JP2615027B2 - 外来遺伝子の転写を制御するための方法及びハイブリッドプロモーター - Google Patents

外来遺伝子の転写を制御するための方法及びハイブリッドプロモーター

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は一般に、外来遺伝子の転写を制御するための
方法及びハイブリッドプロモーターに関し、特に酵母に
おいて外来遺伝子の転写を制御するための方法及びハイ
ブリッドプロモーターに関する。
[従来の技術] 細菌及び酵母を含む数多くの微生物は、生物学的にも
得られる産物を大量に製造するために有用であり、その
合成は、用いられる微生物にとっては外来のものである
遺伝子(「外来遺伝子(exogenous gene」)によりなさ
れる。特に、酵母細胞における外来遺伝子産物の生産
に、かなりの興味が向けられており、これは以下の理由
によるものである。すなわち、酵母細胞が、活性な糖タ
ンパク質遺伝子産物の発現のためにタンパク質に炭水化
物を付加すること(すなわち、グリコシル化すること)
ができ、また酵母細胞は遺伝子産物の分泌を許容するよ
うにタンパク質遺伝子産物のプロセッシングを行うこと
ができ、さらに例えばB型肺炎表面抗原(HBsAg)など
の表面抗原の免疫原性を増強するように、それら抗原を
提示することができることである。そのうえ酵母は、一
般的に安全であると考えられる(GRAS)リストに見出さ
れ、製パン及び醸造産業において、酵母の発酵のため
に、夥しい商業用の発酵技術が開発されてきている。
通常、タンパク質産物をコードする遺伝子は、2本鎖
のデオキシリボ核酸(DNA)のセグメントであり、その
2本鎖のうちの1本鎖がRNAポリメラーゼIIの作用を通
じてメッセンジャーリボ核酸(mRNA)の1本鎖へと転写
される。mRNAはタンパク質へと翻訳されて、あるものは
さらに分泌及びグリコシル化のためにプロセッシングを
受ける。遺伝子が転写されるためには、転写されるべき
第1のヌクレオチド塩基の近傍の領域において、すなわ
ち遺伝子の「上流」端部で、RNAポリメラーゼとDNAとの
間に開始複合体が形成されなければならない。次いで、
そのポリメラーゼが遺伝子に沿って下流へと移動するに
つれてmRNAが合成され、転写が終了するターミネーター
と呼ばれるDNA部位に至るまでmRNAが合成される。遺伝
子から上流にあって、転写開始複合体をプロモートする
能力のある5′−近接配列全体は、プロモーターとして
知られている。プロモーター内で、且つ、第1のヌクレ
オチドがmRNAへと取込まれる位置(転写開始複合体の開
始位置)の近傍(通常、その位置の25〜150塩基対上
流)に、TATAボックス相同体として知られる7塩基対の
配列が見出される。TATAボックス相同体は明らかに、特
定の距離だけ下流で転写開始を定めるのに必要である。
TATAボックス相同体は、コンセンサス配列である を有するが、これには若干の変異が認められる。
酵母において、上流調節配列または上流活性化配列
(UAS)と呼ばれる特定の部位が、転写開始領域の数百
ヌクレオチド上流の部位に位置している。これらUASは
特定の生理学的シグナルに応答して転写を調節する。Gu
arente、Cell、36巻、799〜800頁(1984)。
UASの1つであるUASG(上流活性化配列−ガラクトー
ス、upstream activating sequence−galactose)は、
ガラクトース代謝に関与する2つの酵素をコードする遺
伝子、すなわちガラクトキナーゼをコードするGAL 1遺
伝子とUDP−ガラクトースエピメラーゼをコードするGAL
10遺伝子との間に見出される。GAL 1及びGAL 10遺伝子
の主たる転写開始部位は、酵母クロモソームII上のDNA
の606の塩基対によって隔てられている。Johnstonら、M
ol.Cell.Biol.、4巻、1440〜1448頁(1984)。
GAL 1及びGAL 10遺伝子は、1つの遺伝子間領域から
互いに反対方向に(分岐して)転写される。GAL 1遺伝
子に対する開始点は1つのストランド上のTATAボックス
下流であり、このストランドの反対側に第2のTATAボッ
クス下流のGAL 10遺伝子に対する開始点が位置する。こ
のGAL 1/GAL 10遺伝子間領域のDNA配列が、炭素源によ
る両者の遺伝子の調節を仲介する。
Yocumら、Mol.Cell.Biol.、4巻、1985〜1998頁(198
4)。
これら遺伝子を含有する酵母細胞が、ラクトース、グ
リセロールまたはエタノールなどの、非発酵性の炭素源
中で生育されると、これらの遺伝子は、低い、基礎レベ
ルで発現される。これらの遺伝子の転写は、ガラクトー
ス中で生育させると1,000倍誘導される。一方、これら
の遺伝子は異化代謝産物による制御を受けやすく、グル
コース中で生育している細胞はガラクトースによって充
分に誘導されない。
UASGは、転写を活性化または抑制する他の遺伝子によ
って制御されている。GAL80遺伝子は、GAL4遺伝子によ
って生産されるタンパク質に結合し、そのタンパク質を
不活性化することにより機能するとの仮説がたてられて
いる、ネガティブなレギュレーターをコードしている。
ガラクトース存在下では、GAL80レギュレーターは機能
性を有さず、GAL4タンパク質が転写を活性化する。Oshi
ma、The Molecular Biology of the Yeast Saccharomyc
es:Metabolism and Gene Expression、Strathernら編、
Cold Spring Harbor Laboratory、ニューヨーク、159〜
180頁(1982)の、「遺伝子発現の調節機能:ガラクト
ースとリン酸の代謝」。GAL82遺伝子及びGAL83遺伝子を
含むいくつかの遺伝子はグルコース抑制に関与するが、
その作用機序はまだよくわかっていない。Matsumoto
ら、J.Bacteriol.、153巻、1405〜1414頁(1983)。
UASの特性は、第1のプロモーターのUASを第2のプロ
モーターの別のUASに、エンドヌクレアーゼを用いて置
換することにより、もしくは、機能を有するプロモータ
ー内にエンドヌクレアーゼを用いてUASを挿入すること
により(すなわち、外在性の(extrinsic、そのプロモ
ーター内には本来保有されない)UASによる置換または
挿入によって)調べられるであろう。Guarenteら、Pro
c.Natl.Acad.Sci.(UAS)、79巻、7410〜7414頁(198
2)、Friedら、Mol.Cell.Biol.、5巻、99〜108頁(198
5)。UASGの置換及び挿入には、以下のものが挙げられ
る。すなわち、まず、UASGを、誘導しうる遺伝子(CYC
1)のUASに置換することが挙げられる。このことについ
ては、Guarenteら、前出、が報告しているが、それによ
ると、用いられたUASGはガラクトースでの誘導能を呈す
るものの、グルコース抑制を仲介する配列を含まないよ
うであることが示唆されている。またUASGの挿入には、
構成性のプロモーター(リボソームのタンパクtcm 1及
びcyh 2)内に前記UASGを挿入することが挙げられる。
これについてはFriedら、前出、が報告しており、ガラ
クトースでの誘導能とグルコースでの抑制能の両方を呈
すると報告されている。
プロモーターの活性もしくはUAS/−プロモーターハイ
ブリッド(いわゆる「ハイブリッドプロモーター」)の
