JP2606896Y2 - アイアンゴルフクラブセット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、アイアンゴルフクラ
ブセットに係わり、更に詳しくは一部を除いて非金属材
料で構成したクラブヘッドと、金属材料のヘッドの打球
部に非金属材料を設けて構成したクラブヘッドとを組合
せて、複合構成のクラブセットとしたアイアンゴルフク
ラブセットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、ロングアイアンクラブからショー
トアイアンクラブまでを、その機能に応じて打球飛距離
の向上及び打球方向と距離のコントロールを容易にする
ため、ロングアイアン側の複数本のクラブヘッドを、非
金属材料で構成し、ショートアイアン側のクラブヘッド
を金属材料で構成して複合構成のアイアンゴルフクラブ
セットが本願出願人等から提案されている（実願昭６１
−１９６８３２号）。

【０００３】即ち、従来のアイアンゴルフクラブセット
は、ロングアイアン側では、飛距離を優先させ、ショー
トアイアン側では、打球のコントロールに重点をおき、
各々の機能を十分に発揮させて、打球飛距離及び，また
は打球のコントロールを容易にしたものである。即ち、
ロングアイアン側のクラブ（番手＃１〜＃３または＃
４）は、例えば非金属材料（炭素繊維強化プラスチッ
ク）の性質，即ち金属材料に比べて反発係数が大きいた
め、ボールの伸びは大きく、また摩擦係数が小さいた
め、バックスピンが少ないのでボールが転がり、従って
飛距離を得ることが出来ると言う性質を有効に利用して
構成する。また一方、ショートアイアン側のクラブ（番
手＃５〜＃９）では、金属材料の性質、即ち摩擦係数が
大きく、バックスピンが大きいのでボールは転がらず、
コントロールショットし易いと言う性質を有効に利用し
て構成するものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする問題点】然しながら、上記の
ような従来の複合構成のアイアンゴルフクラブセットで
は、ミドルアイアンクラブからショートアイアン側のク
ラブ（番手＃５〜＃９）までの各機能、即ち、打球飛距
離等と、打球のコントロール等の両機能を具備させて設
計し、統一した機能を具備させるのが非常に難しく、ま
た加工調整や耐久性を持たせた設計をするのが非常に難
しいと言う問題があった。

【０００５】この考案は、かかる従来の課題に着目して
案出されたもので、ロングアイアン側とショートアイア
ン側とのそれぞれの機能を充分に発揮させることが出
来、各クラブ番手における繋がりを持たせてセットとし
て統一したゴルフクラブとすることが出来、しかも加工
調整が容易で、耐久性も向上させることが出来るアイア
ンゴルフクラブセットを提供することを目的とするもの
である。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この考案は上記目的を達
成するため、ロングアイアン側を構成する全てのクラブ
ヘッドを、金属ヘッドのソール上に非金属材料から成る
芯体を載置すると共に、その外周を非金属材料から成る
外殻で被覆して一体的に構成し、ショートアイアン側を
構成する全てのクラブヘッドを、金属ヘッドのクラブヘ
ッド本体の打球部に非金属材料を設けて構成したことを
要旨とするものである。

【０００７】この考案は上記のように構成され、ロング
アイアン側を構成する全てのクラブヘッドを、ヘッド本
体の一部を除き繊維強化プラスチック等の非金属材料で
構成すると共に、ショートアイアン側を構成する全ての
クラブヘッドを、金属ヘッドの打球部に繊維強化プラス
チック等の非金属材料を貼付け，または挿入して構成す
ることにより、特にミドルアイアンクラブからショート
アイアン側のクラブヘッドにおける打球飛距離と打球コ
ントロールとの両機能を充分に具備させることで、アイ
アンクラブセットとしてそれぞれの機能が統一されたク
ラブセットとすることが出来るものである。

【０００８】

【考案の実施例】以下、添付図面に基づき、この考案の
実施例を説明する。図１は、この考案を実施したアイア
ンクラブセットの正面図を示し、この実施例では、ロン
グアイアン側のクラブ（番手＃１から＃５）をＬ、ショ
ートアイアン側のクラブ（番手＃６〜＃９，ＰＷ）をＳ
で表示してある。

