JP2585459B2 - 光学的情報記録媒体 - Google Patents

光学的情報記録媒体

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JP2585459B2 JP2228833A JP22883390A JP2585459B2 JP 2585459 B2 JP2585459 B2 JP 2585459B2 JP 2228833 A JP2228833 A JP 2228833A JP 22883390 A JP22883390 A JP 22883390A JP 2585459 B2 JP2585459 B2 JP 2585459B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、レーザ光線によつて情報を記録、再生する
ことのできる光学的情報記録媒体、及びその製造法、該
記録媒体の用途に関する。
〔従来の技術〕
近年、コンパクトデイスク、ビデオデイスク、レーザ
ビームプリンタ用感光体、光学的文字読み取り機等にお
ける情報書き込みあるいは読み取りのための手段とし
て、半導体レーザ光を利用した光記録媒体が実用されて
いる。
これを達成するには、半導体レーザ光すなわち近赤外
光を吸収する記録媒体が必要となる。該記録媒体として
は、テルル、テルル合金、ビスマス合金などの無機系記
録層を有する記録媒体と、フタロシアニン系色素(米国
特許第4298975号),ナフタロシアニン系色素(特開平
1−198391号)などの有機系色素を記録媒体として使用
する方法が検討されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記の無機系記録媒体層を有する光学
記録媒体は、基板上への薄膜形成の手段が真空蒸着、ス
パツタリング等の真空中でのプロセスとなるために生産
性の向上が計りにくいこと、記録層の熱伝導率が大きい
ために記録密度の向上を計る上での限界があること、あ
るいはテルル、セレンなどの有毒物質を取扱う上で安全
衛生上の解決すべき課題がある。
一方、有機系色素を記録媒体とする場合は、耐久性、
反射率の面で無機系記録媒体層を有する光記録媒体と比
べて同様の特性を得るに到つていない。更に、有機記録
媒体は耐久性と溶剤への溶解性の両立も達成されていな
いのが実状である。しかしながら、有機系記録媒体は無
機系記録媒体の前記課題を克服できる可能性を持つてい
ると考えられることから、前記課題を克服しようとする
種種の検討がなされている。すなわち、無機系記録媒体
と同等の耐久性を持ち、しかも、無機系の欠点であるス
ピンナ塗布、デイツプコートが可能な有機記録媒体の探
索がなされている。例えばその一つとして、ナフタロシ
アニン系化合物の中心金属にAl,Ga,In,Te,Si,Ge,Sn,Pb
などを有する各種誘導体を含む有機薄膜からなる光学記
録媒体(特開平1−198391号)が提案されている。
しかしながら、該記録媒体も半導体レーザ光の再生読
出しパワー1mWで読出し回数105回以上可能な有機系記録
媒体ではない。このことから現在、有機系記録媒体を使
用する際は有機記録媒体層に対するダメージの小さい再
生読出しパワー0.5mW以下でシステムが作られている。
しかし、0.5mW以下の再生レーザ光を用いた場合、外部
ノイズを拾い易いこと、1mWを使用している無機系記録
媒体を用いた従来装置に対する互換性がないことなどの
多くの課題がある。
有機光記録媒体の読出し光安定性を向上させる手段と
して、シアニン系色素に一重項酸素クエンチヤーを添加
することなどが提案されている(特公平1−21798
号)。しかし、これは、シアニン系色素が光によつて劣
