JP2585622Y2 - 泡噴出容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は泡噴出容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

【考案が解決しようとする課題】従来の泡噴出容器は、
フロンガス等の高圧ガスを容器内に発泡性の液体ととも
に収納しておき、噴出時に泡を発生させる形式が広く実
用化されている。しかしながら、近年のフロンガスによ
る大気汚損問題により高圧ガスを使用しない泡噴出容器
が提案されている。

【０００３】この様なものとして、特願平２−５１５０
８２号の容器が提案されている。この容器は、液体を収
納した容器の開口部の内側に設けられる空気ポンプのた
めの空気用シリンダと液体ポンプのための液用シリンダ
とを同心円状に設けてなる二重シリンダと、液用シリン
ダの底部と前記容器の底部とを連通する吸液管と、空気
用シリンダと液用シリンダ内をそれぞれ上下移動する空
気用ピストンと液用ピストンとを同心円状に一体に設け
てなるピストン体と、該ピストン体の上端に設けられる
泡噴出用の穴部を有するノズル体と、前記穴部と空気用
シリンダ内とを連通させる空気流路と、液用シリンダ内
と穴部とを連通させる液流路と、該液流路の途中に配設
される第１逆止弁と、液用シリンダ内に配設される第２
逆止弁と、穴部に配設させる多孔体と、ピストン体を二
重シリンダに対する上死点側に付勢する付勢バネと、容
器内の液体と容器外の外気とを連通させて容器内が負圧
になることを防止するために空気用シリンダに形成され
るとともに作動弁を有した外気導入穴と、二重シリンダ
を容器に対して固定させかつピストンを挿通して案内す
る蓋体とを具備してなる容器であって、多孔体を多孔の
シート状体で形成し、多孔のシート状体の配設箇所の手
前側に流通路と空気路とが合流する合流点を設けて液体
と空気とを混合させる混合室となし、ピストン体の空気
用ピストンの摺動部と液用ピストンの摺動部とに高低差
を設けて上下移動させるように液用シリンダを空気用シ
リンダの底面より下方に延設し、かつ空気用シリンダと
空気ピストンとで形成される空気室内への外気導入を前
記空気ピストンの外周面と蓋体の挿通の間隙を介して行
なうために第３逆止弁を空気ピストンに設けて構成して
いる。

【０００４】上記従来の容器は、流通路と空気路とが合
流する合流点がポンプ上端部のノズル体部分に設けられ
ているため、この合流点から空気路を伝って空気用シリ
ンダー内に液が逆流し空気用シリンダー内に液が溜まっ
てしまう場合がある。

【０００５】又、二つのシリンダーを必要とするためポ
ンプが大型化し、それに伴って容器体の口頚部も大きく
構成しなければならない等の構造上の制約が多く、外観
上も良好ではない。

【０００６】本考案は上記した従来技術の欠点を解消し
た優れた泡噴出容器を提案するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案容器は上記課題を
解決するため、容器体口頚部５に嵌合させた装着キャッ
プ６と、該キャップ６頂壁より容器体２内へ垂下させた
有底筒状で且つ底壁中央部を下方へ凹ませて形成した凹
部13を有するシリンダー７と、上記凹部13中央に上端を
開口するとともに、下端を容器体内底部に垂下した吸い
込み管15と、上記凹部開口を開閉可能に閉塞する弁板16
b を有する吸い込み弁16と、上記キャップ頂壁10中央に
穿設した窓孔内周に形成した内方へ下るテーパ状吸気弁
12と、上記吸気弁12内周縁に外周を気密且つ摺動可能に
嵌合させてキャップ頂壁10上方へ上端を突出させるとと
もに、シリンダー７内に上下動可能に垂下させた下端部
周壁にシリンダー７内と連通する透孔19を穿設してなる
有底筒状の吐出管17と、該吐出管17上端に固定して吐出
管17と一体に上下動するノズル付き押し下げヘッド18
と、上記吐出管及び押し下げヘッド18で構成する上下動
部材８を常時上方へ付勢する弾性部材25と、上記凹部13
内に横設した発泡層30と、上記シリンダー７内周面に外
周縁を液密・気密且つ上下動可能に嵌合させるととも
に、内周縁部を上記吐出管17外周部に所定幅の上下動が
可能で且つ液密・気密に嵌合装着し、且つ上記上下動部
材８の下降時に上記透孔19を開口し、且つ上昇時に閉塞
する環状ピストン26とを有し、上記シリンダー７の凹部
底壁に容器体２内部と連通する透孔29を穿設するととも
に、シリンダー周壁7b上部に容器体２内へ一方的に連通
する逆止弁28付き透孔27を設けて構成した。

【０００８】

【作用】図１の状態から上下動部材８と装着キャップ６
との螺合を外すと、スプリング25の作用で上下動部材８
は上昇して吐出可能な状態となる。この状態から上下動
部材８を押し下げると、環状ピストン26下方のシリンダ
ー７内の泡は透孔19を介して吐出管17内を通りノズル22
より噴出される。この際、外気が吸気弁12を介してピス
トン26上部のシリンダー７内に導入される。