【０００９】なお、ロングアイアン側のクラブＬ，ショ
ートアイアン側のクラブＳは、上記の番手＃に限定され
ず、多少番手が前後したり、重複する場合もあり、また
ロングアイアン側のクラブＬとショートアイアン側のク
ラブＳとの間に、ミドルアイアンクラブと呼称されるゴ
ルフクラブ（番手＃５から＃７）を一般に設定してい
る。

【００１０】前記図１に示すアイアンクラブセットにお
いて、１はクラブシャフト、２はグリップ、３はクラブ
ヘッド、４はソケットを示している。次に、各番手＃の
構成を図２〜図６を参照しながら説明する。図２及び図
３は、ロングアイアン側のクラブＬのクラブヘッド５の
正面図と断面図を示し、このロングアイアン側のクラブ
ヘッド５は、金属ヘッド６上にＦＲＰ等の芯体７を載置
し、その外周を繊維強化プラスチック等の外殻８で被覆
して一体的に成形されている。

【００１１】また、図４〜図６は、ショートアイアン側
のクラブＳのクラブヘッド９の正面図と断面図及び他の
実施例を示す断面図を示し、このショートアイアンクラ
ブＳは、金属ヘッドからなるクラブヘッド本体部１０の
打球部１１に、図５に示すような繊維強化プラスチック
等の非金属材料から成る板材１２を貼付けるか、また図
６に示すように、クラブヘッド本体部１０の打球部１１
に形成した中空部１３に、繊維強化プラスチック等の非
金属材料から成る打球部材１４を挿入して一体的に構成
したものである。

【００１２】即ち、このショートアイアンクラブＳのク
ラブヘッド９は、クラブヘッド本体部１０の打球部１１
のみに、繊維強化プラスチック等の非金属材料を用いて
構成し、このように構成することで、ミドルアイアンク
ラブとショートアイアンクラブＳとの両機能である打球
飛距離と打球のコントロールとの両機能を具備させたも
のである。更に具体的に説明すると、クラブヘッドのソ
ール側及びバック側に金属ヘッドからなるクラブヘッド
本体部１０を設けることで、クラブヘッドの低重心設計
が容易となり、この結果ボールが上がり易くなり、また
打球部１１に反発係数が大きい非金属材料を用いること
でボールの飛距離を伸ばすことが出来るものである。

【００１３】この考案では、上記のように、ロングアイ
アン側のクラブＬ，ショートアイアン側のクラブＳの夫
々の機能を充分に発揮出来るようにセットとして構成し
たものであり、ゴルフ競技者が常に同じようなフィーリ
ングのもとでスウィング出来ると共に、夫々の番手にお
ける機能を有効に発揮出来るよう構成したものである。
特に、ミドルアイアンクラブ及びショートアイアンクラ
ブＳにおけるボールの飛距離とコントロールとを充分に
発揮でき、また同時にロングアイアン側のクラブＬとの
繋がりもスムーズに行くように構成したものである。

