JP2587430Y2 - 複数の縁かがり縫可能なミシン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本考案は複数の縁かがり縫の縫目
形成が可能なオーバロックミシンに関するものである。 【０００２】 【従来の技術】従来の縁かがり縫可能なオーバロックミ
シンのうち１本針３本糸ミシンではＪＩＳ縫目形式５０
４又は５０５が縫え、２本針４本糸ミシンではＪＩＳ縫
目形式５１４又は５０６が縫える。前者の１本針３本糸
ミシンでは応用により１本針２本糸のＪＩＳ縫目形式５
０２又は５０３が可能であり、後者の２本針４本糸ミシ
ンでは２本針３本糸のＪＩＳ縫目形式５０９又は５２１
が可能である。しかしながらこれらの応用によって夫々
を縫うためには、針と協働する上ルーパをかぎルーパと
交換すること。或いは上ルーパの駆動タイミングを変更
したりして行なっている。 【０００３】 【考案が解決しようとする課題】これらは下ルーパと上
ルーパとの交差のための位相合わせの調整が必要であ
り、又構造が大型になって複雑になりその為ルーパに対
する糸通しが困難になるなど種々の障害を伴っていた。
本考案は縁かがり縫ミシンにおいて使用時に上ルーパ軸
に簡単な構造の附属品を装着することにより糸の本数を
少なくした他の縫目構成の縁かがり縫を可能にするもの
である。 【０００４】 【課題を解決するための手段】本考案はミシン機枠に回
転可能に支持される駆動軸と、該駆動軸の回転に連動し
て上下動せしめられる針棒及び針と、前記駆動軸の回転
に連動して往復揺動運動せしめられ且つ前記針と調時し
て交差せしめられる下ルーパと、前記駆動軸の回転に連
動して往復揺動運動せしめられ且つ前記下ルーパと調時
して交差せしめられる上ルーパとを備えた縁かがり縫ミ
シンにおいて、前記上ルーパを固着する上ルーパ軸の軸
端付近に薄板弾性材からなる補助ルーパ台受を固着し、
該補助ルーパ台受に補助ルーパを支持する補助ルーパ台
を着脱自在に装着し、補助ルーパの端部を前記上ルーパ
に形成の糸穴に係止して位置決め固定する構造のもので
あり、装置を装着することにより通常の縁かがり縫の他
に通常の縁かがり縫より糸の本数が少ない縁かがり縫を
可能にしたものであり、装置の構造が簡単である為他の
作業の障害とならず又着脱操作が容易であることを特徴
とするものである。 【０００５】 【作用】本考案は縁かがり縫ミシンにおいて上ルーパ軸
の端部に補助ルーパ台受を予め設けておき、使用時に該
補助ルーパ台受に補助ルーパ台に支持された補助ルーパ
を装着し且つ補助ルーパの端部を前記上ルーパ軸に固着
の上ルーパの糸穴に係止させて位置決めの上固定させる
ことにより、糸の本数を少なくした縁かがり縫を可能に
したものである。 【０００６】 【実施例】本考案の実施例の構造を図面により以下に述
べる。ミシン機枠１は上方のアーム機枠２と下方のベッ
ド機枠３とで構成されており、アーム機枠２には上下方
向に往復運動せしめられる針棒（図示せず）が支持され
ており、該針棒の先端には針（図示せず）が固着されて
いる。ベッド機枠３には駆動軸４が回転自在に支持され
ており、該駆動軸の回転に連動して往復揺動運動する上
ルーパ５が設けられている。 【０００７】該上ルーパを固着する上ルーパ軸６は前記
駆動軸４に固着された偏心カム７に連結の連結ロッド８
と該連結ロッドと連結の揺動ロッド９とを介して揺動せ
しめられ、従って該上ルーパ軸の先端部付近に固着され
る前記上ルーパ５は前記針と調時して交差するよう往復
揺動運動せしめられる。 【０００８】又、下ルーパ１０を固着の下ルーパロッド
１１は前記駆動軸４に固着の偏心カム１２と該偏心カム
に連結の連結ロッド１３を介して往復揺動運動せしめら
れる。 【０００９】前記上ルーパ軸６の上ルーパ５より先端に
は弾性体よりなる補助ルーパ台受１４が設けられてい
る。該補助ルーパ台受は図３より明らかな通り側面より
見て略ｄ形の形をなし側面１５は前記上ルーパ軸６の側
面に形成のカット平面１６に密着せしめられ上面１７は
上ルーパ軸６の端面に締めねじ１８にて固着せしめられ
ている。 【００１０】補助ルーパ１９は図７に示される如く山形
に略中央より屈曲せしめられ一端２０が捩れＵの字形を
なし他端２１が長手Ｕの字形をなしている。補助ルーパ
１９は他端２１の長手Ｕの字形部を補助ルーパ台２２の
２ケ所に形成された補助ルーパ挿入穴２３，２４に嵌装
させて補助ルーパ台２２に装着せしめられる。 【００１１】該補助ルーパ台には前記補助ルーパ１９の
挿入穴２３，２４が形成された側の反対側にＵ字溝２５
が形成され、該Ｕ字溝を前記上ルーパ軸６のカット平面
１６の背面側の円弧部に装着させ、補助ルーパ１９の他
端２１の長手Ｕの字部を上ルーパ軸の軸線と略直角な状
態（図２参照）にし、該他端の長手Ｕの字に前記補助ル
ーパ台受１４の反対側面に形成の屈曲部２６を圧接さ
せ、補助ルーパ１９の移動を抑止している。又、補助ル
ーパ１９の一端２０の捩れＵの字形の先端部２７は略直
角に屈曲され上ルーパ軸６に装着の際は上ルーパ５の糸
穴２８に係止し補助ルーパ１９の位置を決定させる。
又、補助ルーパ台受１４の反対側面の端部には指かけ操
作部２９が延設せしめられている。 【００１２】本考案は以上の如き構造であって、通常の
縁かがり縫の場合には上ルーパ軸６の先端に補助ルーパ
台受１４を固着した状態で、上ルーパ５と針と下ルーパ
１０の各糸穴に糸を通してミシンを運転させて１本針３
本糸又は２本針４本糸の縁かがり縫い目を形成する。又
これより糸が一本少ない縁かがり縫い目の場合には前記
補助ルーパ台受に補助ルーパ１９を支持する補助ルーパ
台２２を装着させ糸は針と下ルーパ１０に通してミシン
を運転させて縁かがり縫い目を形成する。。 【００１３】補助ルーパ台受１４に対する補助ルーパ台
２２の着脱は補助ルーパ台受１４の近設した操作部２９
を指で開放させることにより容易に行なわれる。又ミシ
ンの機種により上ルーパ軸６の軸心から上ルーパ５の糸
穴２８の位置までの距離が異なる場合があるが、補助ル
ーパ１９が補助ルーパ台２２に対してＵ字の長手方向に
移動可能に装着されている為、調節してどの機種にも対
応させることができる。 【００１４】本考案は以上の如き構造及び作用をなすも
のであるから針と上ルーパと下ルーパの各糸穴に糸を通
した１本針３本糸の通常状態ではミシンを駆動するとＪ
ＩＳ縫目形式５０４又は５０５が縫える。前記上ルーパ
軸６の先端に設けた補助ルーパ台受１４に補助ルーパ１
９を装着させて、上ルーパ５の先端の糸穴２８に補助ル
ーパ１９の先端２７が係止されると、針と下ルーパの各
糸穴に糸を通した１本針２本糸のかぎルーパ使用状態と
なり、ＪＩＳ縫目形式５０２又は５０３を縫うことが出
来る。 【００１５】 【効果】本考案は通常の縁かがり縫と該通常の縁かがり
縫より糸の本数が少ない縁かがり縫とが構造が簡単な装
置の着脱により縫えるようにしたものであり、然も装置
の着脱操作が極めて容易であり、普通の縁かがり縫状態
では補助ルーパが取り外されているので上ルーパ周辺に
障害物がなく糸通し作業やほこりの除去作業に支障を来
さないなどの実用上効果が極めて大きいものである。

