JP2597388Y2 - ベルトコンベアの付着物除去装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、石炭やコークス等を搬
送するベルトコンベアの表面に付着した付着物を除去す
るための装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、ベルトコンベアの一形態として、
架台に駆動プーリーと従動プーリーとをそれぞれ前後方
向に一定の間隔を開けて軸架し、両プーリー間にベルト
本体を巻回し、駆動プーリーに駆動機構を連動連結し
て、同駆動プーリーの回転駆動に連動してベルト本体を
搬送回転可能とすると共に、架台にベルト本体の表面に
付着した付着物を除去するための付着物除去装置を取付
けたものがある。

【０００３】そして、かかる付着物除去装置は、ベルト
本体の直下方に回転軸を軸架し、同回転軸に回転体を取
付け、同回転体の周面に掻落し片を取付ける一方、回転
軸にベルトコンベアの駆動機構とは別個の駆動機構を連
動連結して、同駆動機構により回転体を回転させて、掻
落し片によりベルト本体の表面に付着した付着物を除去
するようにしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】ところが、上記したベ
ルトコンベアでは、付着物除去装置を駆動させるための
駆動機構を、ベルトコンベアの駆動プーリーを駆動させ
るための駆動機構とは別個に設けているために、構造が
複雑になる上に、各駆動機構へそれぞれ長尺の電気配線
を施さなければならないために配線費用が嵩んでいた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そこで、本考案では、架
台に駆動プーリーと従動プーリーとをそれぞれ前後方向
に一定の間隔を開けて軸架し、両プーリー間にベルト本
体を巻回し、駆動プーリーに駆動機構を連動連結して、
同駆動プーリーの回転駆動に連動してベルト本体を搬送
回転可能とすると共に、架台にベルト本体の表面に付着
した付着物を除去するための付着物除去装置を取付けた
ベルトコンベアであって、付着物除去装置は、前後方向
に伸延する架台の左右側フレームに、前後方向にそれぞ
れ伸延する左右一対の回転体支持体を復路ベルト本体を
間に挟んで対向状態に取付け、両回転体支持体の一側端
部に、連動回転体を連動回転体支持軸を介して軸架する
と共に、連動回転体の周面を復路ベルト本体の上面に当
接させる一方、両回転体支持体の他側端部間に、付着物
除去用回転体を回転体支軸を介して軸架すると共に、付
着物除去用回転体の周面を復路ベルト本体の下面に当接
させ、連動回転体支軸と回転体支軸との間には伝動機構
を介設してなるベルトコンベアの付着物除去装置におい
て、回転体支持体は、その一側端部に軸架した連動回転
体支持軸が、その他側端部に軸架した付着物除去用回転
体の回転体支軸よりも上方に位置すべく傾斜姿勢にて配
設されると共に、その傾斜角度を調節自在として、回転
体支持体の一側端部間に連動回転体を復路ベルト本体の
上面側に向けて進退位置調節自在に軸架する一方、回転
体支持体の他側端部間に付着物除去用回転体を復路ベル
ト本体の下面側に向けて進退位置調節自在に軸架したこ
とを特徴とするベルトコンベアの付着物除去装置を提供
せんとするものである。

【０００６】また、本考案では、連動回転体は、左右幅
をベルト本体の左右幅と略同一に形成すると共に、外径
を左右側端部よりそれぞれ中央部に向けて漸次拡径させ
て形成したことにも特徴を有するものである。

【０００７】

【作用】ベルトコンベアにより石灰やコークス等を搬送
する際には、駆動機構により駆動プーリーを駆動させ
て、同駆動プーリーと従動プーリーとの間に巻回したベ
ルト本体を搬送回転させることにより、同ベルト本体上
に積載された石灰やコークス等を搬送することができ
る。

