JP2606599B2 - 対数増幅回路 - Google Patents

対数増幅回路

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JP2606599B2
JP2606599B2 JP6216432A JP21643294A JP2606599B2 JP 2606599 B2 JP2606599 B2 JP 2606599B2 JP 6216432 A JP6216432 A JP 6216432A JP 21643294 A JP21643294 A JP 21643294A JP 2606599 B2 JP2606599 B2 JP 2606599B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は対数増幅回路に係わり、
特に整流器を用いた対数増幅回路に関する。
【0002】
【従来の技術】対数増幅回路は、入力信号のダイナミッ
クレンジを圧縮することを行う回路である。対数増幅回
路の1つとして、リミッタ特性を有する複数の増幅器
と、飽和しないその利得が1の複数の増幅器とをそれぞ
れ縦続接続し、各段のリミッタ特性を備えた増幅器の出
力を減衰器で減衰させてた後、対応する段の利得が1の
増幅器の出力と合成させたものが特開平3−12750
4号公報に開示されている。
【0003】また、複数の増幅器を使用するこによって
対数特性の折れ線近似で行う場合に、入力電圧に応じて
利得の異なる増幅器を切り換えて使用した対数増幅回路
が特開平2−141012号公報に開示されている。
【0004】さらに、縦続された増幅器の各段の出力信
号を整流器で検波し、それぞれの検波電流の総和をベー
ス接地されたトランジスタのエミッタに入力することに
よって検波電流の加算を行った対数増幅回路が特開昭6
2−100010号公報に開示されている。
【0005】また、対数増幅回路の整流器で使用される
トランジスタのエミッタサイズとMOSトランジスタの
ゲート幅およびゲート長を特定の関係に設定することに
よってダイナミックレンジを広げた対数増幅回路が特開
平3−228412号公報に開示されている。このほか
にも、特開昭62−293807号公報、特開昭62−
292010号公報、特開平4−165805号公報に
類似した対数増幅回路は開示されている。これらは、エ
ミッタの面積比あるいはゲート幅とゲート長の比を異な
らせた2対の不平衡差動対の入力を交叉接続し、その出
力を並列接続することによって両波整流器を構成してい
る。このような整流器の構成手法は、IEEE Tra
nsaction on Circuits and
Systems−I、VOL.39、NO.9 の第7
71ページから第777ページ(1992年9月発行)
にも詳しく開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開平3−12750
4号公報に開示されている対数増幅器は、多段に縦続さ
れた増幅器を、入力電圧の増加に伴って後段から飽和さ
せることによって、増幅利得を対数特性にしている。こ
の対数増幅器では対数特性を折れ線近似することはでき
るが、増幅器の段数を多くしなければ、実際の対数特性
との近似誤差が大きくなってしまう。このため、精度の
よい対数増幅器を得るには、回路が大型化してしまうと
いう問題があった。これは、利得の異なる増幅器を切り
換えて使用する特開平2−141012号公報に開示さ
れた対数増幅回路にも同様に発生する問題である。
【0007】一方、特開昭62−100010号公報や
特開平3−228412号公報に開示されている対数増
幅回路のように、各段の増幅器の出力を対数特性を近似
させるような特性を持った整流器で検波することによっ
て、折れ線近似による誤差を少なくすることができる。
しかしながら、整流器の基本的な対数特性、たとえば、
対数精度やそのカーブの傾き、さらにダイナミックレン
ジなどを任意に設定することは難しかった。特に、トラ
ンジスタのエミッタ面積比やゲート幅とゲート長を特定
の関係に設定するような場合には、素子が出来上がった
後にその対数特性を変更することはできなかった。さら
に、トランジスタのエミッタ面積比あるいはゲート幅と
ゲート長の比を異ならせた不平衡差動対を用いた半波整
流器や、2対の不平衡差動対の入力を交叉接続しその出
