JP2604262B2 - 写真フィルム支持体の回収方法 - Google Patents

写真フィルム支持体の回収方法

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【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、写真フィルム支持体の回収方法に関し、特
に、三酢酸セルロースフィルムからなる支持体の表面
に、ニトロセルロース及びゼラチンを含有する下塗層が
形成されてなる写真フィルムから、該支持体を再使用可
能な状態で回収する方法に関する。
[発明の技術的背景] 写真感光材料は、一般にプラスチックフィルムから成
る支持体上に、下塗層、バック層、及び、感光層、中間
層、表面保護層等の写真層が形成されて成る。
本明細書において、「写真フィルム」の用語は、写真
層を有する感光材料はもちろんのこと、写真層を塗設す
る前の、所謂「写真用ベース」(支持体+下塗層)をも
意味する。
一般に支持体は、三酢酸セルロースフィルムから成っ
ているが、このような支持体は、通常、結合酢酸量60〜
62%の酢酸セルロースを可塑剤と共に、例えば、メチレ
ンクロライド−メチルアルコール混合溶剤等に溶解して
ドープを形成し、このドープを濾過、脱泡後、金属ドラ
ム又はエンドレスバンドのような連続的に移動する支持
体上に流延し、溶剤を蒸発させる流延成膜法により製造
される(例えば、特公昭45−9074号公報参照)。
支持体の表面には、支持体と感光層等の写真層との接
着力を強化するための下塗層が設けられる。また、写真
層が設けられた面とは反対側の面に、帯電防止、カール
の調整、すべり性付与、アンチハレーション等のための
バック層が設けられることが一般的である。バック層
は、直接支持体上に設けられる場合と、下塗層を介して
支持体上に設けられる場合とがある。
支持体に接して設けられる下塗層及びバック層は、支
持体に対して膨潤性ないし一部溶解性を有する液体を溶
媒とする溶液にして、上記支持体の表面に塗布される。
このような方法で塗布されて形成された層は、一部支
持体の内部に浸透し、アンカーリング現象により支持体
と強固に結びついている。
写真フィルムは、感光、現像処理後においても支持体
は何等変化を受けないので、使用済みの不用の写真フィ
ルムから支持体のみを回収し、新しい写真フィルム用の
原材料として再使用することは省資源の面から極めて重
要である。
一般に、写真フィルムからその支持体を回収する方法
として、次にような方法がある。
その一つは、まず、感光材料製造工程や加工工程から
廃却物として排出される、写真層の塗布前又は塗布後の
写真フィルムや、病院、映画会社、放送局、現像所等の
感光材料のユーザーから排出される使用済フィルムなど
を蓄積し、このような写真フィルムを1〜数cm角以下の
大きさにチップ化し、このチップを蛋白質分解酵素を含
有する水溶液中に浸漬して、感光層などの写真層及び下
塗層のようなゼラチン含有層を脱膜する。その後、チッ
プを水洗し、染色されているチップについては、アセト
ン−メタノール混合溶剤などを用いて塗料を抽出除去す
る。次いで、このチップを更に水洗及び乾燥して得られ
た再生使用持チップを、写真フィルム支持体の製造又は
他の用途に用いる方法である。
また、他の方法は、特開昭53−15829号公報に記載さ
れた方法であり、この方法は、三酢酸セルロースフィル
ムを支持体として、そのバック層及び/又は下塗層に分
子量5,000以上の合成高分子化合物を含有してなる写真
フィルムから、三酢酸セルロース支持体を回収する方法
において、予め、三酢酸セルロースフィルムを溶解又は
膨潤せしめる有機溶剤を、少なくとも1種含有する有機
溶剤液、又は無機酸を含有する溶液で前処理をすること
を特徴とする写真フィルムの回収処理方法である。この
方法は、高度の品質要求のために、そのバック層及び/
又は下塗層に分子量5,000以上の合成高分子化合物を添
加した写真フィルムから、三酢酸セルロース支持体を回
収するためには有効な方法である。
一方、下塗層を、三酢酸セルロースフィルムからなる
支持体の表面に強固に結合させるために、ゼラチンを含