【００１４】

【考案の効果】この考案は、上記のようにロングアイア
ン側を構成する全てのクラブヘッドを、金属ヘッドのソ
ール上に非金属材料から成る芯体を載置すると共に、そ
の外周を非金属材料から成る外殻で被覆して一体的に構
成し、ショートアイアン側を構成する全てのクラブヘッ
ドを、金属ヘッドのクラブヘッド本体の打球部に非金属
材料を設けて構成したので、以下のような優れた効果を
奏するものである。 ．ロングアイアン側とショートアイアン側とのそれぞ
れの機能を充分に発揮させることが出来、しかも加工調
整が容易で、耐久性も向上させることが出来る。即ち、
この考案にかかるアイアンゴルフクラブセットは、ロン
グアイアン側のゴルフクラブを非金属材料で構成するこ
とにより、打ちやすく、しかも非金属材料の性質、即ち
金属材料に比べて反発係数が大きいことから、ボールの
伸びは大きく、また摩擦係数が小さいためバックスピン
が少ないのでボールが転がり、最大飛距離を得ることが
出来、またミドルアイアンを含むショートアイアン側の
ゴルフクラブを金属ヘッドから成るクラブヘッド本体の
打球部に非金属材料を設けて構成することで、主材料と
する金属材料の性質、即ち、比重が高いため、ヘッドが
大きくなり過ぎないので、コントロールショットがし易
いと言う性質を利用したもので、ロングアイアン側及び
ショートアイアン側のゴルフクラブとに繋がりをもた
せ、全体として統一したアイアンゴルフクラブセットと
することが出来る。 ．ミドルアイアンクラブを含むロングアイアン側及び
ミドルアイアンクラブを含むショートアイアン側のゴル
フクラブとに繋がりがあるので、ロングアイアン側から
ショートアイアン側に相互にクラブを変更してスウィン
グする際にも違和感がなく、良好なフィーリングでスウ
ィングすることが可能となる。即ち、ロングアイアンと
ミドルアイアン及びショートアイアンとでは、構成材料
が異なり、ロングアイアンは、金属ヘッド上に非金属材
料から成る芯体を載置すると共に、その外周を非金属材
料から成る外殻で被覆して一体的に構成した非金属材料
主体のゴルフクラブであるのに対して、ミドルアイアン
を含むショートアイアンは、金属ヘッドから成るクラブ
ヘッド本体の打球部に非金属材料を設けた金属材料主体
のゴルフクラブである。従って、ロングアイアンとショ
ートアイアンとでは、構成材料の相違から比重差があ
り、当然クラブヘッドの大きさも異なるが、クラブヘッ
ド本体の打球面の材料は、非金属材料である点で共通し
ていることから、打球音は略同じで、また打球時におけ
る手への振動や感触も略同じである。従って、ミドルア
イアンを含むロングアイアンとミドルアイアンを含むシ
ョートアイアンとを相互に変更してスウィングする際、
及び打球した際にも違和感がなく、また良好なフィーリ
ングでスウィングすることが可能となる。このように、
スウィングする際に構えた時の違和感や、打球音、手へ
の振動や感触も略同じで、しかも良好なフィーリングで
スウィングすることが可能な統一のとれたアイアンゴル
フクラブセットを保持してゴルフ競技を行うことで、安
心してゴルフ競技を行うことが出来ると共に、ゴルフス
コアーも安定し、良好なゴルフスコアーとすることも可
能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案を実施したアイアンクラブセットの正
面図である。

【図２】ロングアイアン側のクラブのクラブヘッドの正
面図である。

【図３】図２のＡーＡ矢視断面図である。

【図４】ショートアイアン側のクラブヘッドの正面図で
ある。

【図５】図４のＢーＢ矢視断面図である。

【図６】ミドルアイアンクラブのクラブヘッドの他の実
施例を示す図５と同様な断面図である。

【符号の説明】

１ クラブシャフト ２ グリップ ３ クラブヘッド ４ ソケット ５ ロングアイアン側のクラブのクラブヘッド ６ 金属ヘッド ７ 芯体 ８ 外殻 ９ ショートアイアン側のクラブヘッド １０ クラブヘッド本体部 １１ 打球
部 １２ 板材 １３ 中空
部 １４ 打球部材 Ｌ ロングアイアン側のクラブ Ｓ ショートアイアン側のクラブ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 朝吹 英世 神奈川県平塚市追分２番１号 横浜ゴム 株式会社 平塚製造所内 (56)参考文献 特開 平２−191476（ＪＰ，Ａ) 実開 昭63−102463（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−61262（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−46363（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−24164（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロングアイアン側を構成する全てのクラ
   ブヘッドを、金属ヘッドのソール上に非金属材料から成
   る芯体を載置すると共に、その外周を非金属材料から成
   る外殻で被覆して一体的に構成し、ショートアイアン側
   を構成する全てのクラブヘッドを、金属ヘッドのクラブ
   ヘッド本体の打球部に非金属材料を設けて構成したこと
   を特徴とするアイアンゴルフクラブセット。