JP2618974B2 - 半導体処理炉用温度制御装置 - Google Patents

半導体処理炉用温度制御装置

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JP2618974B2
JP2618974B2 JP63113338A JP11333888A JP2618974B2 JP 2618974 B2 JP2618974 B2 JP 2618974B2 JP 63113338 A JP63113338 A JP 63113338A JP 11333888 A JP11333888 A JP 11333888A JP 2618974 B2 JP2618974 B2 JP 2618974B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、半導体処理炉、例えば半導体拡散炉等用
の温度制御装置に関する。
(従来の技術) 半導体拡散炉等の半導体処理炉は、半導体装置の生産
性を上げる目的から、迅速な温度の上昇及び下降の能力
を備えていて炉内温度(以下、炉温ともいう)を短時間
で所要の温度に設定できるものが求められている。
第6図は、このような従来の半導体拡散炉の炉体構造
例を示している。同図中、1は断熱材であり、その内側
には、加熱手段としてのヒータ2、3、4、5が、例え
ば4ゾーンに分れて巻かれており、各ヒータ2、3、
4、5には、ヒータ温度検出器6、7、8、9がそれぞ
れ取付けられている。これらのヒータ2、3、4、5の
内側には、石英管(反応管)11が配置され、その下方に
は、ボートローダ12が配設されている。13はボート受
台、14は、被処理対象であるウエーハ15装填用のボート
である。
21は石英バーであり、石英バー21には炉温検出器16、
17、18、19が取付けられており、後述するように、ウエ
ーハ15近傍の炉温測定時に石英管11内に挿入されるもの
である。
そして、ヒータ温度検出器6、7、8、9からのヒー
タ温度検出値の信号線が、図示省略の温度調節器に接続
されており、この温度調節器に所要の温度目標値が与え
られるとともに、各ヒータ温度検出器6、7、8、9で
検出されたヒータ温度をフィードバック信号として各ゾ
ーンのヒータ出力が制御され、炉温が所要の温度に加熱
設定されるようになっている。
また、断熱材1の上部開口部には、ブロア用配管22が
接続され、このブロア用配管22に、炉内温度を降下させ
るための強制冷却手段としてのブロア23が取付けられて
いる。24は冷却器である。
そして、強制空冷運転時には、ブロア23が運転され
て、炉体下部から引込まれた冷却用の空気が石英管11と
各ヒータ2、3、4、5の間を通り、炉体上部から引出
されてブロア用配管22、冷却器24を経由しブロア23に達
することにより、炉温が所要の温度まで降下される。
上述のように、加熱又は冷却により、半導体拡散炉の
炉温を制御する主要な目的は、被処理対象が装填される
石英管11内の温度を所要の温度で均熱化することであ
る。言い換えれば、石英管11内の炉温を所要の温度に精
度よく制御するとともに、その石英管11内に挿入された
炉温検出器16、17、18、19で検出された各ゾーンの炉温
のゾーン相互間のばらつきを抑えることである。しか
し、石英バー21に取付けられた炉温検出器16、17、18、
19を常時、炉内に設置しておくことは、ウエーハ15の挿
入に支障をきたす。このため、通常は、炉温検出器16、
17、18、19はウエーハ15が挿入されていないときに炉内
に挿入してオフラインデータ採取用として使用されてい
る。
したがって、実際の炉内温度制御は、前述のように、
炉内温度との相関が強いヒータ温度検出器6、7、8、
9で検出されたヒータ温度をフィードバック信号として
行なわれている。
この制御方式は、オートプロファイル制御とも呼ばれ
ており、定常状態でのヒータ温度検出値と炉内温度との
相関データよりヒータ温度検出値から炉内温度への変換
モデルをオフライン的に作成し、この変換モデルを用い
てヒータ温度検出値から間接的に炉内温度を予測し、こ
れをフィードバック信号として炉内温度制御を行なうも
のである。
なお、前述のオフラインデータ採取の際、製品用ウエ
ーハ15の代りにダミーウエーハを挿入して可能な限りオ
