JP2586504B2 - 移動体通信の通信方法とシステム - Google Patents

移動体通信の通信方法とシステム

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JP2586504B2
JP2586504B2 JP62204921A JP20492187A JP2586504B2 JP 2586504 B2 JP2586504 B2 JP 2586504B2 JP 62204921 A JP62204921 A JP 62204921A JP 20492187 A JP20492187 A JP 20492187A JP 2586504 B2 JP2586504 B2 JP 2586504B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は移動体の通信方法およびシステムに関する。
さらに、小ゾーン構成を用いる移動体通信において、通
信中の移動端末が移動することにより、通信品質が劣化
したとき、その通信品質を満足させる通信方法と、シス
テムに関する。
より具体的には、周波数有効利用率、通信品質、無線
回線の制御能力などに優れた通信方法とシステムを提供
せんとするものである。
[従来の技術] 一般に広いサービス・エリア内で移動体通信を行う際
に、1個の無線基地局が全エリアをカバーしてサービス
・エリア内の移動体と通信を行う方式を大ゾーン方式と
呼んでいる。これに対し、小ゾーン方式とは、サービス
・エリアを複数の小エリアに分割し、分割された各エリ
ア内に各1個の無線基地局を設置し、その、それぞれの
エリア内に居る移動無線機はこれらの無線基地局と通信
を行うものである。
従来の小ゾーン方式は、たとえば現在商用サービス中
のNTT(日本電信電話(株))の自動車電話方式の中で
採用されている。この場合、自動車内に搭載された移動
無線機は自動車の走行により通話の相手局の無線基地局
から遠ざかり、たとえば、無線基地局から5〜7km以上
になると電波の受信入力電界値が低下するので、通話品
質の劣化が発生する。そのため小ゾーン構成では、サー
ビス・エリア内に無線基地局が互いに10〜12km間隔に設
置されており、したがって上記の場合必ず自動車の現在
位置の近く(5〜5km以内)に別の無線基地局が存在
し、この新無線基地局と移動無線機との間で別の無線チ
ャネルを使用して通話を継続させている。NTT方式で
は、無線回線の通話の設定および解除の制御を行わせる
無線回線制御局が、多数の無線基地局や移動無線機を制
御するために設置されており、無線回線制御局はインタ
フェースをなす関門交換機を介して一般の電話網に接続
されている。無線回線制御局では、通話品質の劣化が生
じると、移動無線機の周辺の複数の無線基地局に対し移
動無線機の通信電波を受信させ、このうちの特定の無線
基地局に移動無線機との間で新しく無線チャネルを設定
させれば所望の通話品質を維持し得ると判断したときに
は、新チャネルの設定を移動無線機と無線基地局との間
で行わせる。
第9図には、このような動作をする従来のシステムの
構成概念図が示されており、これを用いて説明する。
第9図において、4つの円で囲まれた半径5〜7km程
度の各ゾーン14A,14B,14C,14Dを自動車電話のサービス
・エリアとし、いま自動車内に搭載された移動無線機15
がゾーン14A内の無線基地局13Aと交信中であるとする。
自動車はゾーン14Aからゾーン14Cの方向へ走行中である
ので無線基地局13Aと移動無線機15との間の相対的距離
は大きくなりつつある。交信は継続中であるとし、自動
車はゾーン14Aよりゾーン14C内へ移行したとすると、無
線基地局13Aと移動無線機15との間の距離は5〜7km以上
となり相互の受信電波の入力電界値は低下し、一定の伝
送品質以下に低下するに至る。この品質劣化の状態は、
常時、無線回線制御局12で監視されており、品質が一定
基準以下に低下した時点で無線基地局13Aの周辺の無線
基地局13B,13Cおよび13Dに対し、無線基地局13Aと移動
無線機15との間で使用中の無線チャネル(チャネルCH1
と仮定する)の品質を測定するように要請する。この要
請を受けた無線基地局13B,13Cおよび13Dでは、それぞれ
自己の無線チャネル探索用受信機(図示せず)をチャネ
ルCH1に同調させて信号を受信し、その状態を、無線回
線制御局12に報告する。この報告を受けた無線回線制御
局12では、無線基地局13B,13C,および13Dの受信入力電
界EB,EC,およびEDの値を比較し、EC>EB,EC>EDであ
り、かつECが伝送品質の点からみても一定の品質が確保
されていることを確認すると、無線回線制御局12はゾー
ン14Aからゾーン14Cへ移行したものとみなし、ゾーン14
Aで使用していた無線のチャネルCH1を切断し、これにか
えてゾーン14Cの無線基地局13Cで使用可能な無線チャネ
ルのうち、未使用のチャネル(チャネルCH10を仮定)を
使用させる手続きすなわち通話中チャネル切替を始め
る。
以下、文献 吉川他“自動車電話無線回線制御”日本
電信電話電気通信研究所 研究実用化報告 Vol.26,No.
7 1885頁を参照しながら説明する。
(1)チャネル切替信号は、無線回線制御局12と各無線
基地局13との間は各伝送路16に含まれた制御線を用い、
各無線基地局13と移動無線機15との間は無線による通話
チャネルとする。
(2)チャネル切替信号は、以前通信をしていた、たと
えば無線基地局13Aより、移動無線機15宛に送信し、無
線導通試験トーンは、新たに切替えようとする、たとえ
ば無線基地局13Cより移動無線機15宛に送出する。
(3)移動無線機15において、無線導通試験トーンが受
信できないときは、無線基地局13Aとの間に設定されて
いる旧通話チャネルに戻って通話を継続する。
以上の(1)〜(3)がNTTで現用されている通話中
チャネル切替であるが、これらの説明から明らかなよう
に通話者すなわち自動車電話利用者には、つぎのような
雑音が通話に混入することになる。すなわち、 (a)前記の(1)による切替のための制御信号(この
場合300ビット/秒のディジタル信号)が相手話者の信
号の切断された後に通話中のチャネルに挿入される形で
受信機の出力に現われるので、300Hz程度の可聴音とし
て通話中に混入し、この間通話断となる。
(b)前記(2)の通話試験中は雑音の混入はないが無
音となり、この期間中相手の音声は自分に伝わらず、ま
た自分の音声も相手に伝わらない(通話断)。
以上の(a),(b)による通話断の継続時間は0.7
〜0.8秒と言われている。一方、無線回線制御局12では
無線基地局13Cに対し、両者間の伝送路16Cを通じて、移
動無線機15とたとえばチャネルCH10を用いて通話を開始
するように指示する。この指示も上記の導通試験と同一
時刻に実施されるので、この瞬間より、無線基地局13A
は、移動無線機15との通信を終了し、代って無線基地局
13Cは移動無線機15との通信を開始する。また、無線回
線制御局12は、電話網10との間のインタフェースをなす
関門交換機19に対し、各無線基地局13を電話網10と接続
するための関門交換機19内の通話路スイッチSWを無線基
地局13Aから13Cへ切替えるように要求している。すなわ
ち、第9図の通話路スイッチSWでA−4スイッチをオン
し(ブランクの3角で表示)、C−4スイッチをオンに
する(黒の3角で表示)。
以上の動作により、自動車内で移動無線機15を使用し
て、電話網10内の任意の電話機と、自動車がゾーン14A,
14B,14C,14Dのどこに移動しても通話が継続されること
になる。
かくして、使用者(通話者)はサービス・エリア内で
あれば自動車の走行中いつでも、どこへでも電話がかけ
られるという技術的保証を与えられたことになり、実際
のサービスでは、この技術を駆使したサービスが行われ
ている。
このような小ゾーン構成を採用した移動体通信では、
大ゾーン方式には見られない下記のごとき特徴を発揮す
ることが可能となった。
(a)1つの無線基地局からの電波を狭い地域に限定し
て使用し、サービス・エリアに多数の無線基地局を配し
て同一周波数をくり返し使用する、いわゆる小ゾーン構
成により周波数の有効利用が可能となった。
(b)ディジタル・シンセサイザが出現したので、移動
無線機に数百におよぶ多数の無線チャネルを切替えて使
用することが可能となり、また、これら多数の移動無線
機と無線基地局との間の無線回線を設定制御する技術が
確立されたために(a)項の周波数の有効利用に寄与す
ることが可能となった。
(c)多数の移動無線機に能率よく、発着呼などにおい
て無線回線を設定制御するのに必要な無線回線制御技術
が確立されたので、これも(a)項の特徴に寄与したほ
か、移動無線機の通信中にゾーン移行にともなう通信中
無線チャネル切替も可能となった。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、第9図に例示したような従来方式で
は、技術的対策が不十分であったり、あるいは対策がと
られておらず、利用者には不便を感じさせ満足なサービ
スの提供をすることができないという問題点があり、シ
ステムとしても一層の周波数の有効利用の促進、サービ
ス性の向上等が必要であった。
このような問題点を以下に説明する。
i)周波数の有効利用をはかるためには、小ゾーン構成
の1個のゾーンのゾーン半径を小さくする必要がある
が、これがあまり小さくなると、移動無線機が通信中に
1つのゾーンを通過して他のゾーンへ移行する確率が増
加する。すると、ゾーンの移行時に各ゾーンに割当てて
ある無線チャネルを変更する必要が頻繁に発生し、この
とき無線基地局、移動無線機とも旧無線チャネルを新無
線チャネルに変更させる必要が発生する。従来はこの変
更を無線回線制御局12(第9図)で行っていたが、この
チャネルの変更にともなう通信の一時断等が発生し通信
品質が劣化していた。
ii)送信電力の異なる移動無線機を同一システム内に導
入し、1つのシステム内の機器として動作させる例があ
った。これは、たとえば自動車内に搭載されている移動
無線機(NTTの自動車電話の場合は送信出力5W)と、利
用者が戸外で持運び可能な自動車電話用の無線基地局に
アクセスする携帯電話機(NTTの場合は送信出力1W)と
が同一システムに収容されているが、これは無線基地局
に収容されている無線設備の共用利用が可能であるため
経済的なシステム構築が可能となる。
しかしながら、周波数の有効利用の面からみると、同
一周波数の再使用のためのルール作りを複雑にするため
に、有効利用の効果を低下させる方向に作用するほか、
送信電力レベルの異なることにより、他の移動無線機の
受ける干渉妨害の発生する可能性が増加する。これを防
止するためにはコストの上昇および周波数の有効利用を
そこなう結果となった。
同一周波数の再使用については、制御能力を高機能化
することで一応対処可能であるが、これにも限定があ
り、小ゾーン化がある程度以上進むと制御不能となった
り、コスト的に全く引き合わないシステムとなってしま
う。干渉妨害については、従来の方法では解決されてお
らず、従来システムにおける大きな問題であった。
したがって周波数の有効利用という見地からは、有効
利用に限界があることになり、有限の電波資源の活用と
いう面で要求を満たすことができなかった。
iii)小ゾーン化が進み1つの無線基地局の受持つ小ゾ
ーン内において、隣接あるいはその次の隣接する無線基
地局の受持つ小ゾーンが重なり合う状態が多く発生し、
無線回線制御技術として従来技術を用いた場合に、制御
不能となる可能性があった。
これは、1つの小ゾーン内において地形や構築物の影
響により電波伝搬特性は大きな影響(伝搬損失)を受け
る。この影響は周波数を有効利用するために小ゾーン化
が進み、1つの小ゾーンの範囲が小さくなる(半径1km
以下)にともない、相対的に大きくなる。また使用する
無線基地局および移動無線機には、相対的に高いレベル
の送信機を使用して、地形や構築物の影響のある所でも
良好な通信を確保することになる。すると、地形や構築
物の影響のない所では、遠方にある無線基地局と他のゾ
ーン内に居る移動無線機とが交信可能となることを意味
する。
したがって、1つの小ゾーンは1つの無線基地局で管
理され、多数の小ゾーンにより、サービス・エリアであ
る広い平面がおおわれるという本来の概念が消滅し、多
数の小ゾーンが重畳されて1つのサービス・エリアを形
成するということになった。
その結果、このような状態にある小ゾーン・システム
を円滑に運用することは、従来技術では、無線通話路の
設定、変更・解除を頻繁に行わなければならなくなり、
無線回線制御装置の能力を大きく上まわる結果となる。
したがって円滑な通話路の確保は現実的には不可能とな
り、逆にいかにしてこのような事態を避けるかに、シス
テム構成上の配慮が行われて来た。
iv)移動体通信においては、移動体の移動にともなう電
波伝搬特性の影響のために、その通信品質が大きく変化
し、電波の伝わり方の悪い場所においては、通信品質が
システムに必要とされる値以下となる等の問題があっ
た。これを解決するためダイバーシティ技術等種々の対
策が採られてきたがいづれも機器のコストを割高にする
ばかりか、周波数の有効利用をそこなう等の問題点があ
った。
また通話中のゾーン間移行にともなう通話断について
は、一種の通信品質上の問題点と考えられ、品質確保の
点からも解決策が必要であった。
v)システム内の通信のトラヒック変動に対する対策が
とられていなかった。
システム内の通信のトラヒック変動は、たとえば公衆
通信では通常、深夜や早朝はきわめて少なく、日中の午
前10時前後と午後2〜3時に、また、自動車電話では、
夕刻5〜6時に大きなトラヒックの山が見られるが、シ
ステム設計を最大のトラヒック時においても、満足に機
能するように設計すると、閑散時には、システム構成機
器が遊休するためにコスト高となり、また、もし閑散時
に適合したシステム構築をするとコストはきわめて割安
となるが、最繁時に使用不能となり、サービス性の低下
はさけ得なかった。
加えて、通信トラヒックの閑散時には、システム内の
遊休設備を有効利用して高品質のサービスを提供し、ト
ラヒックが増加するにしたがい通常のサービスに移行す
るというような、システム内の構成施設を有効利用する
という概念に欠けていた。これは、従来技術により解決
しようとするとシステム・コストが急上昇してしまうこ
とも1つの原因と考えられる。
また、たとえば無線基地局の送受信機が全部使用中の
場合は、移動無線機から送出される位置登録信号のよう
にきわめて短く、かつ定形的な信号でさえも、従来のシ
ステムでは処理能力がなく、小ゾーン化が進むことに対
する技術的制約となっていた。
vi)従来、通信を行なう移動体の位置登録は、同一時点
において1箇所の無線基地局で受信したデータのみを登
録して処理していたため、高速で移動する移動体通信の
ように位置登録が順次かなりの頻度で変更されるシステ
ムや、周波数の有効利用上位置登録方法に制約があるシ
ステムでは、位置登録の不備のため移動体への着呼不能
となる場合があった。
これは無線基地局に設置されている無線送受信機が1
チャネルのみの場合、制御用、通話用として時分割で使
用しなければならず、かつ移動無線機と交信中に同一の
ゾーン内にある他の移動無線機から位置登録要求のあっ
た場合等において、顕著な悪影響があった。
vii)広帯域信号を用いる移動通信サービスを提供する
ための技術の完成度が不十分で未完成であり、利用者に
不便を与えていた。
従来、多数用いられている移動通信サービスは電話が
主であり、高速データ信号など使用周波数帯域が広帯域
にわたるものは、ほとんど使用されていなかった。これ
は移動体通信においては電波伝搬特性が移動体の移動に
ともない大きく変化するため、良好に広帯域信号を受信
する技術が不足していたからである。
viii)無線回線制御能力ならびに信頼性の確保が不十分
であった。従来は無線回線の設定、解除あるいは通話中
チャネル切替の実行等は、一定のエリア内に1箇所に集
中して制御を行わせるために設置された無線回線制御局
あるいは無線系制御装置が行っていた。これは、集中化
による回線制御の一元管理上有効な面があるが、もし、
これが障害を発生すると、全システムがダウンするとい
う致命的な事故となる。それ故、ハード・ウェアの二重
化などの対策が講じられていたが、コスト・アップの原
因となり満足した結果は得られなかった。
ix)従来の陸上における移動通信では、特殊な場合を除
き、通信中の移動体の移動方向の推定等は、技術的な困
難性もあり実施されていなかった。そのため移動方向の
エリアでの無線回線トラヒック情況などの有効な情報も
得られず、周波数の有効利用あるいはトラヒック管理の
上で問題が残されていた。
x)ゾーン間またはゾーン内における通話中チャネルの
切替時に瞬断が発生し、これも小ゾーン化の大きな障害
となっていた。
第9図を用いて説明したNTTが実施している通話チャ
ネル切替法では、無線チャネルの切替時に通話が一時的
に(0.7〜0.8秒間)切断されるほか、通話信号以外の制
御信号(300ビット/秒)の一部が混入し耳ざわりであ
るという欠点がある。このような通話回線の一時断や雑
音の混入があると、通話の内容が音声であるときには聞
きなおしを行うことなどで、補うことができるために、
あまり大きな障害とはならないが、自動車内にファクシ
ミリ端末を搭載し送受信に使用した場合には、動作中に
チャネル切替があると、たとえば1分ファクシミリで
は、紙面の0.8/60の部分が黒線(または白線)となって
現われ受信画質が大幅に劣化するという欠点があった。
またデータ通信の場合には、たとえば1200ボーのデータ
信号では、1000ビット程度の信号が欠落するので再送な
どの手続きが必要となった。
なお、耳ざわりの雑音を除去するために、チャネル切
替中無音にしたり、帯域外信号を用いたりする方法もあ
るが、耳ざわりな雑音を除去するという目的は達成でき
ても、回線断の時間は依然として存在するから、ファク
シミリやデータ信号への悪影響の除去にはまったく効果
がないという問題点が残されていた。
[問題点を解決するための手段] 無線送受信機とID識別記憶部を具備する複数の無線基
地局と、複数の無線基地局と電話網を接続するスイッチ
群とこのスイッチ群を制御する通話路制御部とID識別記
憶部とを含む関門交換機と、この複数の無線基地局がカ
バーするサービス・エリア内を移動しながら同一の通信
信号を同時に複数の無線基地局と交信するために複数の
チャネルを通信信号の周波数よりも十分に速い速度で切
替えるなどして同時に受信(ダイバーシティ受信)する
無線受信回路と、複数のチャネルを通信信号の周波数よ
りも十分に速い速度で切替えるなどして同時に送信(ダ
イバーシティ送信)する無線送信回路とを含む移動無線
機とを含むシステムを構成した。
[作用] 複数の無線基地局と移動無線機とが、複数のチャネル
を用いて同一の通信内容をその通信信号の周波数よりも
十分に速い速度で切替えるなどして並行して交信してい
る最中に、通信の品質が一定値以下になったチャネル
(旧チャネル)が生じた場合には、一定の通信品質を満
足する他の1つの無線基地局との間で他の1つのチャネ
ル(新チャネル)に切替えて旧チャネルの交信は終了
し、新チャネルを含む複数のチャネルを用いて、同一の
通信内容をダイバーシティ送受信により瞬断なく交信で
きるようにした。これによって下記の作用および効果を
得ることができた。
i)各無線基地局と関門交換機にそれぞれID識別記憶部
を設け、移動無線機の位置を各無線基地局のデータにも
とづき並行して登録するようにしたから、位置登録の信
頼度が向上した。
ii)複数チャネル中の通信品質の劣化した1チャネルを
新チャネルに切替えてダイバーシティ送受信するように
したから、ゾーン間またはゾーン内における通話(信)
中チャネル切替の無瞬断化が実現された。
iii)経済的な送受信ダイバーシティの採用による良好
な通信品質の確保、すなわち干渉妨害の軽減、および広
帯域信号を用いる新サービスを技術的に可能とした。
iv)トラヒック閑散時には、多くのチャネルを用いて並
行交信を行うために、無線設備の有効利用が計られ通信
品質が向上した。
v)各無線基地局にID識別記憶部や高速切替による複数
無線チャネルの同時送受信(ダイバーシティ送受信)を
可能とする機能などを設けたから、トラヒックの最繁時
においても移動無線機からの位置登録信号の処理が可能
となった。
vi)複数チャネルの並行交信により広帯域信号の伝送特
性が向上し、回線品質の向上が得られた。
vii)移動無線機の移動方向および速度の推定が可能と
なり、移動先ゾーンにおける通信の確保および移動見込
先ゾーンで使用されるチャネルの先行割当の実施が可能
となった。
viii)無線回線の制御を従来システムのごとき集中型か
ら、移動無線機もしくは、無線基地局に機能分散するこ
とにより、制御処理能力の向上とシステムの信頼性の向
上が得られた。
[実施例] 第1A図,第1B図および第1C図は、本発明の一実施例を
説明するためのシステム構成の一例を示している。
第1A図において、10は一般の電話網であり、そこには
一般電話用の交換機11が含まれている。20は電話網10内
に含まれている一般電話用の交換機11と無線システムと
を交換接続するための関門交換機である。関門交換機20
は複数の無線基地局30-1,30-2,…,30-nや多くの移動無
線機と一般の電話網10に収容されている電話機とを接続
するものであり、無線基地局30-1〜30-nの各局間の制御
信号の授受を行うと共に、通信路の設定解除等を制御す
る通話路制御部21と、通話路制御部21に制御されて各無
線基地局30-1〜30-nと関門交換機20および交換機11との
間の接続をなすための通信路の切替に必要なスイッチ群
23とが含まれている。
第1B図には、各無線基地局30-1,30-2との間で交信を
する移動無線機50が示されている。アンテナ部に受けた
受信信号は、受信ミクサ63と受信部53を含む無線受信回
路68に入り、その出力である通信信号は、制御部58と電
話機部59に入力される。電話機部59から出力される通信
信号は、送信ミクサ61と送信部51とを含む無線送信回路
66に印加され、送信信号はアンテナ部から送出されて、
無線基地局30によって受信される。また、通信中の通話
品質を常時監視し劣化したときは、それを制御部58へ報
告する通信品質監視部57や、通信中における干渉妨害の
有無を監視し、一定量以上の干渉妨害を検出した場合に
は、それを制御部58へ報告する干渉妨害検出器62や自己
の移動無線機50のIDを記憶したり、自分がどのゾーンに
居るかを識別し、また記憶するID・ローム・エリア情報
照合記憶部54が図示のごとき結線を有して具備されてい
