JP2589157B2 - 冷菓製造装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本発明はアイスクリームシェークやソフトクリーム等
に代表される所謂冷菓を製造する冷菓製造装置に関する
ものである。

（ロ）従来の技術 従来技術として、例えば実開昭60−144887号公報に
は、冷菓を製造するシリンダと冷菓の原料を貯蔵する容
器とを有すると共に前記シリンダ及び容器を冷却する圧
縮機、凝縮器、絞り、前記シリンダ及び容器用２つの冷
却器からなる冷菓装置を備えた冷菓製造装置において、
前記冷菓装置に可逆サイクルを構成する四方切換弁を設
け、同四方切換弁の可逆サイクル位置により前記シリン
ダ及び容器を加熱殺菌する加熱殺菌機構を構成した冷菓
製造装置が開示されている。

（ハ）発明が解決しようとする課題 斯かる従来技術によると、可逆サイクル位置におい
て、凝縮器が冷却器として作用するために、水冷式の凝
縮器を使用する場合は、冷却水の凍結防止を図るため及
び圧縮機に戻る冷媒を蒸気気化させるため、大量の水を
連続して流す問題があり、また、空冷式の凝縮機を使用
する場合も冷媒を蒸発気化させるために送風機を連続回
転させる問題点があった。

本発明は斯様な従来技術の問題点に鑑み、加熱殺菌時
において、節水若しくは節電を目的とした冷菓製造装置
を提供するものである。

（ニ）課題を解決するための手段 本発明は上記目的を達成するために、冷菓を製造する
冷却シリンダと、該シリンダを冷却する圧縮機、凝縮
器、減圧装置及びシリンダと熱交換的に配設した冷却器
から成る冷凍装置を備えると共に、前記冷却シリンダを
加熱殺菌するために、前記冷凍装置に逆サイクルを構成
して冷媒の流れを逆にする四方切換弁を設けて成る冷菓
製造装置において、前記四方切換弁の逆サイクル位置に
おいて、前記減圧装置をバイパスして冷媒を通す逆止弁
を設けて成る冷菓製造装置である。

（ホ）作 用 本発明は四方切換弁（８）の逆サイクル位置におい
て、冷却器（７）で凝縮された冷媒は減圧装置としての
キャピラリーチューブ（５）を通らずに凝縮器（４）に
流入するため、冷媒温度が極端に低下せず、凝縮器
（４）が水冷式であれば水配管（14）内の凍結防止のた
めの通水量を減少させることができる。

（ヘ）実施例 以下に本発明の実施例を図面に基づき説明する。第１
図は本発明の第１図実施例を示す冷菓製造機のシステム
構成図を示しており、（１）は前面に冷菓取出器（２）
を有し、後部にミックス流入部を有すると共に内部に撹
拌装置（図示せず）を備えた冷却シリンダであり、該シ
リンダ（１）を冷却する冷凍装置は、圧縮機（３）、凝
縮器（４）、減圧装置としてのキャピラリーチューブ
（５）、該キャピラリーチューブ（５）と並列に接続さ
れ、後述する逆サイクルのときのみキャピラリーチュー
ブ（５）をバイパスして冷媒を通す逆止弁（６）、冷却
シリンダ（１）の外周に巻回して該シリンダ（１）と熱
交換的に配置した冷却器（７）を環状に接続して成り、
また、圧縮機（３）の吐出側冷媒回路と吸入側冷媒回路
間に、逆冷凍サイクルを構成する四方切換弁（８）を設
け、更に、逆冷凍サイクルにおいて、圧縮機（３）への
吸入ガスの循環量を制御する絞り装置（９）と通常の冷
凍サイクルのときのみ冷媒を通す逆止弁（10）との並列
回路が、圧縮機（３）と凝縮器（４）間に設けられてい
る。

ところで、前記凝縮器（４）は第２図に詳図するよう
に、シェル・アンド・コイル型水冷式凝縮器を使用して
おり、密閉容器（11）の内部には、下部に水流入管（1
2）を接続した入口を有するとともに、上部に水流出管
（13）を接続した出口を有する冷却水配管（14）が、コ
イル状に配設されており、水流出管（13）には圧縮機
（３）の吐出圧力によって開度調節される節水弁（15）
が接続されている。

また、図番（16）は冷却シリンダ（１）に供給される
液状ミックスを貯留するミックスタンク、（17）はミッ
クスタンク（16）内のミックスと電磁弁（18）及び調整
弁（19）を介設した空気吸入管（20）から吸込まれる空
気をミックス供給管（21）を通して冷却シリンダ（１）
に給送するポンプ装置である。

