JP2600405B2

JP2600405B2 - ペット用洗滌剤

Info

Publication number: JP2600405B2
Application number: JP1329520A
Authority: JP
Inventors: 哲朗渡邊; 健文松島; 浩史森口
Original assignee: Mitsubishi Materials Corp
Current assignee: Mitsubishi Materials Corp
Priority date: 1989-12-21
Filing date: 1989-12-21
Publication date: 1997-04-16
Anticipated expiration: 2012-04-16
Also published as: JPH03192200A

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は、微生物系ペット用洗滌剤に関する。即ち、
ペット汚物を清掃するときに、汚物を効率的に除去でき
る微生物系ペット用洗滌剤に関する。

［従来の技術及び発明が解決しようとする問題点］犬や猫などのペットを洗浄する洗滌剤は、既に市販さ
れており、その組成としては、（１）界面活性剤、芳香
剤、色素を主要成分としたもの、（２）更に、毛や皮膚
の光沢を良くする物質や栄養分を添加したものが多く。
微生物を構成要素としたものは、ない。

化学合成品を主要な組成物としているため、効果が強
い一方、化学薬品的な刺激もあり、水で完全に略完全に
洗い流す必要がある。洗滌作業は、通常、ペットは水で
洗い流すのを嫌うため、出来れば、水で簡単に洗うこと
できるものや、スプレーで吹き付ける程度で、洗滌又は
消臭効果のある物質の開発が望まれていた。

本発明では、以上の問題点を克服すべく、洗滌手間の
軽減や、消臭効果の増進を行ない、且つ、ペットやそれ
らを取り扱う人体に悪害を及ぼさないペット用洗滌剤を
提供することを目的とする。更に、本発明は、微生物や
酵素を利用することにより、従来のペット用洗滌剤の有
する問題点を解決したものである。

［問題点を解決するための手段］本発明の要旨とするものは、微生物群、酵素、乳糖、
グルコース、塩化アンモニウム、界面活性剤及び水から
構成されるペット用洗滌剤である。そして、微生物群
は、バチルス（Bacillus）属、ストレプトコッカス（St
reptococcus）属、リゾープス（Rhizopus）属、アスペ
ルギルス（Aspergillus）属、ニトロバクター（Nitroba
cter）属、ニトロソモナス（Nitrosomonas）属及びシュ
ードモナス（Pseudomonas）属の７属の微生物で構成さ
れるものが好適である。そして、その洗滌剤は、該微生
物群10重量部に対して、酵素１重量部以下、乳糖３〜50
00重量部、グルコース３〜5000重量部、塩化アンモニウ
ム0.5〜3000重量部、界面活性剤10〜3000重量部、水300
〜６、000、000重量部の配合が好適である。

本発明によると、先ず、微生物を利用する本発明の微
生物系ペット用洗滌剤は、特定微生物混合物とそれらが
生育するための栄養、生育・増殖の条件に適するような
組成物成分を調整し、本発明の微生物系ペット用洗滌剤
は、微生物群、酵素、乳糖、グルコース、塩化アンモニ
ウム、界面活性剤及び水から構成される。

その微生物群10重量部に対して、酵素１重量部以下、
乳糖３〜5000重量部、グルコース３〜5000、塩化アンモ
ニウム0.5〜3000重量部、界面活性剤10〜3000重量部、
水300〜６、000、000重量部の配合である。

本発明のペット用洗滌剤では、一定の配合微生物群
が、最良の条件で効率的にペットを洗滌し、その汚れを
剥離除去できる条件を整えることができる。

本発明の洗滌剤に含有せしめる微生物としては、（１）バチルス（Bacillus）属は、特に、バチルス・
ズブチルス（B.subtilis）［IAM（Institute of Applie
d Microbiology:東京大学応用微生物研究所有用菌株
保存施設の略称；以下同様にこの略称で示す）1168］が
好適であるが、この他に、バチルス・ナットウ（B.natt
o）［IFO（Institute for Fermentation Osaka:財団法
人発酵研究所：の略称；以下同様にこの略称で示す）30
09］バチルス・コアギュラス（B.coagulans）［IAM 111
5］、バチルス・マセランス（B.macerans）［IAM 124
3］も利用できる。