化するのを防止することに効果があるが、1mWのレーザ
光の熱エネルギーに対しては、効果がない。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであ
る。本発明の目的は、有機記録媒体を基体上にスピンナ
ー塗布、スプレー塗布あるいはデイツプコーテイングが
でき、情報記録媒体層の耐久性、反射率にすぐれた光学
的情報記録媒体、及びその製造法、該記録媒体の用途を
提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、有機系記録媒体の前記課題を解決する
ために種々検討を重ねた結果、レーザ光の再生読出しパ
ワー0.5〜1.5mWで105回以上の読出し回数が可能な有機
光記録媒体を見出した。更に基体への有機記録媒体の塗
布手段として従来困難であったスプレー塗布、スピンナ
塗布、デイツプコートが可能となり、高反射率の付与も
達成することができた。
本発明は基体上に情報記録層を設けて成る光学的情報
記録媒体において、前記情報記録層がナフタロシアニン
環の中心金属にIV属の金属を用い且つ置換基を備えたも
のと、電熱特性が前者に比べて良い(熱クエンチャー)
ナフタロシアニン環の中心金属に遷移金属を有し置換基
を持たないものを前者を1としたとき後者を0.01〜1.5
の割合で混合して形成したものである。
また、第3の発明は前記の情報記録媒体層が、熱分解
開始温度が300℃以下のアザフタロシアニン、フタロシ
アニン、ナフタロシアニンの各誘導体より選ばれる有機
色素と、熱分解開始温度が350℃以上の前記有機色素の
熱劣化防止作用を持つ熱クエンチヤを含むことを特徴と
する光学的情報記録媒体を提供することにある。
また、第4の発明は、使用するレーザ波長に対して情
報記録層を吸収極大波長を短波長側へ20〜100nmシフト
させる化合物を情報記録層に含有することを特徴とする
光学的情報記録媒体を提供することにある。
また、第5の発明は情報記録層が化学構造の異なる2
種以上の有機色素を含み、再生時の情報記録層の膜面レ
ーザパワーが0.5〜1.5mWの範囲内にあるレーザ発振器を
具備していることを特徴とする光学的情報記録媒体の再
生装置を提供することにある。
更に、第6の発明は、光学的情報記録媒体の製造方法
を提供することにある。
本発明において、熱分解開始温度が300℃以下のアザ
フタロシアニン、フタロシアニン、ナフタロシアニンの
各誘導体としては、一般式(I) (上記式中、M1は金属原子を表し、Si,Ge,Snから選ばれ
るIV族金属を表し、Z1,Z2,Z3及びZ4は無置換又は1つ以
上の一価の置換基−Xを有するピリジン環、ベンゼン
環、又はナフタレン環骨格を表す。Xは炭素数1〜20個
のアルキル基、アルケニル基、アルキルチオ基、フエニ
ル基、アシル基又はトリ置換シリル基のいずれかを表
す。また、Y1及びY2は同一又は異なり、−Ar,−OR,−OA
r,−OSiR)3,−OSiOR)3,−OSi(OAr)及び−OC
(C6H5よりなる群から選ばれる基(但しRはC1〜C2
0の直鎖または分岐アルキル基、Arはフェニル基、置換
フェニル基、ベンジル基及び置換ベンジル基よりなる群
から選ばれる基である。)で表わされる誘導体があり、
具体的には例えば、次のようなものが挙げられる。
また、本発明において、一般式(II) (式中、Mは遷移金属を表し、Z1,Z2,Z3,Z4及びXは前
記と同じである。)で表わされる誘導体としては、具体
的には例えば、 などが挙げられる。
本発明において、特に読出し光安定性(耐久性)反射
率、溶媒に対する溶解性にすぐれた混合物としては、 との組み合わせが挙げられる。該組み合わせは、再生読
