JP2592510B2 - 酸素センサ素子 - Google Patents

酸素センサ素子

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JP2592510B2
JP2592510B2 JP63305067A JP30506788A JP2592510B2 JP 2592510 B2 JP2592510 B2 JP 2592510B2 JP 63305067 A JP63305067 A JP 63305067A JP 30506788 A JP30506788 A JP 30506788A JP 2592510 B2 JP2592510 B2 JP 2592510B2
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oxygen sensor
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邦彦 中垣
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、主として自動車の内燃機関や工業炉におけ
る燃料装置等の排気ガス中に含まれる酸素量を測定する
ための酸素センサ素子に係り、特に応答性及び起電力特
性の改善された酸素センサ素子に関するものである。
(背景技術) 従来から、ジルコニア磁器等の酸素イオン伝導性の固
体電解質を用いて、酸素濃淡電池の原理により、自動車
等の内燃機関や工業炉における燃焼装置等から排出され
る、被測定ガスとしての排気ガス中の酸素濃度を検知
し、かかる内燃機関等の空燃比乃至は燃焼状態を制御す
ることが知られている。
而して、この種の酸素濃度検出器たる酸素センサにあ
っては、センサ素子として、有底円筒形状や板状等の形
状を有する固体電解質の内外面に、白金等の触媒金属か
らなる或いはそれを含む所定の電極を設け、そして、そ
の内側の電極を空気等の基準酸素濃度の基準ガスに晒さ
れる基準電極とする一方、外側の電極を被測定ガスであ
る排ガスに晒して測定電極とする構造を採用するもので
あって、それら基準電極と測定電極との間の酸素濃度の
差に基づく起電力を検知することにより、かかる排気ガ
ス中の酸素濃度を測定している。
また、このような酸素センサ素子においては、外面電
極である測定電極が、被測定ガスたる高温の排気ガスの
作用を受けて減耗したり、損傷を受けて、センサ機能が
劣化する等の問題を惹起するところから、かかる測定電
極を保護するために、スピネル等の多孔質の保護コーテ
ィング層が該測定電極上にプラズマ溶射等によって所定
厚さで形成されている。
ところで、この種の酸素センサ素子には、その使用目
的から、広い温度範囲で、論理空燃比点を正確に感知す
るものであることが要求されているが、低温度では電極
の触媒能が低下するところから、起電力特性曲線、所謂
λカーブがリーン(酸素過剰雰囲気)側にずれてしま
い、それ故従来のセンサでは、被測定ガスの温度が400
℃以下となると、論理空燃比点を正確に感知することが
困難となるものであった。
このため、特開昭54−41794号公報には、白金等の多
孔性金属電極にて構成される測定電極上に、白金属触媒
を0.1〜5重量%の割合で分散せしめてなる触媒層を設
けて、起電力特性曲線のずれを防止する技術が明らかに
されているが、この場合においては、測定電極として用
いる白金等の触媒金属に加えて、更に同種の金属を比較
的多く用いる必要があるために、必然的にコストアップ
を惹起することに加えて、センサとしての応答性が著し
く低下する問題を内在している。
一方、酸素センサ素子の電極の中には、その長期間の
或いは著しい高温というような厳しい使用条件下での耐
久性を向上するために、触媒金属粉とセラミックス粉と
を混合して、安定化或いは部分安定化ジルコニア等から
なるセンサ素体(素子本体)に焼き付け、或いは下地と
一体焼成したサーメット電極が知られている。
しかしながら、このようなサーメット電極は、その耐
久性を向上するために、一般に、少なくとも1000℃、好
ましくは1300℃以上の高温での焼付またはセンサ素体と
の一体焼成が行なわれるために、電極としての触媒活性
が著しく悪いものとなり、その使用範囲が限定されると
いう欠点がある。
また、このようなサーメット電極、更にはサーメット