（２）ストレプトコッカス（Streptococcus）属の微
生物としては、何でも良いが、ストレプトコッカス・フ
ァカリス（S.faecalis）［IAM 1119］、ストレプトコッ
カス・クレモリス（S.cremoris）［IAM 1150］及びスト
レプトコッカス・ラクチス（S.lactis）［IFO 12546］
などを用いることができる。

また、カビの１種の（３）リゾープス（Rhizopus）属
の微生物としては、リゾープス・フォルモサエンシス
（Rhizopus formosaensis）［IAM 6250］、リゾープス
・オリザエ（Rhizopus oryzae）［IAM 6006］、リゾー
プス・シュードシネンシス（Rhizopus pseudochinensi
s）［IAM 6042］などを用いることができる。

（４）ニトロソモナス（Nitrosomonas）属の微生物と
しては、ニトロソモナス・ヨーロパエア（N.europaea）
［IFO 14298］などを用いることができる。

（５）ニトロバクター（Nitrobacter）属の微生物と
しては、ニトロバクター・アギリス（N.agilis）［IFO
14297］などを用いることができる。

（６）シュードモナス（Pseudomonas）属の微生物と
しては、シュードモナス・ニトロレデュセンス（P.nitr
oreducens）［IFO 12694］、シュードモナス・キャリオ
フィリス（P.caryophillis）［IFO 12950］、シュード
モナス・スチュトセリ（P.stutzeri）［IFO 3773］を用
いることができる。

そして（７）のアスペルギルス（Aspergillus）属の
微生物としては、アスペルギルス・ニガー（A.niger）
［IFO 4066］、アスペルギルス・ウサミイ（A.usamii）
［IFO 6082］などを用いることができる。

本発明ではこれら７属の微生物を混入して、ペットに
付着、吸着した悪臭源や微細な汚れ分の分解、除去を図
る微生物群を提供することができる。

即ち、a.（１）〜（７）の微生物は、一般に有機物や
有機物系腐敗物を分解したり、それらが生成する酵素
（アミラーゼ、ブロテアーゼなど）は更に短時間で有機
物や悪臭源を分解できる。

b.（１）、（２）、（３）及び（７）の微生物の組合わ
せにより、有機物中の糖分、グルコース、乳糖などを、
クエン酸などの有機酸に変換する効果があり、それら
は、有機酸としてペットの表面に吸着して、悪臭源を中
和する効果がある。

c.（４）、（５）、（６）の微生物は、ペットの表面に
吸着して、悪臭源となっているアンモニア臭を長期的に
分解する効果がある。即ち、（４）は、アンモニア→NO
₂、（５）はNO₂→NO₃へ、（６）は、NO₃→N₂に変換し、
アンモニア臭を無臭のガスに変換する。

この微生物群10重量部に対して、グルコース３〜5000
重量部、乳糖３〜5000重量部、塩化アンモニウム0.5〜3
000重量部、界面活性剤10〜3000重量部、酵素１重量部
以下そして、水300〜６、000、000重量部を含有させ、
ペットの汚物の分解効果を完全にする。

グルコースは、微生物の炭素系栄養源となり、有機酸
など悪臭を中和する物質へ変換される。グルコース３重
量部未満では、微生物の生育を効果的に促進しなく、50
00重量部を超えると、アスペルギルス属やバチルス属の
微生物の数が増え過ぎて、他種の微生物との共存が不可
能となる。

乳糖は、特に（１）〜（３）、（７）の微生物の炭素
系栄養源となり、乳酸のような有機酸などに変換され
て、悪臭源のマスク、中和や芳香発生の基となるもので
ある。乳糖３重量部未満では、微生物の育成を効果的に
促進しなく、不都合であり、また、5000重量部を超える
と、（１）〜（３）、（７）の微生物の微生物数が増え
過ぎて、他種の微生物との共存が不可能になる。