活性は、通常、そのプロモーターによって調節される遺
伝子の最終産物である特異的なタンパク質のレベルを分
析することによりモニターする。UASは、転写開始部位
から種々の距離に位置してもよく、また逆向きにしても
よい(Friedら、前出、Guarenteら、Cell、36巻、503〜
511頁(1984))。また、機能を有するUASは、用いられ
る初発DNAセグメントの副断片(sub−fragment)を構成
するかもしれない(Westら、Mol.Cell.Biol.、4巻、24
67〜2478頁(1984))。UAS/プロモーター/テスト遺伝
子の組合せは、一般的には、酵母−細菌のシャトルベク
ターの中に統合される。
プラスミドは、環状であり、染色体DNAとは独立して
複製する2本鎖DNA構造である。酵母−細菌のシャトル
ベクターは、酵母細胞の複製酵素及び因子によって認識
される、いわゆるμとよばれる複製起点などのようなDN
A複製開始部位を含む、DNAの配列を有する。また酵母−
細菌のシャトルベクターは、細菌細胞の複製酵素及び因
子によって認識される開始部位を含む、細菌プラスミド
からの複製起点も有している。Beggs、Nature、275巻、
104〜109頁(1979)、Stinchcombら、Proc.Natl.Acad.S
ci.(USA)、77巻、4559〜4563頁(1980)。これらのシ
ャトルベクターは、細菌であるEscherichia coliE.co
li)及び酵母であるSaccharomyces cerevisiaeS.ce
revisiae)の両者において複製することができ、選択及
び回収されうる。
E.coliにおいては、プラスミドを構築し増幅するのが
容易であり、S.cerevisiaeにおいては、その中でプラス
ミドが外来DNAを発現させるための形質転換ベクターと
して用いることができる。Stinchcombら、Nature、282
巻、39〜43頁(1979);Kingsmanら、Gene、7巻、141〜
153頁(1979);Tschumperら、Gene、10巻、157〜166頁
(1980)。
酵母−細菌のシャトルベクターは、酵母細胞の形質転
換に実用的に用いることができる。YRp7と称されるこの
ようなベクターの1つは、自己複製を許容する、染色体
のARS配列のみならず、N−(5′−ホスフォリボシ
ル)アントラニレートイソメラーゼと呼ばれるトリプト
ファン合成に必須の酵素をコードするTRP1遺伝子を有す
る。従って、TRP1遺伝子を、酵母細胞内にtrp1遺伝子型
を有するようなYRp7が存在するかどうかを選択するマー
カーとして用いることができ、存在しなければ、必須ア
ミノ酸であるトリプトファンを合成できないわけであ
る。Struhlら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)、76巻、10
53〜1039頁(1979)。
イソ−1−シトクロムがその産物である遺伝子CYC 1
の研究によって、適切な転写終結の重要性が立証され
た。不適切な転写終結の結果、近隣の遺伝子への転写継
続が引き起こされる。
Zaretら、Cell、28巻、563〜573頁(1982)。酵母DNA
のmRNAへの効率的な転写は、遺伝子のポリペプチドをコ
ードする領域の3′端部下流域またはその近傍に、ポリ
−Aテールと称される、アデニンを含むヌクレオチドを
有するテールが付加されるための部位、もしくは転写終
結配列またはその両方が存在することに依存するように
思われる。
このような、細菌−酵母のハイブリッドベクターは、
しばしばシャトルベクターとして言及されるが、酵母細
胞において他の生物の遺伝子(外来遺伝子)を発現させ
るのに用いることができる。B型肺炎表面抗原(NBsA
g)が、3−ホスフォグリセリン酸キナーゼ(PGK)プロ
モーター(Hitzemanら、欧州特許出願第73657号)、arg
3プロモーター(Cabezonら、欧州特許出願第106828
号)、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADHI)遺伝子のプ
ロモーター(Rutterら、欧州特許出願第72318号)、グ
リセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GP
D)プロモーター (Bitterら、Gene、32巻、263〜274頁(1984))によっ
て生産されている。別のGPDプロモーターが、タウマチ
ン様のタンパク質や、キモシン様のタンパク質の発現用
に用いられている。
Edensら、欧州特許出願第129628号。子牛のプロキモ
シン、牛の成長ホルモン、ヒト白血球インターフェロ
ン、レニン及びプロレニンも、GALプロモーターとの融
合によって酵母で発現されうる。Strausbergら、欧州特
許出願第128743号、Botsteinら、英国特許出願第213720
8 A号。
解糖系の酵素をコードする酵母の遺伝子は、高レベル
で発現される。ADHプロモーター(Hitzemanら、Nucleic
Acids Res.、10巻、7791〜7808頁(1982))及びホス
フォグリセリン酸キナーゼ(PGK)遺伝子に対するプロ
モーター(Derynckら、Nucleic Acids Res.、11巻、181
9〜1837頁(1983))などの解糖系の酵素のプロモータ
ーを用いた酵母の発現ベクターも構築されうる。
特に、解糖系の酵素であるGPDは、外来遺伝子の発現
における用途のために有望なプロモーターである。GPD
は市販のパン酵母の乾燥重量の5%を占めており(Kreb
s、J.Biol.Chem.、200巻、471〜478頁(1953))、この
酵素をコードするmRNAは、ポリ−Aを含む酵母の総mRNA
の2〜5%に相当する(Hollandら、Biochemistry、17
巻、4900〜4907頁(1978))。S.cerevisiaeは、3つ
の、タンデム構造をとらないGPDの繰り返しの構造遺伝
子を含むが、それらはすべて成長力のある生育中の酵母
において転写される。Hollandら、J.Biol.Chem.、258
巻、5291〜5299頁(1983)、Mustiら、Gene、25巻、133
〜143頁(1983)。この3つのGPD遺伝子のうちの1つの
遺伝子産物(PGAP491の遺伝子によってコードされてい
るもの)が、細胞のGPD酵素のほとんどの部分に相当す
る。Jonesら、FEBS Lett.、22巻、185〜189頁(197
2)、Hollandら、J.Biol.Chem.、258巻,5291〜5299頁
(1983)。従って、この遺伝子のGPDプロモーターは、
外来遺伝子の産物を大量に生産するのにかなり有用であ
ることが期待される。
外来遺伝子のための宿主としての、酵母の利点にもか
かわらず、ヒト免疫インターフェロン(IFN−γ)のよ
うに、いくつかの外来遺伝子産物は酵母に対する毒性が
ある。その結果、IFN−γを構成性に発現しているプラ
スミドは不安定であり、IFN−γを生産している酵母細
胞を高密度で培養することは困難である。従って、高密
度で培養できるまで外来遺伝子産物の生産を止めておく
(抑制する)ための方法のみならず、集菌時期に外来遺
伝子生産物の生産をオンにする(誘導する)ための方法
を備えることが望ましい。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者らは、酵母における外来遺伝子の転写を効果