る。
この移動無線機50には、さらにシンセサイザ55-1,55-
2,…,55-nおよび56-1,56-2,…,56-nと、切替スイッチ64
-1,64-2と、切替スイッチ64-1と64-2を、それぞれ切替
え制御するための信号を発生する受信切替用制御器65C
および送信切替用制御器67Cが含まれており、シンセサ
イザ55-1〜55-nと56-1〜56-nと、両切替用制御器65Cお
よび67Cは、制御部58によって制御されている。各シン
セサイザ55-1〜55-nおよび56-1〜56-nには、基準水晶発
振器71から基準周波数が供給されている。
第1C図には移動無線機50との間で交信する無線基地局
30(たとえば30-1)が示されており、第1B図に示した移
動無線機50の構成とほぼ同じであり、異なっているの
は、送信および受信切替用制御器55-1〜55-n,56-1〜56-
n、シンセサイザを切替えるための切替スイッチ64-1,64
-2がなく、ID・ロームエリア情報照合記憶部54(第1B
図)がなく、シンセサイザも受信用および送信用35-1,3
6-1のそれぞれ1個のみであり、また自己および通話先
のID番号を識別し記憶するためのID識別記憶部34を有
し、電話機部59(第1B図)がなく、電話機部59の代わり
をなす関門交換機20へのインタフェース39が設けられて
いる点である。
第1C図の第1B図に対応する各構成要素を以下に列記
し、各機能の説明は省略する。ここで、( )内の数字
は、第1B図の対応する各構成要素の番号である。
送信部31(51) 受信部33(53) シンセサイザ35-1(55-1〜55-n) シンセサイザ36-1(56-1〜56-n) 通信品質監視部36(57) 制御部38(58) 基準水晶発振器40(71) 送信ミクサ41(61) 干渉妨害検出器42(62) 受信ミクサ43(63) 無線送信回路46(66) 無線受信回路48(68) 第1D図には移動無線機50との間で交信する無線基地局
30(たとえば30-1)の他の実施例30Bが示されており、
第1B図に示した移動無線機50の構成とほぼ同じであり、
異なっているのはID・ローム・エリア情報照合記憶部54
(第1B図)がなく、自己および通話先のID番号を識別し
記憶するためのID識別記憶部34を有し、電話機部59(第
1B図)がなく、電話機部59の代わりをなす関門交換機20
へのインタフェース39が設けられている点である。
第1D図の第1B図に対応する各構成要素を以下に列記
し、各機能の説明は省略する。ここで( )内の数字
は、第1B図の対応する各構成要素の番号である。
送信部31(51) 受信部33(53) シンセサイザ35-1〜35-n (55-1〜55-n) シンセサイザ36-1〜36-n (56-1〜56-n) 通信品質監視部37(57) 制御部38B(58) 基準水晶発振器40(71) 送信ミクサ41(61) 干渉妨害検出器42(62) 受信ミクサ43(63) 無線送信回路46(66) 無線受信回路48(68) 第1E図には無線基地局30の他の実施例が示され、ここ
では複数の送受信機を含む無線基地局30Cがアンテナ共
用装置96と無線基地局制御装置32を共用する多くの通話
(信)用の送受信機90-1〜90-mと、第1D図に示した無線
受信回路48と通信品質監視部37の両機能を有するm個の
通信品質監視用受信機93-1〜93-mと、制御信号用の制御
チャネル専用の制御用送受信機94が示され、関門交換機
20を介して電話網10に接続されている。
第1E図に用いられた送受信機90-1〜90-mのうちの1つ
の送受信機90の構成が第1F図に示されており、無線基地
局制御装置32に含まれたID識別記憶部34C,制御部38Cお
よび基準水晶発振器40Cとの接続関係が示されている。
この第1F図に示された送受信機90は第1D図に示された
無線基地局30Bとほぼ同じ構成を有しており、多くの送
受信機90が、ID識別記憶部34C,制御部38Cおよび基準水
晶発振器40Cを共用している。
第1E図の送受信機90-1〜90-mに、このような構成のも
のを用いているから、切替スイッチ44-1,44-2により、
シンセサイザ35-1〜35-nおよび36-1〜36-nのうちの、そ
れぞれ特定の1つのシンセサイザを選択するならば、第
1E図に示す無線基地局30Cは、m個のチャネルを同時に
送受信することができる。
また、送受信機90の切替えスイッチ44-1,44-2を動作
させて、シンセサイザ35-1〜35-nおよび36-1〜36-nを高
速でチョップして、反復して切替えるならば、1つの送
受信機90でn個のチャネルを同時に送受信することが可
能である。したがって、第1E図の無線基地局30Cでは最
大m×n個のチャネルを同時に送受信することができ
る。
第1G図には移動無線機50の他の実施例が示されてい
る。
第1G図の移動無線機50Bの第1B図に示された移動無線
機50との差異は、受信ミクサ63および受信部53を含む無
線受信回路68の他に、受信ミクサ73およびC/N測定用受
信部52を設け、両受信ミクサ63および73に、それぞれ受
信切替用制御器65Cおよび制御部58Bに制御された切替ス
イッチ64-1および64-3を介してシンセサイザ55-1〜55-n
の出力を印加し、送信ミクサ61には送信切替用制御器67
Cに制御された切替スイッチ64-2を介して、シンセサイ
ザ56-1〜56-nの出力を印加している点である。
この第1G図に示した移動無線機50Bは、とくに顕著な
受信ダイバーシティ効果を有する機能を備えている。こ
の受信ミクサ73へは移動無線機50のアンテナ部で受信し
た受信信号の一部が加えられる。受信ミクサ73への局部
発振周波数として切替スイッチ64-3を介してシンセサイ
ザ55-1〜55-nからの出力が加えられる。この切替スイッ
チ64-3は、他の切替スイッチ64-1や64-2のように高速で
切替えられ必要はなく、たとえば10Hz程度の低速の切替
速度で十分である。切替スイッチ64-3がシンセサイザ55
-1の出力を得る位置にあるとき、C/N測定用受信部52で
測定したチャネルCH1のC/N値(搬送波対雑音比の値)を
制御部58Bに伝達する。ついで、切替スイッチ64-3がシ
ンセサイザ55-2の出力を得る位置にあるとき、チャネル
CH2のC/N値を測定する。以下順にシンセサイザ55-nの出
力をオンにする位置にあるときに、CHnのC/N値を測定
し、それぞれ制御部58Bに伝達する。制御部58Bでは、こ
れらの値を用いて受信切替用制御器65Cおよび送信切替
用制御器67Cの切替周波数をたとえばそれぞれC/N値に反
比例した速度で動作するように制御する。
つぎに、さらに受信ダイバーシティ効果の増大をはか
るシステムを説明する。第1H図はこの場合の移動無線機
50Cの構成例を示す。
第1H図において、移動無線機50Cへの入力電波(入力
信号)はアンテナ入力部でn等分され、それぞれ無線受
信回路68-1,68-2,…,68-nへ到来する。各無線受信回路6
8-1〜68-nではそれぞれ受信ミクサ63-1,63-2,…,63-n、
受信部53-1,53-2,…,53-nが具備されており、また受信
ミクサ63-1〜63-nには、それぞれシンセサイザ55-1,55-
2,…,55-nからの局部発振周波数が入力される。したが
って同図の構成では、第1B図などに示した受信切替スイ
ッチ64-1はなく、常時各無線チャネルCH1,CH2,…,CHnの
信号を受信し復調することが可能である。またこれら受
信部53-1〜53-nの出力信号の一部が制御部58Cへ送ら
れ、さらに他の一部は、混合回路69に加えられ通常のダ
イバーシティ受信機(この場合は検波後合成)と同様に
処理が加えられ、電話機部59へ送られる。また各受信部
53-1〜53-nの出力の一部は、それぞれ通信品質監視部57
-1〜57nに送られ、その出力は制御部58Cにそれぞれ印加
されている。
第1I図には、第1H図に示した移動無線機50Cとは異な
る移動無線機50Dが示されており、その相違点はn個の
送信ミクサ61-1〜61-n,送信部51-1〜51-nを含む無線送
信回路66-1〜66-nを具備し、各送信部51-1〜51-nには、
送信すべき信号を共通に接続して印加され、制御部58D
によって、それぞれ制御されて指示された周波数を発生
するシンセサイザ56-1〜56-nからの出力を各送信ミクサ
61-1〜61-nに印加されている。この移動無線機50Dは、
移動無線機50C(第1H図)のように複数の無線チャネル
を切替スイッチ64-2でチョップせずに連続送信すること
ができる。
第1H図および第1I図に示すような回路構成をとること
により、大きなダイバシティ効果を得ることが可能とな
る。
移動無線機50(B,C,D)と無線基地局30(B,C),関門
交換機20との間の制御用の信号は、制御信号専用の制御
チャネルを用いる場合と、通話(話)信号の帯域外を用
いる場合とがある。
この制御信号を通信(話)信号の帯域外で伝送するた
めに、具体的には、制御信号がアナログ信号の場合、第
2図(a)に示すように、通話チャネルの帯域0.3〜3.0
KHz外の低い周波数fD0(たとえば約100Hz)または高い
周波数fD1,fD2,fD3…fD8(たとえば3.8KHzから0.1KHz間
隔で4.5KHzまでの8波)を用いる。
制御すべき項目すなわち制御データが多いときには、
制御用の周波数fD0〜fD8の波数をさらに増加させてもよ
いし、副搬送波形式をとることも可能である。このと
き、たとえばfD0〜fD8のうちの1波あるいは複数の波に
周波数変調をかけたり、あるいは振幅変調をかけたりす
ることによって、より多くの制御データを伝送すること
もできる。
また、制御信号としてディジタル・データ信号を用い
た場合には、音声信号もディジタル符号化して、両者を
時分割多重化して伝送することも可能であり、これを第
2図(b)に示す。第2図(b)は、音声信号をディジ
タル符号化回路91でディジタル化し、それとデータ信号
とを多重変換回路92で多重変換し、送信部31の変調回路
に印加する場合の一例である。
以下に、移動無線機50(B,C,D)、無線基地局30(B,
C)および関門交換機20の機能を順次説明する。
(A)移動無線機50(B,C,D) 最初に移動無線機50(B,C,D)の具備する機能のう
ち、制御部58(B,C,D)の機能につき説明する。制御部5
8(B,C,D)では、まず基本機能としてつぎの機能を具備
している。
i)自己の移動無線機50(B,C,D)の無線送信回路66に
対し、電波の送信の発射又は停止の指令および送信電力
レベルの制御。
ii)自己の移動無線機50(B,C,D)の無線受信回路68に
対し、電波の受信指示または停止の指令。
iii)電話機部59に対し、ダイヤル信号送出可否指令お
よび音声の送受信指令。
iv)シンセサイザ群55-1〜55-nおよび56-1〜56-nに対し
発振周波数(チャネル)指定と、発振指令および停止指
令。
v)受信および送信切替用制御器65C,67Cに対し、制御
指令。
vi)通信品質監視部57からの情報による1つのまたは複
数の使用チャネルの変更適否の判断。
vii)干渉妨害検出器62からの情報による使用チャネル
の変更適否の判断。
viii)ID・ロームエリア情報照合記憶部54からの情報に
より、通信すべき相手方IDの確認および使用チャネルの
決定。
ix)サービス種別の上位の移動無線機に対する通話チャ
ネルの譲渡。
x)受信(送信)切替用制御器65C,67Cに対し、オン・
オフのデューテイ条件の決定。
xi)制御決定に関して、無線基地局30より上位にあるこ
と。これは制御上の判断について無線基地局30と相違し
た時には、無線基地局30に対して主導権を行使可能とす
ること。
xii)自移動無線機50(B,C,D)の移動方向、移動速度の
推定。
つぎにi)〜xii)の機能を複合して使用することに
より、つぎの応用機能を具備することができる。
1)自己の移動無線機50(B,C,D)の周辺で動作中の他
の移動無線機や他の無線基地局で使用している無線チャ
ネルをID・ロームエリア情報照合記憶部54に記憶させ、
発呼または通信チャネルの切替えのときに活用する。
2)x)およびxi)の機能の一つの応用として、通話ト
ラヒックの輻輳時において、同時に通信に使用するチャ
ネル数の消滅、ないし発呼の抑圧、使用チャネルの切断
もしくは早期終了勧告の実施。
3)i),vi),vii)の機能を用い、自己の移動無線機5
0(B,C,D)に対する最適送信レベルの設定。
4)3)の機能の一つの応用として、ディジタル信号の
伝送に対し、最適信号速度を決定すること。
5)通信の種類(電話、FAXデータなど)により最適使
用チャネルを決定する。
また、他のゾーンへ移行することにともなう制御機能と
しては、 6)通信中チャネル切替後の新無線基地局30の選定。こ
のとき自移動無線機50(B,C,D)の移動方向を加味し
て、新無線基地局30の選定をする。
7)関門交換機20に対しては、無線基地局30経由で通話
路のスイッチ群23の開閉および通話(信)路の並列使用
要求の実施。
以上の制御機能を一言で表現すれば、従来技術におい
て用いられていた第9図の無線回線制御局12の機能の一
部を移動無線機50(B,C,D)へ収容したということであ
る。このことは最近進歩の著しい超LSI技術を使用して
はじめて可能となるものであり、いわば移動無線機のイ
ンテリジェント化と表現することができる。しかしなが
ら、従来技術を用いて、移動無線機をインテリジェント
化したとしても、その効用には限界があり、とくに無線
回線制御の能力の向上や、通話中チャネル切替時の瞬断
の除去には全く効果がなく、本発明による方法を用いて
始めて名実ともにインテリジェント化されるということ
になる。
(B)無線基地局30(B,C) 無線基地局30に下記のような機能を持たせた装置をそ
れぞれ設定する。
a)各無線基地局には、少数(通常1個)の制御チャネ
ル送受信のために専用の無線送受信機と、通話チャネル
専用で、かつその無線基地局に割当てられた通話チャネ
ル数に対応した数の無線送受信機が設置されている。た
とえば、第1E図の無線基地局30Cを想定する。1つの無
線基地局30Cに割当てるべき通話チャネル数は、それが
担当する小ゾーンに存在する移動無線機50(B,C)の通
話トラヒックにより最適値が与えられる。ゾーンの面積
が大きく、またそのエリア内に存在する移動無線機が多
い場合には、必然的に通話トラヒックも増大するから、
すくなくとも1つの制御チャネルと複数の通話チャネル
が必要であり、送受信機90(第1F図)の数も当然複数個
必要である。NTTの自動車電話システムで大都会の場合
には、2つの制御チャネルと最大60チャネル程度の通話
チャネルが割当てられている実例がある。
しかしながらゾーンの大きさが次第に小さくなり、遂
には前述した文献、伊藤“携帯電話方式の提案”通信学
会 通信方式研究会資料CS-86-88、1986年11月 に示さ
れているように半径25m程度の極小ゾーンとなると、こ
のエリアをサービス・エリアとして受持つ無線基地局と
しては通話トラヒックおよび方式、コストの点からそこ
に設置される無線チャネルとして、制御および通話をそ
れぞれ1とし、これをまかなう無線機の機能としては1
送受信とされる場合がある。すなわち1個の送受信機を
制御および通話兼用にするわけである(第1D図参照)。
しかもこの兼用は従来のシステムのようにある移動無線
機からの発呼に対し、当初、制御チャネルで対応し、空
いている通話チャネルを指定した後は、自らも通話チャ
ネルに変更して同一の移動無線機と通信を実行するとい
う単純な方法ではなく、後に説明するように1つの移動
無線機と通話チャネルを用いて通信中においても後述す
るように送受信する無線周波数を信号に妨害を与えない
ような切替速度で通話チャネルと制御チャネルを反復切
替えることにより、新しく発着呼を希望する移動無線機
50(B,C,D)に対しても発着呼動作を受付け、かつ通話
を可能とするすぐれた機能を有している点が本発明の特
徴である。
以上説明したように無線基地局30(B,C)の構成に
は、種々のケースが考えられるが、本発明はそのすべて
の場合に適用が可能である。
ただし第1A図の無線基地局30には送受信部を各1組の
み示し、あとは省略している。
b)各無線基地局30(B,C)に設置された通話チャネル
専用の送受信機は、それぞれその無線基地局に割当てら
れた無線チャネル内の複数の無線チャネルのうちの1チ
ャネルを受信可能であることは当然であるが、トラヒッ
ク変動のはげしいゾーンにおいては、無線基地局30C
(第1E図)に設備される1個の送受信機90が、第1F図に
示すような構成であるとする。すなわち、無線信号を送
受信する部分の構成を第1B図に示す移動無線機50とほぼ
同様の構成とする。この結果、このゾーンにおける通話
トラヒックが増加し通常mチャネルの通信に供するため
送受信機90の数がm個設置されている無線基地局30Cに
おいても、通話トラヒックの増加により、mチャネル以
上の通信が必要になった場合には、無線基地局30Cを構
成する1つの送受信機90に対し同基地局内の制御部38C
より送出される制御信号により現在動作中のシンセサイ
ザ35-1,36-1の他に35-2,35-3,…,35-nおよび36-2,36-3,
…,36-nや切替スイッチ44-1,44-2を動作させる。これに
より従来のmチャネルの送受信が可能であったものが最
大m×nチャネルの送受信が可能となる。同時通話可能
なチャネル数は飛躍的に向上する。
ただし切替数に応じて各チャネルの送信電力は、送信
ミクサ61の出力に電力増幅器を入れないかぎり減少する
ので、この点に注意することが必要になるほか、システ
ムに与えられた総チャネル数が上限になる。あるいは他
ゾーンで通信中のチャネルに妨害を与える場合は、それ
以下のチャネル数で限界となる。
第1D図の無線基地局30Bには、送受信機が各1個しか
なく、これを制御チャネルと通話チャネルとに共用する
方法をとるシステムにあっては、1つの移動無線機50
(B,C,D)と通話チャネルを用いて通信中においても、
前述したのと同様に送受信する無線周波数を信号に妨害
を与えないような切替速度で、通話チャネルと制御チャ
ネルを反復切替することにより、新しく発着呼を希望す
る移動無線機50(B,C,D)に対しても、発着呼動作を受
付け、かつ通話を可能とすることができる。
以下、さらに第1F図を用いて説明する。
制御部38Cでは、まず基本機能として、つぎの機能を
具備している。
i)自己の無線基地局30Cに含まれた送受信機90の送信
部31に対し、 電波の送信の発射または停止の指令および送信電力レベ
ルの制御。
ii)自己の無線基地局30Cの受信部33に対し電波の受信
指示または停止の指令。
iii)関門交換機20に対し、ダイヤル信号送出可否の通
知、音声の送受話可否の通知。
iv)シンセサイザ群35-1〜35-nおよび36-1〜36-nに対し
発振周波数(チャネル)指定と、発振指令および停止指
令。
v)受信および送信切替用制御器45,47に対し、制御指
令。
vi)通信品質監視用受信機93-1〜93-mからの情報による
使用チャネルの変更適否の判断、ならびに品質情報を対
向する移動無線機50(B,C,D)へ伝達することの可否の
判断。
vii)干渉妨害検出器42からの情報による使用チャネル
の変更適否の判断。
viii)ID識別記憶部34Cからの情報により、通信すべき
相手方IDの確認および使用チャネルの決定。
ix)サービス種別の上位の移動無線機よりの要請にもと
づき、現在通話中の移動無線機50(B,C,D)との通信の
早期終了をはかる。あるいは即時終了を実施する。
x)受信および送信切替用制御器45,47に対し、オン・
オフのデューテイ条件の決定。
xi)制御決定に関して、移動無線機50(B,C,D)より下
位にあること。これは制御上の判断に関し、移動無線機
50(B,C,D)と相違した時には、移動無線機50(B,C,D)
に対して主導権を譲渡することである。ただし、xi)に
ついては、説明の便宜上定めたもので、実際のシステム
では、無線基地局30に主導性をもたせても一向に差支え
なく実施可能である。
xii)すでにa),b)で説明したように通話チャネルと
制御チャネルを兼用する無線機にあっては(A)で説明
した移動無線機50(B,C)と同様に、第1D図に示すよう
に複数個のシンセサイザ35-1〜35-n,36-1〜36-nを有
し、送受信する無線周波数を信号に妨害を与えないよう
な切替速度で通話チャネルと制御チャネルを反復切替え
ることにより、新しく発着呼を希望する移動無線機50
(B,C,D)に対しても発着呼動作を受付け、かつ通話を
可能とする機能を有すること。
つぎにi)〜xii)の機能を複合して使用することに
より、つぎの応用機能を具備している。
1)自己の無線基地局30(B,C)の周辺で作中の他の無
線基地局や、他の移動無線機で使用している無線チャネ
ルをID識別記憶部34Cに記憶させ発呼または通信中チャ
ネルの切替えのときに活用する。
2)x)およびxi)の機能の一つの応用として、通話ト
ラヒックの輻輳時において、発呼の抑圧、使用チャネル
の切断もしくは早期終了勧告の実施。
3)i),vi),vii)の機能を用い、自己の無線基地局3
0における最適送信レベルの設定。
4)3)の機能の一つの応用として、ディジタル信号の
伝送に対し、最適信号速度を決定すること。
5)通信の種類(電話、FAXデータなど)により最適使
用チャネルを決定する。
また、他のゾーンへ移行することにともなう制御機能
としては、 6)通信中チャネル切替希望の移動無線機50(B,C,D)
からの信号にもとづき、受信品質データの連絡および新
無線基地局30(B,C)として選定た場合、交信の開始。
7)関門交換機20に対しては、移動無線機50(B,C,D)
からの要請にもとづき、通話路のスイッチ群23の開閉お
よび通話路の並列使用要求の実施。
8)通話中チャネル切替実施後、一定時間はそれまで通
信していた移動無線機50(B,C,D)のIDおよび通話チャ
ネル番号を記憶する。
9)移動無線機50(B,C,D)よりの位置登録信号(制御
チャネル使用)を受信した各無線基地局30(B,C)より
の報告にもとづき、その移動無線機50(B,C,D)のID
(自己識別情報)を関門交換機20に含まれた通話路制御
部21を介してID識別記憶部24へ記憶する。この場合本発
明では複数の無線基地局30(B,C)より位置登録要求が
なされるから、移動無線機50(B,C,D)で受信した信号
の品質(S/N,C/N等のデシベル値)も合せて記憶する。
10)自移動無線機50(B,C,D)よりの発呼信号(制御チ
ャネル使用)を受信した各無線基地局30(B,C)からの
報告にもとずき、受信信号品質の最も良い無線基地局や
