JP2607287B2 - プラスチック・レンズ製造用ガスケット - Google Patents

プラスチック・レンズ製造用ガスケット

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JP2607287B2
JP2607287B2 JP1706489A JP1706489A JP2607287B2 JP 2607287 B2 JP2607287 B2 JP 2607287B2 JP 1706489 A JP1706489 A JP 1706489A JP 1706489 A JP1706489 A JP 1706489A JP 2607287 B2 JP2607287 B2 JP 2607287B2
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和彦 村田
徳茂 村上
幸道 渡辺
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、プラスチック・レンズ製造用ガスケットに
関し、さらに詳しくは、眼鏡用または光学用のプラスチ
ック・レンズを製造する際に用いられる成形枠型の一部
品であるプラスチック・レンズ製造用ガスケットに関す
る。
発明の技術的背景ならびにその問題点 プラスチック・レンズは、軽量で染色性に優れ、衝撃
および破壊に対する安全性が高いことから、無機光学レ
ンズの代替品として広く用いられている。たとえば、メ
チルメタクリレート、ジエチレングリコールビスアリル
カーボネートなどを重合させて成形した一般的なプラス
チック・レンズ、さらには、2,2′−ビス(4−メタク
リロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン
とスチレンとの混合物などを共重合させて成形した高屈
折用のプラスチック・レンズなどが眼鏡、カメラなどに
用いられている。
上記のようなプラスチック・レンズは、通常、メチル
メタクリレートなどの液状モノマーを、樹脂製ガスケッ
トと2枚のモールドで形成された成形枠型の中に注入
し、この成形枠型に注入された液状モノマーを、加熱炉
中で重合させて成形するというような方法で製造され
る。このようなプラスチック・レンズの製造の際に用い
られる樹脂製ガスケットは、プラスチック・レンズの取
り出し、あるいはモールドの脱着によるプラスチック・
レンズの不良品が生じないようにするために、適度な可
撓性を有することが要求され、また長時間の加熱に耐え
られるだけの耐熱性を有することが要求される。
しかしながら、従来一般に樹脂製ガスケットとして用
いられていた低融点のエチレン・酢酸ビニル共重合体、
あるいはエチレン・エチルアクリレート共重合体からな
るガスケットを用いてプラスチック・レンズを製造した
場合には、プラスチック・レンズの取り出し、あるいは
モールドの脱着による不良品化率が高いという問題点が
あり、また、上記のような樹脂製ガスケットは耐熱性が
低いため、100〜140℃という高温でプラスチック・レン
ズの原料モノマーを重合して製造される高屈折プラスチ
ック・レンズの製造には用いることができないという問
題点があった。
そこで、本願出願人は、上記問題点を解消すべく、昭
和63年5月27日付で特許出願した特願昭63−129539号明
細書において、融点100℃以上の結晶性ポリオレフィン
成分とゴム成分とから構成される熱可塑性エラストマー
からなる合成樹脂レンズ製造用ガスケットを開示した。
しかしながら、上記の合成樹脂レンズ製造用ガスケット
は、プラスチック・レンズの成形収縮に対する追随性が
必ずしも充分でないため、プラスチック・レンズの製造
の際に、プラスチック・レンズが樹脂製ガスケットから
早期に分離してプラスチック・レンズの周辺部にクラッ
クや白濁が生じたりする虞があった。上記のようなクラ
ックや白濁が生じるのは、プラスチック・レンズの原料
モノマーが重合反応している最中に、プラスチック・レ
ンズの周辺部にエアーが含まれることが原因であると推
察される。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決
しようとするものであって、可撓性および加熱性に優
れ、しかもプラスチック・レンズの成形収縮に対する追
随性に優れるプラスチック・レンズ製造用ガスケットを
提供することを目的としている。
発明の概要 本発明に係るプラスチック・レンズ製造用ガスケット
は、ポリオレフィン樹脂とオレフィン系共重合体ゴムと
を含む熱可塑性エラストマーと、 融点130℃以下のオレフィン重合体とからなることを
特徴としている。
発明の具体的説明 以下、本発明に係るプラスチック・レンズ製造用ガス
ケットについて具体的に説明する。
本発明に係るプラスチック・レンズ製造用ガスケット
は、熱可塑性エラストマーと融点130℃以下のオレフィ
ン重合体とから構成されている。
熱可塑性エラストマー 本発明で用いられる熱可塑性エラストマーは、ポリオ
レフィン樹脂とオレフィン系共重合体ゴムとを必須成分
として含有している。