出しパワーの上限が1.0mWで106回以上の読出しが達成で
きる。
本発明において、一般式(I)で表されるアザフタロ
シアニン、フタロシアニン、ナフタロシアニン系誘導体
と一般式(II)の熱クエンチャーの作用を持つ化合物と
の配合割合は、前者1に対して、後者0.01〜1.5の範囲
が好ましい。また、情報記録層のナフタロシアニン混合
物の反射率が20%以上を有する混合比であることが望ま
しい。
本発明において用いられる基体としては、塩化ビニル
樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフイン樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、
ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケト
ン樹脂、エポキシ樹脂、アリル樹脂、ポリイミド、ポリ
アミド樹脂などの熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂、ある
いはシリコーン樹脂、ホスフアゼン樹脂などの無機系重
合体、ガラス、SiO2、Si3N4、金属などを用いて、フイ
ルム、シート、円筒、3角形以上の柱状物等に成形して
用いられる。該基体は、信号の書き込みや読み出しを行
うため光の透過率が85%以上で光学的異方性の小さいも
のであることが好ましい。これらの材料により、成形さ
れた基板の鏡面状あるいは案内溝パターン(プリグルー
プ)の刻まれた面状に、光硬化性樹脂を積層し、案内溝
パターンが該光硬化性樹脂層の表面に転写された構造で
あつてもよい。
これら基板上に形成する記録層の膜厚は20〜500nmの
範囲であればよい。しかし、レーザー波長に対し、該情
報記録層の吸収波長が僅かにずれる化合物を含有する光
学的情報記録媒体では、膜圧による反射率の干渉効果が
大きい。よつて、反射率の大きくなる膜圧領域を使用す
るのが良い。好ましくは反射率が大きく、吸収率が小さ
い第1干渉膜厚領域30〜80nmの範囲である。更に、反射
層、保護膜層等を設けてデイスク状あるいはシート状の
光学的情報記録媒体を構成するが、本発明はそれら構成
の如何は問わない。
具体的な光学的情報記録媒体の構成例を第10図に示し
た。
本発明において有機記録媒体を構成する混合物は、通
常のスピンコーテイング又はスプレーコート、あるいは
デイツプコーテイング装置を用い基体状に薄膜形成する
ことができる。該塗布方法は、本発明の一般式(I)で
表されるアザフタロシアニン、フタロシアニン、ナフタ
ロシアニンの各誘導体と熱クエンチヤーの作用を持つ化
合物とを混在させたまま、あるいはバインダーと共に溶
媒中に溶解させたもの、あるいは分散させた状態で塗布
できる。
バインダーとしては、ポリイミド、ポリアミド、ポリ
スチレン、アクリル、シリコーン、エポキシ、フエノー
ル等の熱可塑性あるいは熱硬化性の重合体を用いること
ができる。
また、本発明において有機記録媒体を溶解する溶媒と
しては、芳香族系及びハロゲン系溶媒だけでなくケトン
系、エーテル系及び飽和炭化水素系溶媒、あるいはこれ
らの混合系が用いられる。これらの中でも、四塩化炭素
及び、メチルシクロヘキサンとトルエンとの混合系が好
ましい。
こうして作製した、本発明の光学的情報記録媒体は、
レーザー光線を照射することにより該照射部分が溶融又
は昇華でピツト形成を起こし、情報の記録が行われる。
更に、再生時には、レーザー光線パワーは記録膜に損傷
を与えない程度の一定の弱いレベルに制御され、105
以上の再生光照射に対してもピツト形状の熱変形が起こ
らない。用いるレーザー光は、記録層の吸収波長に応じ