塩化アンモニウムは、微生物の育成、増殖の際の窒素
系栄養源となり、不可欠のものである。

塩化アンモニウムが0.5重量部未満では、微生物の生
育を効果的に促進しなく、不都合であり、また、3000重
量部を超えると、有機物や悪臭源の分解能を低下させる
とともに、アンモニア臭の原因となる。

更に、界面活性剤を添加する。それは微生物や酵素に
よる作用、効果に加えて、本発明では、これらの有効成
分をペットに付着、吸着している有機物や悪臭源の界面
に浸入及び接触し易くするために必要である。

これには、アニオン系、カチオン系、非イオン系のも
ので浸潤性の大きいものが好適であり、例えば、アルキ
ルアリル、ポリエーテルアルコールやナトリウム・ジオ
クチルスルホサクシネートなどから選択され、実際に用
いられるものとしては、アルキルベンゼンスルホン酸カ
リウム、ポリオキシエチレン（９〜10モル）オレート、
ラウリルアルコール硫酸エステルトリエタノールアミン
塩、モノエタノールアミンオレート、椰子脂肪酸モノグ
リセリド硫酸エステルカリウム塩を単独又は２つ以上組
合わせて使用する。

そして、界面活性剤は、微生物群混合物10重量部に対
して、10〜3000重量部添加する。10重量部未満では、有
効成分を浸入させる助けにならず、本発明の所望とする
効果が得られない。また、3000重量部を超えると、微生
物の育成に害を示し、好ましくない。

酵素は、ペットに付着、吸着して汚れの成分となって
いる有機物や悪臭の原因となている悪臭源の一部を早期
に分解する。酵素としては、アミラーゼ、プロテアー
ゼ、リパーゼ、ウレアーゼなどを用いる。これは、微生
物が生成する分を補強する形で添加される。酵素は、微
生物群10重量部に対して１重量部を超えても、効果はそ
う変化はなく、コスト高になる。

更に、使用する水としては、脱イオン水や蒸留水が好
適であり、微生物群10重量部に対して、300〜６、000、
000重量部添加する。微生物、栄養源などを溶解させ、
その中で有効成分である酵素や有機酸などを効率的に生
成させるための媒体として適量が必要である。300重量
部未満では、微生物や栄養源の濃度が高過ぎて充分な反
応ができなく、６、000、000重量部を超えると、洗浄液
がうすすぎて、生物の濃度が低くなるため本発明の効果
がうすれる。

本発明のペット用洗滌剤は、上記のような配合に構成
原料を計量し、30〜35℃で60時間撹拌して、製品とす
る。

更に、本発明の微生物系ペット用洗滌剤は、玄関の敷
石の洗滌や、一般の洗剤としても利用できる。

次に、本発明の微生物系ペット用洗滌剤について具体
的により説明するが、本発明は、次の実施例に限定され
るものではない。

［実施例］［洗滌剤の製造］バチルス属のバチルス・ズブチルス（B.subtilis）
［IAM 1168］を1.20g、ストレプトコッカス（Streptoco
ccus）属のストレプトコッカス・ラクチス（S.lactis）
［IFO 12546］を1.00g、リゾープス（Rhizopus）属のリ
ゾープス・オリザエ（R.oryzae）［IAM 6006］を0.55
g、アスペルギルス（Aspergillus）属のアスペルギルス
・ニガー（E.niger）［IFO 4066］を1.00g、ニトロバク
ター（Nitrobacter）属のニトロバクター・アギリス
（N.agilis）［IFO 14297］を0.35g、ニトロソモナス
（Nitrosomonas）属のニトロソモナス・ヨーロパエア
（N.europaea）［IFO 14298］を0.45g及びシュードモナ
ス（Pseudomonas）属のシュードモナス・ニトロレデュ
センス（Pseudomonas nitroreducens）［IFO 12694］を
0.45g計量し、これにアミラーゼ0.2g、プロテアーゼ0.2
g、リパーゼ0.1g及びグルコース33g、乳糖28g、塩化ア
ンモニウム4.5g、アルキルベンゼンスルホン酸カリウム
30g、水5000ccを均一に混合し、35℃で60時間撹拌し
て、ペット用洗滌液約５を得た。