【０００８】この際、架台にはベルト本体の表面に付着
した付着物を除去するための付着物除去装置を取付けて
おり、同付着物除去装置の連動回転体がベルト本体の上
面に当接して、同ベルト本体の搬送回転に連動して回転
し、同連動回転体の回転力が伝動機構を介して付着物除
去用回転体に伝達されて、同付着物除去用回転体が回転
し、同付着物除去用回転体は周面がベルト本体の下面に
当接した状態で、同ベルト本体とは反対方向に回転する
ため、同ベルト本体の付着物を確実に掻落すことができ
る。

【０００９】しかも、架台の左右側フレームにそれぞれ
左右一対の回転体支持体を配設すると共に、同回転体支
持体は、一側端部に軸架した連動回転体支持軸が、その
他側端部に軸架した付着物除去用回転体の回転体支軸よ
りも上方に位置すべく傾斜姿勢にて配設され、さらに、
同傾斜角度を調節自在とした場合には、復路ベルト本体
にそれぞれ上下方向より当接する連動回転体と付着物除
去用回転体との押圧力を同時に調節することができて、
付着物除去効率を良好に設定することができる。

【００１０】さらに、回転体支持体の一側端部間に軸架
した連動回転体と、回転体支持体の他側端部間に軸架し
た付着物除去用回転体とを、それぞれ別々に復路ベルト
本体に向けて進退位置調節自在とした場合には、各回転
体の復路ベルト本体への押圧力をそれぞれ微調節するこ
とができて、付着物除去効率を向上させることができ
る。

【００１１】また、連動回転体の左右幅をベルト本体の
左右幅と略同一に形成すると共に、同連動回転体の外径
を左右側端部よりそれぞれ中央部に向けて漸次拡径させ
て形成した場合には、連動回転体によるベルト本体への
押圧力を左右側端部側よりも中央部側寄り程大きくする
ことができるために、経時的にベルト本体の表面が中央
部寄りから左右側端部側へ向けて漸次摩耗してすりへっ
た場合にも、同ベルト本体を略全幅にわたって確実に押
圧して、同ベルト本体から回転力を取込むことができる
と共に、同連動回転体から付着物除去用回転体への回転
力の伝達を良好に確保することができて、付着物除去用
回転体によるベルト本体の付着物の除去を確実に行なう
ことができる。

【００１２】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面を参照しながら
説明する。

【００１３】図１は、本考案に係る付着物除去装置Ａを
装備したベルトコンベアＢの側面図、図２は、同ベルト
コンベアＢの断面正面図、及び図３は、同ベルトコンベ
アＢの平面説明図である。

【００１４】まず、ベルトコンベアＢについて説明する
と、図１〜図３に示すように、ベルトコンベアＢは、架
台１に駆動プーリー２と従動プーリー３とをそれぞれ前
後方向に一定の間隔を開けて対向状態に軸架し、両プー
リー２，３間にベルト本体４を巻回し、駆動プーリー２
に駆動機構５を連動連結している。

【００１５】架台１は、前後左右側支柱1a,1a,1b,1b の
上端間に前後方向に伸延する左右側フレーム1c,1c を横
架し、両左右側フレーム1c,1c の後端間に駆動プーリー
２をプーリー支軸2aを介して軸架する一方、両左右側フ
レーム1c,1c の前端間に従動プーリー３をプーリー支軸
3aを介して軸架し、左右側フレーム1c,1c の中途部間に
上側ガイドローラ支持機枠1d,1e を架設状に立設して、
各支持機枠1d,1e に上側ガイドローラー６，７を転動自
在に取付け、また、左右側フレーム1c,1c の中途部に左
右一対の下側ガイドローラブラケット1f,1f,1g,1g を垂
下状に取付けて、両ブラケット1f,1f,1g,1g 間にそれぞ
れ下側カイドローラー８，９を転動自在に取付けてい
る。

【００１６】駆動機構５は、後側の支柱1b,1b に駆動モ
ーター5aをモーター支持板5gを介して取付け、同駆動モ
ーター5aの出力軸5bに取付けたスプロケット5cと、駆動
プーリー２のプーリー支軸2aに取付けたスプロケット5d
との間にチェーン5eを巻回している。5fは駆動機構カバ
ー体である。