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂は、炭素数2
〜20のα−オレフィンの単独重合体または共重合体であ
り、具体的には、以下のようなポリオレフィン樹脂が用
いられる。
エチレン単独重合体、 (低圧法、高圧法いずれでも良い) エチレンと、15モル%以下の他のα−オレフィンまた
は酢酸ビニル、エチルアクリレートなどのビニルモノマ
ーとの共重合体、 プロピレン単独重合体、 プロピレンと、10モル%以下の他のα−オレフィンと
のランダム共重合体、 プロピレンと、30モル%以下の他のα−オレフィンと
のブロック共重合体、 1−ブテン単独重合体、 1−ブテンと、10モル%以下の他のα−オレフィンと
のランダム共重合体、 4−メチル−1−ペンテン単独重合体、 4−メチル−1−ペンテンと、20モル%以下の他のα
−オレフィンとのランダム共重合体など。
上記のα−オレフィンを例示すると、エチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−
ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。
本発明で用いられるオレフィン系共重合体ゴムは、炭
素数2〜20のα−オレフィンを主成分とする無定形ラン
ダムな弾性共重合体であって、異なった2種以上のα−
オレフィン共重合体からなる非結晶性のゴム、2種以上
のα−オレフィンにさらに非共役ジエンが共重合してい
るゴムなどがある。
このようなオレフィン系共重合体ゴムとしては、具体
的には、以下のようなゴムが用いられる。
エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム、 (エチレン/α−オレフィン(モル比)=約90/10〜50/
50) エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴ
ム、 (エチレン/α−オレフィン(モル比)=約90/10〜50/
50) プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム、 (プロピレン/α−オレフィン(モル比)=約90/10〜5
0/50) ブテン・α−オレフィン共重合体ゴム。
(ブテン/α−オレフィン(モル比)=約90/10〜50/5
0)など。
上記のα−オレフィンとしては、ポリオレフィン樹脂
について例示したα−オレフィンと同じα−オレフィン
が挙げられる。
上記の非共役ジエンとしては、具体的には、ジシクロ
ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエ
ン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネンな
どが挙げられる。
これらの共重合体ゴムのムーニー粘度ML1+4(100℃)
は10〜120、特に40〜80が好ましい。上記非共役ジエン
が共重合している場合のオレフィン系共重合体ゴムの沃
素価(不飽和度)は、好ましくは16以下である。
上記のオレフィン系共重合体ゴムは、熱可塑性エラス
トマー中において未架橋、部分架橋、全体架橋など、す
べての架橋状態で存在することができるが、部分架橋状
態で使用するのが好ましい。
本発明におけるポリオレフィン樹脂/オレフィン系共
重合体ゴムの配合比(重量比)は90/10〜10/90、好まし
くは70/30〜20/80の範囲である。
本発明で用いられる好ましい熱可塑性エラストマーと
しては、具体的には、以下のような熱可塑性樹脂組成物
が挙げられる。
(I)エチレンまたはプロピレンの単独重合体または少
量の他の重合性単量体との共重合体によって代表される
各種ポリオレフィン系樹脂と、エチレンと炭素数3〜14
のα−オレフィンとの二元共重合体ゴムまたはこれに各
種ポリエン化合物をさらに共重合させた三元ないし四元
共重合体ゴムであるエチレン・α−オレフィン系共重合
体ゴムの部分架橋物とを混合して得られる熱可塑性樹脂
組成物、たとえば結晶性ポリプロピレンと、部分架橋し
たエチレン・α−オレフィン共重合体ゴム、または部分
架橋したエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重
合体ゴムとを重量比で70/30〜20/80の範囲内で混合して
得られる熱可塑性樹脂組成物(たとえば、特公昭53−21
021号および特開昭57−71738号公報参照)、 (II)ポリオレフィン系樹脂とエチレン・α−オレフィ
ン系共重合体ゴムとのブレンド体を少量の架橋剤の存在
下に、動的に熱処理して得られた熱可塑性樹脂組成物
(たとえば、特公昭53−34210号、特開昭53−149240号
公報、および特開昭53−149241号公報参照)、 (III)上記(I)または(II)の組成物に、さらにポ
リオレフィン系樹脂をブレンドして得られた熱可塑性樹
脂組成物(たとえば、特開昭53−145857号公報および特
開昭54−16554号公報参照)、 (IV)エチレンの単独重合体もしくは少量の他の重合性
