JP2612421B2 - フェノキシアルカン酸誘導体 - Google Patents

フェノキシアルカン酸誘導体

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JP2612421B2
JP2612421B2 JP6185690A JP18569094A JP2612421B2 JP 2612421 B2 JP2612421 B2 JP 2612421B2 JP 6185690 A JP6185690 A JP 6185690A JP 18569094 A JP18569094 A JP 18569094A JP 2612421 B2 JP2612421 B2 JP 2612421B2
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孝雄 吉岡
勉 金井
有一 相沢
和雄 長谷川
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】近年、生体内過酸化脂質が循環器
系障害の一要因と考えられているが、本発明者らは、か
かる観点より脂質代謝改善薬の開発を目的として立体障
害フェノール系化合物について鋭意研究を行ない、後記
一般式(2)を有する化合物が血中脂質代謝改善作用を
有することを見出し、そして後記一般式(1)を有する
フェノキシアルカン酸誘導体が後記一般式(2)を有す
る化合物の中間体として有用であることを見出して本発
明を完成した。
【0002】
【課題を解決しようとする手段】本発明の新規なフェノ
キシアルカン酸誘導体は、一般式
【0003】
【化2】
【0004】を有する化合物またはその塩である。
【0005】上記式中、R1 およびR2 は同一または異
なって低級アルキル基を示し、R3 は低級アルキル基を
示し、R4 は水素原子またはアシル基を示し、R5 はア
ルキル基を示し、R6 は水素原子、低級アルキル基また
は低級アルコキシ基を示し、Zは式−COOR7 基(式
中、R7 は水素原子または低級アルキル基を示す。)を
示し、nは1乃至10の整数を示す。
【0006】前記一般式(1)を有するフェノキシアル
カン酸誘導体またはその塩において、R1 およびR2
同一または異なって直鎖状若しくは分枝鎖状の炭素数1
乃至5のアルキル基を示し、R3 は直鎖状若しくは分枝
鎖状の炭素数1乃至5のアルキル基を示し、R4 は水素
原子または炭素数2乃至6の脂肪族アシル基、芳香族ア
シル基、芳香脂肪族アシル基、脂環式アシル基若しくは
複素環アシル基などのアシル基を示し、R5 は直鎖状若
しくは分枝鎖状の炭素数1乃至10のアルキル基を
し、R6 は水素原子、直鎖状若しくは分枝鎖状の炭素数
1乃至5のアルキル基または直鎖状若しくは分枝鎖状の
炭素数1乃至5のアルコキシ基を示し、Zは式−COO
7 基(式中、R7 は水素原子または直鎖状若しくは分
枝鎖状の炭素数1乃至5のアルキル基を示す。)を示
し、nは1乃至10の整数を示す。
【0007】前記一般式(1)を有するフェノキシアル
カン酸誘導体またはその塩において、R1 ,R2 ,R
3 ,R6 およびR7 がアルキル基を示す場合、R1 ,R
2 ,R3 ,R6 およびR7 として同一または異なってメ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ
ブチル、ペンチル、イソペンチル、2−メチルブチルま
たは1−エチルプロピルのような炭素数1乃至5のアル
キル基があげられ、R5 がアルキル基を示す場合、R5
としてメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペ
ンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシ
ル、1、1−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチ
ル、ヘプチル、オクチル、1−メチルヘプチル、2−エ
チルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、
ノニル、デシルまたは3,7−ジメチルオクチルのよう
な炭素数1乃至10のアルキル基があげられ、 6 がア
ルコキシ基を示す場合、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ペンチ
ルオキシのような炭素数1乃至5のアルコキシ基があげ
られ、R4 がアシル基を示す場合、R4 としてアセチ
ル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ピバロイ
ル、ヘキサノイル、アクリロイル、メタクリロイルまた
はクロトノイルのような不飽和結合を有していてもよい
炭素数2乃至6の脂肪族アシル基;ベンゾイル、p−ト
ルオイル、o−アニソイル、4−ニトロベンゾイル、3
−フルオロベンゾイル、2−クロロベンゾイル、4−ア
ミノベンゾイル、3−ジメチルアミノベンゾイル、3,
4−ジクロロベンゾイル、1−ナフトイルのような芳香
族アシル基;フェニルアセチル、4−クロロフェニルア
