JP2617781B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JP2617781B2 JP24549688A JP24549688A JP2617781B2 JP 2617781 B2 JP2617781 B2 JP 2617781B2 JP 24549688 A JP24549688 A JP 24549688A JP 24549688 A JP24549688 A JP 24549688A JP 2617781 B2 JP2617781 B2 JP 2617781B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高分子量の中ないし高密度のエチレン系重合
体と特定の変性重合体からなる樹脂組成物に関する。さ
らにくわしくは、高分子量の中ないし高密度のエチレン
系重合体と変性結晶性エチレン系重合体および三種のオ
レフィン系重合体をラジカル開始剤の存在下で不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体で処理することによって得ら
れる変性重合体混合物とからなる樹脂組成物に関するも
のであり、機械的物性、特に耐衝撃性のすぐれた樹脂組
成物を提供するものであり、とりわけガソリン、石油な
どの各種液体燃料や工業薬品などの中空成形容器に適し
た材料に関する。
〔従来の技術〕
従来、ガソリン、石油などの各種液体燃料や工業用薬
品などの容器やタンクなどの材料としては、機械的強
度、化学的性質、成形加工性および材料コストなどの経
済的観点から密度が0.940g/cm3以上であり、高密度ポリ
エチレンがえらばれ、実用に供されている。
特に最近、プラスチック材料は形状の自由度、軽量化
および防錆性などの点から、自動車などの各種部材への
適用が年々多くなりつつあり、さらに性能の向上および
機能の付与が市場で望まれている。
ところで、バキー車やモトクロス車などの3〜5容
量のガソリンタンクは、金属製からポリエチレン製へ代
替されており、これはメリトインデックスが0.2〜2g/10
分であり、密度が0.93〜0.950g/cm3のポリエチレンが原
料として供用されている。
すなわち、一般的にはこれらのポリエチレン、好まし
くは粉末状のポリエチレンにジクミルパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三級−ブチルパーオキシ)
ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三級−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン−3のごとき有機過酸化物を適量混
合した後、該ポリエチレンは融解するが、有機過酸化物
が実質的に分解しない条件で溶融混練し、再度得られた
組成物(通常、ペレット状)を一般的には機械的手段に
て粉末化した後、熱風加熱方式の回転成形機を用い、お
よそ250〜350℃の温度で15分ないし30分間の条件で成形
加工をし、所望の容器を得ている。このとき、ポリエチ
レンは有機過酸化物によって非常に高度に架橋されるた
めに得られる成形品は耐衝撃性、クリープ特性、耐環境
応力亀裂性などにすぐれた性能を示す。
また、この回転成形法以外の加工手段で容器を得る試
みが従来からなされており、その有効な手段としてブロ
ー成形法がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前記回転成形法では、前記のごとく工
程が煩雑であるばかりでなく、比較的高価な有機過酸化
物を使用し、かつ有機過酸化物を配合した未架橋のポリ
エチレンの貯蔵安定性に問題があり、しかも成形のサイ
クルが前記のごとく15〜30分と通常の押出成形、ブロー
成形などに比べて極めて長く、生産性の点で大きな問題
が残されている。
一方、ブロー成形法では、耐衝撃性などの機械的性能
を満足するためには原料のポリエチレンとしてはハイロ
ードメルトインデックスが約15g/10分以下、好ましくは
10g/10分以下の中ないし高密度ポリエチレンを用いる必
要がある。一方、成形加工性の点から、ハイロードメル
トインデックスが約1g/10分以下の高分子量ポリエチレ
ンでは劣り、一般的には3〜10g/10分の高分子量ポリエ
チレンが好ましい。
しかしながら、バギー車やモトクロス車などの燃料タ
ンクは一般的に鞍型形状となり、可成りタンク形状が複
雑となるためにこれらの高分子量のポリエチレンの有す
る耐衝撃性では不充分であり、さらによりすぐれた材料
が市場より要請されている。
以上のことから、ポリエチレンが本来有する剛性(曲
げ弾性率)や硬度をそこなうことなく、成形加工性、と
りわけブロー成形性にすぐれ、一段と耐衝撃性が良好で
あり、しかも耐ガソリン性などの化学的性質などにすぐ
れた性能を有する材料を見い出すことにより、ブロー成
形法による加工手段にて前述の回転成形法に比べて生産
性および経済性などの点ですぐれた従来にない材料を得
ることが本発明の目的である。
〔課題を解決するための手段および作用〕
本発明にしたがえば、これらの課題は、 (A)密度が0.930g/cm3以上であり、かつJIS K7210に
したがい、条件が7で測定したメルトインデックス(以
下「MI(1)」と云う)が1.0〜15g/10分であるエチレ
ン系重合体、 (B)結晶性エチレン系重合体をラジカル開始剤の存在
下で不飽和カルボン酸またはその誘導体で処理すること
によって得られる変性結晶性エチレン系重合体 ならびに (C)(1)結晶性エチレン系重合体、(2)α、β−
エチレン型不飽和カルボン酸エステルの共重合割合が0.
