JP2615057B2 - 高温還元性ガスの精製法 - Google Patents

高温還元性ガスの精製法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高温還元性ガスの精製法に関し、例えば石
炭ガス化プロセスの生成ガスのような高温の還元性ガス
に含まれる硫化水素,硫化カルボリル等の硫黄化合物を
合理的に除去する方法に関する。
〔従来の技術〕
近年、石油資源の枯渇、価格の高騰から燃料(又は原
料)の多様化が叫ばれ、石炭や重質油(タールサンド
油,オイルシエール油,大慶原油,マヤ原油,あるいは
減圧残油など)の利用技術の開発が進められている。石
炭や重質油をガス化して発電や燃料及び合成原料とする
技術は、その代表的な一例である。
しかし、このガス化生成ガスには原料の石炭や重質油
によつて異なるが、数100〜数1000ppmの硫化水素,硫化
カルボニル等の含硫黄化合物を含み、公害防止上あるい
は後流機器の腐食防止のため、除去する必要がある。
この除去方法としては、乾式法が熱経済的にも有利
で、プロセス構成も簡素なことから、金属酸化物を主成
分とする吸収剤を高温で硫化物として吸収除去する方法
が一般的になつている。吸収剤としてはFe,Zn,Mn,Cu,M
o,Wなどの金属酸化物が使用され、250〜500℃で硫化水
素(H2S)や硫化カルボニル(COS)と反応させるが、H2
SとFe2O3の場合を例に説明すると、吸収反応は(1)〜
(4)式に示すように進むとされている。
3Fe2O3+H2→2Fe3O4+H2O ……(1) 3Fe2O3+CO→2Fe3O4+CO2 ……(2) Fe3O4+H2+3H2S→3FeS+4H2O ……(3) Fe3O4+CO+3H2S→3FeS+3H2O+CO2 ……(4) 次いで、吸収反応後の吸収剤は酸素含有ガスで(5)
式に示すように元の金属酸化物に再生され、この吸収,
再生反応の繰返して高温還元性ガス中の硫黄化合物はSO
2ガスとして回収除去される。
4FeS+7O2→2Fe2O3+4SO2 ……(5) このプロセスで使用される吸収剤は、前述の金属酸化
物を単独あるいは耐熱性の多孔質物質に担持したもの
を、移動床方式の場合は球状や円柱状に成形したもの
が、固定床方式の場合はハニカム状に成形したものが通
常使用される。
石炭ガス化ガスのような還元性ガスから硫黄化合物を
除去して精製されたガスは、エネルギー源として利用さ
れるので、CO,H2濃度を安定して製造するプロセスが好
ましく、(1)式,(2)式の反応を極力抑制しなけれ
ばならない。流動床,移動床方式では、吸収工程と再生
工程が連続的に繰返されるので、この技術的課題は克服
しやすいが、固定床方式では、吸収工程と再生工程を断
続的に繰返すので、再生後の吸収反応開始時に精製ガス
中のCO,H2濃度が一時的に低下し、高温還元性ガスの精
製方法としては実用上好ましくない。
そこで本発明者らは、固定床反応器を三塔順次切替え
て、高温還元性ガス中に含まれる硫黄化合物を吸収除去
する工程、次いで該硫黄化合物を吸収した吸収剤を酸素
含有ガスで再生する工程、次いで再生された吸収剤を高
温還元性ガスで該吸収剤前後の精製対象となる還元性ガ
ス濃度が同一になるまで還元する工程を連続的に繰返す
ことにより、精製ガス中の還元性ガス濃度を安定化させ
る高温還元性ガスの精製法を提案した(特願昭60−8541
2号)。
また、本発明者らは、本発明と同日付にて硫酸塩の生
成を抑制し、吸収剤の再生反応を十分に行わせるため
に、再生工程の処理ガス温度を吸収工程のそれより高く
する場合の、固定床反応器の工程切替をスムーズに行う
方法として、吸収剤を充填した反応器を少くとも三塔使
用し、吸収,予備再生,再生および還元の四工程で構成
する高温還元性ガスの精製方法を提案した。即ちこの方
法では、吸収工程と再生工程間に予備再生工程を設ける
ことにより、再生反応の対象となる吸収剤は、再生反応
に必要な温度に到達後に再生反応が行われるので、硫酸