【図面の簡単な説明】 図面は本考案の実施例を示すものにして、図１は本考案
を装置のミシンの外観斜視図、図２は本考案の補助ルー
パ装着前の要部正面図、図３は図２に示す要部の側面
図、図４は本考案の補助ルーパ装着後の要部正面図、図
５は図４に示す要部の側面図、図６は図４に示す要部の
平面図、図７は本考案の要部分解斜視図である。 １…ミシン機枠 ４…駆動軸 ５…上ルーパ ６…上ルーパ軸 １０…下ルーパ １４…補助ルーパ台受 １９…補助ルーパ ２２…補助ルーパ台 ２８…糸穴

Claims (1)

1. (57)【実用新案登録請求の範囲】 ミシン機枠に回転可能に支持される駆動軸と、該駆動軸
   の回転に連動して上下動せしめられる針棒及び針と、前
   記駆動軸の回転に連動して往復揺動運動せしめられ、前
   記針と調時して交差せしめられる下ルーパと、前記駆動
   軸の回転に連動して往復揺動運動せしめられ前記下ルー
   パと調時して交差せしめられる上ルーパとを備えた縁か
   がり縫ミシンにおいて、前記上ルーパを固着する上ルー
   パ軸の軸端付近に薄板弾性材からなる補助ルーパ台受を
   固着し、該補助ルーパ台受に補助ルーパを支持する補助
   ルーパ台を着脱自在に装着し、前記補助ルーパの一端部
   を前記上ルーパに形成の糸穴に係止することを特徴とす
   る複数の縁かがり縫可能なミシン。