JP2595346C - - Google Patents

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JP2595346C
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日本石油株式会社
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は1,1,1,2−テトラフルオロエタンを冷媒として使用するカーエ
アコン用の冷凍機油組成物に関する。 [従来の技術] 冷凍機は従来から各種のものが使用されているが、なかでも冷媒を用いる、い わゆる蒸気圧縮式冷凍機は、その圧縮機の構造から往復動式、遠心式および回転
式に分類されている。このなかでも回転式(ロータリー式)の圧縮機を有する冷
凍機は小型でも大きな冷凍能力を有すること、高回転域でも優れた性能を発揮で
きること、なめらかで静粛な運転が可能であることなどの特徴を有することから
、家庭用の冷蔵庫、エアコンおよびカーエアコン(自動車用エアコン)などに広
く用いられている。 これらに使用される冷凍機油としては、40℃における動粘度か5〜200c
Stのナフテン系鉱油、パラフィン系鉱油、アルキルベンゼン、ポリグリコール
系油およびこれらの混合物またはこれらの各種基油に添加剤を配合したものが一
般的に使用されている。 一方、圧縮式冷凍機の冷媒としては、トリクロロモノフルオロメタン(フロン
11)、ジクロロジフルオロメタン(フロン12)、モノクロロジフルオロメタ
ン(フロン22)あるいはトリクロロトリフルオロエタン(フロン113)など
に代表されるハロゲン系冷媒、プロパンに代表される炭化水素系冷媒あるいはア
ンモニア、炭酸ガスなどに代表される無機ガス系冷媒が広く使用されている。中
でもハロゲン系冷媒は化学的に安定で毒性が低くまた不燃性でしかも熱力学的に
も理想的な特性を有することから家庭用の冷蔵庫、エアコンあるいはカーエアコ
ンの冷凍機に広く用いられてきた。 しかしながら、これらのうちペルハロゲノカーボン、すなわち炭化水素のすべ
ての水素をハロゲンで置換した形のクロロフルオロカーボンは難分解性であり安
定性が高い故、大気中に放出されると長期間にわたって分解せず、地上25〜3
0kmのオゾン層に達し太陽からの強い紫外線に出合って分解され塩素原子を放
出してオゾンと反応しオゾン層中のオゾン濃度を減少させる。このオゾン層は、
太陽からの有害な紫外線を吸収して地表の生物を保護しているもので、フロンに
よるオゾン層の破壊を防ごうと国際条約によるフロンガスの生産、消費規制がな
されようとしている。 このような状況のもとで、アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)は1,1−ジ
クロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(CFC−123)、1−クロロ−1
,2,2,2−テトラフルオロエタン(CFC−124)、1,2−ジクロロ− 2,2−ジフルオロエタン(CFC−132b)、1−クロロ−2,2,2−ト
リフルオロエタン(CFC−133a)、1,1,1,2−テトラフルオロエタ
ン(FC−134a)および1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(CFC−
141b)の6種を代替冷媒として提案している。 これらの化合物のうち、1,1,1,2−テトラフルオロエタンは、従来から
家庭用冷蔵庫、エアコンおよびカーエアコンなどの冷凍機に多く使用されている
ジクロロジフルオロメタン(フロン12)と熱力学的物性が類似していることか
ら、冷媒として1,1,1,2−テトラフルオロエタン(FC−134a)を使
用すればそれら冷凍機システムの設計を大幅に変更することなく、しかも従来と
同様の性能を得ることができるはずである。 しかし、そのためには、圧縮機に充填された冷凍機油は、吐出ガスに同伴され
て凝縮器、蒸発器へと入るため、還流冷媒に十分に溶解しサイクル内を循環して
圧縮機に戻る、いわゆる油戻り性がよいことが必要不可欠である。 すなわち、冷凍サイクル内のもっとも低温な部分である膨張弁またはキャピラリ
ーチューブから蒸発器に至るまでの間において温度は−20〜−30℃に達する
ことも珍しくないため冷凍機油はこのような低温において、冷媒と二層分離を生