塩の生成が防止され、かつ吸収工程と再生工程切替時の
ガス流れの連続性維持が可能となる利点を有している。
一方、石炭ガス化複合発電は、原子力発電のピークロ
ード対策として運用するのに適しているといわれてお
り、高温還元性ガスの精製も運転負荷許容範囲が広い
程、好ましいといえる。例えば、高温還元性ガス中の硫
黄化合物含有量と処理ガス流量が減少するような低負荷
時にも安定した再生運転を維持することが好ましい。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、石炭ガス化複合発電のように、前流のガス
化炉の運転負荷の如何にかかわらず、あらゆる運転条件
下において、ガス化ガス中の硫黄化合物の吸収除去(ガ
ス精製)を、通常と変らず安定して維持できる方法を提
供するものである。
一般に、石炭ガス化複合発電では、幅広い炭種に適合
できるようにシステム全体が設計されている。その結
果、ガス化炉からのガス化ガスに含まれる硫黄化合物
(H2O,COS等)濃度は、200〜2000ppmと幅広く変化す
る。また、ピークロード対策用の場合、吸収工程に導入
されるガス流量変化が頻繁になる。従つて、このガス化
ガス中の硫黄化合物の吸収除去は、低硫黄化合物量の場
合でも安定した運転が可能となるようにしなければ実用
性は低いと言える。
本発明は、このような問題に対応できる高温還元性ガ
スの精製法を提供するものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、高温還元性ガスに含まれる硫化水素,硫化
カルボニル等の硫黄化合物を除去する方法において、該
硫黄化合物を吸収剤で吸収除去する工程、該硫黄化合物
を吸収した該吸収剤を再生反応に必要な温度に達するま
で昇温させる予備再生工程、再生反応温度に到達した該
吸収剤を酸素含有ガスで再生する工程、再生された該吸
収剤を高温還元性ガスで該吸収剤前後の還元性ガス濃度
が同一になるまで還元する工程の四工程で構成すると共
に、上記の再生工程に循環させるガス量を調節するか、
又はこの再生循環ガス量の調節と再生工程に供給される
高温還元性ガスの燃焼熱の利用とにより、低負荷時の吸
収,再生の性能を安定化させることを特徴とする高温還
元性ガスの精製法である。
〔作用〕
吸収反応後の吸収剤を再生して硫黄化合物を吸収でき
る状態にする場合、再生反応温度が低い程、(6)〜
(9)式のような硫酸塩生成反応が起りやすくなる。こ
れらの硫酸塩が吸収剤内部に残留し、細孔を閉塞させる
と、高温で再生させても完全に脱離させることができ
ず、吸収剤の性能低下をきたす。
FeS+2O2→FeSO4 ……(6) 2FeS+SO2+5O2→Fe2(SO4 ……(7) 2Fe2O3+4SO2+O2→4FeSO4 ……(8) 2Fe2O3+6SO2+3O2→2Fe2(SO4 ……(9) 従つて、上記硫酸塩を副生させないようにするため
に、再生反応温度は吸収剤の耐熱性が許す限り高く設定
され、吸収工程の処理ガス温度300〜500℃とは100〜600
℃の温度差となる。従つて、固定床方式において、吸収
反応から再生反応に移行させる時に、切替当初から再生
反応温度に到達させる手段として予備再生工程を設ける
のは安定した再生運転を達成する上で必要である。
しかし、石炭ガス化複合発電ではビークロード対策と
して負荷変動運転が行われ、また原料石炭の硫黄含有量
が0.3%〜3.0%と幅広く、ガス化ガス中の硫黄化合物濃
度は200〜2000ppmと幅広く変化する。従つて、ガス化ガ
ス中の高硫黄化合物の除去のみならず、低硫黄化合物に
ついても連続的に安定した除去ができるようにしておく
必要がある。そして、ガス化炉で低硫黄炭を使用する場
合には、再生反応熱の発生が少なく、その反応熱だけで
は再生反応系内の熱バランスがとれなくなることが予想
される。このような場合に、本発明では、再生系の循環
ガス流量を減少させる調節、又はこの調節と再生反応器
にガス化ガスの一部を供給して該反応器内で燃焼させる