的に制御するハイブリッドプロモーターを提供するため
に鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
[課題を解決するための手段] 本発明のハイブリッドプロモーターは、酵母における
外来遺伝子の転写を効果的に制御する。このハイブリッ
ドプロモーターは、ハイブリッドプロモーターの下流端
部に近接するTATAボックス相同体の上流に、グリセルア
ルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼプロモーター内
には本来保有されない。すなわち外在性の上流調節配列
の有効部分が挿入された、グリセルアルデヒド−3−リ
ン酸デヒドロゲナーゼプロモーターの有効部分を含む。
このハイブリッドプロモーターは、前記上流調節配列と
転写開始部位との間に、TATAボックス相同体が位置する
ように構築され、グリセルアルデヒド−3−リン酸プロ
モーターが本来保有する内在性の上流調節配列を本来の
位置に有するものである。
本発明のハイブリッドプロモーターは、本質的には表
I(後掲)に記載のプロモーターの少なくとも一部分
(その有効な5′−伸長、対立変異及び制限部位の修飾
を含めて)を含むとよく、また本質的には表Iに記載の
プロモーターの下流端部に近接したTATAボックス相同体
を含むとよい。本質的には表II(後掲)に記載の、本来
当該プロモーター内に保有されない、止流調節配列の少
なくとも一部分(その有効な欠失断片を含めて)が、TA
TAボックス相同体から上流の位置で本質的には表Iに記
載のプロモーター内に挿入(表Iに記載のAva II部位及
びその位置でのいかなる修飾も含む)される。
本発明の、調節可能な転写を酵母内にて仲介するDNA
セグメントは、ハイブリッドプロモーターを含む。そし
て、このハイブリッドプロモーターは、グリセルアルデ
ヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼプロモーター内の、
ハイブリッドプロモーターの下流端部に近接するTATAボ
ックス相同体の上流の所定の位置に当該プロモーターに
は本来保有されない上流調節配列の有効部分が挿入され
た、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ
プロモーターの有効部分を含む。ハイブリッドプロモー
ターの下流端部に近接したTATAボックス相同体の下流
に、外来遺伝子が挿入される。
本発明の、遺伝子の転写を酵母内にて制御する方法
は、酵母のグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲ
ナーゼプロモーターにおけるTATAボックス相同体の上流
に当該プロモーターには本来含有されない上流活性化配
列を挿入すること、及びハイブリッドプロモーターの下
流端部に近接するTATAボックス相同体の下流に外来遺伝
子を導入することを含むものである。
もう1つの本発明の方法は、外来遺伝子産物を高収率
で得る一方で、宿主の酵母細胞における外来遺伝子産物
による毒性を制御するものである。この方法において、
GPDプロモーターなどの、定常状態においては(すなわ
ち、UASが挿入されていなければ)構成性である酵母プ
ロモーターの制御の下に外来遺伝子が置かれる。その定
常状態においては構成性であるプロモーターは、それと
共に挿入された当該プロモーターには本来含有されない
上流調節配列によって、宿主細胞の増殖期間中は抑制さ
れる。外来遺伝子産物の生産に充分な、形質転換された
宿主細胞が存在する際には、外来遺伝子産物の生産期間
中、前記の定常状態においては構成性であるプロモータ
ーが前記上流調節配列によって誘導される。
[実施例] 本発明によれば、GPDポータブルプロモーターの制限
酵素部位で、UASが挿入される(このプロモーターは、B
itterら、Gene、32巻、263〜274頁(1984)に記載され
ている)が、それに対するクレオチド配列を表Iに示
す。
UASは、ポータブルプロモーターのTATAボックスの上
流に挿入される。UASを挿入することによって、挿入し
なければ常にオンの状態であるプロモーター、すなわち
構成性のプロモーターのスイッチを入れるプロモーター
に対する、調節が可能ならしめられる。
特に、S.cerevisiaeのGPDポータブルプロモーター
が、上流調節配列のUASGを導入することによって、表I
に示すAva II部位で修飾される。これは、Johnstonら、
Mol.Cell.Biol.、4巻、1440〜1448頁(1984)において
発表されており、表IIに示すとおりである。本発明のハ
イブリッドプロモーター及び本発明の方法の実施例にお
いて導入した部分は、表IIに示すDde IとSau3aの制限酵
素部位の間の部分である。この部分をこれより先、UASG
と称する。
その結果得られたハイブリッドプロモーターを、ヒト
IFN−γを酵母細胞にて発現させるために用いる。元のG
PDポータブルプロモーターとは異なり、そのハイブリッ
ドプロモーター、(一般にGPD(G)と称される)は、
炭素源によって調節される。ラクテートなどの非発酵性
の炭素源中では、低い基礎レベルの発現しか観察されな
い。ガラクトース中、もしくはガラクトースとラクテー
ト双方を加えた中で生育させることにより、IFN−γの
発現は50〜2000倍誘導される。グルコース中での発現レ
ベルは、ラクテート中でのレベルに匹敵する。一方、ガ
ラクトースと共にグルコースが存在すると、ガラクトー
ス存在下で通常観察された誘導が抑制される。元のプロ
モーターは、グルコースを用いた場合もガラクトースを
用いた場合も、匹敵するレベルのIFN−γ発現を支配す
る。これらの結果から、UASG内のDNA配列がグルコース
による抑制を仲介することが示される。
ハイブリッドプロモーターは、UASGの方向もしくはUA
SGを複数挿入することとは無関係に、転写を調節するこ
とができる。
特に、GPDプロモーターのTATAボックスより240塩基対
だけ5′側(転写開始領域より337塩基対だけ5′側)
前に存在するAva II部位で、独自のSal I部位をつく
り、pGPD(S)−2を作製した。酵母のPGK非翻訳リー
ダー配列及び至適な酵母のコドンを組み込んだ、IFN−
γをコードする、化学的に合成された遺伝子をpGPD
(S)−2の独自のBamH I部位へとクローニングして、
pGPD(S)γ4を作製した。サブクローニングしたUASG
断片を、pGPD(S)γ4のSal I部位へとクローニング
して、プロスミドのpGPD(G)γ4シリーズを作製し
た。
本発明のこれらの特徴及び他の特徴を、以下の実施例
において説明する。
実施例1では、本発明を実施する上で有用なプラスミ
ドの構築を詳述する。実施例2では、IFN−γ発現ベク
ターの構築と、そのUASGによる調節について詳述する。
実施例3は、元来のGPDプロモーターと本発明のハイブ
リッドGPDプロモーターの、酵母でのプラスミドのコピ
ー数を示すものである。最後に、実施例4は、本発明の
ハイブリッドプロモーターによって制御される外来遺伝
子の発現について示すものである。
実施例 1 プラスミドpGPD−2及びpPG70は、Bitterら、Gene、3
2巻、263〜274頁(1984)の記載に準じて構築した。プ
ラスミドpΔ22(GPD)は、Bitterら、前出、に記載のG