てN2、He−Ne、Ar、色素、半導体等の各レーザー光を選
ぶことができる。情報記録層のナフタロシアニン混合物
は波長780〜830nmの半導体レーザーで記録再生し、ま
た、情報記録層のアザフタロシアニン、フタロシアニ
ン、ナフタロシアニン混合物は波長670〜710nmの半導体
レーザーで記録再生し、再生光が0.5〜1.5mWで使用でき
る。また、アザフタロシアニン、フタロシアニン、ナフ
タロシアニン混合物は基体側からの反射率が20%以上あ
る混合比で含有するのが良い。
〔作用〕
一般式(I)で表されるアザフタロシアニン、フタロ
シアニン、ナフタロシアニンの各誘導体を記録媒体とし
た光学的情報記録媒体は、再生レーザ光パワーとして1m
Wを照射すると、再生読出し回数は103〜104回オーダー
であり、無機系記録媒体を用いた場合の106回オーダー
に比べて格段に劣る。
本発明では、一般式(I)で表されるアザフタロシア
ニン、フタロシアニン、ナフタロシアニンの各誘導体の
熱分解開始温度を測定した結果、いずれも300℃付近で
熱分解が始まることが分かつた。一方、1mW以上の半導
体レーザ光を被膜上に照射すると、一般式(I)で表さ
れるアザフタロシアニン、フタロシアニン、ナフタロシ
アニンの各誘導体のみから形成された被膜の場合には、
照射面が300℃以上の温度となることが分かつた。この
ために、一般式(I)で表されるアザフタロシアニン、
フタロシアニン、ナフタロシアニン誘導体を用いた記録
媒体は1mW以上のレーザ光(波長830nm)には耐えられ
ず、耐久寿命が悪い原因となると考えられる。
本発明は、この事実に基づき、一般式(I)で表され
るアザフタロシアニン、フタロシアニン、ナフタロシア
ニン誘導体に対するレーザ光のダメージを緩和する手段
として以下の事項が効果を持つことに見出した。即ち、 (i)熱分解開始温度が350℃以上の結晶性色素の添加 (ii)一般式(I)で表されるアザフタロシアニン、フ
タロシアニン、ナフタロシアニンの各誘導体の熱劣化防
止作用を持つ熱クエンチヤーの添加 (iii)一般式(I)で表されるアザフタロシアニン、
フタロシアニン、ナフタロシアニンの各誘導体の分子励
起状態の緩和過程を有することができる色素の添加 (iv)熱容量の大きい色素化合物の添加 (v)熱伝導率の大きい色素化合物の添加 の中の少なくとも1つを一般式(I)で表されるアザフ
タロシアニン、フタロシアニン、ナフタロシアニンの各
誘導体に混合することにより、再生読出しパワー1.0mW
以上という、従来の有機記録媒体では考えられなかつた
出力で105回以上安定に再生ができることを見出し、本
発明を達成し得たものである。
また、上記記録媒体を混合系とすることにより、溶媒
への溶解性も付与することが可能となり、有機系記録媒
体の特徴となると思われていた、スピンコート、デイツ
プコート、スプレーコートによる基板への被膜形成が達
成された。
本発明を、以下の実施例により具体的に説明する。
〔実施例〕
実施例 1 厚さ1.2mmのポリカーボネート基体にビス(トリブチ
ルシロキシ)シリコン−テトラ(トリメチルシリル)ナ
フタロシアニンと銅テトラ−t−ブチルナフタロシアニ
ンとを、重量比1:0.8で四塩化炭素に溶解し、膜厚48nm
の記録層を形成し、記録媒体とした。得られた記録媒体
の記録層の波長830nmにおける基体側からの反射率は37
%であつた。
また、前記記録媒体上に波長830nmの半導体レーザの
出力光を直径1.2μmのスポツト径に集光し、線速度8.0
m/s,出力9mWで基体側から記録周波数1MHzの信号の書き
込みを行つた後、1.0mWの再生光で読み取りをしたとこ
ろ、再生C/N比51dBであつた。