ことによる燃焼熱で再生系の補熱を行うことを併用し
て、安定した再生運転を維持する作用をなす。
〔実施例〕
第1図は、本発明方法の一実施態様を示す図である。
第1図では、吸収剤20が充填された同一構造の反応器
17,18,19を(1)式,(2)式による還元工程、(3)
式,(4)式による吸収工程、(5)式による再生工程
と順次切替えていく実施態様を示しているが、本発明は
固定床式に限定されるものではなく、還元ガス中のH2S,
COS等の硫黄化合物を吸収剤で吸収除去後、(5)式に
よる再生を繰返すプロセスなら流動床式,移動床式を問
わず適用できる。また、三塔以上の固定床式にも適用で
きるのはいうまでもない。さらに、吸収剤の組成,形状
に何ら限定されるものではないが、ここではFe2O3を吸
収剤とする場合につき説明する。
H2S,COS等の硫黄化合物を含有する高温還元性ガス1
は、例えば石炭のガス化ガスを集塵装置でダスト濃度10
mg/Nm3程度まで脱塵したものであり、石炭の種類やガス
化条件で異なるがダスト以外に数10〜数1000ppmのH2S,C
OS,NH3及びハロゲン等が含まれており、ガス温度はガス
化炉出口部での熱回収により250〜500℃、圧力はガス化
炉の形式により異なるが常圧〜25kg/cm2Gである。
第1図は反応器17で吸収工程を、反応器18で予備再生
工程を、反応器19で再生工程を行つている状態を示して
いる。
脱塵ガス化ガス1は流路切替バルブ2を介して反応器
17に供給され、該ガス中の硫黄化合物が通常300〜500℃
で(3)式,(4)式によつて吸収剤20に吸収除去さ
れ、流路切替バルブ30を介して精製ガス33となり、後流
のガスタービンに供給される。
予備再生工程は吸収工程終了後の系内ガス温度を再生
反応に必要な温度まで昇温するための工程であり、第1
図では再生工程の生成ガス(硫黄回収後)を予備再生工
程に循環させるフローを示している。吸収工程から予備
再生工程に切替えられた直後の吸収剤20の温度は通常30
0〜500℃と再生反応必要温度500〜900℃より低く、
(6)〜(9)式に示すような硫酸塩の生成を引起す。
そして吸収剤に蓄積された硫酸塩は、還元工程で還元さ
せることにより、あるいはより高温で再生反応させるこ
とにより、大部分が分解して酸化鉄(Fe2O3)となる
が、吸収剤の微小細孔に入つた硫酸塩は完全に分解しな
いので、固定床式のように運転中の吸収剤交換が自由に
行えない場合は、吸収剤の性能低下につながる。従つ
て、反応器18の温度が低い時は、極力再生反応を生起さ
せないのが好ましい。再生工程と予備再生工程間に硫黄
回収工程を設けて循環系を形成すると、再生反応で酸素
が消費されるので、予備再生工程には酸素を含有せず、
SO2濃度が低下した高温ガスが導入されることになり、
予備再生構成の反応器内部温度は、再生反応を伴なわな
くても上昇する。
即ち、再生反応中の反応器19を出たガス37は、流路切
替バルブ29、熱交換器39、SO2還元及び硫黄回収装置4
2、硫黄コンデンサー60、ブロワ45、流路切替バルブ47,
15を経て、反応器18に通気される。熱交換器39で加熱さ
れたガス50の温度は、通常の再生入力ガス温度と同じで
あるから、吸収工程から予備再生工程に切替えると直ち
に反応器18の昇温が開始される。そして反応器18を通過
したガス36(流路切替バルブ56経由)は、空気又は酸素
含有ガス52(流路切替バルブ54経由)と共に再生循環ガ
ス51となり、流路切替バルブ13を介して、再生工程の反
応器19に導入され、再生反応を促進する。
再生反応で生成するSO2ガスの除去には各種方法があ
るが、ここでは(10)〜(13)式のSO2還元反応、(1
4)式のクラウス反応と(15)式の加水分解反応との組
合せによる単量硫黄としての回収除去法で説明する。