じないものが好ましい。 また、圧縮機、レシーバー、凝縮機の間においては高温に達することも珍しく
ないため、冷凍機油は、上記低温領域に加えて高温領域においても冷媒と二層分
離を生じないものが好ましい。 従来、冷凍機油としては、ナフテン系鉱油、パラフィン系鉱油、アルキルベン
ゼン類およびこれらの混合物あるいはこれら各種基油に添加剤を配合したものが
一般に使用されている。これら従来の冷凍機油については、例えば特公昭40−
11940号公報、特公昭49−4107号公報、特公昭49−13483号公
報、特公昭49−13829号公報、特公昭49−19084号公報、特公昭5
2−39509号公報、特公昭52−43722号公報、特公昭53−1760
2号公報、特開昭46−4532号公報、特開昭48−606号公報、特開昭4
9−47498号公報、特開昭51−22971号公報、特開昭52−2850
3号公報、特開昭52−54707号公報、特開昭53−88007号公報など に記載されている。しかしながら、これら従来の冷凍機油はジクロロジフルオロ
メタン(フロン12)の代替冷媒である1,1,1,2−テトラフルオロエタン
(FC−134a)との相溶性がほとんどないため、1,1,1,2−テトラフ
ルオロエタンとの組合せで使用すると、常温において二層分離を起こし、冷凍シ
ステム内で最も重要な油戻り性が悪くなって冷凍効率の低下あるいは潤滑性が不
良となって圧縮機の焼付き発生など実用上様々な不都合が発生し使用に耐えない
。またポリグリコール類も高粘度指数を有する冷凍機油として知られており、例
えば特公昭57−42119号公報、特公昭61−52880号公報、特開昭5
7−51795号公報などに記載されている。しかるにこれら先行技術に具体的
に開示されているポリグリコール油ではやはり1,1,1,2−テトラフルオロ
エタンとの相溶性が十分でないため上記と同じ問題が生じて実用上使用できない
。 [発明が解決しようとする課題] 本発明者らは1,1,1,2−テトラフルオロエタンを冷媒とした圧縮式カー
エアコン用の冷凍機油組成物を開発すべく研究を重ねた結果、限定された構造お
よび特性を有するポリグリコール油を基油として用いた場合に、他の基油では得
ることのできない優れた性能を備えた冷凍機油組成物が得られることを見い出し
、本発明を完成するに至った。 本発明は冷媒として1,1,1,2−テトラフルオロエタンを使用する圧縮式
カーエアコンに使用するのに適した、特に低温において冷媒と分離せずさらに潤
滑性、密封性および安定性のよいカーエアコン用冷凍機油組成物を提供すること
を目的とする。 [課題を解決するための手段] 本発明は、 一般式 [式中、R1は炭素数1〜18のアルキル基を示し、aは5〜70の整数を示し
、またR2は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、かつ一分子中の(R2がエチレ
ン基である−OR2−基の数)/aの比率(以下αとする)が0を越え0.8 以下である] で表わされ、かつ流動点が−10℃以下で、100℃における動粘度が5〜(3
0+100α)cStであり、かつ数平均分子量が2000未満であり、かつ重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.00〜
1.20であるポリオキシアルキレングリコールモノエーテルを基油とし、基油
100重量部に対して、 (A)一般式 [式中、R3は炭素数1〜3のアルキル基を示し、bは0〜2の整数を示す]で
表わされるホスフェート0.1〜5.0重量部、 を必須の成分として配合してなることを特徴とする1,1,1,2−テトラフル
オロエタンを冷媒として使用するカーエアコン用冷凍機油組成物を提供するもの
である。 また本発明は、 一般式 [式中、R1は炭素数1〜18のアルキル基を示し、aは5〜70の整数を示し
、またR2は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、かつ一分子中の(R2がエチレ
ン基である−OR2−基の数)/aの比率(以下αとする)が0〜0.8である
] で表わされ、かつ流動点が−10℃以下で、100℃における動粘度が5〜(3
0+100α)cStであるポリオキシアルキレングリコールモノエーテルを基
油とし、基油100重量部に対して、 (A)一般式 [式中、R3は炭素数1〜3のアルキル基を示し、bは0〜2の整数を示す]で