電極以外の電極、例えばメッキ電極等のセンサ電極の欠
点をカバーするために、その電極部をヒータで加熱する
ようにした構造の酸素センサも考え出されているが、ヒ
ータでどのように加熱しても、かかるセンサの被測定ガ
ス(排気ガス)に晒される側は、ガス温が低いときは、
そのガスにより冷却され、電極の触媒活性が低下し、起
電力特性曲線にずれが生じ易くなる。
特に、近年、排気ガス規制が厳しくなり、自動車にあ
っては、そのアイドリング時においても作動するセンサ
素子とか、センサ取付位置等の制約から、排気管後方の
低温部においても正確に空燃比制御の出来るセンサ素子
が要求されるようになってきているが、従来の酸素セン
サ素子では、例えば400℃以下の低温度の排気ガス中で
は、正確な起電力特性曲線を得ることは望むべくもなか
ったのである。
(解決課題) ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして、
その問題点を悉く解消すべくた為されたものであって、
その主たる解決課題とするところは、低温の排気ガス中
において、応答性を損なうことなく、正確に理論空燃比
点を感知することの出来る酸素センサ素子を得ることに
ある。
(解決手段) そして、本発明は、上記の如き目的を達成するため
に、酸素イオン伝導性の固体電解質と、該固体電解質に
接して設けられた、所定の基準酸素濃度の基準ガスに晒
される基準電極と、該固体電解質に接して設けられた、
被測定ガスに晒される測定電極と、該測定電極上に形成
されて、該測定電極を被覆、保護する多孔質コーティン
グ層とから少なくとも構成されてなる酸素センサ素子に
おいて、該測定電極を触媒金属とセラミックスからなる
サーメットにて構成すると共に、前記多孔質コーティン
グ層に、白金族金属の一つ若しくは複数を10ppm以上100
0ppm未満の割合で導入せしめたことを、その要旨とする
ものである。
(作用・効果) このように、本発明は、所定の酸素イオン伝導性の固
体電解質の表面に設けられる測定電極において、それ
を、白金等の触媒金属とジルコニア等のセラミックスか
らなるサーメットにて構成すると共に、かかる測定電極
を覆う多孔質コーティング層中に、白金族金属の一つ若
しくは複数を適量導入せしめることにより、応答性を損
なうことなく、低温ガス中で正確に理論空燃比点を感知
することが出来ることを見い出したことに基づいて、完
成されたものである。
なお、ここで、多孔質コーティング層に導入せしめら
れる白金族金属の適量とは、その合計量において、多孔
質コーティング層の重量に対して10ppm以上1000ppm未
満、更に望ましくは10〜500ppmの範囲である。そして、
この導入量の割合が10ppmよりも少ない場合には、酸素
センサ素子の起電力特性が著しく不安定となり、2ppm程
度では、多量に酸素センサ素子を作製した時の個々の酸
素センサ素子の性能のバラツキが大きくなる。即ち、10
ppm以上導入せしめた状態において、初めて、品質が安
定するようになるのである。また、白金族金属の合計の
導入量が1000ppmを越えて、多量に含有されるようにな
ると、起電力特性が安定する反面、応答性が著しく低下
し、空燃比制御上好ましくない問題を惹起する。但し、
応答性の劣化を問題としない場合は、この限りではな
い。なお、通常の酸素センサ素子並の応答性を有し、且
つ低温において安定した起電力特性を得るためには、10
00ppm未満、望ましくは500ppm以下としておくことが好
ましいのである。
要するに、本発明は、サーメット型の測定電極を用い
ると共に、それを覆う多孔質コーティング層に、特定の
僅少量の白金族金属を導入せしめることにより、応答性
を低下せしめることなく、酸素センサ素子の低温作動性
を著しく向上せしめ得たものであって、白金族金属の使
用量を低減した状態下において、被測定ガスのガス温が
低い場合にあっても、有効な起電力特性曲線を安定して
得ることが出来る等の特徴を発揮するものであるが、そ
のような特徴は、またセンサ素子の少なくとも測定電極
配設部位を加熱するヒータ手段を備えた酸素センサ構造
とすることにより、電極の性能向上と併わせて、更に広
範囲の温度での正確な起電力特性曲線を得ることが可能
となり、本発明の効果を更に増大せしめることが出来
る。