更に、1.0mWの再生光を連続して照射した読出し回数
として、106回以上の読出し回数があつた。
実施例 2 厚さ1.2mmのポリカーボネート基体にビス(トリブチ
ルシロキシ)ゲルマニウム−テトラ(オクチロオキシカ
ルボニル)ナフタロシアニンと銅テトラ−t−ブチルナ
フタロシアニンとを、重量比1:0.8で四塩化炭素に溶解
し、膜厚45nmの記録層を形成し、記録媒体とした。得ら
れた記録媒体の記録層の波長830nmにおける基体側から
の反射率は28%であつた。
また、前記記録媒体上に波長830nmの半導体レーザの
出力光を直径1.2μmのスポツト径に集光し、線速度8.0
m/s,出力9mWで基体側から記録周波数1MHzの信号の書き
込みを行つた後、1.0mWの再生光で読み取りをしたとこ
ろ、再生C/N比45dBであつた。
更に、1.0mWの再生光を連続して照射した読出し回数
を第1図に示す。
実施例 3 厚さ1.2mmのポリカーボネート基体上にビス(トリエ
チルシロキシ)ゲルマニウム−テトラ(オクチロオキシ
カルボニル)ナフタロシアニンと実施例1と同様、銅テ
トラ−t−ブチルナフタロシアニンとを、重量比1:0.75
で四塩化炭素に溶解し、膜厚43nmの記録層を形成し、記
録媒体とした。得られた記録媒体の記録層の波長830nm
における基体側からの反射率は32%であつた。前記記録
媒体上に波長830nmの半導体レーザの出力光を直径1.2μ
mのスポツト径に集光し、線速度8.0m/s,出力9mWで基体
側から1MHzの信号の書き込みを行つた後、1.0mWの再生
光で読み取りをしたところ、再生C/N比50dBであつた。
更に、1.0mWの再生光を連続して照射した読出し回数
を第2図に示す。
比較例 1 厚さ1.2mmのポリカーボネート基体にビス(トリブチ
ルシロキシ)ゲルマニウム−テトラ(オクチロオキシカ
ルボニル)ナフタロシアニンを四塩化炭素に溶解し、膜
厚53nmの記録層を形成し記録媒体とした。得られた記録
媒体の記録層の波長830nmにおける基体側からの反射率
は38%であつた。
また、前記記録媒体上に波長830nmの半導体レーザの
出力光を直径1.2μmのスポツト径に集光し、線速度8.0
m/s,出力9mWで基体側から記録周波数1MHzの信号の書き
込みを行つた後、1.0mWの再生光で読み取りをしたとこ
ろ、再生C/N比42dBであつた。
更に、再生光のパワーを変化させての読み出し光安定
性を第3図に示す。前記記録媒体のみでは、再生光が1.
0mWで記録媒体が劣化する。
実施例 4 厚さ1.2mmのポリカーボネート基体上にビス(トリブ
チルシロキシ)シリコン−テトラ(シクロヘキシルチ
オ)ナフタロシアニンと亜鉛テトラ−t−ブチルナフタ
ロシアニンとを、重量比1:0.8で四塩化炭素に溶解し、
膜厚55nmの記録層を形成し、記録媒体とした。得られた
記録媒体の記録層の波長830nmにおける基体側からの反
射率は37%であつた。前記記録媒体上に波長830nmの半
導体レーザの出力光を直径1.2μmのスポツト径に集光
し、線速度8.0m/s,出力9mWで基体側から1MHzの信号の書
き込みを行つた後、1.0mWの再生光で読み取りをしたと
ころ、再生C/N比49dBであつた。
更に、1.0mWの再生光を連続して照射した読出し回数
として、105回以上の読出し回数があつた。
実施例 5 厚さ1.2mmのポリカーボネート基体上にビス(トリプ
ロピルシロキシ)シリコン−テトラ(シクロヘキシルチ
オ)ナフタロシアニンとバナジルテトラ−t−ブチルナ
フタロシアニンとを、重量比1:0.8で四塩化炭素に溶解
し、膜厚49nmの記録層を形成し、記録媒体とした。得ら
れた記録媒体の記録層の波長830nmにおける基体側から