次に良い無線基地局30(B,C)あるいは移動無線機50
(B,C,D)の移動方向や速度等の検出により、移動先ゾ
ーンを見越した新ゾーンの無線基地局30(B,C)を選定
する、これに対しては、その無線基地局に割当てられて
いる無線チャネルの中から自移動無線機50(B,C,D)と
の通信に使用すべきその時点で使われていない通話チャ
ネル番号の指定をする。通信品質の劣化した無線基地局
に対しては、移動無線機50(B,C,D)との交信を停止す
る指令信号を送出する。
以上の制御機能を一言で表現すれば、従来技術におい
て用いられていた第9図の無線回線制御局12の機能の一
部を、無線基地局30(B,C)および移動無線機50(B,C)
へ収容したので、無線回線制御局12の全機能の収容が可
能となり、無線回線制御局12の廃止を可能とした。
しかしながら、従来技術を用いて、無線基地局30をイ
ンテリジェント化したとしても、その効用には限界があ
り、とくに無線回線制御の能力の向上や、通話中チャネ
ル切替時の瞬断の除去には全く効果がなく、本発明によ
る方法を用いてはじめて名実ともにインテリジェント化
されるということになる。
(C)関門交換機20 第1A図に示される構成を有する関門交換機20は、本発
明による移動通信システム内における移動無線機50(B,
C)の位置情報の記憶をし(ID識別記憶部24の機能)、
移動無線機50(B,C)相互間における通話路設定を行
い、通話路制御部21の制御によるスイッチ群23の開閉の
実行、および移動通信システム内の移動無線機50(B,
C)とシステム外の電話網10との発着呼の通話路設定を
行い、通話路制御部21の制御によるスイッチ群23の開閉
の実行を担当する。
以下、関門交換機20の機能を詳細に説明する。
a)移動無線機50(B,C,D)よりの発呼に関連して開閉
すべきスイッチ群23の動作の実行、ならびに被呼者が電
話網10に含まれている場合には、関門交換機20宛の被呼
者との通話設定に必要な情報の伝達。
b)移動無線機50(B,C,D)への着呼信号が電話網10に
含まれている発呼者から自関門交換機20を経て伝送され
てきた場合に、通話路制御部21を介して開閉すべきスイ
ッチ群23の動作の実行、ならびにID識別記憶部24の検索
による被呼移動無線機50(B,C,D)の現在位置確認。
c)移動無線機50(B,C,D)への着呼に関連して、被呼
移動無線機50(B,C,D)の現在位置を登録したゾーンを
カバーする無線基地局30(B,C)への呼出信号の送出指
示。まずこの呼出信号はその移動無線機50(B,C,D)の
現在位置登録がされているすべての無線基地局30(B,
C)へ送出され、これを受けた各無線基地局30(B,C)で
は、下り制御チャネルを用い移動無線機50(B,C,D)宛
の着呼信号を同時刻に送出する。ただしこの送出時刻
は、必ずしも同時刻でなくてもよく、各無線基地局30
(B,C)ごとに時系列的に順次送出してもよい。すなわ
ち信号の時間差による干渉妨害をさける対策が講じられ
ていればよい。
d)自移動無線機50(B,C,D)が通話開始後、システム
内の通信トラヒック事情が許せる場合は、送受信ダイバ
シティ実施の判断および動作遂行の指示。
e)送受信ダイバーシティ実施中の自移動無線機50(B,
C,D)に関し、トラヒックの輻輳あるいは重要加入者の
発呼や広帯域信号サービス希望者がその時刻に現れた場
合には、送受信ダイバーシティの多重度(使用チャネル
数)の減少ないし、ダイバーシティーの停止の判断およ
び実行。
f)a)〜e)項により、通信中の自移動無線機50(B,
C,D)が、場所の移動にともない同一ゾーン内において
も、あるいはゾーンを移行し無線基地局30(B,C)との
通信品質が劣化し場合にはそのチャネルに対し、通信
(話)中チャネル切替の動作遂行の判断。なお、この動
作を遂行するには、対向する無線基地局30(B,C)に対
し制御信号を送る必要があるがこの指示(制御信号)
は、第2図(a)に示すように通話チャネルを用い通話
信号の周波数帯域の上または下側周波帯域を用い行われ
る。
g)移動無線機50(B,C,D)が、移動することにより、
対向して通信中の各無線基地局30(B,C)の受信品質変
化の測定結果を移動無線機50(B,C,D)に報告させるこ
とにより、移動無線機50(B,C,D)の移動方向および移
動速度を推定し、一方別途調査した移動無線機(B,C,
D)の移動方向の無線基地局30(B,C)におけるトラヒッ
ク状態(通話チャネルの使用状態)を総合的に判断し、
必要により、これらの無線基地局30(B,C)と交信中の
移動無線機50(B,C,D)の送受信ダイバーシティの多重
度の逓減または増加の判断を行い実行する。
つぎに、システム全体の作用を、以下の項目順に説明
する。
(1)位置登録 (2)発呼動作 (3)着呼動作 (4)トラヒック閑散時におけるダイバーシティの適用 (5)通話中チャネル切替およびダイバシティ効果の説
明と理論的根拠。
(6)移動無線機の移動方向および移動速度の推定とト
ラヒック輻輳対策上の通話チャネル割当法。
(1)位置登録 移動無線機50(B,C,D)の常置場所であるホーム・エ
リア、あるいはホーム・エリア以外のサービス内のエリ
アであるローム・エリアにおいて、すでに関門交換機20
および周辺の無線基地局30-1〜30-nが動作しているとき
に、移動無線機50(B,C,D)の電源スイッチがオンされ
て、動作を開始すると、最初に行われるのが位置登録動
作である。この位置登録動作の流れを第4A図および第4B
図に示し、説明する。
移動無線機50(B,C,D)の電源スイッチがオンされる
と、現在の位置を登録するための動作を開始する信号が
上り制御チャネル(CH)を用いて、周辺の無線基地局た
とえば30-1〜30-nに対して送出される(S201、第4A
図)。
この移動無線機50(B,C,D)からの動作開始信号を受
信すると(S202)、無線基地局30は移動無線機50(B,C,
D)の動作開始を確認し(S203)、確認したら(S203YE
S)、もし下り制御チャネルがオフの状態にある場合に
は、これをオンにして、位置登録信号送出許可を下り制
御チャネルを用いて送出する(S204)。
位置登録信号送出許可を受信すると(S205)、移動無
線機50(B,C,D)は、上り制御チャネルを用いて、自己
のID(識別番号)を乗せて、位置登録信号を送出する
(S206)。この制御チャネルを用いての交信は、制御チ
ャネル専用の送受信部をもたない、たとえば第1D図に示
す無線基地局30Bにおいても、無線送受信回路46,48がす
でに他の移動無線機との間で使用されている場合であっ
ても、複数チャネルを高速でチョップして同時に送受信
することができるから、常時確保されている。
位置登録信号を受信すると(S207)、無線基地局30
(B,C)では、受信品質を検査し、ID識別記憶部34にID
を記憶する(S208)。受信品質を検査した結果一定値以
上である場合には(S209YES、第4B図)、位置登録要求
信号を開門交換機20に対して送出する(S210)。この登
録要求信号を受信した(S211)関門交換機20では、複数
の無線基地局30-1〜30-nに受信品質および位置が記憶さ
れていることを登録する(S212)。この登録作業が完了
すると、登録完了信号が送出される(S213)。この登録
完了信号を受信した無線基地局30(B,C)では、下り制
御チャネルを用いて移動無線機50(B,C,D)に転送す
る。
登録完了信号を受信した(S215)移動無線機50(B,C,
D)は、受信内容を検査して登録された各無線基地局30
(B,C)のID(識別番号)をIDローム・エリア情報照合
記憶部54に記憶する(S216)。
以上の動作により位置の登録動作は終了し、着呼に対
して待機状態に入る。
なお、以上の説明から明らかなように本発明による移
動通信システムの移動無線機50(B,C,D)の位置登録
は、従来のシステムと異なり複数の場所(無線基地局単
位)に登録することとなる。これが本発明の1つの特徴
を表わすものである。また、無線基地局30(B,C)、お
よび関門交換機20では、位置登録情報を記憶する場合
に、移動無線機50(B,C,D)から送られてきた位置登録
信号の品質を測定し、その値を含めて記憶する。それゆ
え、たとえば関門交換機20では、移動無線機30(B,C,
D)の位置登録信号を記憶するのに、受信品質の上位だ
った無線基地局30(B,C)のIDとともに、たとえば、つ
ぎに示すように受信品質の良い順に記憶する。
同様に各無線基地局も自無線基地局30(B,C)が受信
した情報のみならず、第1表に示すような周辺の無線基
地局の受信情報も合せて記憶する。これは移動無線機50
(B,C,D)との間で通話路が設定されたとき移動無線機5
0(B,C,D)の移動にともなう通話(信)中チャネル切替
実施のときに有用な情報であるばかりでなく、移動無線
機50(B,C,D)の移動方向、速度などを推定するのに必
要だからである。
上記と同様な理由のために、移動無線機50(B,C,D)
内のIDローム・エリア情報照合記憶部54においても、第
1表と同じく情報を記憶する。
つぎに移動無線機50(B,C,D)が待受中(通話しない
状態)において位置登録したゾーンから移動し、隣接ゾ
ーンへ移行したとする。この移動の認識は、たとえば無
線基地局30(B,C)から常時制御信号が送出されている
システムでは、受信した制御信号に含まれている無線基
地局30(B,C)のIDを自移動無線機50(B,C,D)で記憶し
ているIDと照合すれば判別できる。
無線基地局30(B,C,D)から常時には制御信号が送出
されていないシステムでは、所定の時間間隔で移動無線
機50(B,C,D)から周辺の無線基地局30(B,C)宛に上り
制御チャネルを用いて下り制御信号送出要請を行い、こ
れに応じて各無線基地局30(B,C)から送られてきた無
線基地局30(B,C)のIDを移動無線機50(B,C,D)で記憶
しているID情報と照合することにより可能となる。
以上いずれのシステムにおいても、この結果得られた
無線基地局30(B,C)のID情報のうち、それまで自移動
無線機50(B,C,D)で記憶していた基地局ID情報と異な
る新しい基地局ID情報がすくなくとも1つ以上あること
を発見した場合には、自移動無線機50(B,C,D)は新ゾ
ーンへ移行したものと判断し、制御部58(B,C)(第1B
図参照)は、IDローム・エリア情報照合記憶部54への位
置登録の更新を実行する。すなわち上り制御チャネルを
用いて自移動無線機50(B,C,D)のID情報を周辺の無線
基地局30(B,C)へ送信する。
この信号を良好に受信した複数の無線基地局30(B,
C)では、すでに説明したのと同様の手続きを行い、関
門交換機20へ移動無線機50(B,C,D)の位置登録信号を
送出する。この信号を受信した関門交換機20では、自装
置内のID識別記憶部24を動作させ移動無線機50(B,C,
D)の位置登録情報として、従来の情報から、新情報に
書きかえさせる。これにより、移動無線機50(B,C,D)
の位置登録が更新される。
以上の更新作業は移動無線機50(B,C,D)が待受時で
あるから必要なのであり、通信(話)中に新ゾーンへ移
動した場合には、後述するように、関門交換機20へは新
通話チャネルの割当を新無線基地局(B,C)と移動無線
機50(B,C,D)との間で行わせる時、同時に位置登録を
更新させるので、特別の動作は不要である。
なお、無線基地局30(B,C)に設置される無線機の数
が少なく、制御チャネル用の無線機を通話チャネル用に
転用するシステムにおいては、無線基地局30(B,C)が
他の移動無線機50(B,C,D)と通信中のときは、従来技
術を用いたのでは、他に待機中の無線機がないため、た
とえ別の移動無線機から位置登録要求が出されても、無
効呼となっていた。ところが移動無線機の構成として、
たとえば第1B図に示すような複数のシンセサイザ55-1〜
55-n,56-1〜56-nや切替スイッチ64-1,64-2などを具備さ
せることにより、送受信チャネルをチョップしながら反
復して切替える方法により、すでに他の移動無線機と通
信中であっても、新しく着呼した移動無線機との制御チ
ャネルによる交信が可能である。したがって位置登録を
受付けることが可能となる (2)発呼動作 移動無線機50(B,C,D)からの発呼動作について説明
する。
移動無線機50(B,C,D)は電限がオンされており、
(1)項で説明した位置登録が完了しているものとす
る。移動無線機50(B,C,D)から同一システム内の他の
移動無線機、あるいは第1A図に示されている電話網10に
収容されている電話機を呼ぶ場合の発呼動作は、現在使
用されている自動車電話機からの発呼と同様にダイアル
操作が行われる。
さて、使用者が第1B図に示される移動無線機50の電話
機部59の送受話機をあげる(ハング・オフ)動作をす
る。この状態では、移動無線機50から送出する発呼信号
が、どのタイミングで上り制御チャネル(移動無線機50
から無線基地局30(B,C))に送出すべきかを、自移動
無線機50の制御部58は知っている。それは発呼状態以前
の待呼時において、すでに複数の無線基地局30(B,C)
から送出されている下り制御チャネル(無線基地局30
(B,C)から移動無線機50)を、この移動無線機50は捕
捉しており、この中に含まれている制御信号の発呼可の
タイミングを認知しているからである。
また移動無線機50では、第1B図に示す全機能が活動状
態にはいる。とくに、シンセサイザ55-1,55-2,…,55-n
に対しては局部発振周波数発振の準備をさせるが、切替
スイッチ64-1はシンセサイザ55-1を選択する位置に固定
する状態を保持する。また、シンセサイザ55-1に対して
制御部58では制御信号を送出し、下り制御チャネル受信
のための局部発振周波数を発振させる。一方、移動無線
機50の周辺にある無線基地局30-1,30-2,…,30-nでは、
その無線基地局には無線機が1台しか存在していない場
合、他の移動無線機と通信中か否かにより、つぎの動作
で移動無線機50からの上り制御信号の受信につとめてい
る。
まず、その時点で他の移動無線機と通信中の無線基地
局30(B,C)では、その無線基地局30(B,C)にある受信
および送信切替用制御器65C,67C、およびシンセサイザ5
5-1,55-2,56-1,56-2が動作中であり、このうち55-1,56-
1は他の移動無線機との通信に必要な局部発振周波数を
出力し、シンセサイザ55-2および56-2は制御チャネルで
の交信を必要とする局部発振周波数を出力している。そ
れゆえ、自無線基地局30(B,C)の近傍に居る移動無線
機50からの発呼には、直ちに応じられる状態を保ってい
る。
つぎに、その時点で他の移動無線機との通信もなく、
制御チャネルで待機中の無線基地局30(B,C)にあって
は、無線受信回路68の受信状態を制御チャネルを受信で
きるようにして固定している。したがって無線送信回路
66などは休止中であり、単に無線受信回路68、シンセサ
イザ55-1のみが動作中である。
さて、以上の状態の下において移動無線機50から発呼
要求信号が送信される。この自移動無線機50のIDを含む
発呼要求信号は、第1B図の制御部58で作成され、無線送
信回路66へ送られる。無線送信回路66では変調が加えら
れ、適当なレベルにに増幅後、送信ミクサ61からアンテ
ナに加えられ無線基地局30-1等へ送られる。
この信号を良好に受信した無線基地局30-1等において
は、受信信号の内容を検査して、自無線基地局30-1のID
識別記憶部34に記憶され、位置登録の完了している移動
無線機50からの発呼であることを確認し、自無線基地局
30-1で受信した受信品質の数値および空チャネル番号を
加えて、発呼してきた移動無線機50へ返信し、移動無線
機50が使用すべき通話チャネル番号を決定するように要
請する。もし自無線基地局30-1の記憶部34に記憶されて
いない移動無線機であれば、この時点で記憶し、この追
加した情報を移動無線機50へ返信する。ただし、この場
合返信のタイミングは、他の無線基地局からの返信に干
渉妨害を与えないように前述したような受信品質と関連
したものとする。
一方、これら周辺の無線基地局30-1,30-2,…,30-nか
らの応答信号を受信した移動無線機50では、その時点に
おける通話トラヒック状態を考慮し、ダイバーシティ送
受信すべき無線基地局の数を決定する。すなわち無線基
地局30-1,30-2,…,30-nからの応答信号の内容を検査
し、通話品質が一定の規格を満足しているもののうちか
ら、自移動無線機50の移動方向や速度、自移動無線機50
に具備されているダイバーシティ送受信可能な多重度、
電波妨害を発生するおそれのない空通話チャネルおよび
周辺のトラヒック状態等から、無線基地局30-1,30-2お
よび30-nと通信することを決断したとする。この場合自
移動無線機50では上り制御チャネルを用い、無線基地局
30-1,30-2および30-nに対し、それぞれ使用する通話チ
ャネル番号を通知し、同番号のチャネルで待機するよう
要求する。
これら無線基地局30-1等では、制御信号に指示された
タイミングをもって、それぞれ無線基地局30-1〜30-nが
指示された通話チャネルで待機中であることを報告す
る。
上述の複数の無線基地局30-1〜30-nからの移動無線機
50への報告(送信)は同時期に送信しても差支えない。
ただし、この場合、帯域外にそれぞれ占有周波数帯を異
ならせ、どの無線基地局30から送信されたかを移動無線
機50で識別させることが必要になる。
以上、発呼動作の流れを、第5A図および第5B図に示し
説明する。ただし移動無線機50と通信する無線基地局30
は1局(30-1)だけ示した。関門交換機20および無線基
地局30-1はすでに動作を開始しており、移動無線機50も
動作を開始して、第4A図,第4B図で説明した位置登録作
業を終了している。送受話機があげられて(オフ・フッ
ク)、上り制御チャネル(CH)を用いてこのオフ・フッ
ク信号と、移動無線機50のID(識別番号)が送出される
(S231、第5A図)。
これを受けた無線基地局30-1では、移動無線機50のID
を検出し、ID識別記憶部34にすでに記憶されているもの
であることを確認する(S232)。
そこで無線基地局30-1は、移動無線機50から受信した
受信品質の値および現在の空チャネル番号を加えて発呼
応答信号として下り制御チャネルを用いて送出する(S2
33)。
このような発呼応答信号を複数の無線基地局30から受
けた移動無線機50は各無線基地局30からの受信品質の値
を検討し、ダイバーシティ送受信可能な、たとえば無線
基地局30-1〜30-nを選択し、空チャネルを確認し(S23
4)、使用する通話チャネルを指定する信号を送出する
(S235)。ここで、無線基地局30-1に対してはチャネル
CH1を送出する。無線基地局30-1では、移動無線機50が
指定してきた通話チャネルが空いていることを確認し
て、そのチャネルに切替えて(S236)、チャネル切替完
了報告を下り制御チャネルを用いて送出する(S237)。
この切替完了報告を受けて(S238)、移動無線機50で
は、指定した通話チャネルでダイヤル・トーンを持つ
(S239)。
一方、無線基地局30-1では、関門交換機20に対して発
呼信号を送出する(S240)。これを受けた関門交換機20
は、移動無線機50のIDや、通信品質をID識別記憶部24に
記憶し、通話路制御部21の制御によりスイッチ群23の、
たとえばSW1-1をオンして無線基地局30-1を電話網10の
交換機11に接続する(S241)。
そこで交換機11側からは、関門交換機20のスィツチ群
23を介してダイアル・トーンが送出される(S242、第5B
図)。
このダイアル・トーンは無線基地局30-1でチャネルCH
1(下り)により転送されて(S243)、移動無線機50で
受信され、通話(信)が設定されたことを確認する(S2
44)。移動無線機50は、宛先のダイアル信号をチャネル
CH1(上り)を用いて送出し(S245)、交換機11が動作
して電話網10の宛先までの通話(信)路が設定される
(S247)。この後通話がなされる(S248)。
通話が完了すると、送受話器がオン・フックされて
(S249)、オン・フック信号と終話信号が移動無線機50
からチャネルCH1(上り)を用いて送出される(S25
0)。これにより無線基地局30-1は終話を確認し(S25
1)、終話を関門交換機20に伝える。そこで関門交換機2
0では、スイッチ群23のスイッチSW1-1をオフにし、通話
が終了する(S252)。
(3)着呼動作 以上は移動無線機50からの発呼について本発明を説明
したが、以下移動無線機50への着呼の動作の流れを第6A
図および第6B図を用いて説明する。ここでは多くの無線
基地局30のうち、30-1を代表して示した。たとえば無線
基地局30-1などの近傍に存在する移動無線機50等はすべ
ての無線基地局30で共通して使用する制御チャネルで待
受けている。
第1A図において電話網10から関門交換機20に移動無線
機50宛の着呼信号が入来したとする。関門交換機20内の
ID識別記憶部24では、入来した着呼信号を検査し、被呼
者のIDを調べたところ現在位置登録されている無線基地
局30(複数)が検索されたとする。すると通信制御部21
を経由して移動無線機50が位置登録されているすべての
無線基地局30宛に着呼信号を同時に送出する(S271、第
6A図)。
この信号を受信した各無線基地局30では、自局内のID
識別記憶部34(C)を検索し移動無線機50のIDがそこに
記憶されていることを確認すると、下り制御チャネルを
用いて、移動無線機50宛に着呼および通話チャネル指定
要請の信号を自無線基地局30-1のIDを加えて送出する。
他の無線基地局30にも同様な動作で移動無線機50を実質
的に同一時刻に呼出すことになる(S272)。
一方、この着呼信号は制御チャネルで待受中の移動無
線機50で受信され、受信信号の品質や信号の内容を検索
し、自移動無線機50宛の着呼信号であることを確認した
後は(S273)、自移動無線機50が近傍の通話トラヒック
状態を考慮の上、それぞれ無線基地局30-1,30-2,…,30-
nと通信可能な通話チャネルを決定し、上り制御チャネ
ルを用いて、無線基地局30-1,30-2,…30-n宛に送信する
(S274)。またこれと同時に自移動無線機50(第1B図)
内の各シンセサイザ55-1,55-2および56-1,56-2,…,56-n
や切替スイッチ64-1,64-2と受信および送信切替制御器6
5Cおよび67Cを動作させ、たとえば通話チャネルCH1(無
線基地局30-1用)、通話チャネルCH2(無線基地局30-2
用)、……,通話チャネルn(無線基地局30-n用)で送