セチル、3−フェニルプロピオニルまたはシンナモイル
のような不飽和結合を有していてもよい芳香脂肪族アシ
ル基;シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカル
ボニル、シクロヘプタンカルボニルのような脂環式アシ
ル基;または2−フロイル、3−テノイル、3−ピリジ
ンカルボニル、4−ピリジンカルボニルのような複素環
アシル基があげられる。
【0008】本発明の前記一般式(1)を有するフェノ
キシアルカン酸誘導体は、常法に従って塩とすることが
できるが、そのような塩として例えばナトリウム、カリ
ウムのようなアルカリ金属の塩あるいはカルシウムのよ
うなアルカリ土類金属の塩などをあげることができる。
【0009】さらに、本発明の前記一般式(1)を有す
るフェノキシアルカン酸誘導体において、好適な化合物
としては、R1 およびR2 が直鎖状若しくは分枝鎖状の
炭素数1乃至3のアルキル基、特にメチル基であり;R
3 ,R6 およびR7 が水素原子または直鎖状若しくは分
枝鎖状の炭素数1乃至3のアルキル基、特に水素原子ま
たはメチル基であり、R4 が水素原子、アセチル基また
はベンゾイル基、特に水素原子であり;R5 が直鎖状若
しくは分子鎖状の炭素数1乃至8のアルキル基、特にメ
チル、tert−ブチルまたは1,1,3,3−テトラ
メチルブチル基であり;nが2乃至8の整数、特に3乃
至7の整数;である化合物をあげることができる。
【0010】本発明の前記一般式(1)を有するフェノ
キシアルカン酸誘導体は、前記一般式(2)を有する化
合物の中間体として有用である。
【0011】ここに、最終目的化合物の前記一般式
(2)を有する化合物は、式
【0012】
【化3】
【0013】[式中、R1 およびR2 は同一または異な
って低級アルキル基を示し、R3 は低級アルキル基を示
し、R4 は水素原子またはアシル基を示し、R5 はア
キル基を示し、R6 は水素原子、低級アルキル基または
低級アルコキシ基を示し、Z’は式−CH2 OR8
(式中、R8 は水素原子またはアシル基を示す。)を示
し、nは1乃至10の整数を示す。]を有する。
【0014】ここに、R1 、R2 、R3 、R4 、R5
6 およびnは前述したものと同意義を示す。R8 がア
シル基を示す場合、R8 としてはR4 がアシル基を示す
場合と同様の基をあげることができる。
【0015】本発明の前記一般式(1)を有するフェノ
キシアルカン酸誘導体の具体例としては以下に示すよう
な構造式を有する化合物(第一表)があげられる。
【0016】
【0017】
【表1】
【0018】本発明の前記一般式(1)を有するフェノ
キシアルカン酸誘導体から導かれる最終目的化合物であ
る前記一般式(2)を有する化合物の具体例としては以
下に示すような構造式を有する化合物(第二表)があげ
られる。
【0019】
【表2】
【0020】本発明の前記一般式(1)を有するフェノ
キシアルカン酸誘導体は、例えば以下に示す方法によっ
て製造することができる。
【0021】
【化4】
【0022】上記式中、R1 ,R2 ,R3 ,R5 ,R6
およびnは前述したものと同意義を示し、R7 aは水素原
子を示し、Bは例えばメトキシメチル、1−メトキシエ
チルのような1−低級アルコキシアルキル基、テトラヒ
ドロピラニルのような環状エーテル基、トリメチルシリ
ル、ジメチル−t−ブチルシリルのようなトリアルキル
シリル基またはベンジル、p−メトキシベンジル、p−
ブロムベンジルのようなアラルキル基などの水酸基の保
護基を示し、Xは塩素、臭素、沃素のようなハロゲン原
子を示し、Yはナトリウム、カリウムのようなアルカリ
金属原子を示す。
【0023】第1工程は、ハライド化合物(3)にカル
バニオン(4)を反応させ、ついで得られた反応生成物
より水酸基の保護基を除去して、本発明の目的化合物
(1a)を得る工程である。
【0024】はじめのハライド(3)とカルバニオン
(4)との反応は、Org.Syn.50巻,58頁記
載の方法に準じて実施することができる。
【0025】すなわち、一般式
【0026】
【化5】
【0027】(式中、R1 およびR2 は前述したものと
同意義を示す。)を有するカルボン酸を不活性溶剤中で
塩基で処理してカルバニオン(4)を発生させて、これ
をハライド(3)と反応させることによって達成され
る。使用される塩基としては、例えば水素化リチウム、
水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金
属水素化物、メチルリチウム、ブチルリチウム、ter
t−ブチルリチウム、フェニルリチウムのような有機リ
チウム化合物またはリチウムジイソプロピルアミド、リ
チウム ジシクロヘキシルアミドのようなリチウムジア
ルキルアミド類があげられる。 使用される不活性溶剤
としては反応に関与しなければ特に限定されないが、例
えばエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのよう
なエーテル類、またはジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミドのようなアミド類をあげることができる。
反応温度は0℃乃至80℃であり、反応に要する時間は
1時間乃至24時間である。
【0028】本反応で製造された、フェノール性水酸基
の保護されたカルボン酸誘導体
【0029】
【化6】
【0030】(式中、R1 ,R2 ,R3 ,R5 ,R6
Bおよびnは前述したものと同意義を示す。)は単離し
てもよいが、通常は単離することなく、次の脱保護反応
を行なうことができる。
【0031】脱保護反応は保護基の種類に従って、通常
の方法で実施することができるが、例えば水酸基の保護
基がトリアルキル置換シリル基の場合は水あるいは酸を
含有する水と接触させることにより容易に達成される。
その場合の含有される酸としては例えばギ酸、酢酸、シ
ュウ酸のような有機酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸のよう
な鉱酸などの酸が特に限定なく使用される。反応は溶剤
として水を使用すれば他の溶剤は特に必要ではない。他
の溶剤を使用する場合は、例えばテトラヒドロフラン、
ジオキサンのようなエーテル類、メタノール、エタノー
ルのようなアルコール類などの有機溶剤と水との混合溶
剤が使用される。反応温度には特に限定はないが、通常
は常温付近で好適に行なわれる。反応に要する時間は3
0分間乃至5時間である。また、テトラヒドロフラン、
ジオキサンのようなエーテル類または酢酸のように脂肪
酸中でフッ化テトラブチルアンモニウムで処理すること
によっても達成される。
【0032】上記の反応によって製造されたフェノキシ
アルカン酸誘導体(1a)は、所望により通常行なわれ
るエステル化法、さらに必要に応じてアシル化法に従っ
て、本発明の目的化合物である対応するエステル
【0033】
【化7】
【0034】(式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5
6 およびnは前述したものと同意義を示し、R7 bは低
級アルキル基を示す。)に変換することができる。
【0035】第2工程は、本発明の目的化合物のフェノ
キシアルカン酸誘導体(1a)または(1b)を還元し
て、最終化合物である対応するアルコール類(2a)を
得る工程である。
【0036】本還元工程は、カルボン酸類をアルコール
類に変換する通常の方法に従って実施することができる
が、使用される還元剤としては例えばリチウムアルミニ
ウムヒドリドもしくはビトライド(ソデイウム ビス
[2−メトキシエトキシ]アルミナムヒドリド)のよう
な金属ヒドリド類が好適である。使用される不活性溶剤
としては反応に関与しなければ特に限定はないが、エー
テル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテ
ル類が好適である。反応温度は0℃乃至50℃であり、
反応に要する時間は30分間乃至3時間である。
【0037】本工程の反応によって得られたアルコール
類(2a)は、所望により通常行なわれるアシル化法に
従って、対応するアシル化合物
【0038】
【化8】
【0039】(式中、R1 ,R2 ,R3 ,R5 ,R6
よびnは前述したものと同意義を示し、R4'およびR8 a
は同一または異なって前述したアシル基を示す。)に変
換することができる。
【0040】以上の反応によって得られた本発明の目的
化合物である中間体の前記一般式(1)を有するフェノ
キシアルカン酸誘導体および最終化合物である前記一般
式(2)を有する化合物は、公知の分離、精製手段、例
えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、転溶、晶出再結晶、再
沈澱、クロマトグラフィーなどによって単離精製するこ
とができる。
【0041】本発明の前記一般式(1)を有するフェノ
キシアルカン酸誘導体を製造する際の原料化合物である
ハライド化合物(3)は、例えば以下に示す方法によっ
て製造することができる。
【0042】
【化9】
【0043】上記式中、R3 ,R5 ,R6 ,B,Xおよ
びnは前述したものと同意義を示し、Aはアセチル、プ
ロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ピバロイルのよ
うな低級脂肪族アシル基を示す。
【0044】A工程は、ハイドロキノン誘導体(5)に
カルボン酸の反応性誘導体を反応させて、化合物(5)
の立体障害性のより小であるフェノール性水酸基をアシ
ル基によって保護して化合物(6)を製造する工程であ
る。
【0045】使用されるカルボン酸の反応性誘導体とし
ては、例えばアセチルクロリド、ブチリルブロミド、ピ
バロイルクロリドのような酸ハライドまたは無水酢酸、
無水プロピオン酸のような酸無水物があげられるが、好
適にはピバロイルクロリドのような酸クロリドである。
反応に使用される不活性溶剤としては、反応に関与しな
いものであれば特に限定はないが、ベンゼン、トルエン
のような芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホ
ルムのようなハロゲン化炭化水素類、エーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサンのエーテル類をあげることが
できる。本アシル化反応は常法に従って脱酸剤の存在下
で好適に行なわれるが、脱酸剤としては例えばトリエチ
ルアミン、ピリジンのような有機塩基が好ましくこれら
を過剰に使用するときは溶剤を使用しなくてもよい。反
応温度は通常−10℃乃至60℃、好適には室温付近で
ある。反応に要する時間は30分間乃至48時間であ
る。
【0046】B工程は、化合物(6)のフェノール性水
酸基を保護基Bによって保護して化合物(7)を製造す
る工程である。
【0047】本反応は、保護基が1−低級アルコキシア
ルキル基、トリアリキルシリル基またはアラルキル基の
場合には、例えばトリエチルアミン、ピリジン、イミダ
ゾール、水素化ナトリウムのような塩基の存在下若しく
は前処置の後、相当するハライドと反応させることによ
り達成され、保護基が1−低級アルコキシアルキル基
(炭素数2乃至4個のもの)または環状エーテル基の場
合には、例えばメタンスルホン酸、p−トルエンスルホ
ン酸または塩酸のような酸の存在下、相当するビニルエ
ーテル体(メチルビニルエーテル、ジヒドロフラン、ジ
ヒドロピラン)と反応させることによって達成される。
反応の使用される溶剤としては、反応に関与しなければ
特に限定はないが、例えばヘキサン、ヘプタンのような
脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエンのような芳香族
炭化水素類、エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ンのようなエーテル類、ジメチルホルムアミドのような
アミド類、ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド
類があげられるが、好適にはジメチルホルムアミドであ
る。反応温度および反応時間は通常の水酸基を保護する
反応と同様であるが、好適には室温付近において10乃
至24時間かけて行なわれる。
【0048】C工程は、化合物(7)の水酸基のアシル
保護基Aを除去して化合物(8)を製造する工程であ
る。
【0049】本反応は、通常用いられる塩基性加水分解
反応あるいは加溶媒分解反応によって達成される。反応
に使用される塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムの
ようなアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化
物があげられる。使用される溶剤としては加水分解反応
に用いられる溶剤が特に限定なく用いられ、例えばメタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコールのような
アルコール類、エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、ジメトキシエタンのようなエーテル類、ジメチル
スルホキシドのようなスルホキシド類、ジメチルホルム
アミドのようなアミド類をおよびこれらの有機溶剤と水
との混合溶剤をあげることができる。反応温度は通常、
室温付近乃至溶剤の還流温度で行なわれる。反応時間は
反応温度などによって異なるが、通常は1乃至24時間
である。
【0050】D工程は、化合物(8)のフェノール性水
酸基をハライド化合物(9)によってアルキル化して、
化合物(3)を製造する工程である。
【0051】本反応は、通常のアルキル化の方法に従っ
て実施することができるが、Tetrahedron,
30巻、1379頁(1974年)に記載された相間移
動触媒を用いる方法で好適に行なわれる。使用される溶
剤としては通常、過剰のハライド化合物(9)と水との
混合溶剤が好適であるが、例えばジクロロメタン、クロ
ロホルムのようなハロゲン化炭化水素類またはベンゼ
ン、トルエンのような芳香族炭化水素類などの有機溶剤
と水との混合溶剤を使用することもできる。反応に使用
される塩基としては例えば水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカ
リ金属の水酸化物または炭酸塩があげられる。また、使
用される相間移動触媒としては、硫酸水素テトラブチル
アンモニウムが好適である。反応温度は10乃至50℃
が好適であり、反応時間は反応温度などによって異なる
が、10分間乃至10時間である。
【0052】
【作用】本発明の前記一般式(1)を有するフェノキシ
アルカン酸誘導体は前記一般式(2)を有する化合物の
中間体として重要である。
【0053】最終化合物である前記一般式(2)を有す
る化合物は、リノール酸、リノール酸エチルのような不
飽和脂肪酸およびそのエステル類に対し、高い酸化防止
作用を有することから、生体内において不飽和脂肪酸の
構成率の高いリン脂質の酸化を防止し得ることが予想さ
れ;Biochem.Biophys.Res.Com
mun.95巻,734−737頁(1980年)に示