SO2+3H2→H2S+2H2O ……(10) SO2+3CO→COS+2CO2 ……(11) 2SO2+4H2→S2+4H2O ……(12) 2SO2+4CO→S2+4H2O ……(13) 2H2O+SO2→3/xSx+2H2O(x=2〜8) ……(14) COS+H2O→H2S+CO2 ……(15) SO2還元反応に必要な還元ガス35は、流路切替バルブ3
4を介して、吸収工程後の精製ガス33の一部がSO2還元及
び硫黄回収装置42に供給され、再生工程後のガス41に含
まれるSO2ガスは、(10)〜(13)式によりH2S,COS,単
量硫黄となる。次いで、(14),(15)式の反応後に、
130〜250℃に冷却し、単量硫黄43を系外に回収除去する
ことによつて、再生反応で生成するSO2ガスの大部分を
除去した処理ガス44となる。なお、ここで使用する還元
ガス35は、未精製のガス化ガス1でも差支えないのは当
然である。
熱交換器39で再生反応の必要温度まで昇温されたガス
50の一部49は、還元ガス35の量、再生反応の酸素源とし
て供給される空気又は酸素含有ガス52の供給量と、系外
に回収除去される単量硫黄43の量などを考慮に入れて、
吸収工程中の反応器17に供給される。また、吸収工程に
供給されるガス49は、通常、吸収反応必要温度より高い
ので、熱交換器39で加熱される前のSO2回収除去ガス44
(流路切替バルブ48経由)を混合調節することで対処す
る。そして、SO2還元及び硫黄回収工程でSO2回収除去し
たガス44(=49)は、未反応のSO2,H2S,COS並びにガス
状硫黄を若干含有しているので、流路切替バルブ8を介
して、吸収工程を行つている反応器17に導入して、吸収
反応させて、系内のバランスとガス精製を両立させる。
このようにして予備再生工程の反応器18が再生反応必
要温度に到達したら、再生工程の反応器19との流量バラ
ンスを考慮の上、流路切替バルブ46、57を開に、56を閉
にすると共に、空気又は酸素含有ガス52を流路切替バル
ブ53を介して、循環ガス50ラインに供給し、反応器18の
再生を行う。そして、反応器18の出口ガス36(流路切替
バルブ25経由)はSO2還元及び硫黄回収装置42で処理さ
れる。
一方、再生工程が終了した反応器19を還元工程に切替
えるために、流路切替バルブ13,29を閉に、7,21を開に
して、脱塵ガス化ガス1の一部を通気させる。なお、還
元工程開始時は、反応器19内に残存する微量のSO2ガス
をSO2還元及び硫黄回収装置42で処理するために、流路
切替バルブ21を開にする前に、短時間流路切替バルブ26
を開にして、SO2ガスが無くなつたことを確認後、流路
切替バルブ21を開に、26を閉にして、反応器19の出口ガ
スを吸収工程の反応器17の中間に導入する。ここで、還
元反応後のガスを、そのまま流路切替バルブ32を介し
て、精製ガス33に混合させないのは、以下の理由によ
る。
即ち、再生工程での運転管理ミス等による反応器19内
部の温度低下で再生が不十分であつたり、あるいは経時
的な性能低下現象で吸収剤20に硫酸塩が蓄積すると、該
硫酸塩が還元ガス中のH2,COと(16)〜(22)式のよう
な反応を起し、SO2,H2S等の硫黄化合物が発生する。
FeSO4+2/3H2→1/3Fe3O4+SO2+2/3H2O ……(16) Fe2(SO4+10/3H2→2/3Fe3O4+3SO2+10/3H2O ……(17) Fe2(SO4+10H2→2FeS+SO2+10H2O ……(18) FeSO4+2/3CO→1/3Fe3O4+SO2+2/3CO2 ……(19) Fe2(SO4+10/3CO→2/3Fe3O4+3SO2+10/3CO2 ……(20) Fe2(SO4+10CO→2FeS+SO2+2H2O ……(21) SO2+3H2→H2S+2H2O ……(22) この硫黄化合物のかなりの部分は、還元工程で吸収除
去されるが、一部は還元処理後のガスに含有され、その
硫黄化合物濃度は吸収剤20に蓄積している硫酸塩の量に
よつては無視できない程高い場合もあるので、還元処理
後のガスを吸収工程出口の精製ガス33に混合させるのは
好ましくないからである。