1〜50重量%であり、かつ二塩基性不飽和カルボン酸ま
たはその誘導体の共重合割合が0.05〜20重量%であるエ
チレン系多元共重合体および(3)エチレンと炭素数が
3個以上のα−オレフィンとのエチレン−α−オレフィ
ンランダム共重合体をラジカル開始剤の存在下で不飽和
カルボン酸またはその誘導体で処理することによって得
られる変性重合体混合物 からなる組成物であり、該エチレン系重合体100重量部
に対する変性結晶性エチレン系重合体および変性重合体
混合物の組成割合はそれらの総和(合計量)として1.0
〜20重量部であり、かつ変性結晶性エチレン系重合体お
よび変性重合体混合物の合計量中に占める変性重合体混
合物の組成割合は25〜75重量%であり、前記結晶性エチ
レン系重合体、エチレン系多元共重合体およびエチレン
−α−オレフィンランダム共重合体の合計に占める結晶
性オレフィン系重合体の割合は2.5〜20重量%であり、
かつエチレン系多元共重合体の割合は2.5〜30重量%で
ある樹脂組成物 によって解決することができる。以下、本発明を具体的
に説明する。
(A)エチレン系共重合体 本発明において使われるエチレン系重合体としてはエ
チレン単独重合体、エチレンを主成分として、これとα
−オレフィンとの共重合体があげられる。α−オレフィ
ンの炭素数は通常3〜12個であり、3〜8個のものが好
ましい。好ましいα−オレフィンの代表例としては、プ
ロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペン
テン−1およびオクテン−1があげられる。該α−オレ
フィンの共重合割合は、一般には多くとも10重量%であ
り、とりわけ0.5重量%以下が望ましい。該エチレン系
重合体はエチレン単独またはエチレンと前記α−オレフ
ィンとをいわゆるフィリップス系触媒またはチーグラー
触媒の存在下で単独重合または共重合させることによっ
て得られるものであり、一般には常圧ないし100kg/cm2
の圧力下で製造されており、工業的に製造され、多方面
にわたって利用されているものである。
該エチレン系重合体の密度は0.930g/cm3以上であり、
0.935g/cm3以上が好ましく、特に0.940g/cm3以上が好適
である。密度が0.930g/cm3未満のエチレン系重合体を用
いると、得られる製品の剛性や表面硬度の点で劣る。ま
た、該エチレン系重合体のMI(1)は1.0〜15g/10分で
あり、2.0〜15g/10分が望ましく、とりわけ3.0〜12g/10
分が好適である。MI(1)が1.0g/10分未満のエチレン
系重合体を使用すると、成形加工性がよくない。一方、
15g/10分を超えたエチレン系重合体を使うならば、得ら
れる製品の耐衝撃性が劣る。
本発明において使用される変性重合体混合物は後記の
結晶性オレフィン系重合体、エチレン系多元共重合体お
よびエチレン−α−オレフィンランダム共重合体をあら
かじめ混合し、得られる混合物を後記のラジカル開始剤
の存在下で不飽和カルボン酸またはその誘導体で処理す
ることによって製造する方法(以下「方法(A)」と云
う)ならびに変性重合体を製造するさい、結晶性オレフ
ィン系重合体、エチレン系多元共重合体、エチレン−α
−オレフィンランダム共重合体、不飽和カルボン酸また
はその誘導体およびラジカル開始剤を同時に混合し、加
熱・処理する方法(以下「方法(B)」と云う)のいず
れの方法でも製造することができる。
(B)結晶性オレフィン系重合体 本発明において用いられる結晶性オレフィン系重合体
は、20℃の温度における結晶化度(ジャーナル オブ
ポリマー サイエンス(Journal of Polymer Scicnce)
第X XIII巻、第17頁ないし第26頁、(1955)の方法に準
じてX線法によって測定)が15%以上、好ましくは20%
以上、さらに好適には25%以上である結晶性オレフィン
系重合体である。該結晶性オレフィン系重合体として
は、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、いわゆ
る高圧法によって製造されている低密度ポリエチレンお
よびエチレンと前記α−オレフィンとの共重合体である
直鎖状低密度ポリエチレンがあげられる。この重合体の
メルトインデックス(JIS K7210にしたがい、条件が4
で測定、以下「MI(2)」と云う)については特に規定