単量体との共重合体によって代表されるペルオキシド架
橋型ポリオレフィン系樹脂、プロピレンの単独重合体も
しくは少量の他の重合性単量体との共重合体によって代
表されるペルオキシド非架橋型ポリオレフィン系樹脂、
およびエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムのブレ
ンド体を少量のペルオキシドの存在下に、動的に熱処理
して得られた熱可塑性樹脂組成物(たとえば、特開昭55
−71739号公報参照)など。
上記の熱可塑性エラストマーには、必要に応じてポリ
イソブチレン、ブチルゴムなどによって代表されるペル
オキシド非架橋型炭化水素系ゴム状物質および/または
鉱物油系軟化剤を配合することもでき、このほか耐熱安
定剤、老化防止剤、滑剤などの添加剤を、本発明の目的
を損わない範囲で配合することができる。
たとえば、(a)結晶性ポリプロピレン60〜10重量
部、(b)エチレン・プロピレン共重合ゴムまたはエチ
レン・プロピレン・ジエン共重合ゴム40〜90重量部(こ
こで(a)+(b)は100重量部になるように選ぶ)お
よび(c)その他のゴムおよび/または(d)鉱物油系
軟化剤5〜100重量部からなる混合物を、有機ペルオキ
シドの存在下で動的に熱処理することにより、上記
(b)のゴム成分が部分的に架橋された熱可塑性エラス
トマーが好ましく用いられる。
このような熱可塑性エラストマーを製造する際に使用
される有機ペルオキシドとしては、具体的には、ジクミ
ルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキ
サン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキ
シ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキ
シイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチル
ペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n
−ブチル−4,4ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレ
ート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイル
ペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシ
ド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、tert−ブチ
ルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペ
ルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルク
ミルペルオキシドなどを挙げることができる。
上記有機ペルオキシドによる部分架橋処理に際し、硫
黄、p−キノンジオキシム、p,p′−ジベンゾイルキノ
ンジオキシム、N−メチル−N,4−ジニトロソアニリ
ン、ニトロベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチ
ロールプロパン−N,N′−m−フェニレンジマレイミド
等のペルオキシ架橋助剤、あるいはジビニルベンゼン、
トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタク
リレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポ
リエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート
等の多官能性メタクリレートモノマー、ビニルブチラー
ト、ビニルステアレート等の多官能性ビニルモノマーを
配合することができる。
このような熱可塑性エラストマーの製造方法は、上記
各成分を混合し、動的に熱処理、すなわち溶融して混練
する。混練装置としては、開放型のミキシングロール、
非開放型のバンバリーミキサー、押出機、ニーダー、連
続ミキサー等、従来より公知のものを使用しうる。これ
らのうちでは、非開放型の装置を用いるのが好ましく、
窒素や炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下で混練すること
が好ましい。混練は使用する有機ペルオキシドの半減期
が1分未満となる温度、通常150〜280℃、好ましくは17
0〜240℃で、1〜20分、好ましくは3〜10分間行なえば
よい。
オレフィン重合体 本発明で用いられるオレフィン重合体は、炭素数2〜
20のα−オレフィンの単独重合体または共重合体であっ
て、130℃以下の融点を有する。
本発明では、以下のようなオレフィン重合体が用いら
れる。
エチレンと、2モル%以上の他のα−オレフィンまた
は酢酸ビニル、エチルアクリレートなどのビニルモノマ
