JP2587088B2 - ゴム組成物 - Google Patents

ゴム組成物

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JP2587088B2 JP12639588A JP12639588A JP2587088B2 JP 2587088 B2 JP2587088 B2 JP 2587088B2 JP 12639588 A JP12639588 A JP 12639588A JP 12639588 A JP12639588 A JP 12639588A JP 2587088 B2 JP2587088 B2 JP 2587088B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、新規なゴム組成物に関するものである。さ
らに詳しくいえば、本発明は、加工性が良好である上
に、加硫物の引張強度や反発弾性などに優れ、タイヤを
はじめその他弾力性が要求される工業部品などの素材と
して好適なゴム組成物に関するものである。
従来の技術 従来、ジエン系ゴム組成物は、自動車タイヤをはじ
め、種々の工業部品に広く用いられている。このような
用途に用いられる素材には、一般に、作業性の面から良
好な加工性を有するとともに、加硫製品の機械的強度や
反発弾性などの動的特性に優れていることが要求され
る。
したがって、これまでゴムの加工性や反発弾性などの
物性を改良する試みが種々なれている。例えば、特定の
バイモーダルゴムを設定する方法(特開昭57−126807号
公報)、特定のガラス転位温度を有する高分子量ゴムと
低分子量ゴムとをブレンドする方法(特開昭57−180646
号公報)、カップリング剤により結合された分枝状成分
を特定量導入する方法(特開昭59−45338号公報)、加
工性の改良を目的として分枝状重合体を設定する方法
(特公昭59−52664号公報、特公昭44−4996号公報、特
公昭49−36957号公報)などが提案されている。
しかしながら、これらの方法はいずれも加工性や物性
についてある程度の改良効果はみられるものの、十分に
満足しうるものではなかった。
発明が解決しようとする課題 本発明は、このような事情のもとで、加工性、とくに
ロール巻付性や混練時のストックのまとまり性に優れる
上、未加硫配合物の伸びが大きく、かつ良好な加硫物性
を有するゴム組成物を提供することを目的としてなされ
たものである。
課題を解決するための手段 本発明者らは、加工性及び加硫物性が共に優れたゴム
組成物を開発するために鋭意研究を重ねた結果、ゴム成
分としてそれぞれ特定の分子量を有し、かつ特定の薬剤
で変性処理した低分子量ジエン系重合体と高分子量ジエ
ン系重合体とを所定の割合で含有して成る組成物が前記
目的に適合しうることを見出し、この知見に基づいて本
発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ゴム成分として、(A)重量平
均分子量1,000〜120,000のジエン系重合体を、(イ)カ
ップリング剤、(ロ)分子内に一般式 (式中のYは酸素原子又は硫黄原子である) で表わされる基と一般式 N−R1 …(II) (式中のR1は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、ア
ルコキシアルキル基又はアリール基である) で表わされる基とをそれぞれ少なくとも1個有する変性
剤、(ハ)分子内に一般式 R2N=C=)n …(III) (式中のR2は炭化水素基、nは1〜3の整数である) で表わされる結合基を有する変性剤及び(ニ)一般式 (R3−M−X …(IV) (式中のR3は炭素数1〜20のアルキル基、アルコキシア
ルキル基又はアリール基、Mは周期律表IV族Bに属する
原子、Xはハロゲン原子である) で表わされる有機金属系変性剤の中から選ばれた少なく
とも1種で変性処理したもの5〜50重量%と、(B)重
量平均分子量150,000〜800,000のジエン系重合体を、
(イ)カップリング剤及び前記(ロ)、(ハ)、(ニ)
の変性剤の中から選ばれた少なくとも1種で変性処理し
たもの95〜50重量%とを含有して成るゴム組成物を提供
するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいう重量平均分子量とはゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィ(以下、GPCと略記する)によって
測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、
▲▼と略記する)のことである。
本発明組成物において、(A)成分として用いられる
変性処理されたジエン系重合体は、変性処理前の▲
▼が1,000〜120,000、好ましくは10,000〜120,000、よ