力を並列接続した両波整流器を用いた対数増幅回路で
は、差動対それぞれに駆動電流源が必要であった。ま
た、それぞれのトランジスタのコレクタまたはドレイン
もサイズの大きいもの同士が接続されるため、付加され
る容量が大きくなっていた。このため、周波数特性を伸
ばすためには、駆動電流が多くなる傾向にあり、低消費
電力化を図ることが困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】そこで本発明の目的は、必要とされる電流
源の数を減らすとともに、対数特性を容易に設定変更す
ることができる低消費電力化の図られた対数増幅回路を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、縦続接続された複数の差動増幅器と、これら差動増
幅器の入力信号または出力信号をそれぞれ検波する整流
器であって、1つのテール電流で駆動される互いにエミ
ッタ結合あるいはソース結合された3つのトランジスタ
のうち入力対を構成する2つのトランジスタのコレクタ
またはドレインが共通接続され、他の1つのトランジス
タのベースまたはゲートに直流電圧が印加された複数の
整流器と、これら整流器の入力対を構成する2つのトラ
ンジスタの共通接続されたコレクタまたはドレインから
出力される検波電流あるいは他の1つのトランジスタの
コレクタまたはドレインから出力される検波電流を入力
してこれらを加算する加算器とを対数増幅回路に具備さ
せている。
【0011】すなわち請求項1記載の発明では、1つの
テール電流で駆動される互いにエミッタ結合あるいはソ
ース結合された3つのトランジスタのうち入力対を構成
する2つのトランジスタのコレクタまたはドレインが共
通接続され、他の1つのトランジスタのベースまたはゲ
ートに直流電圧が印加されたトリプルテールセルを用い
て整流器を構成している。これにより、ベースまたはゲ
ートに印加する直流電圧を変更することで、対数特性を
容易に設定変更することができる。
【0012】請求項2記載の発明では、縦続接続された
複数の差動増幅器と、これら差動増幅器の入力信号また
は出力信号をそれぞれ検波する整流器であって、1つの
テール電流で駆動される互いにエミッタ結合あるいはソ
ース結合された3つのトランジスタのうち入力対を構成
する2つのトランジスタのコレクタまたはドレインが共
通接続され、他の1つのトランジスタのベースまたはゲ
ートに直流電圧が印加されたトリプルテールセルをその
動作入力電圧範囲を互いに異ならせて2つ以上並列接続
した複数の整流器と、これら整流器の並列接続されたト
リプルテールセルの入力対を構成する2つのトランジス
タの共通接続されたコレクタまたはドレインから出力さ
れる検波電流あるいは並列接続されたトリプルテールセ
ルの他の1つのトランジスタのコレクタまたはドレイン
から出力される検波電流を入力してこれらを加算する加
算器とを対数増幅回路に具備させている。
【0013】すなわち請求項2記載の発明では、動作入
力電圧範囲を互いに異ならせたトリプルテールセルを並
列接続することによって個々の整流器を構成している。
これにより、1つの整流器の対数入力ダイナミックレン
ジを広くすることができ、少ない段数でダイナミックレ
ンジの広い対数増幅回路を実現している。
【0014】請求項3記載の発明では、整流器に使用す
るトランジスタとしてバイポーラトランジスタを使用し
ている。これにより、例えば、そのエミッタに抵抗を挿
入することによって各トリプルテールセルの対数入力ダ
イナミックレンジを広げることもできる。
【0015】請求項4記載の発明では、整流器に使用す
るトランジスタとしてMOSトランジスタを使用してい
る。これにより、一定幅の入力電圧範囲では理想的な2
乗特性を得ることができる。
【0016】
【実施例】以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0017】図1は本発明の一実施例における対数増幅
回路の回路構成を表わしたものである。この対数増幅回
路は、カスケード接続された複数の差動増幅器111
11 N と、これら差動増幅器の入力端および最終段の出
力端にそれぞれ接続された整流器121 〜12N +1と、
これら整流器の出力電流を加算する加算器13とから構
成されている。各整流器は、所定の電圧範囲の入力信号