【００１７】このようにして、駆動モーター5aを駆動さ
せることにより、チェーン5eを介して駆動プーリー２を
回転させ、同駆動プーリー２の回転に連動させて、ベル
ト本体４を搬送回転させて、同ベルト本体４上に積載し
た積載物を搬送することができるようにしている。

【００１８】この際、ベルト本体４は、往路ベルト本体
4aが上側ガイドローラー6,7 にガイドされ、また、復路
ベルト本体4bが下側ガイドローラー8,9 にガイドされな
がら無端回転動作するようにしている。

【００１９】上記のような構成において、本考案の要旨
は、架台１に装備した付着物除去装置Ａにあり、以下に
かかる付着物除去装置Ａについて図１〜図８を参照しな
がら説明する。

【００２０】すなわち、付着物除去装置Ａは、図３及び
図４に示すように、前後方向に伸延させて横長楕円形の
板状に形成した左右一対の回転体支持体10,10 と、両回
転体支持体10,10 の後端部間に連動回転体支軸12を介し
て軸架した連動回転体11と、両回転体支持体10,10 の前
端部間に回転体支軸14を介して軸架した付着物除去用回
転体13と、両回転体支軸12,14 間に介設した伝動機構15
とから構成している。

【００２１】そして、図４に示すように、左右一対の回
転体支持体10,10 は、架台１の左右側フレーム1c,1c の
略中央部にそれぞれ取付ブラケット16,16 を介して取付
けられると共に、回転体支持体10,10 は、その一側端部
に軸架した連動回転体支持軸12が、その他側端部に軸架
した付着物除去用回転体13の回転体支軸14よりも上方に
位置すべく傾斜姿勢にて取付けられるので、回転体支持
体10,10 は左右側フレーム1c,1c に対して傾斜を有し、
かつ、同傾斜の傾斜角度調整自在となっている。そし
て、両回転体支持体10,10 間に位置する復路ベルト本体
4bに対して、連動回転体11は復路ベルト本体4bに上方か
ら当接する位置に配置すると共に、付着物除去用回転体
13は復路ベルト本体4bに下方から当接する位置に配置し
ている。

【００２２】取付ブラケット16には、図４に示すよう
に、線対称形状で、かつ、同一円周上に位置する円弧状
長孔16a,16b を形成し、両円弧状長孔16a,16b 中に、回
転体支持体10の中央部に取付けた取付けボルト10a,10b
を摺動自在に挿入し、両ボルト10a,10b をナット10c,10
d により締付けることによって、取付けブラケットに16
に回転体支持体10が傾斜姿勢調節可能に取付けられてい
る。

【００２３】しかも、回転体支持体10の前後端部にはそ
れぞれ回転体支軸取付用切欠溝10e,10f を形成してお
り、前端部側の回転体支軸取付用切欠溝10e は、前上方
へ向けて切欠開口させる一方、後端部側の回転体支軸取
付用切欠溝10f は、前下方へ向けて切欠開口させてい
る。

【００２４】このようにして、復路ベルト本体4bに下方
より圧接させる付着物除去用回転体13と、同復路ベルト
本体4bに上方より圧接させる連動回転体11とを、それぞ
れ上記した切欠溝10e,10f にそれぞれ回転体支軸12,14
を介して取付け容易とすると共に、確実に支持すること
ができるようにしている。

【００２５】さらに、回転体支軸取付用切欠溝10e の前
後対称位置には、同切欠溝10e に平行させて長孔10g,10
h を形成して、両長孔10g,10h 中に回転体支軸取付用ブ
ラケット14a に取付けた取付けボルト14b,14c を摺動自
在に挿入し、両ボルト14b,14c をナット14d,14e により
締付けることにより、付着物除去用回転体13を復路ベル
ト本体4b側へ進退位置調節可能に取付けている。