受信可能な状態に移行させる。自移動無線機50からの上
り制御チャネルを受信した各無線基地局30-1〜30-nで
は、受信信号の品質を検査し、発信した移動無線機50の
IDを確認して(S275)、着呼応答信号を関門交換機20に
対して送出する(S276)。
この関門交換機20への着呼応答信号には、通話路設定
のためのスイッチ群23への信号も含まれている。そこで
この着呼応答信号を受けると、関門交換機20では、移動
無線機50のIDがすでにID識別記憶部24に記憶されている
か否かを確認し、記憶されていない場合には、無線基地
局30-1の品質検査のデータとともにID識別記憶部24に登
録し(S277)、この記憶したIDなどを含む応答確認信号
を無線基地局30-1などへ送出する(S278)。
この応答確認信号を受けた無線基地局30-1では、移動
無線機50のIDが正しく登録されたことを確認し(S27
9)、移動無線機50から指定されたチャネルが空いてい
るか否かを確認して切替えの可否を検討し(S280、第6B
図)、その結果である切替え認否の信号を下り制御チャ
ネルで移動無線機50に送出する(S281)。
この切替え認否の信号を受信した(S282)移動無線機
50では、空きチャネルが無いために、指定したチャネル
の切替えが認められない場合には(S283NO)、ステップ
S274にもどり、別の通話チャネルを指定する(S274)。
指定したチャネルが空きチャネルであり、切替えが認め
られた場合には(S283YES)、そのチャネルに切替え
て、チャネル切替完了報告を上り制御チャネルを用いて
送出する(S284)。
空きチャネルに切替えられたことを確認した(S285)
無線基地局30-1では、このチャネルに切替えて、チャネ
ル切替完了信号を関門交換機20に対して送出する(S28
6)。
関門交換機20では、チャネル切替完了信号を受ける
と、交換機11を介して電話網10への通話路を設定するた
めに、通話路制御部21を動作させてスイッチ群23のたと
えばSW1-1をオンにして、無線基地局30-1と電話網10と
を接続する(S287)。そこで電話網10側からは関門交換
機20を介して呼出信号が送出され(S288、第6C図)、こ
れを無線基地局30-1で確認する(S289)。そこで呼出ベ
ル信号を設定された通話チャネルCH1で送出し、移動無
線機50で呼出音を発生する(S291)。
この呼出音により移動無線機50側の送受話器が持ち上
げられる(オフ・フック)と(S292)、チャネルCH1で
オフ・フック信号が送出され、無線基地局30-1で転送さ
れて(S293)、関門交換機20に受信されて(S294)、電
話網10と移動無線機50との間で通話が開始される(S29
5)。
通話が終了すると、送受話器がおろされ、オン・フッ
ク信号と終話信号がチャネルCH1により無線基地局30-1
に送られ(S296)、終話を確認した無線基地局30-1で
は、この信号を転送する(S297)。このオン・フック信
号および終話信号を受けた関門交換機20は、通話路制御
部21を動作せしめてスイッチ群23のSW1-1をオフして終
話する(S298)。
以上の説明において、無線基地局30-1に設置された制
御用の送受信機を通話チャネル用に転用するシステムに
おいても、移動無線機の構成で説明したような送受信チ
ャネルを時間的に反復切替える方法により、すでに第3
の移動無線機と通信中であっても、新しく着呼した移動
無線機と制御チャネルを用いて交信することが可能であ
る(第1D図,参照)。
すでに説明した(2)発呼動作および(3)着呼動作
に例示したシステムでは、無線チャネルとして、制御用
の専用の無線チャネルと通話専用の無線チャネルとが明
確に分けられているものであった。しか実際のシステム
では、この区別が明確でないものもある。そのようなシ
ステムにおいては、特定の通話チャネルを以上に説明し
た制御チャネルに見立てて同等の動作を行わせることが
可能である。
(4)トラヒック閑散時におけるダイバーシティの適用 (2)項および(3)項で説明したような発着呼動作
により、電話網10内の一般の電話機Aと移動無線機50と
の間で(あるいはシステム内の2つの移動無線機間で)
通信が開始されたとする。この場合移無線機50が通信す
る無線基地局30は1つで、かつシステム内の通信トラヒ
ック状態、すくなくとも移動無線機50の近傍におけるト
ラヒック状態は、ビジー・アワーすなわち最繁時ではな
いとする(無線基地局30の数が2またはそれ以上の場合
でも同様に実施可能である)。
すると移動無線機50では、ダイバーシティ送受信を行
う準備を開始する。そのため第1B図に示す移動無線機50
内の制御部58は送信切替用制御器67Cおよび受信切替用
制御器65Cのそれぞれに対し、動作開始指令信号を送る
とともに、現在動作中のシンセサイザ55-1および56-1の
他にシンセサイザ55-nおよび56-nに対し制御チャネルCH
50が送受信可能なように、周波数発振を要求する。同時
に制御部58では無線送信回路66に対し、制御信号の送出
を開始する。この制御信号には、移動無線機50のID、通
信の種類(音声、データ等の種別)、現在使用中のチャ
ネル番号を含み、かつこれを受信した周辺の現在通信中
でない無線基地局30に対しダイバーシティ送受信の動作
開始を要求する。ただし以上の無線基地局30に対する条
件は、もしその無線基地局30が、第1D図または第1E図,
第1F図に示されたような構成がなされている場合には、
第3者の移動無線機と通信中であってもさらに新しく移
動無線機と通話が可能であるのでこの条件を緩和するこ
とが可能である。
以上の動作により、移動無線機50の送信ミクサ61の出
力には、現在通信中のチャネルCH1の他に、制御チャネ
ルCH50による送信が得られ、一方受信ミクサ63へは現在
通話中の通話チャネルCH1の受信の外に制御チャネルの
受信も可能になる。これは(5)項の通話中チャネル切
替の動作で詳細に説明されている。
移動無線機50から送信された制御信号は最寄りの複数
の現在通信中でない無線基地局30-2,30-3,…,30-nで受
信される。すると、この中の1つである無線基地局30-2
では、受信信号の品質や信号の内容を検査した結果、移
動無線機50から受信した信号の品質が一定値以上であ
り、かつ直ちに通信品質が低下することはなく、干渉妨
害の発生の可能性もないと判断したときは、送信してき
た移動無線機50に対し自無線基地局30-2のID、使用可能
な無線チャネル番号(たとえばCH2)等を含む制御信号
を移動無線機50宛に送信し、ダイバーシティ送受信可能
の報告を行う。
この信号は移動無線機50の無線受信回路68で受信さ
れ、制御部58に伝達される。これを受信した制御部58で
は、無線基地局30-2から送られてきた信号を吟味した結
果、ダイバーシティ送受信を行うことが適切であると判
断し、シンセサイザ55-2および56-2に対し、チャネルCH
2で通信を無線基地局30-2との間で開始するために、局
部発振周波数の発生を要求する。また無線基地局30-2へ
は、関門交換機20内の通話路制御部21に対し、スイッチ
群23を動作させ現在通信中の通話信号を無線基地局30-2
に対しても並列送出することを要求する。
この要求を受けた関門交換機20では、無線基地局30-2
の要請にしたがい、音声信号すなわち一般の電話機から
の音声信号を無線基地局30-1のみでなく同30-2宛にも同
一信号で送出を開始する。
この音声信号を受信した無線基地局30-2では、移動無
線機50宛に自無線基地局30-2のID等を加え無線チャネル
CH2で送出する。一方、移動無線機50では無線チャネルC
H2の受信が可能な状態になっているので、この信号を受
信した無線受信回路68の出力を通信品質監視部57で検査
した後、品質が良好であれば音声信号は電話機部59へ、
制御信号は制御部58へ伝達される。
以上の動作を実行することにより、移動無線機50は無
線基地局30-1および30-2との間でダイバーシティ送受信
状態に入ることになる。
上述した移動無線機50から、その周辺にある無線基地
局30へ向けて送信されたダイバーシティ送受信実施要求
信号は、無線基地局30-2以外の無線局30-3,30-4,…,30-
nでも同様に受信しており、これらのうち条件に適する
無線基地局は、30-1と同様の応答信号を移動無線機50に
送信しているはずである。
それゆえ、移動無線機50の制御部58または関門交換機
20では、さらに多数の無線基地局との間でダイバーシテ
ィ送受信を行いたい場合には、上述した無線基地局30-2
との間でダイバーシティ送受信したときと全く同様の動
作を行って、すべての動作が正常に働くと、たとえば無
線基地局30-3との間にダイバーシティ送受信が開始され
る。
以下、上記と同様な動作により移動無線機50の最寄り
にあり現在通信中でなく、かつ通信品質がシステムに要
求されている一定の基準以上を満たす無線基地局30-3,3
0-4,…,30-nに対しても、同様にダイバーシティ送受信
が開始される。そして、ダイバーシティの多重度は、交
信可能な無線基地局30の数あるいは移動無線機50内に具
備されている同時送受信可能な多重度数、すなわち第1B
図の場合はシンセサイザ55-1〜55-nまたは56-1〜56-nの
nの数に左右される。
また以上の説明ではシステム内の通話トラヒックが混
んでいない場合を想定したが、トラヒック状態は各無線
基地局30あるいは自移動無線機50で測定されており、ト
ラヒックが順次輻輳してきた場合には、ダイバーシティ
の多重度に関し、順次制限が加えられ、最繁時には、多
重度1なすわちダイバーシティなしの状態にまで移行す
ることになる。ただし通信されている通信の種類(音
声、データ、ファクシミリ等の別)により多重度の低減
に差別を設けることにより、広帯域通信ほど多重度の制
限を受けにくくする等、システム的処理が可能となり、
通信の種類にかかわらず良好な通信の確保が可能となる
等の特徴を本発明は有している。
(5)通話中チャネル切替およびダイバーシティ効果の
説明と理論的根拠 n−1個の無線基地局30と1個の移動無線機50とが、
n−1個のチャネルを用いて交信している最中に、その
中のあるチャネルにおける通信の品質が一定値以下にな
った場合には、一定の通信品質を満足する現在通信して
いない他の1つの無線基地局30との間で他の1つのチャ
ネル(新チャネル)に切替えて交信するために先立っ
て、切替受信手段と切替送信手段とを通信信号に影響を
与えない速度で切替えて、継続して送受信中のn−2個
のチャネル以外の旧チャネルと新チャネルを一時的に並
行して送受信するようにし、その間に新チャネルの品質
を調査して一定レベル以上であることを確認すると、チ
ャネル切替のための動作を終了して、新チャネルを含む
n−1個の無線チャネルによって交信するようにした。
したがってチャネル切替による通信の瞬断を生ずること
がなくなった。このほか、チャネル切替を実施しない場
合を含めて送受信ダイバーシティ効果を得ることが可能
となった。
第1A図ないし第1I図は、この動作の一例を説明するた
めのシステム構成を示している。以下これらの図を参照
して説明する。
移動無線機50(B,C,D)(以下、単に50と略す)は、
シンセサイザ55-1,55-2,…,55−(n−1)と無線受信
回路68と無線送信回路66を用いて無線基地局30-1,30-2,
…,30−(n−1)と通話チャネルCH1,CH2,…,CH(n−
1)を用いて交信中であるとする。移動無線機50は、無
線基地局30-1から遠ざかり、無線基地局30-nへ近づいた
とする。すると移動無線機50と無線基地局30-1とのあい
だの相対距離の増大にともない、通話品質が劣化をはじ
めるので、これを移動無線機50の通信品質監視部56が検
出する(レベルL1以下に低下したことを検出する)。な
お、レベルL1といえども回線が要求されている値を上回
るように設定されている。
移動無線機50は周辺にあるすべての無線基地局30に対
し、移動無線機50の送信信号の品質を測定するように要
求する。この要求に応じ現在移動無線機50と通信を行っ
ていない各無線基地局30は、測定値を移動無線機50宛に
報告する。
この場合、自己の移動無線機50の送信アンテナから送
出される信号は、無線基地局30-1,30-2,…,30−(n−
1)宛の通話信号を継続的に送信するかたわら、上り
(移動無線機50から無線基地局30へ)制御チャネル(CH
50)により基地局30-1,30-2,…,30−(n−1)の周辺
にある無線基地局(たとえば30-n)に対し受信状態が良
好ならば、下り(無線基地局30から移動無線機50へ)制
御チャネル(CH50)を用いて応答するように要求する。
移動無線機50から送出する制御信号の内容には、以下
に示す信号が含まれている。
i)自移動無線機50のID。
ii)現在通話中の相手無線基地局30-1,30-2,…,30−
(n−1)のIDおよび受信品質。
iii)現在使用中のチャネル番号。
iv)通信の種類(電話、FAX、データ等)。
v)サービス種別。
このような内容を含む制御信号は、周辺にある複数の
無線基地局30で受信される。
すなわち、これらの無線基地局30は、別の移動無線機
と交信中の場合を除いては、待受時には、各システムで
定められた制御チャネル(たとえばCH50)で受信待機中
であり、各無線基地局30で受信される。同時にこれを受
信した各無線基地局30に設置されている通信品質監視部
36で通信の品質が検査され、一定の品質以上であれば相
手方の移動無線機50のIDを無線基地局30内のID識別記憶
部34に記憶するとともに制御部38へ通知する。この通知
の内容には、つぎに示すものが含まれている。
a)送信してきた移動無線機50のID。
b)移動無線機50が現在通信中である相手側無線基地局
30-1,30-2,…,30−(n−1)のID。
c)使用しているチャネル番号。
d)通信の種類。
e)受信状態(S/NまたはC/N(キャリア対ノイズ比)あ
るいはディジタル信号の場合は平均ビット誤り率)。
f)サービス種別。
この信号を受けた制御部38では、その内容を検査し、
自己の無線基地局30-nが記憶している通信可能な空チャ
ネルを検索する。この結果、移動無線機50が希望してい
るサービスの種類を満たす空チャネルがあり、かつ通信
品質としてチャネル切替後も一定期間所要通信品質を確
保し得ると判断した場合は、自己の無線基地局30-nより
移動無線機50に対し、受信状態を知らせることを決定す
る。そのために、まず関門交換機20の通話路制御部21に
対し自己のID、送信してきた移動無線機50のIDおよびそ
の通信中の相手の無線基地局30-1,30-2,…,30−(n−
1)のIDなどを送信し、スイッチ群23のスイッチSW1-1,
1−2,1−nとを同時にオンの状態にし、無線基地局30-n
に対しても、無線基地局30-1,30-2,…,30−(n−1)
(以下30-1等と省略する)と同一の通話信号の送出を要
請する。ただし、この動作は後述するように、無線伝送
路で使用する信号の変調形式が振幅変調波の場合、ある
いは浅い変調の周波数変調の場合は、省略することが可
能である。
つぎに無線基地局30-nに対する無線基地局30-1等と同
一の通話信号の送出要請に対する通話信号の送出時期に
関しては、e)の受信状態により、送信のタイミングを
決定する。すなわち、受信状態が極めて良好で、たとえ
ばC/N=40dB以上であれば直ちに送信し、C/N=39〜30dB
のときは2秒後、C/N=29〜20dBのときは4秒後、C/N=
19〜15のときは6秒後など一定の時間経過後に送信する
ようにシステム内で定められた手順により受信C/N値に
従って、返信のタイミングを異ならせて前記移動無線機
50へ送信する。このタイミングをとる理由は、他の無線
基地局30との同時制御信号の送信による干渉妨害を未然
に防止するためと、制御信号を受信する移動無線機50
が、受信状態のよい無線基地局30-n等を選択し易くする
ためである。
さて、無線基地局30-nから前記移動無線機50に対し送
信する信号には、つぎの内容が含まれている。
1]通話信号……関門交換機20から得た下り(電話網10
内の電話機から移動無線機50への)通話信号。
これは、現在の無線基地局30-1等から移動無線機50に
対し送信中の通話信号と全く同一である。また無線基地
局30-nの送信部31に含まれている変調器で行われる信号
波の変調レベルも無線基地局30-1等の場合と同一に設定
される。
2]制御信号……これには、つぎの信号が含まれてい
る。
2−1)自己の無線基地局30-nが受信した移動無線機50
のID。
2−2)自己の無線基地局30-nのID。
2−3)自己の無線基地局30-nで使用可能(干渉妨害の
ない)でかつサービス区別や通信の種類に合致した通話
チャネル番号。
2−4)受信状態(受信C/N値等) 無線基地局30-nが送信したこのような情報を含む制御
信号は、移動無線機50で受信される。
このようにして各無線基地局30-n等から送られてきた
C/N値等の情報を得た移動無線機50の制御部58では、こ
れら複数の情報を比較したところ無線基地局30-nの測定
結果が最も値が良く、かつ品質基準のレベルL2以上、た
だしL2>L1を満足している事が確認されたとすると、移
動無線機50は、無線基地局30-nの通話ゾーン(ゾーン
n)近傍へ接近したと判断し、チャネル切替を行うこと
を決断する。
そして、ゾーンnで空いている通話チャネルをIDおよ
びロームエリア情報照合記憶部54を検査して調査した結
果、無線基地局30-nから連絡のあった通り、チャルCHn
が使用可能であることを知る。そこで上り制御チャネル
を用いて、制御信号により無線基地局30-nに対し、チャ
ネルCHnで送受信を行うように指示するとともに、無線
基地局30-nを経由して関門交換機20に対しスイッチ群23
のスイッチSW1-1とSW1-2,SW1−(n−1)のほかにSW1-
nを同時にオンの状態にし、無線基地局30-nに対して
も、無線基地局30-1,30-2,…,30−(n−1)と同一の
通話信号の送出を開始するように要請する。
これらの要請を受けた関門交換機20では、スイッチ群
23のSW1-nもオンの状態にし、無線基地局30-nは通話チ
ャネルnを用い音声信号の送出を開始する。この場合、
当然のことながら無線基地局の変調器の変調の深さも他
の無線基地局30-2,30-3,…,30-nと同一とする。
この制御信号の伝送を実現するために、具体的には、
制御信号がアナログ信号の場合、すでに説明した第2図
(a)に示すように、通話チャネルの帯域0.3〜3.0KHz
外の低い周波数fD0(たとえば約100Hz)または高い周波
数fD1,fD2,fD3…FD8(たとえば3.8KHzから0.1KHz間隔で
4.5KHzまでの8波、ただし、n=8のとき)を用いる。
制御すべき項目すなわち制御データが多いときには、
制御用の周波数fD0〜fD8の波数をさらに増加させてもよ
いし、副搬送波形式をとることも可能である。このと
き、たとえばfD0〜fD8のうちの1波あるいは複数の波に
周波数変調をかけたり、あるいは振幅変調をかけたりす
ることによって、より多くの制御データを伝送すること
もできる。
また、制御信号としてディジタル・データ信号を用い
た場合には、音声信号もディジタル符号化して、両者を
時分割多重化して伝送することも可能であり、これをす
でに説明した第2図(b)に示すようにする。
第3図に、第1A図,第1B図および第1C図に示した本シ
ステムのチャネル切替の前後におけるタイミング・チャ
ートを示す。
チャネル切替動作を説明している第3図において、無
線基地局30-1と移動無線機50との間で用いているチャネ
ルCH1の品質がレベルL1以下に低下したことを無線基地
局30-1あるいは移動無線機50の通信品質監視部37,ある
いは57が検出し、上述したプロセスによりチャネルCHn
で無線基地局30-nからの送信電波を並行して受信可能と
するための準備を始める。
すなわち、移動無線機50の制御部58は、それまでシン
セサイザ55-1,55-2,…,55−(n−1)を使用して、チ
ャネルCH1による無線基地局30-1の送信波,チャネルCH2
による無線基地局30-2の送信波,……,チャネルCHn-1
による無線基地局30−(n−1)の送信波を受信してい
る状態から、シンセサイザ55-nも動作せしめて、無線基
地局30-nから送信されるチャネルCHnの送信波も受信可
能とするような、周波数をシンセサイザ55-nに発生せし
める。
かくして、無線基地局30-1から送信されているチャネ
ルCH1の品質低下により、無線基地局30-1との交信が停
止されようとしているとき、無線基地局30-nとチャネル
CHnによる交信が開始される。すなわち、移動無線機50
では、受信切替用制御器65Cから切替駆動入力信号を受
けている切替スイッチ64-1の反復切替を継続させる。こ
れと同時に、それまでシンセサイザ56-1,56-2,…,56−
(n−1)を動作せしめて、チャネルCH1〜CHn-1を用い
て無線基地局30-1〜30−(n−1)に送信していた状態
から、シンセサイザ55-nも動作させて、無線基地局30-n
に対してチャネルCHnにより送信することができる状態
に移行させる。この送信に使用されるシンセサイザ56-
1,56-2…,56-nの出力は、切替スイッチ64-2によって、
送信切替用制御器67Cからの切替駆動入力信号で反復切
替が行われる。
チャネルCH1とCH2,……,CHnとが並行して送受信され
るこの切替送受信期間は、チャネルCHnの確認と同チャ
ネルの品質が一定のレベルL2以上であることを移動無線
機50が確認するまで続けられ、その後はチャネルCH1を
開放し、無線基地局30-2,30-3,…,30-nと移動無線機50
との間の交信は、チャネルCH2,CH3,…,CHnのみにより瞬
断なく継続される。
この切替送受信期間における切替スイッチ64-1,64-2
の切替周波数f1は、たとえば信号に含まれている最高周
波数の2n倍以上等に定められる。以下、これについて詳
細に説明する。
切替周波数は、下記の諸条件を考慮し、最適値が定め
られる。
1)伝送すべき信号の変調形式 2)伝送すべき信号周波数帯域 3)伝送すべき制御用周波数帯域 4)送受信部の帯域特性、とくにアンテナ入力端に設置
される高周波濾波器の帯域特性 5)切替用制御器の波形特性 6)周波数シンセサイザの応答特性 7)搬送波用周波数とシステム内の使用チャネル数 8)伝送路の電波伝搬特性 9)関門交換機20から無線基地局30-1を介して移動無線
機50までの信号の伝送路と無線系制御装置20から無線基
地局30-2を介して移動無線機50までの信号の伝送路の差
による伝送遅延時間差 たとえば、1)が周波数変調,2)が音声信号の場合0.
