JP2617858B2 - 弾性体、弾性ローラ及び定着装置 - Google Patents

弾性体、弾性ローラ及び定着装置

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JP2617858B2
JP2617858B2 JP4223282A JP22328292A JP2617858B2 JP 2617858 B2 JP2617858 B2 JP 2617858B2 JP 4223282 A JP4223282 A JP 4223282A JP 22328292 A JP22328292 A JP 22328292A JP 2617858 B2 JP2617858 B2 JP 2617858B2
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    • G03G2215/2003Structural features of the fixing device
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  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、付加型シリコーンゴム
弾性材料から形成された弾性体、即ち電子写真複写装
置、電子写真プリンターの如き画像形成装置に用いられ
る離型性を要求される定着ローラ、搬送ローラの如きロ
ーラ類、或いはクリーニングブレード、現像ブレードの
如きブレード類として使用するための弾性体に関する。
更に本発明は、上記の弾性体を用いた弾性ローラ及びそ
の弾性ローラを有する定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写装置、電子写真プリンター
の如き画像形成装置に用いられる、普通紙、OHPフィ
ルム等のシート状記録材又は転写材を所定の径路に沿っ
て搬送する1対の弾性ローラを有する搬送用ローラに
は、一般に搬送性、離型性及び耐久性が要求される。
【0003】画像形成装置に用いられる、感光体の表面
に付着しているトナーやゴミ等を除去するためのクリー
ニングブレードや現像スリーブ上にトナーの薄層を形成
するための現像ブレードの如きブレード類は、機能上、
トナーと圧接した状態で摺動するように配置され、高い
離型性、耐摩耗性及び耐久性が要求される。
【0004】画像形成装置に用いられる、記録材上の未
定着のトナー像を搬送するための1対の弾性ローラを有
する搬送用ローラのうち、特に定着用ローラは、記録材
上のトナー像を加圧及び必要に応じて加熱して、該記録
材上にトナー像を定着させ、オフセット現象を防止しな
がら記録材を所定の径路に沿って搬送しなければならな
いため、高い離型性、耐摩耗性及び耐久性が要求され
る。
【0005】従来、定着用ローラは、金属製芯金の上
に、フッ素系樹脂或いはシリコーンゴムの如き離型性の
良い材料を有する被覆層が形成されている。画像形成装
置では、画質を重視する観点から、定着用ローラのうち
定着ローラには、離型性や耐久性がフッ素系樹脂で被覆
した定着ローラよりは不利ではあるが、画質に優れるシ
リコーンゴムで被覆した定着ローラを採用する傾向にあ
り、シリコーンゴム材料について可及的に離型性、耐久
性を向上させるための種々の研究及び開発がなされてい
る。
【0006】カラー電子写真においては、オリジナル原
稿に近い色を再現するために、複数層のトナーを加熱溶
融して混色させるので、軟化点の低いトナーを使用する
必要がある。軟化点の低いトナーを使用した場合、通常
の白黒コピー用の複写機に使用されているテフロンの如
きフッ素系樹脂で被覆した定着ローラで加熱定着する
と、トナーがローラ側に付着するオフセット現象が顕著
に発生し、良好な定着画像を得ることが極めて困難であ
る。このようなオフセット現象を回避するために、離型
性の優れた特殊グレードのシリコーンゴム材料を被覆し
た定着ローラに、更にトナー離型オイルとして、シリコ
ーンオイルを常時定着ローラ表面に塗布することで実用
化に至っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現行の
シリコーンゴム材料の離型性は不十分であり、シリコー
ンゴム材料について可及的に離型性、耐久性を向上させ
るための研究、開発がなされていることは上述した通り
である。
【0008】例えば特開昭61−144675号公報に
よれば、付加型シリコーンゴムにおいて、分子量が2万
〜20万の末端ビニル基封鎖の直鎖状ジメチルポリシロ
キサンからなる硬化物は、良好な離型性を示すことが開
示されている。
【0009】上記公報によれば、両末端ビニル基封鎖の
直鎖状ジメチルポリシロキサンは、分子量が大きくなれ
ば、それに従って離型性も向上すると述べられている。
しかしながら分子量が20万を超えるものは、物理的強
度に問題を生じ、実用に耐えないとされている。
【0010】ここで、直鎖状ジメチルポリシロキサンの
分子量と粘度の関係について簡単に説明する。一般にジ
メチルポリシロキサンの分子量が大きくなると、それに
伴いその粘度も増加して行き、直鎖状ジメチルポリシロ
キサンの場合、分子量20万は粘度6万ポイズにほぼ相
当するものである。
【0011】一方、従来のローラ外層の材料構成では、
高温に加熱されている条件下で離型剤が塗布されている
ローラを定着に使用すると、ローラの外層内部に離型剤
が侵入し、外層のシリコーンゴムを劣化させてしまう現
象が生じる。この劣化は特に温度の高い方のローラの外
層内部に発生し易い。
【0012】このため特公昭54−41330号公報で
は、ローラ外層のシリコーンゴム層の中間層にフッ素ゴ
ム等のオイルバリヤー層を設けることを提案している。
更に特公昭54−41332号公報、特公昭57−46
068号公報は、下層を膨潤しにくいゴムを混在させて
構成することを提案している。しかし、上記の方法でシ
リコーンゴム層の劣化を防止した場合には、ローラの外
層材として更に離型性の良い材料を選択する必要があ
り、このためローラの外層に最低でも2層以上の層構成
が必要となる。
【0013】更に別の方法として、特公昭54−263
73号公報では、ローラ外層のゴム層を構成するシリコ
ーンゴムの種類とこれに塗布するシリコーンオイルの種
類とを、ゴム層が膨潤しないようにそれぞれ選択して組
合せることを提案している。
【0014】しかしながら、上記特公昭54−2637
3号公報の提案では、付加型シリコーンゴムとフェニル
メチルシリコーンオイルとの組合せは、ゴムに潤滑が起
こるので好ましくないとしている。
【0015】更に特開平3−33786号公報では、金
属芯部材上にシリコーンゴム弾性層、フッ素ゴムのオイ
ルバリヤー層及び付加型シリコーンゴムの離型層を有す
る熱定着ローラを記載しており、この熱定着ローラは、
フッ素ゴムのオイルバリヤー層により離型剤がゴム弾性
層にまで浸透することを防止すると共に、離型剤により
トナーとの離型性、親シリコーンオイル性、表面平滑
性、耐摩耗性がローラ表面に付与されることを記載して
いる。
【0016】しかしながら、特開平3−33786号公
報に記載されている熱定着ローラの表面に形成されてい
る離型層は、1分子中にビニル基を2個以上有し、重合
度が5,000〜12,000のメチルビニルポリシロ
キサン((a)成分)100重量部に対して、トリオル
ガノシルヘミオキサン単位(M単位)とシリケート単位
(Q単位)を特定割合で含有するメチルビニルポリシロ
キサン((b)成分)を1〜100重量部用いて硬化さ
せた離型層である。
【0017】具体的には、同公報明細書の実施例におい
て、(a)成分100重量部に対してM単位とQ単位を
有する(b)成分を30重量部用いて形成された離型層
を有する熱定着ローラが、30,000枚の耐久オフセ
ット寿命を有していることから見て、この(b)成分の
メチルビニルポリシロキサンは、M単位及びQ単位から