の反射率は35%であつた。前記記録媒体上に波長830nm
の半導体レーザの出力光を直径1.2μmのスポツト径に
集光し、線速度8.0m/s、出力9mWで基体側から1MHzの信
号の書き込みを行つた後、1.0mWの再生光で読み取りを
したところ、再生C/N比51dBであつた。
更に、1.0mWの再生光を連続して照射した読出し回数
として、105回以上の読出し回数があつた。
実施例 6 厚さ1.2mmのポリカーボネート基体上にビス(トリプ
ロピルシロキシ)シリコン−テトラ(シクロヘキシルチ
オ)ナフタロシアニンと亜鉛テトラ−t−ブチルナフタ
ロシアニンとを用い、これに表1に示されている割合に
て、四塩化炭素に溶解し記録層を形成した。
この表には、色素の混合比、膜厚、波長830nmでの反
射率が併記されている。このようにして作製した各媒体
について、波長830nmの半導体レーザの出力光を直径1.2
μmのスポツト系に集光し、線速度8.0m/s、出力9mWで
基体側から記録周波数1MHzの信号の書き込みを行つた。
更に、1mWの再生光を連続して照射した読出し回数を測
定した。これらの結果を表1に示す。各混合比で良好な
再生C/N比とを読み出し光安定性を示した。混合比が、
1:1.5以上では反射率が20%以下となり、検出できなか
つた。
実施例 7 厚さ1.2mmのポリカーボネート基体上にビス(トリブ
チルシロキシ)シリコン−テトラ(n−ブチルチオ)ナ
フタロシアニンとパラジウムテトラ−t−ブチルナフタ
ロシアニンとを、重量比1:0.8で四塩化炭素に溶解し、
膜厚52nmの記録層を形成し、記録媒体とした。得られた
記録媒体の記録層の波長830nmにおける基体側からの反
射率は33%であつた。前記記録媒体上に波長830nmの半
導体レーザの出力光を直径1.2μmのスポツト径に集光
し、線速度8.0m/s,出力9mWで基体側から1MHzの信号の書
き込みを行つた後、1.0mWの再生光で読み取りをしたと
ころ、再生C/N比46dBであつた。
更に、1.0mWの再生光を連続して照射した読出し回数
として、105回以上の読出し回数があつた。
実施例 8 厚さ1.2mmのポリカーボネート基体上にビス(トリブ
チルシロキシ)ゲルマニウム−テトラ(t−ブチル)フ
タロシアニンとパラジウムテトラ−t−ブチルフタロシ
アニンとを、重量比1:0.8で四塩化炭素に溶解し、膜厚4
6nmの記録層を形成し、記録媒体とした。得られた記録
媒体の記録層の波長690nmにおける基体側からの反射率
は31%であつた。前記記録媒体上に波長690nmの半導体
レーザの出力光を直径1.2μmのスポツト径に集光し、
線速度8.0m/s,出力6mWで基体側から1MHzの信号の書き込
みを行つた後、1.0mWの再生光で読み取りをしたとこ
ろ、再生C/N比43dBであつた。
更に、1.0mWの再生光を連続して照射した読出し回数
として、105回以上の読出し回数があつた。
実施例 9 厚さ1.2mmのポリカーボネート基体上にビス(トリエ
チルシロキシ)ゲルマニウム−テトラ(t−ブチル)フ
タロシアニンと銅テトラ−t−ブチルフタロシアニンと
を、重量比1:0.8で四塩化炭素に溶解し、膜厚45nmの記
録層を形成し、記録媒体とした。得られた記録媒体の記
録層の波長690nmにおける基体側からの反射率は29%で
あつた。前記記録媒体上に波長690nmの半導体レーザの
出力光を直径1.2μmのスポツト径に集光し、線速度8.0
m/s,出力6mWで基体側から1MHzの信号の書き込みを行つ
た後、1.0mWの再生光で読み取りをしたところ、再生C/N
比44dBであつた。
更に、1.0mWの再生光を連続して照射した読出し回数