表わされるホスフェート0.1〜5.0重量部、 および (B)(i)フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物、 (ii)エポキシ化脂肪酸モノエステル、および (iii)エポキシ化植物油、 から成る群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合物0.1〜5.0重量部
、 を必須の成分として配合してなることを特徴とする1,1,1,2−テトラフル
オロエタンを冷媒として使用するカーエアコン用冷凍機油組成物を提供するもの
である。 また、本発明は、前記ポリオキシアルキレングリコールモノエーテルが、数平
均分子量が500〜1500で、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(
Mn)の比(Mw/Mn)が1.00〜1.20のものである請求項1または2
に記載のカーエアコン用冷凍機油組成物を提供するものである。 以下、本発明の内容をより詳細に説明する。 本発明の冷凍機油組成物の基油は、 [I]一般式 で表わされるポリオキシアルキレングリコールモノエーテルである。式中、R1
は炭素数1〜18の直鎖あるいは分枝状のアルキル基を示し、aは5〜70とな
る整数をそれぞれ示している。またR2は炭素数2〜4のアルキレン基を示して
いる。R1としては具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基
、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基
、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基などが挙げられ、その中で
もメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オク チル基、デシル基、オクタデシル基がより好ましい。 またR2としては、具体的には例えば、 などが挙げられ、その中でもエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、テトラメ
チレン基がより好ましい。 さらに本発明におけるポリオキシアルキレングリコールモノエーテルにおいて
は一分子中に炭素数が異なるアルキレン基が存在しても良く、すなわち炭素数が
異なるオキシアルキレン基がランダム共重合またはブロック共重合したものであ
ってもよいが、一分子中の(R2がエチレン基である−OR2−基の数)/aの比
率(α)が0〜0.8であることが必要である。αの値が0.8を超える場合に
は、冷凍機油が常温で固体となってしまうか、またはその流動点が高くなってし
まうため好ましくない。 また、本発明におけるポリオキシアルキレングリコールモノエーテルは流動点
が−10℃以下、好ましくは−20〜−50℃であり、かつ100℃における動
粘度が5〜(30+100α)cSt、好ましくは8〜(30+100α)cS
tの範囲であることが必要である。流動点が−10℃を超える場合は低温時に冷
凍システム内で冷凍機油が固化する恐れがあるため好ましくない。また100℃ における動粘度が5cSt未満の場合は圧縮機の密封性を保つことができなくな
り、一方動粘度が(30+100α)cStを超える場合には冷媒である1,1
,1,2−テトラフルオロエタンとの溶解性が悪くなり、低温下で二層分離する
ためそれぞれ好ましくない。 また、本発明におけるポリオキシアルキレングリコールモノエーテルとしては
、圧縮機の密封性をより向上させる点から、数平均分子量が300〜4000の
ものが好ましく使用され、数平均分子量が500〜3500のものがより好まし
く使用される。さらに、高温下における冷媒との二層分離温度を上昇させる点か
ら、数平均分子量が500〜1500のものがさらに好ましく用いられる。 さらに、本発明におけるポリオキシアルキレングリコールモノエーテルとして
は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1
.00〜1.20であるものが、高温下における冷媒との二層分離温度をより上
昇させる点から好ましい。 基油である上記のポリオキシアルキレングリコールモノエーテルを単独で使用
しても、すなわち添加剤を何も配合しなくてもそれだけで1,1,1,2−テト
ラフルオロエタンを冷媒として使用するカーエアコン用の冷凍機油として優れた
