JP2602837B2 - 対物レンズ駆動装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、記録媒体に対物レンズを介して光ビーム
をスポット状に投射して、情報を光学的に記録したり再
生したりする光学式情報記録および／または再生装置に
用いる対物レンズ駆動装置に関する。

〔従来の技術〕

光学式情報記録および／または再生装置においては、
情報を正確に記録、再生するために対物レンズを経て記
録媒体に投射される光ビームをトラックに正しく追従さ
せる必要がある。このため、この種の光学式情報記録お
よび／または再生装置においては、対物レンズをその光
軸方向であるフォーカス方向と、光軸およびトラック方
向と直交するトラッキング方向とに移動可能に支持し、
電磁駆動手段によりこれら両方向に変位させるようにし
た対物レンズ駆動装置を用いている。

このような対物レンズ駆動装置としては、従来、第２
図ＡおよびＢに示すようなものが提案されている。この
対物レンズ駆動装置は、特開昭59−221839号公報に開示
されたもので、対物レンズ１はホルダ２に保持され、各
々金属線にゴムチューブを被覆して成る４本の線状弾性
支持部材３を介して磁性体より成る基台４にねじ５によ
って固定されたプリント基板６にフォーカスおよびトラ
ッキング方向に変位可能に支持されている。ホルダ２に
はフォーカスコイル７およびトラッキングコイル8a,8b;
9a,9bが装着され、また基台４にはこれらフォーカスコ
イル７およびトラッキングコイル8a,8b,9a,9bを横切る
磁束を発生する永久磁石10a,10bが設けられており、フ
ォーカスコイル７およびトラッキングコイル8a,8b;9a,9
bに所要の電流を流すことにより、ホルダ２にしたがっ
て対物レンズ１をフォーカス方向およびトラッキング方
向に駆動するようにしている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上述した従来の対物レンズ駆動装置においては、フォ
ーカスコイル７を共通に用いて、フォーカスコイル７ト
ラッキングコイル8a,8bおよび永久磁石10aにより第１の
電磁駆動手段11aを構成し、またフォーカスコイル７、
トラッキングコイル9a,9bおよび永久磁石10bにより第２
の電磁駆動手段11bを構成して、これら電磁駆動手段11
a,11bを対物レンズ１を挟むように記録媒体のトラック
方向に配列して設けて対物レンズ１を駆動するようにし
ている。しかしながら、このような構成においては、第
２図A,Bに示すように記録および／または再生用の光ビ
ーム12を記録媒体と平行で、かつトラック方向に対して
例えば45゜の角度をもって出射させ、これをミラー13で
反射させて対物レンズ１に垂直に入射させようとする
と、光ビーム12およびミラー13は第１の電磁駆動手段11
aを避けるため基台４の下方に位置させることになる。
このため、ミラー13から対物レンズ１までの光軸方向の
長さが長くなり、装置全体が大形になるという問題があ
る。

この発明は、このような問題に鑑みてなされたもの
で、光ビームを記録媒体と平行で、かつトラック方向に
対して斜めから出射させ、これをミラーで反射させて対
物レンズに垂直に入射させる場合でも、光軸方向の寸法
を小さくでき、装置全体を小形にできるよう適切に構成
した対物レンズ駆動装置を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、この発明は、光ビームを集
光して記録媒体に投射する対物レンズと、 この対物レンズを保持するホルダと、 このホルダに一端が固定され、該ホルダを所定の方向
に変位可能に支持する複数の弾性支持部材と、 前記対物レンズを前記所定の方向に変位させるための
複数の電磁駆動手段とを有する対物レンズ駆動装置にお
いて、 前記複数の弾性支持部材は、前記ホルダに固定された
一端から同じ抜向きに延在して配設され、 前記複数の電磁駆動手段は、前記対物レンズを挟み、
前記対物レンズの光軸方向、前記記録媒体のトラック方
向およびトラッキング方向に対して異なる方向に配列し
て設けられていることを特徴とするものである。