として、105回以上の読出し回数があつた。
実施例 10 厚さ1.2mmのポリカーボネート基体上にビス(トリエ
チルシロキシ)ゲルマニウム−テトラ(t−ブチル)フ
タロシアニンと亜鉛テトラ−t−ブチルフタロシアニン
とを用い、これに表2に示されている割合にて、四塩化
炭素に溶解し記録層を形成した。
この表には、色素の混合比、膜厚、波長690nmでの反
射率が併記されている。このようにして作製した各媒体
について、波長690nmの半導体レーザの出力光を直径1.2
μmのスポツト径に集光し、線速度8m/s、出力9mWで基
体側から記録周波数1MHzの信号の書き込みを行つた。更
に、1mWの再生光を連続して照射した読み出し回数を測
定した。これらの結果を表2に示す。各混合比で良好な
再生C/N比と読出し光安定性を示した。混合比が、1:1.5
以上では反射率が20%以下となり、検出できなかつた。
実施例 11 第4図に示す記録再生装置を用い、第5図に示す読出
し光のレーザ出力を行い、実施例1で示した記録媒体を
用いて読出し光安定性を評価した。その結果、1.0mWの
再生光を連続して照射した読出し回数として、106以上
の読出し回数があつた。
実施例 12 実施例10同様の光学系を用い、第6図に示す読出し光
のレーザ出力を行い、実施例1で示した記録媒体を用い
て読出し光安定性を評価した。その結果、1.0mWの再生
光を連続して照射した読出し回数として、106以上の読
出し回数があつた。
実施例 13 案内溝の付いている直径130mm、厚さ1.2mmのポリカー
ボネート基体にビス(トリフエニルシロキシ)シリコン
−フタロシアニンを真空度6.7×10-6torr、基体の温度
は特に制御せず自然放置する条件にて真空蒸着を行い、
膜厚80nmの記録層を形成し、記録媒体とした。得られた
記録層の分光特性を第7図に示す。吸収極大は690nmで
あつた。前記記録媒体上に波長780nmの半導体レーザ
(吸収極大との差:90nm)の出力光を直径1.2μmのスポ
ツト径に集光し、線速度8.0m/s,出力9mWで基体側から記
録周波数1MHzの信号の書き込みを行つた。ちなみに、波
長780nmでの吸収率は4.1%であつた。記録後に、1.0mW
の再生光で読み取りをしたところ、再生C/N比(Carrier
to Noise Ratio)46dBであつた。また、読出し光1.0mW
で106回以上の読出し回数があり、読出し光安定性が優
れている。
比較例 2 実施例12と同様の記録媒体を用いて、波長830nmの半
導体レーザ(吸収極大との差:140nm)の出力光を直径1.
2μmのスポツト径に集光し、線速度8.0m/s、出力9mWで
基体側から記録周波数1MHzの信号の書き込みを行つた。
しかし、波長830nmでの吸収率は0.8%と小さいため、記
録感度が無かつた。
実施例 14 案内溝の付いている直径130mm、厚さ1.2mmのポリカー
ボネート基体上にビス(フエノキシ)シリコン−フタロ
シアニンと実施例13と同様に蒸着し、膜厚92の記録層を
形成し、記録媒体とした。得られた記録媒体の分光特性
を第8図に示す。吸収極大は720nmであつた。前記記録
媒体上に波長780nmの半導体レーザ(吸収極大との差:60
nm)の出力光を直径1.2μmのスポツト径に集光し、線
速度8.0m/s,出力9mWで基体側から1MHzの信号の書き込み
を行つた後、1.0mWの再生光で読み取りをしたところ、
再生C/N比50dBであつた。また、読出し光1.0nWで106
以上の読出し回数があり、読出し光安定性が優れてい
る。
比較例 3 実施例12と同様の記録媒体を用いて、波長830nmの半
導体レーザ(吸収極大との差:110nm)の出力光を直径1.