り好ましくは40,000〜120,000の範囲にあることが必要
である。この▲▼が1,000未満では加硫物の引張強
度や反発弾性などの物性が十分でないし、120,000を超
えると加工性の改良効果が小さくなる。
一方、(B)成分として用いられる変性処理されたジ
エン系重合体は、変性処理前の重合体の▲▼が150,
000〜800,000、好ましくは200,000〜500,000の範囲にあ
ることが必要である。この▲▼が150,000未満では
加硫物の引張強度や反発弾性などの物性が十分でない
し、800,000を超えると加工性が低下する傾向が生じ
る。
前記(A)成分や(B)成分に用いられるジエン系重
合体としては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、
1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエンなどの共役ジエ
ン類の重合体又はこれらの共役ジエン類とスチレン、α
−メチルスチレン、1−ビニルナフタレンなどの芳香族
ビニル化合物との共重合体が挙げられ、特に好ましいも
のとしてはポリブタジエン及びスチレン−ブタジエン共
重合体を挙げることができる。スチレン−ブタジエン共
重合体などの共役ジエン類と芳香族ビニル化合物との共
重合体における芳香族ビニル化合物単位の含有量は40重
量%以下が好ましい。この芳香族ビニル化合物単位の含
有量が40重量%より多くなると加硫物の反発弾性が低下
して好ましくない。また該共重合体におけるスチレン単
位などの芳香族ビニル化合物単位は共重合体鎖中にラン
ダムに分布していることが好ましく、ブロックを多く含
有すると反発弾性などの加硫物性が低下して好ましくな
い。
スチレン単位などの芳香族ビニル化合物単位を共重合
体鎖中にランダムに分布させる方法としては、例えば重
合系中にルイス塩基を存在させる方法や、少なくとも1
種のルイス塩基の存在下に、炭化水素溶媒中でスチレン
とブタジエンとを共重合させるに際して重合系中のモノ
マー組成におけるスチレンモノマー含有量が特定範囲に
あるようにブタジエンを連続的又は断続的に追加供給し
て、スチレン単位をランダムに分布させる方法(特開昭
59−140211号公報)などを挙げることができる。
また、該ジエン系重合体における共役ジエン化合物単
位部分のビニル結合量については特に制限はないが、10
〜60%の範囲にあることが好ましい。さらに、(A)成
分及び(B)成分に用いられるジエン系重合体は、その
芳香族ビニル化合物単位の含有量やビニル結合の量がそ
れぞれ異なるものであってもよい。
本発明組成物における(A)成分及び(B)成分に用
いられるジエン系重合体は、通常ルイス塩基の存在下又
は不在下に炭化水素溶媒中において、重合開始剤として
有機リチウム化合物を用い、共役ジエン化合物を重合さ
せるか又はこれを芳香族ビニル化合物とを共重合させる
ことにより、製造することができる。また、重合形式と
しては、バッチ式重合法、セミバッチ式重合法、連続重
合法など、いずれの形式も用いることができる。該有機
リチウム化合物としては、例えばn−プロピルリチウ
ム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、第二
ブチルリチウム、第三ブチルリチウムなどのモノ有機リ
チウム化合物、ジリチオメタン、1,4−ジリチオブタ
ン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,2−
ジリチオ−1,2−ジフェニルメタン、1,3,5−トリリチオ
ベンゼンなどの多官能性有機リチウム化合物などが挙げ
られる。
これらの有機リチウム化合物は、それぞれ単独で用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、ま
た、該多官能性有機リチウム化合物としては、前記モノ
有機リチウム化合物と他の化合物とを反応させることに
よって実質的に多官能性有機リチウム化合物となりうる
ものも使用することができる。例えばモノ有機リチウム
化合物とポリビニル芳香族化合物の反応生成物(特公昭
55−6652号公報)、モノ有機リチウム化合物と共役ジエ
ン化合物やモノビニル芳香族化合物を反応させたのち、
これにさらにポリビニル芳香族化合物を反応させた反応
生成物、あるいはモノ有機リチウム化合物、共役ジエン
化合物やモノビニル芳香族化合物及びポリビニル化合物
の3者を同時に反応させた反応生成物(***特許第2,00
3,384号明細書)などを用いることができる。
また、重合の際に用いられる炭化水素溶媒としては、
脂肪族、脂環式及び芳香族炭化水素を使用することがで
きる。該炭化水素溶媒の具体例としては、プロパン、イ
ソブタン、n−ヘキサン、イソオクタン、シクロペンタ
ン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどを挙げる