〔作 用〕

このようにすれば、光ビームを記録媒体と平行で、か
つトラック方向に対して斜めから出射させ、これをミラ
ーにより反射させて対物レンズに垂直に入射させる場合
にミラーに入射させる光ビームの光路を、弾性支持部材
が延在せず、かつ電磁駆動手段に妨げられない方向で、
記録媒体に近づけて設定できると共に、ミラーも対物レ
ンズの近傍に有効に配置することができる。したがっ
て、光軸方向の寸法を小さくでき、装置を小形にでき
る。

〔実施例〕

第１図ＡおよびＢはこの発明の一実施例を示す平面図
および正面図である。対物レンズ21はホルダ22に保持
し、このホルダ22に２個のフォーカスコイル23,24を設
ける。フォーカスコイル23,24は、記録媒体のトラック
方向およびトラッキング方向と異なる方向において、対
物レンズ21を挟むように配列してホルダ22の側面に接着
して設け、これらフォーカスコイル23,24の外周の一部
にはそれぞれトラッキングコイル25,26を装着して設け
る。

ホルダ22にはプリント基板27を固着し、このプリント
基板27にフォーカスコイル23,24およびトラッキングコ
イル25,26の両端を半田付けする。また、ホルダ22の四
隅には穴22aをそれぞれ形成し、これら穴22aに各々金属
線28にゴムチューブ29を被覆して成る線状弾性支持部材
30の一端部を嵌合し、その金属線28をプリント基板27に
半田付けする。各線状弾性支持部材30は、ホルダ22に嵌
合した一端部からトラック方向に沿って同じ向きに延在
して配列し、その他端部をプリント基板31に固定すると
共に、その金属線をプリント基板31に半田付けする。プ
リント基板31はねじ32により磁性体より成る基台33に固
定すると共に、このプリント基板31にリード線34a,34b;
35a,35bを半田付けする。

このようにして、対物レンズ21、フォーカスコイル2
3,24およびトラッキングコイル25,26を保持したホルダ2
2を４本の線状弾性支持部材30を介してフォーカス方向
およびトラッキング方向に変位可能に基台33に支持する
と共に、リード線34a,34b、プリント基板31、２本の線
状弾性支持部材30の金属線およびプリント基板27を介し
てフォーカスコイル23,24にフォーカス駆動信号を、ま
たリード線35a,35b、プリント基板31、他の２本の線状
弾性支持部材30の金属線およびプリント基板27を介して
トラッキングコイル25,26にトラッキング駆動信号をそ
れぞれ供給するようにする。

一方、基台33にはフォーカスコイル23,24に対向して
外ヨーク36,37を一体に設けると共に、外ヨーク36,37と
対向し、かつフォーカスコイル23,24内に侵入して内ヨ
ーク38,39を一体に設ける。また、外ヨーク36,37にはフ
ォーカスコイル23,34およびトラッキングコイル25,26と
対向する面側に永久磁石40,41を、同極をコイル側に対
向させて固着し、永久磁石40によりトラッキングコイル
25およびフォーカスコイル23を横切る磁束を、永久磁石
41によりトラッキングコイル26およびフォーカスコイル
24を横切る磁束をそれぞれ発生させるようにする。

このようにこの実施例では対物レンズ21を挟み、トラ
ック方向に対して斜め方向に配列して、フォーカスコイ
ル23、トラッキングコイル25および永久磁石40を有する
電磁駆動手段42と、フォーカスコイル24、トラッキング
コイル26および永久磁石41を有する電磁駆動手段43とを
設け、これら電磁駆動手段42,43により対物レンズ21を
フォーカス方向およびトラッキング方向に駆動するよう
にする。