む下塗層にニトロセルロース(NC)を含有させることが
古くから行なわれているが、上記の公知の写真フィルム
からの支持体の回収方法によっては、このニトロセルロ
ースを上記支持体から完全に除去することは極めて困難
であり、品質の優れた三酢酸セルロースフィルムの再生
チップを回収することが困難である。
即ち、三酢酸セルロースフィルムの再生チップの品質
検査は、例えば、メチレンクロライド−メタノール(9:
1)の混合溶剤に再生チップを溶解してドープにし、そ
のドープの透過率及び不溶解物の存在を光学的に調べる
ことにより評価するのであるが、上記再生チップにニト
ロセルロースが含有されていると、ドープの透過率が低
下し不溶解物の量が増加する。従って、このような再生
チップは、これから写真支持体を製造する際にトラブル
を引き起こすとか、製造された写真支持体の品質が低下
するなどの欠点があるために写真支持体として再利用す
ることができない。
従って、ニトロセルロースを含有する低品質の上記再
生チップは、ニトロセルロースを完全に除去するため
に、再度アセトン−メタノール混合溶剤などを用いる抽
出除去処理をしなくてはならない。しかしながら、アセ
トン−メタノール混合溶剤を使用することによる爆発の
危険性があり、抽出除去処理の繰り返し及びアセトン−
メタノール混合溶剤の蒸留精製等によるコスト増大など
のために、実際的には、ニトロセルロースを含有する低
品質の上記再生チップは大部分焼却処分しなければなら
ないという問題点がある。
[発明の目的] 本発明の目的は、三酢酸セルロースフィルムからなる
支持体の表面に、ニトロセルロース及びゼラチンを含有
する下塗層が形成されてなる写真フィルムから、実質的
にニトロセルロースを含有せず、写真用支持体として再
利用できる品質の優れた三酢酸セルロースフィルムから
なる支持体の再生チップを、容易に安全にしかも低コス
トで回収することができる方法を提供することである。
[発明の要旨] 本発明は、三酢酸セルロースフィルムからなる支持体
の表面に、ニトロセルロース及びゼラチンを含有する下
塗層が形成されてなる写真フィルムから、該支持体を回
収する方法において、該写真フィルムを界面活性剤を含
む水溶液で前処理する第一工程、及び、第一工程で前処
理した写真フィルムを、蛋白質分解酵素を含む水溶液で
処理して該下塗層を該支持体から除去する第二工程から
成ることを特徴とする写真フィルム支持体の回収方法に
ある。
上記本発明の好ましい態様は、下記のとおりである。
1)該第一工程で使用する界面活性剤が、非イオン界面
活性剤、陽イオン界面活性剤又は陰イオン界面活性剤で
あることを特徴とする上記写真フィルム支持体の回収方
法。
2)該第一工程で使用する界面活性剤が、ポリエチレン
グリコールエーテル系の非イオン界面活性剤であること
を特徴とする上記写真フィルム支持体の回収方法。
3)該第一工程を、界面活性剤を含むアルカリ性水溶液
を使用して行なうことを特徴とする上記写真フィルム支
持体の回収方法。
4)該第一工程を、30〜60℃の温度で、写真フィルムの
感光層、中間層、下塗層、バック層などが膨潤又は軟化
するまで行なうことを特徴とする上記写真フィルム支持
体の回収方法。
5)該第二工程において、蛋白質分解酵素と陰イオン界
面活性剤とを含む水溶液で処理することを特徴とする上
記写真フィルム支持体の回収方法。
6)該陰イオン界面活性剤が、高級アルコール硫酸エス
テル塩であることを特徴とする上記写真フィルム支持体
の回収方法。
7)第二工程で得られた支持体を、過酸化水素水で処理
して漂白することを特徴とする上記写真フィルム支持体
の回収方法。
[発明の詳細な記述] 本発明の回収方法を適用する写真フィルムは、三酢酸
セルロースフィルムからなる支持体の表面に、少なくと
も下塗層が形成されたものであり、下塗層に少なくとも
ニトロセルロース及びゼラチンが含有されているもので
ある。このような写真フィルムは前記のように感光材料
製造・加工工程やユーザーから多量に排出されるもので
ある。
上記ニトロセルロースはそれ自体公知であり、通常10
〜14%程度の窒素量のものである。下塗層には、通常ニ
トロセルロースが約0.01〜2.0g/m2の量で、ゼラチンが