ンラインに近い状態でデータを採取する事は可能であ
る。
(発明が解決しようとする課題) 従来の半導体拡散炉の炉内温度制御は、ヒータ温度検
出器6、7、8、9で検出されたヒータ温度をフィード
バック信号として行なわれていたため、制御精度上、加
熱・定常運転時には問題は生じないが、ブロア23を用い
た強制空冷運転時には、冷却用の空気が石英管11と各ヒ
ータ2、3、4、5の間を流れるので、ヒータ温度検出
器6、7、8、9がその空気で煽られ、実際のヒータ温
度よりも低目の温度検出値を出力してしまう。このた
め、ヒータ温度が低目に評価されてフィードバックされ
てしまうので、炉内温度制御としては、実際のヒータ温
度、ひいては炉内温度を温度目標値より高めに制御して
しまい制御精度が低下してしまうという問題があった。
また、冷却用の空気は炉体内に引込まれてから、炉体
外に引出されるまでの間、徐々に暖められるので、上述
のヒータ温度検出誤差の大きさはゾーンによって異な
る。このため、上述の制御精度の低下に加えて、さらに
強制空冷運転中のゾーン相互間の炉内温度差が増大して
しまうという問題があった。
そして、上記の制御精度の低下等により、拡散処理さ
れる半導体装置の性能に悪影響を与えてしまうおそれが
あり、また歩留り低下を招くおそれがあるという問題が
あった。
この発明は上記事情に基づいてなされたもので、冷却
運転中もヒータ温度検出誤差の影響を受けることなく、
炉内温度を所要の温度目標値に精度よく制御することが
でき、また、ゾーン相互間の炉内温度差を最小に抑える
ことのできる半導体処理炉用温度制御装置を提供するこ
とを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) この発明は上記課題を解決するために、炉内を昇温す
るヒータ及び降温する冷却手段が備えられた半導体処理
炉における炉内温度を制御する温度制御装置であって、
炉内温度を所要の炉温目標値に降温設定するための事前
冷却運転時に炉内温度検出値をフィードバック信号とし
て当該炉温目標値に炉内温度制御を行なう第1の温度制
御手段と、該第1の温度制御手段による炉内温度制御の
実施中に前記ヒータ部のヒータ温度検出値の実績データ
を採取しこの実績データから冷却運転時のヒータ温度目
標値パターンを作成する演算手段と、該演算手段で作成
されたヒータ温度目標値パターンをヒータ温度目標値と
しヒータ温度検出値をフィードバック信号として冷却運
転時のヒータ温度制御を行なう第2の温度制御手段とを
有することを要旨とする。
(作用) 上記構成において、炉内温度を所要の炉温目標値に降
温設定するに際し、被処理対象であるウエーハの非挿入
時等において、事前運転として炉内に炉温検出器を挿入
し、この炉温検出器の出力を直接フィードバック信号と
して用い、このフィードバック信号を炉温目標値に制御
しながら強制空冷運転を行なう。このとき、炉温検出器
は、石英管内部等の炉内にあるため、冷却用の空気等で
煽られることはなく、ヒータ温度検出器に見られるよう
な検出誤差は生じない。したがって、事前冷却運転時に
は、炉内温度は炉温目標値に精度よく制御される。そし
て、この事前冷却運転による炉内温度制御の実施中に、
演算手段により、ヒータ温度検出器から出力されるヒー
タ温度検出値の実績データを時系列データ等として採取
し、この時系列データ等をもとに冷却運転時のヒータ温
度目標値パターンを作成する。このヒータ温度目標値パ
ターンは、例えば、時系列データのテーブルとして作成
してもよく、或いは時間の関数として作成してもよい。
次いで、炉内にウエーハを挿入した本冷却運転時に
は、作成されたヒータ温度目標値パターンを再現させ
て、これをヒータ温度目標値とし、ヒータ温度検出器の
出力をフィードバック信号としてヒータ温度制御を行な
う。
而して、本冷却運転時にも、ヒータ温度検出誤差の影
響を受けることなく、炉内温度は炉温目標値に精度よく
制御される。また、半導体処理炉が複数ゾーンで構成さ
れる場合は、上記のヒータ温度目標値パターンを各ゾー
ンについて作成し、本冷却運転時には、各ヒータ温度目
標値パターンを、各ゾーンについてのヒータ温度目標値
とし、各ゾーンヒータ温度検出値をフィードバック信号
としてヒータ温度制御を行なうことにより、各ゾーン相
