JP2593312B2 - アゾビスアミジン塩類の製造方法 - Google Patents

アゾビスアミジン塩類の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高分子化合物製造における水溶性の重合開
始剤として有用な、アゾビスアミジン塩類の製造方法に
関し、詳しくは、あらかじめ調整した酸のアルコール類
溶液中にアゾビスニトリル類を10℃以上20℃未満の温度
範囲で逐次添加して反応させ、次いで得られる中間体ア
ゾビスイミノエーテル塩類にアミン類を反応させること
により相応するアゾビスアミジン塩を製造する方法に関
する。
〔従来の技術〕
従来、この種の化合物としては、米国特許第2599299
号に (ここでHXは無機酸、R及びR′は炭素数1〜4の直鎖
アルキル基並びにR″は水素及び炭素数1〜6の一価飽
和脂肪族基の群から選ばれた基を表わす)に関して記載
されており、その製造方法としては相当するアゾニトリ
ルを非水反応系中でアルコール、ハロゲン化水素及び式
HNR2(Rは水素又は有機基、好ましくは炭素数1〜6の
炭化水素基)の水素含有アミンと反応させる方法が記載
されている。
また、特公昭42−12641号公報には、本発明における
中間体と同種の中間体を経由するアゾ化合物の製造方法
に関して次の如く記載されている。すなわち、 式 (ただしRは炭素原子数1個乃至8個を有するアルキル
基である)のアゾジニトリルを酸触媒存在下でアルコー
ルと反応させ、中間体アゾジイミノエステル塩を水でも
って加水分解して相当するアゾジエステルに変換させ、
次いで該アゾジエステルをアルミニウムまたは硼素の水
素化物またはそれら水素化物の複合物と反応させること
によって上記アゾジエステルを相当するアゾジアルコー
ルへ選択的に還元させ、アゾジアルコールを反応混合物
から回収することを特徴とする、式 (ただしRは炭素原子数1個乃至8個を有するアルキル
基でありXは−OH基である)の化合物の製造方法、 である。
しかしながらこれらの方法では、アゾビスニトリル類
よりアゾビスアミジン塩類やアゾビスアルコール類等の
中間体イミノエーテルを製造する際、アゾビスニトリル
類溶液中に酸を逐次添加する方法あるいはアゾビスニト
リル類と酸とを同時に添加する方法であって、反応が急
激に進行しがちなため、上記いずれの提案においても、
低温で長時間の反応(例えば上記第2の提案の実施例1
では、反応温度5〜10℃で約2時間反応後、0℃で一晩
放置)を余儀なくされており、また、得られる目的物の
収率も不十分である。一方、反応時間短縮のため反応温
度を約20℃程度に高めると、小実験スケールに於てすら
冷却等による反応の制御は極めて困難であり、スケール
アップによる工業的スケールでの製造は、危険性大き
く、全く不可能の状態であった。
上記の問題点を解決するため特公昭58−2230号公報に
は、 一般式 (式中R1,R2はアルキル、シクロアルキル基を示す。)
なる化合物を塩酸ガスの存在下、アルコールと反応させ
イミノエーテルを製造する際、塩酸ガスの溶解性の少な
い溶媒中で反応させることを特徴とする、式 (式中はR1,R2は前記と同じ。R3はアルキル基を示
す。)なる化合物の製造方法、 に関して開示されている。
しかしながら、本発明者等の検討によると、上記第3
の提案においても次のような問題点がなお存在すること
がわかった。
(イ) 上記第3の提案の実施例に記載されているよう
に、メタノール等のアルコールとトルエン等の塩酸ガス
溶解性の少ない溶媒(以下、希釈溶媒ということがあ
る)との混合溶媒中に塩酸ガスを吹き込むと、該アルコ
ールへの塩酸ガスの溶解熱が発生し、反応系温度を10℃
以下に保つためには塩酸ガス吹き込みに比較的長時間か
ける必要があり、その後さらに室温程度の温度で数時間
反応させなければならず、合計の反応時間がまだかなり
長くかかり、反応の制御も必ずしも容易でない。
(ロ) 希釈溶剤とアルコールおよび塩酸ガスの分離回
収がかなり煩雑である。
原料アゾビスニトリル類の全量が系内に存在した状態
で反応を開始するため、副反応及び暴走反応の危険性を
なお有している。
〔発明が解決すべき問題点〕
