JP2584946B2 - 加圧型ディスクフィルタ装置 - Google Patents

加圧型ディスクフィルタ装置

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JP2584946B2
JP2584946B2 JP5256886A JP25688693A JP2584946B2 JP 2584946 B2 JP2584946 B2 JP 2584946B2 JP 5256886 A JP5256886 A JP 5256886A JP 25688693 A JP25688693 A JP 25688693A JP 2584946 B2 JP2584946 B2 JP 2584946B2
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嘉典 西山
孝 池田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加圧型ディスクフィル
タ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、クラフトパルプ処理の苛
性(かせい)化工程においては、緑液(スメルトの水溶
液)に焼成石灰を添加することによって苛性化反応が行
われ、該苛性化反応によってホワイトミルクが発生す
る。該ホワイトミルクは、白液(チップの蒸解に用いら
れる苛性ソーダを主体とするアルカリ液)と不純物であ
るライムマッド(炭酸カルシウムの粒子)の混合物から
成るため、該ホワイトミルクからライムマッドを分離さ
せて除去するために、前記ホワイトミルクに対して白液
清澄処理が施される。
【0003】該白液清澄処理においては、大型のタンク
内にホワイトミルクが投入され、時間の経過と共に沈澱
(ちんでん)し分離したライムマッドを取り除くように
している。ところが、前記白液清澄処理は、白液中に残
留する不純物の量が多いだけでなく、処理時間が長くな
ってしまう。また、真空ドラムフィルタや静止チューブ
フィルタを使用することができるが、分離したライムマ
ッドに含有される白液の量が多く、処理効率が低下して
しまう。
【0004】そこで、フィルタディスクを使用した加圧
型ディスクフィルタ装置が提供されている(特開昭62
−33897号公報参照)。図2は従来の加圧型ディス
クフィルタ装置の概念図、図3は従来の加圧型ディスク
フィルタ装置におけるフィルタディスクの概念図、図4
は従来の加圧型ディスクフィルタ装置の断面図、図5は
従来の加圧型ディスクフィルタ装置におけるシール構造
を示す図、図6は従来の加圧型ディスクフィルタ装置の
組立状態図である。図4の(a)は加圧型ディスクフィ
ルタ装置の縦断面図、(b)は加圧型ディスクフィルタ
装置の横断面図である。
【0005】図において、11はタンクであり、該タン
ク11内には、複数のフィルタディスク13が回転中空
軸14を中心として回転自在に支持される。前記回転中
空軸14はタンク11に対して回転自在に支持された軸
本体14a、及び該軸本体14aを包囲して配設され筒
状空間16を形成するスリーブ14bから成る。前記フ
ィルタディスク13は、軸方向において所定の距離ごと
にスリーブ14bから半径方向外方に延びるように配設
される。
【0006】そして、前記タンク11内の下方にはホワ
イトミルク15が収容されて液相部が形成され、該タン
ク11内の上方には気相部が形成される。また、前記各
フィルタディスク13の下方の一部が前記ホワイトミル
ク15に浸漬される。前記フィルタディスク13はタン
ク11内において回転させられ、液相部すなわちホワイ
トミルク15内を通過させられる。この時、プレコート
ろ過によってホワイトミルク15がろ過され、ろ液とし
ての白液はフィルタディスク13を透過してフィルタデ
ィスク13内に回収され、一方、固形物としてのライム
マッド21はフィルタディスク13の表面に付着する。
【0007】この場合、前記タンク11内はコンプレッ
サ22によって加圧され、ホワイトミルク15がフィル
タディスク13に押し付けられる。したがって、この押
付力によってフィルタディスク13の表面で固液分離が
行われる。そして、前記筒状空間16はタンク11の外
部においてろ液タンク17に接続され、フィルタディス
ク13内に回収された白液は前記筒状空間16を通って
ろ液タンク17に送られる。
【0008】次に、前記フィルタディスク13が気相部
に移動すると、液相部において表面に付着したライムマ
ッド21がフィルタディスク13の回転に伴って気相部
に移動する。そして、前述したように、前記タンク11
内はコンプレッサ22によって加圧されるため、気相部