を対数特性に変換するようになっている。
【0018】図2は図1に示した整流器の回路構成の概
要を表わしたものである。ここでは、まず、バイポーラ
トランジスタによって構成された整流器について説明す
る。トランジスタ21〜23のエミッタは共通接続され
て、定電流源24に接続されている。トランジスタ2
1、22は差動対を構成しており、これらのベース間に
入力電圧Vi が加えられるようになっている。トランジ
スタ21、22のコレクタは共通接続されている。ま
た、トランジスタ23のベースには一定の電圧Vcが印
加されている。このように3つのトランジスタが共通の
テール電流24で駆動される回路をトリプルテールセル
と呼ぶことにする。それでは、このようなトリプルテー
ルセルの入出力特性について説明する。
【0019】トランジスタのベース幅変調を無視すれ
ば、トリプルテールセルを構成するそれぞれのトランジ
スタのコレクタ電流は次式で表わされる。
【数1】 ここで、VT は熱電圧であり、VT =kT/qと表わさ
れる。ただし、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、q
は単位電子電荷を表わしている。また、VBE3はトラン
ジスタ23のベース・エミッタ間電圧を、IS は飽和電
流を、+−Vi/2は差動入力電圧を、VR は直流基準
電圧を、VS は共通エミッタ電圧をそれぞれ表わしてい
る。
【0020】また、テール電流24は、次式で表わされ
る。
【数2】 ただし、αF はトランジスタの電流増幅率である。
(1)式〜(4)式を解くと、共通項であるIS exp
{(VR −VS )/VT }は、次式のように求まる。
【数3】 これより、それぞれのコレクタ電流は次式で表わされ
る。
【数4】
【0021】さらに、バイポーラトランジスタで構成さ
れたトリプルテールセルの一方の出力電流IRSは次式で
表わされる。
【数5】 また、他方の出力電流ISQは次式で表わされる。
【数6】
【0022】トリプルテールセルの出力電流は(9)
式、および(10)式に示したが、このうち何れを加算
器13で加算する電流として用いてもよい。また、差動
出力電流を用いても良いが、式中のKの値によっては直
流オフセット電流を持つことになる。
【0023】図3は図2に示したバイポーラ・トリプル
テールセルの出力電流特性を表わしたものである。ここ
では、K=1の場合について示してある。バイポーラ・
トリプルテールセルの出力電流IRSおよびISQはいずれ
も両波整流特性を持っており、直流電圧Vcによってそ
の整流特性が可変になっている。図3では、Vcが−V
T と、0と、VT と、2VT の場合についてそれぞれ出
力電流特性を示してある。たとえば、バイポーラ・トリ
プルテールセルの出力電流が温度特性を持つ場合には、
直流電圧Vcをこの温度特性を打ち消すように変化させ
ることによって、温度補償を行うことができる。また、
およそ2乗特性に近似できる入力電圧範囲は、直流電圧
Vcによって変更することができる。すなわち、Vcが
大きくなるにしたがって、出力電流であるISQおよびI
RSの特性曲線は同じ値のVT では、その傾きが大きくな
っていることが分かる。これはVcが大きくなればそれ
だけ、2乗特性として使用できる範囲が広くなっている
ことを表わしている。
【0024】図4は、図2に示したバイポーラ・トリプ
ルテールセルの出力電流ISQについてその出力電流特性
を対数表示したものである。ここではKの値は1の場合
について示してある。このように、出力電流の値は、直
流電圧Vcによって変更することができ、また、対数入
力ダイナミックレンジとして10dB(デシベル)以上
持つことが分かる。したがって、これを図1に示した整
流器として使用することによって対数増幅回路を得るこ
とができる。このようにバイポーラ・トリプルテールセ
ルの動作入力電圧範囲を考慮すると、対数入力ダイナミ
ックレンジはおよそ10dBであり、図1に示した各段
の差動増幅器111 〜11N の利得は10数dB程度に
抑えなければならない。しかしながら、直流電圧Vcの
設定値を変更することによって、図1に示した対数増幅
回路の対数特性を任意に変えることができる。また、特
性の傾きや、対数精度、さらにダイナミックレンジの直
流電圧Vcによって自由に設定可能になる。
【0025】図5は、図2に示したバイポーラ・トリプ