本発明者等の研究によれば、上記(イ)〜(ニ)の如
く前記第3の提案においてもまだ解決しなければならな
い問題があることが判明した。
本発明者等は、これらの問題点を解決すべく鋭意研究
を進めた結果、あらかじめ調整した酸のアルコール類の
溶液中にアゾビスニトリル類を10℃以上20℃未満の温度
範囲で逐次添加することによって、これらの問題点を一
挙に解決して、高収率で高純度のアゾビスアミジン塩を
安全且つ短時間で製造し得ることを見出し、本発明を完
成した。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、 下記一般式 で表わされるアゾビスニトリル類を、あらかじめ調整し
た酸のアルコール類溶液中に10℃以上20℃未満の温度範
囲で逐次添加して反応させ、次いで得られる中間体アゾ
ビスイミノエーテル塩類に下記一般式 HNR3R4 …… で表わされるアミン類を反応させることを特徴とする、
下記一般式 で表わされるアゾビスアミジン塩類の製造方法に関す
る。
以下、本発明を一層詳細に説明する。
本発明における出発原料として用いられるアゾビスニ
トリル類は、上記一般式で表わされる化合物であり、
式の中のR1,R2はそれぞれ独立に、C1〜C10、好ましくは
C1〜C8、更に好ましくはC1〜C4のアルキル基、例えば、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ter
t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−
ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エ
チルヘキシル基等;C3〜C8、好ましくはC3〜C7のシクロ
アルキル基、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−メチル
シクロペンチル基、シクロヘプチル基、3−メチルシク
ロヘキシル基等;R1とR2とで形成されるC2〜C7、好まし
くはC2〜C6の1つのアルキレン基、例えば、エチレン
基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレ
ン基、ヘキサメチレン基等;である。このようなアゾビ
スニトリル類としては、例えば、2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2−メチルブチロ
ニトリル、2,2′−アゾビス−2−メチルヴアレロニト
リル、2,2′−アゾビス−2,3−ジメチルブチロニトリ
ル、2,2′−アゾビス−2−シクロプロピルプロピオニ
トリル、2,2′−アゾビス−2−メチルカプロニトリ
ル、2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルヴアレロニトリ
ル、2,2′−アゾビス−2−エチルブチロニトリル、2,
2′−アゾビス−2−エチルヴアレロニトリル、2,2′−
アゾビス−2−n−プロピルヴアレロニトリル、2,2′
−アゾビス−2−n−ブチルカプロニトリル、2,2′−
n−ブチルカプリノニトリル、2,2′−アゾビス−2−
n−ペンチルエナントニトリル、2,2′−アゾビス−2
−n−ヘキシルカプリロニトリル、2,2′−アゾビス−
2−n−ヘプチルペラルゴのニトリル、2,2′−アゾビ
ス−2−n−オクチルカプロニトリル、2,2′−アゾビ
スシクロヘキサン−1−カルボニトリル等を挙げること
ができ、これらの中、本発明の製造方法の出発原料とし
て特に好適なものとしては、2,2′−アゾビスイソブチ
ロニトリル,2,2′−アゾビス−2−メチルブチロニトリ
ル、2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルヴアレロニトリ
ル、2,2′−アゾビス−2−メチルヘキシロニトリル、
2,2′−アゾビス−2−シクロプロピルプロピオニトリ
ル等を挙げることができる。
本発明の製造方法は、上記の如きアゾビスニトリル類
を、あらかじめ調整した酸のアルコール類溶液中に10℃
以上20℃未満の温度範囲で逐次添加して反応させ、中間
体アゾビスイミノエーテル類を生成させる、下記の如き