なるレジンセグメントが主体のポリマーであると見られ
る。
【0018】従って本公報で意図している(b)成分の
メチルビニルポリシロキサンは、M単位、Q単位からな
るレジンセグメントを主体としており、連続したジオル
ガノシロキサン単位(D単位)からなるソフトセグメン
トは、その繰り返し単位数が多くても数10個程度の短
いものしか含まないハードレジン骨格構造を有するもの
である。
【0019】このような(b)成分のメチルビニルポリ
シロキサンと(a)成分のメチルビニルポリシロキサン
を用いて硬化させた離型層は、(b)成分の離型性が悪
いため、ローラの長寿命化には限界がある。更に(b)
成分の混合比が高いと、加熱硬化して得られた弾性体は
固く脆くなると言う問題を有している。
【0020】本発明の目的は、前述の問題点を解決した
弾性体、弾性ローラ及び定着装置を提供することであ
る。
【0021】即ち、本発明の一つの目的は、離型性に優
れ且つ物理的強度を備えた弾性体を提供することであ
る。
【0022】本発明の他の目的は、耐オフセット性に優
れ、記録材に未定着のトナー像を良好に定着することが
可能であり、且つ画像を汚すことのない弾性ローラ及び
該弾性ローラを有する定着装置を提供することである。
【0023】本発明の更に他の目的は、優れた耐オフセ
ット性を有し、且つ耐久性に優れ、トナー像を記録材上
に安定して定着することができる弾性ローラ及び定着装
置を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記諸目的は本発明によ
って達成される。要約すれば、本発明は、付加型シリコ
ーンゴム弾性材料によって形成された弾性体において、
前記付加型シリコーンゴム弾性材料は、 (a)25℃における粘度が80,000ポイズ以上の
末端ビニル基封鎖の直鎖状ジメチルポリシロキサン、及
び (b)ビニル基を2個以上有し、四官能性又は三官能性
の少なくとも一方を含むレジンセグメントと二官能性の
構成単位を少なくとも100個以上連続して有する直鎖
状のオイルセグメントとを同一分子中に持つブロックコ
ポリマーを有する、25℃における粘度が10ポイズ以
上のレジン状オルガノポリシロキサンを少なくとも有す
るポリシロキサン混合物の硬化物を有することを特徴と
する弾性体である。
【0025】本発明の他の態様は、記録材上に担持され
ている未定着のトナー像を該記録材に定着するための弾
性ローラにおいて、前記弾性ローラは、芯部材及び該芯
部材の表面側に付加型シリコーンゴム弾性材料によって
形成された弾性層を有しており、該付加型シリコーンゴ
ム弾性材料は、 (a)25℃における粘度が80,000ポイズ以上の
末端ビニル基封鎖の直鎖状ジメチルポリシロキサン、及
び (b)ビニル基を2個以上有、四官能性又は三官能性
の少なくとも一方を含むレジンセグメントと二官能性の
構成単位を少なくとも100個以上連続して有する直鎖
状のオイルセグメントとを同一分子中に持つブロックコ
ポリマーを有する、25℃における粘度が10ポイズ以
上のレジン状オルガノポリシロキサンを少なくとも有す
るポリシロキサン混合物の硬化物を有することを特徴と
する弾性ローラである
【0026】本発明の更に他の態様は、記録材上に担持
されている未定着のトナー像を加熱及び加圧することに
より該記録材に定着するための定着装置において、前記
定着装置は、未定着のトナー像を担持している記録材を
挟持して加熱及び加圧するための、少なくとも一方の内
部に加熱手段を有する互に圧接して回動可能な、それぞ
れ前記未定着のトナー像に接する側及びその反対側に接
する側の定着ローラ及び加圧ローラからなる1対のロー
ラを有する定着手段を備えており、前記定着ローラは、
芯部材及び該芯部材の表面側に付加型シリコーンゴム弾
性材料によって形成された弾性層を有しており、該付加
型シリコーンゴム弾性材料は、 (a)25℃における粘度が80,000ポイズ以上の
末端ビニル基封鎖の直鎖状ジメチルポリシロキサン、及
び (b)ビニル基を2個以上有し、四官能性又は三官能性
の少なくとも一方を含むレジンセグメントと二官能性の
構成単位を少なくとも100個以上連続して有する直鎖
状のオイルセグメントとを同一分子中に持つブロックコ
ポリマーを有する、25℃における粘度が10ポイズ以
上のレジン状オルガノポリシロキサンを少なくとも有す
るポリシロキサン混合物の硬化物を有することを特徴と
する定着装置である。
【0027】
【実施例】本発明者等は、鋭意研究を行なた結果、従来
から知られている離型性の向上は予想されるものの、物
理的強度の点で弾性体として実用化されなかった、粘度
が8万ポイズ以上(分子量21万以上に相当)の末端ビ
ニル基封鎖の直鎖状ジメチルポリシロキサンを、ビニル
基を2個以上有し、構成単位が四官能性、三官能性の少
なくとも一方を含むレジンセグメントと二官能性のオイ
ルセグメントとを含有する、25℃における粘度が10
ポイズ以上のレンジ状オルガノポリシロキサンと混合す
ることにより、そのレジン状オルガノポリシロキサンの
補強効果によって付加型シリコーンゴム弾性体として実
用可能とした。
【0028】更に粘度が8万ポイズ以上の末端ビニル基
封鎖の直鎖状ジメチルポリシロキサンの離型性向上効果
が従来の知見より予想される以上あることを見出し、高
離型性と物理的強度の釣合いのとれた、付加型シリコー
ンゴム弾性体を得ることを可能としたものである。
【0029】本発明者等が調べたところによると、付加
型シリコーンゴムとして、粘度が8万ポイズ以上の末端
ビニル基封鎖の直鎖状ジメチルポリシロキサンと、構成
単位が四官能性、三官能性を有するレジンセグメントと
二官能性を有するオイルセグメントを同一分子中に持つ
ブロックポリマーであるビニル基含有レジン状オルガノ
ポリシロキサンとを少なくとも有する、ポリシロキサン
混合物を硬化してなる特定の付加型シリコーンゴムを使
用し、これとフェニルメチルシリコーンオイルとを組合
せた場合は、ゴムの膨潤を抑える効果があり、上記特定
の付加型シリコーンゴムはローラの外層材料として好適
であることが分った。
【0030】従って、本発明の弾性体を用いて定着装置
の1対のローラである定着ローラ及び加圧ローラの外層
に弾性層を形成した場合には、定着ローラ及び加圧ロー
ラの少なくとも一方に塗布した離型剤としてのシリコー
ンオイルによる膨潤を抑えることができ、ローラにフッ
素樹脂によって形成するオイルバリヤー層を設ける必要
がない。
【0031】本発明の付加型シリコーンゴム弾性体は、
下記成分を基本的に含有した混合物を硬化してなるもの
である。
【0032】成分(1):一般式が(CH32 SiO
(二官能性)で示される構造単位からなる両末端が構造
単位(CH2 =CH)(CH32 SiO1/2 で封鎖さ
れた25℃における粘度が8万ポイズ以上の直鎖状ジメ
チルポリシロキサン。
【0033】成分(2):一般式がSiO2 (四官能
性)、CH3 SiO3/2 (三官能性)で示される構造単
位を有するレジンセグメントと、(CH32 SiO
(二官能性)で示される構造単位を少なくとも100個
以上連続して有するオイルセグメントとを同一分子中に
持つ、25℃における粘度が10〜1,000ポイズの
ブロックポリマーであり、且つ1分子中に少なくとも2
個以上のビニル基含有構成単位(CH2 =CH)(CH
32 SiO1/2 、(CH2 =CH)(CH3 )Si
O、(CH2 =CH)SiO3/2 を含むレジン状ポリシ
ロキサン。
【0034】本発明において、この成分(2)における
オイルセグメントは、(CHSiO(二官能
性)で示される構造単位を少なくとも100個以上連続
して有する直鎖状セグメントを言い、好ましくは300
個以上連続して有する直鎖状セグメントであることが良
い。
【0035】成分(3):分子当たり平均1個より多い
ケイ素結合水素原子を有するハイドロジエンポリシロキ
サン(好ましくは25℃における粘度が1〜100セン
チポイズである)。
