JP2616806B2 - 乾式免疫分析要素 - Google Patents

乾式免疫分析要素

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は抗原−抗体反応を利用する酵素免疫分析法に
よる免疫学的に有用な乾式免疫分析要素に関する。
〔従来の技術〕
体液などに含有されている生化学物質を定量する方法
として種々の方法が知られているが、比較的感度よく測
れる方法として酵素免疫測定法が知られている。一方、
勘弁さ、迅速性の観点から乾式分析要素を用いる方法が
開発されている(例えば、特開昭49−53888、特開昭55
−164356、特開昭59−102388)。両技術を係合すること
により乾式分析要素及び酵素免疫測定法の欠点を互いに
克服した乾式免疫分析要素の開発が望まれていた。そこ
で、本発明者らは特開昭61−80049、特開昭61−80050に
記載の酵素抗体結合物の基質として、水に不溶性の高分
子物質を使用する酵素免疫測定法を乾式分析要素に組込
むことを試み鋭意努力した結果、基質である水に不溶性
の高分子物質と酵素抗体結合物を組込んだ乾式免疫分析
要素を作製することに成功した。そして、この乾式免疫
分析要素が、遠心分離や予備反応などの繁雑な操作のな
い簡便で迅速な分析要素であることを見出し、本発明に
到達した。
〔発明の目的〕
本発明の目的は簡便な操作で高感度の酵素免疫分析法
を実施することができる乾式免疫分析要素を提供するこ
とである。
〔発明の構成〕
本発明の前記目的は、支持体上に、一体化された少な
くとも2つの水浸透性層を有し、該水浸透性層のうち少
なくとも1層は多孔性層であって該多孔性層と支持体の
間に少なくとも1の水浸透性層が存在している、検体中
のリガンドの測定のための酵素免疫分析法による乾式免
疫分析要素であって、前記多孔性層中に、 (A) 酵素の作用により検出可能な水溶性物質を放出
する水不溶性高分子基質、及び、 (B) 検体中のリガンドと反応する抗体と前記水不溶
性高分子基質に使用しうる酵素との結合物であるところ
の酵素抗体結合物、 を含有することを特徴とする乾式免疫分析要素により達
成することができた。
〔発明の構成の詳細な説明〕
本発明の乾式免疫分析要素の測定対象は検体に含まれ
る抗原決定基を有するリガンドである。検体の種類は限
定されないが、例えば血液(全血、血漿、血清)、リン
パ液、尿などである。血漿、血清、尿などの場合には、
通常特別な前処理を必要とせず、検体そのままについて
測定を行うことができる。
リガンドは抗原決定基を1又は2以上有しているもの
であり、例としては各種内分泌腺に由来するホルモン
類、免疫グロブリン、アルブミン、フェリチン等の血漿
蛋白質、HB抗原等のウイルス、バクテリア類、α−フェ
トプロテイン、癌関連性抗原等の各種臓器あるいは血
中、尿中に存在する抗原などである。本発明の乾式免疫
分析要素は特に高分子量のリガンド、例えば分子量約2
万以上のものの測定に威力を発揮する。
また、本発明に用いる抗体と前記水不溶性高分子物質
に作用しうる酵素との結合物のその抗体はリガンドの抗
原決定基と反応するものである。この抗体にはF(a
b′)、Fab′、Fabなどのフラグメントも含まれる。
抗体の製造方法としてはリガンドと蛋白との結合物を
兎、山羊、馬、モルモット、ニワトリなどの温血動物に
体重1kgあたり0.3〜2mgを1〜数回背中皮下、フットパ
ッド、大腿筋等にアジュバンドとともに注射して当該動
物の体内に形成させる。この抗体は血清をそのまま用い
てもよく、血清から抗体すなわち免疫グロブリンを採取
する公知の方法によって精製してから用いてもよい。
一方、この抗体はモノクローナル抗体として取得する
こともできる。その場合にはマウスに前記のいずれかの
抗原をアジュバントとともに数回腹腔等に注射し脾臓細
胞を取り出してポリエチレングリコール等を用いてマウ
スミエローマ細胞と融合させる。そして、この融合細胞
のなかから当該抗体を産生するものをクローニングによ
ってモノクローン細胞として増殖させ、マウス腹腔中で
増殖させることによって単一抗体、すなわちモノクロー
ナル抗体を大量に製造することができる。
一方、この結合物を構成している酵素は水不溶性高分
子基質に作用しうるものである。使用するにあたっては
活性の測定方法が容易なものがよく、例えばこのような