アルコール付加反応工程(以下、第一工程と称すること
がある)を有する。
上記の酸(HX)としては、本発明の目的物であるアゾ
ビスアミジン塩の種類に応じて適宜選択することが可能
である。これらの酸としては、例えば、塩酸、硝酸、燐
酸、ベンゼンスルフォン酸、p−トルエンスルフォン
酸、トリクロロ酢酸等のごとき強酸が使用でき、これら
の中、塩酸を使用すると、後述する如く、上記第一工程
終了後の反応系のアルコール類溶液(以下、反応溶液と
称することがある)を減圧留去するだけで過剰の酸成分
を除去することができるので、上記中間体アゾビスイミ
ノエーテル塩を単離することなく、また、アニオン交換
樹脂等を使用することなく、該減圧留去後の反応溶液を
用いて次のアミン類との縮合反応を行なうことができる
ので特に好適である。これらの酸の使用量は、反応速度
等の観点より、使用するアゾビスニトリル類1モルに対
して、通常2〜10モル、好ましくは4〜8モルである。
また、前記のアルコール類(ROH)としては、一級ま
たは二級アルコール、すなわち、水酸基が着いている炭
素原子に少なくとも1個の水素原子が着いているアルコ
ールであれば特に制限されず、アルキル、シクロアルキ
ル、(アルキル)シクロアルキル、およびアラルキル等
のアルコール類が使用できる。これらの中、C1〜C18
アルコール類が好ましく、例えば、メタノール、エタノ
ール、1−および2−プロパノール、1−および2−ブ
タノール、2−メチル−1−プロパノール、1−および
2−ペンタノール、1−オクタノール、2−エチル−1
−ヘキサノール、1−デカノール、1−ドデカノール等
の直鎖又は分枝アルキル基のアルコール類;シクロヘキ
サノール、2−メチルシクロヘキサノール、1−ブチル
シクロヘキシルメタノール、1−(2′−メチルシクロ
ヘキシル)−1−エタノール等のシクロアルキル基もし
くはアルキルシクロアルキル基のアルコール類;ベンジ
ルアルコール、2−フェニル−1−エタノール、1−フ
ェニル−1−エタノール、3−フェニル−1−プロパノ
ール、1−フェニル−1−デカノール、8−フェニル−
1−オクタノール、2−メチルベンジルアルコール、3
−メチルベンジルアルコール、2,4−ジメチルベンジル
アルコール等のアラルキル基のアルコール類;を例挙す
ることができ、就中、沸点の低いメタノール、エタノー
ル、2−プロパノール、1−ブタノール等のC1〜C4アル
キル基のアルコール類を使用すると、得られるアゾビス
アミジン塩類を減圧乾固等の手段により容易かつ短時間
に分離回収が可能となるので、特に好ましい。これらの
アルコール類は、それぞれ単独で、又は、2種以上混合
して使用することができる。また、これらのアルコール
類の使用量は、出発原料のアゾビスニトリル類1モルに
対して一般に2モル以上であり、好ましくは3〜10モル
である。アルコール類を上記の範囲で使用することによ
り、過少の場合の反応速度低下の傾向、及び、過多の場
合の目的生成物アゾビスアミジン塩類回収に要するエネ
ルギーの増大などの生産性低下傾向等の問題がないの
で、該アルコール類は上記範囲内においてその種類に応
じて適宜選択して使用するのがよい。
更に、本発明の製造方法の第一工程において用いる酸
濃度は、上記アルコール類の溶液として、一般に5重量
%以上であり、反応速度並びに目的生成物アゾビスアミ
ジン塩類回収に当っての装置上及び所要エネルギー等の
観点より、該酸濃度が20〜70重量%の範囲であるのが好
ましい。なお、酸として塩酸を用いる場合には、該酸濃
度の上限値は、アルコール類に対する塩酸の飽和濃度で
ある。該飽和濃度はアルコール類の種類により異なるの
で、予め実験により決定するのがよい。
本発明の製造方法の最大の特徴は、第一工程におい
て、上記の如き酸のアルコール類溶液中に、前記のアゾ
ビスニトリル類を逐次添加することにある。
この逐次添加法によって、 (i) アゾビスニトリル類の逐次添加速度を制御する
ことにより、発熱反応を容易に制御できるため、量産化
が可能である。
(ii) 発熱制御に希釈溶剤を用いる必要がないため、
中間体のアゾビスイミノエーテル塩を単離する場合、及
び/又は、目的物であるアゾビスアミジン塩類の分離回