性能を示す。しかしながら、本発明においては、その耐摩耗性および耐荷重性(
焼付防止性)をさらに高めるため、 (A)一般式 で表わされるホスフェートを配合することが必要である。式中、R3は炭素数1
〜3のアルキル基、好ましくはメチル基を示し、またbは0〜2、好ましくは0
〜1の整数をそれぞれ示している。R3としては、具体的には例えば、メチル基
、エチル基、プロピル基が挙げられる。 上記(A)成分であるホスフェートとしては、具体的にはトリフェニルホスフ
ェート、トリトリルホスフェート(トリクレジルホスフェート)およびこれらの 混合物などが好ましく用いられる。 本発明のカーエアコン用冷凍機油組成物において、その耐摩耗性および耐荷重
性をさらに改良するために(A)成分を用いるが、その配合量は基油100重量
部に対して0.1〜5.0重量部、好ましくは0.2〜2.0重量部である。 (A)成分の配合量がこの範囲に達しない場合は(A)成分配合による耐摩耗
性、耐荷重性の向上の効果が乏しく、一方(A)成分の配合量がこの範囲を超え
る場合は熱安定性が低下したり冷凍システム内の金属類の腐食が発生する恐れが
あるためそれぞれ好ましくない。 本発明のカーエアコン用冷凍機油組成物において、上述したとおり(A)成分
を必須の成分として特定量配合することにより、その耐摩耗性および耐荷重性が
向上するが、冷凍システムにおいて配管類などに銅や銅合金が使用されている場
合には、時として(A)成分の配合によってそれら金属に腐食が生じる危険性が
ある。 したがって、カーエアコン用の冷凍機油としての総合性能を高める目的で、さ
らに (B)(i)フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物、 (ii)エポキシ化脂肪酸モノエステル、および (iii)エポキシ化植物油 から成る群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合物を配合するのが好まし
い。 ここでいう(i)フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、フ
ェニルグリシジルエーテルまたはアルキルフェニルグリシジルエーテルが例示で
きる。ここでいうアルキルフェニルグリシジルエーテルとは、炭素数1〜13の
アルキル基を1〜3個有するものであり、中でも炭素数4〜10のアルキル基を
1個有するもの、例えばブチルフェニルグリシジルエーテル、ペンチルフェニル
グリシジルエーテル、ヘキシルフェニルグリシジルエーテル、ヘプチルフェニル
グリシジルエーテル、オクチルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグ
リシジルエーテル、デシルフェニルグリシジルエーテルが好ましい。 また(ii)エポキシ化脂肪酸モノエステルとしては、エポキシ化された炭素数 12〜20の脂肪酸と炭素数1〜8のアルコールまたはフェノール、アルキルフ
ェノールとのエステルが例示できる。特にエポキシステアリン酸のブチル、ヘキ
シル、ベンジル、シクロヘキシル、メトキシエチル、オクチル、フェニルおよび
ブチルフェニルエステルが好ましく用いられる。 また(iii)エポキシ化植物油としては、大豆油、アマニ油、綿実油などの
植物油のエポキシ化合物が例示できる。 これら(i)〜(iii)のエポキシ化合物の中でも(B)成分として好まし
いものは、フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物およびエポキシ化脂肪
酸モノエステルである。中でもフェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物が
より好ましく、フェニルグリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテ
ルおよびこれらの混合物が特に好ましい。 本発明のカーエアコン用冷凍機油組成物において、(B)成分を必須の成分と
して使用する場合の(B)成分の配合量は、基油100重量部に対して0.1〜
5.0重量部、好ましくは0.2〜2.0重量部である。 (B)成分の配合量がこの範囲に達しない場合は(B)成分配合による腐食防
止性向上の効果が乏しく、一方(B)成分の配合量がこの範囲を超える場合は耐
摩耗性、耐荷重性に悪影響を及ぼすためそれぞれ好ましくない。 本発明のカーエアコン用冷凍機油組成物に対して、その性能をさらに高めるた