するものではないが、一般には0.01〜100g/10分であ
り、0.02〜80g/10分が望ましく、とりわけ0.05〜50g/10
分が好適である。MI(2)が下限未満でも、上限を超え
たものを使ったとしても、成形加工性の点で好ましくな
い。
(C)エチレン系多元共重合体 また、本発明において用いられるエチレン系多元共重
合体はアクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸
アルキルエステルからなる郡からえらばれた少なくとも
一種のα、β−エチレン型不飽和カルボン酸エステルな
らびに二塩基性不飽和カルボン酸またはその誘導体をモ
ノマー単位として含むオレフィン系多元共重合体であ
る。
α、β−エチレン型不飽和カルボン酸エステルのアル
キル基の炭素数は通常1〜10個(好ましくは、1〜8
個)であり、このα、β−エチレン型不飽和カルボン酸
エステルのうち、アクリル酸アルキルエステルの代表例
としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸ブチル、アクリル酸−2エチルヘキシルなどがあ
げられる。また、メタクリル酸アルキルエステルの代表
例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸ブチルなどがあげられる。これらの
α、β−エチレン型不飽和カルボン酸エステルのうち、
とりわけアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチルおよびメタクリル酸メチルが好適である。さ
らに、二塩基性不飽和カルボン酸またはその誘導体のう
ち、二塩基性不飽和カルボン酸の炭素数は通常多くとも
40個であり、35以下のものが好ましい。該二塩基性不飽
和カルボン酸の代表例としては、マレイン酸、イタコン
酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸およびフマ
ル酸があげられる。また、二塩基性不飽和カルボン酸の
誘導体の代表例としては該二塩基性不飽和酸の酸無水
物、エステル、アミド化合物およびその金属(金属とし
ては、通常アルカリ金属ならびに周期律表第II Aおよび
第II B族の金属、たとえばナトリウム、マグネシウム、
カルシウム、亜鉛)塩があげられる。これらの二塩基性
不飽和カルボン酸およびその誘導体の好適なものとして
は、マレイン酸、無水マレイン酸、5−ノルボルネン−
2,3−ジカルボン酸および5−ノルボルネン−2,3−ジカ
ルボン酸無水物があげられる。
このエチレン系多元共重合体中のα、β−エチレン型
不飽和カルボン酸エステルの共重合割合は0.1〜50重量
%であり、とれわけ1.0〜50重量%が望ましい。さら
に、二塩基性不飽和カルボン酸またはその誘導体の共重
合割合はそれらの合計量として0.05〜20重量%であり、
特に0.5〜10重量%が好ましい。この多元共重合体中の
α、β−エチレン型不飽和カルボン酸エステルおよび二
塩基性不飽和カルボン酸またはその誘導体の共重合割合
がそれぞれ下限未満では、得られる変性エチレン系重合
体の接着性がかならずしも満足すべきものではない。一
方、上限を超えると、この多元共重合体の軟化点が高く
なり、流動性が低下し、後記の不飽和カルボン酸または
その誘導体の変性(処理)を行なうことが困難となるば
かりでなく、経済的にも好ましくない。これらのことか
ら、エチレンの共重合割合は30〜99.85重量%が望まし
く、とりわけ40〜98.5重量%が好適である。
この多元共重合体のMI(2)は通常0.01〜100g/10分
であり、0.05〜100g/10分が望ましく、とりわけ0.1〜50
g/10分が好適である。MI(2)が0.01g/10分未満の多元
共重合体を用いると、加工性がよくない、一方、100g/1
0分を超えると、成形性がよくない。
この多元共重合体は一般的に良く知られているラジカ
ル高圧重合法、たとえば各単量体を高圧下(一般には、
500〜2,500kg/cm2)、高温(通常120〜260℃)において
必要に応じて連鎖移動剤を使ってラジカル重合法で容易
に製造することができる。
(D)エチレン−α−オレフィンランダム共重合体 さらに、本発明におい使用されるエチレン−α−オレ
フィンランダム共重合体は少なくともエチレンと炭素数
が3個以上のα−オレフィンとのランダム共重合体であ
