JP2585693B2 - ケグ・タツプ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ケグ・シールを備えた容器から液体を給配
するためのケグ・タツプであつて、圧力発生部材に連結
されていて圧力室を内蔵したハウジングと、該ハウジン
グを貫通して軸方向可動に挿入されて前記ケグ・シール
と協働する開弁棒とを備え、該開弁棒の一端を、前記ハ
ウジングの壁を超えて突出する開弁子として構成しかつ
前記開弁棒の他端をケグ・タツプ用作動部分に連結した
形式のものに関する。

〔従来の技術〕

飲食業界では樽からビールを取出すために使用される
ケグ・タツプが公知になつている。該ケグ・タツプは、
圧力室を内蔵したハウジングを有し、該ハウジングを通
つて、レバー作動式の開弁棒が、容器のケグ・シールの
弁を開くために挿入されている。この場合タツプヘツド
は圧縮ガス接続部と、タツピングコツクに通じるホース
のための接続部とを有している。この形式のケグ・タツ
プは家庭用として使用するのには適していない。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の課題は、冒頭で述べた形式ケグ・タツプを改
良して、ビア樽や家庭で慣用の樽状容器からも飲料を取
出すのに適するように構成することである。

〔課題を解決するための手段〕

前記課題を解決する本発明の構成手段は、ハウジング
が実質的に円筒形であり、該ハウジングの全高にわたつ
て延在する開弁棒が、一端の開弁子において外向きに開
口した連続的な液体通路を有しかつ他端では該液体通路
に対して実質的に直角に配置された液体ダクトに連通合
体し、該液体ダクトは、前記ハウジングの周壁に形成さ
れたレセスを通つて挿嵌された箱金物内に削成されてお
りかつ閉止弁によつて開閉可能な液体用の注出口を有
し、前記ハウジングの内部の下範囲に圧力室が設けられ
てピストンによつて制限されており、該ピストンは前記
ハウジングの上端部で、ピストン棒を介して操作つまみ
に結合されかつ軸方向の中心孔を有しており、該中心孔
を通つて前記開弁棒が挿入されかつ前記ピストンの運動
とは独自に前記中心孔内でシールされた状態で軸方向シ
フト可能に配置されており、前記ピストンが、該ピスト
ンの作動時に前記ハウジングの圧力室内へ圧力媒体を流
出させる開口を開閉するピストンガスケツトを備え、か
つ圧力媒体用の、逆止弁を有する流出ダクトが前記圧力
室に連絡している点にある。

なお、本発明の有利な構成は請求項２以降に記載した
通りである。

〔作用〕

このように構成したケグ・タツプはケグ・シールを備
えた容器例えばビア樽又はバレルのために適している。
該ケグ・タツプを用いることによつて家庭環境において
ケグ・シールを有する容器から飲料水を注出することも
可能になる。操作は著しく簡便であり、誤操作を犯す虞
れもない。液体の流動経路が多屈折せず単純な真直ぐな
経路であることの利点は明らかである。ハウジング内部
における開弁棒内の垂直な液体通路は、やはり真直ぐな
水平方向の液体ダクトへ変向されるにすぎず、かつ液体
は閉止弁の直ぐ後方で該液体ダクトから注出される。生
産が単純化されることに加えて、本発明のように構成し
たケグ・タツプの掃除が簡便かつ確実に行えるので衛生
上の効果も得られる。更に又、本発明のケグ・タツプを
用いて開弁しようとする容器はホース接続部に依存する
ことも、特殊な場所に制約されることもないので、所望
の任意の使用位置に設置することができるので、極めて
有利である。

〔実施例〕

次に図面に基づいて本発明の実施例を詳説する。

樽から飲料を給配する取出し口を形成する所謂ケグ・
タツプは、実質的に円筒形のハウジング１を有し、該ハ
ウジングを通して開弁棒３が挿入されておりかつハウジ
ング内部の全長にわたつて延在している。樽のような容
器（図示せず）のケグ・シールに連結すべきハウジング
１の下端部1aにおいて開弁棒３は突出し、該突出端部は
開弁子４のして構成されている。開弁棒３の反対側の端
部は、ハウジング１の上端部1bに配置された作動部分と
協働する。図示の実施例では該作動部分は後述のように
雌ねじ付きリング21を有している。