(具体的構成) ところで、第1図には、かかる本発明に従う酸素セン
サ素子の代表的な構造の一例が示されている。
すなわち、この第1図に示される酸素センサ素子は、
公知の積層手法によって形成された板状形態のものであ
って、ジルコニア等の酸素イオン伝導性の固体電解質か
らなる、所定長さの細幅、板状の素子本体10内に、先端
部が行き止まり端となった空気通路12が設けられてい
る。なお、この空気通路12は、素子本体10の基端部にお
いて開口し、大気に連通せしめられるようになってい
る。そして、この空気通路12内に露呈する素子本体10の
内表面上に、基準電極14が設けられており、この基準電
極14に対して、空気通路12を通じて導き入れられる空気
が、所定の基準酸素濃度の基準ガスとして接触せしめら
れるようになっている。また、この基準電極14に対向す
るように、素子本体10の外表面には、サーメット電極に
て構成される測定電極16が設けられている。そして、こ
の測定電極16上に、それを覆うようにして、アルミナ等
からなる多孔質保護層(多孔質コーティング層)18が所
定厚さにおいて設けられており、この多孔質保護層18を
通じて外部の被測定ガスが測定電極16に導かれ、接触せ
しめられ得るようになっている。
なお、素子本体10には、アルミナ等からなる電気絶縁
層20内に埋設されてなるヒータエレメント22が一体的に
設けられており、そのヒータエレメント22への外部から
の通電によって、かかるヒータエレメント22を発熱せし
めることにより、かかる酸素センサ素子の電極14,16埋
設部位が所定の温度に加熱せしめられるようになってい
る。
従って、このような構造の酸素センサ素子にあって
は、よく知られているように、測定電極16に接触せしめ
られる雰囲気(被測定ガス)中の酸素濃度と基準電極14
に接触せしめられる雰囲気(基準ガス)中の酸素濃度と
の差に基づいて惹起される起電力に従って、目的とする
被測定ガス中の酸素濃度が検出されることとなるのであ
るが、その際、前記したように、本発明においては、測
定電極16としてサーメットを用い、また多孔質保護層18
中には、特定の僅少量の白金族金属が導入せしめられて
いることによって、応答性よく、正確な起電力特性曲線
を得ることが可能となったのである。
ここにおいて、かかる酸素センサ素子を構成する酸素
イオン伝導性の固体電解質としては、公知の各種のもの
を挙げることが出来るが、本発明では、特にジルコニア
に所定の安定化剤、例えばイットリア(Y2O3)、カルシ
ア(CaO)、マグネシア(MgO)、イッテルビア(Yb
2O3)等を配合せしめてなる、安定化若しくは部分安定
化ジルコニア材料が好適に用いられることとなる。な
お、このような固体電解質材料には、また公知の如く、
所定の焼結助剤、例えばカオリン等の粘土や、SiO2,Al2
O3,Fe2O3等が適宜に配合せしめられることとなる。
そして、これら固体電解質材料の中から選択された材
料を用いて、所定形状の酸素センサ素子の素子本体を与
える成形体が形成されるが、その成形には、従来から採
用されているラバープレス法の如き加圧成形法や厚膜法
の如き積層法等の公知の手法が採用され、それによって
酸素センサ素子の主体となる有低円筒状や板状等の形状
の素子本体(基体)を与える成形体が形成される。
次いで、このような成形体には、必要に応じて、その
焼成温度よりも低い温度での仮焼操作が施された後、公
知の通常の焼成操作に従って焼成せしめられることとな
るが、その焼成に先立って或いはその焼成の後に、かか
る成形体表面に、従来と同様にして、被測定ガスに晒さ
れる測定電極と所定の基準酸素濃度の基準ガスに晒され
る基準電極とが少なくとも形成されるのである。
なお、それら電極は、触媒金属として公知の白金族金
属、例えば白金,ルテニウム,オスミウム,イリジウ
ム,ロジウム,パラジウム等からなるか、若しくはこの
ような白金族金属を主体とする導電性材料からなる薄膜
状の電極として形成されることとなるが、一般に、触媒
金属としては白金が使用され、また白金にロジウムやパ
ラジウム等の他の白金族金属が1〜30%程度添加された
ものが用いられる。
また、かかる電極の中でも、基準電極の形成には、従
来から知られているメッキ法,スパッタリング法,電極
金属(触媒金属)の塩の熱分解による方法,電極金属と
セラミックスとのサーメットペーストを成形体表面に焼