り、たとえばチーグラー・ナッタ触媒、なかでもオキシ
三塩化バナジウム、四塩化バナジウムのようなバナジウ
ム化合物と有機アルミニウム化合物などからなる触媒を
用い、モルでエチレンが50%以上とα−オレフィンが50
%以下、好ましくはエチレン75〜95%とα−オレフィン
25〜5%とを共重合させることによって得られる。ま
た、このエチレンとα−オレフィンにさらに後記の第三
成分を共重合させることによって得られる多元共重合体
も使用することができる。
α−オレフィンの炭素数は通常12個以下であり、その
代表例として、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−
1、デセン−1および4−メチルペンテン−1があげら
れ、なかでもプロピレンおよびブテン−1が望ましい。
また、第三成分としては、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘ
キサジエンおよび3,3−ジメチル1,5−ヘキサジエンのご
とき2個の二重結合を末端に含有する直鎖もしくは分岐
鎖のジオレフィン、1,4−ヘキサジエンおよび6−メチ
ル−1,5−ヘプタジエンのごとき二重結合を一つだけ末
端に含む直鎖もしくは分岐鎖ジオレフィンまたはビシク
ロ〔2,2,1〕−ヘプテン−2(ノルボルネン)およびそ
の誘導体(たとえば、エチリデンノルボルネン、メチレ
ンノルボルネン、ビニルノルボルネン)のごとき環状ジ
エン炭化水素のような二重結合を有するものがあげられ
る。
この第三成分を共重合させた多元共重合体の第三成分
の含量としては、通常ヨウ素価の値で5〜30である。
このエチレン−α−オレフィンランダム共重合体のム
ーニー年度ML1+4(100℃)は、一般には10〜150であ
り、とりわけ25〜100のものが望ましい。
(E)不飽和カルボン酸またはその誘導体 本発明の変性重合体混合物を製造するために使われる
不飽和カルボン酸またはその誘導体としては一塩基性不
飽和カルボン酸および前記二塩基性不飽和カルボン酸な
らびにこれらの不飽和カルボン酸の金属塩、アミド、イ
ミド、エステルおよび無水物があげられる。これらのう
ち、一塩基性不飽和カルボン酸の炭素数は通常多くとも
30個であり、特に25個以下が好ましい。一塩基性不飽和
カルボン酸の代表例としては、アクリル酸およびメタク
リル酸があげられる。また、二塩基性不飽和カルボン酸
およびその誘導体の代表例としては、二塩基性不飽和カ
ルボン酸としてマレイン酸、フマル酸、イタコン酸およ
び5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、その無水物
として無水マレイン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカ
ルボン酸無水物およびテトラヒドロ無水フタル酸、その
エステルとしてマレイン酸モノエチルまたはジエチルお
よびグリシジルメタクリレート、さらにイミドとしてマ
レイミドがあげられる。これらの不飽和カルボン酸また
はその誘導体のうち、二塩基性不飽和カルボン酸の無水
物が好ましく、なかでも無水マレイン酸が好適である。
(F)ラジカル開始剤 さらに、本発明において用いられるラジカル開始剤の
1分半減期の分解温度は通常100℃以上であり、105℃以
上のものが好ましく、特に120℃以上のものが好適であ
る。好適なラジカル開始剤の代表例としては、ジクミル
パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−第三
級−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(第三級−ブチル−パーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(第三級−ブチル−パーオキシ)ヘキサ
ン−3、ラウロイルパーオキサイド、第三級ブチルパー
オキシベンゾエートなどの有機過酸化物があげられる。
本発明の変性結晶性エチレン系重合体および変性重合
体混合物は、前記のごとく、方法(A)および方法
(B)のいずれの方法でも製造することができる。これ
らのいずれの方法でも、変性重合体混合物を製造するに
あたり、それぞれの混合割合は下記の通りである。
(G)混合割合 結晶性エチレン系重合体、エチレン系多元共重合体お