ーとの共重合体、 プロピレンと、10モル%以上の他のα−オレフィンと
の共重合体、 1−ブテン単独重合体、 1−ブテンと、10モル%以上の他のα−オレフィンと
の共重合体、 4−メチル−1−ペンテンと、20モル%以上の他のα
−オレフィンとの共重合体など。
上記のα−オレフィンを例示すると、エチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−
ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。
本発明では、エチレンと、α−オレフィンまたはビニ
ルモノマーとの共重合体、ポリブテンが好ましく用いら
れ、特に、エチレンと8モル%以上のα−オレフィンと
の共重合体、エチレンと2モル%以上の酢酸ビニルまた
はエチルアクリレートとの共重合体が好ましく用いられ
る。
本発明に係るプラスチック・レンズ製造用ガスケット
は、上記熱可塑性エラストマーを20〜90重量%、好まし
くは40〜80重量%、さらに好ましくは50〜70重量%の量
で含み、また上記オレフィン重合体を10〜80重量%、好
ましくは20〜60重量%、さらに好ましくは30〜50重量%
の量で含んでいる。
本発明に係るプラスチック・レンズ製造用ガスケット
は、射出成形、圧縮成形、トランスファー成形など従来
公知の樹脂製ガスケットの成形方法を用いて製造するこ
とができるが、精度および生産性の面から射出成形によ
りガスケットを製造することが好ましい。
本発明においては、プラスチック・レンズ製造用ガス
ケットの形状は、一般にプラスチック・レンズの製造の
際に用いられるガスケットの形状であれば特に制限され
ることはない。具体的には、第1図に示すような環状の
ガスケットなどが挙げられる。
プラスチック・レンズの製造方法としては、たとえば
第2図に示すように、ガスケット1にモールド2,3を取
付け、ガスケット1とモールド2,3により形成された成
形空間4にプラスチック・レンズの原料である液状モノ
マーまたはそのプレポリマーを注入し、バネ5でモール
ド2,3を固定してこの原料モノマーまたはそのプレポリ
マーを重合、硬化させてプラスチック・レンズを得ると
いう方法がある。
プラスチック・レンズ製造用原料の液状モノマーはそ
のプレポリマーとしては、特に限定されないが、スチレ
ン、クロルスチレン、α−メチルスチレン、ジクロルス
チレン、ブロムスチレンなどのスチレン誘導体、フェニ
ルメタクリレート、クロルフェニルメタクリレート、ジ
クロルフェニルメタクリレート、トリクロルフェニルメ
タクリレート、ブロムフェニルメタクリレート、メトキ
シフェニルメタクリレートなどのフェニルメタクリレー
ト誘導体、ベンジルメタクリレート、クロルベンジルメ
タクリレート、ブロムベンジルメタクリレート、トリク
ロルベンジルメタクリレート、トリブロムベンジルメタ
クリレート、メトキシベンジルメタクリレートなどのベ
ンジルメタクリレート誘導体、1−ビニルナフタレン、
2−ビニルナフタレン、α−ナフチルメタクリレート、
β−ナフチルメタクリレート、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸アリルエステルなどのナフタレン誘導体、ケイ皮
酸アリル、o−クロロケイ皮酸アリル、o−ブロムケイ
皮酸アリル、o−メトキシケイ皮酸アリルなどのケイ皮
酸アリル誘導体、ビスフェノールA−ジメタクリレー
ト、2,3,5,6−テトラクロルビスフェノールA−ジメタ
クリレート、2,3,5,6−テトラブロモビスフェノールA
−ジメタクリレートなどのビスフェノールA−ジメタク
リレート誘導体、o−ジアリルフタレート、ジアリルイ
ソフタレート、ジアリルテレフタレートなどのジアリル
フタレート類、フェノキシエチルメタクリレート、ビニ
ルピリジン、アリルベンゼン、4−メトキシアリルベン
ゼン、1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンなどの単
量体またはプレポリマーを挙げることができる。これら
の単量体またはプレポリマーは、単独もしくは他のラジ
カル重合可能な単量体と混合して用いられる。好ましい
組合せとしては、メチルメタクリレート、ジエチレング
リコールビス(アリルカーボネート)、2,2′−ビス
(4−メタクリロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニ
ル)プロパンとスチレン等の混合物などが挙げられる。
上記の液状モノマーは、60℃で液状状態を示す単独の化
合物もしくは混合物である。
上記の液状モノマーまたはそのプレポリマーを重合、
硬化させるための重合開始剤としては、具体的には、ジ
セカンダリーブチルパーオキシジカーボネート、ジイソ
プロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−ターシ
ャリーブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネー
ト、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネー
ト、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イド、アゾビスイソブチロニトリルなど、通常重合開始
剤として使用されている化合物が挙げられる。
発明の効果 本発明に係るプラスチック・レンズ製造用ガスケット
は、特定の熱可塑性エラストマーと融点130℃以下のオ
レフィン重合体とを含んでなるため、可撓性および耐熱
性に優れ、しかもプラスチック・レンズの成形収縮に対
する追随性に優れている。
すなわち、本発明に係るプラスチック・レンズ製造用
ガスケットは、可撓性に優れているため、プラスチック
・レンズの取り出し、およびモールドの脱着の際に生じ
る不良品の不良品化率を著しく低下させることができる
という効果がある。また本発明に係るプラスチック・レ
ンズ製造用ガスケットは、耐熱性に優れているため、高
屈折用プラスチック・レンズの製造に用いることができ
るという効果がある。さらに、本発明に係るプラスチッ
ク・レンズ製造用ガスケットは、プラスチック・レンズ
の成形収縮に対する追随性に優れているため、プラスチ
ック・レンズの製造の際に、プラスチック・レンズが樹
脂製ガスケットから早期に分離してプラスチック・レン
ズの周辺部にクラックや白濁が生ずるのを防止すること
ができるという効果があり、特に樹脂製ガスケットとプ
ラスチック・レンズとの接触面積の大きい凹レンズの製
造に対して有効である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、
これら実施例に限定されるものではない。
実施例1 パラフィン系プロセスオイルが40PHR油展されたエチ
レン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体ゴ
ム[エチレン含有率78モル%、沃素価13、ムーニー粘度
ML1+4(100℃)75]64重量部、ポリプロピレン[メルト
インデックス(ASTM D 1238、230℃)11、密度0.91g/cm
3]14重量部、ブチルゴム[ムーニー粘度ML1+4(100
℃)45、不飽和度1.0モル%]14重量部およびパラフィ
ン系プロセスオイル8重量部をバンバリーミキサーによ
り窒素雰囲気下、180℃で5分間混練した後ロールを通
し、シートカッターによりペレットを製造した。次に、
このペレットと、1,3−ビス(tert−ブチルオキシイソ
プロピル)ベンゼン0.4重量部をジビニルベンゼン0.4重
量部に溶解分散させた溶液とを、タンブラーブレンダー
により混合し、溶液をペレット表面に均一に付着させ
た。次いで、このペレットを押出機で窒素雰囲気下、21
0℃で押出すことによりペレット状の熱可塑性エラスト
マーを得た。
この熱可塑性エラストマー70重量部とエチレン・1−
ブテン共重合体[エチレン含量90モル%、メルトインデ
ックス(ASTM D 1238、190℃):4、融点(Differential
Scanning Calorimeter法、以下DSC法と記す:70℃)]3
0重量部を押出機で210℃で押出すことにより得られたペ
レット状の組成物を用いて、射出成形により、第1図に
示すような環状ガスケットを製造した。
この環状ガスケットと2枚のガラス製モールドからな
る第2図に示す鋳型中にジアリルイソフタレート70重量
部、ベンジルメタクリレート30重量部およびジイソプロ
ピルパーオキシジカーボネート3重量部からなる混合液
を注入し、30℃から80℃まで24時間かけて徐々に昇温し
て重合反応を完結させた。重合の終了した凹レンズを鋳
型より取り出し、120℃で1時間熱処理した。
レンズは鋳型から容易に取りはずすことができた。こ
のようにして10枚の凹レンズを製造したが、製造時、レ
ンズがガスケットから剥がれることもなく、得られたレ
ンズは全て周辺異常(レンズの白濁およびクラック)は
なく、無色透明であった。また光学的にも歪がなく、良
好なレンズであった。
実施例2 実施例1で得た組成物を用いて射出成形により環状ガ
スケットを製造した。この環状ガスケットと2枚のガラ
ス製モールドからなる鋳型中に2,2′−ビス(4−メタ
クリロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパ
ン50重量部、スチレン50重量部およびジイソプロピルパ
ーオキシジカーボネート0.1重量部からなる混合液を注
入し、40℃から110℃まで30時間かけて徐々に昇温して
凹レンズの重合反応を完結させた。
このようにして10枚の凹レンズを製造したが、重合反
応時、凹レンズがガスケットから剥がれることもなく、
鋳型から容易に取りはずすことができ、得られた凹レン
ズは全て周辺異常(レンズの白濁およびクラック)はな
く、無色透明であった。また光学的にも歪がなく、良好
なレンズであった。
実施例3 パラフィン系プロセスオイルが40PHR油展されたエチ
レン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体ゴ