き付けるペースト焼付法,更にはそのようなサーメット
ペーストを素子本体に印刷若しくは塗布した後、該素子
本体と共に焼成するサーメットペーストの同時焼成法等
の種々の方法の中より、適宜に選択採用されるものであ
るが、測定電極は、本発明に従って、サーメット電極と
して構成する必要があるために、上記の電極形成法の中
でも、ペースト焼付法或いはサーメットペーストの同時
焼成法の何れかが採用されることとなる。
さらに、これら電極の形成に際して、メッキやスパッ
タリング等の前処理として、成形体(固体電解質)表面
をエッチングすれば、そこに形成される電極の付着力の
向上や性能向上において有利であり、また測定電極等の
サーメット電極を与えるサーメットペーストとしては、
前記した白金系等の触媒金属粉末(白金粉末若しくはそ
れと他の金属との混合粉末等)と前記酸素イオン伝導性
固体電解質材料の粉末を混合したものが有利に使用され
るが、またそのような固体電解質粉末に代えて、アルミ
ナ,カルシア等の他のセラミックス粉末を用いることも
可能である。そして、そのようなサーメットペースト
は、成形体表面の所定位置に印刷或いは刷毛塗りした
後、成形体と共に若しくは更に積層されて一体焼成され
ることにより、基材に対する電極の付着力を最高のもの
とすることが出来る。
そして、上記のようにして所定の素子本体に所定の電
極が付与された後、被測定ガスに晒される測定電極上に
は、その耐久性等の向上を図るために、所定厚さで多孔
質のセラミックスコーティング層が形成される。このセ
ラミックスコーティング層も、種々なる公知の手法に従
って形成することが可能であり、例えばスピネル(Al2O
3・MgO),ジルコニア,アルミナ等のセラミックス材料
を用い、それらをプラズマ溶射法やフレーム溶射法によ
って溶射して、所定厚さのコーティング層を形成した
り、セラミックス粉末スラリーとして、それらの電極上
への印刷或いはそのようなスラリーへのディッピングの
後に焼き付けたり、またはサーメット上に適用して一体
焼成すること等によって形成されるものである。なお、
耐久性の面から、一体焼成にて形成される多孔質コーテ
ィング層としては、前述の如き固体電解質粉砕粉末を用
い、これと有機バインダとを混合して、シート状に成形
したものを用いて形成されることが望ましい。
また、かかる多孔質コーティング層の構成は、単層の
みならず、二つ以上の多層構造であっても何等差支えな
く、更にはその気孔率(コーティング層の体積中に占め
る気孔の容積割合)は適宜に選定されることとなるが、
一般には10〜60%程度とされることとなる。けだし、こ
の気孔率が60%よりも大きくなると、多孔質コーティン
グ層のガス透過性がよく、応答性が向上する反面、被毒
等の耐久性が低下するようになるからであり、また気孔
率が10%よりも小さい場合には、被毒等に対する耐久性
は良好となる一方、応答性が著しく低下するようになる
からである。
そして、本発明にあっては、かかる形成された多孔質
コーティング層内に所定量の白金族金属を更に含有せし
めるものであるが、そのための手法としては、浸漬法、
スラリー法、蒸着法等の各種の方法がある。
より具体的には、浸漬法においては、減圧可能な容器
内にて、H2PtCl6、RhCl3等の白金族金属化合物、若しく
はそれらの混合物の水溶液に、多孔質コーティング層に
より被覆されたセンサ素子の測定電極部分を浸漬して、
減圧せしめ、かかるコーティング層の細孔内に溶液を導
入させた後、乾燥せしめ、更にその後、比較的低温度、
例えば200〜500℃の温度で還元処理を行ない、白金族金
属化合物を金属化させることによって多孔質コーティン
グ層内に白金族金属を分散させる方法において、実施さ
れる。なお、還元方法としては、H2、CO等の還元ガス雰
囲気中での熱処理、或いはNaBH4等のアルカリ水溶液に
浸漬する手法がある。この浸漬法が、白金族金属を微細
且つ均一に多孔質コーティング層内に分散させる上にお
いて、最も効果的である。
また、スラリー法においては、白金族金属の適当な化
合物をγ−Al2O3等と混合し、スラリー状にしたもの
を、センサ素子の測定電極表面若しくは測定電極を被覆
する多孔質コーティング層上に塗布し、還元雰囲気中で
加熱、焼き付けることによって、実施されることとな
る。また、セラミックス粉末と白金族金属粉末を有機バ