上記のようにして反応器19再生工程から還元工程に切
替えると同時に、反応器18を予備再生工程から再生工程
に切替え、吸収剤20に吸収されている硫黄分をSO2ガス
とし、SO2還元及び硫黄回収装置42を経由して、系外に
排出する。
このように吸収工程,予備再生工程,再生工程,還元
工程を順次切替えていくことで、吸収反応温度より再生
反応温度が高い場合でも、吸収剤の吸収性能,再生性能
は安定化する。
一方、ガス化炉の負荷変動,炭種変更などにより精製
の対象となる処理ガス量、硫黄化合物の含有量が変動し
ても、吸収性能と再生性能を安定化させることが実用上
強く要求される。
例えば、H2S,COS等の硫黄化合物を含有する高温還元
性ガス1の流量が減少したり、あるいは低硫黄炭を使用
する場合には、(3)式、(4)式の吸収反応で生成す
る吸収剤中のFeS量が通常より少なくなり、再生工程の
負荷が低減される。従つて、再生反応を通常の負荷と同
じ循環ガス流量で行うと、短時間で反応が終了し、再生
工程の時間経過に伴ない再生反応熱量が減少する。その
ため、再生工程の反応器19内部温度及び出口ガス温度
が、通常負荷時より相対的に低くなるので、安定した再
生運転を維持するには補熱が必要となる。
この補熱方法としては、系外からCO,H2などの可燃性
ガスを含有するガス化ガス1を供給し、該ガス1と酸素
との燃焼反応による燃焼熱の利用が考えられる。しか
し、ガス化ガス1のこのような使用は、ガス精製の後流
側で使用すべきCO,H2などを消費することになり、ガス
精製システムの経済性を高める観点からは極力避けるべ
きである。
従つて、低負荷時も安定した連続運転を維持するため
に、本発明では、再生ガス循環量を減少させて、再生反
応時間を延長させることで対処する。低負荷時の再生ガ
ス循環ラインは、前述の通常負荷時と同じであるが、ブ
ロワ45の保護のために次の手段を講じる。すなわち、通
常、ブロワは吸引ガス量が減少すると冷却不足となり過
昇温の状態になるので、ブロワの吸引ガス量は一定にす
ることが好ましい。従つて、再生ガス循環流量の減少に
伴い、流路切替バルブ58を介して、SO2回収除去ガス44
の一部59をクラウス反応後の最終硫黄コンデンサー60の
前に戻して、ブロワ45では通常負荷時と同一のガス量を
確保するようにする。
上記の再生循環ガス量の調節だけで再生反応系内の補
熱ができない場合には、本発明ではさらに再生工程の反
応器19に流路切替バルブ7を介して高温還元性ガス1を
供給してH2,CO可燃性ガスの燃焼反応による燃焼熱の利
用による補熱を行う。
なお、第1図では、反応器で吸収と再生操作を並流に
して行うフローの例を示しているが、その操作を向流
(逆流)にして行うこともできる。
今、100%負荷時のガス化ガス1のガス量が800,000Nm
3/H(発電量500MW相当)で、ガス組成がH2S 1500ppm、C
O 25.1%、H2 9.1%、CO2 5.0%、H2O 5.0%、N2残と
し、以下の条件を与えて本実施態様の負荷変化に対する
ガス化ガス1及び再生空気52使用量についての計算を行
つた。この結果は第2図に示す通りである。
計算条件: (1) 精製ガス化ガス33のH2S濃度は、全負荷に対し3
0ppmと一定とする。
(2) 100%負荷時の再生循環ガス量は、再生反応器1
9入口で120,000Nm3/Hとする。
(3) 再生反応器19で生成するSO2ガスの還元反応に
はガス化ガス1を使用する。
(4) 再生反応器19入口温度(T1)は全負荷に対し60
0℃とする。
(5) 再生反応器19出口ガス温度(T2)は、再生循環
系の熱放散を考慮して、再生循環ガス量(Vg)100%の
場合750〜800℃、100%未満の場合750℃とする。
(6) 再生系内の熱バランスが再生反応熱のみで維持
できない程の低負荷の場合は、再生循環ガス量を50%に
調節することと、再生反応器19へのガス化ガス1の供給
による燃焼反応とで系内の補熱を行う。
第2図の横軸は負荷で表示しているが、100%負荷は