のガスが前記フィルタディスク13を透過し、その時ラ
イムマッド21を通気によって脱水する。
【0009】また、気相部の所定位置に配設された図示
しないスプレー装置によって、洗浄水がフィルタディス
ク13に噴霧され、ライムマッド21が洗浄される。こ
の洗浄によって、前記フィルタディスク13にライムマ
ッド21と共に付着し残留していた白液は、通気によっ
て洗浄水と共にフィルタディスク13内に透過させら
れ、前記筒状空間16を通ってろ液タンク17に送られ
る。
【0010】このように、該ろ液タンク17には、フィ
ルタディスク13内に回収された白液、脱水時にフィル
タディスク13を透過したガス、並びに洗浄時にフィル
タディスク13を透過した白液、洗浄水及びガスが送ら
れる。この時、前記タンク11とろ液タンク17はそれ
ぞれ別々に製造されるため、白液、洗浄水及びガスは前
記回転中空軸14の一端に配設されたろ液バルブ23に
よって一旦(いったん)受けられ、その後、ろ液タンク
17に送られる。
【0011】ところで、前記ろ液タンク17は下端に白
液回収管18を、上端にガス循環管19を有する。そし
て、ろ液タンク17内で分離された白液及び洗浄水は前
記白液回収管18を通って排出され、蒸解工程などの次
の工程に送られる。一方、ろ液タンク17内で分離され
たガスはガス循環管19を通り、タンク11内に還流さ
れる。この間、ガスはコンプレッサ22によって圧縮さ
れる。
【0012】一方、脱水後のフィルタディスク13の表
面に付着したライムマッド21はサイクルの繰返しによ
って厚さが増加し、所定の厚さに達すると、ホワイトミ
ルク15内に入る直前でスクレーパ25によって掻
(か)き取られる。このようにして、白液から分離され
たライムマッド21は、導入管26を通ってミキシング
タンク27内に落下させられ、該ミキシングタンク27
において温水と混合されることによってスラリー化さ
れ、次の工程、すなわち残留アルカリの回収工程、再焼
成工程等に送られる。なお、23は供給管23a,23
bから成る液バルブ、24は回転側プレート24a及び
固定側プレート24bから成るウェアプレート、27a
はプロペラ式のアジテータであり、ライムマッド21と
温水を攪拌(かくはん)する。また、29は架溝であ
る。
【0013】このように、加圧型ディスクフィルタ装置
においては、プレコートろ過によってホワイトミルク1
5がろ過されるようになっているため、白液中に残留す
る不純物の量を少なくすることができる。また、ろ過と
同時にライムマッド21の脱水及び洗浄が行われるた
め、処理効率が高く、処理時間を短くすることができる
とともに、分離したライムマッド21に含有される白液
の量を少なくして処理効率を向上させることができる。
【0014】さらに、前記処理はタンク11内において
加圧状態でかつ密閉状態で行われている。したがって、
白液の温度が低下することがなく、蒸解工程において加
温用スチームの消費量を低減させることができるととも
に、スケーリングによって配管の詰まりが発生するのを
防止することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の加圧型ディスクフィルタ装置においては、構造が複
雑で大型化し、製造コスト、保守・管理コストが高くな
ってしまう。すなわち、前記加圧型ディスクフィルタ装
置は、タンク11内の液相部及び気相部によって形成さ
れたろ過ゾーン、ろ液タンク17によって形成されたろ
液ゾーン、並びに導入管26及びミキシングタンク27
によって形成されたスラリーミキシングゾーンを有す
る。したがって、加圧型ディスクフィルタ装置を製造す
る場合、あらかじめ各ゾーンごとに専用の加圧容器とし
て、タンク11、ろ液タンク17及びミキシングタンク
27を製造し、加圧型ディスクフィルタ装置の設置箇所
においてタンク11とろ液タンク17とミキシングタン
ク27を互いに連結して組み立てるようにしている。
【0016】そして、前記タンク11は回転中空軸14
及びフィルタディスク13を回転自在に支持する構造を
有するため、ろ液タンク17との間及びミキシングタン
ク27との間を精度良く連結する必要がある。したがっ
て、構造が複雑で大型化し、製造コスト、保守・管理コ
ストが高くなってしまう。また、設置箇所においてタン
ク11とろ液タンク17とミキシングタンク27を互い
に連結して組み立てるに当たり、自立式構造にすること
ができない。そこで、図6に示すように別途に架構29
を配設し、該架構29に前記タンク11、ろ液タンク1
7及びミキシングタンク27を順次取り付け、加圧型デ
ィスクフィルタ装置を完成させるようにしている。した