【０００９】次いで上下動部材８が上昇すると、環状ピ
ストン26はその上部のシリンダー７内の空気圧で吐出管
17に対して相対的に下降し、その吐出弁体部26e が係止
突起21上面に当接してシリンダー７内と吐出管17内とを
遮断するため、環状ピストン26下部のシリンダー７内は
負圧化して吸い込み弁16が開き容器体２内の液が吸い込
み管15を介してシリンダー７の凹部13内へ吸い上げられ
る。一方、ピストン26上部のシリンダー７内が加圧され
て逆止弁28を開いて容器体内へ空気が導入され、圧入さ
れた加圧空気は透孔29を介して凹部13内に導入され、凹
部13内で液と混合し発泡層30により起泡され、吸い込み
弁16を介してシリンダー７内に泡が導入される。

【００１０】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面を参照して説明
する。

【００１１】図１は本考案の一実施例を示し、図中１は
泡噴出容器を示す。該容器１は、容器体２とポンプ３と
を備えている。

【００１２】容器体２は合成樹脂、硝子等より形成され
たもので、筒状胴部４より口頚部５を起立して構成して
いる。

【００１３】又、ポンプ３は合成樹脂により形成された
もので、装着キャップ６と、シリンダー７と、上下動部
材８とを主要部材として構成している。

【００１４】装着キャップ６は、容器体口頚部５外周に
螺合させた周壁９上端縁より頂壁10を延設するととも
に、頂壁10中央部に穿設した円形窓孔内周部上部にヘッ
ド螺着用の螺条11を周設し、又、螺条11下部にテーパ状
の吸気弁12を一体に周設して構成している。

【００１５】又、上記シリンダー７は、装着キャップ頂
壁10に上端を嵌着固定して容器体口頚部５内に垂設した
有底円筒状をなし、底壁7a中央部には、底壁を円形に下
方へ凹ませて形成した凹部13を設けている。又、凹部13
中央に穿設した円形窓孔周縁より嵌合筒部14を垂設し、
該筒部14外周に上端を嵌着固定し且つ下端を容器体内底
部に垂下させた吸い込み管15を設けている。

【００１６】シリンダー７内下端部には吸い込み弁16を
設けている。この吸い込み弁16は、シリンダー７内周下
端部に嵌着固定した円筒基部16a 内面一部より突設した
棒状連結部を介して延設した円板状の弁板16b を有し、
該弁板16b が上記凹部13上端開口を開閉可能に閉塞する
如く構成している。

【００１７】上下動部材８は、更に吐出管17と押し下げ
ヘッド18とから構成している。

【００１８】上記吐出管17は、外周を上記吸気弁12内周
縁に摺動可能に嵌合させて上端をキャップ頂壁10上方へ
上下動可能に突出させるとともに、下端をシリンダー７
内に上下動可能に垂下させた有底円筒状をなしている。
又、その周壁17a 下端部にシリンダー７内と連通する透
孔19を穿設し、その透孔19の上方位置の周壁17a 外周面
より下端を開口した係止筒部20を二重筒状に垂設し、
又、その下端縁と所定間隔をあけた透孔19下方位置に外
向きフランジ状の係止突起21を突設している。

【００１９】押し下げヘッド18は、上記吐出管17上端に
嵌合筒部18a を嵌着固定させて装着させたもので、吐出
管17上端開口から前面に開口したノズル22の注出孔に至
る流通路23を内部に形成している。

【００２０】又、上下動部材８の上記嵌合筒部18a の外
周には上記装着キャップ６の螺条11と螺合する螺条24を
設けて、上下動部材８を下降状態で係止可能に構成して
おり、上下動部材８の螺着係止時には吐出管17下面が吸
い込み弁板16b 上面に押圧当接する如く構成している。
従って、この螺着係止時には誤って容器体を倒す等して
も液の漏出を生じる虞れはない。

【００２１】又、上記上下動部材８は、ヘッド頂壁18b
とキャップ頂壁10間に装着させた弾性部材25としてのコ
イルスプリングにより常時上方へ付勢させている。

【００２２】又、上記シリンダー７内には環状ピストン
26を装着している。該ピストン26は、上記吐出管17の係
止筒部20及び係止突起21間を上下動するドーナツ板状の
環状基部26a を有し、該基部26a の外縁上面から上方に
広がるスカート状をなす外部上方摺動部26b を、又、環
状基部26a 外縁下面から下方に広がるスカート状をなす
外部下方摺動部を、又、環状基部26a 内縁上面から上方
に上端が外方に広がる内部上方摺動部26d を、又、環状
基部26a 内縁下面から下方に垂下するリング板状の吐出
弁体部26e を各々延設した縦断面が略Ｈ状をなし、上記
外部上方摺動部26b 上端及び外部下方摺動部26c 下端を
それぞれシリンダー７内周面に摺動可能に当接するとと
もに、内部上方摺動部26d 上端を上記係止筒部20内側に
摺動可能に且つ液密・気密に当接させて装着している。
そして、上下動部材８の押し下げ時には環状ピストン26
下方の液圧で環状基部26a 上面が係止筒部20下端縁に当
接してシリンダー７内と吐出管17内とが連通し、又、上
下動部材８の上昇時にはピストン26上方の空気圧で吐出
弁体部26e が係止突起21上面と当接してシリンダー７内
と吐出管17内との連通を遮断する如く構成している。