開弁棒３を貫通する連続した軸方向孔は液体通路７と
して構成されており、かつ、液体を収容する容器（図示
せず）内の上昇管と、前記液体通路７に対して実質的に
直角に配置された液体ダクト17とを連絡する。該液体ダ
クト17はハウジング１の周壁に配設されたレセス16を通
つて挿嵌された箱金物（スターラツプ）15内に削成され
ており、該箱金物はハウジング室６を直角な横方向に貫
通している。箱金物15は液体ダクト17から導出する注出
口18を有し、該注出口は操作レバー20によつて作動され
る閉止弁19の直ぐ後方に配置されている。タツピング
（液体の注出）は周知のようにいかなる滴下もなく行わ
れる。

このように構成したことによつて、液体通路７が開弁
棒３を通つて垂直方向に真直ぐ導かれており、従つて該
開弁棒は同時に上昇管として役立ちかつ容器内部に配置
された直線状の上昇管の事実上の延長部を成している。
この液体通路は７はやはり直線的な液体ダクト17に合流
し、該液体ダクトから飲料は閉止止19の開弁によつて取
出される。

ハウジング１の下部範囲には圧力室２が配置されてお
りかつピストン８によつて制限されており、該ピストン
を介して圧力媒体例えば空気が容器内へ導入される。開
弁棒３は該ピストン８内の軸方向中心孔を通つて摺動可
能にガイドされており、かつガスケツト3a例えばＯリン
グによつてシールされている。ピストン８は２つのピス
トン円板8a,8bを有し、両ピストン円板は相互間隔をお
いて配置されて内室９を制限しており、該内室９内に
は、ピストン８の作動時に圧力媒体の供給を許容又は阻
止するピストンガスケット11が嵌装されている。圧力室
２寄りのピストン円板8bは、両ピストン円板8aと8bの間
の内室９を圧力室２に連通する少なくとも１つ（殊に有
利には２つ）の穴10を有している。ピストン８は複数の
ピストン棒14によつて操作つまみ５に結合されており、
該操作つまみはハウジング１の上端部1bに配置されてい
る。該操作つまみ５の軸方向運動に基づいてピストン８
は作用位置の不作用位置とにもたらされ、その結果、ハ
ウジング１の内周壁に当接しているピストンガスケット
11は、上位ピストン円板8aの周縁とハウジング１の内周
壁との間のギヤツプ9aを閉塞又は開放する。このギヤツ
プ9aの開放時には、ハウジング室６と、上下のピストン
円板8a,8b間の内室９と下位ピストン円板8b内の穴10と
圧力室２と流出ダクト13との間には連通が生じる。

開弁棒３のための作動部分は、操作つまみ５の下面と
箱金物15の上面との間に配置されている。要するに該作
動部分は雌ねじ付きリング21であり、該雌ねじ付きリン
グは、その回動時に前記の箱金物15と開弁棒３を上下動
させるように、箱金物15に、ひいては開弁棒３に連結さ
れている。

箱金物15と開弁棒３は互に緊定結合されており、かつ
安定化のために、両者にかぶさる保持機構22によつて固
定されている。第１図では一部分しか示されていないが
少なくとも１つの連結片23が箱金物15に設けられており
かつ雌ねじ付きリング21の外周面に周方向に設けられた
周溝24に係合し、前記雌ねじ付きリングの回動時には前
記周溝内を摺動する。

雌ねじ付きリング21のそれ相応の回動に基づいて、開
弁棒３はケグ・シール（図示せず）内の弁に抗して移動
して該弁を開く。その場合開弁棒３は上昇管となり、該
上昇管の液体通路７は容器内の上昇管と連通する。

なお念のために付記しておくが、容器内に圧力を増成
する必要がある場合、操作つまみ５つまりピストン８が
作動されて圧力媒体を容器内部に供給する。

圧力媒体としては空気を使用するのが有利である。し
かしながら、構成上の特徴に実質的影響を及ぼすことの
ない僅かな設計変更を加えてケグ・タツプは、圧力媒体
として二酸化炭素を使用できるように構成されてもよ
い。この場合ピストン構造に代えて適当な弁が使用され
る。