互間の炉内温度差も最小に抑えられる。
(実施例) 以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
この実施例は、半導体拡散炉用の温度制御装置に適用さ
れている。
第1図ないし第4図は、この発明の一実施例を示す図
である。
まず、半導体拡散炉用温度制御装置の構成を説明する
と、第1図は、当該半導体拡散炉における1ゾーン分の
ヒータ及び温度制御装置等を示しており、第1図中、25
は前記第6図におけるものとほぼ同様のヒータ、26はこ
のヒータ25に取付けられたヒータ温度検出器、27はヒー
タ電源、28は炉温測定時に石英管内(炉内)に挿入され
る炉温検出器であり、ヒータ電源27から供給される電力
によりヒータ25が加熱されてヒータ温度が変化し、さら
に炉内プロセス29を通して炉内温度が昇温されるように
なっている。また、第1図には図示省略されているが、
半導体拡散炉には、前記第6図におけるものとほぼ同様
の冷却手段としてのブロアが取付けられている。
30は、炉内温度を制御する温度制御装置であり、その
内部には、事前の強制空冷時におけるヒータ温度検出値
の実績データを採取し解析を行なう第1の演算装置31、
この実績データをもとに、強制空冷運転時のヒータ温度
目標値パターンを作成する第2の演算装置32、前述の事
前冷却運転時に炉温検出器28の出力である炉温検出値θ
F(℃)をフィードバック信号とし、これを炉温目標値
θFR(℃)に制御するための第1の温度制御手段として
の第1のPID演算装置33、ウエーハを挿入した本冷却運
転時にヒータ温度検出器26の出力であるヒータ温度検出
値θH(℃)をフィードバック信号とし、これを第2の
演算装置32で作成されたヒータ温度目標値θHR(℃)に
制御するための第2の制御手段としての第2のPID演算
装置34、ヒータ電源27のON/OFFを管理するヒータ電源ド
ライバ35等が備えられている。
上記第1の演算装置31にはヒータ温度検出値θ
H(℃)と炉温検出値θF(℃)が取込まれ、ウエーハ非
挿入時に強制空冷開始タイミング信号36が与えられる
と、タイマ信号37及びデータサンプリングピッチTs(se
c)に従って、ヒータ温度検出値の実績データを時系列
データ等として採取するようになっている。θFB(℃)
は強制空冷後の炉温目標値、T(sec)は強制空冷開始
後データサンプリングを開始するまでの時間、E(℃)
はデータサンプリング停止条件用のパラメータであり、
事前の強制空冷時に炉温検出値θF(℃)が(θFB
E)(℃)以下となった時点で実績データのデータサン
プリングを停止するようになっている。この第1の演算
装置31からは強制空冷時のヒータ温度目標値パターンを
示す後述のパラメータK、Cが第2の演算装置32に送ら
れる。
第2の演算装置32ではウエーハ挿入後、強制空冷開始
タイミング信号38が与えられると、炉内温度制御サンプ
リングタイミング信号39に従って、強制空冷時のヒータ
温度目標値パターンθHRが生成され、これが第2のPID
演算装置34の目標値とされるようになっている。
而して、上述の第1、第2の演算装置31、32により、
第1のPID演算装置33による炉内温度制御の実施中に、
ヒータ温度検出値の実績データを採取し、この実績デー
タから冷却運転時のヒータ温度目標値を作成する演算手
段が構成されている。
41、42は第1、第2のPID演算装置33、34の制御出力
であり、ヒータ電源27のON率、即ち、あるサイクルタイ
ムの期間中、何%の割合でヒータ電源27をONするかを示
す指令を表わすものである。43、44は制御方式切換用の
スイッチであり、ウエーハ非挿入時の事前運転において
は、スイッチ43が閉じ、ウエーハ挿入時の本運転ではス
イッチ44が閉じる。スイッチ43と44は連動しており一方
が閉じれば、他方は必ず開くようになっている。45は最
終的にヒータ電源27に与えられる電源ON/OFF信号であ
る。
次に、上述のように構成された半導体拡散用温度制御
装置の作用を第2図ないし第4図を用いて説明する。
第2図は第1の演算装置31における処理内容を示すフ
ローチャート、第3図の(A)、(B)はウエーハ非挿
入時において第1図中のスイッチ43を閉じ、炉温検出値
をフィードバック信号として強制空冷運転したときのヒ