3〜3.0KHz,3)として第2図(a)に示す帯域外による
制御信号を用いる場合には、0.3KHz以下(fD0)か3.8〜
4.5KHz(fD1,fD2……fD8)となる。4)の特性として、
通過帯域幅が16KHz(または、8KHz)、5)の特性とし
て6)におけるシンセサイザの応答特性が良好であり、
出力波形が良好であることに留意して選定すべきであ
り、用いられるシンセサイザは5)の切替用制御器の入
力により可急的に急速な応答特性が望まれる。
7)〜9)はシステム設計上から考慮される項目であ
るが、本発明の実施例として説明する自動車電話用シス
テムでは、7)は900MHz,600チャネルであるので使用周
波数帯域幅は15MHz(または、1200チャネル同15MHz)、
8)は多くの文献で既知であり、9)は0.03m秒程度で
ある。
以上を総合的に考慮し、たとえば自動車電話システム
では、移動無線機50の切替スイッチ64-2における切替周
波数は20×nMHz程度に選定される。
以下受信の場合を説明する。第2図(b)に示すよう
に音声信号や制御信号がディジタル化されている場合に
は、切替用周波数として、より高速の周波数を用いるの
が適当で、n×20KHz〜30KHz程度の値でよい。
また、受信ミクサ63の入力部からみたチャネルCH1,2,
3,…,n−1,nの搬送波周波数をω1,ω2,…,ωn-1,ω
n、またシンセサイザ55-1,55-2,…,55−(n−1),55-
nの出力周波数を、それぞれωL1,ωL2,ωLn-1,ωLn
とすると、無線基地局30-1,30-2…,30−(n−1),30-
nからの受信ミクサ63に含まれた中間周波増幅器の出力
における搬送波の周波数はそれぞれ、 Ω1=ω1−ωL1 (11) Ω2=ω2−ωL2 (12) …… Ωn-1=ωn-1−ωLn-1 (1n-1) Ωn=ωn−ωLn (1n) すなわち、切替スイッチ64-1の動作により中間周波数
として受信部53には、 Ω1=ω1−ωL1 Ω2=ω2−ωL2 …… Ωn-1=ωn-1−ωLn-1 Ωn=ωn−ωLn 等の搬送波周波数を有する信号波とが順次に入力するこ
とになる。そして(11)と(12)…,(1n-1)式とは、 Ω1≒Ω2≒……≒Ωn-1=Ωn (2) の関係にある。このような信号が受信部で増幅されたの
ち復調回路で復調されるが、n個の中間周波数 ω1−ωL1 ω2−ωL2 …… ωn-1−ωLn-1 ωn−ωLn との周波数差が存在すると、復調出力信号に、歪雑音が
発生する場合としない場合とがある。すなわち、周波数
変調または位相変調の場合には、周波数差が全くない場
合には歪雑音は発生しないが、周波数差があるとその周
波数差(ビート周波数)が信号周波数と同一成分を含む
場合は発生し、含まない場合には発生しない。
一方、振幅変調の場合には、周波数差があっても歪雑
音は発生しない。ただし、振幅変調の場合でも中間周波
増幅器などに非直線特性があると、高調波による非直線
歪が発生するから、直線性の良好な増幅器を用いる必要
がある。
以上に説明したような移動無線機50の受信ミクサ63の
入力にCH1,CH2,…,CHn-1およびCHn用の局部発振周波数
を循環的に加え受信しても通信に異常なく、しかもチャ
ネルCH1からチャネルCHnへの移行が何の瞬断(雑音の混
入もなく実行可能であり、かつ受信ダイバーシティ効果
のあることを理論的に説明する。
まず、角度変調波を用いる場合を説明する。
データあるいは音声信号(アナログまたはディジタル
形式の信号に対して)は、つぎのように表現できる。
また帯域外に存在する制御信号は、 ここで、aiは振幅の大きさ、ωiは信号の角周波数、
θiはt=0のときの位相を表わす。m,nは正の整数を表
わす。
つぎに周波数変調の場合を説明するが、位相変調にお
いて本発明は同様に適用される。(3)式または(3)
式および(4)式で搬送波を周波数変調すると、得られ
る変調波は、 I=I0sin∫(ω+μ(t))dt =I0sin(ωt+s(t)) (5) または、 I=I0sin∫(ω+μ(t)+μc(t))dt =I0sin(ωt+s(t)+sc(t)) (5′) ただし、 mi=ai/ωi(i=1,2,3…n) で簡単のために、θi=0(i=1,2,3…n)とした。こ
の結果s(t)+sc(t)は一般的な形の伝送信号を表
わすことになる。
さて、(5)式または(5′)を用いると、無線基地
局30-1,30-2,…,30−(n−1),30-nから送信された信
号が、移動無線機50のアンテナを介して受信ミクサ63に
入力され、局部発振部出力(第1B図の場合、シンシセサ
イザ55-1,55-2,…,55−(n−1),55-n)と混合される
と、受信部53の入力としては、(1)式および(2)式
と同じ記号を用いて次式のように表すことができる。
(ただし切替スイッチ64-1は停止の状態とする)。
Ii=I0isin(Ωit+s(t)+sci(t)) (6) (i=1,2,…,n) つぎに、切替スイッチ64-1が切替動作を開始したとす
る。また、無線基地局30-i(i=1,2,…,n)からは音声
信号s(t)と制御信号sci(t)が、それぞれ送られ
てきたとする、移動無線機50の受信部53の入力として、 ただし、pは切替角周波数、mは正の奇数とし、n個
の入力波に対する切替時間は等間隔とした。(7)式の
右辺を変形すると次式のようになる。
I=(I01/n)[sin{Ω1t+U1(t)} +(π/n)sin(π/n) ×[cos{(Ω1-p)t+U1(t)} −cos{(Ω1+p)t+U1(t)}] +(3π/n)sin(3π/n) ×[cos{(Ω1-3p)t+U1(t)} −cos{(Ω1+3p)t+U1(t)}] +(5π/n)sin(5π/n) ×[cos{(Ω1-5p)t+U1(t)} −cos{(Ω1+5p)t+U1(t)}] +…… ] +(I02/n)[sin{Ω2t+U2(t)} +(π/n)sin(π/n) ×[cos{(Ω2-p)t+U2(t)} −cos{(Ω2+p)t+U2(t)}] +(3π/n)sin(3π/n) ×[cos{(Ω2-3p)t+U2(t)} −cos{(Ω2+3p)t+U2(t)}] +(5π/n)sin(5π/n) ×[cos{(Ω2-5p)t+U2(t)} −cos{(Ω2+5p)t+U2(t)}] +…… ] +…… …… +(I0n/n)[sin{Ωnt+Un(t)} +(π/n)sin(π/n) ×[cos{(Ωn-p)t+Un(t)} −cos{(Ωn+p)t+Un(t)}] +(3π/n)sin(3π/n) ×[cos{(Ωn-3p)t+Un(t)} −cos{(Ωn+3p)t+Un(t)}] +(5π/n)sin(5π/n) ×[cos{(Ωn-5p)t+Un(t)} −cos{(Ωn+5p)t+Un(t)}] +…… ] (8) ただし、Ui(t)=s(t)+sci(t) (i=1,2,…,n) ここで(8)式をみると多くの搬送波を合成したもの
となっているから、このまま中間周波増幅器で増幅した
後に復調したのでは、一般に混変調(干渉妨害)による
歪雑音を発生する可能性がある。
また(8)式で表わされる入力波の振幅I01,I02
…,I0nは必ずしも同一の振幅ではなく、切替の時間的
占有率を等しくした場合(デューティ100/n%の場合)
には、無線基地局30-1よりも30-2の方が近距離にあるた
めに、通常はI02,I03,…,I0nの方が大である。I01,I
02等の大きさが異なっていると、混変調を発生する可能
性がある。上記(8)式で示した多くの搬送波の合成に
よる原因と、I01,I02等が異なることにとよる原因の2
種類の混変調発生要因がある。
さて(8)式で示した多くの搬送波の合成による場合
の混変調については、つぎの方法により歪雑音の除去を
行うことができる。
すなわち、切替スイッチ64-1の切替速度(周期)を高
速にし、中間周波増幅器の帯域通過特性の外に追いやる
方法がある。しかしながら、すでに述べたように、切替
周波数は信号の最高周波数の2n倍以上に定められている
多くの場合には、それ以上高速にする必要はないであろ
う。高速にすることにより(7)式右辺のm=1,3,5…
の項は(8)式を見ればわかるように中間周波増幅段に
おいて無視することが可能となり、 (8)式は下記のように表わすことができる。
I=I01sin(Ω1t+s(t)+sc1(t)) +I02sin(Ω2t+s(t)+sc2(t)) +…… +I0nsin(Ωn-1t+s(t)+scn(t)) (9) (9)式において、 Ω1=Ω2=……Ωn-1=Ωn=Ω (10) sc2(t)=……=scn-1(t)=scn(t)=0 (11) とおくことができるとする。実際に(10)式は後述する
ような手段で技術的に可能であり、(11)式は前述の通
り無線基地局30-1から(またはチャネル切替の後半では
無線基地局30-nからのみ)送信する制御信号のみとすれ
ば(11)式が成立する。すると(9)式は下記のように
変形することができる。
I=I01sin(Ωt+s(t)+sc1(t)) +I02+I03+……+I0n) ×sin(Ωt+s(t)) (12) (12)式は変形すると次式のごとくになる。
I=(I01 2+In 2+2I01In ×cos sc(t))1/2 ×sin(Ωt+s(t)+β(t)) (13) β(t)=tan-1[sin sc(t) ×{(I01/In)+cos sc(t)}-1] (13′) In=I02+I03+……+I0n (13″) (13),(13′)式において I01<<In (14) sc(t)<<1 (14′) であるから(13)式は近似的に下記のようになる。
I=Insin(Ωt+s(t)+sc(t)) (15) (15)式をみると、これはn分岐のアンテナ入力を有す
る切替受信ダイバーシティ方式で、信号を切替受信した
後、そのまま合成するいわゆる直線合成を行った結果、
入力電界の低いI01を無視し、入力電界の高い入力信号
による合成を行ったことを示している。したがって本発
明は受信ダイバーシティ効果があることが明らかにされ
たことになる。
(14)式から周波数弁別回路の出力(無線受信回路68の
出力)は次式で表わされる。
E=d/dt{s(t)+sc(t)} =μ(t)+μc(t) (16) ここで、μ(t)およびμc(t)は、それぞれ(3)式
および(4)式に示されたものである。なお(14)式
は、通常の移動通信方式では、つねに満足しており、特
に制限条件とはならない。それは主要な音声信号に、制
御信号に比して深い変調を加え、制御信号には浅い変調
をかけており、しかも音声に加える変調の深さも、近
年、等価トーン(1KHz)信号で3.5ラジアン(25KHz搬送
波間隔の場合、また搬送波間隔が12.5KHzの場合は、同
じく1.75ラジアンとさらに浅くなる)と浅くなっている
ためである。
以上により周波数変調の場合の無歪条件は(10)式お
よび(14)式が十分条件であることが明らかにされた。
以下(10)式を成立させる技術的条件について説明す
る。
技術的にこれを行なうには、無線基地局30-1,30-2,
…,30-nの送信部31-1,31-2,…,31-nの搬送周波数の安定
度を決定する基準水晶発振器の周波数安定度を高めるこ
とにより達成される。たとえば、後述する自動車電話方
式の例では、基地局に設置されている基準水晶発振器の
安定度は、現在0.5〜1ppm(0.5〜1×10-6)程度である
ので搬送波の周波数変動は、1×10-6×900MHz=900Hz
である。これでは、丁度音声の信号帯域内に雑音が混入
する。
しかしながら、技術の進歩により0.01ppmが可能にな
ったとすれば、1×10-8×900MHz=9Hzとなり雑音の高
調波があったとしても、その大きなエネルギーが信号帯
域内に混入する可能性は少なくなる。あるいは搬送波の
周波数が9MHzを使用している無線システムでは、1ppmの
搬送波変動では、現在の技術においても雑音の混入はな
いことになる。
以上は移動無線機50が受信する場合を説明したが、移
動無線機50が送信する場合をつぎに説明する。
第1B図において、切替スイッチ64-2で切替えられた無
線信号は、たとえば無線チャネルCH1,CH2,…,CHnとが順
次に切替えられるが、受信側は無線基地局30-1(CH1),
30-2(CH2),…,または無線基地局30-n(CHn)で別々
に受信され、移動無線機50側で受信する場合のように混
合される場合の混変調問題はまったく存在しないのであ
る。ただし(8)式から明らかなように、側波帯とし
て、搬送角周波数 (Ω±np) の成分が存在するから、これらが空間に放出されて、他
のチャネルまたは、他のシステムの通信に妨害を与えな
いように送信出力部に帯域濾波器を設けて濾波する必要
がある。
このためには、切替周波数として移動無線機50の送信
する全チャネルの周波数外に式(Ω±np)を拡散する必
要があり、例に用いた第1A図およびだ1B図に示す自動車
電話方式では、 p/(2π)>15×nMHz にする必要がある。
以下数式を用いて説明する。ただし式中に使用する文
字は特に断わらないかぎり前述と同じとする。たとえ
ば、第1H図の送信ミクサ61の出力に現れる送波信号は次
式で表わされる。
ただし、pは切替角周波数、mは正の奇数とし、n個
の入力波に対する切替時間は等間隔とした。(13)式は
変形すると(8)式と同様な形の式を得る。そして得ら
れた式に関し、すでに説明したような作用を有する帯域
濾波器を通すと出力信号として次式を得る。
I=I0sin{Ω1t+s(t)+sc(t)} +I0sin{Ω2t+s(t)+sc(t)} +…… …… +I0sin{Ωnt+s(t)+sc(t)} (16) 上式において右辺第1項は無線基地局30-1向け、第2
項は同30-2向け、以下第i項は同30-i向けであり、それ
ぞれの信号は普通の周波数変調の送信の場合と同じ数式
を呈している。
そしてチャネルCH1の上り信号は無線基地局30-1,チャ
ネルCH2の上り信号は同30-2,以下順にチャネルCHnの上
り信号は同30-nで受信される。これらの受信信号は、復
調され関門交換機20等の必要な装置へ送信される。ある
いは、無線基地局30-1が第1E図および第1F図の構成を有
する場合には、チャネルCH1の上り信号は無線基地局30-
1の送受信機90-1,チャネルCH2の上り信号は同30-1の送
受信機90-2,以下順にチャネルCHnの上り信号は同30-1の
送受信機90-nでそれぞれ受信復調された後、混合されて
関門交換機20等の必要な装置へ送信されてもよい。
以上の説明から明らかなように、本発明の多重送信方
法と装置を用いると受信部で信号のダイバーシティ効果
を得ることが可能になる。
関門交換機20では、無線基地局30-1,30-2,…,30-nか
らのn個の信号のうち、音声信号については、無線基地
局30-1,30-2,…,30-nからの信号を混合する。なお混合
にあたって、無線基地局30-2,30-3,…,30-nからの信号
のほうが、30-1より伝送品質が良いから、そのまま混合
してもよいし、あるいはS/Nに比例した出力で混合して
もよい。すなわち、受信ダイバーシティ効果が得られた
ことになる。
以上本発明の送受信ダイバーシティ効果について説明
したが、以下その効果を増大させる方法について詳述す
る。
まず受信ダイバーシティであるが、前述した順次切替
方法では、切替スイッチ64-1の各シンセサイザ55-1,55-
2,…,55-nの接続持続時間(デューティ・タイム)を等
しいとした。しかしながら、これは必ずしも必要でな
く、むしろS/Nのよい受信入力の得られる無線チャネル
に相対的に長い時間接続するようにすれば、ダイバーシ
ティ効果は増大する。そのために受信部の一部に切替ス
イッチ64-1と同期しその時刻における信号対雑音比を検
出し、これを制御部58へ伝え、これにより受信切替用制
御器65Cの出力の周波数を変化させることにより、上記
の目的を達することが可能となる。これは第1B図の構成
でも可能であるが、技術的に説明を容易にするため第1G
図に示す構成で以下説明する。
同図において第1B図と異なる点は、無線受信回路68と
は別に、C/N測定用受信部52、受信ミクサ73、および切
替スイッチ64-3を設置し、切替スイッチ64-3の制御は制
御部58Bにより行わせるようにしたことである。以下第1
G図の動作を説明する。
同図においてC/N測定用受信部52を動作させるため
に、前段に受信ミクサ73が設置されている。この受信ミ
クサ73へは移動無線機50Bで受信した受信信号の一部が
加えられる。受信ミクサ73への局部発振周波数として、
切替スイッチ64-3からの出力が加えられる。ただし、こ
の切替スイッチ64-3は、他の切替スイッチ64-1や64-2の
ように高速で切替える必要はなく、たとえば10Hz程度の
低速で十分である。そして切替スイッチ64-3がシンセサ
イザ55-1の出力をオンにする位置にあるときC/N測定用
受信部52で測定したチャネルCH1のC/N値を制御部58Bに
伝達する。ついで切替スイッチ64-3がシンセサイザ55-2
の出力をオンにする位置にあるときチャネルCH2のC/Nを
測定する。以下順にシンセサイザ55-nの出力をオンにす
る位置にあるとき、チャネルCHnのC/Nを測定し、それぞ
れ制御部58Bに伝達する。制御部58Bでは、これらの値を
用いて受信切替用制御器65Cおよび送信切替用制御器67C
の切替周波数を、たとえば、それぞれC/Nに反比例した
速度で動作するように制御する。
以上のような動作を可能とするためには、前述の各無
線基地局30からの信号の送信方法に若干の変更を必要と
するので以下これについて説明する。
さて、前述の(9)式を再掲すると、 (9)式において各無線基地局30から送信される制御信
号には、無線基地局30のIDが含まれており、上述の切替
スイッチのデューティを変更するにはこのIDが必要であ
るから、前述した(11)式のように、 sci=0 (i=1,2,…,n) とおくわけにはいかない。したがって、この場合(10)
式は成立するものの、(12)式に相当する式は下記のよ
うになる。
(17)式において各sci(t)は1に比べて十分小であるか
ら、(15)式に相当する式として近似的に下式を得る。
(18)式で表わされる信号を復調し、各無線基地局30か
ら送信される制御信号をとり出すためには、sci(t)に含
まれる信号の周波数成分をそれぞれ異ならせることによ
り、濾波器により濾波することが可能である。
したがって、各無線チャネルのC/Nを測定するととも
に、その信号を送出した無線基地局30のIDをつけ加えて
制御部58Bへ送ることにより、制御部58Bでは各無線チャ
ネルごと、すなわち各無線基地局30ごとに受信(あるい
は送信)するデューティ時間を、C/N値と関係づけて定
めることが可能となる。
以上の効果を第1B図の構成で達成させるには、同図の
受信部53に各無線基地局30-1,30-2,…,30-nから送信さ
れてくる制御信号sc1(t),sc2(t)…,scn(t)を個々に受
信するための帯域濾波器を具備し、そのそれぞれで、信
号対雑音比を測定するなどの通信品質の監視手段を設け
ればよい。そして、この測定値を制御部58へ報告し、信
号対雑音比に応じた切替えのデューティで、切替スイッ
チ64-1を動作させればよいわけである。
以上詳述したように移動無線機50の受信部53を動作さ
せることにより、送受信ダイバーシティ効果の増大をは
かることが可能となる。
つぎに、さらに受信ダイバーシティ効果の増大をはか
る方法を説明する。第1H図は、この場合の移動無線機50
Cの構成例を示す。
第1H図において移動無線機50Cへの入力電波(入力信
号)は、アンテナ入力部でn+1等分され、それぞれ無
線受信回路68-1,68-2,…,68-nおよび干渉妨害検出器62
へ到来する。各無線受信回路68-1〜68-nでは、それぞれ
受信ミクサ63-1,63-2,…,63-n、受信部53-1,53-2,…,53
-nが具備されており、また受信ミクサ53-1〜53-nにはそ
れぞれシンセサイザ55-1,55-2,…,55-nからの局部発振
周波数が入力される。したがって第1H図の構成では、受
信切替スイッチ64-1はなく常時各無線チャネルCH1,CH2,
…,CHnの信号を受信し復調することが可能である。
またこれらの受信部53-1〜53-nの出力信号は、一部は
制御部58Cへ送られるほか、通信品質監視部57-1,57-2,
…,57-nにも送られて、各無線チャネルの通信品質を監
視し、その結果を制御部58Cに報告し、さらに受信部53-
1〜53-nの出力は、信号混合回路62に加えられて、通常
のダイバーシティ受信機(この場合は検波後の合成)と
同様な処理が加えられ電話機部59へ送られる。
第1H図のような回路構成をとることにより、大きなダ
イバーシティ効果を得ることが可能となる。
以上の説明から明らかなように、本発明の作用は、移
動無線機50の送信周波数を無線基地局30で測定すること
により、新しい通話チャネルに切替えられた後の周波数
ずれを予測し、これに適合した周波数で、チャネル切替
後に交信する無線基地局の送信チャネルを設定し使用す
ることにより、チャネル切替にともなう通話断ないし発
生する混変調による雑音を除去した点に特徴を有する。
つぎに本発明による通話中チャネル切替で重要な役割
を果す制御信号の使用法について説明する。以下の説明
では、第1B図の構成をとるものとする。
無線基地局30-1,30-2,…,30-nからチャネルCH1,CH2,
…,CHnを用いて移動無線機50宛に送信する場合について
説明する。
前述のチャネル切替準備動作が完了すると、移動無線
機50の無線受信回路68には、無線基地局30-1,30-2,…,3
0-nからのチャネルCH1,CH2,…,CHnの通話信号で送信さ
れ、これが移動無線機50内の切替スイッチ64-1で順次切
替えられて、切替受信される。また切替スイッチ64-2も
動作を開始するので、移動無線機50からの送信波も切替
送信を開始される。
ここで、関門交換機20から各無線基地局30-1〜30-nを
介して移動無線機50に至る各経路間の差(10km以内)に
よる遅延時間差は、せいぜい0.03m秒以下であるから、
動作に何の支障もなく、無視することができる。また、
無線基地局30-2,30-3,…,30−(n−1)からの下り信
号には、音声信号のみであるが、無線基地局30-1および
30-nからの下り信号には、音声信号のほかに制御信号
(無線基地局30-1および30-nを識別させる識別信号や、
切替指令信号)が第2図(a)に示したような帯域外信
号の形で挿入されているから、移動無線機50の無線受信
回路68では、これを受信し制御部58へ転送する。
制御部58では、この信号を識別し、自制御部58の制御
により、当初は無線基地局30-1からのチャネル切替応答
信号やその後の無線基地局30-nからのチャネルCHnを用
いる通話信号やID信号が送られ、この信号品質も良好な
ことを確認するので、無線送信回路68を用いて上り通話
信号の帯域外を用い、この確認事項を無線基地局30-n向
けに通話チャネルCHnにより、無線基地清く30-n経由で
関門交換機20へ連絡する。