がって、架構29を製造するための設置コストが高くな
るだけでなく、設置に要する工期も長くなってしまう。
【0017】さらに、前記ろ液バルブ23を介して連通
されたタンク11及びろ液タンク17のそれぞれにおい
て圧力差を形成するために、回転中空軸14とろ液バル
ブ23の各摺動(しゅうどう)面間にウェアプレート2
4が配設される。該ウェアプレート24は、図5に示す
ように回転中空軸14に取り付けられた回転側プレート
24a、及びろ液バルブ23に取り付けられた固定側プ
レート24bから成り、相対的に回転するので、シール
構造が複雑になるとともに、精度良く取り付ける必要が
あり、製造コストが高くなってしまう。なお、23aは
主にガスをろ液タンク17に供給する供給管、23bは
主に白液をろ液タンク17に供給する供給管である。
【0018】本発明は、前記加圧型ディスクフィルタ装
置の問題点を解決して、構造が簡素で小型化することが
でき、製造コスト、保守・管理コストを低くすることが
できる加圧型ディスクフィルタ装置を提供することを目
的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の加
圧型ディスクフィルタ装置は、両端が鏡板で閉鎖された
第1タンクと、該第1タンクの一端において前記鏡板を
包囲して配設され、ろ液ゾーンを形成する第2タンクと
を有する。前記第1タンク内の下部に半円筒状の中間バ
ットが配設され、上方にろ過ゾーンを形成するとともに
下方にスラリーミキシングゾーンを形成する。また、該
中間バットの上方において、フィルタディスクが前記第
1タンクに対して回転自在に支持される。
【0020】そして、該フィルタディスクを透過したろ
液及びガスを前記ろ液ゾーンに供給する手段と、前記フ
ィルタディスクの表面に付着した固形物を前記スラリー
ミキシングゾーンに供給する手段とを有する。本発明の
他の加圧型ディスクフィルタ装置においては、フィルタ
ディスクを透過したろ液及びガスを前記ろ液ゾーンに供
給する手段は、前記第1タンクの一端において前記鏡板
を貫通する回転中空軸であり、該回転中空軸と鏡板の間
がシールリングによってシールされる。
【0021】本発明の更に他の加圧型ディスクフィルタ
装置においては、前記スラリーミキシングゾーンにスラ
リー循環路が配設され、スラリーミキシングゾーンから
スラリーを吸引し、該スラリーをノズルからスラリーミ
キシングゾーンに噴射する。
【0022】
【作用】本発明によれば、前記のように加圧型ディスク
フィルタ装置は、両端が鏡板で閉鎖された第1タンク
と、該第1タンクの一端において前記鏡板を包囲して配
設され、ろ液ゾーンを形成する第2タンクとを有する。
前記第1タンク内の下部に半円筒状の中間バットが配設
され、上方にろ過ゾーンを形成するとともに下方にスラ
リーミキシングゾーンを形成する。また、該中間バット
の上方において、フィルタディスクが前記第1タンクに
対して回転自在に支持される。
【0023】そして、該フィルタディスクを透過したろ
液及びガスを前記ろ液ゾーンに供給する手段と、前記フ
ィルタディスクの表面に付着した固形物を前記スラリー
ミキシングゾーンに供給する手段とを有する。前記ろ過
ゾーンに例えばホワイトミルクが供給されると、ろ液及
びガスがフィルタディスクを透過し、ろ液ゾーンに供給
される。また、固形物がフィルタディスクの表面に付着
し、前記スラリーミキシングゾーンに供給される。
【0024】本発明の他の加圧型ディスクフィルタ装置
においては、フィルタディスクを透過したろ液及びガス
を前記ろ液ゾーンに供給する手段は、前記第1タンクの
一端において前記鏡板を貫通する回転中空軸であり、該
回転中空軸と鏡板の間がシールリングによってシールさ
れる。したがって、ろ過ゾーンを加圧状態に維持するこ
とができる。
【0025】本発明の更に他の加圧型ディスクフィルタ
装置においては、前記スラリーミキシングゾーンにスラ
リー循環路が配設され、スラリーミキシングゾーンから
スラリーを吸引し、該スラリーをノズルからスラリーミ
キシングゾーンに噴射する。したがって、スラリーミキ
シングゾーン内にアジテータを配設することなく、固形
物と温水を攪拌することができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施例を
示す加圧型ディスクフィルタ装置の縦断面図、図7は本
発明の第1の実施例を示す加圧型ディスクフィルタ装置
の横断面図、図8は本発明の第1の実施例におけるシー
ルリングの取付状態図である。
【0027】図において、31はろ過ゾーンZ1 及びス
ラリーミキシングゾーンZ2 を形成するドラム状の第1
タンクであり、両端が鏡板31a,31bで閉鎖され