【００２３】上記シリンダー７の周壁7a上端部には、容
器体２内へ連通する透孔27を穿設し、該透孔27外周に容
器体内へ一方的に連通させるための逆止弁28を設けてい
る。又、シリンダー７の上記凹部13の底壁部13a にも容
器体２内と連通する透孔29を設けている。そして、上下
動部材８の上昇時にシリンダー７内の空気が透孔27から
逆止弁28を開いて容器体２内へ圧入され、更に、透孔29
を介して凹部13内に圧入され、ここで気液の合流を行え
る如く構成している。

【００２４】又、上記凹部13内には、発泡層30を横設し
ている。この発泡層30は、網状の多孔シートで構成して
おり、凹部底壁13a と若干間隔をあけて凹部13内に横設
している。この発泡層30を気・液混合液が通過すると発
泡して泡が形成される如く構成している。又、上下動部
材８の吐出管17内上部にも多孔シートよりなる整泡層31
を横設している。この整泡層31は下部の発泡層30で一旦
発泡された泡を略均一にする働きをする。尚、上記発泡
層30及び整泡層31は上記多孔シートに限らず、多孔質部
材等の従来のこの種容器に使用されている発泡機能，整
泡機能のあるものであれば使用可能である。

【００２５】

【考案の効果】以上説明した如く本考案容器は、既述構
成としたことにより、液と空気の合流がシリンダー下端
部の吸い込み弁下方に於いて行われるため、従来のこの
種容器の様に空気用シリンダー内に液が流れ込み、溜ま
って、上下動部材や環状ピストンの作動障害等を引き起
こす虞れはない。

【００２６】又、一つのシリンダーで液用及び空気用を
兼用しているため、従来のこの種容器と比較して構造が
単純で製造がし易く、又、ポンプの大きさが小さく構成
でき、それに伴って容器体口頚部も小さく構成出来、比
較的大きくしか構成出来ない従来容器と比較して構造上
の制約が少ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案容器の一実施例を示す縦断面図であ
る。

【符号の説明】

２…容器体，６…装着キャップ，７…シリンダー，８…
上下動部材，１２…吸気弁，１３…凹部，１５…吸い込
み管，１６…吸い込み弁，１７…吐出管，１８…押し下
げヘッド，２５…弾性部材，２６…環状ピストン，２８
…逆止弁，３０…発泡層

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器体口頚部５に嵌合させた装着キャッ
   プ６と、該キャップ６頂壁より容器体２内へ垂下させた
   有底筒状で且つ底壁中央部を下方へ凹ませて形成した凹
   部13を有するシリンダー７と、上記凹部13中央に上端を
   開口するとともに、下端を容器体内底部に垂下した吸い
   込み管15と、上記凹部開口を開閉可能に閉塞する弁板16
   b を有する吸い込み弁16と、上記キャップ頂壁10中央に
   穿設した窓孔内周に形成した内方へ下るテーパ状吸気弁
   12と、上記吸気弁12内周縁に外周を気密且つ摺動可能に
   嵌合させてキャップ頂壁10上方へ上端を突出させるとと
   もに、シリンダー７内に上下動可能に垂下させた下端部
   周壁にシリンダー７内と連通する透孔19を穿設してなる
   有底筒状の吐出管17と、該吐出管17上端に固定して吐出
   管17と一体に上下動するノズル付き押し下げヘッド18
   と、上記吐出管及び押し下げヘッド18で構成する上下動
   部材８を常時上方へ付勢する弾性部材25と、上記凹部13
   内に横設した発泡層30と、上記シリンダー７内周面に外
   周縁を液密・気密且つ上下動可能に嵌合させるととも
   に、内周縁部を上記吐出管17外周部に所定幅の上下動が
   可能で且つ液密・気密に嵌合装着し、且つ上記上下動部
   材８の下降時に上記透孔19を開口し、且つ上昇時に閉塞
   する環状ピストン26とを有し、上記シリンダー７の凹部
   底壁に容器体２内部と連通する透孔29を穿設するととも
   に、シリンダー周壁7b上部に容器体２内へ一方的に連通
   する逆止弁28付き透孔27を設けてなることを特徴とする
   泡噴出容器。