関門交換機20では、無線基地局30-nと移動無線機50と
の、下りの通信が良好に動作しているとの連絡を得たの
で、通話路制御部21はスイッチ群23のスイッチSW1-1,1
−2,…,1−nのうち、SW1-1のみをオフとする。一方、
移動無線機50は、無線基地局30-1に対しては、送信の停
止を、自移動無線機50の、シンセサイザ55-1の動作を停
止させ、切替スイッチ64-1(第1B図)にシンセサイザ55
-2,55-3,…,55-nを循環切替動作するようにさせる。
これらの状態は、第3図に示されている。
つぎに移動無線機50からチャネルCH1,CH2,…,CHnを用
いて無線基地局30-1,30-2,…,30-nに送信する場合につ
いて説明する。
移動無線機50では、自装置内の制御部58の指示によ
り、受信切替用制御器65Cおよび送信切替用制御器67Cが
それぞれ作動して、切替スイッチ64-1および64-2はそれ
ぞれ、動作中のシンセサイザ55-1,55-2,…,55-nの出力
および56-1,56-2,…,56-nの出力を切替えて、チャネルC
H1,CH2,…,CHnとを順次切替送受信中である(第1B
図)。この動作中通話チャネルに送られる信号として
は、通話信号の外、帯域外の制御信号(第2図(a))
として、移動無線機50の使用チャネルの状態(チャネル
CH1,CH2,…,CHnからチャネルCH2,CH3,…,CHnへ移行しつ
つあること)、移動無線機50の識別ID等(たとえば第2
図(a)のfD1などのトーン信号でfD1とfD3などを組合
わせてもよい)が加えられている。
無線基地局30-i(i=1,2,…,n)で受信されたチャネ
ルCHiの上り信号は、無線基地局30-iの受信部53で復調
され、復調後の音声信号や域外信号には異常のないこと
が確認された後、関門交換機20へ転送される。関門交換
機20では、無線基地局30-1,30-2,…,30-nからのn個の
信号のうち、音声信号について、無線基地局30-1,30-2
…,30-nからの信号を混合する。関門交換機20では、無
線基地局30-1,30-2,…,30-nからのn個の信号のうち、
無線基地局30-1,30-2,…,30-nで加えられた音声の帯域
外で送られてきた識別信号などによって、それぞれ無線
基地局30-1,30-2,…,30-nからのチャネルCH1,CH2,…,CH
nによる信号であることを確認する。
関門交換機20では、通話中チャネル切替動作が円滑に
進んでいることを確認し、移動無線機50の制御部38に対
し無線基地局30-nを経由して、チャネルCHnにより、無
線基地局30-1とのチャネルCH1による通信を停止し、無
線基地局30-2,30-3,…,30-nとの通信に専念することが
可能であることを報告する。
この制御信号を受信した移動無線機50では、自制御部
58の動作により、シンセサイザ55-1および56-1の動作を
停止させて、受信チャネル選択用の切替スイッチ64-1の
位置をシンセサイザ55-2,55-3,…,55-nを循環切替動作
するようにし、送信チャネル選択用の切替スイッチ64-2
には、シンセサイザ56-2,56-3,…,56-nを循環切替動作
を継続させるように指令する。
この結果、移動無線機50は、それまでのチャネルCH1
を用いた無線基地局30-1との交信を終了し、無線基地局
30-2,30-3,…,30-nと、それぞれチャネルCH2,CH3,…,CH
nを用いて交信する状態にはいる。これにてチャネル切
替が完了し、新無線チャネル群で交信されている状態が
実現する。以上説明した上りチャネルと下りチャネルの
切替動作は平行して実行されほぼ同時期に終了する。
以上の説明から明らかなようにチャネル切替時も無瞬
断であり、かつ雑音も実用上問題のない程度の低いレベ
ルにとどめることが可能である。
なお以上の動作中のいずれかにおいて、動作不良もし
くは、不動作が起れば、その直前の動作からやりなおす
ことになる。また動作障害が大きいときには、制御部58
に内蔵するメモリ部に記憶してある切替動作前の通話チ
ャネルにもどる動作も具備されている。
第7A図ないし第7E図には、第1A図,第1B図および第1C
図に示したシステムの動作の流れを示すフロー・チャー
トが示されている。
関門交換機20,無線基地局30-1,30-2,…,30-nおよび移
動無線機50が動作を開始し、関門交換機20に含まれるス
イッチ群23のスイッチSW1-1,1−2,…,1−(n−1)が
オンであり、無線基地局30-1,30-2,…,30−(n−1)
と移動無線機50との間で交信中である。この交信には、
移動無線機50に含まれる制御部58によって指示されたチ
ャネルCH1,CH2,…,CH−(n−1)の下り周波数F1,F2
…,Fn-1と上り周波数f1,f2,…,fn-1が使われている
(S101、第7A図)。
通信中の無線基地局30-1,30-2,…,30−(n−1)か
らは、たえず移動無線機50からの受信状況報告が出さ
れ、通信品質の劣化が発見されると、ただちに移動無線
機50に報告される(S102)。これを受けた移動無線機50
の通信品質監視部57では(S103)、通話品質がレベルL1
よりも劣化していないか否かを監視している(S104)。
通話品質がレベルL1よりも劣化していたならば(S104YE
S)、制御部58から、無線基地局30-1の周辺にある無線
基地局30-2,30-3,…,30-nなどに対し、無線基地局30-1,
30-2,30-3,…,30−(n−1)と移動無線機50との間の
交信に使用している上り周波数f1,f2,…,fn-1の信号
をモニタ受信するように指示する(S105、第7B図)。
モニタ受信の指示を受けた周辺の各無線基地局30(た
とえば30-n)では、周波数f1の信号をモニタ受信し(S1
06)、その結果を移動無線機50の通信品質監視部57に報
告し(S107,S108)、各無線基地局30からのモニタ受信
品質を測定比較し、たとえば無線基地局30-nの通話品質
が一定基準のレベルL2よりも良いことを検出する(S109
YES)。
通信品質が良好でない場合は(S109NO)ステップS105
にもどり、他の無線基地局30にモニタ受信させる。
そこで制御部58は、自移動無線機50が無線基地局30-1
のカバーするゾーンから無線基地局30-nのカバーするゾ
ーンに移動したものと判断し(S110、第7C図)、無線基
地局30-nとの交信に切替えるために、無線基地局30-nが
使用することのできる空きチャネルを検索し(S111)、
その結果、チャネルCHnを決定する(S112)。制御部58
は、自移動無線機50の送信部51-nおよび受信部53-nに、
チャネルCHnでの交信の準備をするように指令する(S11
3)。
このチャネルCHnを用いるための交信準備指令は、無
線基地局30-nに送られ、チャネルCHnによる交信の準備
をする(S114)。移動無線機50は、チャネルCHnによる
交信を可能とするための準備、すなわち、制御部58から
シンセサイザ55-nおよび56-nに対して、周波数Fnを受信
し、周波数fnで送信できるように指示し、また切替用制
御器65は切替動作に入る(S115、第7D図)。
チャネルCHnを用いて交信する準備ができると、無線
基地局30-nは、準備完了の報告をチャネルCHnを用いて
移動無線機50に対して連絡し(S116)、これと同時に無
線基地局30-nは、関門交換機20に対しチャネルCHnによ
る無線基地局30-nと移動無線機50との間で交信準備が完
了したことの報告を出す(S116)。
チャネルCHnを用いての無線基地局30-nと移動無線機5
0との間の交信準備の完了を、関門交換機20が確認する
と(S117)、スイッチ群23のスイッチSW1-1,1−2,…,1
−(n−1)はオンのままにして、スイッチSW1-nもオ
ンにする(S118)。そこで関門交換機20に含まれた通話
路制御部21は、移動無線機50に対して、移動無線機50と
の間でチャネルCHnを用いて交信を開始可能なことを報
告する(S119)。
交信開始可能報告を受信すると、無線基地局30-nは交
信開始信号をチャネルCHnを用いて移動無線機50宛に送
出する(S123)。移動無線機50は無線基地局30-nを識別
するための識別信号であるID信号により、チャネルCHn
による交信の開始を確認し(S124)、同時に移動無線機
50の通信品質監視部57は、移動無線機50と無線基地局30
-nとの間の通信の品質レベルを測定し、一定の品質レベ
ルL2以上であることを検出すると(S125YES、第7E
図)、無線基地局30-1と移動無線機50との間のチャネル
CH1を用いて行っていた交信の停止を無線基地局30-1に
指令する(S126)。これによって、無線基地局30-1はチ
ャネルCH1による交信をオフにする(S127)。このチャ
ネルCH1による交信停止を移動無線機50が確認すると(S
129)、シンセサイザ55-1および56-1の動作を停止し、
切替スイッチ64-1はシンセサイザ55-1の出力端子への切
替えを停止し、切替スイッチ64-2はシンセサイザ56-1の
出力端子への切替えを停止(この動作は必ずしも必要で
はないが)して、チャネルCH2,CH3,…,CHnで動作せしめ
るようにする。
チャネルCH1交信停止を確認した関門交換機20の通信
制御部21は、スイッチ群23のスイッチSW1-2,1−3,…,1
−nはオンのままとし、スイッチSW1-1をオフにする(S
128)。
これによって、チャネル切替動作の期間を終了し、ス
イッチSW1-2,1−3,…,1−nのオン状態で、チャネルCH
2,CH3,…,CHn下り周波数F2,F3,…,Fn上り周波数f2,
f3,…,fnを用いて、移動無線機50は無線基地局30-2,3
0-3,…,30-nとの間で、一瞬の切断も、雑音の混入もな
く、かつ送受信ダイバーシティ効果を得て、高品質な通
信を継続することができる(S130)。
(6)移動無線機の移動方向および移動速度の推定とト
ラヒック輻輳対策上の通話チャネル割当法 移動無線機50と通信中の複数の無線基地局30が受信す
る受信電界あるいは通信品質の変化を測定し、比較する
ことにより移動無線機50の進行方向、および速度を検出
することが可能である。これらを、以下、第8図を用い
て説明する。
第8図において16個の円は、それぞれサービス・エリ
ア内の小ゾーンZ1〜Z16を示し、円の中心付近に設置さ
れた無線基地局30-1,30-2,…,30-16等から、それぞれ通
信可能なエリアを示している。いま現在通信中の移動無
線機50がゾーンZ6内にあり、無線基地局30-2,30-3,30-
5,30-6,30-7,30-10,30-11の7局とダイバーシティを適
用した通信を行っているとする。移動無線機50が第8図
の矢印の方向に移動しつつあるとすると、移動無線機50
からの送信信号を受信中の以上7つの無線基地局では、
それぞれ受信電界または受信品質を測定中であり、これ
らの値は移動無線機50へ集められる。移動無線機50で
は、これらの測定結果を比較することにより、自移動無
線機50の移動方向および速度を次ぎの方法により推定す
る。
まず移動方向は、観測された入力受信電界レベルが最
も急速に大きくなる方向に変化する無線基地局(第8図
では30-7)へ向っていると推定することができる。信頼
性の高い結果を得るためには、測定持続時間を適切に選
ぶことが重要である。ただしこれは移動無線機50の速度
に大きく関係する。すなわち、電波伝搬特性は時々刻々
変化するからある程度の長い時間(自動車の場合3〜10
秒)ごとに区切ってその間に測定することにより測定値
のばらつきの除去をはかることができる。第8図で、こ
のようにして得られた測定結果を入力電界の増加の大き
い無線基地局30から順に表わすと、たとえば、 30-7>30-11>30-3 であり、入力電界の減少の大きい無線基地局30から順に
表わすと、 30-6>30-10>30-2>36-5 となろう。
また移動速度については、電波伝搬特性から得られて
いる電波伝搬曲線と比較すると移動速度が推定可能とな
る。
以上の測定結果を用いることにより、移動無線機50の
移動先を推定し、移動先の無線基地局30の通信トラヒッ
ク状況を調査し輻輳した状態のときは、その無線基地局
30で通信中の移動無線機50の通信の種類により通信する
無線基地局30の数を減少させることが可能になる。つぎ
にトラヒックの輻輳状態が1つのゾーンではなく複数の
ゾーンにまたがる場合には、広域にわたる輻輳対策が必
要になる。これは大都会の都心部で自動車電話システム
等で発生している現象であり、第8図の30-6,30-7,およ
び30-11がトラヒック輻輳状態にあるとする。これにつ
いての本発明の適用を詳細に説明する。
ゾーンZ11内には、移動無線機50aが居り、矢印の方向
に進行しているが、発呼信号を送出したとする。この発
呼信号は移動無線機50aへ集められ、割当るべき通話チ
ャネルが決定されるが、トラヒックが輻輳していない時
には、無線基地局30-6,30-7,30-10,30-11,30-12,30-14,
30-15等で使用される通話チャネルが割当てられる(ダ
イバーシティ送受信が行われる)。ところが上記の3ゾ
ーンで(Z6,7,11)でトラヒックが輻輳している場合に
は、30-6,30-7および30-11のチャネルは割当てられな
い。この場合交信相手として、通話品質の最もよい無線
基地局30は当然30-11であるが、上記の理由のため割当
てられない。もしダイバーシティの多重度が上記の4重
(30-10,30-12,30-14,30-15)では不足する場合には、
移動無線機50aでは、自移動無線機50aの移動方向、移動
速度を推定可能であるから、移動方向にある無線基地局
30-8や30-16で使用するチャネルを割当てる。したがっ
て移動無線機50aはゾーンZ11に居るにもかかわらず、や
や遠い無線基地局30-8および30-16と通信を開始するこ
とになる。
以上説明したチャネル割当てを適用することにより、
従来のシステム技術では解決されなかったトラヒック高
密度地域における輻輳対策が可能となる。
[発明の効果] 以上の説明から明らかにように、小ゾーン構成を用い
る移動通信システムに本発明を適用することにより従来
のシステムにおけるような、通話(信)中にゾーン移行
をすると一時断が発生し、ファクシミリ信号やデータ信
号では、画質劣化やバースト的信号の誤りが発生して問
題となっていたものが、たとえ通信中のチャネル切替え
の頻度が増加しても、この心配が完全に除去されること
になり、経済的な送受信ダイバーシティおよびそれを可
能とするための当該移動無線機と良好に交信可能な複数
の無線基地局から関門交換機への複数位置登録の採用に
よる通信品質の向上、干渉妨害の軽減による周波数有効
利用度の向上、それにともない、広帯域信号を用いる新
サービスを技術的に可能とすることになった。また、ト
ラヒックの閑散時における無線設備の有効利用による通
信品質の向上や、ある小ゾーンでトラヒックが急増した
場合には、使用可能チャネルを実質的に増加可能とした
り、さらにトラヒックの最繁時においても、移動無線機
からの位置登録信号を処理可能とすることのほか、移動
体の進行方向や速度を検出することによる効果的な通話
チャネルの指定が可能となり経済的で、かつ周波数の利
用効率の高い移動通信システムの構築が可能となったの
で、本発明の効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1A図,第1B図および第1C図は本発明の実施例を示すシ
ステム構成図、 第1D図および第1E図は本発明の無線基地局の他の実施例
を示す回路構成図、 第1F図は送受信機の一実施例を示す回路構成図、 第1G図,第1H図および第1I図は移動無線機の他の実施例
を示す回路構成図、 第2図(a)および(b)は本発明に用いる制御信号の
構成例を説明するためのスペクトル図および回路構成
図、 第3図は第1A図ないし第1C図に示したシステムの動作を
説明するためのタイミング・チャート、 第4A図および第4B図はそれぞれ本発明の位置登録動作の
流れを示すフローチャート、 第5A図および第5B図は移動無線機からの発呼動作の流れ
を示すフローチャート、 第6A図,第6B図および第6C図は移動無線機への着呼動作
の流れを示すフローチャート、 第7A図,第7B図,第7C図,第7D図および第7E図は第1A図
ないし第1C図に示したシステムのチャネル切替動作の流
れを示すためのフロー・チャート、 第8図は移動無線機の進行方向および速度検出を説明す
るための動作概念図、 第9図は従来のシステム例を説明するためのシステム構
成概念図である。 10……電話網、11……交換機 12……無線回線制御局、13A〜D……無線基地局 14A〜D……ゾーン、15……移動無線機 16A〜D……伝送路、19,20……関門交換機 21……通話路制御部、23……スイッチ群 24……ID識別記憶部 30,30B,30C, 30-1,〜30-n……無線基地局 31,31-1〜31-n……送信部 32……無線基地局制御装置 33,33-1〜33-n……受信部 34,34C,34-1〜34-n……ID識別記憶部 35-1〜35-n,36-1〜36-n……シンセサイザ 37……通信品質監視部 38,38B,38C……制御部 39……インタフェース 40,40C……基準水晶発振器 41……送信ミクサ、42……干渉妨害検出器 43……受信ミクサ 45……受信切替用制御器 46……無線送信回路 47……送信切替用制御器 48……無線受信回路 50,50B,50C……移動無線機 51……送信部 53,53-1〜53-n……受信部 54……ID・ロームエリア情報照合記憶部 55-1〜55-n,56-1〜56-n……シンセサイザ 57……通信品質監視部 58,58B,58C,58D……制御部 59……電話機部 61,61-1〜61-n……送信ミクサ 62……干渉妨害検出器 63,63-1〜63-n……受信ミクサ 64-1,64-2,64-3……切替スイッチ 65C……受信切替用制御器 66,66-1〜66-n……無線送信回路 67C……送信切替用制御器 68,68-1〜68-n……無線受信回路 69……混合回路 71……基準水晶発振器 91……ディジタル符号化回路 92……多重変換回路 93-1〜93-m……通信品質監視用受信機 94……制御用送受信機 96……アンテナ共用装置 Z1〜Z16……ゾーン。

Claims (61)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のゾーンをそれぞれカバーしてサービ
    ス・エリアを構成する各無線基地局(30,B,C)と、前記
    サービス・エリア内に存在する移動無線機(50,B,C,D)
    があり、前記移動無線機から位置を登録するための自己
    の識別情報を含む位置登録信号の送出をしたときに、前
    記各無線基地局のうちこの位置登録信号を所定の通信品
    質以上の良好な状態で受信したすくなくとも1つの交信
    可能な無線基地局では、前記各無線基地局との間を伝送
    路で結合された関門交換機(20)へ前記位置登録信号を
    転送し、この位置登録信号を転送された関門交換機で
    は、前記位置登録信号に含まれた前記移動無線機の識別
    情報および前記移動無線機からの位置登録信号を所定の
    通信品質以上の良好な状態で受信したすくなくとも1つ
    の交信可能な前記無線基地局の識別情報を登録するとと
    もに、前記登録された識別情報に関わる前記無線基地局
    を介して前記登録した情報を前記移動無線機に返信し、
    この返信を受けた移動無線機内に前記返信されてきた登
    録した情報を記憶することを特徴とする移動体通信の通
    信方法。
  2. 【請求項2】前記移動無線機(50,B,C,D)が位置を登録
    したゾーンから移動し、すくなくとも1個以上の新規に
    位置を登録すべき新ゾーンへ移行したときに、位置登録
    の更新を行う特許請求の範囲第1項記載の移動体通信の
    通信方法。
  3. 【請求項3】前記関門交換機(20)を介して接続された
    一般の電話網の電話機もしくは前記サービス・エリア内
    に所在する他の移動無線機からの前記移動無線機(50,
    B,C,D)への着呼が行われたときに、前記関門交換機で
    は、すでに登録してある前記移動無線機と交信可能なす
    べての前記無線基地局(30,B,C)を介して着呼信号を前
    記移動無線機に対して送出する特許請求の範囲第1項記
    載の移動体通信の通信方法。
  4. 【請求項4】前記移動無線機(50,B,C,D)と通信中の複
    数の無線基地局(30,B,C)のうちのすくなくとも1つ
    が、n個の送信機(90)を有しており、通信トラヒック
    の増加によりnチャネル以上の通信が必要になった場合
    には、前記n個の送信機のうちのすくなくとも1個の送
    信機において、複数の無線チャネルに対応する送信周波
    数を通信信号の周波数よりも十分に速い速度で反復して
    切替えることにより並行して複数の無線チャネルを送信
    するように動作せしめる特許請求の範囲第1項記載の移
    動体通信の通信方法。
  5. 【請求項5】前記移動無線機(50,B,C,D)と通信中の複
    数の無線基地局(30B,C)のうちすくなくとも1つが、
    n個の受信機(90)を有しており、通信トラヒックの増
    加によりnチャネル以上の通信が必要になった場合に
    は、前記n個の受信機のうちのすくなくとも1個の受信
    機において、複数の無線チャネルに対応する受信周波数
    を通信信号の周波数よりも十分に速い速度で反復して切
    替えることにより並行して複数の無線チャネルを受信す
    るように動作せしめる特許請求の範囲第1項記載の移動
    体通信の通信方法。
  6. 【請求項6】前記関門交換機(20)がすでに登録してあ
    る前記移動無線機(50,B,C,D)と交信可能なすべての前
    記無線基地局(30,B,C)を介して着呼信号を前記移動無
    線機に対して送出する場合に、前記登録時における通信
    品質の上位順に前記着呼信号を送出する特許請求の範囲
    第3項記載の移動体通信の通信方法。
  7. 【請求項7】前記関門交換機(20)がすでに登録してあ
    る前記移動無線機(50,B,C,D)と交信可能なすべての前
    記無線基地局(30,B,C)を介して着呼信号を前記移動無
    線機に対して送出する場合に、前記着呼信号を送出する
    各前記無線基地局を識別する識別信号を含ませて同一の
    時刻に前記各無線基地局から送出する特許請求の範囲第
    3項記載の移動体通信の通信方法。
  8. 【請求項8】複数のゾーンをそれぞれカバーしてサービ
    ス・エリアを構成する各無線基地手段(20,B,C)と、 前記サービス・エリア内に存在して前記無線基地局と交
    信することのできる移動無線手段(50,B,C,D)と、 前記各無線基地手段と一般の電話網とを接続し、前記移