【００２６】一方、回転体支軸取付用切欠溝10f の前後
対称位置には、同切欠溝10f に平行させて長孔10m,10n
を形成して、両長孔10m,10n 中に回転体支軸取付用ブラ
ケット12a に取付けた取付けボルト12b,12c を摺動自在
に挿入し、両ボルト12b,12cをナット12d,12e により締
付けることにより、連動回転体11を復路ベルト本体4b側
へ進退位置調節可能に取付けている。

【００２７】また、図１〜図４に示すように、両回転体
支持体10,10 の下側中途部間には付着物落下ガイド板20
をガイド板支軸21を介して垂下させ、同ガイド板20の下
端近傍に落下付着物回収コンベアＣを配設している。

【００２８】連動回転体11は、図３に示すように、左右
一対の回転体支持体10,10 の後端部間に連動回転体支軸
12を軸架して、周面を復路ベルト本体4bの上面に押圧状
態に当接させており、図５に示すように、ボス部17の周
面に筒状ゴム体18を嵌合し、同筒状ゴム体18の周面に滑
止用シート19を、シート本体19a にセラミック等の耐摩
耗性に優れた粉末材料19b を付着させて形成し、連動回
転体11のスリップ防止が確実に図れるようにしている。

【００２９】なお、本実施例においては、連動回転支軸
12に連動回転体12を二個設けているが、個数はこれに限
られるものではなく、ベルト本体３の回転力を受けて回
転し、付着物除去用回転体13に十分な回転駆動力を伝達
できれば、１個でもよい。また、連動回転体11の左右幅
も上記の回転駆動力を考慮して必要に応じた長さに設計
することができる。

【００３０】付着物除去用回転体13は、図２、図３、図
６、及び図７に示すように、回転体支軸14に複数個の回
転分割体30を同軸的に取付け、左右外側面に閉塞板31,3
1 を取付けて形成している。

【００３１】回転分割体30は、図６及び図７に示すよう
に、弾性ゴム等の弾性素材により円板状に形成してお
り、回転分割体30中には、同回転分割体30の軸線方向に
連通して開口する複数個の連通孔32を、回転分割体30の
外周面側寄りに位置させ、かつ、円周方向に一定の間隔
を開けて形成し、同回転分割体30の外周面には複数個の
掻落し片36を円周方向に一定の間隔を開けて配設してい
る。

【００３２】33は、回転分割体30の中心部に設けた回転
軸挿通筒、34は、同回転軸挿通筒33に形成したキー溝、
35はキー、39は閉塞板固定ボルトである。

【００３３】そして、掻落し片36は、図８に示すよう
に、基部36a を回転分割体36の外周面に埋設して、先端
部36b を回転分割体30の外周面より突出させている。36
c は基部36a より横方向に張出し状に形成した剥離防止
用係止片であり、同係止片36cにより基部36a が回転分
割体より剥離しないようにしている。

【００３４】ここで、掻落し片36は、セラミックス、超
硬合金、及び高硬度の高分子樹脂（例えば、ジュラコン
（登録商標）、テトラフルオロエチレン、エンジニアリ
ングプラスチックス）等の硬質素材により形成して、同
掻落し片36の摩耗を少なくして、寿命を長くしている。

【００３５】また、隣接する各回転分割体30,30 同士
は、図２及び図３に示すように、掻落し片36が千鳥状と
なるように接続して、各掻落し片36による掻落し効率が
良好となるようにしている。

【００３６】そして、最外側に位置する回転分割体30,3
0 の外側面には閉塞板31,31 を取付けて、同閉塞板31,3
1 により連通孔32の外側開口端を閉塞して、同連通孔32
内に空気を密封している。

【００３７】このようにして、本実施例では付着物除去
用回転体13を回転させて、同回転体13を形成する各回転
分割体30の外周面に配設した掻落し片36によりベルト本
体４の下面に付着した付着物を掻落すことができ、掻落
した付着物が各回転分割体30の外周面に付着した場合に
も、各回転分割体30の周面が回転に伴って作用する遠心
力により、拡径したり縮径したりする変形を繰返して、
微振動を生じるために、付着物は各回転分割体30に付着
しにくく、付着しても微振動により落下して、各回転分
割体30の周面に堆積することがなく、掻落し片36が付着
物により埋没状態になって掻落し機能を果さなくなると
いう不具合の発生を防止できる。