約0.01〜2.0g/m2の量で含有されている。
本発明において、第一工程の処理を行なう前に、前記
のようにして収集蓄積した写真フィルムをチップ化して
辺の長さが数cm以下、好ましくは約1cm〜約4cmである大
きさのチップにする。
本発明の第一工程においては、この写真フィルムチッ
プを、界面活性剤を含む水溶液で前処理する。
上記界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、陽イ
オン界面活性剤又は陰イオン界面活性剤の、それ自体公
知のどのような界面活性剤も使用することができるが、
特に、非イオン界面活性剤が好ましい。非イオン界面活
性剤としては、特に、ポリエチレングリコールエーテル
系の界面活性剤、例えば、高級アルコールのポリエチレ
ングリコールエーテル、アルキルフェノールのポリエチ
レングリコールエーテル、ソルビタンエステルのポリエ
チレングリコールエーテルなどの界面活性剤が好まし
く、陽イオン界面活性剤としては一〜三級アミン系、第
四アンモニウム系界面活性剤が好ましく、また陰イオン
界面活性剤としては後に例示するような界面活性剤が好
ましい。第一工程で使用される界面活性剤を含む水溶液
中の界面活性剤の濃度は、通常使用される濃度、例えば
0.1〜5重量%の濃度であってもよい。
第一工程で使用される界面活性剤を含む水溶液は、適
当なアルカリ化剤を添加することによってアルカリ性水
溶液にすることが好ましい。アルカリ化剤の具体例とし
ては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水
素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウムを
挙げることができる。このアルカリ化剤の濃度は、使用
される界面活性剤の種類、処理される写真フィルムの組
成等により変わるが、この水溶液のpHが8以上、特に8
〜12になるような濃度であることが好ましい。
第一工程の前処理は、室温〜約70℃、特に、30〜60℃
の温度で、写真フィルムの感光層、中間層、下塗層、バ
ック層などが膨潤又は軟化するまで、一般に10〜100分
間撹拌下に行なうことが好ましい。第一工程の処理後、
普通1〜30分間水洗して、第一工程の処理液を除去す
る。
本発明の第二工程においては、第一工程で前処理した
写真フィルムを、蛋白質分解酵素を含む水溶液で処理し
て、感光層などと共に前記下塗層を支持体から除去す
る。
上記蛋白質分解酵素としては、ゼラチンを分解し得る
酵素であればどのような蛋白質分解酵素(プロテアー
ゼ)であってもよい。例えば、動物起源のプロテアーゼ
(ペプシン、トリプシンなど)、植物起源のプロテアー
ゼ(パパイン、キモパパイン、ブロメライン、フィシン
など)、微生物起源のプロテアーゼ[放線菌プロテアー
ゼ(プロナーゼ)など]の蛋白質分解酵素を使用するこ
とができる。第二工程での処理液は、使用する蛋白質分
解酵素がゼラチンを分解するために最適であるpH値に調
整されていることが好ましい。上記蛋白質分解酵素の処
理液中の濃度は、一般に0.01〜2.0重量%であることが
好ましい。
本発明の第二工程で使用する処理液には、蛋白質分解
酵素と共に陰イオン界面活性剤を含有させてもよい。上
記陰イオン界面活性剤としては、それ自体公知のどのよ
うな陰イオン界面活性剤も使用することができるが、特
に、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルベンゼン
スルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン付加物の硫
酸エステル塩などであることが好ましい。陰イオン界面
活性剤の濃度は、通常使用される濃度、例えば0.1〜5
重量%の濃度であってよい。
第二工程の処理は、室温〜約70℃、特に、30〜60℃の
温度で、感光層などと共にニトロセルロース及びゼラチ
ンを含む下塗層が支持体から除去されるまで、一般に10
〜200分間撹拌下に行なうことが好ましい。第二工程の
処理後、普通1〜30分間水洗し、第二工程の処理液を除
去する。
本発明の回収方法により回収される支持体が着色され