インダと所定量混合し、シート状に成形したものを用い
て形成しても良い。
さらに、蒸着法は、センサ素子の測定電極上にそれを
被覆するように設けられた多孔質コーティング層表面
に、白金族金属をイオンスパッタ手法により蒸着するこ
とによって実施されるものである。
なお、この多孔質コーティング層内に導入される白金
族金属とは、白金、ルテニウム、オスミウム、イリジウ
ム、ロジウム、パラジウム等であって、それらの1種若
しくは2種以上が、前述の如く10ppm以上1000ppm未満の
極めて僅かな割合において導入されるものであるが、特
に本発明にあっては、白金と他の白金族金属との組合
せ、中でも白金とロジウムの組合せにおいて、有利に用
いられることとなる。また、この白金とロジウムの組合
せにおいては、Pt/Rhの比(重量)が100/5〜10/5の範囲
内の割合において好適に用いられることとなる。
また、このように、多孔質コーティング層内に導入さ
れる白金族金属は、少なくともそのようなコーティング
層のガスに接触する面に存在する必要があるが、コーテ
ィング層全体に均一に分散、含有せしめられていること
が望ましいが、また触媒層として、かかるコーティング
層のガスに接触せしめられる表面上に所定厚さに形成さ
れて、かかるコーティング層の表面に偏在した形におい
て存在していても、何等差支えない。更に、この多孔質
コーティング層には、白金族金属の他に、CeO2等の希土
類元素の酸化物を該白金族金属の重量に対して5〜50%
程度添加して導入することも可能である。
ところで、このようにして導入された多孔質コーティ
ング層中の白金族金属量の決定には、各種の公知の手法
が採用され、例えば、水溶液含浸法の場合には、多孔質
コーティング層の気孔率、含浸溶液中の白金族金属濃度
及び多孔質コーティング層の密度等から、次式に従って
決定されることとなる。
P×Vp=Vm Vm×Cm=Wm (1−P)×Vp×Dp=Wp Wm/Wp=10〜1500ppm 但し、 P:多孔質コーティング層の気孔率 Vp:多孔質コーティング層の体積 Vm:多孔質コーティング層内の白金族金属溶液の体積 Cm:溶液中の白金族金属の濃度 Wm:多孔質コーティング層に適用された白金族金属の重
量 Dp:多孔質コーティング層の密度 Wp:多孔質コーティング層の重量 また、スラリー塗布法の場合には、スラリーに加える
粒状セラミックスの重量と白金族金属の重量から決定さ
れ、更にその他、公知の各種の化学分析法或いは機器分
析法にて白金族金属の導入量が適宜に求められることと
なる。なお、多孔質コーティング層内の白金族金属と測
定電極を構成する触媒金属とが同一である場合には、多
孔質コーティング層のみを削り取って、分析する等の手
法が採用される。
かくして得られた、測定電極がサーメット電極とさ
れ、更にその上に形成される多孔質コーティング層内
に、所定の僅少量の白金族金属が導入されてなる酸素セ
ンサ素子は、そのような僅少量の白金族金属の作用下に
おいて、測定電極としてのサーメット電極が被測定ガス
に接することによって、応答性を著しく低下させること
なく、低温度下においても正確な起電力特性曲線を得る
ことが可能となるものであって、以て有効な特性を有す
る酸素センサ素子として、目的とする酸素センサに有利
に適用され得ることとなったのである。
(実施例) 以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本
発明に従う代表的な実施例を示すが、本発明が、そのよ
うな実施例の記載によって、何等制限的に解釈されるも
のでないことは、言うまでもないところである。
また、本発明は、上述した本発明の具合的な説明並び
に以下の実施例の他にも、各種の態様において実施され
得るものであり、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおい
て、当業者の知識に基づいて種々なる態様において実施
されるものは、何れも本発明の範疇に属するものである
ことが、理解されるべきである。
先ず、96モル%のジルコニアと4モル%のイットリア
とを混合し、更に焼結助剤として粘土:2重量%を加えて
なる固体電解質材料を用いて、第1図に示される如き素
子形状のヒータ内蔵型酸素センサ素子を、公知の積層法
に従って、作製した。なお、多孔質保護層(18)は、焼