PD Hind III−BamH Iポータブルプロモーターを、Bitte
rら、前出、に述べられた方法に従って、EcoR I部位がC
la I部位に連結された、pBR322の誘導体であるpΔ22へ
とクローニングすることにより構築した。
プラスミドp2−2は、コード領域の一部分及び分岐し
て転写されるGAL 1とGAL 10遺伝子との、676塩基対の遺
伝子間領域とを含む、S.cerevisiae DNAの2キロベース
EcoR I断片を含む。プラスミドp2−2は、ハイブリダ
イゼーションプローブとして、Citronら、J.Bacterio
l.、158巻、269〜278頁(1984)に記載の、S.carlsberg
ensisのGAL 1、GAL 10遺伝子クラスターを用いて、S.ce
revisiaeのゲノムライブラリーからクローニングしたも
のである。
すべてのDNA組換え操作には、Maniatisら、「Molecul
ar Cloning:A Laboratory Manual」、Cold Spring Harb
or Laboratories、Cold Spring Harbor、ニューヨーク
(1982)(引用することにより本明細書中に組み込む)
に記載の、標準的な方法を用いている。
図1に示すように、GPDポータブルプロモーターのTAT
Aボックスから240塩基対だけ5′側に、独自のSal I制
限酵素部位を導入した。プラスミドpΔ22(GPD)は、E
coR I及びSal Iで消化し、GPDプロモーターを含む950塩
基対の断片を、アガロースゲル電気泳動によって精製し
た。この断片を、GPDプロモーターの−382位で切断する
Ava IIで消化した(Bitterら、前出、に示されてい
る)。結合しうる末端(cohesive termini)は、Collab
orative Research社、Waltham、マサチューセッツより
入手可能であるクレノー(Klenow)断片とSal Iリンカ
ーを用いて断片に連結して、末端をうめることによりブ
ラントとした。
Sal Iで完全に消化した後、DNA断片の混合物をHind I
II及びBamH Iで制限酵素処理した。こうして得た355塩
基対と315塩基対のDNA断片をポリアクリルアミドゲル電
気泳動によって精製した。
図2に示すように、p2−2プラスミドはEcoR Iで消化
した。得られた2キロベースの酵母DNA断片を、アガロ
ースゲル電気泳動によって精製した。Dde I及びSau III
Aでその2キロベースの断片を消化して、Guarenteら、
Proc.Natl.Acad.Sci(USA)、79巻、7410〜7414頁(198
2)に記載される、UASGを含むことが予測されるおよそ3
65塩基対の断片を含む、より小さな断片を1シリーズ得
た。この断片にUASGが含まれることは、、サザンブロッ
トハイブリダイゼーションによって確認したが、この確
認は、Johnstonら、Mol.Cell.Biol.、4巻、1440〜1448
頁(1984)に示されるUASGに対する配列に由来する合成
オリゴヌクレオチド 5′−CATCGCTTCGCTGAT−3′ に、この断片だけがハイブリダイズすることを証明する
ことにより行った。その365塩基対の断片を、アガロー
スゲル電気泳動により精製した。Sal Iリンカーを付加
し(Maniatisら、前出、に記載のとおり)、その断片を
pBR322にクローニングして、UASGのソースとして用いら
れるpBR(UASG)を作製した。
−382位にSal I部位を有するGPD(S)ポータブルプ
ロモーターは、Hind III及びBamH Iで切断したpBR322
に、355塩基対及び315塩基対の断片をクローニングする
ことにより統合した。GPD(S)プロモーターをHind II
I及びBamH Iを用いて切り出し、次いで、図3に示すよ
うにpGPD(G)−2を作製するために、Bitterら、前
出、にpGPD−2に関する記載に準じて、pPG70へとクロ
ーニングした。
実施例 2 表IIIに記載の配列を有する、インターフェロン−γ
の類似体であるIFN−γ4Aを、Chemical and Enzymatic
Synthesis of Gene Fragments、Verlag Chemie、Weinhe
im、ドイツ連邦共和国、71〜79頁(1982)に見られるCa
ruthersの方法に従って、ホスフォラミダイトケミスト
リー(phosphoramidite chemistry)を用いて化学的に
合成した。
INF−γ4A遺伝子は、元来の酵母PGK遺伝子の翻訳開始
コドン(ATG)の5′側近傍の18塩基対に相当する、非
翻訳リーダー領域を含む。Hitzemanら、Nucleic Acids
Res.、10巻、7791〜7808頁(1982)。コード領域は、高
発現される酵母遺伝子において優先的に利用されるコド
ンを用いるものであり、Bennetzenら、J.Biol.Chem.、2
57巻、3018〜3025頁(1982)の技術に従って計算する
と、0.99のコドン偏重指数(codon bias index)を有す
る。クローン化した合成IFN−γ遺伝子の配列は、コリ
ファージM13においてサブクローニングし、Sangerら、P
roc.Natl.Acad.Sci.(USA)、74巻、5463〜5467頁(197
7)のジデオキシチェーンターミネーター法によるDNA配
列の決定により、決定した。
クローニングした合成遺伝子の配列を確認した後、Hp
a I−Sal I断片として切り出し、その断片の端部は、Mi
les Laboratories、Elkhart、インディアナから入手可
能であるマングビーン(mung bean)のヌクレアーゼで
消化することによりブラントとした。実施例1に記載の
ように調製したプラスミドpGPD(S)−2を、BamH Iで
切断し、実施例1に記載のように結合しうる末端を除去
して、次いでIFN−γ4A遺伝子をブラント端部の連結に
よって、正方向にクローニングし、図4に示すpGPD
(S)γ4を作製した。
ベクターpGPD(S)γ4は、Sal Iで切断した。図5
に示す包括的なpGPD(G)γ4ベクターを作製するため
に、プラスミドpBR(UASG)をSal Iで消化し、375塩基
対の断片を精製して、その断片をCal Iで切断したpGPD
(S)γ4へとクローニングした。特定のベクターにお
けるUASGの方向性を、図6に表す。ベクターpGPD(G)
γ4−9が、図6に示したpGPD(G)γ4の基本的な方
向性のものであり、ここでUASGのGAL 1隣接端部を、
「1」により示す。プラスミドpGPD(G)γ4−5にお
いて、制限酵素マッピングによって、UASGインサートの
2つのコピーがヘッドからテールまで挿入されているこ
とを確かめた。ベクターpGPD(G)γ4−8もまた、UA
SG配列の2つのコピーを有するものであるが、これらの
コピーは、pGPD(G)γ4−5の配列で認められるコピ
ーとは逆向きである。
ベクターpGPD(ΔRS)γ4を作製するために、Sal I
を用いたpGPD(S)γ4の完全消化に続いて、部分的な
EcoR I消化を行い、Collaborative Research社、Waltha
m、マサチューセッツから入手可能であるクレノー断片
を用いて末端をうめ、そして再連結した。このベクター
pGPD(ΔRS)γ4は、2μ/pBR322のEcoR I部位から、G
PDプロモーターのSal I部位までのDNAの、計344塩基対
が欠失したものである。