酵素としてはアミラーゼ、デキストラナーゼ、セルラー
ゼ、コラーゲナーゼ、マンナーゼ、プロテアーゼ、エラ
スターゼ、リパーゼ、グルコアミラーゼなどである。
これらの酵素の作用する水不溶性高分子基質としては
例えば澱粉、アミロース、アミノペクチン、ペプチド、
セルロース等をあげることができ、詳しくは丸尾、田
宮、監修「酵素ハンドブック」(朝倉書店、1982年)、
日本生化学会編「生化学ハンドブック」(丸善、1980
年)に記載されている。
また、上記水不溶性高分子基質には酵素の作用により
放出できる検出可能な水溶性物質が結合されている。
酵素の作用により放出できる検出可能な水溶性物質と
しては、色素部を有する化合物、蛍光、発光を生じる化
合物等をあげることができる。また、特公昭57−3000
0、特開昭59−30063等に記載されているような色素形成
化合物(例、カプラー)などであってもよい。
前記物質の検出の為には、極大吸収波長における透過
又は反射による光化学測定が適しているが、目的や必要
精度によっては目視により判定してもよい。発光、蛍光
等の測定には発光、蛍光等の主波長付近における光学的
測定が適している。
水不溶性高分子基質に前記官能基を結合させる方法と
しては、例えばK.Venkatarman編「The Chemistry of Sy
nthetic Dyes」第6巻(Academic Press社、1972年発
行)に記載の反応性染料を用いる方法、特公昭57−3000
0、特開昭59−30063等に記載の方法等の公知の方法から
適宜に選択することができる。
検出可能な水溶性物質が結合されている水不溶性高分
子基質の好ましい具体例として、色素を結合させた澱粉
(ダイスターチ)がある。
酵素と抗体との結合方法は双方の官能基を考慮して決
定すればよい。官能基は、アミノ基、カルボキシル基、
水酸基、チオール基、イミダゾール基、フェニル基など
を利用することができる。例えばアミノ基相互間を結合
させる場合には、ジイソシアネート法、グルタルアルデ
ヒド法、ジフルオロベンゼン法、ベンゾキノン法等数多
く知られている。また、アミノ基とカルボキシル基との
間を結合させる方法としては、カルボキシル基をサクシ
ンイミドエステル化する方法のほかカルボジイミド法、
ウッドワード試薬法等が知られており、アミノ基と糖鎖
を架橋する過ヨウ素酸酸化法(Nakane法)もある。チオ
ール基を利用する場合には、例えば一方の側のカルボキ
シル基をサクシンイミドエステル化してこれにシスティ
ンを反応させてチオール基を導入し、チオール基反応性
二価架橋試薬を用いて双方を結合することができる。フ
ェニルを利用する方法としてはジアゾ化法、アルキル化
法などがある。結合方法はこれらの例示に限られるもの
ではなく、このほか例えば「Method in Immunology and
immunochemistry」あるいは石川、河合、宮井編「酵素
免疫測定法」(医学書院、1978年発行)等の成書に記載
されている方法のなかから適宜選択して利用することが
できる。反応後はゲル濾過法、イオン交換クロマトグラ
フィー、アフィニティークロマトグラフィーなどを適宜
組み合せて精製を行い、必要により凍結乾燥法等で乾燥
する。
一方、結合物の酵素と同種の酵素が検体に含まれてい
る場合には、この検体中の酵素を阻害する程度が前記の
結合物に結合されている酵素の活性を阻害する程度より
大きい酵素阻害物質を接触させるのがよい。
この酵素阻害物質は検体に含まれている酵素を完全に
失活させかつ結合物に結合されている酵素を全く阻害し
ないものが最も望ましいことはいうまでもないが、実用
上は単に測定時においてブランク値を上昇させなければ
よく、測定後に酵素阻害物質が失活するなどしてこの酵
素活性が回復してもよい。この酵素阻害物質の作用が問
題になるもう一方の酵素は、抗体に結合されている状態
のものであり、遊離状態では酵素阻害物によって失活す
るものであってもよい。この酵素阻害物質にはこのよう
な特異性を有する公知の酵素阻害物質を利用すればよい
が、そのほか、検体に含まれている酵素を温血動物に投
与してその抗体を取得し、これを酵素阻害物質として用
いることもできる。抗体の取得方法は前述のリガンドに
対する抗体の取得方法と同様である。
本発明は更にリガンドによる酵素活性の低下が不充分
な場合には、リガンドの他の決定基を認識し得る第2抗