収に当って煩雑な操作が回避できる。
(iii) 予め調製した酸のアルコール類溶液が使用す
るので、従来の方法では反応系の温度維持に重大な問題
であった、酸のアルコール類への溶解時に発生する溶解
熱が問題とならず、この方法によって発生する熱は反応
熱のみとなるため、温度維持が容易となり、反応時間も
短縮できる。
などの極めて卓越した効果が発揮される。
アゾビスニトリル類は通常粉末状態で逐次添加するの
が好ましいが、必要に応じて、また、本発明の上記の如
き卓越した効果を損うことのない範囲でアルコール類や
その他の溶媒を用いて該アゾビスニトリル類を溶液ない
しはスラリー状にして添加することも可能である。
本発明の製造方法における前記第一工程の反応温度
は、アゾビスニトリル類の熱分解を避けるため一般に約
50℃以下であり、反応速度の速さ並びに得られるアゾビ
スアミジン塩類の粗収率の良さ及び純度の高さ等の観点
より、10〜20℃の範囲であるのが好ましい。従って、ア
ゾビスニトリル類の逐次添加速度は、上記の反応系が上
記の温度範囲を逸脱しない範囲で適宜選択するのがよ
い。
また、上記第一工程における反応時間は通常、約2〜
約8時間程度である。
以上述べた第一工程の反応によって、反応溶液中には
本発明に係る中間体であるアゾビスイミノエーテル塩類
が高収率で生成される。
本発明の製造方法によれば、かくして得られた中間体
アゾビスイミノエーテル塩類に、下記一般式 HNR3R4 …… で表わされるアミン類を反応させることにより、下記一
般式 で表わされるアゾビスアミジン塩類を製造する。
上記の中間体アゾビスイミノエーテル塩類は、必要に
応じて、常法により前記の反応溶液を濃縮・冷却・過
して単離した後、上記のアミン類と反応させることもで
きる。しかし、一般に上記中間体は吸湿性が高くかつ不
安定であるため、該中間体を単離することなく、前記反
応溶液を減圧留去することにより、または、アニオン交
換樹脂を用いてイオン交換することにより、過剰の酸成
分を除去した後、引き続き前記アミン類を導入して反応
させる方法を採用することができる。この方法によれ
ば、前記中間体の単離工程が省略でき、目的のアゾビス
アミジン塩類の分離・回収も一層容易で、且つ、得られ
るアゾビスアミジン塩類の粗収率及び純度も高いため、
この方法の採用が好ましい。中でも、目的のアゾビスア
ミジン塩類が塩酸塩など揮発性の酸の塩である場合に
は、反応溶液を減圧留去するのみで容易に過剰の酸成分
を除去できるので、このようなアゾビスアミジン塩の製
造には本発明方法が極めて好適に利用できる。
前記の中間体アゾビスイミノエーテル塩類は、前記の
アミン類と次の如く反応すると考えられる(第二工
程)。
上記のアミン類(HNR3R4)のR3,R4はそれぞれ独立
に、H;C1〜C10、好ましくはC1〜C8のアルキル基、例え
ば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t
ert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n
−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−
エチルヘキシル基等;C1〜C10、好ましくはC2〜C6のヒド
ロキシアルキル基、例えば、ヒドロキシエチル基、ヒド
ロキシプロピル基、1−メチル−ヒドロキシエチル基、
1−エチル−ヒドロキシエチル基、1,1−ジメチル−ヒ
ドロキシメチル基、1−メチル−1,1−ジヒドロキシメ
チル基、1−メチル−1−ヒドロキシメチル−2−ヒド
ロキシブチル基等;C3〜C8のアルキル基、例えば、シク
ロヘキシル基等;C7〜C12のアラルキル基、例えば、ベン
ジル基、1−メチル−ベンジル基等;C6〜C12のアリール
基、例えば、フェニル基、ナフチル基等;R3とR4とでC2
〜C8、好ましくはC2〜C6の1つのアルキレン基を形成す
るもの、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラ
メチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等で