【００３８】この際、分割回転体30には、同回転分割体
30の軸線方向に連通する連通孔32を円周方向に間隔を開
けて複数形成することにより、回転分割体30を容易に変
形、さらには微振動させることができ、付着物の堆積を
防止することができる。

【００３９】しかも、付着物除去用回転体13中に形成さ
れる連通孔32の外側開口端は閉塞して、同連通孔32内に
空気を密封しているために、各回転分割体30の周面部の
弾性復元力を増大させることができ、同弾性復元力によ
り掻落し片36を介してベルト本体４の付着物除去を確実
にすることができると共に、ベルト本体４の付着物が各
回転分割体30の周面に堆積、さらには付着するのを確実
に防止することができる。

【００４０】また、付着物除去用回転体13は、回転体支
軸14に複数個の回転分割体30を同軸的に配設して形成す
るようにしているために、回転分割体30の個数を増減さ
せて、付着物除去用回転体13の幅をベルト本体４の幅に
適応させることができ、同回転体13によるベルト本体４
の付着物除去を確実にすることができる。

【００４１】伝動機構15は、連動回転体支軸12の左側端
に出力側プーリー26を取付ける一方、回転体支軸14の左
側端に入力側プーリー27を取付け、両プーリー26,27 間
に伝動ベルト28を巻回している。29は伝動機構カバー体
である。

【００４２】このようにして、ベルト本体４の回転力
は、同ベルト本体４の下側回転側部4hの上面（裏面）に
当接している連動回転体11→連動回転体支軸12→出力側
プーリー26→伝動ベルト28→入力側プーリー27→回転体
支軸14→付着物除去用回転体13に伝達されるようにして
おり、付着物除去用回転体13の回転により、同回転体13
の周壁に配設した掻落し片36によりベルト本体４の下面
（表面）に付着した付着物を確実に掻落すことができる
ようにしている。

【００４３】図９及び図１０は、第２実施例としての回
転分割体30を示しており、回転分割体30の一側面に嵌合
用段付凸条部30a を周面に沿って形成する一方、同回転
分割体30の他側面に嵌合段付凹条部30b を周面に沿って
形成している。

【００４４】このようにして、回転分割体30を接続する
際に、嵌合用段付凸条部30a と嵌合用段付凹条部30b と
を嵌合させて連通孔32内の密封性を良好に確保できるよ
うにしている。

【００４５】図１１は、第３実施例としての回転分割体
30を示しており、回転分割体30の左右側面にそれぞれ接
続用凹条部30c,30c を周面に沿って形成している。

【００４６】このようにして、付着物除去用回転体13を
形成する際には、隣接する回転分割体30,30 の接続用凹
条部30c,30c を符合させると共に、両凹条部30c,30c 中
に封止兼弾性付勢用リング40を介在させて、連通孔32内
の密封性と回転分割体30の半径方向の弾力性とを良好に
確保して、付着物の除去効果と付着物の付着防止効果と
を良好に確保することができるようにしている。

【００４７】図１２及び図１３は、第４実施例としての
回転分割体30を示しており、筒状の回転体本体30d と、
同回転体本体30d より放射状に伸延させて形成した多数
個の掻落し片支持突片30e とから形成し、各掻落し片支
持突片30e に掻落し片36を支持させている。

【００４８】そして、掻落し片支持突片30e は、断面形
状を略逆Ｔ字状に形成して、先端部30f の円周方向の幅
W1を基部30g の円周方向の幅W2よりも幅広としている。