よびエチレン−α−オレフィンランダム共重合体の合計
量中に占める結晶性エチレン系重合体の混合割合は2.5
〜20重量%であり、特に2.5〜18重量%が好ましい。こ
れらの重合体の合計量中に占める結晶性エチレン系重合
体の混合割合が2.0重量%未満では、得られる製品の剛
性や表面硬度が低下するとともに耐ガソリン性などの化
学的特性の低下を招き好ましくない。一方、20重量%を
超えると、耐衝撃性の向上効果が乏しくなる。
また、これらの重合体の合計量中に占めるエチレン系
多元共重合体の混合割合は2.5〜30重量%であり、とり
わけ5.0〜25重量%が好適である。これらの重合体の合
計量中に占めるエチレン系多元共重合体の混合割合が30
重量%を超えると、耐ガソリン性などの化学的抵抗性の
点で劣るために好ましくない。
これらのことから、これらの重合体の合計量中に占め
るエチレン−α−オレフィンランダム共重合体の混合割
合は95〜50重量%であり、特に92.5〜65%が好ましい。
さらに、変性結晶性エチレン系重合体を製造するさ
い、結晶性エチレン系重合体100重量部あるいは変性重
合体を製造するさい、これらの重合体の合計量100重量
部に対する不飽和カルボン酸およびその誘導体ならびに
ラジカル開始剤の使用割合は通常下記の通りである。
不飽和カルボン酸およびその誘導体では、それらの合
計量として0.01〜5.0重量部であり、0.05〜3.0重量部が
好ましく、特に0.1〜2.0重量部が好適である。不飽和カ
ルボン酸およびその誘導体の使用割合がそれらの合計量
として0.01重量部未満では、変性が不充分である。一
方、5.0重量部を超えると、変性結晶性エチレン系重合
体を製造する場合でも、変性重合体混合物を製造する場
合でも、分解または架橋反応が併発する恐れがある。
また、ラジカル開始剤では、0.001〜1.0重量部であ
り、0.01〜1.0重量部が望ましく、とりわけ0.01〜0.5重
量部である。ラジカル開始剤の使用割合が0.001重量部
未満では、変性効果の発揮が乏しく、変性を完全にする
には長時間を要するばかりでなく、未反応物が混在する
結果となる。一方、1.0重量部を超えるならば、過度の
分解または架橋反応を起こすために好ましくない。
(H)変性結晶性エチレン系重合体および変性重合体混
合物の製造 前記の方法(A)の場合でも、方法(B)の場合で
も、この種の変性オレフィン系重合体を製造する公知の
手段によって行なわれる。
代表的な製造方法としては、キシレン、トルエンなど
の芳香族炭化水素化合物、ヘキサン、ヘプタンなどの脂
肪族炭化水素化合物などの溶媒中で、前記の重合体をあ
らかじめ混合して得られる混合物または重合体をあらか
じめ混合することなく、それらの重合体、不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体およびラジカル開始剤を加熱混合
させて製造する方法ならびにこれらをあらかじめ本質的
に架橋しない条件で混合させ、得られる混合物をスクリ
ュー式押出機、バンバリーミキサー、ニーダーなどの一
般に合成樹脂の分野において使われている混練機を使用
して溶融混合させることによる製造方法があげられる
が、操作法、経済制の点から後者の方法が好んで採用さ
れる。
後者の場合、変性の温度条件については、前記各種エ
チレン系重合体の劣化、不飽和カルボン酸またはその誘
導体の分解、有機過酸化物の分解温度などを考慮して適
宜選択されるが、一般には100〜350℃であり、150〜320
℃が望ましく、とりわけ180〜300℃が好適である。
(J)樹脂組成物の製造方法 本発明の樹脂組成物を製造するにあたり、前記のエチ
レン系重合体100重量部に対する変性結晶性エチレン系
重合体および変性重合体混合物の組成割合はそれらの合
計量として、1.0〜20重量部であり、2.0〜20重量部が望
ましく、とりわけ3.0〜20重量部が好適である。エチレ
ン系重合体100重量部に対する変性結晶性エチレン系重
合体および変性重合体混合物の組成割合がそれらの合計
量として1.0重量部未満では、得られる組成物の耐衝撃
性がよくない。一方、20重量部を超えると、耐衝撃性は
すぐれているが、得られる組成物の曲げ弾性率や表面硬
度が低下するために好ましくなく、化学的性質の点でも
劣る。
本発明の樹脂組成物において、前記変性結晶性エチレ
