JP2590588B2 - 繊維シートの高圧水流処理方法及びその装置 - Google Patents

繊維シートの高圧水流処理方法及びその装置

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高圧水を繊維シートに高速で噴射させるこ
とにより、繊維シートの構成繊維を交絡または割繊せし
める繊維シートの高圧水流処理方法及びその装置に関
し、詳しくは上記処理中において、ノズル直下に滞留水
が生じない状態で効率良く交絡または割繊処理し得る処
理方法及びその装置に関する。
[従来の技術] 従来、ネットコンベアなどの多孔体で搬送されつつあ
る繊維シートに対して、高圧水噴射ノズルから高圧水を
噴射させることにより、繊維シートの構成繊維を交絡ま
たは割繊せしめて品質のよい不織布等を製造する高圧水
流処理方法及びその装置としては、例えば特公昭61−42
031号公報に開示された処理方法及びその装置が知られ
ている。
この技術は、繊維シートとして相異なる2種類の繊維
シートを積層し、これにノズルから高圧の噴射水をジェ
ット流となして噴射することにより、上記2種類の繊維
シートを三次元的に交絡させるものであるが、第4図に
示すように、高圧水噴射ノズル40直下の噴射点近傍に排
水されない噴射水が厚さ1〜5mm程度の滞留水Wとなる
溜り現象を生じ、これがネットコンベア41で支持された
繊維シート42に対する噴射効果を弱め、さらに繊維シー
トに及ぼす噴射力の作用効果が不均一となる問題があ
る。
そこで、上記公報では、この滞留水を排出する手段と
して、ネットコンベア41の目の粗さを80メッシユとし、
滞留水Wをその下方の支持体43の開口部44から真空ポン
プなどの真空吸引装置を用いて−50〜−80mmHg程度の負
圧で吸引することを提案している。
しかしながら、この技術は、滞留水Wをネットコンベ
ア41の下面から吸引しつつ噴射処理を施しても噴射水の
全てが繊維シートを貫通するわけではなく、繊維シート
に衝突したのちその上方に飛散した一部の噴射水が再び
繊維シート上に付着して滞留するため、噴射孔から噴射
された噴射水の噴射エネルギが滞留水によって遮られる
ことになる。その結果、繊維シートが例えば極細繊維束
の経・緯糸からなる織物構造体の場合、噴射エネルギー
の作用効果の不均一により、経・緯糸を構成する単繊維
間で割繊度ムラが生じ、第5図に示すように「イラツ
キ」と称する7〜8mm感覚の波状の模様45が現われる品
質欠点がある。
また、繊維シートがランダムウエブ等で構成された不
織布構造体である場合、シート中に存在する滞留水のた
め、シートに対する噴射水エネルギの作用効果が不均一
になるのみならず、シート中の滞留水に噴射水が滞留水
に衝突することによって噴射水の直進性が失われ、そし
て繊維シート中の構成繊維を移動ならしめるため、シー
ト表面は、あたかも掘り起された状態になって凹凸の激
しい極めて平滑性に劣るシートしか得られないという問
題がある。
さらに、繊維シートが二層に積層された目付の高いも
のであるため、その吸引力が繊維シート上の滞留水にま
で充分に及ばず、これを真空発生装置の能力を大容量と
することによって敢えて吸引しようとすると、装置が高
価につくばかりかその消費動力(ランニングコスト)が
無視できないほど高くつく等の問題があった。
そこで、かかる問題を改善せんとして、特公昭62−56
254号公報では、高圧水噴射ノズルの噴射孔の両側に、
ノズル幅方向に相対向した障壁を設けることにより、上
記噴射水の滞留現象を規制することが提案されている
が、この技術とて上記相対向した障壁内で飛散し、障壁
内に滞留した滞留水Wの処置については如何ともなし難
く、依然として障壁内に滞留するばかりで完全な問題解
決には至らないものであった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、上記問題点を解消し、繊維シート上
の滞留水を高圧水流処理の障害にならない程度に少なく
した状態で高圧水を噴射させることにより、ノズルから
の噴射水のエネルギを最大限に活用して噴射力の繊維シ
ートに及ぼす作用効果を均一ならしめ、もって表面に地
合の乱れのない優れた品位の繊維シートが得られると共
に、構造が簡単で、かつ、そのランニングコストが安価
な高圧水流処理方法及びその装置を提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、本発明に係る繊維シートの