【0036】成分(4):白金系触媒。
【0037】本発明の弾性体は、上記成分(1)〜
(4)を基本構成とした均一混合物を硬化して得られ
る。その硬化機構は、所謂付加型シリコーンゴムの硬化
機構と同様で、成分(1)、(2)のケイ素結合ビニル
基と成分(3)のケイ素結合水素原子とが成分(4)の
白金系触媒の存在下で付加反応して、結合ポリシロキサ
ンの網目構造を形成し、ゴム弾性体となるものである。
【0038】成分(1)は離型性に大きく寄与する成分
である。直鎖状ジメチルポリシロキサンが離型性向上に
効果のあることは知られているが、8万ポイズ以上のも
のの効果は従来の低粘度物(分子量20万以下)による
知見の予想をはるかに超えるものである。
【0039】従来より、LTV(液状ゴム)材料の主成
分として用いられている両末端ビニル基封鎖のジメチル
ポリシロキサンは、粘度が5〜1,000ポイズ程度の
ものであり、成分(1)に相当するものは、ミラブル材
料として一部使用されていることは知られているが、粘
度が高いためにLTV材料には一般的に使用されていな
い。成分(1)の25℃における粘度は8万ポイズ以上
であることが必要であり、好ましくは10万ポイズ〜1
00万ポイズが良い。成分(1)の配合量は混合物中1
0重量%以上、50重量%未満を占める量が好ましく、
より好ましくは20〜49重量%が良い。10重量%未
満では効果がなく、50重量%以上のものは加工性が低
下する傾向にある。
【0040】成分(2)は成分(1)の粘度を低下さ
せ、且つ弾性体の物理的強度に関与する成分である。シ
リコーンゴムの物理的強度を向上させる手法として、含
水合成ケイ酸や無水合成ケイ酸を補強剤として配合する
ことが知られている。しかしながら、含水合成ケイ酸の
場合、ジメチルシリコーンゴム100重量部に対して添
加量を20〜50重量部とかなり多く用いなければ、補
強効果が発現しないばかりか、それに伴い離型性が大幅
に低下してしまう。無水合成ケイ酸の場合は、含水合成
ケイ酸に比べて少量の添加量、例えば10〜20重量部
においてある程度の補強効果は得られるが、離型性の低
下はやはり大きく、従ってこれまで離型性と物理的強度
の釣合いが良くとれたものはなかった。
【0041】成分(2)はレジンセグメントとオイルセ
グメントとを有し、本質的に補強効果を有するが、成分
(1)との分子の絡み合い効果により、離型性と物理的
強度が非常に良く釣合いのとれたものとなる。
【0042】特に、構造単位CH3 SiO3/2 系のみか
ら構成された所謂ラダーポリマーを含むシリコーンレジ
ン、或いはレジンセグメントとオイルセグメントを同一
分子中に有する所謂ブロックポリマーを有するシリコー
ンレジンにより、成分(1)を補強することが適してい
る。成分(2)の25℃における粘度は好ましくは10
〜1,000ポイズが良く、より好ましくは20〜50
0ポイズが良い。
【0043】成分(2)の配合量は混合物中50重量%
より多く且つ90重量%以下である量が好ましく、より
好ましくは51〜70重量%が良い。50重量%以下で
は補強効果が少なく、90重量%を超えると離型性が低
下する傾向にある。
【0044】成分(1)と成分(2)の含有量の重量比
は、好ましくは100:101〜900、より好ましく
は100:101〜350である。
【0045】成分(3)は硬化剤であり、硬化させた際
に未反応の反応性基の残存量が多いと離型性に悪影響を
及ぼすため、混合物中の総ビニル基に対するケイ素結合
水素原子のモル比が、好ましくは0.6〜2.5の範
囲、より好ましくは1.0〜2.0の範囲で調製するこ
とが良い。
【0046】成分(4)の白金系触媒はビニル基ケイ素
結合水素原子との反応を触媒するのに有効であり、触媒
添加量に関しては加工性などの面から最適量が決定され
る。
【0047】本発明においては、上記の(1)〜(4)
の成分を混合したポリシロキサン混合物の粘度は、好ま
しくは500〜20,000ポイズ、より好ましくは
1,000〜10,000ポイズであることが良い。
【0048】上記の基本構成成分の他に、加工性(粘度
調製)のために、低分子の末端ビニル基封鎖で側鎖ビニ
ル基含有の直鎖状ジメチルポリシロキサンを適当量配合
することが良い。
【0049】更に本発明の目的を損なわない範囲内で、
他の補強剤を採用したり、或いは着色剤、耐熱向上剤、
チクソトロピー剤などを添加することもできる。
【0050】本発明の弾性体は、搬送用ローラ、定着用
ローラ(特に定着ローラ)、現像ブレード或いはクリー
ニングブレードの如き弾性の要求される部材に適用可能
である。
【0051】次に、本発明の弾性体を具体的に用いた装
置に関し説明する。
【0052】図1は、本発明の定着装置の一実施例を示
す概略断面図である。
【0053】定着装置は、定着用ローラとして定着ロー
ラ1と加圧ローラ2とを有しており、定着ローラ1の表
面にトナー離型用の離型剤としてシリコーンオイルを塗
布するオイル塗布装置3が配設されている。
【0054】上記定着ローラ1は、芯部材としてアルミ
ニウムを用いた芯金11にHTV(ミラブル型)シリコ
ーンゴムを有する弾性コア層12が形成され、該弾性コ
ア層12上にオイルバリヤー層として50μmの層厚の
フッ素ゴム層13が形成されている。更に該フッ素ゴム
層13上に400μmの層厚のオフセット防止特性を有
する弾性層14が形成され、この弾性層14は、本発明
に係るポリシロキサン混合物から得られた特定の付加型
シリコーンゴム弾性体からなっている。この定着ローラ
1の外径は例えば40mmとなるように設定されてい
る。
【0055】上記加圧ローラ2は、芯部材としてアルミ
ニウム製の芯金21上にHTVシリコーンゴムを有する
弾性コア層22が形成され、該弾性コア層22上にオイ
ルバリヤー層としてフッ素樹脂層23が形成されてい
る。この加圧ローラ2の外径は例えば40mmとなるよ
うに設定されている。
【0056】定着ローラ1の芯金11及び加圧ローラ2
の芯金21内には発熱体としてハロゲンヒータ4が配置
され、加圧ローラ2の温度をこれに当接したサーミスタ
5で検知してハロゲンヒータ4をオン、オフ制御するこ
とにより、定着ローラ1及び加圧ローラ2の温度を例え
ば170℃で一定に維持するようになっている。
【0057】上記定着ローラ1と加圧ローラ2は、駆動
装置(図示せず)によって矢印b方向に回転駆動され、
搬送装置(図示せず)によって矢印a方向に搬送される
記録材Pを両ローラ1、2で挟持しながら通過させ、そ
の結果、上記記録材P上の未定着のトナー像Tが両ロー
ラ1、2の熱と圧力の作用によって記録材P上に定着さ
れる。
【0058】オイル塗布装置3は、容器31に収容した
ジメチルシリコーンオイル、フロロシリコーンオイルの
如きオフセット防止用の離型剤、例えばジメチルシリコ
ーンオイルを上下の供給ローラ32、33で吸い上げ
て、定着ローラ1の弾性層14の表面に塗布するように
なっている。シリコーンオイルの塗布量は上の供給ロー
ラ33へ当接させた油量調節ブレード34の当接角及び
圧力によって調節される。定着ローラ1と加圧ローラ2
にはローラ表面に付着したトナーの汚れをクリーニング
するクリーナを具備しても良い。
【0059】以上では、定着装置における記録材にトナ
ーを定着するための1対のローラのうちの定着ローラ1
を、本発明の弾性体による弾性層を含んで構成した場合
を示したが、更に加圧ローラ2に適用しても良く、更に
又1対のローラに変えて1対のベルト状の弾性部材を使
用する場合に、その一方又は両方に適用することもでき
る。
【0060】図2は、本発明の弾性体を現像ブレードと
して用いた現像装置を示す概略断面図である。
【0061】図2において、符号101は矢印A方向に
回転する静電潜像担持体としての感光ドラムである。感
光ドラム101は、円筒状の導電性基体上に有機光電層
を有する感光体を形成してなっており、静電記録手段
(図示せず)により静電潜像が形成される。