ある。このようなアミン類としては、例えば、アンモニ
ア、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジ
エチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、イ
ソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミ
ン、ジブチルアミン、イソブチルアミン、ジイソブチル
アミン、t−ブチルアミン、2−アミノエタノール、ジ
エタノールアミン、2−アミノ−1−ブタノール、2−
アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−
2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2
−メチル−1,3−ペタンジオール、シクロヘキシルアミ
ン、ベンジルアミン、α−メチルベンジルアミン、アニ
リン、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、アジ
リジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン等を挙げ
ることができる。これらの中、アンモニア、メチルアミ
ン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、
プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピル
アミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチル
アミン等の沸点が100℃以下のアミン類、就中、アンモ
ニアを、中間体アゾビスイミノエーテル塩類と反応させ
て、アゾビスアミジン塩類、特にアゾビスアミジノプロ
パン塩を得たい場合には、該アゾビスアミジン塩類が高
収率、高純度で得られるので、本発明方法が特に好適に
利用できる。
上記のアミン類の使用量は、使用するアゾビスニトリ
ル類1モルに対して通常2〜25モル、好ましくは5〜20
モルである。該アミン類は、単体で又は、本発明方法の
優れた効果を妨げない範囲において前記のアルコール類
等の溶剤を用いて適宜希釈して添加することができる。
前記第二工程の反応は、前記第一工程終了後の反応溶
液から過剰の酸を除去した後の溶液中又は、該反応溶液
から単離した該中間体の前記した如きアルコール類の溶
液中に、該アミン類を単体で又は該アルコール類など本
発明方法の優れた効果を妨げない範囲の種類及び量の溶
媒で適宜希釈して導入することによって行なわれる。上
記の第二工程反応における溶液中の中間体の濃度として
は、通常、10〜30重量%、好ましくは15〜20重量%程度
である。また、上記アミン類導入時の温度及び上記第二
工程の反応温度は、該中間体の熱分解を避けるため、一
般に約50℃以下であり、反応速度の速さ並びに得られる
アゾビスアミジン塩類の粗収率の良さ及び純度の高さ等
の観点から、10〜30℃の範囲であるのが好ましい。この
反応における反応時間は、通常、約4〜約15時間程度で
ある。
本発明方法の目的物であるアゾビスアミジン塩類は、
上記第二工程反応の反応液を減圧乾固後、得られる固形
物を、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノ
ール、ジエチルエーテル、クロロホルム、トルエン等の
溶媒を用いて適宜洗浄して過剰のアミン類を除去するこ
とにより得ることができる。ここで、前記のアミン類と
して沸点100℃以下のアミン類、特にアンモニアなどを
用いる場合には上記反応液を減圧乾固するのみで過剰の
アミン類をほぼ完全に除去することができるので極めて
好ましい。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を一層詳細に説明する。
実施例1 47重量%塩酸メタノール溶液388g(塩酸5モル)中
に、15℃冷却撹拌下にアゾビスイソブチロニトリル(以
下、AIBNと略記する)164g(1モル)を粉末状のまま1.