されるラット肝ミクロソーム脂質の過酸化抑制試験にお
いて、強力な過酸化脂質低下作用を有するのみならず、
アロキサンで誘発せしめた実験的高脂血症マウスの試験
において、血中過酸化脂質、トリグリセライドおよびコ
レステロールを低下せしめるなどの優れた血中脂質代謝
改善作用を示す化合物である。実際、このことは本発明
者らが本願出願後に、Journal of Medi
cinal Chemistry,1989,32巻、
2号、421頁〜428頁に発表した論文、特に424
頁のTableIII ,の記載から明らかである。
【0054】以上の試験の結果から、前記一般式(2)
を有する化合物は人の高脂血症等の治療に有用である。
【0055】投与方法は、たとえば錠剤、カプセル剤、
散剤、顆粒剤などとして経口的に用いられるほか注射剤
(静脈内、皮下、筋肉内)、坐薬などとして、非経口的
に投与することができる。その投与量は症状、年令など
によって異なるが、例えば高脂血症の治療剤として用い
る場合は成人につき通常1日50mg乃至5gを経口的
または非経口的に投与することができる。
【0056】
【実施例】以下に実施例、製造例および参考例をあげて
本発明をさらに具体的に説明する。
【0057】実施例1(a)5−(4−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2,3,
5−トリメチルフェノキシ)−2,2−ジメチルペンタ
ン酸 ジイソプロピルアミン149.5mgとテトラヒドロフ
ラン1.5mlの混合物に55%油性水素化ナトリウム
97.5mgを加えた。次いでイソ酪酸124.0mg
のテトラヒドロフラン(1.5ml)溶液を滴下した
後、窒素気流中で10分間加熱還流した。得られた混合
物を−5〜0℃に冷却し、15%W/Vブチルリチウム
−ヘキサン溶液を0.7ml滴下した。得られた混合物
を15分間同温度で攪拌し、30〜35℃でさらに30
分間攪拌した。得られた混合物を再び−5〜0℃に冷却
し、臭化3−(4−t−ブチルジメチルシリルオキシ−
2,3,5−トリメチルフェノキシ)プロピル430m
gのテトラヒドロフラン(1ml)溶液を滴下した。そ
の後、反応混合物を20℃で30分間、30〜35℃で
30分間、さらに室温で一夜攪拌した。反応混合物より
テトラヒドロフランを減圧下留去し、得られた残渣に水
35mlを加え、水層をエーテルで洗浄した。水層にヘ
キサンと濃塩酸0.5mlを加えて室温で1時間攪拌し
た。有機層を水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
有機層より溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(溶離液;ベンゼン:酢酸エチ
ル=10:1)に付して、融点 103〜104℃を有
する目的化合物を得た。
【0058】実施例1(b)5−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェノ
キシ)−2,2−ジメチルペンタン酸 5−(4−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2,3,
5−トリメチルフェノキシ)−2,2−ジメチルペンタ
ン酸116mg、フッ化テトラブチルアニモニウム3水
和物364mg、テトラヒドロフラン1mlおよび酢酸
0.2gの混和物を室温で3時間攪拌した。反応終了
後、反応混合物よりテトラヒドロフランを減圧下留去
し、得られた残渣に水とエーテルを加えた。有機層を分
け、硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層より溶媒を留
去して得られた粉末をベンゼンとヘキサンの混合溶媒よ
り再結晶して、融点87〜89℃を有する目的化合物を
得た。
【0059】製造例15−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェノ
キシ)−2,2−ジメチルペンタンノール 5−(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェノ
キシ)−2,2−ジメチルペンタン酸0.3gとテトラ
ヒドロフラン5mlの混合物にリチウムアルミナムハイ
ドライド150.7mgを加え、室温で2時間攪拌し
た。反応終了後、反応液を氷水にあけ、希塩酸で酸性に
してベンゼンで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、抽出液より溶媒を留去して得られた残渣をシ
リカゲルクロマトグラフィー(溶離液;ベンゼン:酢酸
エチル=6:1)に付して、融点78〜79℃を有する
目的化合物を得た。
【0060】実施例1および製造例1と同様にして、以
下に示す実施例および製造例の化合物を得た。
【0061】
【表3】
【0062】参考例12,3,6−トリメチル−4−ピバロイルオキシフェノ
ール トリメチルヒドロキノン3.5g、ジクロロメタン25
mgおよびピリジン6mlの混合物に塩化ピバロイル
2.8gのジクロロメタン(20ml)溶液を滴下し、