ータ温度検出値θH及び炉温検出値θFの挙動を示したも
のであり、また第4図はヒータ温度目標値の冷却パター
ンを示したものである。
第3図に示すように、強制空冷が開始されてブロアに
より冷却空気が炉内に引込まれた時点からヒータ温度検
出値θHが急激に低下している。これが前述の冷却空気
によりヒータ温度検出器26が煽られた影響を示してい
る。そして、強制空冷開始後、約Tsec経過した時点から
はヒータ温度θHはほぼ直線的に降下している。したが
って、強制空冷時のヒータ温度検出値はほぼ第4図に示
される冷却パターンで近似することができる。
第1の演算装置31は、上述の強制空冷運転中の実績デ
ータを採取、解析して第3図及び第4図に示されたパラ
メータC及びKを求めることを、その主機能としてい
る。以下、第2図のフローチャートを用いて第1の演算
装置31の処理内容を説明する。
まず、強制空冷開始後ステップ51でデータサンプリン
グ回数を表わすパラメータjがゼロにセットされる。次
に、ステップ52で強制空冷開始後の経過時間tと(T+
j・Ts)の比較がなされる。ここでTは強制空冷開始
後、データサンプリングが開始されるまでの時間(se
c)を示し、第3図(A)のヒータ温度検出値θHが強制
空冷開始後、直線的な降下を始めるまでの時間(通常、
約250sec)として与えればよい。Tsはデータサンプリン
グピッチである。データサンプリングタイミングに達す
るまでは、t<(T+j・Ts)であるので、ステップ53
のタイマのカウントアップが行なわれ、データサンプリ
ングタイミングに達すると、t(T+j・Ts)となる
ためステップ54に進む。
ステップ54はデータサンプリングの終了条件を示すも
ので、炉温検出値θFが強制空冷後の炉温目標値θFB
充分近づいた時点でデータサンプリングを終了するよう
に条件設定がなされている。そのためのパラメータがE
(℃)であり、θFとθFBとの差(θF−θFB)(℃)と
E(℃)とを比べ、(θF−θFB)Eである場合はス
テップ51でtj(sec)とθHj(℃)とを記憶する。ここ
でtjとθHjは第3図(A)に示されるようにデータサン
プリング時点の経過時間t(sec)とヒータ温度検出値
θH(℃)を意味する。さらに、ステップ56でデータサ
ンプリング回数を表わすパラメータjのカウントアップ
(j=j+1)を行ない、再びステップ52に戻る。
このようにして、(θF−θFB)Eである間はTs(s
ec)毎にtjとθHjが記憶されていき、ヒータ温度検出値
θH(℃)の時系列データが得られる。さらに強制空冷
運転が進行し、炉温検出値θFが強制空冷後の炉温目標
値θFBに近づき、ステップ54で(θF−θFB)<Eとな
った時点でデータサンプリングを終了する。E(℃)の
値は約30(℃)とすると、第3図(A)に示されるよう
にθH(℃)の時系列変化のほぼ直線的な変化部分をサ
ンプリングすることができる。
データサンプリング終了後、ステップ57以下の処理が
行なわれる。ステップ57のnはステップ58の処理で必要
なパラメータであり、データサンプリング回数のトータ
ル値を示している。ステップ58では記憶された時系列デ
ータ{tj、θHj(j=0、1、2、…、n−1)}を直
線近似し、第4図に示す冷却パターンで近似したときの
パラメータK及びCの計算を行なう。K、Cの値は時系
列データ{tj、θHj(j=0、1、2、…、n−1)}
を最小2乗法により1次近似することにより、次式で計
算される。
K=(n・W−X−・Y)/(n・A−X2)(℃/sec)
…(1) C=θHA−(A・Y−W・X)/(n・A−X2)(℃)
…(2) 但し、 である。なお、上記(1)〜(5)式の導出過程は後述
の他の実施例のところでまとめて詳述する。
以上が第1の演算装置31の処理内容である。
第1の演算装置31により強制空冷時のヒータ温度検出
値θHの冷却パターンが得られたので、ウエーハ挿入時
の強制空冷運転においてはスイッチ44を閉じ、ヒータ温
度検出値θHをフィードバック信号とした制御に切り換
える。このときのヒータ温度目標値は前述のパラメータ
K、Cを用い第4図の冷却パターンに従って第2の演算
装置32より出力され、ヒータ温度の制御が行なわれる。
第2の演算装置32より出力されるヒータ温度目標値パタ