ム[エチレン含有率78モル%、沃素価13、ムーニー粘度
ML1+4(100℃)75]52重量部、ポリプロピレン[メルト
インデックス(ASTM D 1238、230℃)25、密度0.91g/cm
3]23重量部、ブチルゴム[ムーニー粘度ML1+4(100
℃)45、不飽和度1.0モル%]10重量部およびポリエチ
レン[メルトインデッグス(ASTM D 1238、190℃)10、
密度0.925g/cm3]15重量部をバンバリーミキサーにより
窒素雰囲気中、180℃で5分間混練した後ロールを通
し、シートカッターによりペレットを製造した。次に、
このペレットと、1,3−ビス(tert−ブチルオキシイソ
プロピル)ベンゼン0.2重量部をジビニルベンゼン0.3重
量部に溶解分散させた溶液とを、タンブラーブレンダー
により混合し、溶液をペレット表面に均一に付着させ
た。次いで、このペレットを押出機で窒素雰囲気下、21
0℃で押出すことによりペレット状の熱可塑性エラスト
マーを得た。
この熱可塑性エラストマー70重量部とエチレン・酢酸
ビニル共重合体[酢酸ビニル含量33重量%、メルトイン
デックス(ASTM D 1238、190℃):30、融点(DSC法):6
0℃]30重量部を押出機で210℃で押出すことにより得ら
れたペレット状の組成物を用いて、射出成形により、第
1図に示すような環状ガスケットを製造した。
この環状ガスケットと2枚のガラス製モールドからな
る第2図に示す鋳型中にジアリルイソフタレート70重量
部、ベンジルメタクリレート30重量部およびジイソプロ
ピルパーオキシジカーボネート3重量部からななる混合
液を注入し、30℃から80℃まで24時間かけて徐々に昇温
して重合反応を完結させた。重合の終了した凹レンズを
鋳型より取り出し、120℃で1時間熱処理した。
レンズは鋳型から容易に取りはずすことができた。こ
のようにして10枚の凹レンズを製造したが、製造時、レ
ンズがガスケットから剥がれることもなく、得られたレ
ンズは全て周辺異常(レンズの白濁およびクラック)は
なく、無色透明であった。また光学的にも歪がなく、良
好なレンズであった。
実施例4 実施例3において、組成物のエチレン・酢酸ビニル共
重合体をエチレン・エチルアクリレート共重合体[エチ
ルアクリレート含量26重量%、メルトインデックス(AS
TM D 1238、190℃):15、融点(DSC法):70℃]に代え
た以外は、実施例3と同様に行なった。このようにして
10枚の凹レンズを製造したが、重合反応時、凹レンズが
ガスケットから剥がれることもなく、鋳型から容易に取
りはずすことができ、得られた凹レンズは全て周辺異常
(レンズの白濁およびクラック)はなく、無色透明であ
った。また光学的にも歪がなく、良好なレンズであっ
た。
実施例5 実施例3において、組成物のエチレン・酢酸ビニル共
重合体をポリブテン−1[密度:0.895g/cm3、メルトイ
ンデックス(ASTM D 1238、190℃):0.2、融点(DSC
法):100℃]に代えた以外は、実施例3と同様に行なっ
た。このようにして10枚の凹レンズを製造したが、重合
反応時、凹レンズがガスケットから剥がれることもな
く、鋳型から容易に取りはずすことができ、得られた凹
レンズは全て周辺異常(レンズの白濁およびクラック)
はなく、無色透明であった。また光学的にも歪がなく、
良好なレンズであった。
実施例6 実施例2において、凹レンズの代わりに凸レンズを10
枚製造した。重合反応時、凸レンズがガスケットから剥
がれることもなく、鋳型から容易に取りはずすことがで
き、得られた凸レンズは全て周辺異常(レンズの白濁お
よびクラック)はなく、無色透明であった。また光学的
にも歪がなく、良好なレンズであった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係るガスケットの形状の1例を示す
斜視図であり、第2図は、プラスチック・レンズ成形枠
型を示す一断面概略図である。 1……樹脂製ガスケット、2,3……モールド 4……成形空間、5……バネ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン樹脂とオレフィン系共重合
    体ゴムとを含む熱可塑性エラストマーと、 融点130℃以下のオレフィン重合体とからなることを特
    徴とするプラスチック・レンズ製造用ガスケット。
  2. 【請求項2】前記融点130℃以下のオレフィン重合体
    が、エチレンと、α−オレフィンおよび/またはビニル
    モノマーとの共重合体であることを特徴とする請求項第
    1項に記載のプラスチック・レンズ製造用ガスケット。
  3. 【請求項3】前記熱可塑性エラストマーを構成するオレ
    フィン系共重合体ゴムが、エチレン・α−オレフィン共
    重合体ゴムであることを特徴とする請求項第1項に記載
    のプラスチック・レンズ製造用ガスケット。
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