体の使用が好ましい。第2抗体としては例えば、抗原を
マウス免疫して、モノクローナル抗体を取得し、その中
でお互いに異なる2種以上の抗原決定基に反応する抗体
を得、この異なる一方の抗体を第2抗体として用いるこ
ともできる。
本発明の乾式免疫分析要素は公知の多種の乾式分析要
素と同様の層構成とすることができる。分析要素は多孔
性層、後述する試薬層のほか、支持体、展開層、検出
層、光遮断層、接着層、濾過層、吸水層、下塗り層その
他の層を含む多重層の構成を有してもよい。かような分
析要素として、米国特許第3,992,158号、同4,042,335号
および特開昭55−164356号各明細書に開示されたものが
ある。
光透過性水不透過性支持体を用いる場合、本発明の乾
式免疫分析要素は、実用的に次のような構成を採りう
る。もちろん本発明はこれに限定されるわけではない。
(1)支持体上に試薬層、その上に展開層を有するも
の。
(2)支持体上に検出層、試薬層、展開層をこの順に有
するもの。
(3)支持体上に試薬層、光反射層、展開層をこの順に
有するもの。
(4)支持体上に検出層、試薬層、光反射層、展開層を
この順に有するもの。
(5)支持体上に検出層、光反射層、試薬層、展開層を
この順に有するもの。
(6)支持体上に第二試薬層、光反射層、第一試薬層、
展開層をこの順に有するもの。
(7)支持体上に検出層、第二試薬層、光反射層、第一
試薬層、展開層をこの順に有するもの。
(8)支持体上に検出層、免疫反応試薬含有展開層をこ
の順に有するもの。
(9)支持体上に検出層、光反射層、免疫反応試薬含有
展開層をこの順に有するもの。
上記(1)ないし(5)において試薬層は異なる複数
の層から成ってもよい。また、試薬層は免疫反応しうる
成分を含む免疫試薬層であってもよい。支持体と試薬層
または検出層との間には吸水層を設けてもよい。上記
(1)ないし(3)と(6)において試薬層と検出層ま
たは展開層の間に濾過層を設けてもよい。
上記(3)ないし(7)において光反射層と検出層、
試薬層または展開層との間、試薬層と検出層との間また
は試薬層と展開層との間に、さらに濾過層を設けてもよ
い。試薬層が複数層から成る場合に、試薬層と試薬層の
間にさらに濾過層を設けてもよい。試薬層、検出層は後
述する多孔性と同様な多孔性試薬層、多孔性検出層であ
ってもよい。
光透過性水不透過性支持体の材料として好ましいもの
はポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンである。
親水性層を強固に接着させるため通常、下塗り層を設け
るか、親水化処理を施すことが好ましい。
支持体としては光反射性又は光不透過性(不透明)で
水不透過性の支持体も用いることができる。光反射性又
は不透明支持体の例として、二酸化チタン微粒子又は硫
酸バリウム微粒子を分散含有させた白色又は乳白色不透
明ポリエチレンテレフタレートがある。
本発明の乾式分析要素の水浸透性層としては、親水性
ポリマーを結合剤とする実質的に均一の層のほか、例え
ば特開昭58−701635号、特開昭61−4959号、特願昭60−
256408号、同60−279859号、同60−279860号、同60−27
9861号等に記載されているような多孔性層も好適であ
る。親水性ポリマーとして例えば、ゼラチンおよびこれ
らの誘導体(例えばフタル化ゼラチン)、セルロース誘
導体(例えばヒドロキシメチルセルロース)、アガロー
ス、アクリルアミド共重体、メタアクリルアミド共重
体、アクリルアミドまたはメタアクリルアミドと各種ビ
ニル性モノマーとの共重合体等が利用できる。
多孔性層を構成する材料としては、例えば濾紙、不織
布、織物布地(例えば平織布地)、編物生地(例えば、
トリコット編布地)、ガラス繊維濾紙等を用いることが
できる。展開層としては、これらのうち織物、編物等が
好ましい。織物等は特開昭57−66359号に記載されたよ
うなグロー放電処理をしてもよい。展開層には、展開面
積、展開速度等を調節するため、特開昭60−222770号、
特開昭61−122875号、61−122876号、61−143754号に記
載したような親水性高分子あるいは界面活性剤を含有し
てもよい。
免疫反応試薬層は、本発明の分析要素の主要な免疫反
応試薬組成物の成分である。
(A) 酵素の作用により検出可能な水溶性物質を放出