ルテールセルを整流器に使用したときの対数増幅回路の
出力特性を表わしたものである。ここでは、バイポーラ
・トリプルテールセルの出力電流のうち、ISQを加算器
13によって加算した場合を示してある。カスケード接
続された差動増幅器111 〜11N は後段になるほど、
増幅が進みその出力電圧、すなわち整流器121 〜12
N の入力電圧は大きくなる。このため、入力電圧が増え
るに従って、最終段の整流器12N から順次、その出力
電流が落ち込むようになる。図中の符号311 〜31N
はそれぞれ整流器121 〜12N の出力電流を表わして
いる。それぞれの整流器121 〜12N+ 1 の出力電流が
ほぼ“0”に落ち込んだ時点で、次段の整流器の出力電
流が対数的に下がり始めるようになっている。このた
め、これら整流器121 〜12N+1の出力電流を加算器
13によって加算した結果の出力電流は、特性曲線32
で示したようになる。したがって、バイポーラ・トリプ
ルテールセルによって構成された整流器を複数用意する
ことによってダイナミックレンジの広い対数増幅回路を
得ることができる。
【0026】次に、MOSトランジスタを用いた整流器
について説明する。
【0027】図6は、MOSトランジスタを用いたトリ
プルテールセル構成された整流器の回路構成を表わした
ものである。これは図2に示した整流器のバイポーラ・
トランジスタをMOSトランジスタに置き換えたもので
あり、その接続関係についての説明は省略する。それで
は、このようなMOSトリプルテールセルで構成された
整流器の入出力特性について説明する。
【0028】各素子間の整合性は良いと仮定し、基板効
果を無視するものとする。また、飽和領域で動作するM
OSトランジスタのドレイン電流とゲート・ソース間電
圧の関係は2乗則に従うものとする。このように仮定す
ると、トリプルテールセルを構成するそれぞれのトラン
ジスタのドレイン電流は次式で表わされる。
【数7】 ここで、β=μ(Cox/2)(W/L)で表わされる
トランスコンダクタンスパラメータである。また、μは
キャリアの実行モビリティ、Coxは単位面積当たりの
ゲート酸化膜容量、W、Lはそれぞれゲート幅、ゲート
長を表わしている。また、テール電流は次式で表わされ
る。
【数8】
【0029】(11)式から(14)式を解くと、MO
Sトリプルテールセルの一方の出力電流IRSは、次式で
表わされる。
【数9】
【0030】また、同様にしてMOSトリプルテールセ
ルの他方の出力電流ISQは、次式で表わされる。
【数10】
【0031】図7は、図6に示したMOSトリプルテー
ルセルの出力電流特性表わしたものである。ここでは、
K=1の場合について示してある。MOSトリプルテー
ルセルの出力電流IRSおよびISQはいずれも両波整流特
性を持っており、直流電圧Vcによってその整流特性は
可変になっている。たとえば、入力電圧範囲を以下の式
で表わされる範囲に限定するものとする。
【数11】 このようにすれば、理想的な2乗特性が得られることが
わかる。しかし、バイポーラ・トリプルテールセルとは
異なり、2つの出力電流IRS、ISQの2乗特性は変わら
ない。すなわち、2乗項の係数は、出力電流IRS、ISQ
のいずれでもK/{2(K+2)}になっている。
【0032】図8は、図6に示したMOSトリプルテー
ルセルの出力電流特性を対数表示したものである。MO
Sトリプルテールセルの対数入力ダイナミックレンジは
およそ8dB程度になっていることが分かる。したがっ
て、MOSトリプルテールセルを図1に示した回路の整
流器として使用すれば、対数増幅回路を実現することが
できる。しかしながら、MOSトリプルテールセルの動
作入力電圧範囲を考慮すると、対数入力ダイナミックレ
ンジは10数dB程度に抑える必要があり、各段の差動
増幅器111 〜11N の利得もこれに伴って10数dB
程度にせざるを得ない。
【0033】このように、図2あるいは図6で示した回
路構成の整流器を使用する場合には、その対数入力ダイ
ナミックレンジが10dB程度でことから、各段の差動
増幅器111 〜11N の利得をこれに以下にしなければ
対数精度を高く保つことはできない。一般には、差動増
幅器のゲインは20dB程度に設定することができるの
で、整流器121 〜12N +1の対数入力ダイナミックレ
ンジが広くなれば、それだけ対数増幅器を構成する差動