高圧水流処理方法は、移動中の多孔体の表面に繊維シー
トを載置し、前記繊維シートに対して、前記繊維シート
上部に設けた高圧水噴射ノズルから高圧水を噴射するこ
とにより、前記繊維シートの繊維を交絡または割繊させ
る繊維シートの高圧水流処理方法において、 前記繊維シートに噴射した前記高圧水の衝突点近傍に
対して、前記繊維シートに噴射しつある前記高圧水の衝
突点近傍に対して、高圧空気噴射ノズルから高圧空気を
噴射することにより、前記衝突点近傍の滞留水を除去す
ることを特徴とする。
また、本発明に係る繊維シートの高圧水流処理装置
は、繊維シートを表面に載置しつつ搬送する多孔体と、
前記多孔体の上方に設けられ前記繊維シートに対して高
圧水を噴射することにより、前記繊維シートの繊維を交
絡または割繊させる高圧水噴射ノズルとからなる繊維シ
ートの高圧水流処理装置において、 前記多孔体と前記高圧水噴射ノズルとの間に、前記高
圧水噴射ノズルから噴射された高圧水が前記繊維シート
に衝突する衝突点近傍に対して、高圧空気を噴射するこ
とにより、前記衝突点近傍の滞留水を除去するための高
圧空気噴射ノズルを設けたことを特徴とする。
本発明の処理方法及び処理装置が適用できる繊維シー
トとしては、特に限定されるものではなく、例えば、通
常の不織布、織物、編物、さらに織物や編物と不織布と
の積層体、性質の異なる複数の不織布の積層体などに適
用できる。なお、これらの繊維シートは、カード、クロ
スラッパー、ランダムウエッバー、フィラメントウエッ
ブ形成法、抄紙法などの製造法によって製造でき、さら
に必要に応じてニードルパンチ、一次水流処理などの処
理方法による組織固定を行なうことにより製造できる。
また、本発明で用いる繊維シートを構成する繊維は、
特に限定されるものではなく、天然繊維、化学繊維及び
合成繊維、あるいはこれ等の組み合せからなるあらゆる
繊維を用いることができる。
以下、本発明に係る高圧水流処理装置の一実施例を示
す図面を参照しながら、本発明の処理方法及びその装置
を具体的に説明する。
第1図は、本発明に係る繊維シートの高圧液流処理装
置の縦断面図、第2図は、第1図の右側面図、第3図
は、第1図の高圧空気噴射ノズル近傍の拡大断面図であ
る。
図において、1は、多孔体であるネットコンベア2上
の繊維シート3に高圧水を噴射するための高圧水噴射ノ
ズルで、その下面が第2図に示したようにネットコンベ
ア表面から一定距離の上方位置となるようにブラケット
17でフレーム18上に固定されている。高圧水噴射ノズル
1は、繊維シート幅よりもやや広い幅を有し、ノズル内
部には、第3図に示すように高圧水を濾過するフィルタ
44と、スペーサ5と、繊維シート幅方向に一定ピッチで
複数のオリフィス6が穿孔されたプレートノズル7とが
収納され、耐圧板8で固定されている。上部の高圧水流
入口9は、図示しないプランジャポンプなどの高圧水製
造装置とフレキシブルホース10で接続されている。
したがって、高圧水噴射ノズル1は、ネットコンベア
2上の繊維シート3に対して、その幅方向に高圧の噴射
水をオリフィス6から高速で噴射することができる。
ネットコンベア2下部の11は、高圧水噴射ノズル1か
ら噴射された噴射水の押圧力に対抗するため、ベルトを
ノズル直下で支持する支持ブロックで、表面が略凸状曲
面に形成され、繊維シートとネットコンベアとを貫通し
た噴射水が排水し易いように、シート走行方向断面がテ
ーパ状の排水口12が繊維シート幅方向に設けられてい
る。なお、13は、排水を集水するための排水ボックスで
ある。
ネットコンベア2は、駆動ロール14、ガイドロール15
に巻回され、一対のニップローラ16で両ロール上に押圧
されている。したがって、繊維シート3は、ネットコン
ベア上に載置された状態で、駆動ロールによって支持ブ
ロックの凸状曲面に沿って搬送することができる。
ネットコンベア2としては、例えば金網、プラスチッ
クス製のものが好ましいが、金属シートまたはプラスチ
ックシートに複数の孔が設けられたものであってもよ
い。これら金網、孔などの開孔度は、ベルト上に滞留し
た滞留水を容易に透過させるため、40〜80メッシュが好
ましい。なお、本実施例では多孔体として、エンドレス
のネットコンベア2を用いた例を示していたが、ベルト
状のものではなく、ドラム状やロール状のものであって
もよい。
一方、高圧水噴射ノズル1と、支持ブロック11との間
に設けられたエアノズル装置19は、高圧水噴射ノズル1