ことができるが、これらの中でn−ヘキサン、シクロヘ
キサン及びベンゼンが好ましい。これらの溶媒は1種用
いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、重合の際に所望に応じて用いられるルイス塩
基としては、例えばジエチルエーテル、エチレングリコ
ール・ジメチルエーテル、エチレングリコール・ジ−n
−ブチルエーテル、エチレングリコール・n−ブチル−
第三ブチルエーテル、ジエチレングリコール・ジメチル
エーテル、トリエチレングリコール・ジメチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、α−メトキシメチルテトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシベンゼン、
トリエチルアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレ
ンジアミン、ポタジウム−第三アミルオキシドなどが挙
げられる。これらの化合物は、それぞれ単独で用いても
よいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明組成物においては、(A)成分として変性処理
された低分子量ジエン系重合体が用いられ、また、
(B)成分として変性処理された高分子量ジエン系重合
体が用いられる。この変性処理には(イ)カップリング
剤及び前記(ロ)、(ハ)、(ニ)の変性剤の中から選
ばれた少なくとも1種が用いられる。前記カップリング
剤としては、例えばエポキシ化液体ポリブタジエン、エ
ポキシ化アマニ油、エポキシ化大豆油、テレフタル酸ジ
メチル、フタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、イ
ソフタル酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、テレフタル
酸ジクロリド、フタル酸ジクロリド、イソフタル酸ジク
ロリド、アジピン酸クロリド、フタル酸無水物、マレイ
ン酸無水物、塩化第一スズ、ジクロロメチルシラン、二
塩化ジブチルスズ、ジビニルベンゼン、四塩化ケイ素、
メチルトリクロロシラン、ヘキサクロロシラン、テトラ
メトキシシラン、四塩化炭素、塩化第二スズ、メチルト
リクロロスズ、臭化第二スズ、トリフェニルスズクロリ
ド、トリフェニルゲルマニウムクロリド、トリフェニ鉛
クロリド、トリフェニルスズブロミド、ブチルスズトリ
クロリド、ジオクチルスズジクロリド、ジメチルスズジ
クロリドなどが用いられる。これらの中で好ましいもの
としては、塩化第一スズ、塩化第二スズ、二塩化ジブチ
ルスズ、メチルトリクロロスズ、臭化第二スズ、トリフ
ェニルスズクロリド、トリフェニルスズブロミド、ブチ
ルスズトリクロリド、ジオクチルスズクロリド、ジメチ
ルスズジクロリドなどが挙げられ、特に塩化第二スズが
好適である。
また、本発明においては、前記変性剤は、(ロ)分子
内に一般式 (式中のYは前記と同じ意味をもつ) で表わされる基と一般式 N−R1 …(II) (式中のR1は前記と同じ意味をもつ) で表わされる基とをそれぞれ少なくとも1個有する化合
物、(ハ)分子内に一般式 R2N=C=)n …(III) (式中のR2は及びnは前記と同じ意味をもつ) で表わされる結合基を有する化合物及び(ニ)一般式 (R3−M−X …(IV) (式中のR3,M及びXは前記と同じ意味をもつ) で表わされる有機金属化合物の中から適宜選択される。
前記(ロ)の化合物としては、例えば4,4′−ビス
(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジ
メチルアミノ)チオベンゾフェノン、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾ
リジノン、1,3−ジプロピル−2−イミダゾリジノン、
1−メチル−3−(2−メトキシエチル)−2−イミダ
ゾリジノン、1−メチル−3−(2−エトキシエチル)
−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ−(2−エトキシエ
チル)−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチルエチレ
ンチオウレア、N,N′−ジエチルプロピレンウレア、N
−メチル−N′−エチルプロピレンウレア、1,3−ジメ
チル−3,4,5,−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノ
ン、N−メチルアクリドン、テトラメチルウレア、テト
ラメチルチオウレア、N,N−ジフェニルアセトアミド、