本発明で用いられるJ17−3a宿主細胞は、J17株由来の
S.cerevisiae細胞であり(Fitzgerald−Hayesら、Cel
l、29巻、235〜244頁(1982))、これは、Tschumper
ら、Gene、23巻、221〜232頁(1983)に記載のように、
内在性の2μプラスミドを修復した(cured)ものであ
る。また、DM−1(MATa/MATα、trp1、cir゜)(ATCC
番号20749、1985年4月5日付で寄託)と称される株
は、RH218株(Miozarriら、J.Bacteriol.、134巻、48〜
54頁(1978))、(a、gal 2、TRP1、cir゜)とJ17−3
A株(α、ade 1、his 2、met 14、ura 3、trp1、cir
゜)とをかけあわせることにより構築した。ベクターを
Hinnenら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)、75巻、1929〜
1933頁(1978)のスフェロプラスト(spheroplast)法
のいずれかによって、宿主細胞へと導入した。
形質転換体は、アミノ酸を含まない0.67%の酵母窒素
ベース(YNB)と、0.5%のカザミノ酸を含む2%グルコ
ース中で、選択した。形質転換体を0.67% YNB、0.5%
カザミノ酸、及び、実施する実験に適した炭素源中で培
養した。すべての株を、炭素源としてグルコースを含む
培地中で維持した。
Weckら、J.General Virology、57巻、233〜237頁(19
82)に従って分析した、エンドポイント細胞変性効果
(end−point cytopathic effeft)により、全細胞抽出
物中のIFN−γを定量した。対数増殖期の培養液から、1
0 OD−m1(10mlのOD−1培養に対する細胞数に等しい)
を取り出し、遠心して細胞を集めた。水洗の後、細胞ペ
レットを、pH8.0の50mMトリス−塩酸、6M尿素、1mMフェ
ニルメチルスルフォニルフルオライド(PMSF)0.2mlに
再懸濁して、ガラスビーズで激しく撹拌して、溶解し
た。全細胞抽出物の希釈は、2%の牛胎児血清を含む、
ダルベッコ最小必須培地で行なった。
種々の構築体のプロモーター活性は、はじめに、IFN
−γの生産をバイオアッセイで測定することによってモ
ニターした。このバイオアッセイで、非常に低い発現レ
ベルでもIFN−γを正確に定量できるので、種々の代謝
条件下にある相対的なプロモーター活性を測定するのに
用いた。相異なるベクターの転写開始部位及び終結部位
は同じであるようなので、異なった株において、または
異なる生育条件下で、IFN−γmRNAの翻訳効率の変動が
起こることはなさそうである。従って、バイオアッセイ
によって求めたIFN−γの発現は、プロモーター活性の
間接的な測定値として用いることができよう。
pGPD(S)γ4またはpGPD(G)γ4−9のいずれか
を包含するDM−1株の初発培養を、2%グルコースを含
む前記培地中で飽和するまで生育して、表IVに示した糖
を2%含む選択培地に接種し、1晩培養した。ガラスビ
ーズを用いて溶解することにより、宿主細胞の抽出液を
調製し、エンドポイント細胞変性効果分析によって、IF
N−γを定量した。
元来のGPD(S)プロモーターは、OD−L(すなわ
ち、化学密度1での培養液1リットルに標準化された)
培養液あたり、およそ1.6×107ユニットのIFN−γを生
産した。IFN−γについての非活性をタンパク質1ミリ
グラムあたり1×107ユニットと仮定すると、この発現
レベルは、細胞の総タンパク質量の1〜2%に相当す
る。
一般に、グルコース中でのpGPD(S)γ4からの発現
レベルは、ガラクトース、ラクテート、もしくはガラク
トースとラクテートを併用して細胞を生育した場合に得
られる発現レベルと同じか、またはそれよりわずかに高
い。グルコースで生育することにより、グリセルアルデ
ヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼの酵素活性が、1,00
0倍誘導されるとの報告がある。Maitraら、J.Biol.Che
m.、246巻、475頁(1971)。表IVに示す実験結果によ
り、このようなGPD活性の増大は、大部分は、前もって
存在しているGPDのmRNAの翻訳効率の増加、または酵素
活性もしくは酵素の安定性の増大によるものであること
が示唆される。さもなくば、この実施例で利用した651
塩基対のGPDプロモーターセグメントが、グルコースに
よる充分な転写の誘導のために必要なDNA配列のすべて
を含んでいるのではないのかもしれない。
ハイブリッドGPD(G)プロモーターは、炭素源によ
って、顕著に異なる発現調節を呈する。表IVに示すよう
に、IFN−γの発現レベルは、グルコース中で生育する
ことにより、元来のプロモーターに比して、著しく減少
し、また、ガラクトース中で生育することにより、ハイ
ブリッドプロモーターでは100〜200倍の誘導が認められ
る。ラクテート中でのハイブリッドプロモーターの発現
は様々であるが、炭素源としてガラクトースを用いた場
合に観察されるよりは、常に下回る。ラクテートとガラ
クトースを併用して生育することにより、最大限の誘導
が観察される。対照的に、グルコース2%とガラクトー
ス2%を併用して生育することにより、わずか20〜40倍
の誘導しか観察されない。これらの結果から、ハイブリ
ッドプロモーターの種々の機能的な状態が示される。プ
ロモーターは、ガラクトースが存在することによって誘
導される。またラクテート中では誘導されず、グルコー
ス中では抑制される。培養物の生育の間に、グルコース
濃度が減少していたので、この実験(グルコース+ガラ
クトース)において観察されるグルコースによる抑制の
度合いは、低く見積もったものかもしれない(後掲の図
8における考察を参照されたい)。
本発明のハイブリッドプロモーターを用いた、IFN−
γ生産の例証において、ベクターpGPD(G)γ4−8を
含むDM−1株の宿主細胞を、10リットルの選択培地を入
れた16リットルの培養器の中に接種した(前記)。細胞
を30℃で、グルコースの供給を制限しつつ好気的に培養
した。48時間後、及びその後定期的に、ガラクトースを
10g/L添加した。
種々の時点で細胞をサンプリングし、全細胞抽出物中
のIFN−γを、前記のようにバイオアッセイによって測
定した。これらの培養条件とした結果、図7に示すよう
に、2,000倍の誘導が惹起され、最終的な収率は、培養
液1リットルあたりのIFN−γが2.2×1010ユニットとい
うものであった。
別の実験では、pGPD(G)γ4−9を包含するS.cere
visiae DM−1細胞を、2%グルコースを含む選択培地
中で、飽和するまで培養した。培養液を、2%のガラク
トース及び図8に示す濃度のグルコースを含む選択培地
で、1:1000に稀釈した。細胞を1晩培養し、やはり図8
に示した細胞密度(OD)が得られた。総細胞抽出物中の
IFN−γを、前記のようにエンドポイント細胞変性効果
分析によって定量し、その結果を、ユニット/L培養液と
して、もしくはユニット/OD−L培養液としてプロット
した。
図8にグラフで表したそれらの結果から、グルコース
によるプロモーターの抑制がさらに証明された。また、
図8から、グルコースが培地中に存在する場合でさえ
も、ガラクトースによる誘導はなされうることも明らか
である。この結果から導かれる結論は、グルコースを含