から噴射されたのちネットコンベア2上に滞留した滞留
水Wを繊維シートの全幅方向に渡って高圧の圧空で吹き
飛ばすためのもので、このエアノズル装置19は、高圧空
気製造装置20と、製造した圧空中のゴミ、異物等を除去
するためのフィルタ21、所定の2次圧力に調整するため
の圧力調整弁22、繊維シート上の噴射点近傍であって、
かつ繊維シート幅方向に高圧の圧空を吹き付けるための
高圧空気噴射ノズル23及びこれら機器を接続するエア配
管32とで構成されている。
高圧空気製造装置20としては、如何なる形式のもので
もよく、例えば往復式コンプレッサ、ルーツ式ブロワな
どが用いられる。また、フィルタ21、圧力調整弁22につ
いてもセット品として市販されているものを用いること
ができる。
高圧空気噴射ノズル23は、第3図に示すように、圧空
ノズル24と、空気溜めパイプ25とからなる。圧空ノズル
24は、内部に圧空の噴射孔26を有する注射針状のもの
で、繊維シート幅に対応して一定ピッチで一列状に複数
のものが支持プレート27に固定されている。ここで、圧
空ノズル24を注射針状のもので構成したのは、圧空によ
る滞留水Wの吹き飛ばし効率を上げるには圧空ノズル先
端をなるべく噴射水の衝突点に接近させることが好まし
いが、圧空ノズル24の先端を空気溜めパイプ25の高圧水
噴射ノズル1のシート走行方向の半幅寸法以内には接近
させることが物理的に不可能につき、圧空ノズル先端か
ら空気溜めパイプまでの距離を長くするため、その長さ
を任意のものに加工できる市販の注射針状のステンレス
チューブを使用したものである。これを深孔加工を施し
たノズルで接続しようとすると、噴射孔26の孔加工は、
小径(直径1mm以下)につき、技術的に加工が非常に難
しく、高コストで曲りなどに対する精度確保も困難であ
るため、実用的でない。
本発明における高圧空気噴射ノズル23としては、圧空
ノズル24の形状は、特に限定されるものではなく、上記
注射針状のものほか、繊維シート幅方向に連続して開孔
されたスリット状のものなど如何なるものでもよい。ま
た、空気溜めパイプ25についても必要に応じて設けられ
るもので、必須のものではない。
圧空ノズル24として図の如き注射針状のもの(孔径0.
4〜0.7mm)を用いる場合の繊維シート幅方向の配列ピッ
チは、ノズル一個当りの噴射圧空量にもよるが、繊維シ
ート幅方向に偏りなく均一に噴射するには2〜10mmとす
るのが好ましい。配列ピッチをこの範囲内にすると空気
消費量が少なく、しかも繊維シート幅方向における均一
な滞留水の飛散効果をより高めることができる。また、
圧空ノズル24の先端部から繊維シート上の噴射水の衝突
点までの距離Lは、20mm〜40mmが好ましい。距離Lをこ
の範囲内にすると、繊維シート上に噴射むらによる筋の
発生する恐れが少なくなり、また、噴射された圧空エネ
ルギが減衰域に入らず噴射効率が高められる。
また、圧空ノズル24が繊維シート幅方向に連続開口し
たスリット状の場合は、スリット幅(繊維シート幅方向
に対して直角方向)を0.4〜0.6mm、衝突点までの距離L
を20mm〜30mmとすると同様の効果が得られる。
空気溜めパイプ25は、供給された圧空を均圧にすると
共に繊維シート幅方向に均一に分配するためのもので、
支持プレート27とほぼ同一幅の取付座28と、2個の圧空
入口部29とを有し、支持プレート27がボルト30でノズル
取付座28に固定されている。圧空ノズル24から噴射させ
る高圧空気の圧力は、空気溜めパイプ25内において、2
〜4kg/cm2.Gであるのが好ましい。圧力をこの範囲内に
すると、滞留水の吹き飛ばし効果を維持しながら少ない
空気消費量での噴射処理ができる。なお、ネットコンベ
ア2の搬送速度及び高圧空気の噴射方向が高圧空気によ
る滞留水の吹き飛ばし効果に与える影響は、高圧水噴射
ノズル1から噴射された噴射水の噴射エネルギが、高圧
空気噴射ノズル23から噴射された圧空の噴射エネルギに
対して比較にならないほど大きいため、いずれも何ら問
題とならない。
そして、高圧空気噴射ノズル23は、噴射水の衝突点を
含む水平面に対して傾斜角度θを有し、かつ、圧空ノズ
ル24の先端部から繊維シート上の噴射水の衝突点までが
上述した距離Lを保持するように、空気溜めパイプ25の
両端部がブラケット31でフレーム18で固定されている。
この高圧水噴射ノズル1の傾斜角度θは、0〜60度が好
ましく、0〜30度がより好ましい。傾斜角度θが60度以