ーンθHRは事前運転時のヒータ温度検出値θH(℃)の
冷却パターンを模擬しているため、このθHR(℃)をヒ
ータ温度目標値として第2のPID演算装置34で、ヒータ
温度の制御を行なうことにより、第3図(B)の事前運
転時の炉内温度検出値θF(℃)の挙動がほぼ再現され
る。
なお、第1図及び第2図は説明の便宜上、複数ゾーン
のうちのあるゾーンに注目してその構成及び処理内容を
表わしているが、他のゾーンについても同様の構成及び
処理内容となるのでここでは説明を省略する。
上述したように、この実施例の半導体処理炉用温度制
御装置は、事前運転時において炉内温度を直接検出して
これを炉温目標値に精度よく制御し、このときのヒータ
温度検出値の運転データを採取、解析することにより、
炉内温度を直接検出できない本運転時においても、事前
運転時と同様の炉内温度を再現できるように構成されて
いるので、強制空冷時のヒータ温度検出誤差が原因とな
って生ずる炉内温度制御誤差及びゾーン相互間の炉内温
度差が解消され、強制空冷運転中に高精度の炉内温度制
御を実現することができる。
また、事前運転時の採取データには個々のヒータの特
性や冷却用空気の通路特性といった機械定数の影響も反
映されるため、これら個々の拡散炉によって異なる機械
定数の影響を考慮した制御系調整が殆んど不要となる。
次いで、第5図のフローチャートを用いて他の実施例
を説明する。
前述の一実施例では事前運転時のヒータ温度検出値の
冷却パターンを近似したものをそのまま本運転時のヒー
タ温度目標値とした。このため、ヒータ温度制御系の遅
れが大きい場合には事前運転時の炉温変化の再現性が低
下することが考えられる。その場合には、第1図におけ
る第2の演算装置32の出力の後に、位相進み補償、例え
ば、1+T1・s、(1+T1・s)/(1+T2・s)など
の補償要素(但し、sはラプラス演算子、T1、T2は定
数)を挿入して、上述の遅れに関する対策をとることが
できる。
また、第1図における第1の演算装置31の処理内容を
示す第2図のフローチャートにおいては事前運転時のヒ
ータ温度検出値θHjの時系列データ{tj、θHj(j=
0、1、2、…、n−1)}を記憶していたが、メモリ
節約のため、第5図のフローチャートに示されるような
処理を行ってもよい。
ここで、この第5図のフローチャートに見られるメモ
リ節約の基本的な考え方について以下に説明する。
前記第3図(A)に見られる時系列データ{tj、θHj
(j=0、1、2、…、(n−1)}を第4図に見られ
るように、次式、 θHjK・tj+(θHA−c)j=0、1、2、…、(n
−1) …(6) で1次近似する場合を考える(K、C:最小2乗法で決定
すべき定数)。
(6)式において近似誤差をεjとすると、次式が成
り立つ θH0=K・T0+(θHA−C)+ε0 θH1=K・t1+(θHA−C)+ε1 : θHn-1=K・tn-1+(θHA−C)+εn-1 …(7) (7)式の近似誤差に対する2次評価関数を、 と設定し、Jを最小とすることを考える。
であるので、Jが最小となるための必要十分条件は次の
(10)及び(11)式となる。
(10)、(11)式より さらに、これを展開して、 これをマトリクス形式でまとめると、 但し、 である。
(16)式より、K、Cを求めると、 K=(n・W−X・Y)/(n・A−X2) …(19) C=θHA−(A・Y−W・X)/(n・A−X2) …(20) となる。
このK、Cの値は時系列データ{tj、θHj(J=0、
1、2、…、n−1)}の採取が終了した後、計算する
ことになるため通常メモリに余裕がある場合は、時系列
データを一旦記憶しておく方式を採用してもよい。これ
が第2図の方式である。
しかしながら、メモリに余裕がない場合は第5図のス
テップ61〜ステップ68に示されるように、K、Cの計算
に必要なパラメータX、Y、A、Wをデータサンプリン
グと並行して逐次更新して行き、結果として(17)、
(18)式が計算される方式をとることができる。
上記第5図に示した処理内容と、前記第2図に示した
処理内容との差異は次の通りである。
第2図の処理では、データサンプリング中ヒータ温度
検出値θHj(℃)と強制空冷開始後の経過時間tj(se
c)とを時系列データ{tj、θHj(j=0、1、2、