む培地中で細胞を培養して外来遺伝子の発現の抑制が達
成されること、及び、グルコース濃度を抑制に必要な基
礎レベルを下回るように維持しながら、培地にガラクト
ースを添加することにより、外来遺伝子の発現の誘導が
達成されることである。
実施例 3 本発明の種々のプロモーターを含むベクターのプラス
ミドコピー数を調べるために、酵母PGK遺伝子の3′コ
ード領域をもつDNA断片を、ハイブリダイゼーションの
プローブとして用いた。発現ベクターは転写終結シグナ
ルとして、この同じDNA断片を使用するので、このプロ
ーブにより、元来の染色体のPGK遺伝子と、PGKターミネ
ーターを含むプラスミド担持断片の両者を検出すること
が可能となり、両者は、サザンブロットフォーマットに
おけるサイズにより分離されうる。これらの実験で、プ
ラスミドコピー数を定量するための内部コントロールと
して、染色体のPGK遺伝子を用いた。
サザンブロット法のためのハイブリダイゼーションプ
ローブは、PGKターミネーターの、Hitzemanら、Nucleic
Acids Res.、10巻、7791〜7808頁(1982)に記載の、B
gl II−Hind IIIの380塩基対の断片のニックトランスレ
ーション(Maniatisら、前出)により調製した。ブロッ
トを、5×SSPE、5×デンハーツ(Denhardt′s)溶
液、0.5% SDS、100 μg/mlの変性サケ***DNA中で、60
℃にて60分間プレハイブリダイゼーションを行った。ハ
イブリダイゼーションは、5×SSPE、1×デンハーツ溶
液、0.5%SDS、100μg/mlの変性サケ***DNA、及び107c
pm/μgDNAを上回る比活性を有する、106cpmを上回るプ
ローブの中で行なった。
1.0Mソルビトール、0.1 Mクエン酸ナトリウム、0.06
M Ma2EDTA(pH5.8)、2% β−メルカプトエタノール
中で、4mg/mlのザイモラーゼ(Zymolase、Miles Labora
tories、Elkhart、インディアナ)を用いて、37℃にて1
0〜20分間インキユベートすることにより、スフェロプ
ラストへと変換した、対数増殖期にある酵母の培養物か
ら、宿主細胞DNAを抽出した。スフェロプラストは、遠
心により集めて、20mM トリス−HCl(pH7.5)、50mM NH
4Cl、10mM KCl、6mM MgCl2、及び0.1%トライトンX−1
00に再懸濁することにより溶解した。SDS及びプロテナ
ーゼK(Miles Laboratories、Elkhart、インディア
ナ)をそれぞれ、0.5%及び50μg/ml添加し、その抽出
液を37℃にて1晩インキュベートした。この懸濁液を、
フェノール:クロロホルム(1:1)で数回抽出し、その
後、50%イソプロパノール、次いで70%エタノール中で
沈澱させた。
実験に適した制限酵素でDNAを消化して、Maniatis
ら、前出、の方法に従い、TBE緩衝液中での0.7%アガロ
ースゲルにおけるサイズにより分画し、BA 85 ニトロセ
ルロースフィルター(Sohleicher&Schuellより入手可
能)上に、Thomas、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)、77
巻、5201〜5205頁(1980)に記載のごとくに転写した。
サザンブロット分析による結果を表Vに示した。
表Vに示されるように、相異なるベクターで形質転換
されると、DM−1株は広範に変動するプラスミドコピー
数を呈する。ベクターpGPD(S)γ4は、1細胞あたり
1コピーを下回る。それに対して、pGPD(G)γ4−9
は、グルコース中で維持した細胞において、1細胞あた
りおよそ60のコピー数を呈する。pGPD(G)γ4−9を
包含するDM−1株を、まずグルコース中で維持しておい
て、その後ガラクトース中で1晩生育した場合(4〜5
代)、同様に、1細胞あたり30〜60のプラスミドコピー
数を呈した。
元来のプロモーターとハイブリッドプロモーターのベ
クターでコピー数が異なるのは、プラスミドの安定性に
対するDNA配列の効果のためであるか、もしくはそうで
なければ、IFN−γの発現により惹き起されるのかもし
れない。後者の可能性を、pGPD(G)γ4−9を担持す
るDM−1株を、ガラクトース中で50代を越えて継代培養
することにより調べた。この培養でのプラスミドコピー
数は、1細胞あたり1を下回るまでに低下した。
これは、IFN−γ遺伝子の発現が、プラスミドの安定
性を減少せしめることの直接的な証明となる。明らか
に、IFN−γは酵母に対して毒性をを有し、この毒性
は、グルコースで維持したpGPD(S)γ4が低いコピー
数となる原因である。
表Vの結果より、遺伝子産物による毒性が示される場
合でさえも、本発明のハイブリッドプロモーターを使っ
て、グルコースを用いてプロモーターを抑制することに
よって、高いプラスミドコピー数(たとえば、表Vに示
すように60コピー)を得ることができることも示され
る。従って、このプロモーターをガラクトースを用いて
誘導すると、低いコピー数で存在する元来のプロモータ
ーを用いた場合よりも、より多くの外来遺伝子の発現が
達成される。かくして、本発明により、所望の外来遺伝
子発現が高レベルとなることを許容しつつ、高密度の細
胞培養を提供することによって、外来遺伝子産物の毒性
の問題が解決されるのである。
実施例 4 2つのB型肝炎表面抗原の外来遺伝子、すなわち、成
熟したB型肝炎表面抗原(HBsAg)に対する遺伝子(HB
s)、及びpre−sのB型肝炎表面抗原(Pre−S HBsAG、
これは、B型肝炎のゲノムのPreS領域によってコードさ
れる付加的な174アミノ酸を含むものである)に対する
遺伝子(PreS)を、それぞれ、IFN−γに関する前記の
実施例1及び2のようにして、pGPD(G)−2及びpGPD
(G′)−2プラスミドにクローニングした。
pGPD(G)−2及びpGPD(G′)−2の両者は、pGPD
(S)−2及びpBR(UASG)より由来したものである。
プラスミドpBR(UASG)は、Sal Iで切断し、UASGを単離
して、これをアガロースゲル上で精製した。プラスミド
pGPD(S)−2は、Sal Iで切断した。切断したプラス
ミドをUASGと混合し、標準的な手法(Maniatisら、前
出)に従って連結させた。連結混合物を、E.coliに形質
転換し、この混合物からの個々のクローン内のプラスミ
ドDNAであって、pGPD(G)−2及びpGPD(G′)−2
を含むものを、制限酵素分析により同定して調べた。pG
PD(G)−2と名付けたクローンは、1つのUASGを有し
ており、その中で、GAL 1に近接する端部は、GPDポータ
ブルプロモーターのTATAボツクス相同体に向かう方向に
あった。pGPD(G′)−2と名付けたクローンは、pGPD
(G)−2の向きと逆向きに1つのUASGをもっていた。
図9に示すように、HBs遺伝子は、プラスミドpHBs−
2(Bitterら、前出)から得た。このpHBs−2プラスミ
ドを、前記の実施例1および2で示したと同じ一般的な
条件下で、BamH I及びEcoR Iを用いて制限酵素処理し
た。EcoR I−BamH Iリンカーである 5′−AAT TCT TGA CTC G GA ACT GAG CCT AG−3′ は、Caruthers、前出、の手法によって合成した2つの