    動無線手段および前記移動無線手段からの位置登録信号
    を良好な状態で受信したすくなくとも1つの前記無線基
    地手段の識別情報を登録し、 −前記移動無線手段の移動にともない、前記交信可能な
    無線基地手段の識別情報を更新登録するための識別情報
    登録手段(24)と、前記登録したすくなくとも1つの無
    線基地手段と前記移動無線手段との間の通信路の設定解
    除をして発着呼するための通信路設定制御手段(21,2
    3)を有する関門交換手段(20)と を含むことを特徴とする移動体通信の通信システム。
  9. 【請求項9】前記関門交換手段(20)が、 前記移動無線手段と交信可能な前記無線基地手段の識別
    情報と、前記移動無線手段の識別情報とを登録するため
    のID識別記憶手段(24)と、 すくなくとも1つの前記無線基地手段と前記一般の電話
    網との間または前記無線基地手段間において通信路を設
    定し解除することのできるスイッチ群手段(23)と、 前記ID識別記憶手段に登録された識別情報にもとづい
    て、すくなくとも前記スイッチ群手段に前記通信路を設
    定し解除するための制御信号を出力するための通話路制
    御手段(21)と を含むものである特許請求の範囲第8項記載の移動体通
    信の通信システム。
  10. 【請求項10】前記無線基地手段(30)が、 指示された無線チャネルを受信するための受信ミクサを
    含む無線受信手段(48)と、 前記受信ミクサに前記指示された無線チャネルを受信す
    るのに必要な周波数を印加するための受信用シンセサイ
    ザ手段(35)と、 指示された無線チャネルを送信するための送信ミクサを
    含む無線送信手段(46)と、 前記送信ミクサに前記指示された無線チャネルを送信す
    るのに必要な周波数を印加するための送信用シンセサイ
    ザ手段(36)と、 前記受信用シンセサイザ手段および送信用シンセサイザ
    手段に基準周波数を供給するための基準周波数発振手段
    (40)と、 前記無線受信手段において受信中の信号の通信品質を監
    視して通信品質情報を出力するための通信品質監視手段
    (37)と、 前記関門交換機(20)において登録された前記識別情報
    を記憶するためのID識別記憶手段(34)と、 前記ID識別記憶手段に記憶された前記識別情報をもと
    に、前記受信用シンセサイザ手段に受信すべき前記無線
    チャネルを指示し、前記送信用シンセサイザ手段に送信
    すべき前記無線チャネルを指示するための制御手段(3
    8)と を含むものである特許請求の範囲第8項記載の移動体通
    信の通信システム。
  11. 【請求項11】前記無線基地手段(30B)が、 n個の上り無線チャネルのうち、2≦i≦nなるi個の
    上り無線チャネルの受信に必要な周波数を発生するため
    の受信用シンセサイザ手段(35)と、 前記i個の上り無線チャネルを並行して受信することが
    できるように前記受信用シンセサイザ手段の出力を通信
    信号の周波数よりも十分に速い速度で順次切替えるため
    の受信チャネル切替手段(44-1)と、 n個の下り無線チャネルのうち、2≦i≦nなるi個の
    下り無線チャネルの送信に必要な周波数を発生するため
    の送信用シンセサイザ手段(36)と、 前記i個の下り無線チャネルを並行して送信することが
    できるように前記送信用シンセサイザ手段の出力を通信
    信号の周波数よりも十分に速い速度で順次切替えるため
    の送信チャネル切替手段(44-2)と、 前記受信用シンセサイザ手段および前記送信用シンセサ
    イザ手段に基準周波数を供給するための基準周波数発振
    手段(40)と、 前記受信用シンセサイザ手段および前記送信用シンセサ
    イザ手段に発生すべき周波数の指示を与え、前記受信チ
    ャネル切替手段と前記送信チャネル切替手段に切替えの
    指示を与えるための制御手段(38B)と、 を含むものである特許請求の範囲第8項記載の移動体通
    信の通信システム。
  12. 【請求項12】前記無線基地手段(30C)が、 アンテナ共用手段(96)と、 前記アンテナ共用手段に接続された送信機および受信機
    をそれぞれ含む複数の送受信手段(90)と、 前記送受信手段における通信品質を監視するための複数
    の通信品質監視手段(93)と、 制御用の信号を送受するためのすくなくとも1つの制御
    用送受信手段(94)と、 前記複数の送受信手段と前記すくなくとも1つの制御用
    送受信手段にそれぞれ送受すべき無線チャネルを指示制
    御し、前記複数の通信品質監視手段に監視すべき無線チ
    ャネルを指示制御するための制御手段(38C)と を含むものである特許請求の範囲第8項記載の移動体通
    信の通信システム。
  13. 【請求項13】前記送受信手段(90)が、 n個の上り無線チャネルのうち2≦i≦nなるi個の上
    り無線チャネルの受信に必要な周波数を発生するための
    受信用シンセサイザ手段(35)と、 前記i個の上り無線チャネルを並行して受信することが
    できるように前記受信用シンセサイザ手段の出力を通信
    信号の周波数よりも十分に速い速度で順次切替えるため
    の受信チャネル切替手段(44-1)と、 n個の下り無線チャネルのうち2≦i≦nなるi個の下
    り無線チャネルの送信に必要な周波数を発生するための
    送信用シンセサイザ手段(36)と、 前記i個の下り無線チャネルを並行して送信することが
    できるように前記送信用シンセサイザ手段の出力を通信
    信号の周波数よりも十分に速い速度で順次切替えるため
    の送信チャネル切替手段(44-2)と を含むものである特許請求の範囲第12項記載の移動体通
    信の通信システム。
  14. 【請求項14】前記移動無線手段(50)が、 n個の無線チャネルのうち2≦i≦nなるi個の無線チ
    ャネルの受信に必要な周波数を発生するための受信用シ
    ンセサイザ手段(55)と、 前記i個の無線チャネルを並行して受信することができ
    るように前記受信用シンセサイザ手段(55)の出力を通
    信信号の周波数よりも十分に速い速度で順次切替えるた
    めの受信チャネル切替手段(64-1)と、 前記受信用シンセサイザ手段の出力を前記受信チャネル
    切替手段(64-1)を介して印加されて前記i個の無線チ
    ャネルを受信するための受信ミクサを含む無線受信手段
    (68)と、 n個の無線チャネルのうち2≦i≦nなるi個の無線チ
    ャネルの送信に必要な周波数を発生するための送信用シ
    ンセサイザ手段(56)と、 前記i個の無線チャネルを並行して送信することができ
    るように前記送信用シンセサイザ手段の出力を通信信号
    の周波数よりも十分に速い速度で順次切替えるための送
    信チャネル切替手段(64-2)と、 前記送信用シンセサイザ手段(56)の出力を前記送信チ
    ャネル切替手段を介して印加されて前記i個の無線チャ
    ネルを送信するための送信ミクサを含む無線送信手段
    (66)と、 前記送信用シンセサイザ手段(56)および前記受信用シ
    ンセサイザ手段(55)に基準となる周波数を供給するた
    めの基準周波数発振手段(71)と、 前記無線受信手段(68)の受信する通信品質を監視する
    ための通信品質監視手段(57)と、 前記関門交換手段(20)において登録された前記識別情
    報を記憶するためのIDローム・エリア照合記憶手段(5
    4)と、 前記IDローム・エリア情報照合記憶手段(54)の記憶内
    容を照合して前記受信チャネル切替手段(64-1)および
    前記送信チャネル切替手段(64-2)に切替の指示を与
    え、前記受信用シンセサイザ手段(55)および前記送信
    用シンセサイザ手段(56)に発生すべき周波数の指示を
    するための制御手段(58)と を含む特許請求の範囲第8項記載の移動体通信の通信シ
    ステム。
  15. 【請求項15】前記移動無線手段(50B)が、 n個の無線チャネルのうち2≦i≦nなるi個の無線チ
    ャネルの受信に必要な周波数を発生するための受信用シ
    ンセサイザ手段(55)と、 前記i個の無線チャネルを並行して受信することができ
    るように前記受信用シンセサイザ手段の出力を通信信号
    の周波数よりも十分に速い速度で順次切替えるための受
    信チャネル切替手段(64-1)と、 前記受信用シンセサイザ手段(55)の出力を前記受信チ
    ャネル切替手段(64-1)を介して印加されて前記i個の
    無線チャネルを受信するための受信ミクサを含む無線受
    信手段(68)と、 n個の無線チャネルのうち2≦i≦nなるi個の無線チ
    ャネルの送信に必要な周波数を発生するための送信用シ
    ンセサイザ手段(56)と、 前記i個の無線チャネルを並行して送信することができ
    るように前記送信用シンセサイザ手段(56)の出力を通
    信信号の周波数よりも十分に速い速度で順次切替えるた
    めの送信チャネル切替手段(64-2)と、 前記送信用シンセサイザ手段(56)の出力を前記送信チ
    ャネル切替手段(64-2)を介して印加されて前記i個の
    無線チャネルを送信するための送信ミクサを含む無線送
    信手段(66)と、 受信すべき無線チャネルを順次受信することができるよ
    うに前記受信用シンセサイザ手段(55)の出力を遅い速
    度で順次切替えるための測定用チャネル切替手段(64-
    3)と、 前記受信用シンセサイザ手段(55)の出力を前記測定用
    チャネル切替−手段(64-3)を介して印加されて前記i
    個の無線チャネルの搬送波対雑音比を測定してC/Nデー
    タを出力するためのC/N測定用受信手段(52)と、 前記関門交換手段(20)において登録された前記識別情
    報を記憶するためのIDローム・エリア照合記憶手段(5
    4)と、 前記C/Nデータと前記IDローム・エリア情報照合記憶手
    段(54)の記憶内容を照合して前記受信チャネル切替手
    段(64-1)および前記送信チャネル切替手段(64-2)お
    よび前記測定用チャネル切替手段(64-3)に切替えの指
    示を与え、前記受信用シンセサイザ手段(55)および前
    記送信用シンセサイザ手段(56)に発生すべき周波数の
    指示をするための制御手段(58B)とを含む特許請求の
    範囲第8項記載の移動体通信の通信システム。
  16. 【請求項16】前記移動無線手段(50C)が、 n個の無線チャネルのうち2≦i≦nなるi個の無線チ
    ャネルの受信に必要な周波数を発生するための受信用シ
    ンセサイザ手段(55)と、 前記受信用シンセサイザ手段の出力をそれぞれ印加され
    て前記i個の無線チャネルを受信するための受信ミクサ
    を含む無線受信手段(68)と、 n個の無線チャネルのうち2≦i≦nなるi個の無線チ
    ャネルの送信に必要な周波数を発生するための送信用シ
    ンセサイザ手段(56)と、 前記i個の無線チャネルを並行して送信することができ
    るように前記送信用シンセサイザ手段の出力を通信信号
    の周波数よりも十分に速い速度で順次切替えるための送
    信チャネル切替手段(64-2)と、 前記送信用シンセサイザ手段の出力を前記送信チャネル
    切替手段(64-2)を介して印加されて前記i個の無線チ
    ャネルを送信するための送信ミクサを含む無線送信手段
    (66)と、 前記送信用シンセサイザ手段および前記受信用シンセサ
    イザ手段に基準となる周波数を供給するための基準周波
    数発振手段(71)と、 前記i個の無線チャネルを受信した無線受信手段からの
    通信信号を混合して混合した通信信号を得るための混合
    手段(69)と、 前記i個の無線受信手段の受信する通信品質をそれぞれ
    監視するための通信品質監視手段(57)と、 前記関門交換手段(20)において登録された前記識別情
    報を記憶するためのIDローム・エリア照合記憶手段(5
    4)と、 前記IDローム・エリア情報照合記憶手段(54)の記憶内
    容と前記通信品質監視手段(57)の出力を照合して−前
    記送信チャネル切替手段に切替の指示を与え、前記受信
    用シンセサイザ手段(55)および前記送信用シンセサイ
    ザ手段(56)に発生すべき周波数の指示をするための制
    御手段とを含む特許請求の範囲第8項記載の移動体通信
    の通信システム。
  17. 【請求項17】複数のゾーンをそれぞれカバーしてサー
    ビス・エリアを構成する各無線基地局(30,B,C)と、前
    記各無線基地局と一般の電話網とを接続する関門交換機
    (20)を含む移動体通信の通信網において、 前記サービス・エリア内に所在する移動無線機(50,B,
    C,D)と前記無線基地局(30,B,C)との間で交信するこ
    とを可能とするために、 前記移動無線機(50,B,C,D)が、同一内容の通信信号を
    すくなくとも1つの無線チャネルを用いてダイバーシテ
    ィ送受信するための無線送信処理(66)および無線受信
    処理(68)をし、 前記関門交換機(20)が、前記移動無線機からの位置登
    録信号を所定の通信品質以上の良好な状態で受信したす
    くなくとも1つの前記無線基地局からの前記移動無線機
    の位置情報および通信の品質情報を受けて、前記無線基
    地局と前記移動無線機(50,B,C,D)との間で通話路の設
    定、解除および交信中の前記無線基地局(30,B,C)の更
    新をして通話路の変更を可能とすることを特徴とする移
    動体通信の通信方法。
  18. 【請求項18】前記関門交換機(20)が、前記移動無線
    機(50,B,C,D)と前記無線基地局(30,B,C)のすくなく
    とも一方からの指示にもとづく前記移動無線機(50,B,
    C,D)の位置情報を登録し、前記位置情報にもとづき前
    記通話路の設定、解除および変更を行うように動作する
    特許請求の範囲第17項記載の移動体通信の通信方法。
  19. 【請求項19】前記移動無線機(50,B,C,D)が発呼信号
    を送出した場合に、この発呼信号を良好に受信した周辺
    に存在するすべての無線基地局(30,B,C)において、前
    記移動無線機(50,B,C,D)の識別情報とともにこの識別
    情報を受信した前記無線基地局(30,B,C)の識別情報お
    よび受信品質情報を前記移動無線機(50,B,C,D)に対し
    て返信するように動作する特許請求の範囲第17項記載の
    移動体通信の通信方法。
  20. 【請求項20】前記移動無線機(50,B,C,D)が周辺に存
    在する複数の無線基地局(30,B,C)と通信中に、前記サ
    ービス・エリアのうち、前記通信中の無線基地局がカバ
    ーするエリアにおいて、通信トラヒックが変動した場合
    に、あらかじめ定めた通信の種類に対して与えられた優
    先順位を考慮して前記通信に参加する無線基地局の数を
    変更するように前記移動無線機および前記通信中の無線
    基地局のいずれか一方が動作する特許請求の範囲第17項
    記載の移動体通信の通信方法。
  21. 【請求項21】前記移動無線機(50,B,C,D)が周辺に存
    在する複数の無線基地局と通信中に、電波伝搬特性が変
    化し、通信品質に影響を受けた場合に、通信すべき前記
    無線基地局(30,B,C)の数を変えて前記通信品質を所要
    のレベル以上に保持するように前記移動無線機および前
    記通信中の無線基地局のいずれか一方が動作する特許請
    求の範囲第17項記載の移動体通信の通信方法。
  22. 【請求項22】前記移動無線機(50,B,C,D)が周辺に存
    在する複数の無線基地局(30,B,C)と通信中に、そのう
    ちの1つの無線基地局との間の通信路の通信品質が所定
    のレベル以下になった場合に、この通話路を解除し、新
    たに前記所定のレベルを満足する通信品質を確保するこ
    とのできる無線基地局との間に新たな通話路を設けるよ
    うに前記移動無線機および前記通信中の無線基地局のい
    ずれか一方が動作する特許請求の範囲第17項記載の移動
    体通信の通信方法。
  23. 【請求項23】前記移動無線機(50,B,C,D)が周辺に存
    在する複数の無線基地局(30,B,C)と通信中に、これら
    複数の無線基地局が受信する受信電界を含む受信品質の
    変化により前記移動無線機の進行方向および速度を検出
    し、移動先を推定し、その移動先にある無線基地局の通
    信トラヒック状況を調査し、輻輳状態にあるときにはそ
    の移動先にある無線基地局で通信中の他の移動無線機の
    通信の種類により前記他の移動無線機の通信している無
    線基地局の数を減少させるように前記移動無線機および
    前記通信中の無線基地局のいずれか一方が動作する特許
    請求の範囲第17項記載の移動体通信の通信方法。
  24. 【請求項24】前記移動無線機(50,B,C,D)が周辺に存
    在する複数の無線基地局(30,B,C)と通信中に、これら
    複数の無線基地局が受信する受信電界を含む受信品質の
    変化により前記移動無線機の進行方向および速度を検出
    して、通信中のチャネル切替に際して、前記進行方向に
    ある無線基地局の所有する無線チャネルのうち、所定の
    通話品質を確保することのできる無線チャネルを優先的
    に割当てるように動作する特許請求の範囲第17項記載の
    移動体通信の通信方法。
  25. 【請求項25】前記移動無線機(50,B,C,D)と通信中の
    複数の無線基地局(30,B,C)が受信する受信電界を含む
    通信品質の変化により前記移動無線機の進行方向、速度
    および位置を検出するように前記移動無線機および前記
    通信中の無線基地局のいずれか一方が動作する特許請求
    の範囲第17項記載の移動体通信の通信方法。
  26. 【請求項26】前記移動無線機(50,B,C)および前記通
    信中の複数の無線基地局(30,B,C)のうちのすくなくと
    も1つが、複数の無線チャネルに対応する送信周波数を
    反復して切替えることにより並行して複数の無線チャネ
    ルを送信するように動作する特許請求の範囲第17項記載
    の移動体通信の通信方法。
  27. 【請求項27】前記移動無線機(50,B,C,D)および前記
    通信中の複数の無線基地局(30B,C)のうちのすくなく
    とも1つが、複数の無線チャネルに対応する受信周波数
    を反復して切替えることにより並行して複数の無線チャ
    ネルを受信するように動作する特許請求の範囲第17項記
    載の移動通信の通信方法。
  28. 【請求項28】前記移動無線機(50,B,C,D)が通信トラ
    ヒックの輻輳状態にあるゾーンに存在する場合には、前
    記移動無線機の通信の相手としとて前記輻輳状態を一層
    高める無線基地局(30,B,C)との通信を認めずそれを除
    く無線基地局(30,B,C)のうちで所定の通信品質を確保
    できる無線基地局との通信をするように無線チャネルを
    割り当てるように前記移動無線機および前記通信中の無
    線基地局のすくなくとも一方が動作する特許請求の範囲
    第17項記載の移動体通信の通信方法。
  29. 【請求項29】前記移動無線機(50,B,C,D)と通信中の
    複数の無線基地局(30B,C)のうちのすくなくとも1つ
    が、n個の送信機を有しており、通信トラヒックの増加
    によりnチャネル以上の通信が必要になった場合には、
    前記n個の送信機のうちのすくなくとも1個の送信機に
    おいて、複数の無線チャネルに対応する送信周波数を通
    信信号の周波数よりも十分に速い速度で反復して切替え
    ることにより並行して複数の無線チャネルを送信するよ
    うに動作せしめる特許請求の範囲第17項記載の移動体通
    信の通信方法。
  30. 【請求項30】前記移動無線機(50,B,C,D)と通信中の
    複数の無線基地局(30B,C)のうちすくなくとも1つ
    が、n個の受信機を有しており、通信トラヒックの増加
    によりnチャネル以上の通信が必要になった場合には、
    前記n個の受信機のうちのすくすくとも1個の受信機に
    おいて、複数の無線チャネルに対応する受信周波数を通
    信信号の周波数よりも十分に速い速度で反復して切替え
    ることにより並行して複数の無線チャネルを受信するよ
    うに動作せしめる特許請求の範囲第17項記載の移動体通
    信の通信方法。
  31. 【請求項31】複数のゾーンをそれぞれカバーしてサー
    ビス・エリアを構成する各無線基地手段と、 前記サービス・エリア内に存在するすくなくとも1つの
    前記無線基地手段(30,B,C)との間で同一の内容の通信
    信号をすくなくとも1つの無線チャネルを用いてダイバ
    ーシティ送受信するための無線送受信手段(66,68)を
    有する移動無線−手段(50,B,C,D)と、前記移動無線手
    段からの位置登録信号を所定の通信品質以上の良好な状
    態で受信した前記すくなくとも1つの無線基地手段と前
    記移動無線手段との間の通信品質にもとづいて前記移動
    無線手段および前記無線基地手段の識別情報を登録する
    識別情報登録手段(24)と、その識別情報により通信路
    の設定解除をし、前記移動無線手段の移動にともない、
    新たに交信可能な無線基地手段との通信路を加えること
    によりダイバーシティ送受信を可能とし、一般の電話網
    とも接続できる通信路設定手段(21,23)を有する関門
    交換手段(20)とを含むことを特徴とする移動体通信の
    通信システム。
  32. 【請求項32】前記関門交換手段(20)が、 前記移動無線手段(50,B,C,D)と交信可能な前記無線基
    地手段(30,B,C)の識別情報と、前記移動無線手段の識
    別情報とを登録するためのID識別記憶手段(24)と、 すくなくとも1つの前記無線基地手段(30,B,C)と前記
    一般の電話網との間または前記無線基地手段間において
    通信路を設定し解除することのできるスイッチ群手段
    (23)と、 前記ID識別記憶手段(24)に登録された識別情報にもと
    づいて、すくなくとも前記スイッチ群手段(23)に前記
    通信路を設定し解除するための制御信号を出力するため