【0062】上記感光ドラム101には現像装置が対向
配設されており、該現像装置は、現像剤供給容器102
と、現像剤担持体としての現像スリーブ103と、本発
明の弾性体によって形成された現像剤規制手段としての
現像ブレード104と、現像剤供給手段としての供給ロ
ーラ105と、現像剤搬送手段としてのトナー送り部材
106とを備えている。
【0063】容器102は、現像装置の長手方向(紙面
に直角な方向)に延在する開口部を有し、該開口部には
上記の現像スリーブ103が配設されている。現像スリ
ーブ103は、アルミニウム又はステンレス鋼の如き非
磁性材料製である。現像スリーブ103は回転自在に支
持され、駆動源(図示せず)により矢印B方向に回転駆
動される。現像スリーブ103の表面には、トナーの保
持を確実にするために0.5〜5mmのピッチの凹凸が
形成されている。
【0064】現像スリーブ103の後方には、上記の供
給ローラ105が摺接部Sで摺接回転するように配設さ
れている。供給ローラ105は、現像スリーブ103と
同方向のC方向に回転して現像剤を現像スリーブ103
へと供給すると共に、現像スリーブ103と弾性接触す
ることによって、現像スリーブ103上に保持されて1
回転して来た、感光ドラム101と対向した現像部Pで
の現像で消費されなかったトナーを剥ぎ取る。
【0065】上記の供給ローラ105と現像スリーブ1
03との摺接部Sよりも現像スリーブ103の回転方向
下流側には、現像ブレード104がその自由端を現像ス
リーブ103に当接部Tで当接されるようにして配設さ
れており、この当接部Tにおいて現像スリーブ103上
の現像剤の通過を規制している。
【0066】上記の当接部Tは、現像スリーブ103の
中心を通る鉛直線よりも供給ローラ105側で且つ供給
ローラ105よりも上方にあり、当接部Tと摺接部S
は、当接部Tで離反したトナーが供給ローラ105へ落
下可能な位置関係を互に有してる。かくして、上記当接
部Tと摺接部Sとの間の空間において、トナーの円滑な
循環流が形成される。
【0067】供給ローラ105の後方の容器102内に
はトナー送り部材106が矢印D方向に回転するように
配設され、一成分磁性現像剤である磁性トナー107を
供給ローラ105へ供給する。
【0068】供給ローラ105とトナー送り部材106
の間には案内壁108が設けられており、供給ローラ1
05により剥離されたトナーを、トナー送り部材106
によって搬送されるトナーと合流する位置へと案内する
流路109が形成されている。
【0069】上記の合流したトナーは、供給ローラ10
5によって再び現像スリーブ103との摺接部Sへと搬
送されていくが、搬送されるトナーは供給ローラ105
の上方に配設された規制部材110によってその量が規
制される。
【0070】現像スリーブ103の下方には、容器10
2との間隙を塞ぐシール部材111が配設されている。
シール部材111はマイラー(デュポン社製商品名。以
下同じ)の如き可撓性シートである。
【0071】更に感光ドラム101と現像スリーブ10
3との間には電源112が配設され、現像スリーブ10
3と供給ローラ105のとの間には電源113が配設さ
れて、それぞれ現像スリーブ103及び供給ローラ10
5にバイアス電圧を印加するようになっている。
【0072】図3は、本発明の弾性体をクリーニングブ
レードとして用いたクリーニング装置を示す概略断面図
である。
【0073】図3において、符号201は矢印X方向に
回転する静電潜像担持体としての感光ドラムである。感
光ドラム201はその軸線が水平方向に延在するように
配置されており、クリーニング装置202がその側部近
傍に配設してある。
【0074】クリーニング装置202内には、本発明の
弾性体によって形成されたクリーニングブレード20
3、マグネットローラ204、搬送スクリュー205が
配設されており、感光ドラム101の図示しない転写位
置で記録材に転移しなかった残留トナーが、感光ドラム
101の回転に伴い上記のブレード203の位置に到達
すると、ブレード203によって感光ドラム201から
掻き落とされる。更に残留トナーなどの付着異物は主と
してマグネットローラ204の作用によって除去され、
マグネットローラ204の作用によってトナー貯留部に
搬送され、更に必要に応じてスクリュー205によって
クリーニング装置外へ排出される。
【0075】図4は、本発明の定着装置の他の実施例を
示す概略断面図である。
【0076】図において、符号301は定着ローラで、
定着装置は定着ローラ301とこれと対向した加圧ロー
ラ302を備える。定着ローラ301は、アルミニウム
製の芯部材5の表面に弾性層306を、本発明の付加型
シリコーンゴムからなる弾性体で所定の厚さに形成して
なっている。加圧ローラ302は、アルミニウム製の芯
部材307上にHTVシリコーンゴムで弾性コア層30
8を所定の厚さに形成し、更にその表面層に樹脂被膜3
09を形成してなっている。
【0077】上記定着ローラ301内には加熱源である
ハロゲンヒータ310が配設されている。定着ローラ3
01にはサーミスタ316が当接され、サーミスタ31
6によりハロゲンヒータ310への電流のオン、オフが
制御される。このようにして定着ローラ301の温度が
記録材314上の未定着のトナー像313を該記録材3
14上に定着させるのに適した温度(例えば170℃)
に保たれるようになっている。この定着ローラ301及
び加圧ローラ302は、図示しない駆動装置により対向
する箇所で同じ向きとなるようにそれぞれ矢印b1 、b
2 方向に回転される。
【0078】一方、定着ローラ301の近くには、定着
ローラ301からのトナーの離型性を向上させるため
に、離型剤塗布装置303が設けられている。離型剤塗
布装置303は、フェルト311の一端部をオイルタン
ク325内に収容された離型剤としてのシリコーンオイ
ル312中に浸漬し、フェルト311の他端部を定着ロ
ーラ301の表面に当接させて、フェルト311を介し
てオイル312を定着ローラ301の表面上に塗布する
ようになっている。
【0079】更に定着ローラ301の離型剤塗布装置3
03と反対側には、定着ローラ301上にオフセットし
たトナーをクリーニングするためのクリーニング装置3
04が設けられている。クリーニング装置304は、定
着ローラ301の表面を清掃する不織布319とこれを
定着ローラ301の表面上に接触させる押圧ローラ31
8とからなっている。
【0080】未定着のトナー像313を担持した記録材
314は、図示しない搬送装置により図の矢印f方向に
搬送され、入口ガイド315で案内されながら矢印g
1 、g2 方向に回転する定着ローラ301と加圧ローラ
302との間に、トナー像313を定着ローラ301と
の接触側として挿通される。そしてそこを通過する間
に、定着ローラ301と加圧ローラ302による加圧
と、ハロゲンヒータ310から定着ローラ301を介し
て供給される所定の温度に制御された熱とにより、記録
材314上の未定着トナー像313が記録材314上に
定着される。定着が終了した記録材314は、出口ガイ
ド317を経て画像形成装置の機外に排出される。
【0081】図5は、本発明の定着装置の更に他の実施
例を示す概略断面図である。
【0082】本実施例では、定着装置の加圧ローラ30
2内にもハロゲンヒーター324が設けられ、加圧ロー
ラ302に当接されたサーミスタ316により定着ロー
ラ301内のハロゲンヒータ310と加圧ローラ302
内のハロゲンヒータ324への電流のオン、オフが制御
される。これにより定着ローラ301及び加圧ローラ3
02の温度が記録材314上の未定着トナー像313を
該記録材314上に定着させるのに適した温度(例えば
170℃)に保たれるようになっている。
【0083】従って未定着トナー像313を担持した記
録材314は、トナー像313を定着ローラ301との
接触側として定着ローラ301と加圧ローラ302との