更に、この実施例では対物レンズ21の光軸方向におい
て、該対物レンズ21と基台33の底面33aとの間に、基台3
3に固定してミラー44を設け、このミラー44により、線
状弾性支持部材30が延在せず、かつ電磁駆動手段42に妨
げられない方向から、記録媒体と平行で、かつトラック
方向に対して斜めから入射する記録および／または再生
用の光ビーム45を反射させて対物レンズ21に垂直に入射
させるようにする。

この実施例によれば、複数の線状弾性支持部材30をホ
ルダ22から同じ向きに延在して配設し、２個の電磁駆動
手段42,43を対物レンズ21を挟み、トラック方向に対し
て斜め方向に配列して設けたので、線状弾性支持部材30
および電磁駆動手段42に妨げられることなく、記録媒体
と平行な光ビーム45の光路を対物レンズ21の光軸方向に
おいて電磁駆動手段42とほぼ同じ位置に設定できると共
に、対物レンズ21の下方に十分なスペースを設けること
ができ、このスペースに光ビーム45を反射させて対物レ
ンズ21に垂直に入射させるミラー44を有効に配置するこ
とができる。したがって、対物レンズ21の光軸方向にお
ける寸法を小さくでき、装置を小形にできる。

なお、この発明は上述した実施例にのみ限定されるも
のではなく幾多の変形または変更が可能である。例え
ば、対物レンズ21は板ばね等を用いて変位可能に支持す
ることもできるし、各電磁駆動手段42,43にそれぞれ２
個のトラッキングコイルを設けることもできる。また、
電磁駆動手段は必ずしも対物レンズを挟むように設ける
必要はないと共に、これを３個以上設けることもできる
し、その各々の電磁駆動手段を対物レンズホルダに設け
た磁性体と、これと対向して基台に設けられ、駆動信号
によって作動する電磁石とをもって構成することもでき
る。更に、この発明は対物レンズを弾性部材を介して変
位可能に支持するものに限らず、固定軸に対して回動お
よびスライド自在に支持するいわゆる回動式のものにも
有効に適用することができる。

〔発明の効果〕

以上述べたように、この発明によれば、複数の弾性支
持部材をホルダから同じ向きに延在させ、対物レンズを
駆動するための複数の電磁駆動手段を、対物レンズの光
軸方向、記録媒体のトラック方向およびトラッキング方
向に一致しない方向に配列して設けたので、光ビームを
記録媒体と平行で、かつトラック方向に対して斜めから
出射させ、これをミラーにより反射させて対物レンズに
垂直に入射させる場合に、ミラーに入射させる光ビーム
の光路を、弾性支持部材および電磁駆動手段に妨げられ
ることなく記録媒体に近づけて設定できると共に、ミラ
ーも対物レンズの近傍に有効に配置することができる。
したがって、光軸方向の寸法を小さくでき、装置を小形
にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図ＡおよびＢはこの発明の一実施例を示す平面図お
よび正面図、 第２図ＡおよびＢは従来の技術を示す平面図および正面
図である。 21……対物レンズ、22……ホルダ 23,24……フォーカスコイル 25,26……トラッキングコイル 27,31……プリント基板 30……線状弾性支持部材 32……ねじ、33……基台 34a,34b,35a,35b……リード線 36,37……外ヨーク 38,39……内ヨーク 40,41……永久磁石 42,43……電磁駆動手段 44……ミラー 45……光ビーム

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】光ビームを集光して記録媒体に投射する対
   物レンズと、 この対物レンズを保持するホルダと、 このホルダに一端が固定され、該ホルダを所定の方向に
   変位可能に支持する複数の弾性支持部材と、 前記対物レンズを前記所定の方向に変位させるための複
   数の電磁駆動手段とを有する対物レンズ駆動装置におい
   て、 前記複数の弾性支持部材は、前記ホルダに固定された一
   端から同じ向きに延在して配設され、 前記複数の電磁駆動手段は、前記対物レンズを挟み、前
   記対物レンズの光軸方向、前記記録媒体のトラック方向
   およびトラッキング方向に対して異なる方向に配列して
   設けられていることを特徴とする対物レンズ駆動装置。