め、必要に応じて従来より公知の冷凍機油添加剤、例えばジ−tert−ブチル
−p−クレゾールなどのフェノール系、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N
’−ジ(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミンなどのアミン系の酸化防止剤
、ジチオリン酸亜鉛、塩素化パラフィン、脂肪酸、硫黄系などの耐荷重添加剤、
シリコーン系の消泡剤、ベンゾトリアゾールなどの金属不活性化剤、グリシジル
メタクリレート、亜りん酸エステル系などの塩化水素捕捉剤などを単独で、また
は数種組み合わせて配合することも可能である。 本発明の1,1,1,2−テトラフルオロエタンを冷媒として使用するカーエ
アコン用の冷凍機油組成物は回転式(ロータリー式)の圧縮機を有するカーエア
コンに特に好ましく用いられるものであるが、その他の往復動式や遠心式の圧縮
機を有するカーエアコンにも好ましく用いることができる。 [実施例] 以下、基油評価例、実施例および比較例により本発明の内容をより具体的に説
明する。 基油1〜17および比較基油1〜5 実施例および比較例に用いた冷凍機油の基油の性状を第1表に示す。 本発明に係わる基油(基油1〜17)と冷媒との低温分離性を測定するために、
冷媒である1,1,1,2−テトラフルオロエタンに基油1〜17を10、20
、30、40、50および70重量部配合した混合液をつくり、この混合液を室
温から徐々に冷却していき、混合液が白濁または二層に分離した時の温度、すな
わち低温側の二層分離温度を求めた。なお、室温ですでに白濁あるいは二層分離
している場合には、徐々に加熱して白濁あるいは二層分離がなくなった温度を求
め、これを低温側の二層分離温度とした。それらの結果を第2表に示した。 また本発明に係わる基油(基油1〜17)と冷媒との高温分離性を測定するた
めに、上記と同様の冷媒に基油1〜17を3、10および30重量部配合した混
合液をつくり、得られた混合液を室温から徐々に加熱していき、混合液が白濁ま
たは二層に分離した時の温度、すなわち高温側の二層分離温度も求めた。なお、
室温ですでに白濁あるいは二層分離している場合には、徐々に冷却して白濁ある
いは二層分離がなくなった温度を求め、これを高温側の二層分離温度とした。そ
れらの結果を第2表に示した。 また比較のため、本発明でいう基油の範囲外である比較基油1〜5についても
基油1〜17と同様の方法で低温側の二層分離温度を求めた。その結果も第2表
に併記した。 実施例1〜4および比較例1〜6 第3表に示す組成により本発明に係わるカーエアコン用冷凍機油組成物を得た
。なお、実施例1は請求項1の発明、実施例2〜4は請求項2に係るものであり
、比較例1〜5は基油のみからなるものである。 これらの組成物に対して下記に示す試験法によりその性能評価を行ない、その結
果も第3表に併記した。 (ファレックス焼付荷重試験) ASTM D3233に準拠し、初期油温25℃、慣らし運転250lb、5
分の条件で焼付荷重を測定した。 (シールドチューブ試験) 油と冷媒(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)の等容量混合物を銅と鉄
の触媒と共にガラス管に密封し、175℃で1000時間加熱した後の油および
触媒の変色を観察し測定した。 なお、油の変色は黒かっ色を11、無色を0として12段階に変色度を分類し
た。また金属触媒の変色は光沢を失う程度であれば問題はないが、鉄触媒が銅メ
ッキされてしまうと不良である。 第2表の二層分離温度の結果から明らかな通り、本発明に係わる基油である基
油1〜17は、冷媒である1,1,1,2−テトラフルオロエタンと−20〜−
30℃程度の低温においても非常に良好な相溶性を示している。それに対して比
較基油1〜3の鉱油やアルキルベンゼン、およびポリグリコール油であっても比
較基油4のようなジエーテル、および比較基油5のようにモノエーテルであって
も本発明の基油の粘度範囲以外のものの場合は、低温下で、特に比較基油1〜4
においては常温ですら冷媒と二層分離を起こしてしまい、実用に供することはで
きない。 さらに、Mnが500〜1500であり、かつMw/Mnが1.00〜1.2
0であるポリオキシアルキレングリコールモノエーテルを使用した基油1〜9の
冷凍機油は、低温のみならず60〜80℃程度の高温においても上記冷媒と非常