する水不溶性高分子基質、及び、 (B) 検体中のリガンドと反応する抗体と前記水不溶
性高分子基質に作用しうる酵素との結合物であるところ
の酵素抗体結合物、所望により更には第2抗体の一部又
は全部を含有する多孔性層である。水不溶性高分子基質
の含有量は約1.0mg/m2〜約100mg/m2、好ましくは約1.0m
g/m2〜約10mg/m2、そして酵素抗体結合物の含有量は約
0.1mg/m2〜約100mg/m2、好ましくは約1.0mg/m2〜約10mg
/m2が適当である。
免疫反応試薬層は、互いに隣接する複数の層からなり
たっていてもよい。この場合、上記各成分は複数の層に
わかれて含有されていてもよい。
さらに詳しくは、本発明の乾式分析要素において、酵
素抗体結合物(L)、水不溶性高分子基質(S)は下表
に記載のような組合せで乾式免疫分析要素に含有されて
もよい。
○の中の数字は分析要素の態様を示す番号である。
いずれの態様においても、試薬層の支持体と反対側に
展開層を設けてもよいし、試薬層が展開層をかねていて
もよい。また上記〜において、L、S以外の試薬
(例、呈色試薬)を含有する試薬層をさらに設けてもよ
い。
本発明の分析要素の試薬層に含有させることができる
緩衝剤の例としては、炭酸塩、ホウ酸塩、燐酸塩や「Bi
ochemistry」,(2),467−477(1966)に記載され
ているGoodの緩衝剤などを挙げることができる。これら
の緩衝剤は「蛋白質・酵素の基礎実験法」(堀尾武一ほ
か著、南江堂、1981年)、前記「Biochemistry」等の文
献を参考にして選択することができる。
多孔性層を展開層として利用する場合、液体計量作用
(メータリング作用)を有する層であることが好まし
い。液体計量作用とは、その表面に点着供給された液体
試料を、その中に含有している成分を実質的に偏在させ
ることなく面の方向上に単位面積当たりほぼ一定量の割
合で広げる作用である。
多孔性層を接着し積層するための接着層を試薬層、光
反射層、濾過層、吸水層、検出層等の層の上に設けても
よい。接着層は水で膨潤したときに多孔性層を接着する
ことができるような親水性ポリマー、例えばゼラチン、
ゼラチン誘導体、ポリアクリルアミド、澱粉等からなる
ことが好ましい。
光反射層は、検出層、試薬層等に生じた検出可能な変
化(色変化、発色等)を光透過性を有する支持体側から
反射測定する際に、未反応の水不溶性高分子基質の色素
等や、展開層に点着供給された被検液の色、特に試料が
全血である場合のヘモグロビンの赤色等を遮蔽するとと
もに背景層としても機能する。光反射層は、親水性ポリ
マーをバインダーとして、二酸化チタン、硫酸バリウム
等の光反射性微粒子が分散された水浸透性の層であるこ
とが好ましい。バインダーとしてはゼラチン、ゼラチン
誘導体、ポリアクリルアミド、澱粉等からなることが好
ましい。
分析要素には、光反射層を設ける代わりに、またはそ
れと同時に、展開層、試薬層、検出層等に二酸化チタン
等の光反射粒子を含有させてもよい。
本発明の乾式免疫分析要素は前述の諸特許明細書に記
載の公知の方法により調製することができる。
本発明の分析要素は一辺約15mmから約30mmの正方形ま
たはほぼ同サイズの円形等の小片に裁断し、特公昭57−
28331、実開昭56−142454、特開昭57−63452、実開昭58
−32350、特表昭58−501144等に記載のスライド枠に収
めて免疫スライドとして用いることが、製造、包装、輸
送、保存、測定操作等諸種の観点で好ましい。使用目的
によっては、長いテープ状でカセットまたマガジンに収
めて用いること、または小片を開口のあるカードに添付
または収めて用いることなどもできる。
本発明の分析要素は前述の諸特許明細書等に記載の操
作により液体試料中のアナライトであるリガンドの分析
を実施できる。例えば、約5μから約30μ、好まし
くは約8μから約15μの範囲の全血、血漿、血清、
リンパ液、尿等の水性液体試料滴を展開層に点着し1分
から10分の範囲で、約20℃から約40℃の範囲の実質的に
一定の温度で、好ましくは37℃近傍の実質的に一定の温
度でインクベーションし、要素内の発色又は変色を可視
光又は紫外光の吸収極大波長またはその近傍の波長の光
を用いて光透過性支持体から反射測光し、予め作成した
検量線を用いて比色測定法の原理により液体試料中のリ
