効電子放射面を
減少させるために、電子放射能力の急激な低下が生じる
と考えられる。
(発明が解決しようとする課題) 上記のような従来の酸化物陰極の電子放射能力は、電
子放射物層の過剰バリウムによって維持され、これは通
常、陰極基体中の還元剤と酸化バリウムの反応によって
行なわれる。
従って、酸化物陰極を長時間良好に動作されるには、
陰極基体と電子放射物層との境界面での反応を長時間に
亘って維持する必要があるが、上記のような炭酸スカン
ジウムを微量添加した酸化物陰極は、動作時間と共に電
子放射物層特に電子ビームが取出される第1グリッドの
孔に対向する部分に局部的な組成偏析を起こし、収縮応
力によって発生する塗布剥離で基体金属との還元反応が
阻害されて、充分な電子放射能力が得られなくなる。
又、クラック発生により有効電子放射面積が減少し、
塗布剥離同様に電子放射能力の劣化を来たす。
この発明は、以上のような従来の酸化物陰極が持つ不
都合を解消し、長時間動作させても電子放出特性の劣化
の少ない酸化物陰極を提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) この発明は、還元剤を微量添加した陰極基体に活性化
処理して形成された電子放射物層が、炭酸スカンジウム
を含有しないアルカリ土類金属炭酸塩からなる第1層
と、この第1層上に形成された炭酸スカンジウムを含有
するアルカリ土類金属炭酸塩からなる第2層とにより構
成されてなる酸化物陰極である。
(作用) この発明によれば、陰極基体上に炭酸スカンジウムを
含有しないアルカリ土類金属炭酸塩からなる第1層が活
性化処理して形成されているので、長時間動作における
炭酸スカンジウムを含むアルカリ土類金属炭酸塩を活性
化処理したものの特有の局部的組成偏析による剥離現象
及びクラックの発生を防止することが出来る。
この結果、長時間安定した電子放射能を保つことが可
能となる。
(実施例) 以下、図面を参照して、この発明の一実施例を詳細に
説明する。
この発明による酸化物陰極を備えた陰極構体は、第1
図に示すように構成され、内部に加熱ヒータ1が収容さ
れた陰極支持スリーブ2の一端には、還元剤を微量添加
したニッケルを主成分とする陰極基体3が固着されてい
る。
この陰極基体3上には、電子放射物層4が形成されて
いる。この場合、電子放射物層4は、炭酸スカンジウム
を含有しないアルカリ土類金属炭酸塩からなる第1層4a
と、この第1層4a上に形成された炭酸スカンジウムを含
有するアルカリ土類金属炭酸塩からなる第2層4bとによ
り構成され、これを活性化処理して形成されてなり、こ
の発明の特徴となっている。
次に、上記の酸化物陰極の製造方法について説明す
る。
先ず、第1層4aとして塗布する炭酸スカンジウムを含
まないアルカリ土類金属炭酸塩を有機溶媒、例えば酢酸
ブチル、酢酸アルミ、エタノール等に懸濁し、必要量の
結合剤例えばニトロセルローズを加えて、50時間程度の
ボールミルを行ない、均一な懸濁液を作製する。
又、第2層4bとして塗布する炭酸スカンジウムを含む
共沈により得られたアルカリ土類金属4元炭酸塩の懸濁
液も、上記第1層4aの懸濁液と同様の方法で作製する。
このようにして作製した2つの懸濁液を、還元剤を微量
添加したニッケルを主成分とする陰極基体3上に塗布す
る。
即ち、先ず陰極基体3上に、第1層4aとして塗布する
炭酸スカンジウムを含まない懸濁液を、スプレー法で厚
さ10μm塗布する。
その後、この第1層4a上に、第2層4bの懸濁液を同様
にスプレー法で厚さ60μm塗布する。
尚、上記以外は周知の方法で酸化物陰極を完成する。
さて、上記のような陰極基体上に炭酸スカンジウムを
含有しないアルカリ土類金属炭酸塩からなる第1層を形
成し、この第1層上に炭酸スカンジウムを含有するアル
カリ土類金属炭酸塩からなる第2層を形成したものを、
ブラウン管に組み込み、通常の排気活性化処理を行なっ
て酸化物陰極を得た。このようなこの発明の酸化物陰極
のエミッション特性の初期値を、従来の酸化物陰極と比
較したところ、全く差がなかった。ここで、従来の酸化
物陰極とは、陰極基体上に炭酸スカンジウムを含有する
アルカリ土類金属炭酸塩の電子放射物層を排気活性化処
理を行なって得られる酸化物陰極のことである。
又、排気中の分解ガス放出も、従来の場合と比較して
変化がなく、従来の排気操作で何等問題は発生しなかっ
た。
次に、この発明の酸化物陰極を用いた電子管につい
て、長時間動作に伴なうエミッション特性の測定を行な
った。
第2図は、電流密度0.8A/cm2で長時間動作をさせた場
合の各時間毎のパルスエミッション(A/cm2)維持値を
示す。同図に示す曲線Sはこの発明の酸化物陰極の場
合、曲線Rは従来の酸化物陰極(炭酸スカンジウムを含
むアルカリ土類金属炭酸塩のみが全層に塗布された酸化
物陰極)の場合である。
この特性比較で明らかなように、この発明の酸化物陰
極は従来に比べて長時間動作によるエミッションの劣化
が非常に少なく、その効果は長時間になるほど顕著なこ
とが明らかである。
又、長時間動作させた陰極を電子管より取出し、陰極
表面を観察した結果、従来品に認められた微細な塗布剥
離現象及びクラックは発生していなかった。
(変形例) 上記実施例では、第1層4aの塗布厚さ10μmとして説
明したが、実験結果によれば、第1層4aの塗布厚さは5
〜50μmの範囲でも、上記実施例と同様の効果が得られ
た。
尚、第1層4aと第2層4bの塗布厚さの合計は、70〜80
μmの範囲以下になることが望ましい。
又、上記実施例では、ブラウン管に使用する例につい
て説明したが、この発明の酸化物陰極を撮像管や送信管
等に使用しても、同様の効果が得られる。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明によれば、特に長時間
動作に伴なうエミッション特性に優れ、安定した信頼度
の高い酸化物陰極を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例に係る酸化物陰極を備えた
陰極構体を示す断面図、第2図はこの発明及び従来の各
酸化物陰極における寿命試験時間とエミッション特性と
の関係を示す特性曲線図である。 3……陰極基体、4……電子放射物層、4a……第1層、
4b……第2層。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】還元剤を微量添加した陰極基体に、アルカ
    リ土類金属炭酸塩の電子放射物層が活性化処理して形成
    されてなる酸化物陰極において、 上記電子放射物層は、上記陰極基体上に形成される炭酸
    スカンジウムを含有しないアルカリ土類金属炭酸塩から
    なる第1層と、この第1層上に形成された炭酸スカンジ
    ウムを含有するアルカリ土類金属炭酸塩からなる第2層
    とにより構成されてなることを特徴とする酸化物陰極。
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