増幅器の段数を減らすことができる。そこで、対数入力
ダイナミックレンジを20dB程度まで拡張した整流器
について説明する。
【0034】図9は、対数入力ダイナミックレンジを拡
張した整流器の回路構成を表わしたものである。この整
流器はバイポーラ・トリプルテールセルのそれぞれのト
ランジスタのエミッタにエミッタ抵抗を接続て入力電圧
範囲を拡張している。そして、バイポーラ・トリプルテ
ールセルを並列接続して対数特性を近似したものであ
る。一般に、エミッタ抵抗を挿入すると、エミッタ抵抗
とテール電流の値の積に応じて入力電圧範囲が拡張され
る。そこで、並列接続されるバイポーラ・トリプルテー
ルセルの入力電圧範囲を指数的あるいは等比数列的に互
いに異ならせて設定すれば、並列接続されたバイポーラ
・トリプルテールセルの全体の整流特性を広い範囲で対
数特性に近づけることができる。これにより、整流器の
対数入力ダイナミックレンジを差動増幅器のゲインに合
わせることができる。
【0035】ここでは、並列接続されたバイポーラ・ト
リプルテールセルにエミッタ抵抗を挿入した場合につい
て説明したが、バイポーラプロセスにおいては、トラン
ジスタのエミッタに抵抗を挿入するエミッタデジェネレ
ーションは、他の場合にも適用することができる。たと
えば、図2に示した一つのバイポーラ・トリプルテール
セルによる整流器においても、そのエミッタに抵抗を挿
入することによって対数入力ダイナミックレンジを広げ
ることができる。また、エミッタ抵抗の代わりにダイオ
ードを挿入すれば、入力電圧範囲はいずれも2倍に拡大
される。ダイオードをM個(Mは任意の整数)直列接続
して挿入すれば、入力電圧範囲は(M+1)倍に拡大さ
れる。しかし、ダイオードをM個挿入する場合には、電
源電圧を約0・7×Mボルトだけ高くしなければならな
い。特に、クァドリテールセルを2乗回路に用いる場合
には、バイポーラ差動対を構成するトランジスタのエミ
ッタにダイオードを挿入すると、トリプルテールセルへ
の入力電圧はバイポーラ差動対の入力電圧よりも小さく
できる。すなわち、トリプルテールセルへの入力電圧は
抵抗で分圧して印加することができる。
【0036】図10は動作入力電圧を異ならせた複数個
のMOSトリプルテールセルを並列接続して対数特性を
近似した整流器の回路構成を表わしたものである。一般
にMOSプロセスではソース抵抗を用いることは稀であ
る。このため、図10の回路では、並列接続された全て
のMOSトリプルテールセルの整流特性は相似してお
り、テール電流とトランスコンダクタンス・パラメータ
の商の平方根倍されているだけである。したがって入力
電圧を対数表示すれば、単に入力電圧軸が移動するだけ
であり、整流特性のスロープは図8と変わらない。たと
えば、テール電流とトランスコンダクタンス・パラメー
タの商を6倍ずつ異ならせて設定すれば、およそ8dB
ずつ対数入力電圧範囲を異ならせることができる。これ
を並列接続すればMOSトリプルテールセルの全体の整
流特性を広い範囲で対数特性に近づけることができ、対
数入力ダイナミックレンジを広くすることができる。こ
のように動作入力電圧を異ならせた複数個のMOSトリ
プルテールセルを並列接続することによってその対数入
力ダイナミックレンジを差動増幅器のゲインに合わせる
ことができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、トリプルテールセルを使用しているので整流
器に必要となる電流源の数を減らすことができる。さら
に出力対に接続されるトランジスタの個数も最小面積の
単位トランジスタか、最小面積のトランジスタ2個のコ
レクタあるいはドレインとすることもでき、付加される
容量が小さくすることができる。これにより、同じ入力
周波数で見た場合には、消費電流を減少させることがで
き、対数増幅回路の低消費電力化を図ることができる。
その上、トリプルテールセルのコレクタあるいはドレイ
ンが共通接続されていないトランジスタのベースあるい
はゲートへ印加する直流電圧を変化させることで、対数
特性を任意に調整することができる。
【0038】また請求項2記載の発明によれば、動作入
力電圧範囲を互いに異ならせて複数のトリプルテールセ
ルを並列接続して整流器を構成したので、各整流器の対
数入力ダイナミックレンジを広くすることができる。こ