ガンドの含有量を求めることができる。あるいは、要素
内の蛍光の強度を測定し、予め作成した検量線を用いて
液体試料中のリガンド含有量を求めることができる。点
着する液体試料の量、インクベーション時間及び温度を
一定にすることによりリガンドの定量分析を高精度で実
施できる。光反射性又は不透明支持体を用いる態様にお
いては、分析要素内の発色又は変色を支持体と反対側の
最外層側から反射測定する。
測定操作は特開昭60−125543、特開昭60−220862、特
開昭61−294367、特開昭58−161867等に記載の化学分析
装置により極めて容易な操作で高精度の定量分析を実施
できる。
(作用) 本発明においてはリガンドの結合の有無による酵素抗
体結合物の移動の容易さの差と立体障害による酵素活性
の低下を利用して検体中のリガンド量の測定を可能にし
ている。
すなわち、まず検体中にリガンドがない場合、検体中
の水分によって酵素抗体結合物はそのまま層内を移動
し、水不溶性高分子基質に辿り着いて酵素活性を充分に
発揮することができ、その結果酵素活性が大きく発揮さ
れて水不溶性高分子基質から放出される検出可能な水溶
性物質の量が多くなる。一方、検体にリガンドがある場
合、検体中のリガンドが酵素抗体結合物と結合する。検
体中のリガンドが結合した酵素抗体結合物は層内を移動
しにくくなりリガンドによる立体障害もあるため酵素活
性が低く現れて水不溶性高分子基質から放出される検出
可能な水溶性物質の量が少なくなる。検体中のリガンド
量が減ればその分だけリガンドの結合していない酵素抗
体結合物の量が増しそれに従って酵素活性が上昇する。
本発明はこの原理によってリガンド量の測定を行ってい
る。
反応構成を図式で示せば次の通りである。
本発明の分析要素においては、多孔性層に含まれてい
る水不溶性高分子基質に酵素抗体結合物の酵素が作用す
ることによって放出された水溶性物質が検体中の水分の
層内に移動に従ってその下の水浸透性層に移行して通常
はこれが測定される。その際、水不溶性高分子基質の色
素は光遮蔽層あるいは多孔性層の光遮蔽能力によって遮
蔽される。水不溶性高分子基質から放出された水溶性物
質がその下の水浸透性層で発色反応する場合はこの遮蔽
は不要である。
(合成例) (1)酵素抗体結合物の合成 CHM化アミラーゼの作製 バチルス・サブチリスアミラーゼ5mgをpH6.3の0.1Mグ
リセロ燐酸1mlに溶かし、CHMS2mg/mlのDMF溶液100μ
を加えて室温で1時間放置して反応させた。この反応液
をセファデックスG−25のカラムに入れ、pH6.3の0.1M
グリセロ燐酸を流してゲル濾過を行ない、素通り分画を
分取した。
抗ヒトフェリチンヤギIgGF(ab′)の作製 抗ヒトフェリチンヤギIgG10mg(0.1M酢酸緩衝液(pH
4.2)2mlにペプシン0.5mgを加え、37℃一夜攪拌し、0.1
N−NaOHを加えてpHを7.0に調節した。この反応液を予め
0.1M燐酸緩衝1mMEDTA溶液(pH7.0)で平衡化したAcA−4
4分子量約10万付近に溶出されたピークの部分を集めて1
mlに濃縮し、目的の抗ヒトフェリチンヤギIgGF(ab′)
を得た。
α−アミラーゼ−抗ヒトフェリチンヤギFab′結合物
の作製 抗ヒトフェリチンヤギF(ab′)26mgを含む1mMEDTA
含有0.1M燐酸緩衝液(pH7.0)mlに0.1M 2−メルカプト
エチルアミン塩酸塩水溶液100μを加え、37℃で2時
間インキュベーションした。この反応液を予め0.1Mグリ
セロ燐酸水溶液(pH7.0)で平衡化したセファデックス
G−25のカラムで分離しFab′−SH5mgを分取した。この
Fab′−SH溶液に上記CHMアミラーゼ0.62mg加え、4℃、
一夜放置した。PEG−2000で1mlに濃縮後、予め0.1M酢酸
緩衝液(5mM塩化カルシウム含有pH7.0)で平衡化したセ
ファクリルS−300カラムでゲル濾過し、分子量20−30
万ダルトン前後の蛋白分画を分取し、目的の結合物を得
た。
(2)水不溶性ダイスターチの調製 40gのカルボキシメチルスターチ(木村産業社製、製
品名エクスプロタブ)を1500mlの蒸留水に懸濁させて、
これに8gのダイアミラーブリリアントブルー(Diamira
Brilliant Blue)R(C.I.Number 61200;三菱化成工業
社製)を加え、室温で30分間攪拌した。その後、この懸