2μmのスポツト径に集光し、線速度8.0m/s、出力9mWで
基体側から記録周波数1MHzの信号の書き込みを行つた。
しかし、波長830nmでの吸収率は0.1%と小さいために、
記録感度が無かつた。
比較例 4 文献〔ツエーナル・オブシエ・キミ(Zhurnal Obshch
ei Khimii),第42巻696頁,1972年〕記載の方法により
バナジル−テトラ(t−ブチル)ナフタロシアニンを合
成した。この化合物の1.5重量%のクロロホルム溶液を
作り、厚さ1.2mmのガラス基板上にスピンコーテイング
を行い、膜厚78nmの記録層を形成し、記録媒体とした。
得られた記録層の分光特性を第9図に示す。波長830nm
の半導体レーザを使用して記録再生特性の評価を試みた
が、反射率が小さくフオーカツシング並びにトラツキン
グが取れず、C/N比の測定まで到らなかつた。
〔発明の効果〕
本発明の光学的情報記録媒体は、前記のように、アザ
フタロシアニン、フタロシアニン、ナフタロシアニンの
各誘導体と熱クエンチヤーを混合させた系を用いること
により、基体上にスピンコート法やデイツプコーテイン
グ法で薄膜を形成することができる。
また、得られた薄膜は半導体レーザ発振波長領域での
光に対して好適な読出し光安定性が1mWで105回以上を示
しており、追記型の光学的情報記録媒体として好適に用
いることができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は、ビス(トリブチルシロキシ)ゲルマニウム−
テトラ(オクチロオキシ)ナフタロシアニンと銅テトラ
−t−ブチルナフタロシアニン(重量比5:4)の読出し
光安定性を示すグラフ、第2図は、ビス(トリエチルシ
ロキシ)ゲルマニウム−テトラ(オクチロオキシ)ナフ
タロシアニンと銅テトラ−t−ブチルナフタロシアニン
(重量比4:3)の読出し光安定性を示すグラフ、第3図
は、ビス(トリブチルシロキシ)ゲルマニウム−テトラ
(オクチロオキシカルボニル)ナフタロシアニン単独の
場合の読出し光安定性を示すグラフである。第4図は記
録再生装置の光学系を示す。第5図は読出し光のレーザ
出力波形を示す。第6図は読出し光のレーザ出力波形を
示す。第7図に、ビス(トリフエニルシロキシ)シリコ
ン−フタロシアニン薄膜の透過、及び反射スペクトルを
示す。第8図に、ビス(フエノキシ)シリコン−フタロ
シアニン薄膜の透過、及び反射スペクトルを示す。第9
図に、バナジル−テトラ(t−ブチル)ナフタロシアニ
ン薄膜の透過、及び反射スペクトルを示す。第10図に具
体的な光学的情報記録媒体の構成例を示す。 1……記録膜、2……基体、3……スペーサ、4……エ
アーギツプ、5……保護膜、6……中心穴。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大原 周一 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−227387(JP,A) 特開 昭63−276592(JP,A) 特開 昭64−54069(JP,A) 特開 昭60−159088(JP,A) 特開 昭60−161193(JP,A) 特開 昭61−235188(JP,A) 特開 昭62−56191(JP,A) 特開 平1−253479(JP,A) 特開 昭64−34791(JP,A) 特開 昭63−62794(JP,A) 特開 平1−103983(JP,A) 特開 平1−105788(JP,A) 特開 平1−130983(JP,A) 特開 平1−133790(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に情報記録層が設けて成る光学的情
    報記録媒体において、前記情報記録層が一般式(I)と 熱劣化防止作用を持つ一般式(II) (上記式中、M1は金属原子を表し、Si,Ge,Snから選ばれ
    るIV族金属を、Mは遷移金属を表し、Z1、Z2、Z3および
    Z4は無置換又は1つ以上の一価の置換基−Xを有するピ
    リジン環、ベンゼン環、又はナフタレン環骨格を表す。
    Xは炭素数1〜20個のアルキル基、アルケニル基、アル
    キルチオ基、フェニル基、アシル基又はトリ置換シリル
    基のいずれかを表す。また、Y1及びY2は同一又は異な
    り、−Ar,−OR,−OAr,−OSiR)、−OSiOR)
    −OSi(OAr)及び−OC(C6H5よりなる群から選ば
    れる基(但し、RはC1〜C20の直鎖または分岐アルキル
    基、Arはフェニル基、置換フェニル基、ベンジル基及び
    置換ベンジル基よりなる群から選ばれる基である。))
    で表されるアザフタロシアニン、フタロシアニン、ナフ
    タロシアニンの各誘導体より選ばれる少なくとも2種類
    の有機色素を含み、前記一般式(I)で表される誘導体
    と、一般式(II)で表される誘導体の混合比を、前者を
    1に対して後者を0.01〜1.5の割合としたことを特徴と
    する光学的情報記録媒体。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記基体上に形成され
    る記録層の膜厚を20〜500nmとしたことを特徴とする光
    学的情報記録媒体。
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