【００４９】このようにして、先端部30f への掻落し片
36の取付けを確実に行なえるようにすると共に、基部30
g を中心にして掻落し片支持突片30e が付着物の掻落し
動作時に撓みやすいようにし、さらに、隣接する各支持
突片30e,30e 間に、掻落された付着物が堆積した場合に
も、各支持突片30e の撓み動作が良好に確保できるよう
にしている。

【００５０】従って、付着物除去用回転体13を回転させ
て掻落した付着物が回転分割体30の外周面、特に掻落し
片支持突片30e に付着した場合にも、同支持突片30e は
弾力性を有しているために、付着物の掻落し開始時に撓
みを生じ、付着物の掻落し終了時には撓み状態から復元
方向に逆に撓みを生じるという変形動作をし、付着物は
付着してもすぐに振り落されて掻落し支持突片30e の表
面に堆積することがなく、掻落し片36が付着物により埋
没状態になって掻落し機能を果さなくなるという不具合
の発生を防止することができる。

【００５１】この際、掻落し片支持突片30e は、断面形
状を、略逆Ｔ字状に形成して、先端部30f の円周方向の
幅W1を基部30g の円周方向の幅W2よりも幅広としている
ために、先端部30f への掻落し片36の取付けを確実に行
なえる。

【００５２】しかも、基部30g を中心にして掻落し片支
持突片30e が付着物の掻落し動作時に撓みやすいように
して、弾性復元力を利用した効率のよい掻落し動作を行
なわせることができる。

【００５３】さらには、隣接する各支持突片30e,30e 間
に、掻落された付着物が堆積した場合にも、各支持突片
30e,30e の基部30g,30g 間の間隔を広幅にしているため
に、各支持突片30e,30e の撓み動作を良好に確保するこ
とができ、この点からも付着物の掻落し効率を良くする
ことができる。

【００５４】図１４は、第２実施例としての連動回転体
11を示しており、同連動回転体11は、左右幅をベルト本
体４の左右幅と略同一に形成すると共に、外径を左右側
端部11a,11b よりそれぞれ中央部11c に向けて漸次拡径
させて形成している。

【００５５】このようにして、連動回転体11によるベル
ト本体への押圧力を左右側端部11a,11b 側よりも中央部
11c 側寄り程大きくすることができるようにして、経時
的にベルト本体４の表面が中央部寄りから左右側端部側
へ向けて漸次摩耗してすりへった場合にも、同ベルト本
体４を略全幅にわたって確実に押圧して、同ベルト本体
４から回転力を取込むことができると共に、同連動回転
体11から付着物除去用回転体13への回転力の伝達を良好
に確保することができて、付着物除去用回転体13による
ベルト本体４の付着物の除去を確実に行なうことができ
るようにしている。

【００５６】

【考案の効果】本考案によれば、架台の左右側フレーム
に対して回転体支持体を傾斜させた状態で配設すると共
に、同傾斜の傾斜角度を調節自在とているため、復路ベ
ルト本体にそれぞれ上下方向より当接する連動回転体と
付着物除去用回転体との押圧力を同時に調節することが
できて、付着物除去効率を良好に設定することができ
る。

【００５７】しかも、本考案では、回転体支持体の一側
端部間に連動回転体を復路ベルト本体の上面側に向けて
進退位置調節自在に軸架する一方、回転体支持体の他側
端部間に付着物除去用回転体を復路ベルト本体の下面側
に向けて進退位置調節自在に軸架しているため、各回転
体の復路ベルト本体への押圧力をそれぞれ微調節するこ
とができて、付着物除去効率を向上させることができ
る。さらに、本考案では、連動回転体の左右幅をベルト
本体の左右幅と略同一に形成すると共に、連動回転体の
外径を左右側端部よりそれぞれ中央部に向けて漸次拡径
させて形成しているため、ベルト本体の略全幅から回転
力を取り込むことができると共に、連動回転体から付着
物除去用回転体への回転力の伝達を良好に確保すること
ができて、付着物除去用回転体によるベルト本体の付着
部の除去を確実に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るベルトコンベアの側面図。