1本鎖オリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることに
より調製した。そのリンカーのEcoR I端部を、pHBs−2
に制限酵素処理して得た断片のEcoR I端部で、ハイブリ
ダイゼーション及び連結を行うと、ベクターpGPD(G)
(HBs)を得るために、前記実施例2に記載したようにp
GPD(G)−2に挿入するのに好適な2つのBamH I端部
を有する、2本鎖DNAのセグメントがつくられる。
PreS遺伝子の発現のために、プラスミドpSVST−HBVを
用いた。プラスミドpSVST−HBVは、プラスミドpSV4SET
(1984年2月27日に、Jeffrey K. Browneが出願した、
「Papova Virus Construction」という名称の、共有さ
れ、同時係属中である、米国特許出願第584,132号に開
示されたように構築したものであり、該特許出願は、本
明細書中に引用することによりその開示を組み込む)及
びHBVと名付けたB型肝炎のゲノム断片から構築した。
血清型がADWのB型肝炎ゲノム(Valenzuelaら、Animal
Virus Geneticsの57〜70頁、B.Fieldsら編、Academic P
ress.ニューヨーク(1980))をHha Iで消化して、1660
塩基対の断片を単離した。このHha I端部をうめること
によりブラントとし、Sal Iリンカー(Collaborative R
esearch、Waltham、マサチューセッツ)を、Sal Iで切
断したpSV4SETプラスミドへとクローニングしたHha I断
片に付加して、プラスミドpSVST−HBVを得た。
このプラスミドpSVST−HBVを、総括的に前記した方法
で、Sal Iにて制限酵素処理し、図10に示すように2つ
Sal I端部をもつPreS遺伝子断片をつくった。このDNA
断片を、dTTP及び2CTPの存在下で、クレノー断片を用い
て処理し、BamH Iの結合しうる末端に相補的な端部を作
製した。プラスミドpGPD(G)−2は、BamH Iで制限酵
素処理した。その後、PreS遺伝子の2番目の断片及び、
制限酵素処理したプラスミドをアニーリングして、連結
し、プラスミドpGPD(G)(PreS)をつくった。
DM−1細胞を、pGPD(G)(HBs)及びpGPD(G)(P
reS)ベクターにより形質転換して、実施例2に前記し
たように培養した。Auszyme IIイムノアッセイ(Abbott
Laboratories、North Chicago、イリノイ)によって測
定した、異種タンパク質の発現レベルを、表VIに示し
た。
これらの結果から、IFN−γ以外の異種タンパクの発
現が、本発明のプロモーターによってで調節されうるこ
とが例証される。
本発明を考慮したうえで、当業者は数多くの修飾や変
更を施すことが予想される。例えば、UAS配列の長さ、
プロモーター配列の長さ、プロモーター配列内でのUAS
配列の位置などが、変更されうることは、当業者には明
らかであろう。また、GPDの他のアイソザイムに対する
プロモーターや、UASG以外のUASもまた、本発明で用い
られうる。従って、本発明は、添付の特許請求の、充分
な範囲を含むことを意図するものである。
図面の簡単な説明 第1図は、GPDポータブルプロモーターの制限酵素地
図、及びポータブルプロモーターGPD(S)を得るため
の前記プロモーターにおけるSal I部位の構築を示す図
である。
図2は、プラスミドP2−2からのUASGの単離を示す図で
ある。
図3は、プラスミドpGPD(G)−2の構築で用いた技術
を示す図である。
図4は、ベクターGPD(S)γ4を示す図である。
図5は、ベクターpGPD(G)γ4を示す図である。
図6は、本発明の発現ベクターにおけるプロモーター構
造の多様性を示す図である。
図7は、酵母細胞pGPD(G)γ4−9の培養におけるIF
N−γの発現の、ガラクトースによる誘導を示すグラフ
である。
図8は、本発明のGPD(G)γ4−9プロモーターのグ
ルコースによる抑制を示す図である。
図9は、ベクターpGPD(G)(HBs)の構築で用いた技
術を示す図である。
図10は、ベクターpGPD(G′)(PreS)の構築で用いた
技術を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:865)

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外来遺伝子の転写を酵母内にて制御するた
    めのハイブリッドプロモーターであって、 グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼプロモ
    ーター、 修飾を受けていないグリセルアルデヒド3−リン酸デヒ
    ドロゲナーゼプロモーター内の本来の位置にある、内在
    性の上流活性化配列全体、 前記グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼプ
    ロモーターの下流端部に近接したTATAボックス相同体、
    及び 前記TATAボックス相同体の上流であり、且つ前記グリセ
    ルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼプロモーター
    の下流である位置に挿入される、グリセルアルデヒド3
    −リン酸デヒドロゲナーゼプロモーター内には本来保有
    されない上流活性化配列 を含む、外来遺伝子の転写を酵母内にて制御するための
    ハイブリッドプロモーター。
  2. 【請求項2】前記上流活性化配列が、プロモーターを誘
    導、及び抑制することができる上流活性化配列である請
    求の範囲第1項に記載のハイブリッドプロモーター。
  3. 【請求項3】前記上流活性化配列が、ガラクトースによ
    りプロモーターを誘導することができる上流活性化配列
    である請求の範囲第2項に記載のハイブリッドプロモー
    ター。
  4. 【請求項4】前記上流活性化配列が、グルコースにより
    プロモーターを抑制することができる上流活性化配列で
    ある請求の範囲第2項に記載のハイブリッドプロモータ
    ー。
  5. 【請求項5】前記上流活性化配列が、培養培地の炭素源
    によりプロモーターを調節することができる上流活性化
    配列である請求の範囲第1項に記載のハイブリッドプロ
    モーター。
  6. 【請求項6】前記上流活性化配列が、GAL 1遺伝子領域
    とGAL 10遺伝子領域との間の領域由来の上流調節配列を
    含む請求の範囲第1項に記載のハイブリッドプロモータ
    ー。
  7. 【請求項7】前記GAL 1遺伝子領域とGAL 10遺伝子領域
    との間の領域が、Saccharomyces cerevisiaeの遺伝子領
    域である請求の範囲第6項に記載のハイブリッドプロモ
    ーター。
  8. 【請求項8】前記グリセルアルデヒド3−リン酸デヒド
    ロゲナーゼプロモーターが、酵母が保有するグリセルア
    ルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼプロモーターであ
    る請求の範囲第1項に記載のハイブリッドプロモータ
    ー。
  9. 【請求項9】前記酵母が、Saccharomyces cerevisiaeグ
    リセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼプロモー
    タである請求の範囲第8項に記載のハイブリッドプロモ
    ーター。
  10. 【請求項10】外来遺伝子の転写を酵母内にて制御する
    ためのハイブリッドプロモーターであって、 以下の配列、すなわち に示されるグリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナ
    ーゼプロモーターの一部、 前記配列に示されるグリセルアルデヒド3−リン酸デヒ
    ドロゲナーゼプロモーターの下流端部に近接したTATAボ
    ックス相同体、及び 前記配列に示されるAva II部位を含み、前記TATAボック
    ス相同体の上流であり、且つ前記グリセルアルデヒド3
    −リン酸デヒドロゲナーゼプロモーターの下流である位
    置に挿入される、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒド
    ロゲナーゼプロモーター内には本来保有されない上流活
    性化配列 を含む請求の範囲第1項記載のハイブリッドプロモータ
    ー。
  11. 【請求項11】調節可能な転写を酵母内にて仲介するDN
    Aセグメントであって、外来遺伝子の転写を酵母内にて
    制御するためのハイブリッドプロモーターで、 グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼプロモ
    ーター、 修飾を受けていないグリセルアルデヒド3−リン酸デヒ
    ドロゲナーゼプロモーター内の本来の位置にある、内在
    性の上流活性化配列全体、 前記グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼプ
    ロモーターの下流端部に近接したTATAボックス相同体、
    及び 前記TATAボックス相同体の上流であり、且つ前記グリセ
    ルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼプロモーター
    の下流である位置に挿入される、グリセルアルデヒド3
    −リン酸デヒドロゲナーゼプロモーター内には本来保有
    されない上流活性化配列 を含むハイブリッドプロモーター、ならびに 前記TATAボックス相同体の下流に外来遺伝子 を含む、調節可能な転写を酵母内にて仲介するDNAセグ
    メント。
  12. 【請求項12】前記外来遺伝子が、γ−インターフェロ
    ン遺伝子の有効部分を含む請求の範囲第11項に記載のDN
    Aセグメント。
  13. 【請求項13】前記γ−インターフェロン遺伝子が、ヒ
    トγ−インターフェロン遺伝子である請求の範囲第12項
    に記載のDNAセグメント。
  14. 【請求項14】前記外来遺伝子が、B型肝炎表面抗原遺
    伝子である請求の範囲第11項に記載のDNAセグメント。
  15. 【請求項15】前記B型肝炎表面抗原遺伝子が、PreS−
    HBsAg遺伝子である請求の範囲第14項に記載のDNAセグメ
    ント。
  16. 【請求項16】前記B型肝炎表面抗原遺伝子が、HBsAg
    遺伝子である請求の範囲第14項に記載のDNAセグメン
    ト。
  17. 【請求項17】遺伝子の転写を酵母内にて制御する方法
    であって、下記工程、すなわち; 酵母が保有するグリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロ
    ゲナーゼプロモーターに含まれるTATAボックス相同体の
    上流に、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナー
    ゼプロモーター内には本来保有されない上流活性化配列
    の有効部分を挿入して、 グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼプロモ
    ーター、修飾を受けていないグリセルアルデヒド3−リ
    ン酸デヒドロゲナーゼプロモーター内の本来の位置にあ
    る内在性の上流活性化配列全体、前記グリセルアルデヒ
    ド3−リン酸デヒドロゲナーゼプロモーターの下流端部
    に近接したTATAボックス相同体、及び、前記TATAボック
    ス相同体の上流であり、且つ前記グリセルアルデヒド3
    −リン酸デヒドロゲナーゼプロモーターの下流である位
    置に挿入される、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒド
    ロゲナーゼプロモーター内には本来保有されない上流活
    性化配列を含む、外来遺伝子の転写を酵母内にて制御す
    るためのハイブリッドプロモーターをつくり、及び TATAボックス相同体の下流に外来遺伝子を導入する、工
    程を含む、遺伝子の転写を酵母内にて制御する方法。
  18. 【請求項18】前記方法が、ガラクトースを用いてプロ
    モーターを誘導する工程をさらに含む、請求の範囲第17
    項に記載の方法。
  19. 【請求項19】前記方法が、グルコースを用いてプロモ
    ーターを抑制する工程をさらに含む、請求の範囲第17項
    に記載の方法。
  20. 【請求項20】外来遺伝子産物を高収率で取得しつつ、 グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼプロモ
    ーター、修飾を受けていないグリセルアルデヒド3−リ
    ン酸デヒドロゲナーゼプロモーター内の本来の位置にあ
    る内在性の上流活性化配列全体、前記グリセルアルデヒ
    ド3−リン酸デヒドロゲナーゼプロモーターの下流端部
    に近接したTATAボックス相同体、及び、前記TATAボック
    ス相同体の上流であり、且つ前記グリセルアルデヒド3
    −リン酸デヒドロゲナーゼプロモーターの下流である位
    置に挿入される、グリセルアルデヒド3−リン酸デヒド
    ロゲナーゼプロモーター内には本来保有されない上流活
    性化配列を含む、 外来遺伝子の転写を酵母内にて制御するためのハイブリ
    ッドプロモーターを含むベクターで形質転換した酵母宿
    主細胞に対する外来遺伝子産物の毒性を制御する方法で
    あって、下記工程、すなわち; 構成性の酵母グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲ
    ナーゼプロモーターの制御下に外来遺伝子を置き、 前記構成性のグリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲ
    ナーゼプロモーター内に挿入された、該プロモーター内
    には本来保有されない上流調節配列によって、形質転換
    された宿主細胞の増殖期間中には該構成性のプロモータ
    ーを抑制し、及び 前記上流調節配列によって、外来遺伝子産物の生成期間
    中には前記構成性のグリセルアルデヒド3−リン酸デヒ
    ドロゲナーゼプロモーターを誘導する、 工程を含むことを特徴とする、外来遺伝子産物の毒性を
    制御する方法。
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