濁液に150gの無水硫酸ナトリウムを加えて、さらに室温
で30分間攪拌した後45gの炭酸ナトリウムを添加し、45
℃で一夜攪拌した。それから、この懸濁液を遠心し上清
を除いて沈澱物に蒸留水を加え、再び懸濁した後遠心し
た。この懸濁、遠心の操作を上清の着色がなくなるまで
繰り返した。最後に沈澱をエタノールで洗って乾燥し
た。
実施例1 ゼラチン下塗層が設けられている厚さ180μmの無色
透明ポリエチレンテレフタレート(PET)シート(支持
体)の上に下記の被覆量になるように架橋剤含有吸水層
を水溶液を用いて塗布し、乾燥して設けた。
アルカリ処理ゼラチン 10m/m2 ノニルフェノキシポリグリシドール(平均10グリシドー
ル単位含有) 330mg/m2 ビス〔(ビニルスルホニルメチルカルボニル)アミノ〕
メタン 400mg/m2 吸水層の上に下記の被覆量で乾燥層厚5μmになるよ
うにして接着層を水溶液を用いて塗布し、乾燥して設け
た。
アルカリ処理ゼラチン 6.7g/m2 ノニルフェノキシポリグリシドール(平均10グリシドー
ル単位含有) 600mg/m2 ついで、接着層の表面に水を30g/m2の割合でほぼ一様
に供給して湿潤させ、その上に公称孔径3.0μm、厚さ
約140μmのセルロースアセテートメンブランフィルタ
ーをラミネート接着し、多孔性検出層とした。
ついで多孔性検出層の上に、下記組成の免疫反応用試
薬組成物を含有させた、50デニール相当のPET紡績糸36
ゲージ編した厚さ約250μmのトリコット編物布地をラ
ミネート接着して多孔性展開層を設けた。
α−アミラーゼ−抗ヒトフェリチンヤギFab′結合物
(合成例(1)) 2mg/m2 ノニルフェノシポリエトキシエタノール(平均10オキシ
エチレン単位含有) 500mg/m2 ダイスターチ(合成例(2)) 7.2g/m2 これを一辺15mmの正方形チップに裁断し、特開昭58−
32350記載のスライドの枠に収めてフェリチン分析用多
層分析スライドとした。
性能評価実験 前記のフェリチ分析用多層免疫スライドの展開層に、
既知量のフェリチンを含有するpH7の50mMグリセロ燐酸
緩衝溶液20μ滴下した。37℃で30分間反応後、支持体
側より640nmの反射光学濃度を測定した。結果は第1図
に示す。
第1図の検量線より、本発明のフェリチン分析用乾式
免疫分析要素はフェリチンの定量が精度よく実施できる
ことがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1のフェリチン分析用乾式免疫分析要素
の検量線を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芦原 義弘 東京都新宿区下落合4丁目6番7号 富 士レビオ株式会社内 (72)発明者 平岡 俊景 埼玉県朝霞市泉水3丁目11番46号 富士 写真フイルム株式会社内 (72)発明者 西薗 功 東京都新宿区下落合4丁目6番7号 富 士レビオ株式会社内 (72)発明者 景山 茂樹 埼玉県朝霞市泉水3丁目11番46号 富士 写真フイルム株式会社内 (72)発明者 谷本 徹二 東京都新宿区下落合4丁目6番7号 富 士レビオ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−80050(JP,A) 特開 昭57−67860(JP,A) 特開 昭59−102388(JP,A) 特開 昭62−135766(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、一体化された少なくとも2つ
    の水浸透性層を有し、該水浸透性層のうち少なくとも1
    層は多孔性層であって該多孔性層と支持体の間に少なく
    とも1つの水浸透性層が存在している、検体中のリガン
    ドの測定のための酵素免疫分析法による乾式免疫分析要
    素であって、前記多孔性層中に、 (A) 酵素の作用により検出可能な水溶性物質を放出
    する水不溶性高分子基質、及び、 (B) 検体中のリガンドと反応する抗体と前記水不溶
    性高分子基質に作用しうる酵素との結合物であるところ
    の酵素抗体結合物、 を含有することを特徴とする乾式免疫分析要素
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