ン系重合体および変性重合体混合物の合計量(総和)に
占める変性重合体混合物の組成割合は25〜75重量%であ
り(すなわち、これらの合計量中に占める変性結晶性エ
チレン系重合体の組成割合は75〜25重量%である)、65
〜35重量%が望ましく、とりわけ60〜35重量部が好適で
ある。変性結晶性エチレン系重合体および変性重合体混
合物の合計量中に占める変性重合体混合物の組成割合が
25重量%未満でも、75重量%未満を超えても、いずれも
耐衝撃性の改良効果が乏しい。
本発明の樹脂組成物を製造するには、合成樹脂業界に
おいて一般に採用されている混合方法を適用すればよ
い。
混合方法としては、タンブラーおよびヘンシェルミキ
サーのごとき混合機を使ってドライブレンドする方法な
らびに押出機、バンバリーミキサー、ニーダーおよびロ
ールのごとき混合機を用いて溶融混練する方法があげら
れる。このさい、あらかじめドライブレンドし、得られ
る混合物をさらに一回または二回以上溶融混練すること
によって一層均一な組成物を得ることができる。
組成物を製造するにあたり、オレフィン系樹脂の分野
において一般に使われている抗酸化剤、熱安定剤、紫外
線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、顔料(着色剤)などの添
加剤を本発明の樹脂組成が有する特性をそこなわない範
囲でさらに添加してもよい。
この組成物を製造するさい溶融混練する場合、組成物
の製造に用いられる各組成成分が溶融する温度で実施す
る必要がある。しかし、高い温度で実施すると、組成成
分が熱分解や劣化を生じる。これらのことから、150〜3
00℃(好ましくは、180〜250℃)で行なえばよい。
このようにして得られる本発明の樹脂組成物はガソリ
ンタンクなどの容器を製造するには、一般に行なわれて
いるようにブロー成形法によって希望する形状に容易に
賦形することができ、従来にない耐衝撃性のすぐれた物
品が得られる。また、成形以外にも、比較的小さい、い
わゆる小物物品(たとえば、キャップ、種々のアクセサ
リー部品、チューブ類)は、射出成形法によって容易に
製造することが可能である。
(実施例および比較例) 以下、実施例によって本発明をさらにくわしく説明す
る。
なお、実施例および比較例において、アイゾット衝撃
強度は23℃、0℃および−40℃のそれぞれの温度におい
て測定した。また、曲げ弾性率はJIS K7203にしたがっ
て測定した。さらに、硬度はJIS K6760にしたがって測
定した。
実施例および比較例において使った変性結晶性エチレ
ン系重合体および変性重合体混合物(以下「変性物」と
云う)は下記のようにして製造した。
〔(A)変性結晶性エチレン系重合体〕
変性結晶性エチレン系重合体として、MI(2)が0.80
g/10分であり、かつ密度が0.951g/cm3である結晶性エチ
レン重合体100重量部、0.01重量部の2,5−ジメチル−2,
5−ジ(第三級−ブチルパーオキシ)ヘキサンを添加
し、ヘンシェルミキサーを使って2分間ドライブレンド
を行った。得られた混合物にさらに0.350重量部の無水
マレイン酸を添加し、3分間ドライブレンドを行って混
合物を製造した。このようにして得られた混合物をノン
ベント式押出機(径40mm)を用いて樹脂温度が255℃に
おいて溶融させながら反応および押出を行い、変性結晶
性エチレン系重合体〔以下「変性物(A)」と云う〕を
製造した。このようにして得られた変性物(A)中のグ
ラフトした無水マレイン酸の量を赤外吸収スペクトルに
よって定量したところ、0.27重量%であった。
〔(B)変性重合体混合物〕
また、変性重合体混合物として、MI(2)が0.93g/10
分であり、かつ密度が0.950g/cm3である結晶性エチレン
重合体5.0重量部、MI(2)が7.5g/10分であり、メチル
メタクリレートの共重合割合が7.7重量%であり、かつ
無水マレイン酸の共重合割合が2.9重量%であるエチレ
ン−メチルメタクリレート−無水マレイン酸三元共重合
体5.0重量部およびムーニー粘度(ML1+4、100)が65で
あり、プロピレンの共重合割合が27重量%であり、かつ
X線回折法による結晶化度が0.6%であるエチレン−プ
ロピレンランダム共重合体90重量部をあらかめ混合して
混合物を作成した。該混合物100重量部、0.012重量部の