N,N−ジメチルベンズアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、1,1,3,3−テトラブチルウレア、N,N′−カルボニル
ジイミダゾール、N−メチル−2−ピロリドン、N−メ
チル−ε−カプロラクタム、コハクイミド、N−メチル
コハクイミド、カルバミン酸メチルなどが挙げられる。
前記(ハ)の化合物としては、例えばイソシアネート
類やカルボジイミド類などがあり、具体的にはイソシア
ン酸メチル、イソシアン酸エチル、イソシアン酸−n−
ブチル、イソシアン酸フェニル、イソシアン酸−1−ナ
フチル、イソチオシアン酸メチル、イソチオシアン酸エ
チル、イソチオシアン酸−イソブチル、イソチオシアン
酸−n−ブチルイソチオシアン酸−tert−ブチル、イソ
チオシアン酸アリル、イソチオシアン酸フェニル、イソ
チオシアン酸ベンジル、イソチオシアン酸−p−トリ
ル、ジフェニルエーテル−4,4′−ジイソシアネート、
リジンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、トルエンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニル
メタン−4,4′−ジイソシアネート、ベンゼン−1,2,4−
トリイソシアネート、ジメチルカルボジイミド、ジエチ
ルカルボジイミド、ジヘキシルカルボジイミド、ジシク
ロヘキシルカルボジイミドなどが挙げられる。
前記(ニ)の有機金属化合物としては、例えばトリメ
チルクロロシラン、トリエトキシクロロシラン、トリエ
チルゲルマニウムクロリド、トリメチルスズクロリド、
トリエチルスズクロリド、トリ−n−ブチルスズクロリ
ド、トリ−n−ブチルスズブロミド、トリプロピルスズ
クロリド、ブチルジメチルスズヨージド、ジ−n−ブチ
ルビニルスズクロリド、n−ブチルジシクロヘキシルス
ズブロミド、トリ−n−ブチルスズクロリド、トリフェ
ニルスズクロリド、トリオクチルスズクロリド、トリフ
ェニルゲルマニウムクロリド、トリフェニル鉛クロリド
などが挙げられる。
本発明においては、これらのカップリング剤及び変性
剤は、それぞれ1種用いてもよいし、2種以上組み合わ
せて用いてもよく、またカップリング剤と変性剤を併用
してもよい。さらに、該カップリング剤や変性剤の使用
量は、重合開始剤として用いる有機リチウム化合物に対
し、当量比で0.25〜2.0の範囲にあることが望ましく、
重合体の少なくとも30重量%がカップリング変性や付加
変性されていることが望ましい。
本発明においては、前記カップリング剤や変性剤の添
加方法については特に制限はなく、重合終了後添加する
方法、重合終了直前に添加する方法、重合終了後、少量
の共役ジエン化合物を添加し、その後にカップリング剤
や変性剤を添加する方法などを用いることができる。ま
た、カップリング剤と変性剤を併用する場合には、それ
ぞれ前後して逐次的に添加する方法を用いてもよいし、
同時に添加する方法を用いてもよい。
本発明組成物における前記(A)成分と(B)成分と
の配合割合については、それらの合計重量に基づき、
(A)成分が5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、
(B)成分が95〜50重量%、好ましくは90〜60重量%に
なるような割合で配合する必要がある。該(A)成分の
量が5重量%未満では加工性の改良効果が十分に発揮さ
れないし、50重量%を超えると加硫物の強度や反発弾性
が低下する傾向が生じる。
本発明のゴム組成物は、通常ゴム成分として単独又は
他のゴム成分と共に、例えばプロセス油、カーボンブラ
ック、その他配合剤と配合して用いられる。
本発明のガム組成物を他のゴム成分と共に使用する場
合、該ゴム組成物は全ゴム成分中、少なくとも20重量%
含有することが望ましい。本発明のゴム組成物の含有量
が20重量%未満では、該ゴム組成物の特徴である高度の
加工性と物性とのバランスが発現されにくくなる。
本発明のゴム組成物と共に使用しうる他のゴム成分と
しては、例えば天然ゴム、ポリブタジエン、スチレン−
ブタジエン共重合体、ポリイソプレンなどが挙げられ
る。これらのゴム成分は1種用いてもよいし、2種以上
組み合わせて用いてもよい。
本発明のゴム組成物を各種ゴム用途の素材として用い
る場合、通常全ゴム成分100重量部に対し、プロセス油
0〜60重量部、カーボンブラック30〜100重量部を配合
して用いる。
ゴムの配合に用いられるプロセス油は、石油留分のう
ち高沸点成分から成り、油の炭化水素分子の化学構造に
よって通常3種に分類され、分類の基準は粘度比重恒数
(VGCと略す)の大小による。一般にVGCが0.790〜0.849
のものはパラフィン系、0.850〜0.899のものはナフテン
系、0.900以上はアロマチック系として分類される。こ
のうち、本発明のジエン系重合体がカーボンブラックを
配合して使用するため、プロセス油としては通常アロマ