〔発明の効果〕

本発明によるケグ・タツプでは、開弁棒３内に液体通
路７が一体成形されているゆえに、該開弁棒は、ケグ・
シールな対する穴あけ部材を形成すると同時に容器から
飲料を抽出するための上昇管を形成しているので、構造
も単純化され、操作や掃除が簡便であり、従つて本発明
のケグ・タツプは生産の面から見ても衛生上の観点から
見ても有利であり、しかも業務用としてのみならず、家
庭用としても顕著な適用可能性を有しているので、本発
明の産業上の利用価値はきわめて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図はケグ・タツプの縦断面図、第２図は第１図のＡ
−Ａ線に沿つた横断面図、第３図は第１図のＢ−Ｂ線に
沿つた横断面図である。 １……ハウジング、1a……下端部、1b……上端部、２…
…圧力室、３……開弁棒、3a……ガスケツト、４……開
弁子、５……操作つまみ、６……ハウジング室、７……
液体通路、８……ピストン、8a,8b……ピストン円板、
９……内室、9a……ギヤツプ、10……穴、11……ピスト
ンガスケツト、12……逆止弁、13……流出ダクト、14…
…ピストン棒、15……箱金物、16……レセス、17……液
体ダクト、18……注出口、19……閉止弁、20……操作レ
バー、21……雌ねじ付きリング、22……保持機構、23…
…連結片、24……周溝

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ケグ・シールを備えた容器から液体を給配
   するためのケグ・タツプであつて、圧力発生部材に連結
   されていて圧力室を内蔵したハウジングと、該ハウジン
   グを貫通して軸方向可動に挿入されて前記ケグ・シール
   と協働する開弁棒とを備え、該開弁棒の一端を前記ハウ
   ジングの壁を超えて突出する開弁子として構成しかつ前
   記開弁棒の他端をケグ・タツプ用作動部分に連結した形
   式のものにおいて、ハウジング（１）が実質的に円筒形
   であり、該ハウジング（１）の全高にわたつて延在する
   開弁棒（３）が、一端の前記開弁子（４）において外向
   きに開口した連続的な液体通路（７）を有しかつ他端で
   は該液体通路（７）に対して実質的に直角に配置された
   液体ダクト（17）に連通合体し、該液体ダクトは、前記
   ハウジング（１）の周壁に形成されたレセス（16）を通
   つて挿嵌された箱金物（15）内に削成されておりかつ閉
   止弁（19）によつて開閉可能な液体用の注出口（18）を
   有し、前記ハウジング（１）の内部の下範囲に圧力室
   （２）が設けられてピストン（８）によつて制限されて
   おり、該ピストンは前記ハウジング（１）の上端部（1
   6）で、ピストン棒（14）を介して操作つまみ（５）の
   結合されかつ軸方向の中心孔を有しており、該中心孔を
   通つて前記開弁棒（３）が挿入されかつ前記ピストンの
   運動とは独自に前記中心孔内でシールされた状態で軸方
   向シフト可能に配置されており、前記ピストン（８）
   が、該ピストンの作動時に前記ハウジング（１）の圧力
   室（２）内へ圧力媒体を流出させる開口を開閉するピス
   トンガスケツト（11）を備え、かつ圧力媒体用の逆止弁
   （12）を有する流出ダクト（13）が前記圧力室（２）に
   連絡している。ケグ・タツプ。
2. 【請求項２】ピストン（８）が、相互間隔をおいて配置
   された２つのピストン円板（8a,8b）から成り、両ピス
   トン円板（8a,8b）間の内室（９）内にピストンガスケ
   ット（11）が嵌装されてハウジング（１）の内周壁にシ
   ール作用を以て当接し、かつ前記ピストン（８）の作動
   時にハウジング室（６）とピストン（８）の前記内室
   （９）との間の開口ギヤツプ（9a）を開閉するように構
   成されており、かつ、前記圧力室（２）寄りのピストン
   円板（8b）内には、前記ピストン（８）の内室（９）と
   前記圧力室（２）とを連通させる少なくとも１つの穴
   （10）が穿設されている、請求項１記載のケグ・タツ
   プ。
3. 【請求項３】箱金箱（15）が、開弁棒（３）と一緒に軸
   方向可動に該開弁棒に固定結合されている、請求項１記
   載のケグ・タツプ。
4. 【請求項４】雌ねじ付きリング（21）が、ケーシング
   （１）を横切つて挿嵌された箱金物（15）の上面と操作
   つまみ（５）との間に配置されており、かつ、該雌ねじ
   付きリング（21）の回動時に前記箱金物（15）と開弁棒
   （３）とを昇降させるように該箱金物（15）及び該開弁
   棒（３）と協働する、請求項３記載のケグ・タツプ。
5. 【請求項５】圧力媒体が空気又は二酸化炭素である、請
   求項１記載のケグ・タツプ。