れにより、対数増幅回路を構成する差動増幅器の段数を
少なくすることができ、回路の簡略化を図ることができ
る。
【0039】さらに請求項3記載の発明によれば、バイ
ポーラトランジスタによって整流器を構成している。こ
れにより2乗特性に近似した特性を得ることができ、対
数精度の良い対数増幅回路を得ることができる。
【0040】また請求項4記載の発明によれば、MOS
トランジスタによって整流器を構成している。これによ
り、一定の入力電圧範囲内では、理想的な2乗特性を持
った整流器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における対数増幅回路の回路
構成の概要を表わしたブロック図である。
【図2】バイポーラトランジスタを用いたトリプルテー
ルセルの回路構成を表わした回路図である。
【図3】バイポーラトランジスタを用いたトリプルテー
ルセルの入出力特性を表わした特性図である。
【図4】バイポーラトランジスタをトリプルテールセル
の入出力特性をデシベル表示した特性図である。
【図5】図1に示した対数増幅回路の整流電流特性を表
わした特性図である。
【図6】MOSトランジスタを用いたトリプルテールセ
ルの回路構成を表わした回路図である。
【図7】MOSトランジスタを用いたトリプルテールセ
ルの入出力特性を表わした特性図である。
【図8】MOSトランジスタを用いたトリプルテールセ
ルの入出力特性をデシベル表示した特性図である。
【図9】バイポーラトリプルテールセルを並列接続した
整流器の回路構成を表わした回路図である。
【図10】MOSトリプルテールセルを並列接続した整
流器の回路構成を表わした回路図である。
【符号の説明】 111 〜11N 差動増幅器 121 〜12N +1 整流器 13 加算器 21、22、23 トランジスタ 24 定電流源

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦続接続された複数の差動増幅器と、 これら差動増幅器の入力信号または出力信号をそれぞれ
    検波する整流器であって、1つのテール電流で駆動され
    る互いにエミッタ結合あるいはソース結合された3つの
    トランジスタのうち入力対を構成する2つのトランジス
    タのコレクタまたはドレインが共通接続され、他の1つ
    のトランジスタのベースまたはゲートに直流電圧が印加
    された複数の整流器と、 これら整流器の前記入力対を構成する2つのトランジス
    タの共通接続されたコレクタまたはドレインから出力さ
    れる検波電流あるいは前記他の1つのトランジスタのコ
    レクタまたはドレインから出力される検波電流を入力し
    てこれらを加算する加算器とを具備することを特徴とす
    る対数増幅回路。
  2. 【請求項2】 縦続接続された複数の差動増幅器と、 これら差動増幅器の入力信号または出力信号をそれぞれ
    検波する整流器であって、1つのテール電流で駆動され
    る互いにエミッタ結合あるいはソース結合された3つの
    トランジスタのうち入力対を構成する2つのトランジス
    タのコレクタまたはドレインが共通接続され、他の1つ
    のトランジスタのベースまたはゲートに直流電圧が印加
    されたトリプルテールセルをその動作入力電圧範囲を互
    いに異ならせて2つ以上並列接続した複数の整流器と、 これら整流器の前記並列接続されたトリプルテールセル
    の入力対を構成する2つのトランジスタの共通接続され
    たコレクタまたはドレインから出力される検波電流ある
    いは前記並列接続されたトリプルテールセルの他の1つ
    のトランジスタのコレクタまたはドレインから出力され
    る検波電流を入力してこれらを加算する加算器とを具備
    することを特徴とする対数増幅回路。
  3. 【請求項3】 前記整流器を構成するトランジスタはバ
    イポーラ・トランジスタであることを特徴とする請求項
    1または2記載の対数増幅回路。
  4. 【請求項4】 前記整流器を構成するトランジスタはM
    OSトランジスタであることを特徴とする請求項1また
    は請求項2記載の対数増幅回路。
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