下であると、圧空の噴射範囲が狭くならず、噴射効果が
より均一になるので好ましい。傾斜角度θが0以上であ
ると、噴射空気が支持ブロック11の凸状曲面に遮られず
に衝突点に直接到達するので、噴射水の噴射エネルギを
減殺する恐れがなくなり好ましい。
本発明において、高圧水噴射ノズル1内の高圧水の圧
力は、5〜250kg/cm2.G程度のものが好ましい。圧力を
この範囲にすると、繊維の交絡または割繊効果ががよ
く、しかも、繊維シート上に打撃欠点や変形が生じる恐
れがなくなる。なお、より好ましい圧力範囲は、20〜20
0kg/cm2.Gであり、さらに好ましい範囲は、30〜150kg/c
m2.Gである。
高圧水噴射ノズル1から繊維シート上の噴射水の衝突
点までの距離は、5〜150mm程度が好ましく、圧力をこ
の範囲にすると、高圧水噴射ノズル下面からの衝突後の
飛散水の排出域が維持され、その結果、繊維シート表面
の滞留水をより少なくすることができ、また、高圧空気
噴射ノズル23の衝突点への傾斜角度θの選択範囲が広く
なり、滞留水の吹き飛ばし効果を損ねる恐れがない。ま
た、高圧水流の噴射方向の曲りの拡大、噴霧流の発生に
よるシート表面の地合いの乱れの生じる恐れがなくな
る。なお、より好ましい範囲は、15〜100mmであり、さ
らに好ましくは40〜60mmである。
[作用] 高圧水噴射ノズルからネットコンベア上の繊維シート
に対して、高圧の噴射水が噴射されると、大部分の噴射
水は、繊維シートを貫通した後、水透過性のネットコン
ベアを経て排水されるが、一部の噴射水は、繊維シート
に衝突した後、反射して霧状あるいは滴状の飛散水とな
って再び繊維シート上に付着し滞留水となる。この滞留
水は、高圧空気噴射ノズルから噴射される高圧の圧空に
より吹き飛ばされるので、繊維シートには、高圧水噴射
ノズルから噴射される噴射水の全噴射エネルギが作用
し、繊維シートの繊維は充分に交絡または割繊されると
共に、「イラツキ」の発生が防止される。
この際、高圧空気噴射ノズルからの高圧の圧空は、噴
射点近傍において滞留水のみならず高圧水噴射ノズルか
らの噴射水にも作用することとなるが、噴射水の質量及
びその噴射速度、すなわち噴射水が保有する運動エネル
ギは圧空のそれに対して比較にならない程大きいから、
噴射水の運動エネルギは、何ら弱められることがない。
[実施例及び比較例] 実施例 第1図ないし第3図で説明した本発明の実施例装置に
おいて、ネットコンベア2として、80メッシュの金属製
のものを用い、これを半径が160mmの凸状曲面を有する
支持ブロックで支持しつつ、その上部に繊維シート3と
して、高分子相互配列体繊維であって、海成分がポリエ
チレン、島成分がポリエチレンテレフタレート、島/海
成分の比が93/7、トータルデニールが50デニール、構成
フィラメント数が10フィラメント(70島)からなる幅が
1600mmの海島型繊維を搬送速度4m/分で供給し、ノズル
のオリフィス径が0.25mmでその配列ピッチが1.25mmの高
圧水噴射ノズル1から100kg/cm2.Gの高圧水を噴射させ
たところ、繊維シート上の噴射点近傍には飛散した噴射
水が滞留しており、特に噴射点に搬送される上流側の繊
維シート上には、厚さが5mm程度の滞留水Wが常時滞留
した状態で噴射されていた。
次いで、繊維シート上の高圧水の衝突点から35mm離れ
た位置より、前記衝突点に対して2kg/cm2.Gの高圧空気
を高圧空気噴射ノズル23の傾斜角度θを20度で噴射させ
たところ、繊維シート表面に滞留していた滞留水は、噴
射点を中心に繊維シートの走行方向が約30mmの範囲に渡
って衝突後の飛散水と共に吹き飛ばされ、搬送されつつ
ある繊維シート表面には、高圧水噴射ノズルから噴射さ
れる柱状流のみが観測された。
このようにして得られた繊維シートを目視したとこ
ろ、シート表面は、超極細繊維の束を主体とした織物で
単繊維が均一に割繊された「イラツキ」のない優れた品
位のものが得られる。
比較例 次に、第1図ないし第3図で説明した本発明の処理装
置と、第4図で説明した従来装置のランニングコストを
比較するため、本発明の圧空製造装置の消費動力と第4
図の装置の真空吸引装置の消費動力とを、各モータの給
電部に電力計を装着して1時間の運転時間に渡って測定
したところ、本発明の処理装置については、5KW・H、
従来装置については、32KW・Hであつた。
したがって、繊維シート上の滞留水の除去手段として
は、高圧空気噴射ノズルを用いた本発明の装置は、真空