た支持体である場合には、本発明の第二工程で処理して
得られた下塗層が除去された支持体を、次いで過酸化水
素水で処理して漂白することが好ましい。
上記過酸化水素水中の過酸化水素の濃度は1〜20重量
%であることが好ましい。上記漂白処理条件は、過酸化
水素水の濃度、第二工程から得られた支持体の着色度等
によって異なるが、一般に、室温〜90℃、特に70〜90℃
の温度で、支持体が十分に漂白されるまで、一般に30〜
150分間撹拌下に行なうことが好ましい。漂白処理後、
普通1〜30分間水洗して、支持体を十分に洗浄する。
本発明により回収された三酢酸セルロースからなる支
持体チップは、写真フィルム用支持体を製造するための
ドープにしたとき、透過率が優れており、不溶解物も含
有していないために、新規な三酢酸セルロースと同様に
して、写真フィルム用支持体を製造するために再使用す
ることができる。
次に実施例により実施例を更に具体的に説明する。
[実施例1] 映写済のカラーポジフィルム(ニトロセルロースとゼ
ラチンとを含有し、厚さ1μmの下塗層を有する)を約
3cm角の大きさにチップ化し、このチップ1300gを使用し
て下記の処理を行なった。
なお、上記フィルム中のニトロセルロースは、水200m
l、濃硫酸700ml及びジフェニルアミン3.7gを混合して調
製した均一液を、ガラス棒を使用してフィルム上に滴下
し、上記フィルムがブルーに変色したことによって確認
した。
また、上記フィルム中のゼラチンは、C.I.ベーシック
バイオレット3(C.I.42555)0.5gを水1000mlと混合し
て調整した均一液に、上記フィルムのチップを5分間浸
漬し、紫色に呈色したことによって確認した。
(第一工程) 非イオン界面活性剤として高級アルコールのポリエチ
レングリコールエーテル(商品名「エマルゲン106」、
花王株式会社製)30gと炭酸ナトリウム20gとを水3000ml
に溶解して、処理液を調製した。
この処理液に上記チップを浸漬し、45℃に維持して45
分間撹拌を続けて、前処理した。
前処理したチップを20〜25℃の水中で20分間撹拌しな
がら水洗した。
(第二工程) 蛋白質分解酵素(プロナーゼE:科研化学株式会社製)
2gと陰イオン界面活性剤として高級アルコール硫酸エス
テルナトリウム塩(商品名「モノゲン」(C12H25が主成
分)、第一工業製薬株式会社製)20gとを水3000mlに溶
解して、処理液を調製した。
この処理液に上記第一工程で得られたチップを浸漬
し、55℃に維持して40分間撹拌を続けて、処理した。
処理したチップを20〜25℃の水中で20分間撹拌しなが
ら水洗した。
(漂白処理)(第三工程) 35%過酸化水素水300mlを水3000mlと混合して漂白処
理液を調製した。
この処理液に上記第二工程で得られたチップを浸漬
し、80℃に維持して90分間撹拌を続けて処理した。
処理したチップを20〜25℃の水中で30分間撹拌しなが
ら水洗した。
水洗したチップを80℃で60分間乾燥して、回収チップ
を得た。
上記のようにして回収したチップをメチレンクロライ
ド/メタノール(9:1)混合溶剤に溶解して、15%濃度
のドープを調製した。このドープを、透過率測定器(コ
タキ製作所(株)製 光電比色計)を使用して透過率を
測定し、目視により不溶解物の存在の有無を観察した。
その結果を第1表に示す。
[実施例2] 実施例1の第二工程において、陰イオン界面活性剤を
使用せず、チップの浸漬、撹拌時間を120分間に変更し
た他は、実施例1におけると同様に実施して、チップを
回収した。
上記のようにして回収したチップについて、実施例1
におけると同様にして、透過率を測定し、目視により不
溶解物の存在の有無を観察した。その結果を第1表に示
す。
[比較例1] 実施例1で使用したものと同様のチップ1300gを、蛋
白質分解酵素(プロナーゼE:科研化学株式会社製)2gを
水3000mlに溶解した処理液に浸漬し、55℃に維持して1
時間撹拌を続けて処理した。
処理したチップを20〜25℃の水中で20分間撹拌しなが
ら水洗し、乾燥した。
得られたチップを、メタノール/アセトン(7/3)混
合溶剤でソックスレー抽出器を用いて30分間処理して染
料を抽出した。
得られたチップを20〜25℃の水中で10分間撹拌しなが