2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三級−ブチルパーオキシ)
ヘキサンを添加し、あらかじめヘンシェルミキサーを用
いて2分間ドライブレンドを行った。得られた混合物を
さらに0.375重量部の無水マレイン酸を添加し、ヘンシ
ェルミキサーにて3分間ドライブレンドを行った。得ら
れた混合物をベント式押出機(径40mm)を用いて樹脂温
度が235℃にて溶融させながら反応および押出を行い、
変性重合体混合物〔以下「変性物(B)」と云う〕を製
造した。このようにして得られた変性物(B)中のグラ
フトした無水マレイン酸の量を赤外吸収スペクトルによ
って定量したところ、0.29重量%であった。
このようにして得られた変性物(A)50重量部および
変性物(B)50重量部を押出機(径65mm)を使用して樹
脂温度が210℃において溶融させながら混練を行ない、
混合物〔以下「変性物(C)」と云う〕を製造した。
実施例1〜5、比較例1〜4 MI(1)が5.0g/10分であり、かつ密度が0.945g/cm3
であるポリエチレン100重量部に対し、第1表に組成割
合が示されている変性物(A)ないし変性物(C)をノ
ンベント式押出機(径65mm)を使用して200℃の樹脂温
度で溶融混練しながらペレット状の組成物を製造した。
得られた組成物をアイゾット衝撃強度、曲げ弾性率およ
び硬度(ショア−D)の測定の試片を製造し、これらの
測定を行った。得られた結果を第1表に示す。
さらに、このようにして得られた各樹脂組成物をアキ
ュムレーター方式のブロー成形機(径90mm)を使って樹
脂温度が205℃においてブロー成形性を検討したが、実
施例1ないし5ならびに比較例1および3では、すぐれ
たドローダウン性を示したが、比較例2および4では、
ドローダウン性の点で劣っていた。
〔発明の効果〕
本発明の樹脂組成物は下記のごとき効果を発揮する。
(1)室温においける耐衝撃性がすぐれている。
(2)低温(たとえば、−40℃)における耐衝撃性が極
めてすぐれている。
(3)剛性(曲げ弾性率)が良好である。
(4)成形物の表面の硬度が良好である。
(5)成形加工性が良好である。
本発明の樹脂組成物は以上のごとき効果を発揮するた
めに多方面にわたって利用することができる。代表的な
用途を下記に示す。
(1)各種液体燃料容器(たとえば、バギー車、モトク
ロス車などのガソリンタンク) (2)フィラーチューブなどのチューブ類 (3)工業缶

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)密度が0.930g/cm3以上であり、かつ
    JIS K7210にしたがい、条件が7で測定したメルトイン
    デックスが1.0〜15g/10分であるエチレン系重合体、 (B)結晶性エチレン系重合体をラジカル開始剤の存在
    下で不飽和カルボン酸またはその誘導体で処理すること
    によって得られる変性結晶性エチレン系重合体 ならびに (C)(1)結晶性エチレン系重合体、(2)α、β−
    エチレン型不飽和カルボン酸エステルの共重合割合が0.
    1〜50重量%であり、かつ二塩基性不飽和カルボン酸ま
    たはその誘導体の共重合割合が0.05〜20重量%であるエ
    チレン系多元共重合体および(3)エチレンと炭素数が
    3個以上のα−オレフィンとのエチレン−α−オレフィ
    ンランダム共重合体をラジカル開始剤の存在下で不飽和
    カルボン酸またはその誘導体で処理することによって得
    られる変性重合体混合物 からなる組成物であり、該エチレン系重合体100重量部
    に対する変性結晶性エチレン系重合体および変性重合体
    混合物の組成割合はそれらの総和として1.0〜20重量部
    であり、かつ変性結晶性エチレン系重合体および変性重
    合体混合物の合計量中に占める変性重合体混合物の組成
    割合は25〜75重量%であり、前記結晶性エチレン系重合
    体、エチレン系多元共重合体およびエチレン−α−オレ
    フィンランダム共重合体の合計量中に占める結晶性オレ
    フィン系重合体の割合は2.5〜20重量%であり、かつエ
    チレン系多元共重合体の割合は2.5〜30重量%である樹
    脂組成物。
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