失物質を混合してなる多孔質ジルコニア材料のシート
を、前記固体電解質材料にて形成される素子本体(10)
上に積層して、かかる素子本体(10)と同時焼成するこ
とによって形成され、また、基準電極(14)及び測定電
極(16)にあっても、Pt:85重量%と上記の固体電解質
材料:15重量%の割合のサーメットペーストを用い、そ
れを素子先端部の1〜8.5mmの範囲で部分塗布して、素
子本体(10)と同時に焼成することによって形成した。
次いで、このようにして得られた酸素センサ素子の先
端から約12mmの長さ部分を、各種濃度の(H2PtCl6+RhC
l3)水溶液を浸し、減圧下において10分間含浸を行な
い、その後、80℃で30分間乾燥せしめた後、H2雰囲気中
において400℃×1時間の熱処理を施すことにより、白
金族金属の含浸量の異なる酸素センサ素子を得た。な
お、(H2PtCl6+RhCl3)水溶液中のPt及びRhの濃度と多
孔質保護層(18)中に導入される白金族金属の含浸量と
は、下記第1表の通りである。また、何れの場合におい
ても、PtとRhの含浸割合(Pt/Rh)は、10/1であった。
そして、この白金及びロジウムが導入された各種のセ
ンサ素子を、通常の酸素センサの如く金属ケース中に組
み付けて、それぞれの性能を評価した。この性能評価
は、モデルガスを用い、素子温度が400℃におけるそれ
ぞれのセンサ素子の起電力特性曲線を求めたものであ
り、その結果が、第2図に示されている。この第2図か
ら明らかなように、起電力特性は、白金族金属の含浸量
が多くなると、特に360ppmより多くなると、含浸量3000
ppmの場合の良好な起電力特性と略同様の曲線(立上
り)を示し、未処理のセンサ素子よりも理論空燃比点を
正確に感知していることが認められる。
また、それぞれのセンサ素子の応答性、即ち還元性ガ
ス(リッチ)から酸化性ガス(リーン)に被測定ガスを
切り換えた時に、センサ素子の起電力が0.6Vから0.3Vに
変化するまでに要する応答時間として評価し、その結果
を、下記第2表に示す。この第2表から明らかなよう
に、応答時間:TRLは、白金族金属の導入量が3000ppmに
おいて著しく長くなっており、このことから、白金族金
属の導入量が多くなると応答性が悪くなることが理解さ
れるのである。なお、かかる第2表におけるfは、セン
サを実際にエンジンに取り付けた場合の単位時間当たり
の応答回数を示すものであって、数値が大きい程速いこ
とを示しているが、この応答回数に関しても、白金族金
属の導入量が多い場合(3000ppmの場合)には低下する
ことが認められる。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明に係る酸素センサ素子の代表的な構造
の一例を示す横断面説明図であり、第2図は、実施例で
得られた(Pt+Rh)導入量の異なる酸素センサ素子にお
ける起電力特性曲線を示すグラフである。 10:素子本体、12:空気通路 14:基準電極、16:測定電極 18:多孔質保護層、20:電気絶縁層 22:ヒータエレメント

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸素イオン伝導性の固体電解質と、該固体
    電解質に接して設けられた、所定の基準酸素濃度の基準
    ガスに晒される基準電極と、該固体電解質に接して設け
    られた、被測定ガスに晒される測定電極と、該測定電極
    上に形成されて、該測定電極を被覆、保護する多孔質コ
    ーティング層とから少なくとも構成されてなる酸素セン
    サ素子において、 該測定電極を触媒金属とセラミックスからなるサーメッ
    トにて構成すると共に、前記多孔質コーティング層に、
    白金族金属の一つ若しくは複数を10ppm以上1000ppm未満
    の割合で導入せしめることを特徴とする酸素センサ素
    子。
  2. 【請求項2】前記多孔質コーティング層が、前記白金族
    金属としてPt及びRhを含有し、且つPt/Rhの比(重量)
    が100/5〜10/5の範囲内の割合とされている請求項
    (1)記載の酸素センサ素子。
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