に良い相溶性を示している。 また第3表の性能評価試験の結果から明らかなとおり、本発明の基油のみから
なる比較例1〜5の冷凍機油はファレックス試験とシールドチューブ試験で優れ
た性能を示すものの、請求項1の発明に係わる実施例1の組成物は(A)成分の
配合によりファレックス試験での焼付荷重が著しく向上しており、より潤滑性の
優れた冷凍機油となっている。さらに本発明の請求項2の発明に係わる実施例2
〜4の組成物は優れた潤滑性を維持しながら実施例1の組成物よりシールドチュ
ーブ試験の結果が改善されている。特に実施例2〜4の組成物は基油のみからな
る比較例1〜5の冷凍機油よりもシールドチューブ試験の結果が向上しており、
冷凍機油の安定性に及ぼす(B)成分の配合効果が明白に現われている。 [発明の効果] 以上説明の如く、本発明の組成物は冷媒として1,1,1,2−テトラフルオ
ロエタンを用いるカーエアコンに使用するのに適した、低温において冷媒と分離
せずさらに潤滑性、密封性および安定性のよいカーエアコン用冷凍機油絹成物で
ある。 特に、数平均分子量が一定範囲内にあり、かつ重量平均分子量と数平均分子量
との比も一定範囲内にあるポリアルキレングリコールモノエーテルを基油として
使用すると、低温のみならず高温においても冷媒と分離しないカーエアコン用冷 凍機油組成物が得られる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.一般式[式中、R1は炭素数1〜18のアルキル基を示し、aは5〜70の整数を示し
    、またR2は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、かつ一分子中の(R2がエチレ
    ン基である−OR2−基の数)/aの比率(以下αとする)が0を越え0.8以
    下である] で表わされ、かつ流動点が−10℃以下で、100℃における動粘度が5〜(3
    0+100α)cStであり、かつ数平均分子量が2000未満であり、かつ重
    量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.00〜
    1.20であるポリオキシアルキレングリコールモノエーテルを基油とし、基油
    100重量部に対して、 (A)一般式 [式中、R3は炭素数1〜3のアルキル基を示し、bは0〜2の整数を示す]で
    表わされるホスフェート0.1〜5.0重量部、 を必須の成分として配合してなることを特徴とする1,1,1,2−テトラフル
    オロエタンを冷媒として使用するカーエアコン用冷凍機油組成物。 2.一般式 [式中、R1は炭素数1〜18のアルキル基を示し、aは5〜70の整数を示し
    、またR2は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、かつ一分子中の(R2がエチレ
    ン基である−OR2−基の数)/aの比率(以下αとする)が0〜0.8であ る] で表わされ、かつ流動点が−10℃以下で、100℃における動粘度が5〜(3
    0+100α)cStであるポリオキシアルキレングリコールモノエーテルを基
    油とし、基油100重量部に対して、 (A)一般式 [式中、R3は炭素数1〜3のアルキル基を示し、bは0〜2の整数を示す]で
    表わされるホスフェート0.1〜5.0重量部、 および (B)(i)フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物、 (ii)エポキシ化脂肪酸モノエステル、および (iii)エポキシ化植物油、 から成る群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合物0.1〜5.0重量部
    、 を必須の成分として配合してなることを特徴とする1,1,1,2−テトラフル
    オロエタンを冷媒として使用するカーエアコン用冷凍機油組成物。 3.前記ポリオキシアルキレングリコールモノエーテルが、数平均分子量が5
    00〜1500で、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(
    Mw/Mn)が1.00〜1.20のものである請求項1または2に記載のカー
    エアコン用冷凍機油組成物。

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