ガス量800,000Nm3/H、H2S 1500ppmの時であり、50%負
荷はガス量400,000Nm3/H、H2S 1500ppm又はガス量800,0
00Nm3/H、H2S750ppmのいずれの場合でも適用できる。
第2図から以下のことがわかる。
75〜100%負荷の場合 特に大きな運転条件の変更をすることなく、通常の安
定した運転が可能となる。
42〜75%負荷の場合 負荷変化に応じて、再生循環ガス量を50〜100%に調
節することによつて、安定した運転が可能となる。
42%以下の負荷の場合 再生循環ガス量を50%に調節すると共に、再生反応器
内に、相当分のガス化ガスを供給し、そのガスの燃焼熱
で再生系内を補熱することによつて、安定した運転が可
能となる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、石炭ガス化複合発電のように負荷変
動,炭種変更(硫黄含有量変更)がある場合の硫黄化合
物(H2S,COSなど)の精製を安定して行うことができ
る。即ち本発明では、低負荷時には再生循環ガス量を最
大半量まで減少させると共に、ガス化ガス(CO,H2など
の可燃分を含む還元ガス)の燃焼反応熱により系内を補
熱することで、吸収剤の再生が安定して十分に行うこと
ができるので、高温還元性ガス中の硫黄化合物を吸収除
去するガス精製運転が、広負荷範囲で安定して連続的に
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施態様を説明するためのフローを
示す図、第2図は本発明実施時の負荷変化に対する再生
循環ガス量(Vg)、再生反応用空気量(Va)、SO2還元
用ガス化ガス量(Vr)、再生反応器内燃焼用ガス化ガス
量(Vc)の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10K 1/34 B01D 53/34 126 (72)発明者 世良 俊邦 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22 号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 井上 健治 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22 号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 末弘 貢 東京都千代田区丸の内2丁目5番1号 三菱重工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−245819(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高温還元性ガスに含まれる硫化水素,硫化
    カルボニル等の硫黄化合物を吸収除去する方法におい
    て、該硫黄化合物を吸収剤で吸収除去する工程、該硫黄
    化合物を吸収した該吸収剤を再生反応に必要な温度に達
    するまで昇温させる予備再生工程、再生反応温度に到達
    した該吸収剤を酸素含有ガスで再生する工程、再生され
    た該吸収剤を高温還元性ガスで該吸収剤前後の還元性ガ
    ス濃度が同一になるまで還元する工程の四工程で構成す
    ると共に、前記再生工程に循環させるガス量を調節する
    か、又はこの再生循環ガス量の調節と再生工程に供給さ
    れる高温還元性ガスの燃焼熱の利用とにより、低負荷時
    の吸収,再生の性能を安定化させることを特徴とする高
    温還元性ガスの精製法。
JP62167815A 1987-07-07 1987-07-07 高温還元性ガスの精製法 Expired - Lifetime JP2615057B2 (ja)

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