間に挿通されると、定着ローラ301と加圧ローラ30
2とによる加圧と、それぞれハロゲンヒータ310、3
24から定着ローラ301、加圧ローラ302を介して
供給される所定温度の熱により、記録材314上に定着
される。
【0084】更に本実施例では、定着ローラ301の近
くに設けられる離型剤塗布装置303は、オイルタンク
325内のシリコーンオイル312を汲み上げローラ3
22、321を介して塗布ローラ311に汲み上げ、こ
れに接触させたブレード320により塗布量を制御し
て、塗布ローラ311でオイル312を定着ローラ30
1に塗布する構成となっている。
【0085】この離型剤塗布装置303は、定着ローラ
301に対して離接可能に配設され、例えば記録材31
4が定着ローラ301と加圧ローラ302との間に進入
する1cm手前から、抜け出た記録材314の後端が1
cm離れる間まで、定着ローラ301にシリコーンオイ
ル312を塗布するようになっている。
【0086】更に本実施例では、加圧ローラ302の表
面上をクリーニングするために、加圧ローラ302のサ
ーミスタ316と反対側に簡易なクリーニング手段のブ
レード323が設けられている。
【0087】本実施例の定着装置のその他の構成は、図
4の実施例のときと基本的に同様で、図5において図4
に付したのと同一の符号は同一の部材を示す。
【0088】図6は、本発明の定着装置の更に他の実施
例を示す概略断面図である。
【0089】本実施例は、両面コピーできる画像形成装
置に適用するのに好適な定着装置で、定着ローラ301
の弾性層306を本発明の特定の付加型シリコーンゴム
によって形成した弾性体で形成したばかりでなく、加圧
ローラ303の弾性層329を同じ本発明の付加型シリ
コーンゴムによって形成した弾性体で形成したことが特
徴である。本実施例の定着装置のその他の構成は、図5
の実施例のときと基本的に同様で、図6において図5に
付したのと同一の符号は同一の部材を示す。
【0090】両面コピー時、定着装置では、トナー像3
13を一方の面上に形成した記録材314を、トナー像
313を定着ローラ301側との接触側として定着ロー
ラ301と加圧ローラ302との間に挿通して、トナー
像313の定着をする。その後、記録材314の他方の
面上にトナー像313と同様なトナー像を形成して、そ
の他方の面上のトナー像を定着ローラ301との接触側
として、記録材314を定着ローラ301と加圧ローラ
302との間に挿通して、他方の面上のトナー像を定着
し、両面コピーの定着が完了する。
【0091】以上において、図1及び図4〜図6のそれ
ぞれの定着装置で用いた定着ローラの弾性層の引張強度
は、10kgf/cm2 以上であることが好ましく、よ
り好ましくは14kgf/cm2 以上、更に好ましくは
20kgf/cm2 以上である。
【0092】本発明の弾性体は、特定の付加型シリコー
ンゴム弾性材料によって形成したために、離型性に優れ
且つ物理的強度を備えている。更に該弾性体を弾性層と
して表面に用いた弾性ローラ及び該弾性ローラを有する
定着装置は、耐オフセット性に優れ、記録材に未定着の
トナー像を良好に定着することが可能であり、且つ画像
を汚すことがない。又耐久性に優れ、トナー像を記録材
上に安定して定着することができる。
【0093】以下、本発明の具体例を説明するが、これ
は本発明を何ら限定するものではない。
【0094】ポリシロキサン混合物1の調製 25℃における粘度が10万ポイズの末端ビニル基封鎖
の直鎖状ジメチルポリシロキサン(p−1)40重量部
に、25℃における粘度が300ポイズであり、構成単
位が四官能性及び三官能性を有するレジンセグメントと
二官能性を有するオイルセグメントとを同一分子中に持
つブロックポリマーであるレジン状オルガノポリシロキ
サン(p−2)60重量部、及び白金触媒、架橋剤を配
合して、ポリシロキサン混合物1を得た。
【0095】白金触媒、架橋剤(分子当たり平均1個よ
り多いケイ素結合水素原子を有するハイドロジエンポリ
シロキサン)は、混合物の硬化性が最適になるように、
種類、配合量が選定されれば良い。
【0096】比較用ポリシロキサン混合物1乃至3の調
ポリシロキサン混合物1の調製で用いた(p−1)40
重量部の代わりに、25℃における粘度が表1にそれぞ
れ示す50ポイズ、400ポイズ及び5,000ポイズ
の末端ビニル基封鎖の直鎖状ジメチルポリシロキサン4
0重量部、及び(p−2)60重量部を用いる以外は同
様にして、比較用ポリシロキサン混合物1、2及び3を
得た。
【0097】実施例1、比較例1、2及び3 ポリシロキサン混合物1、比較用ポリシロキサン混合物
1、2及び3をそれぞれ用いて、130℃で30分間プ
レス加硫を行ない、2mm厚のシリコーンゴムシートを
それぞれ得た。次にこれらのシートを200℃にて4時
間、二次加硫を行なった後、常温にてJISK6301
に基づく引張強度の測定を行なった。結果を表1に示
す。
【0098】更に、上記の各ポリシロキサン混合物を用
いて下記の如く定着ローラを製造した。
【0099】外径34mmの中空アルミ合金製定着ロー
ラ用芯部材上に耐熱グレードのHTVシリコーンゴムを
公知の方法で加硫接着し、研摩により外径39mmのゴ
ムローラを得た。次に該ローラ表面をプライマー処理
後、フッ素ゴム塗料(ダイキン工業社製GL−152)
を50μm厚みでスプレー塗布し、150℃にて30分
間乾燥して、フッ素ゴム被覆ゴムローラを得た。更に該
フッ素ゴム被覆ゴムローラをシロキサン系プライマー処
理を施した後、130℃に予備加熱しておいた円筒状金
型内に配設し、前記ポリシロキサン混合物を金型内に射
出し、30分間保持して硬化させた。硬化後に金型より
取り出されたシリコーンゴムで被覆した定着ローラは、
外径40mm、シリコーンゴム弾性層厚3mmであっ
た。
【0100】上記の如く金型から取り出した定着ローラ
を200℃にて4時間、二次加硫を行なった後、該定着
ローラを図1に示す定着装置に用いて下記条件でコピー
ライフの試験を行なった。それらの結果を表1に示す。
【0101】図1に示す定着装置を用いたコピーライフ
の試験条件は下記の通りである。
【0102】ヒータ制御温度:170℃ 加圧ローラの押付け圧:40kgf 通紙用紙:テストパターンの未定着カラー用トナー(マ
ゼンタ)像を形成したA4版記録紙(84g/m2 紙) 通紙速度:10枚/分 離型剤:ジメチルシリコーンオイル トナー:ポリエステル系メインバインダー100重量
部、顔料(C.I.ソルベントレッド49)4重量部、
染料(C.I.ピイグメントレッド122)0.7重量
部、荷電制御剤4重量部及び外添剤を用いて調製した。
【0103】上記の条件で連続して通紙を行ない、定着
ローラにトナーがオフセットするまでの枚数をコピーラ
イフとした。
【0104】
【表1】
【0105】表1から明らかなように、実施例1の本発
明に係るポリシロキサン混合物から得られるシリコーン
ゴム弾性体層を有する定着ローラは、コピーライフにつ
いて優れた特性を示した。該シリコーンゴム弾性層の機
械的強度は上記のコピーライフ試験に耐え得るものであ
り、耐熱性においても同試験において、熱により表面の
劣化及び変質の問題は全くなかった。
【0106】ポリシロキサン混合物2の調製 ポリシロキサン混合物1の調製で用いた(p−2)60
重量部の代わりに、25℃における粘度40ポイズであ
り、構成単位が四官能性及び三官能性を有するレジンセ
グメントと二官能性を有するオイルセグメントとを同一
分子中に持つブロックポリマーであるビニル基含有のレ
ジン状ポリシロキサン60重量部を使用する以外は同様
にして、ポリシロキサン混合物2を得た。
【0107】ポリシロキサン混合物3の調製 ポリシロキサン混合物1の調製で用いた(p−1)40
重量部の代わりに(p−1)30重量部、(p−2)6
0重量部の代わりに(p−2)40重量部、及び25℃
における粘度10ポイズの末端ビニル基封鎖の直鎖状ジ
メチルポリシロキサン30重量部を使用する以外は同様