チック系が一般的である。
該プロセス油の添加量は、全ゴム成分100重量部に対
し、通常0〜60重量部、好ましくは5〜35重量部の範囲
で選ばれる。この量が60重量部を超えると加硫物性が低
下するおそれがある。
また、カーボンブラックとしては、従来ゴムの配合に
慣用されているもの、例えばFEF、HAF、ISAFなどを用い
ることができ、その使用量は通常全ゴム成分100重量部
に対して、30〜100重量部、好ましくは40〜75重量部の
範囲で選ばれる。この量が30重量%未満では補強効果が
十分でないし、100重量部を超えると加硫物の反発弾性
や破壊強度などが低下するおそれがある。
本発明のゴム組成物は、前記のカーボンブラックやプ
ロセス油とともに、さらにホワイトカーボン、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウムなどの他の補強剤や充てん剤
を配合して用いることができるし、また、酸化亜鉛、ス
テアリン酸、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、加硫促進
剤、加硫剤、ワックスなども必要に応じ適宜配合して用
いることもできる。
これらの配合剤の配合方法については特に制限はな
く、例えばバンバリーミキサー、ニーダ、オーブンロー
ルなどを用いて混練する通常の手段によってゴム配合物
を調整することができる。
このようにして得られたゴム配合物は、加硫成形し、
多くの有用な用途に用いられる。
発明の効果 本発明のゴム組成物は、ゴム混練時のストックまとま
り性やロール巻付性などの加工性が優れ、かつ引張強度
や反発弾性などに優えた性能を有し、タイヤトレッド、
カーカス、サイドフォールといったタイヤ用途、またそ
の他にも押出製品、自動車窓枠、防振ゴム、工業用品等
の用途にも応用することができ、その工業的意義は大き
い。
実施例 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの例によってなんら限定されるもの
ではない。
なお、各特性及び物性は次の方法に従って求めた。
(1) 重合添加率 重合器内より抜き出したサンプルを、島津製作所製の
ガスクロマトグラフィ(GC−7A)を用いて分析した。ガ
スクロマトグラフィの充てん剤は、スチレンの分析には
「アピエゾン・グリース「(Apiezon Grease)L」〔ガ
スクロ工業(株)製〕を、ブタジエンの分析には「(セ
バコニトリル(Sebaconitrile)」〔ガスクロ工業
(株)製〕を用いた。
(2) 重合体成分(A)及び(B)の▲▼ 変性処理直前に重合器内より抜き出したサンプルのGP
C測定により、重合体成分(A)及び(B)の▲▼
を求めた。
測定にはウォーターズ(Waters)社製のGPC(商品名:
204コンパクト型)を使用し、カラムはジュポン(Dupon
t)社製「ゾルバックス(ZORBAX)」PSM−1000Sと60Sと
の組み合わせを、溶媒にテトラヒドロフランを用い、得
られる分子量分布曲線から標準ポリスチレンに換算して
求めた。
(3) 重合体のムーニー粘度 JIS−K6300の方法に準じ、Lローターを使用して100
℃、2rpmで測定した。
(4) スチレン単位の含有量 紫外線吸収スペクトル法により、262nmのフェニル基
に基づく吸収から算出した。
(5) ブタジエン単位のミクロン構造 赤外分光光度計を用いて、ハンプトン法により計算し
た。
(6) ゴム配合物のムーニー粘度 上島製作所製可変速ムーニー粘度計を使用し、Lロー
ターを用い、100℃で1分予熱、2rpmでの4分後の値
と、連続してその直後に120rpmに変速した2秒後の値を
測定した。
(7) ゴム配合物のストックのまとまり性 小型加圧ニーダー(森山製作所製、加圧双腕ニーダ
ー、D−0.5−3型)にて混練し、配合剤配合後のゴム
配合物ストックの取出時、目視観察した。
評価基準は、ニーダーシリンダー取出時、ゴム配合物
が小片となってまとまりにくく、配合剤の分散状態の悪
いものを1とし、ゴム配合物が1つの塊となり、分散も
良好で肌の美しいものを5とし、5段階で評価した。
(8) ゴム配合物のロール巻付性 ロール温度50℃で、ロール混練時の巻付状態を観察し
た。ロール巻付性の評価基準は、ゴム配合物のロール巻
付性が最も悪く、バギー性の大きいものを1つとし、ロ
ール巻付性が極めて優れ、かつロールに巻付いている状
態で表面肌の美しいものを5とした。
(9) 未加硫配合物の伸び JIS−1号ダンベルで打抜いた厚さ2mmのサンプルを引
張速度300mm/分で測定した。
(10) 加硫物の引張強度 JIS−K6301の方法に従って測定した。
(11) 加硫物の反発弾性 ダンロップトリプソンメーターを使用して、試験温度
70℃にて測定した。
実施例1〜10、比較例1〜4 (1)重合体成分(A)及び(B)の製造 あらかじめ窒素置換したかきまぜ機付10オートクレ