ら水洗し、乾燥した。
上記のようにして回収したチップについて、実施例1
におけると同様にして、透過率を測定し、目視により不
溶解物の存在の有無を観察した。その結果を第1表に示
す。
[比較例2] 実施例1で使用したものと同様のチップ1300gを、メ
タノール/アセトン(7/3)混合溶剤3000ml中に浸漬
し、約25℃で10時間放置した。
その後、このチップを3000mlの水で10分間洗浄し、乾
燥した。
上記のようにして回収したチップについて、実施例1
におるけと同様にして、透過率を測定し、目視により不
溶解物の存在の有無を観察した。その結果を第1表に示
す。
[参考例1] 比較例1で得られたチップを、更に、メタノール/ア
セトン(7/3)混合溶剤3000mlを使用した抽出処理を2
回繰り返して処理した。
その後、このチップを3000mlの水で10分間洗浄し、乾
燥した。
上記のようにして回収したチップについて、実施例1
におけると同様にして、透過率を測定し、目視により不
溶解物の存在の有無を観察した。その結果を第1表に示
す。
第1表の結果から明らかなように、処理対象物とし
て、下塗層にニトロセルロースを含有する写真フィルム
を使用した場合、実施例1及び実施例2で回収したチッ
プはドープの透過率が高く不溶解物がないので、新規な
三酢酸セルロースと同様にして、写真フィルム用支持体
を製造するために再使用することができるが、比較例で
回収したものは、いずれもドープの透過率が低く白濁し
ており、かつ不溶解物(ゲル)があり、写真フィルム用
支持体を製造するための原料として使用できないもので
あった。
比較例で得られたチップを、実施例で得られたものと
同様に再使用可能であるようにするためには、参考例1
に示すように更にメタノール/アセトン混合溶剤による
抽出精製処理を繰り返すことが必要であった。
[発明の効果] 本発明の写真フィルム支持体の回収方法は、三酢酸セ
ルロースフィルムからなる支持体の表面に、ニトロセル
ロース及びゼラチンを含有する下塗層が形成されてなる
写真フィルムから、実質的にニトロセルロースを含有せ
ず、写真用支持体として再利用できる品質の優れた三酢
酸セルロースフィルムからなる支持体の再生チップを、
容易に安全にしかも低コストで回収することができると
いう顕著に優れた効果を奏することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 健作 神奈川県南足柄市広町392 パナック工 業株式会社内 (72)発明者 石田 隆一 神奈川県南足柄市広町392 パナック工 業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−160451(JP,A) 特開 昭53−15829(JP,A) 特開 昭52−97738(JP,A) 特開 昭50−80371(JP,A) 特開 昭52−138131(JP,A) 米国特許2698235(US,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三酢酸セルロースフィルムからなる支持体
    の表面に、ニトロセルロース及びゼラチンを含有する下
    塗層が形成されてなる写真フィルムから、該支持体を回
    収する方法において、該写真フィルムを界面活性剤を含
    む水溶液で前処理する第一工程、及び、第一工程で前処
    理した写真フィルムを、蛋白質分解酵素を含む水溶液で
    処理して該下塗層を該支持体から除去する第二工程から
    成ることを特徴とする写真フィルム支持体の回収方法。
  2. 【請求項2】該第二工程において、蛋白質分解酵素と陰
    イオン界面活性剤とを含む水溶液で処理することを特徴
    とする請求項1記載の写真フィルム支持体の回収方法。
  3. 【請求項3】該第一工程及び該第二工程と、更に、該第
    二工程で得られた支持体を、過酸化水素水で処理して漂
    白する第三工程とから成ることを特徴とする請求項1記
    載の写真フィルム支持体の回収方法。
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