にして、ポリシロキサン混合物3を得た。
【0108】ポリシロキサン混合物4の調製 ポリシロキサン混合物1の調製で用いた(p−1)40
重量部の代わりに(p−1)30重量部、(p−2)6
0重量部の代わりに(p−2)40重量部、及び25℃
における粘度10ポイズの側鎖ビニルを含む末端ビニル
基封鎖の直鎖状ジメチルポリシロキサン30重量部を使
用する以外は同様にして、ポリシロキサン混合物4を得
た。
【0109】比較用ポリシロキサン混合物4の調製 ポリシロキサン混合物1の調製で用いた(p−1)40
重量部及び(p−2)60重量部の代わりに、(p−
1)100重量部を使用する以外は同様にして、比較用
ポリシロキサン混合物4を得た。
【0110】比較用ポリシロキサン混合物5の調製 ポリシロキサン混合物1の調製で用いた(p−1)40
重量部の代わりに(p−1)60重量部、及び(p−
2)60重量部の代わりに25℃における粘度が1ポイ
ズのレジン状オルガノシロキサン40重量部を使用する
以外は同様にして、比較用ポリシロキサン混合物5を得
た。
【0111】実施例2、3及び4、比較例4及び5 ポリシロキサン混合物2、3及び4、比較用ポリシロキ
サン混合物4及び5をそれぞれ用いて、実施例1と同様
にして2mm厚のシリコーンゴムシート及び定着ローラ
を得た。そしてゴムシートを用いて実施例1と同様にし
て引張強度を測定し、更に定着ローラを用いてコピーラ
イフ試験を行なった。結果を表2に示す。
【0112】
【表2】
【0113】表2から明らかなように、本発明に係るポ
リシロキサン混合物から得られるシリコーンゴム弾性体
層を有する定着ローラは、コピーライフにおいて優れた
特性を有した。実施例2に示す定着ローラは、実施例1
の定着ローラに比較してコピーライフの点が若干低めで
あったが、低粘度で加工性にも優れ、更に機械的強度が
優れており、上記コピーライフ試験に耐え得るものであ
り、耐熱性においても同試験において、熱による表面の
劣化及び変質の如き問題は全くなかった。実施例3及び
4のシリコーンゴム弾性体は、引張強度の点が実施例1
の弾性体に比較して若干低めであったため、コピーライ
フにおいてローラ表面の耐摩耗性に劣るが、実用上、問
題のないレベルであった。
【0114】比較例4より得られたシリコーンゴム弾性
体は強度が弱く、上記引張強度の測定に耐え得るもので
はなく、定着ローラ製造時には高粘度のため金型内への
注型が難しく、強度がないため脱型時に型くずれが生じ
るなどの弊害が生じ、製造上問題があった。
【0115】ポリシロキサン混合物5の調製 25℃における粘度が20万ポイズの末端ビニル基封鎖
の直鎖状ジメチルポリシロキサン20重量部に、25℃
における粘度が40ポイズの構成単位が四官能性、三官
能性を有するレジンセグメントと二官能性を有するオイ
ルセグメントを同一分子中に持つブロックポリマーであ
るビニル基含有レジン状ポリオルガノシロキサン40重
量部、25℃における粘度が5ポイズの末端ビニル基封
鎖の直鎖状ジメチルポリシロキサン40重量部を有する
ベースオイルを得、次に該ベースオイル100重量部に
対し、20重量部の石英粉末及び白金触媒、架橋剤(分
子当たり平均1個より多いケイ素結合水素原子を有する
ハイドロジエンポリシロキサン)を配合したポリシロキ
サン混合物5を得た。
【0116】実施例5 ポリシロキサン混合物5を130℃で30分間プレス加
硫を行ない、2mm厚のシリコーンゴムシートを得た。
更に得られたシリコーンゴムシートを200℃で4時
間、二次加硫を行なった後、20mm幅で切断し、硬度
50°(JISA)のゴムブレードを得た。得られたゴ
ムブレードを現像ブレードとして図2に示す現像装置に
用いた。
【0117】本実施例では、現像スリーブとして直径2
0mmのアルミニウム製スリーブ表面を600番のサン
ドペーパーで粗面化して、ピッチ1.5μmの凹凸を形
成したものを用いた。
【0118】本実施例で用いた非磁性トナーは、カーボ
ン10部、ポリスチレン90部を主体とする平均粒径7
〜15μmの粉末を用い、外添剤としてシリカをトナー
の重量ベースで約1.0重量%外添してトナーに流動性
を与えた。トナーが容器から飛散するのを防止するため
のシール部材として、50μm厚の薄いマイラーシール
を用いた。現像ブレードの現像スリーブへの当接圧は、
ブレードの硬度、寸法形状を変えた場合、約5〜100
g/cmが有効で、現像スリーブの長手方向において5
g以内の誤差を保つことが好ましい。実験例では約45
g/cmに設定した。供給ローラとしては発泡径1mm
のエバーライト材(ブリヂストン株式会社製商品名)を
直径6mmのステンレス製芯金上に巻き付け、直径14
mmのローラ状にしたスポンジローラを用いた。現像ス
リーブを120mm/秒で回転させ、供給ローラを現像
スリーブに対して相対速度50〜300mm/秒にして
回転させた。以下の結果は、70mm/秒に設定したと
きのものである。このようにして実験を行なった結果、
現像スリーブの表面に筋やムラのない30〜100μm
の薄いトナー層を形成することができた。現像ブレード
の線圧を変えることにより、トナーの層厚を変化させる
ことができることも確認された。
【0119】本実験例では、現像スリーブ上のトナー層
厚を現像スリーブと感光ドラムとの対向間隙の間隔より
も小さくし、その間隙内を現像スリーブから感光ドラム
へトナーを移動させて現像(所謂非接触現像又はジャン
ピング現像)する手法を用いた。
【0120】本実験例では、感光ドラム上に暗部が+6
00V、明部が0Vの静電荷潜像を形成し、感光ドラム
と現像スリーブとの間隙を約300μmに保ち、トナー
層厚を50μmに規制して、ピーク・ピーク電圧140
0V、周波数1800Hzの矩形波交互電圧に+150
Vの直流電圧を重畳した現像バイアスを現像スリーブに
印加して、プロセススピード100mm/秒で現像し
た。
【0121】連続5万枚の画像形成を行なった結果、ブ
レードへのトナーの付着或いは融着に起因する画像の濃
淡ムラは発生せず、良好な現像を行なうことができた。
【0122】ポリシロキサン混合物6の調製 25℃における粘度が20万ポイズの末端ビニル基封鎖
の直鎖状ジメチルポリシロキサン20重量部に、25℃
における粘度が40ポイズの構成単位が四官能性及び三
官能性を有するレジンセグメントと二官能性を有するオ
イルセグメントとを同一分子中に持つブロックポリマー
であるビニル基含有レジン状ポリオルガノシロキサン3
0重量部、25℃における粘度が5ポイズの末端ビニル
基封鎖の直鎖状ジメチルポリシロキサン50重量部を用
いたベースオイルを得、次に該ベースオイル100重量
部に対し、20重量部の石英粉末、5重量部の補強性ケ
イ酸微粉末(比表面積110m2 /g、平均粒径約16
μmの表面メチル化処理した無水ケイ酸)、白金触媒及
び架橋剤(分子当たり平均1個より多いケイ素結合水素
原子を有するハイドロジエンポリシロキサン)を配合し
たポリシロキサン混合物6を得た。
【0123】実施例6 ポリシロキサン混合物6を130℃で30分間プレス加
硫を行ない、3mm圧のシリコーンゴムシートを得た。
更に得られたシリコーンゴムシートを200℃で4時
間、2次加硫を行なった後、15mm幅で切断し、硬度
55°(JISA)のゴムブレードを得た。得られたゴ
ムブレードをクリーニングブレードとして図3に示すク
リーニング装置に用いた。
【0124】上記のクリーニングブレードを次の条件で
実機耐久テストに供した。
【0125】感光ドラムとの当接角:25° 当接圧(線圧):20g/cm ブレード自由長:5mm トナー:平均粒径12μmのポリスチレン系トナー プロセススピード:20mm/秒
【0126】連続5万枚の耐久試験の結果、トナー付着
に起因するクリーニング不良、感光ドラムとの摩擦力増
大によるクリーニングブレードの反転めくれの如き問題
は、一切発生しなかった。
【0127】実施例7、8及び9 外径58mmの中空アルミニウム合金製定着ローラ用芯