    の通話路制御手段(21)と を含むものである特許請求の範囲第31項記載の移動体通
    信の通信システム。
  33. 【請求項33】前記ID識別記憶手段(24)が、前記移動
    無線機手段(50,B,C,D)と前記無線基地局(30,B,C)の
    すくなくとも一方からの指示にもとづく前記移動無線手
    段の位置情報を登録し、前記通話路制御手段(21)が、
    前記位置情報にもとづき前記通信路の設定、解除および
    変更を行うものである特許請求の範囲第32項記載の移動
    体通信の通信システム。
  34. 【請求項34】前記無線基地手段(30)が、 指示された無線チャネルを受信するための受信ミクサを
    含む無線受信手段(48)と、 前記受信ミクサに前記指示された無線チャネを受信する
    のに必要な周波数を印加するための受信用シンセサイザ
    手段(35)と、 指示された無線チャネルを送信するための送信ミクサを
    含む無線送信手段(46)と、 前記送信ミクサに前記指示された無線チャネルを送信す
    るのに必要な周波数を印加するための送信用シンセサイ
    ザ手段(36)と、 前記受信用シンセサイザ手段および送信用シンセサイザ
    手段に基準周波数を供給するための基準周波数発振手段
    (40)と、 前記無線受信手段において受信中の信号の通信品質を監
    視して通信品質情報を出力するための通信品質監視手段
    (37)と、 前記関門交換機において登録された前記識別情報を記憶
    するためのID識別記憶手段(34)と、 前記ID識別記憶手段に記憶された前記識別情報をもと
    に、前記受信用シンセサイザ手段に受信すべき前記無線
    チャネルを指示し、前記送信用シンセサイザ手段に送信
    すべき前記無線チャネルを指示するた−めの制御手段
    (38)と を含むものである特許請求の範囲第31項記載の移動体通
    信の通信システム。
  35. 【請求項35】前記無線基地手段(30B,C)が、 n個の上り無線チャネルのうち、2≦i≦nなるi個の
    上り無線チャネルの受信に必要な周波数を発生するため
    の受信用シンセサイザ手段(35)と、 前記i個の上り無線チャネルを並行して受信することが
    できるように前記受信用シンセサイザ手段の出力を通信
    信号の周波数よりも十分に速い速度で順次切替えるため
    の受信チャネル切替手段(44-1)と、 n個の下り無線チャネルのうち、2≦i≦nなるi個の
    下り無線チャネルの送信に必要な周波数を発生するため
    の送信用シンセサイザ手段(36)と、 前記i個の下り無線チャネルを並行して送信することが
    できるように前記送信用シンセサイザ手段の出力を通信
    信号の周波数よりも十分に速い速度で順次切替えるため
    の送信チャネル切替手段(44-2)と、 前記受信用シンセサイザ手段および前記送信用シンセサ
    イザ手段に基準周波数を供給するための基準周波数発振
    手段(40)と、 前記受信用シンセサイザ手段および前記送信用シンセサ
    イザ手段に発生すべき周波数の指示を与え、前記受信チ
    ャネル切替手段と前記送信チャネル切替手段に切替えの
    指示を与えるための制御手段(38B,C)と、 を含むものである特許請求の範囲第31項記載の移動体通
    信の通信システム。
  36. 【請求項36】前記無線基地手段(30C)が、 アンテナ共用手段(96)と、 前記アンテナ共用手段に接続された送信機および受信機
    をそれぞれ含む複数の送受信手段(90)と、 前記送受信手段における通信品質を監視するための複数
    の通信品質監視手段(93)と、 制御用の信号を送受するためのすくなくとも1つの制御
    用送受信手段(94)と、 前記複数の送受信手段と前記すくなくとも1つの制御用
    送受信手段にそれぞれ送受すべき無線チャネルを指示制
    御し、前記複数の通信品質監視手段に監視すべき無線チ
    ャネルを指示制御するための制御手段(38C)と を含むものである特許請求の範囲第31項記載の移動体通
    信の通信システム。
  37. 【請求項37】前記送受信手段(90)が、 n個の上り無線チャネルのうち2≦i≦nなるi個の上
    り無線チャネルの受信に必要な周波数を発生するための
    受信用シンセサイザ手段(35)と、 前記i個の上り無線チャネルを並行して受信することが
    できるように前記受信用シンセサイザ手段の出力を通信
    信号の周波数よりも十分に速い速度で順次切替えるため
    の受信チャネル切替手段(44-1)と、 n個の下り無線チャネルのうち2≦i≦nなるi個の下
    り無線チャネルの送信に必要な周波数を発生するための
    送信用シンセサイザ手段(36)と、 前記i個の下り無線チャネルを並行して送信することが
    できるように前記送信用シンセサイザ手段の出力を通信
    信号の周波数よりも十分に速い速度で順次切替えるため
    の送信チャネル切替手段(44-2)と 前記受信用シンセサイザ手段および前記送信用シンセサ
    イザ手段に発生すべき周波数の指示を与え、前記受信チ
    ャネル切替手段と前記送信チャネル切替手段に切替えの
    指示を与えるための制御手段(38C)と を含むものである特許請求の範囲第36項記載の移動体通
    信の通信システム。
  38. 【請求項38】前記制御手段(38,B,C)が、 前記移動無線手段(50,B,C,D)が発呼信号を送出し、こ
    の発呼信号を良好に受信したとき、前記移動無線手段の
    識別情報とともにこの識別情報を受信した自無線基地手
    段の識別情報および受信品質情報を前記移動無線手段に
    対し返信するように制御するものである特許請求の範囲
    第34項,第35項,第36項または第37項項記載の移動体通
    信の通信システム。
  39. 【請求項39】前記制御手段(38,B,C)が、 前記移動無線機(50,B,C,D)が自無線基地手段(30,B,
    C)と通信中に、自無線基地局がカバーするエリアにお
    いて、通信トラヒックが変動した場合に、あらかじめ定
    めた通信の種類に対して与えられた優先順位を考慮して
    前記通信に参加するか否かを決定するように制御するも
    のである特許請求の範囲第34項,第35項,第36項または
    第37項記載の移動体通信の通信システム。
  40. 【請求項40】前記制御手段(38,B,C)が、 前記移動無線手段(50,B,C,D)と通信中に、電波伝搬特
    性が変化し、通信品質に影響を受けた場合に、前記通信
    品質を所要のレベル以上に保持することが困難であると
    判断した場合には、前記移動無線手段に通信の停止許可
    を求めるように制御するものである特許請求の範囲第34
    項,第35項,第36項,または第37項記載の移動体通信の
    通信システム。
  41. 【請求項41】前記制御手段(38,B,C)が、 前記移動無線手段(50,B,C,D)と通信中に、通信路の通
    信品質が所定のレベル以下になった場合に、この通話路
    を解除し、新たに前記所定のレベルを満足する通信品質
    を確保することのできる新無線基地手段(30,B,C)との
    間に新たな通話路を設けることを前記移動無線手段に連
    絡するように制御するものである特許請求の範囲第34
    項,第35項,第36項または第37項記載の移動体通信の通
    信システム。
  42. 【請求項42】前記制御手段(38,B,C)が、 前記移動無線手段(50,B,C,D)と通信中に、受信する受
    信電界を含む受信品質の変化により前記移動無線手段の
    進行方向および速度を検出し、移動先を推定し、その移
    動先にある他の無線基地手段(30,B,C)の通信トラヒッ
    ク状況を調査し、輻輳状態にあるときにはその移動先に
    ある無線基地手段で通信中の他の移動無線手段の通信の
    種類により前記他の移動無線手段の通信している他の無
    線基地手段との通信を中止させるように制御するもので
    ある特許請求の範囲第34項,第35項,第36項または第37
    項記載の移動体通信の通信システム。
  43. 【請求項43】前記制御手段(38,B,C)が、 前記移動無線手段(50,B,C,D)と通信中に、受信する受
    信電界を含む受信品質の変化により前記移動無線手段の
    進行方向および速度を検出して、通信中のチャネル切替
    に際して、前記進行方向にある他の無線基地手段の所有
    する無線チャネルのうち、所定の通話品質を確保するこ
    とのできる無線チャネルを優先的に割り当てるように前
    記他の無線基地手段に連絡するものである特許請求の範
    囲第34項,第35項,第36項または第37項記載の移動体通
    信の通信システム。
  44. 【請求項44】前記制御手段(38,B,C)が、 前記移動無線手段(50,B,C,D)と通信中に受信する受信
    電界を含む通信品質の変化により前記移動無線手段の進
    行方向、速度および位置を検出するものである特許請求
    の範囲第34項,第35項,第36項または第37項記載の移動
    体通信の通信システム。
  45. 【請求項45】前記制御手段(38B,C)が、 複数の無線チャネルに対応する送信周波数を通信信号の
    周波数よりも十分に速い速度で反復して切替えることに
    より並行して複数の無線チャネルを送信するように制御
    するものである特許請求の範囲−第35項,第36項または
    第37項記載の移動体通信の通信システム。
  46. 【請求項46】前記制御手段(38B,C)が、 複数の無線チャネルに対応する受信周波数を通信信号の
    周波数よりも十分に速い速度で反復して切替えることに
    より並行して複数の無線チャネルを受信するように制御
    するものである特許請求の範囲−第35項,第36項,また
    は第37項記載の移動体通信の通信システム。
  47. 【請求項47】前記制御手段(38,B,C)が、 通信トラヒックの輻輳状態にあるゾーンに存在する場合
    には、移動無線手段(50,B,C,D)の通信の相手として所
    定の通信品質を確保できる他の無線基地手段(30,B,C)
    との通信をするように前記移動無線機に指示するように
    するものである特許請求の範囲第34項,第35項,第36項
    または第37項記載の移動体通信の通信システム。
  48. 【請求項48】前記制御手段(38C)が、 通信トラヒックの増加により、前記送受信手段の数のチ
    ャネル以上の通信が必要になった場合には、前記複数個
    の送信機のうちのすくなくとも1個の送信機において、
    複数の無線チャネルに対応する送信周波数を通信信号の
    周波数よりも十分に速い速度で反復して切替えることに
    より並行して複数の無線チャネルを送信するように制御
    するものである特許請求の範囲第36項記載の移動体通信
    の通信システム。
  49. 【請求項49】前記制御手段(38C)が、 通信トラヒックの増加により、前記送受信手段の数のチ
    ャネル以上の通信が必要になった場合には、前記複数個
    の受信機のうちのすくなくとも1個の受信機において、
    複数の無線チャネルに対応する受信周波数を通信信号の
    周波数よりも十分に速い速度で反復して切替えることに
    より並行して複数の無線チャネルを受信するように制御
    するものである特許請求の範囲第36項記載の移動体通信
    の通信システム。
  50. 【請求項50】前記移動無線手段(50)が、 n個の無線チャネルのうち2≦i≦nなるi個の無線チ
    ャネルの受信に必要な周波数を発生するための受信用シ
    ンセサイザ手段(55)と、 前記i個の無線チャネルを並行して受信することができ
    るように前記受信用シンセサイザ手段の出力を通信信号
    の周波数よりも十分に速い速度で順次切替えるための受
    信チャネル切替手段(64-1)と、 前記受信用シンセサイザ手段の出力を前記受信チャネル
    切替手段を介して印加されて前記i個の無線チャネルを
    受信するための受信ミクサを含む無線受信手段(68)
    と、 n個の無線チャネルのうち2≦i≦nなるi個の無線チ
    ャネルの送信に必要な周波数を発生するための送信用シ
    ンセサイザ手段(56)と、 前記i個の無線チャネルを並行して送信することができ
    るように前記送信用シンセサイザ手段の出力を通信信号
    の周波数よりも十分に速い速度で順次切替えるための送
    信チャネル切替手段(64-2)と、 前記送信用シンセサイザ手段の出力を前記送信チャネル
    切替手段を介して印加されて前記i個の無線チャネルを
    送信するための送信ミクサを含む無線送信手段(66)
    と、 前記送信用シンセサイザ手段および前記受信用シンセサ
    イザ手段に基準となる周波数を供給するための基準周波
    数発振手段(71)と、 前記無線受信手段の受信する通信品質を監視するための
    通信品質監視手段(57)と、 前記関門交換手段において登録された前記識別情報を記
    憶するためのIDローム・エリア照合記憶手段(54)と、 前記IDローム・エリア情報照合記憶手段の記憶内容を照
    合して前記受信チャネル切替手段および前記送信チャネ
    ル切替手段に切替の指示を与え、前記受信用シンセサイ
    ザ手段および前記送信用シンセサイザ手段に発生すべき
    周波数の指示をするための制御手段(58)と を含む特許請求の範囲第31項記載の移動体通信の通信シ
    ステム。
  51. 【請求項51】前記移動無線手段(50B)が、 n個の無線チャネルのうち2≦i≦nなるi個の無線チ
    ャネルの受信に必要な周波数を発生するための受信用シ
    ンセサイザ手段(55)と、 前記i個の無線チャネルを並行して受信することができ
    るように前記受信用シンセサイザ手段の出力を通信信号
    の周波数よりも十分に速い速度で順次切替えるための受
    信チャネル切替手段(64-1)と、 前記受信用シンセサイザ手段の出力を前記受信チャネル
    切替手段を介して印加されて前記i個の無線チャネルを
    受信するための受信ミクサを含む無線受信手段(68)
    と、 n個の無線チャネルのうち2≦i≦nなるi個の無線チ
    ャネルの送信に必要な周波数を発生するための送信用シ
    ンセサイザ手段(56)と、 前記i個の無線チャネルを並行して送信することができ
    るように前記送信用シンセサイザ手段の出力を通信信号
    の周波数よりも十分に速い速度で順次切替えるための送
    信チャネル切替手段(64-2)と、 前記送信用シンセサイザ手段の出力を前記送信チャネル
    切替手段を介して印加されて前記i個の無線チャネルを
    送信するための送信ミクサを含む無線送信手段(66)
    と、 受信すべき無線チネルを順次受信することができるよう
    に前記受信用シンセサイザ手段の出力を遅い速度で順次
    切替えるための測定用チャネル切替手段(64-3)と、 前記受信用シンセサイザ手段の出力を前記測定用チャネ
    ル切替え手段を介して印加されて前記i個の無線チャネ
    ルの搬送波対雑音比を測定してC/Nデータを出力するた
    めのC/N測定用受信手段(52)と、 前記関門交換手段(20)において登録された前記識別情
    報を記憶するためのIDローム・エリア照合記憶手段(5
    4)と、 前記C/Nデータと前記IDローム・エリア情報照合記憶手
    段の記憶内容を照合して前記受信チャネル切替手段およ
    び前記送信チャネル切替手段および前記測定用チャネル
    切替え手段に切替えの指示を与え、前記受信用シンセサ
    イザ手段および前記送信用シンセサイザ手段に発生すべ
    き周波数の指示をするための制御手段とを含む特許請求
    の範囲第31項記載の移動体通信の通信システム。
  52. 【請求項52】前記移動無線手段(50C)が、 n個の無線チャネルのうち2≦i≦nなるi個の無線チ
    ャネルの受信に必要な周波数を発生するための受信用シ
    ンセサイザ手段(55)と、 前記受信用シンセサイザ手段の出力をそれぞれ印加され
    て前記i個の無線チャネルを受信するための受信ミクサ
    を含む無線受信手段(68)と、 n個の無線チャネルのうち2≦i≦nなるi個の無線チ
    ャネルの送信に必要な周波数を発生するための送信用シ
    ンセサイザ手段(56)と、 前記i個の無線チャネルを並行して送信することができ
    るように前記送信用シンセサイザ手段の出力を通信信号
    の周波数よりも十分に速い速度で順次切替えるための送
    信チャネル切替手段(64-2)と、 前記送信用シンセサイザ手段の出力を前記送信チャネル
    切替手段を介して印加されて前記i個の無線チャネルを
    送信するための送信ミクサを含む無線送信手段(66)
    と、 前記送信用シンセサイザ手段および前記受信用シンセサ
    イザ手段に基準となる周波数を供給するための基準周波
    数発振手段(71)と、 前記i個の無線受信手段の受信する通信品質をそれぞれ
    監視するための通信品質監視手段(57)と、 前記i個の無線チャネルを受信した無線受信手段からの
    通信信号を混合して混合した通信信号を得るための混合
    手段(69)と、 前記関門交換手段(20)において登録された前記識別情
    報を記憶するためのIDローム・エリア照合記憶手段(5
    4)と、 前記IDローム・エリア情報照合記憶手段の記憶内容と前
    記通信品質監視手段の出力を照合して前記受信チャネル
    切替手段および前記送信チャネル切替手段に切替の指示
    を与え、前記受信用シンセサイザ手段および前記送信用
    シンセサイザ手段に発生すべき周波数の指示をするため
    の制御手段(58C)とを含む特許請求の範囲第31項記載
    の移動体通信の通信システム。
  53. 【請求項53】前記制御手段(58,B,C)が、 周辺に存在する複数の無線基地手段(30,B,C)と通信中
    に、前記サービス・エリアのうち、前記通信中の無線基
    地手段がカバーするエリアにおいて、通信トラヒックが
    変動した場合に、あらかじめ定めた通信の種類に対して
    与えられた優先順位を考慮して前記通信に参加する無線
    基地手段の数を変更するように制御するものである特許
    請求の範囲第50項,第51項または第52項記載の移動体通
    信の通信システム。
  54. 【請求項54】前記制御手段(58,B,C)が、 周辺に存在する複数の無線基地手段(30,B,C)と通信中
    に、電波伝搬特性が変化し、通信品質に影響を受けた場
    合に、通信すべき前記無線基地局の数を変えて前記通信
    品質を所要のレベル以上に保持するように制御するもの
    である特許請求の範囲第50項,第51項,または第52項記
    載の移動体通信の通信システム。
  55. 【請求項55】前記制御手段(58,B,C)が、 周辺に存在する複数の無線基地手段(30,B,C)と通信中
    に、そのうちの1つの無線基地手段との間の通信路の通
    信品質が所定のレベル以下になった場合に、この通信路
    を解除し、新たに前記所定のレベルを満足する通信品質
    を確保することのできる無線基地手段との間に新たな通
    信路を設けるように制御するものである特許請求の範囲
    第50項,第51項または第52項記載の移動体通信の通信シ
    ステム。
  56. 【請求項56】前記制御手段(58,B,C)が、 周辺に存在する複数の無線基地手段(30,B,C)と通信中
    に、これら複数の無線基地局が受信する受信電界を含む
    受信品質の変化に関する情報を返信せしめて、自移動無
    線手段の進行方向および速度を検出し、移動先を推定
    し、その移動先にある無線基地手段の通信トラヒック状
    況を調査し、輻輳状態にあるときはその移動先にある無
    線基地手段で通信中の他の移動無線手段の通信の種類に
    より前記他の移動無線手段の通信している無線基地手段
    の数を減少させるように制御するものである特許請求の
    範囲第50項,第51項または第52項記載の移動体通信の通
    信システム。
  57. 【請求項57】前記制御手段(58,B,C)が、 周辺に存在する複数の無線基地手段(30,B,C)と通信中
    に、これら複数の無線基地手段が受信する受信電界を含
    む受信品質の変化に関する情報を返信せしめて、自移動
    無線手段の進行方向および速度を検出して、通信中のチ
    ャネル切替に際して、前記進行方向にある無線基地手段
    の所有する無線チャネルのうち、所定の通信品質を確保
    することのできる無線チャネルを優先的に割り当てるよ
    うに制御するものである特許請求の範囲第50項,第51項
    または第52項記載の移動体通信の通信システム。
  58. 【請求項58】前記制御手段(58,B,C)が、 通信中の複数の無線基地手段(30,B,C)が受信する受信
    電界を含む通信品質の変化に関する情報を返信せしめ
    て、自移動無線手段の進行方向、速度および位置を検出
    するように制御するものである特許請求の範囲第50項,
    第51項または第52項記載の移動体通信の通信システム。
  59. 【請求項59】前記制御手段(58,B,C)が、 複数の無線チャネルに対応する送信周波数を反復して切
    替えることにより並行して複数の無線チャネルを送信す
    るように制御するものである特許請求の範囲第50項,第
    51項または第52項記載の移動体通信の通信システム。
  60. 【請求項60】前記制御手段(58,B,C)が、 複数の無線チャネルに対応する受信周波数を反復して切
    替えることにより並行して複数の無線チャネルを受信す
    るように制御するものである特許請求の範囲第50項,第
    51項または第52項記載の移動体通信の通信システム。
  61. 【請求項61】前記制御手段(58,B,C)が、 自移動無線手段が通信トラヒックの輻輳状態にあるゾー
    ンに存在する場合には、通信の相手として前記輻輳状態
    を一層高める無線基地手段(30,B,C)との通信を認め
    ず、それを除く無線基地手段のうちで所定の通信品質を
    確保できる無線基地手段との通信をするように無線チャ
    ネルを選択するよう制御するものである特許請求の範囲
    第50項,第51項または第52項記載の移動体通信の通信シ
    ステム。
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