以上の構成において、まず、通常の冷却動作は、四方
切換弁（８）が実線の如く連通していることから、圧縮
機（３）の運転により該圧縮機（３）を出した高温・高
圧の冷媒ガスは四方切換弁（８）を通り、そのほとんど
は逆止弁（10）を通過して凝縮器（４）に入り、更に、
キャピラリーチューブ（５）にて減圧され変化された
後、冷却器（７）に入り、ここで、シリンダ（１）内の
ミックスの熱を奪って蒸発気化し、四方切換弁（８）を
経て圧縮機（３）に戻る冷凍サイクルを行なう。これに
よって、冷却シリンダ（１）内のミックスは硬化して製
品となり、取出器（２）から取出すことができる。

一方、加熱殺菌動作は、四方切換弁（８）を点線の如
く切換えて行なわれる。この場合、圧縮機（３）を出た
高温・高圧の冷媒ガスは四方切換弁（８）を経て冷却器
（７）に入り、ここで冷却シリンダ（１）及びミックス
を加熱することにより凝縮液化し、この液冷媒のほとん
どはキャピラリーチューブ（５）を通らず逆防止弁
（６）を経て凝縮器（４）に溜まり、凝縮器（４）上部
のガス冷媒は絞り装置（９）を通って圧縮機（３）に戻
される逆冷凍サイクルを行なう。

ところで、凝縮器（４）に流入する冷媒温度は、冷却
水が凍結するような温度に低下することがなく吸熱のた
めに冷却水を通水する必要がなくなる。本発明の実施例
によると、加熱初期は圧縮機（３）の吐出圧力が低いた
めに節水弁（15）は閉塞状態にあり、水配管（14）に通
水されることはない。その後、加熱動作が進行してくる
と徐々に吐出圧力が上昇し、設定値を超えると節水弁
（15）が徐々に開いて水配管（14）に通水し、凝縮器
（４）にて放熱して冷媒温度を低下させる。この様に、
逆冷凍サイクルにおいて、凝縮器（４）に流入する冷媒
温度が冷却水を凍結させるような温度に低下させること
がないため、サイクルの全期間中、冷却水を通水する必
要がなくなり、冷媒温度の上昇を防止するために加熱後
期にのみ通水するだけで逆冷凍サイクルを行なうことが
できる。なお、減圧装置としてはキャピラリーチューブ
の他、膨張弁等の圧力調整弁を使用してもよい。

而して、逆冷凍サイクルによる加熱殺菌動作におい
て、冷却シリンダ（１）及びミックスは確実に殺菌を完
了し、殺菌動作の終了は温度的に規制されるものであ
る。なお、逆冷凍サイクルは、冷却シリンダ（１）及び
ミックスの殺菌動作に使用できる他、例えば、定期的に
行なわれる冷却シリンダ（１）の洗浄に際し、シリンダ
（１）内部の製品を軟化回収するときにも使用すること
ができる。

次に、第３図はミックスタンク（16）も加熱殺菌でき
るようにしたの本発明の他の実施例であり、圧縮機
（３）と凝縮器（４）の間に、ミックスタンク（16）に
接続した冷却器（22）及びこれと直列に減圧装置として
のキャピラリーチューブ（23）及び逆止弁（24）の並列
回路を接続したものである。

また、本発明は、凝縮器（４）として水冷式のものを
使用し、しかもこれをシェル・アンド・コイル型を使用
しているため、加熱殺菌時に密閉容器（11）をアキュー
ムレーターとして作用させることができる。

更に、凝縮器（４）として送風機を備えた空冷式を使
用する場合は、逆冷凍サイクルによる加熱殺菌時に送風
機を停止させておくことができる。

（ト）発明の効果 本発明は以上の様に、逆冷凍サイクルによる加熱時
に、凝縮器に流入する冷媒温度が極端に低下することが
ないため、水冷式凝縮器であればサイクルの全期間にお
いて送風機を通水し、空冷式凝縮器であればサイクルの
全期間において送風機を運転し、強制的に凝縮器にて吸
熱を促進する必要がなくなり、節水若しくは節電に極め
て優れた効果を発揮することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の冷菓製造装置のシステム構成図、第２
図は本発明の実施例で使用する凝縮器の詳細図、第３図
は本発明の他の実施例を示すシステム構成図である。 （１）……冷却シリンダ、（３）……圧縮機、（４）…
…凝縮器、（５）……キャピラリーチューブ（減圧装
置）、（６）……逆止弁、（７）……冷却器、（８）…
…四方切換弁。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】冷菓を製造する冷却シリンダと、該シリン
   ダを冷却する圧縮機、凝縮器、減圧装置及びシリンダと
   熱交換的に配設した冷却器から成る冷凍装置を備えると
   共に、前記冷却シリンダを加熱殺菌するために、前記冷
   凍装置に逆サイクルを構成して冷媒の流れを逆にする四
   方切換弁を設けて成る冷菓製造装置において、前記四方
   切換弁の逆サイクル位置において、前記減圧装置をバイ
   パスして冷媒を通す逆止弁を設けたことを特徴とする冷
   菓製造装置。