部材上にシロキサン系プライマー処理を施した後、13
0℃に予備加熱しておいた円筒状金型内に配設し、前記
各シロキサン混合物1、2及び3をそれぞれ金型内に射
出し、30分間保持して硬化させた。硬化後に金型内よ
り取り出されたシリコーンゴムで被覆された定着ローラ
は、外径60mm、シリコーンゴム弾性層の層厚が1m
mであった。
【0128】上記の金型から取り出した定着ローラを2
00℃にて24時間、二次加硫した後、該定着ローラを
図4に示す定着装置に用いて下記条件で耐久試験を行な
った。
【0129】ヒータ制御温度:180℃ 加圧ローラの押し付け圧:60kgf 通紙用紙:テストパタンーの未定着磁性トナー像を形成
したA4版記録紙(64g/m2 紙) 離型剤:25℃の粘度が450csで、フェニル基のモ
ル数が25molのフェニルシリコーンオイル 通紙速度:40枚/分 トナー:ブラックトナー。ポリエステル系のメインバイ
ンダー100重量部、磁性体60重量部、荷電制御剤2
重量部、定着助剤3重量部及び外添剤を用いて調製し
た。
【0130】本実施例7の付加型シリコーンゴムを定着
ローラの弾性層に用いた定着装置では定着枚数100万
枚まで、本実施例8の付加型シリコーンゴムを定着ロー
ラの弾性層に用いた定着装置では定着枚数95万枚ま
で、及び本実施例9の付加型シリコーンゴムを定着ロー
ラの弾性層に用いた定着装置では定着枚数97万枚ま
で、それぞれ定着画像上にオフセット現象が発生せず、
優れた定着性が奏された。更に本実施例7、8及び9で
用いた定着ローラは、いずれも耐久試験を通して常時定
着ローラの弾性層にシリコーンオイルによる膨潤がな
く、定着によって良好な画像が得られた。
【0131】実施例10 実施例7で用いたフェニルシリコーンオイルに代えて、
25℃の粘度が450csで、フェニル基のモル数が1
0molのフェニルメチルシリコーンオイルを使用し
た。それ以外は実施例7と同様にして定着の耐久試験を
行なった。
【0132】その結果、実施例7と同様に定着枚数10
0万枚まで定着画像上にオフセット現象が発生せず、優
れた定着性が奏された。更に本実施例10で用いた定着
ローラは、いずれも耐久試験を通して常時定着ローラの
弾性層にシリコーンオイルによる膨潤がなく、定着によ
って良好な画像が得られた。
【0133】実施例11 実施例7で用いたフェニルシリコーンオイルに代えて、
25℃の粘度が300csで、フェニル基のモル数が2
5molのフェニルメチルシリコーンオイルを使用し
た。それ以外は実施例7と同様にして定着の耐久試験を
行なった。
【0134】その結果、実施例7と同様に定着枚数10
0万枚まで定着画像上にオフセット現象が発生せず、優
れた定着性が奏された。更に本実施例11で用いた定着
ローラは、いずれも耐久試験を通して常時定着ローラの
弾性層にシリコーンオイルによる膨潤がなく、定着によ
って良好な画像が得られた。
【0135】参考例 実施例7で用いたフェニルシリコーンオイルに代えてジ
メチルシリコーンオイルを用いたことを除き、実施例7
と同様にして定着の耐久試験を行なったところ、定着ロ
ーラは弾性層が膨潤して外径変化を起こし、更に芯金、
ゴム間が剥離してしまった。
【0136】比較例6 実施例7で用いたポリシロキサン混合物1に代えて比較
用ポリシロキサン混合物1を用いた以外は、実施例7と
同様にして芯部材上にシリコーンゴムの弾性層を形成し
た定着ローラを得た。そして定着ローラを図4に示す定
着装置に用いたことを除いて、実施例7と同様に耐久試
験を行なった。
【0137】その結果、20万枚の定着で定着画像上に
オフセット現象が発生し、耐久性が劣るものであった。
【0138】実施例12、13及び14 実施例7、8及び9で用いた定着ローラをそれぞれ図5
に示す定着装置に用いて、下記条件で耐久試験を行なっ
た。
【0139】ヒータ制御温度:定着ローラ150℃、加
圧ローラ150℃。
【0140】加圧ローラの押し付け圧:50kgf 通紙用紙:テストパターンの未定着トナー像(マゼン
タ、シアン、イエロー及びブラック)を形成したA4版
記録紙(80g/m2 紙) 離型剤:25℃の粘度が450csで、フェニル基のモ
ル数が25molのフェニルシリコーンオイル 通紙速度:5枚/分 トナー:マゼンタトナー、シアントナー、イエロートナ
ー、ブラックトナーの4色を用いた。マゼンタトナー
は、ポリエステル系のメインバインダー100重量部
に、顔料C.I.ソルベントレッド49を4重量部、染
料C.I.ピイグメントレッド122を0.7重量部、
荷電制御剤を4重量部及び外添剤を用いて調製した。シ
アントナーは、ポリエステル系のメインバインダー10
0重量部に、フタロシアニン顔料を5重量部、荷電制御
剤を4重量部及び外添剤を用いて調製した。イエロート
ナーは、ポリエステル系のメインバインダー100重量
部に、C.I.ピイグメントレッド17を5重量部、荷
電制御剤を4重量部及び外添剤を用いて調製した。ブラ
ックトナーは、ポリエステル系のメインバインダー10
0重量部に、カーボンブラックを5重量部、荷電制御剤
を4重量部及び外添剤を用いて調製した。
【0141】本実施例12のポリシロキサン混合物1で
形成した弾性体を定着ローラの弾性層に用いた定着装置
では、定着枚数8万枚まで定着画像上にオフセット現象
が発生しなかった。更に本実施例13のポリシロキサン
混合物2で形成した弾性体を定着ローラの弾性層に用い
た場合、及び本実施例14のポリシロキサン混合物3で
形成した弾性体を定着ローラの弾性層に用いたい場合に
も、同様に、定着枚数8万枚まで定着画像上にオフセッ
ト現象が発生しなかった。いずれも、定着ローラに優れ
た定着性が奏されると共に、その弾性層の耐久性及び耐
摩耗性の共に問題がなく、定着ローラの寿命を飛躍的に
延ばすことができた。
【0142】更に本実施例12、13及び14で用いた
定着ローラは、いずれも耐久試験を通して常時定着ロー
ラの弾性層にシリコーンオイルによる膨潤がなく、定着
によって良好な画像が得られた。
【0143】比較例7 実施例10で用いたポリシロキサン混合物1に代わって
比較用ポリシロキサン混合物1を用いた以外は、実施例
10と同様にして芯部材上にシリコーンゴムの弾性層を
有する定着ローラを得た。そして定着ローラを図5に示
す定着装置に用いることを除き、実施例12と同様にし
て耐久試験を行なった。
【0144】その結果、3万枚の定着で定着画像上にオ
フセット現象が発生し、耐久性が劣るものであった。
【0145】実施例15、16及び17 実施例7、8及び9で用いた定着ローラをそれぞれ図6
に示す定着装置に用い、更に加圧ローラの弾性層をポリ
シロキサン混合物1、2及び3を用いて形成して、その
加圧ローラを図6の定着装置に用い、フルカラーのトナ
ー像を記録紙の両面に定着した。その他は、図5の定着
装置を用いた実施例12、13及び14と同様にして、
定着の耐久試験を行なった。尚、耐久試験中にオフセッ
トが発生した場合、定着ローラを新品のローラーに交換
して試験を継続した。
【0146】その結果、本実施例15の定着ローラ及び
加圧ローラの両方の弾性層にポリシロキサン混合物1で
形成した弾性体を用いた定着装置では、両面画像の定着
枚数50万枚まで加圧ローラのトナー汚れによる画像汚
れが発生しなかった。更に本実施例16の定着ローラ及
び加圧ローラの両方の弾性層にポリシロキサン混合物2
で形成した弾性体を用いた定着装置、及び実施例17の
定着ローラ及び加圧ローラの両方の弾性層にポリシロキ
サン混合物3で形成した弾性体を用いた定着装置では、
いずれも定着枚数50万枚まで加圧ローラのトナー汚れ
による画像の汚れが発生しなかった。
【0147】比較例8 比較例7で用いた定着ローラを図6に示す定着装置に用
い、更に比較用ポリシロキサン混合物で形成した弾性
体を弾性層に用いた加圧ローラを図6に示す定着装置に
用いることを除いて、実施例15と同様にして耐久試験
を行なった。