ーブにシクロヘキサン6、スチレン250g、ブタジエン
500gとテトラヒドロフラン18gを装入し、かきまぜなが
ら55℃まで昇温して、それぞれ第1表に示す所定量のn
−ブチルリチウムを添加し重合を開始した。スチレンと
ブタジエンの合計重合転化率が約40%に到達した時点か
らブタジエン250gの連続追加供給(25g/分の供給速度)
を10分間実施した。ブタジエンの追加供給終了時のスチ
レン重合転化率はすべて98%以上であった。
重合反応の最高到達温度は90〜95℃となるように調整
し、ブタジエンの追加供給終了して温度低下が始まる2
〜5分間後に第1表に示すカップリング剤や変性剤を、
重合開始に用いたn−ブチルリチウムに対し、当量比で
1.0となるように添加し、約10分間反応させた。
なお、比較例4のゴム組成物は重合体成分が(B)の
みであって、この成分(B)のカップリング剤として用
いた塩化第二スズの添加量はn−ブチルリチウムに対し
て当量比0.4とした。実施例6の重合体成分(A)で使
用した塩化トリフェニルスズと塩化第二スズの量は、n
−ブチルリチウムに対して当量比でそれぞれ0.5と0.5と
した。
また、実施例5の重合体成分(B)で使用した塩化ト
リフェニルスズと塩化第二スズの量は、n−ブチルリチ
ウムに対して当量比でそれぞれ0.3と0.7とした。
このようにして得た各重合物は安定剤として2,6−ジ
−tert−ブチル−p−クレゾールを重合体100g当り0.5g
を添加した。
(2)ゴム組成物の調製及び物性評価 このようにして得られた各重合体成分(A)と(B)
を溶液の状態でブレンドし、溶剤を加熱除去して第2表
に示すブレンドゴム組成物を得た。この中で比較例4は
成分(A)を含まない例を示した。
対に、各ゴム組成物100重量部、アロマチック油5重
量部、HAFカーボンブラック45重量部、亜鉛華5重量
部、ステアリン酸2重量部及び老防(B)(ジフェニル
アミンとアセトンとの高温反応生成物)1重量部を小型
加圧ニーダーに装入し、混練、混合した。
混練開始時のケース温度は約90℃にコントロールし、
カム回転数60rpmで6分間混練、混合し、その最高到達
温度が140℃となるようにした。ニーダーから取り出し
たゴム配合物は冷却後50℃ロールミルでイオウ1.7重量
部と促進剤(CZ)(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチ
アジルスルフェンアミド)1重量部を添加し、混合し
た。
このようにして得られたゴム配合物のムーニー粘度、
ニーダーストックのまとまり性及びロール巻付性、配合
物の伸びなどの加工性と、160℃の温度で加硫した加硫
物の引張強度や反発弾性などの物性を測定した。その結
果を第3表に示す。
実施例1〜10は配合物ムーニー粘度が高回転時に低
く、ニーダーストックのまとまり性やロール巻付性が良
好であり、配合物の伸びも大きいなどこれら加工性と引
張強度や反発弾性が高く、物性とのバランスに優れてい
ることが分かる。
これに対して、比較例1、3は加工性に優れているも
のの物性が悪い。比較例2、4は物性は優れているが加
工性が悪く加工性と物性とのバランスが劣る。
また、実施例5、7、8、9、10は配合物の伸びや加
硫物の引張強度が特に大きく、加工性とのバランスは極
めて優れていることが分かる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴム成分として、(A)重量平均分子量1,
    000〜120,000のジエン系重合体を、(イ)カップリング
    剤、(ロ)分子内に一般式 (式中のYは酸素原子又は硫黄原子である) で表わされる基と一般式 N−R1 (式中のR1は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、ア
    ルコキシアルキル基又はアリール基である) で表わされる基とをそれぞれ少なくとも1個有する変性
    剤、(ハ)分子内に一般式 R2N=C=)n (式中のR2は炭化水素基、nは1〜3の整数である) で表わされる結合基を有する変性剤及び(ニ)一般式 (R3−M−X (式中のR3は炭素数1〜20のアルキル基、アルコキシア
    ルキル基又はアリール基、Mは周期律表IV族Bに属する
    原子、Xはハロゲン原子である) で表わされる有機金属系変性剤の中から選ばれた少なく
    とも1種で変性処理したもの5〜50重量%と、(B)重
    量平均分子量150,000〜800,000のジエン系重合体を、
    (イ)カップリング剤及び前記(ロ)、(ハ)、(ニ)
    の変性剤の中から選ばれた少なくとも1種で変性処理し
    たもの95〜50重量%とを含有して成るゴム組成物。
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