［性能試験］ペットとして飼われている犬を15匹、猫15匹を集め
て、３匹づつ１つの製品を用いて、本発明のペット用洗
滌剤、市販品Ａ社品、Ｂ社品を各々100ccを水に溶かし
て、５分浸し、その後も20の水槽で２分間洗滌して、
20日間放置して、臭いの発生を比較した。ブランクとし
て、無処理のデータを採取した。

更に、本発明の洗滌剤については、犬３匹、猫３匹に
ついて、体全面に20ccスプレーしたのみで、20日間放置
し、臭いの発生を観察する試験を実施した。

これらの性能試験の結果を第１表に示す。

第１表から、本発明のペット洗滌剤は、犬の場合は、
市販品では、２〜４日間しか悪臭を抑えないのに、７〜
８日間抑制した。そして、猫の場合、市販品は、４〜６
日間しか悪臭を抑えないのに、本発明品では、10〜11日
間抑制した。

更に、特にスプレー処理をして、洗滌しないテストの
結果では、本発明品は、犬で９〜15日間、猫で８〜10日
間、その効果を維持している。

このように、本発明品は、単純な悪臭抑制の効果を期
間で比較したのみの判定でも、市販品の２〜３倍の効果
を示した。

この結果から分かるように、本発明の微生物系ペット
用洗滌剤では、消臭効果が著しいと同時に、クリーンな
汚物処理を可能にするものである。

［発明の効果］本発明の微生物系ペット用洗滌剤は、次のような消臭
効果を奏することにより、ペット汚物洗滌剤として、著
しく有効なものである。

即ち、第１に、微生物及び微生物の生成する酵素、有機酸な
どの有効物質及び添加されている酵素が、界面活性剤の
助けを得て、ペットの体表面の毛や皮膚の細部にわた
り、隅々まで分散して、汚れや悪臭の原因となる物質を
分解又は固定して、無臭化することができる。

第２に、ここで、汚れや悪臭の原因となる物質を洗滌
して、洗い流すのみの物理的な作用ではなく、本発明で
は、本質的に即効的に、これらの悪臭源を分解、固定す
るので、無臭化の効果は長期的に維持される。

第３に、特に、スプレーで処理した場合、顕著である
が、本発明においては、水で洗滌しても、無害である一
部の微生物は、ペットの体表面、特に、毛の中に吸着さ
れているために、消臭効果を長期的に示現することがで
きる。

以上のように、本発明のペット汚物洗滌剤は、ペット
に付着、吸着した汚れや悪臭の原因となる有機物を短時
間で略完全に分解、固定効果することができるため、ペ
ット用洗滌剤としては、極めて有効なものであり、従っ
て、産業上極めて有意義である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｃ１２Ｒ 1:66） (Ｃ１２Ｎ 1/14 Ｃ１２Ｒ 1:845） (Ｃ１２Ｎ 1/20 Ｃ１２Ｒ 1:01） (Ｃ１２Ｎ 1/20 Ｃ１２Ｒ 1:07） (Ｃ１２Ｎ 1/20 Ｃ１２Ｒ 1:46） (Ｃ１２Ｎ 1/20 Ｃ１２Ｒ 1:38）

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】微生物群、酵素、乳糖、グルコース、塩化
アンモニウム、界面活性剤及び水から構成されるペット
用洗滌剤。
【請求項２】前記微生物群は、バチルス（Bacillus）属、ストレプトコッカス（Streptococcus）属、リゾープス（Rhizopus）属、アスペルギルス（Aspergillus）属、ニトロバクター（Nitrobacter）属、ニトロソモナス（Nitrosomonas）属及びシュードモナス
（Pseudomonas）属の７属の微生物で構成される請求項
１に記載のペット用洗滌剤。
【請求項３】該微生物群10重量部に対して、酵素１重量
部以下、乳糖３〜5000重量部、グルコース３〜5000重量
部、塩化アンモニウム0.5〜3000重量部、界面活性剤10
〜3000重量部、水300〜６、000、000重量部である請求
項１に記載のペット用洗滌剤。