…、n−1)}として記憶し、データサンプリング終了
後、パラメータK、Cを演算している。
一方、第5図の処理ではデータサンプリング中、前記
第2図の処理のような時系列データ記憶を行なわず、代
りにパラメータK、Cの計算に必要な前述の(3)、
(4)、(5)式で示されるX、Y、A、Wの値をデー
タサンプリングタイミング毎に逐次更新する方法を採用
することによりメモリの節約をはかっている。
なお、第2図及び第5図の処理では強制空冷中のヒー
タ温度検出値の冷却パターンを1次近似しているが、こ
れを2次以上の高次の曲線で近似してもよいのは勿論の
こと、このような近似を行なわずに時系列データ{tj
θHj(j=0、1、2、…、n−1)}を内挿、外挿す
ることによりヒータ温度目標値θHRのパターンを作成し
てもよい。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明によれば、炉内温度を
所要の炉温目標値に降温設定する際に、炉内温度検出値
を直接、フィードバック信号として当該炉温目標値に炉
内温度制御を行なう事前冷却運転を実施し、この事前冷
却運転の実施中に、ヒータ温度検出値の実績データを採
取し、この実績データをもとに冷却運転時のヒータ温度
目標値パターンを作成し、本冷却運転時には、このヒー
タ温度目標値パターンをヒータ温度目標値としヒータ温
度検出値をフィードバック信号としてヒータ温度制御を
行なうようにしたので、本冷却運転時には、ヒータ温度
検出誤差の影響を受けることなく炉内温度を炉温目標値
に精度よく制御することができる。
また、半導体処理炉が複数ゾーンで構成されるとき
は、上記のヒータ温度目標値パターンを各ゾーンについ
て作成し、本冷却運転時には、各ヒータ温度目標値パタ
ーンを各ゾーンについてのヒータ温度目標値とし各ゾー
ンヒータ温度検出値をフィードバック信号としてヒータ
温度制御を行なうことにより、各ゾーン相互間の炉内温
度差を最小に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図はこの発明に係る半導体処理炉用温
度制御装置の一実施例を示すもので、第1図はブロック
図、第2図は第1の演算装置部分の処理内容を示すフロ
ーチャート、第3図は事前冷却運転時のヒータ温度検出
値及び炉温検出値の挙動を示す特性図、第4図はヒータ
温度目標値パターンを示す特性図、第5図はこの発明の
他の実施例における第1の演算装置部分の処理内容を示
すフローチャート、第6図は従来の半導体拡散炉の炉体
構造を示す縦断面図である。 23:ブロア(冷却手段)、25:ヒータ、26:ヒータ温度検
出器、28:炉温検出器、31:第1の演算装置、32:第1の
演算装置とともに演算手段を構成する第2の演算装置、
33:第1のPID演算装置(第1の温度制御手段)、34:第
2のPID演算装置(第2の温度制御手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 隆士 東京都港区芝浦1丁目1番1号 株式会 社東芝本社事務所内 (56)参考文献 特開 昭62−160512(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉内を昇温するヒータ及び降温する冷却手
    段が備えられた半導体処理炉における炉内温度を制御す
    る温度制御装置であって、炉内温度を所要の炉温目標値
    に降温設定するための事前冷却運転時に炉内温度検出値
    をフィードバック信号として当該炉温目標値に炉内温度
    制御を行なう第1の温度制御手段と、該第1の温度制御
    手段による炉内温度制御の実施中に前記ヒータ部のヒー
    タ温度検出値の実績データを採取しこの実績データから
    冷却運転時のヒータ温度目標値パターンを作成する演算
    手段と、該演算手段で作成されたヒータ温度目標値パタ
    ーンをヒータ温度目標値としヒータ温度検出値をフィー
    ドバック信号として冷却運転時のヒータ温度制御を行な
    う第2の温度制御手段とを有することを特徴とする半導
    体処理炉用温度制御装置。
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