JP2600726C - - Google Patents

Info

Publication number
JP2600726C
JP2600726C JP2600726C JP 2600726 C JP2600726 C JP 2600726C JP 2600726 C JP2600726 C JP 2600726C
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fat
emulsion
average particle
vitamin
blood concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
Other languages
English (en)
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Publication date

Links

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】 本発明は脂肪乳剤に関し、更に詳しくは粒子が微細で含有する脂溶性の薬理活
性物質の血中濃度が低下しにくい脂肪乳剤に関する。 【従来の技術】 種々の薬理活性物質を脂肪乳剤に調製してその薬理作用を高める試みがこれま
でなされてきた。たとえば、ステロイド類,プロスタグランジン類,制癌薬など
についての脂肪乳剤が知られ、その薬理作用の増大も一応認められているが、ま
だ十分とは言い難い。 【発明が解決しようとする問題点】 本発明の目的は、脂溶性の薬理活性物質を含有する脂肪乳剤の薬理作用を高め
ることにある。 【問題点を解決するための手段】 本発明者らは、鋭意研究の結果、脂溶性の薬理活性物質を含有する脂肪乳剤を
静注投与すると、その血中濃度の急激な低下現象を起こすにもかかわらず、脂肪
乳剤の粒子径を70nm以下にすると、このような現象を起こすことなく、薬理活性
物質の作用が著しく高まることを見いだして本発明を完成した。 本発明は、脂溶性の薬理活性物質(但し、制癌剤を除く。)を含有し、5〜30
w/v%の油相成分、及びリン脂質類を必須成分とする0.1〜20w/v%の乳化剤から
な り、平均粒子径が40〜70nmである薬物の血中濃度の急激な低下現象を起こさない
微粒子脂肪乳剤である。また、他の本発明は、粗乳化後に700kg/cm2
上の能力を有する高圧乳化機を使用して精乳化することを特徴とする上記薬物の
血中濃度の急激な低下現象を起こさない微粒子脂肪乳剤の製造方法である。 本発明において、脂溶性の薬理活性物質とは、薬理活性を有する物質で油脂に
溶解するものであればよく、たとえば、麻酔薬,鎮静薬,トランキライザー,鎮
痛薬,下熱薬,中枢興奮薬,筋弛緩薬,交感神経興奮薬,交感神経抑制薬,副交
感神経興奮薬,副交感神経抑制薬,自律神経遮断薬,鎮痙薬,抗ヒスタミン薬,
強心薬,不整脈治療薬,血管拡張薬,鎮咳薬,抗凝血薬,止血薬,ビタミン,ホ
ルモン,化学療法薬,抗生物質などである。 本発明の脂肪乳剤は5〜30w/v%の油相成分と0.1〜20w/v%の乳化剤および適
量の水から主としてなる。 油相成分として、大豆油,綿実油などの植物油,およびパナセート800、同810
[商品名,日本油脂(株)製]などの合成トリグリセライドを使用することがで
きる。 乳化剤として、リン脂質,水素添加リン脂質,レシチン,水素添加レシチンな
どリン脂質類,またはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体[ニッコールHCO
−50、同60など,日光ケミカルズ(株)製]、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル[ニッコールTO−10M、同106など,日光ケミカルズ(株)製]、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール[プルロニックF68など,旭
電化工業(株)製]などの非イオン界面活性剤を使用することができる。 その他必要に応じて乳化補助剤,安定化剤,等張化剤、pH調整剤なども使用す
ることができる。 本発明の脂肪乳剤は、たとえば下記の方法により製造することができる。 すなわち、70〜80℃に加温した前記油相成分に前記脂溶性の薬理活性物質を溶
解する。これに前記乳化剤を分散した後、必要に応じて乳化補助剤,安定化剤そ
の他必要な補助成分を添加した後、適量の水を加え、常法により粗乳化する。 この粗乳化液を、700kg/cm2以上の能力を有する高圧乳化機を用いて
適当時間精乳化を行ない、その平均粒子径が40〜70nmの脂肪乳剤をアンプ
ル に充填し、高圧蒸気滅菌して製剤とする。 この製剤は注射剤として使用することができる。 粗乳化に使用できる乳化機としては、たとえば日音医理化器械(株)製の超高
速ホモジナイザー ヒスコトロンNS−60、みずほ工業(株)製の卓上型クイック
ホモミキサーLR−1などがある。 また精乳化に使用できる高圧乳化機としては、たとえばマントンゴーリン社製
のマントンゴーリン型噴射乳化機15M(圧力700kg/cm2以上)、アミ
ンコ社製高圧細胞破砕機フレンチプレッシャーAFPS−20KM(圧力220
0kg/cm2以上)などがある。 【実施例】 以下、実施例と試験例を挙げて本発明を具体的に説明する。 実施例1 予め、80℃に加温した大豆油25gにビタミンA250万I.U.、リン脂質4.5g、ニッ