室温で一夜放置した。得られた混合物に酢酸4.25m
lと水20mlを加え、有機層を分けた。有機層をさら
に水洗した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層
より溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルクロマト
グラフィー(溶離液;ベンゼン:酢酸エチル=10:
1)に付し、さらにヘキサンより再結晶して、融点 1
20〜121℃を有する淡黄色プリズム状の目的化合物
を得た。
【0063】参考例24−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2,3,5−ト
リメチル−1−ピバロイルオキシベンゼン 2,3,6−トリメチル−4−ピバロイルオキシフェノ
ール2.7g、ジメチルホルムアミド10mlおよびt
−ブチルジメチルクロロシラン1.9gの混合物にイミ
ダゾール2.3gを徐々に加え、その後室温で一夜放置
した。反応混合物を氷とアンモニア水の混合物中にあ
け、ヘキサンで抽出した。抽出液を水洗後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。抽出液より溶媒を留去して得られ
た残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液;ベン
ゼン)に付して、融点 48〜49℃を有する目的化合
物を得た。
【0064】参考例34−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2,3,5−ト
リメチルフェノール 4−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2,3,5−ト
リメチル−1−ピバロイルオキシベンゼン32.6gを
ジメチルホルムアミド60mlに溶解し、これに水酸化
カリウム21gのメタノール(100ml)溶液を窒素
雰囲気下、滴下した。反応混合物を室温で2日間放置
後、濃塩酸28g、氷300gおよび水1リットルの混
合物中にあけ、ヘキサンで抽出した。抽出液を水洗し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。抽出液より溶媒を留去
して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶離液;ベンゼン:酢酸エチル=20:1)に付し
て、淡褐色油状の目的化合物を得た。 シリカゲル薄層クロマトグラフィーのRf値=0.45
(展開溶媒;ベンゼン:酢酸エチル=10:1)。
【0065】参考例4臭化3−(4−ブチルジメチルシリルオキシ−2,3,
5−トリメチルフェノキシ)ピロピル 炭酸ナトリウム6.5g、硫酸水素テトラブチルアンモ
ニウム6.5g、水酸化ナトリウム3.8gおよび水1
00mlからなる混合物に、窒素気流中激しく攪拌しな
がら、4−t−ブチルジメチルシリルオキシ−2,3,
5−トリメチルフェノール17gと1,3−ジブロモプ
ロパン130gの混合物を滴下した。その後、反応混合
物を室温で2時間攪拌した。反応終了後、反応混合物よ
り有機層を分け、水層をさらに1,3−ジブロモプロパ
ンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。1,3−
ジブロモプロパンを減圧下留去して得られた残渣をシリ
カゲルクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサンおよびヘ
キサン:ベンゼン=10:1)に付して、融点45〜4
6℃を有する目的化合物を得た。
【0066】
【発明の効果】本発明の前記一般式(1)を有するフェ
ノキシアルカン酸誘導体は前記一般式(2)を有する化
合物の中間体として重要である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 和雄 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−113722(JP,A) 特開 昭62−89618(JP,A) 特開 昭60−6667(JP,A) 特開 昭60−13761(JP,A) JOURNAL OF MEDICI NAL CHEMISTRY,1983,26 (7),1020−1027

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 [式中、R1 およびR2 は同一または異なって低級アル
    キル基を示し、R3 は低級アルキル基を示し、R4 は水
    素原子またはアシル基を示し、R5 はアルキル基を示
    し、R6 は水素原子、低級アルキル基または低級アルコ
    キシ基を示し、Zは式−COOR7 基(式中、R7 は水
    素原子または低級アルキル基を示す。)を示し、nは1
    乃至10の整数を示す。]を有するフェノキシアルカン
    酸誘導体またはその塩。
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