吸引装置による従来装置に比べ、ランニングコストが格
段に安価である。
なお、圧空の噴射及び滞留水の真空吸引等の処理条件
は、下記の通りであり、その他の処理条件については、
上記実施例と同様にした。
処理条件 (1)本発明装置 圧空ノズル:孔径 0.6mm、 ピッチ 5mm、 孔数 321個、 有効幅 1600mm、 圧空ポンプ:往復式コンプレッサ、 吐出量 2Nm3/分、 定格 7.5KW (2)従来装置 吸引開口部:幅 100mm、 長さ 1600mm、 吸引静圧: 1300mmAq 吸引ポンプ:リングブロワ、 吸引量 90m3/分、 定格 37KW [発明の効果] 以上説明したように、本発明に係る繊維シートの高圧
水流処理方法は、高圧水噴射ノズルから繊維シートに噴
射した高圧水の衝突点近傍に対して高圧空気を噴射する
処理方法としたので、繊維シートには、噴射点近傍に滞
留している滞留水が吹き飛ばされた後に高圧水の噴射エ
ネルギが作用し、高圧水の保有する噴射エネルギを最大
限に活用することができる。したがって、繊維シート
は、何ら「イラツキ」等の地合の乱れのない品位の優れ
たものが得られる。
また、本発明に係る繊維シートの高圧水流処理装置
は、高圧空気噴射ノズルの構造が簡単であり、しかもノ
ズルに供給される高圧空気は、既成品として市販されて
いる圧空製造装置を利用するだけでよいので、設備費及
びランニングコスト共に安価であり、簡便な設備で上記
の優れた品位の繊維シートを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る繊維シートの高圧液流処理装置
の縦断面図、第2図は、第1図の右側面図、第3図は、
第1図の高圧空気噴射ノズル近傍の拡大断面図である。 第4図は、従来の繊維シートの高圧液流処理装置の概略
縦断面図、第5図は、第4図の装置によって製造された
繊維シート表面の部分拡大図である。 図面中の符号の説明 1:高圧水噴射ノズル 2:ネットコンベア 3:繊維シート 11:支持体 13:排水ボックス 14:駆動ロール 19:エアノズル装置 20:高圧空気製造装置 21:フィルタ 22:圧力調整弁 23:高圧空気噴射ノズル 24:圧空ノズル 25:空気溜めパイプ 32:エア配管

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】移動中の多孔体の表面に繊維シートを載置
    し、前記繊維シートに対して、前記繊維シート上部に設
    けた高圧水噴射ノズルから高圧水を噴射することによ
    り、前記繊維シートの繊維を交絡または割繊させる繊維
    シートの高圧水流処理方法において、 前記繊維シートに噴射した前記高圧水の衝突点近傍に対
    して、高圧空気噴射ノズルから高圧空気を噴射すること
    により、前記衝突点近傍の滞留水を除去することを特徴
    とする繊維シートの高圧水流処理方法。
  2. 【請求項2】繊維シートを表面に載置しつつ搬送する多
    孔体と、前記多孔体の上方に設けられ前記繊維シートに
    対して高圧水を噴射することにより、前記繊維シートの
    繊維を交絡または割繊させる高圧水噴射ノズルとからな
    る繊維シートの高圧水流処理装置において、 前記多孔体と前記高圧水噴射ノズルとの間に、前記高圧
    水噴射ノズルから噴射された高圧水が前記繊維シートに
    衝突する衝突点近傍に対して、高圧空気を噴射すること
    により、前記衝突点近傍の滞留水を除去するための高圧
    空気噴射ノズルを設けたことを特徴とする繊維シートの
    高圧水流処理装置。
  3. 【請求項3】高圧空気噴射ノズルの、衝突点を含む水平
    面に対する傾斜角度は、0〜60度であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第(2)項の繊維シートの高圧水流処
    理装置。
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JPH03234850A (ja) * 1990-02-09 1991-10-18 Kureha Tec Kk 不織布の製造法

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JPH0434057A (ja) 1992-02-05

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