コールHCO−60 25gを加え、撹拌,分散した。これにグリセリン5.5gと水酸化ナ
トリウム1.5mgを添加し、注射用滅菌蒸留水を加えて全量を250mlとした。この液
を超高速ホモジナイザー ヒスコトロンNS−60を用いて、10000回転/分で10分
間乳化し、粗乳化液とした。 この粗乳化液をマントンゴーリン型噴射乳化機15Mを用い、圧力700kg/
cm2で15分間精乳化を行なって平均粒子径が60nmの脂肪乳剤を得た。この脂
肪乳剤を1mlのアンブルに分注し、常法により高圧蒸気滅菌を行ない、ビタミン
A注射剤を得た。 実施例2 実施例1において、ビタミンA250万I.U.の代わりにビタミンD25万I.U.を用い
、精乳化を10分間行なって、平均粒子径が70nmのビタミンD注射剤を得た。 実施例3 実施例1において、ビタミンA250万I.U.の代わりにビタミンE12.5gを用い、大
豆油を12.5gに減じ、精乳化を15分間行なって、平均粒子径が63nmのビタミンE
の注射剤を得た。 実施例4 実施例1において、ビタミンA250万I.U.の代わりにビタミンK2.5gを用い、精
乳化を15分間行なって、平均粒子径が50nmのビタミンKの注射剤を得た。 実施例5 実施例1において、ビタミンA250万I.U.の代わりにコエンザイムQ102.5g
を用い、精乳化を15分間行なって、平均粒子径が48nmのコエンザイムQ10
の注射剤を得た。 実施例6 実施例1において、ビタミンA250万I.U.の代わりにプロスタグランジンE1
.5mgを用い、精乳化を15分間行なって、平均粒子径が55nmのプロスタ
グランジンE1の注射剤を得た。 実施例7 実施例1において、ビタミンA250万I.U.の代わりにプロスタグランジンE1
チル1.25mgを用い、精乳化を12分間行なって、平均粒子径が60nmの
プロスタグランジンE1エチル注射剤を得た。 試験例1 (試料の調製) 予め70℃に加温した大豆油4gにトレーサーとして14C−グリセロール トリオ
レート40μCi、リン脂質0.72gを加え、撹拌して均一に分散した。 これにニッコールHCO−60 4g、水酸化ナトリウム0.32mgを加えて分散した後、
注射用滅菌蒸留水を加えて全量を40mlとした。この液を超高速ホモジナイザーヒ
スコトロンNS−60を用いて10000回転/分で10分間乳化し、粗乳化液とした。 この粗乳化液を高圧細胞破砕機フレンチブレッシャーAFPS−20KMを用
いて、圧力2200kg/cm2で9回精乳化を行ない、平均粒子径が70nm
の脂肪乳剤を調製した。これを試料1とした。 乳化剤の種類および量並びに精乳化の回数を第1表に示すように変え、前記試
料の調製法に準じて試料2〜7を調製した。 各試料の平均粒子径を第1表に示す。 試験例2 脂肪粒子血中濃度の経時変化 (試料の調製) 試験例1で調製した標識試料1〜7をそのまま用いた。 (供試動物) 体重250〜270gの雄性ウィスター系ラット3匹を1群とし、前記各試料に1群
ずつの動物を用意した。 (試験) 前記標識試料を、それぞれに割当てられた群の動物の左大腿静脈より1ml/kg静 注投与した。各群の動物の動脈から経時的に血液を採取し、その放射活性を測定
して脂肪粒子血中濃度の経時変化を調べた。 その結果を第1図に示す。 第1図より平均粒子径が70nm以下のグループと90nm以上のグループとは、その
脂肪粒子血中濃度の経時変化に歴然とした差異があることが認められた。 試験例3 コエンザイムQ10血中濃度の経時変化 (試料の調製) 試験例1の試料の調製において、トレーサーとして14C−グリセロール ト
リオレート40μCiの代わりに14C−コエンザイムQ1040μCiを用い、試
料1、3、6に相当する試料を調製してそれぞれ試料8、9、10とした。 (供試動物) 試験例2に準じて供試動物を用意した。 (試験) 前記標識試料について試験例2の同様の試験を行ない、コエンザイムQ10血中
濃度の経時変化を調べた。 その結果を第2図に示す。 第2図より、コエンザイムQ10血中濃度の経時変化は脂肪粒子のそれと同一の
傾向を示すことが認められた。 この傾向は他の脂溶性薬理活性物質についても同じように現れるものと考えら
れる。 【発明の効果】 本発明の脂肪乳剤は、その平均粒子径を40〜70nmにすることにより、粒
子径が大きい通常の脂肪乳剤において見られる薬物の血中濃度の急激な低下現象
を起こさず、前記薬理活性物質の薬理作用を著しく高めることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 第1図は、脂肪乳剤の粒子径の相違による脂肪粒子の血中濃度の経時変化を示
すグラフである。 【図2】 第2図は、脂肪乳剤の粒子径の相違によるコエンザイムQ10血中濃度の経時変
化を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 脂溶性の薬理活性物質(但し、制癌剤を除く。)を含有し、5
    〜30w/v%の油相成分、及びリン脂質類を必須成分とする0.1〜20w/
    v%の乳化剤からなり、平均粒子径が40〜70nmである薬物の血中濃度の急
    激な低下現象を起こさない微粒子脂肪乳剤。 【請求項2】 粗乳化後に700kg/cm2以上の能力を有する高圧乳化機
    を使用して精乳化することを特徴とする請求項1記載の薬物の血中濃度の急激な
    低下現象を起こさない微粒子脂肪乳剤の製造方法。