5時間かけて逐次添加する。この間反応系温度を20℃以
下に保ち、AIBNの添加終了後、2.5時間同条件下に撹拌
を継続して反応を完結せしめる。過剰の塩酸を若干のメ
タノールとともに減圧留去したのち、20℃以下でアンモ
ニアガス170g(10モル)を吹き込み、一夜熟成後、減圧
乾固し、アゾビスアミジノプロパン塩酸塩の白色固体19
0g(0.7モル)を得た。粗収率70%、純度90重量%、融
点170℃。
実施例2 実施例1における47重量%塩酸メタノール溶液の代わ
りに47重量%塩酸エタノール溶液を用い、実施例1と同
様に反応を行ない、アゾビスアミジノプロパン塩酸塩の
白色固体203g(0.75モル)を得た。粗収率75%、純度92
重量%、融点170℃。
実施例3 実施例1におけるAIBNの代わりに、2,2′−アゾビス
−2,4−ジメチルバレロニトリル(ABVN)248g(1モ
ル)を用い、実施例1と同様に反応を行ない、2,2′−
アゾビス−4,4′−メチル−2,2′−アミジノペンタン塩
酸塩231g(0.65モル)を得た。粗収率65%、純度87重量
%。
〔発明の効果〕
本発明のアゾビスアミジン塩類の製造方法は、次記の
如き卓越し効果を有している。
(i) 第一工程において、アゾビスニトリル類の逐次
添加速度を制御することにより、発熱反応を容易に制御
できるため、量産化が可能である。
(ii) 第一工程において、発熱制御のために希釈溶剤
を用いる必要がないため、目的物であるアゾビスアミジ
ン塩類の分離回収に当って煩雑な操作が回避できる。
(iii) 第一工程において、予め調製した酸のアルコ
ール類溶液が使用するので、従来の方法では反応系の温
度維持に重大な問題であった、酸のアルコール類への溶
解時に発生する溶解熱が問題とならず、この方法によっ
て発生する熱は反応熱のみとなるため、温度維持が容易
となり、反応時間も短縮できる。
(iv) 第一工程終了後の反応溶液を減圧留去すること
により、または、アニオン交換樹脂を用いてイオン交換
することにより、過剰な酸成分を除去することができる
ので、吸湿性が高く不安定な中間体アゾビスイミノエー
テル塩を単離する工程を省略することができる。殊に、
酸として揮発性の塩酸を用いる場合には、上記第一工程
終了後の反応溶液を減圧留去するだけ極めて容易に過剰
な酸成分を除去することができる。斯くして得られた中
間体を含む溶液中にアミン類を導入することによって、
引続いて第二工程の反応を行なうことができる。
(v) 第一工程において揮発性の酸およびアルコール
類を使用した場合には、第二工程の反応終了後の減圧乾
固によって得られる固形物をメタノール、エタノール等
の適宜な溶剤で洗浄することにより、容易に粗製品を得
ることができ、分離回収の煩雑な操作を回避できる。中
でもアミン類としてアンモニア等の揮発性のアミン類を
使用した場合には、減圧乾固のみによって極めて容易に
粗製品を得ることができる。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式 で表わされるアゾビスニトリル類を、あらかじめ調製し
    た酸のアルコール類溶液中に10℃以上20℃未満の温度範
    囲で逐次添加して反応させ、次いで得られる中間体アゾ
    ビスイミノエーテル塩類に下記一般式 HNR3R4 …… で表わされるアミン類を反応させることを特徴とする、
    下記一般式 で表わされるアゾビスアミジン塩類の製造方法。
  2. 【請求項2】上記アルコール類がC1〜C4のアルキル基の
    アルコールであることを特徴とする特許請求の範囲第
    (1)項記載の製造方法。
  3. 【請求項3】上記の酸が塩酸であることを特徴とする特
    許請求の範囲第(1)項または第(2)項記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】上記一般式のアミン類が沸点100℃以下
    のアミン類であることを特徴とする特許請求の範囲第
    (1)項〜第(3)項のいずれかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】上記一般式のアミン類がアンモニアであ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第(4)項記載の製
    造方法。
  6. 【請求項6】上記一般式のアゾビスニトリル類におけ
    るR1,R2がそれぞれ独立してC1〜C4のアルキル基である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第(1)項〜第(5)
    項のいずれかに記載の製造方法。
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