【0148】その結果、10万枚の定着で加圧ローラの
トナー汚れによる画像の汚れが発生し、耐久性に劣るも
のであった。
【0149】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の弾性体
は、特定のポリシロキサン混合物から得られた付加型シ
リコーンゴム弾性材料によって形成されたために、離型
性に優れ且つ物理的強度を備えている。従って該弾性体
を弾性層として表面に用いた弾性ローラ及び該弾性ロー
ラを有する定着装置は、耐オフセット性に優れ、記録材
に未定着のトナー像を良好に定着することが可能であ
り、且つ画像を汚すことがない。又耐久性に優れ、トナ
ー像を記録材上に安定して定着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定着装置の一実施例を示す概略断面図
である。
【図2】本発明の弾性体を現像ブレードとして用いた現
像装置を示す概略断面図である。
【図3】本発明の弾性体をクリーニングブレードとして
用いたクリーニング装置を示す概略断面図である。
【図4】本発明の定着装置の他の実施例を示す概略断面
図である。
【図5】本発明の定着装置の更に他の実施例を示す概略
断面図である。
【図6】本発明の定着装置の更に他の実施例を示す概略
断面図である。
【符号の説明】
1、301 定着ローラ 2、302 加圧ローラ 3、303 オイル塗布装置 4 ヒータ 14、306 弾性層 104 現像ブレード 203 クリーニングブレード 310、324 ヒータ 329 弾性層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川元 英雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭52−13547(JP,A) 特開 平2−153969(JP,A) 特開 平1−299827(JP,A)

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 付加型シリコーンゴム弾性材料によって
    形成された弾性体において、 前記付加型シリコーンゴム弾性材料は、 (a)25℃における粘度が80,000ポイズ以上の
    末端ビニル基封鎖の直鎖状ジメチルポリシロキサン、及
    び (b)ビニル基を2個以上有し、四官能性又は三官能性
    の少なくとも一方を含むレジンセグメントと二官能性の
    構成単位を少なくとも100個以上連続して有する直鎖
    状のオイルセグメントとを同一分子中にもつブロックコ
    ポリマーを有する、25℃における粘度が10ポイズ以
    上のレジン状オルガノポリシロキサンを少なくとも有す
    るポリシロキサン混合物の硬化物を有することを特徴と
    する弾性体。
  2. 【請求項2】 前記レジン状オルガノポリシロキサン
    は、ラダーポリマーを含有する請求項1の弾性体。
  3. 【請求項3】 前記レジン状オルガノポリシロキサン
    は、25℃における粘度が10から1000ポイズの範
    囲内である請求項1の弾性体。
  4. 【請求項4】 前記ポリシロキサン混合物は、25℃に
    おける粘度が100ポイズ以下の末端ビニル基封鎖の直
    鎖状ジメチルポリシロキサン又は25℃における粘度が
    100ポイズ以下の側鎖ビニル基封鎖の直鎖状ジメチル
    ポリシロキサンの少なくとも一方を含む請求項1の弾性
    体。
  5. 【請求項5】 記録材上に担持されている未定着のトナ
    ー像を該記録材に定着するための弾性ローラにおいて、 前記弾性ローラは、芯部材及び該芯部材の表面側に付加
    型シリコーンゴム弾性材料によって形成された弾性層を
    有しており、該付加型シリコーンゴム弾性材料は、 (a)25℃における粘度が80,000ポイズ以上の
    末端ビニル基封鎖の直鎖状ジメチルポリシロキサン、及
    び (b)ビニル基を2個以上有し、四官能性又は三官能性
    の少なくとも一方を含むレジンセグメントと二官能性の
    構成単位を少なくとも100個以上連続して有する直鎖
    状のオイルセグメントとを同一分子中に持つブロックコ
    ポリマーを有する、25℃における粘度が10ポイズ以
    上のレジン状オルガノポリシロキサンを少なくとも有す
    るポリシロキサン混合物の硬化物を有することを特徴と
    する弾性ローラ。
  6. 【請求項6】 前記レジン状オルガノポリシロキサン
    は、25℃における粘度が10から1000ポイズの範
    囲内である請求項5の弾性ローラ。
  7. 【請求項7】 前記弾性ローラは、前記芯部材と前記弾
    性層との間に、更に弾性コア層及びオイルバリヤー層を
    前記芯部材側から順に有する請求項5又は6の弾性ロー
    ラ。
  8. 【請求項8】 前記弾性ローラは、前記芯部材と前記弾
    性層との間に、更に弾性コア層を有する請求項5又は6
    の弾性ローラ。
  9. 【請求項9】 記録材上に担持されている未定着のトナ
    ー像を加熱及び加圧することにより該記録材に定着する
    ための定着装置において、 前記定着装置は、未定着のトナー像を担持している記録
    材を挟持して加熱及び加圧するための、少なくとも一方
    の内部に加熱手段を有する互に圧接して回動可能な、そ
    れぞれ前記未定着のトナー像に接する側及びその反対側
    に接する側の定着ローラ及び加圧ローラからなる1対の
    ローラを有する定着手段を備えており、前記定着ローラ
    は、芯部材及び該芯部材の表面側に付加型シリコーンゴ
    ム弾性材料によって形成された弾性層を有しており、該
    付加型シリコーンゴム弾性材料は、 (a)25℃における粘度が80,000ポイズ以上の
    末端ビニル基封鎖の直鎖状ジメチルポリシロキサン、及
    び (b)ビニル基を2個以上有し、四官能性又は三官能性
    の少なくとも一方を含むレジンセグメントと二官能性の
    構成単位を少なくとも100個以上連続して有する直鎖
    状のオイルセグメントとを同一分子中に持つブロックコ
    ポリマーを有する、25℃における粘度が10ポイズ以
    上のレジン状オルガノポリシロキサンを少なくとも有す
    るポリシロキサン混合物の硬化物を有することを特徴と
    する定着装置。
  10. 【請求項10】 前記レジン状オルガノポリシロキサン
    は、25℃における粘度が10から1000ポイズの範
    囲内である請求項9の定着装置。
  11. 【請求項11】 前記定着ローラは、内部に加熱手段を
    有する請求項9又は10の定着装置。
  12. 【請求項12】 前記定着ローラ及び加圧ローラは、内
    部に加熱手段を有する請求項9又は10の定着装置。
  13. 【請求項13】 前記定着ローラは、前記芯部材と前記
    弾性層との間に、更に弾性コア層及びオイルバリヤー層
    を前記芯部材側から順に有する請求項9又は10の定着
    装置。
  14. 【請求項14】 前記定着ローラは、表面に離型剤が塗
    布されている状態で記録材に担持されている未定着のト
    ナー像を定着する請求項13の定着装置。
  15. 【請求項15】 前記定着ローラは、前記芯部材と前記
    弾性層との間に、更に弾性コア層を有する請求項9又は
    10の定着装置。
  16. 【請求項16】 前記定着ローラは、表面に離型剤が塗
    布されている状態で記録材に担持されている未定着のト
    ナー像を定着する請求項15の定着装置。
  17. 【請求項17】 前記離型剤は、フェニルシリコーンオ
    イルを含有している請求項16の定着装置。
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