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hippalgaonkar et al. Injectable lipid emulsions—advancements, opportunities and challenges
Klang et al. Design and evaluation of submicron emulsions as colloidal drug carriers for intravenous administration
KR102027613B1 (ko) 호르몬 함유 유화액
KR960013281B1 (ko) 지방유제 형태의 비경구용 약물담체
JP2010534555A (ja) 複合型乳化剤及びそれを用いて調製された乳剤並びにその調製方法
JPH11509545A (ja) ビタミンeを含む脂質ビヒクル薬剤送達組成物
CN107397718A (zh) 基于半氟化烷烃类的外用药物组合物
JP2007520555A (ja) 自己安定化剤の使用により調製された分散剤
JP2734520B2 (ja) 微粒子脂肪乳剤
JPH0798740B2 (ja) 薬物担体
JPH0157096B2 (ja)
JP2600726B2 (ja) 微粒子脂肪乳剤
EP0799035B1 (en) Emulsion suitable for administering a sphingolipid and use thereof
JP2005225818A (ja) パクリタキセル又はドセタキセルの医薬組成物
JP2838164B2 (ja) 乳化組成物
KR20130062282A (ko) 진정 수면제의 주사가능한 에멀젼
PT1364642E (pt) Composição para libertação de ditranol
JP2600726C (ja)
KR100426346B1 (ko) 자가미세유화형 약물전달시스템을 이용한 고지혈증치료용약제 조성물
JP2002241284A (ja) 全身投与用アルガトロバン注射液
CN107412161A (zh) 一种自乳化2‑甲氧基***静脉注射剂及其制备方法
JPH01143834A (ja) 制癌物質を含有する脂肪乳剤
JPH0422886B2 (ja)
JP3611130B2 (ja) 脂肪乳剤の調製方法
JP2583066B2 (ja) Ara−C誘導体の新規な医療用製剤