JP2610910B2 - プレキャストコンクリート耐震壁の構築方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はプレキヤストコンクリート耐震壁の構築方法
に係るものである。

（従来の技術） 従来のプレキヤスト鉄筋コンクリート耐震壁では、壁
版に餅網状の縦横壁鉄筋が配筋され、柱、梁との接合に
は壁版周辺にコツター、彫り込みアンカー等のシヤーコ
ネクターを設けるか、壁鉄筋を鉄筋を接合していた。

（発明が解決しようとする問題点） 従って前記壁版と柱、梁との接合作業が極めて繁雑で
ある。

更に最近の研究によれば、前記壁板を囲繞する柱、梁
よりなるラーメン架構が剛強な場合には、壁版の縦横鉄
筋及びシヤーコネクターの効果が小さいことが明らかに
なってきており、これらを省略しても、構造耐力的に遜
色のないプレキヤストコンクリート耐震壁を構築できる
可能性がでてきた。

（問題点を解決するための手段） 本発明はこのような実情に鑑みて提案されたもので、
方形版の４隅に方杖状の補強筋を配筋したプレキヤスト
コンクリート壁版を柱、梁間に建込み、同柱、梁に前記
方杖状の補強筋を接合することを特徴とするプレキヤス
ト耐震壁の構築方法に係り、その目的とする処は、施工
の合理化が図られ、構造耐力的にも従来のものと同等
の、プレキヤストコンクリート耐震壁の構築方法を提供
する点にある。

（作用） 本発明によれば、方形版の４隅に方杖状の補強筋を配
筋し、同補強筋以外は無筋としたプレキヤストコンクリ
ート壁版を構成し、同壁版を構造物の構格を構成する
柱、梁間に建込み、同柱、梁に前記壁版の方杖状の補強
筋を接合することによって、同補強筋により前記柱、梁
よりなる構格の変形が拘束される。

（実施例） 以下本発明を図示の実施例について説明する。

（Ａ）はプレキヤストコンクリート壁版で、方形版
（１）の４隅に方杖状の補強筋（２）が配筋され、同補
強筋（２）以外は無筋とし、また周辺部にはシヤーコネ
クターが設けられていない。（第３図参照） （Ｂ）は前記壁版（Ａ）が建込まれるラーメン架構の
構格で、同構格を構成する柱（３）及び梁（４）に接合
用金物（５）が定着されている。図中（６）は同接合用
金物（５）のアンカー筋である（第４図参照） 而して前記プレキヤストコンクリート壁版（Ａ）を柱
（３）、梁（４）間に建込み、同柱（３）、梁（４）の
接合用金物（５）に前記方杖状の補強筋（２）を溶接、
その他の手段によって接合したのち、前記柱（３）、梁
（４）とプレキヤストコンクリート壁版（Ａ）との間の
間隙にモルタル、またはコンクリート（７）を充填して
プレキヤストコンクリート耐震壁を構築する。

図示の実施例は前記したように構成されているので、
前記プレキヤストコンクリート壁版（Ａ）の４隅に配設
された方杖状の補強筋（２）によって、前記構格（Ｂ）
の変形が拘束され、前記壁版（Ａ）にシヤーコネクター
や縦横壁鉄筋を配設することなく、従来のプレキヤスト
コンクリート耐震壁と構造耐力的に遜色のないプレキヤ
ストコンクリート耐震壁が構築されるものである。

第５図は本発明の他の実施例を示し、プレキヤストコ
ンクリート壁版の重量が大きい場合、同壁版を２つの壁
版（Ａ）に分割したものである。この場合、分割した壁
版（Ａ）間の間隙にはモルタルまたはコンクリート
（７′）を充填するだけでよい。

図中、前記実施例と均等部分には同一符号が附されて
いる。

第６図は本発明の更に他の実施例を示し、前記壁版
（Ａ）の周縁に、同壁版（Ａ）の建込み時、前記接合金
物（５）が嵌入する凹欠部（８）を設け、モルタルまた
はコンクリート（７）を充填する間隙を小さくするもの
である。

図中前記各実施例と均等部分には同一符号が附されて
いる。

（発明の効果） 本発明は前記したように、方形版の４隅に方杖状の補
強筋を配筋し、同補強筋以外は無筋としたプレキヤスト
コンクリート壁版を構造物の構格を構成する柱、梁間に
建込み、同柱、梁に前記方杖状の補強筋を接合したの
で、同補強筋によって前記柱、梁の変形が拘束され、前
記壁版には縦横の壁鉄筋、シヤーコネクターを省略して
も従来のプレキヤストコンクリート耐震壁と構造耐力的
に遜色のないプレキヤストコンクリート耐震壁が構築さ
れるものである。

また本発明によれば、プレキヤストコンクリート壁版
に縦横壁鉄筋、シヤーコネクターが不要となるので施工
の合理化が図られるとともに、複雑で且つ高密度の配筋
がなくなり従って緻密なコンクリート版が制作され、品
質が工場されるとともに、コストが節減されるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るプレキヤストコンクリート耐震壁
の構築方法の一実施例によって構築された耐震壁の縦断
面図、第２図は第１図の矢視II−II図、第３図はプレキ
ヤストコンクリート壁版の正面図、第４図は同壁版が建
込まれる柱、梁の正面図、第５図及び第６図は夫々本発
明の他の実施例によって構築された耐震壁の縦断面図で
ある。 （Ａ）…プレキヤストコンクリート壁版、（Ｂ）…付帯
ラーメン、（１）…方形版、（２）…方杖状補強筋、
（３）…柱、（４）…梁、（５）…接合金物

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｅ０４Ｂ 2/56 ６２２ Ｅ０４Ｂ 2/56 ６２２Ｍ ６３２ ６３２Ｍ ６４３ ６４３Ａ Ｅ０４Ｈ 9/02 ３２１ Ｅ０４Ｈ 9/02 ３２１Ｅ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】方形版の４隅に方杖状の補強筋を配筋した
   プレキヤストコンクリート壁版を柱、梁間に建込み、同
   柱、梁に前記方杖状の補強筋を接合することを特徴とす
   るプレキヤスト耐震壁の構築方法。