【図２】同要部の拡大断面正面図。

【図３】同要部の拡大平面説明図。

【図４】同要部の拡大側面図。

【図５】連動回転体の拡大側面説明図。

【図６】付着物除去用回転体の断面正面図。

【図７】同回転体を形成する回転分割体の側面図。

【図８】同回転分割体の一部切欠正面図。

【図９】第２実施例としての回転分割体の側面図。

【図１０】同回転分割体の接続状態を示す拡大断面図。

【図１１】第３実施例としての回転分割体の接続状態を
示す拡大断面図。

【図１２】第４実施例としての回転分割体により形成し
た付着物除去用回転体の一部切欠正面図。

【図１３】同回転分割体の一部切欠側面図。

【図１４】第２実施例としての連動回転体の正面図。

【符号の説明】

Ａ 付着物除去装置 Ｂ ベルトコンベア ２ 駆動プーリー ３ 従動プーリー 10 回転体支持体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−235119（ＪＰ，Ａ) 実開 昭50−3283（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭54−28883（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭55−20310（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−1728（ＪＰ，Ｕ) 実開 平４−26925（ＪＰ，Ｕ) 実開 平５−65926（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭37−8820（ＪＰ，Ｙ１) 実公 昭37−6829（ＪＰ，Ｙ１) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B65G 45/14 B65G 45/18 B65G 45/10 B65G 45/20 B65G 39/00 - 39/20 B65G 15/60

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 架台(1) に駆動プーリー(2) と従動プー
   リー(3) とをそれぞれ前後方向に一定の間隔を開けて軸
   架し、両プーリー(2),(3) 間にベルト本体(4) を巻回
   し、駆動プーリー(2) に駆動機構(5) を連動連結して、
   同駆動プーリー(2) の回転駆動に連動してベルト本体
   (4) を搬送回転可能とすると共に、架台(1) にベルト本
   体(4) の表面に付着した付着物を除去するための付着物
   除去装置(A) を取付けたベルトコンベアであって、 付着物除去装置(A) は、前後方向に伸延する架台(1) の
   左右側フレーム(1c),(1c) に、前後方向にそれぞれ伸延
   する左右一対の回転体支持体(10),(10) を復路ベルト本
   体(4b)を間に挟んで対向状態に取付け、両回転体支持体
   (10),(10) の一側端部に、連動回転体(11)を連動回転体
   支持軸(12)を介して軸架すると共に、連動回転体(11)の
   周面を復路ベルト本体(4b)の上面に当接させる一方、両
   回転体支持体(10),(10) の他側端部間に、付着物除去用
   回転体(13)を回転体支軸(14)を介して軸架すると共に、
   付着物除去用回転体(13)の周面を復路ベルト本体(4b)の
   下面に当接させ、連動回転体支軸(12)と回転体支軸(14)
   との間には伝動機構(15)を介設してなるベルトコンベア
   の付着物除去装置において、 回転体支持体(10),(10) は、その一側端部に軸架した連
   動回転体支持軸(12)が、その他側端部に軸架した付着物
   除去用回転体(13)の回転体支軸(14)よりも上方に位置す
   べく傾斜姿勢にて配設されると共に、その傾斜角度を調
   節自在として、 回転体支持体(10),(10) の一側端部間に
   連動回転体(11)を復路ベルト本体(4b)の上面側に向けて
   進退位置調節自在に軸架する一方、回転体支持体(10),
   (10) の他側端部間に付着物除去用回転体(13)を復路ベ
   ルト本体(4b)の下面側に向けて進退位置調節自在に軸架
   したことを特徴とするベルトコンベアの付着物除去装
   置。
2. 【請求項２】 連動回転体(11)は、左右幅をベルト本体
   (4) の左右幅と略同一に形成すると共に、外径を左右側
   端部(11a),(11b) よりそれぞれ中央部(11c)に向けて漸
   次拡径させて形成したことを特徴とする請求項１記載の
   ベルトコンベアの付着物除去装置。