る。前記第1タンク31の一端において鏡板31aを包
囲して第2タンク33が配設され、該第2タンク33に
よってろ液ゾーンZ3 が形成される。前記鏡板31aは
圧力隔壁を構成する。
【0028】また、前記第1タンク31内の下部に半円
筒状の中間バット35が配設され、該中間バット35の
上方にろ過ゾーンZ1 が形成されるとともに下方にスラ
リーミキシングゾーンZ2 が形成される。この場合、前
記ろ過ゾーンZ1 とスラリーミキシングゾーンZ2 は圧
力が均等にされている。したがって、前記中間バット3
5は両者間が解放された薄板構造にすることができる。
【0029】このようにして、ろ過ゾーンZ1 、スラリ
ーミキシングゾーンZ2 及びろ液ゾーンZ3 が一体構造
にされる。前記ろ過ゾーンZ1 においては、複数のフィ
ルタディスク37が回転中空軸38を中心として前記第
1タンク31に対して回転自在に支持され、軸方向にお
いて所定の距離ごとに回転中空軸38から半径方向外方
に延びるように配設される。該回転中空軸38の一端は
鏡板31aを貫通して第2タンク33内に進入し、回転
中空軸38内の空間39は排出口41を介して前記第2
タンク33内のろ液ゾーンZ3 と連通する。また、前記
回転中空軸38と鏡板31aの間にシールリング42が
配設され、ろ過ゾーンZ1 とろ液ゾーンZ3 が分離され
る。該シールリング42は、金属リングや軟質のフッ素
樹脂製リングなどで形成することができ、高価なメカニ
カルシールを使用する必要はなく、高い寸法精度も必要
ではない。また、フッ素樹脂製リングを使用した場合は
図8に示すように分割構造とすることによって保守性を
向上させることができる。
【0030】一方、前記回転中空軸38の他端は第1タ
ンク31のもう一方の鏡板31bを貫通して電動機40
と連結される。そして、前記鏡板31bに形成された供
給口44を介して前記中間バット35内にホワイトミル
ク15が供給され、中間バット35内に液相部が形成さ
れ、該液相部の上方に気相部が形成される。また、前記
各フィルタディスク37の下方の一部が前記ホワイトミ
ルク15に浸漬される。
【0031】前記フィルタディスク37はろ過ゾーンZ
1 内において回転させられ、液相部すなわちホワイトミ
ルク15内を通過させられる。この時、プレコートろ過
によってホワイトミルク15がろ過され、ホワイトミル
ク15内のろ液としての白液はフィルタディスク37を
透過してフィルタディスク37内に回収され、一方、固
形物としての図示しないライムマッドが前記フィルタデ
ィスク37の表面に付着する。
【0032】この場合、前記ろ過ゾーンZ1 内はコンプ
レッサ45によって加圧され、ホワイトミルク15がフ
ィルタディスク37に押し付けられる。したがって、こ
の押付力によってフィルタディスク37の表面で固液分
離が行われる。そして、前記回転中空軸38内の空間3
9は排出口41を介して前記第2タンク33内のろ液ゾ
ーンZ3 に連通しているため、前記フィルタディスク3
7内に回収された白液は前記空間39を通ってろ液ゾー
ンZ3 に送られる。
【0033】次に、前記フィルタディスク37が気相部
に移動すると、液相部において表面に付着したライムマ
ッドがフィルタディスク37の回転に伴って気相部に移
動する。そして、前述したように、前記ろ過ゾーンZ1
内はコンプレッサ45によって加圧されるため、気相部
のガスが前記フィルタディスク37を透過し、その時ラ
イムマッドを通気によって脱水する。
【0034】また、気相部の所定位置に配設されたスプ
レー装置46によって、洗浄水がフィルタディスク37
に噴霧され、ライムマッドが洗浄される。この洗浄によ
って、前記フィルタディスク37にライムマッドと共に
付着し残留していた白液は、通気によって洗浄水と共に
フィルタディスク37内に透過させられ、前記空間39
を通ってろ液ゾーンZ3 に送られる。
【0035】このように、該ろ液ゾーンZ3 には、フィ
ルタディスク37内に回収された白液、脱水時にフィル
タディスク37を透過したガス、並びに洗浄時にフィル
タディスク37を透過した白液、洗浄水及びガスが送ら
れる。ところで、前記ろ液ゾーンZ3 は下端に白液回収
管47を、上端にガス循環管49を有する。そして、ろ
液ゾーンZ3 内で分離された白液及び洗浄水は前記白液
回収管47を通って排出され、蒸解工程などの次の工程
に送られる。一方、ガスは上昇して白液ミストを自然沈
降によって分離し、ガス循環管49を通ってろ過ゾーン
1 内に還流される。この間、ガスはコンプレッサ45
によって圧縮される。
【0036】なお、前記ろ液ゾーンZ3 内に必要に応じ
てデミスタ50を配設し、上昇するガスから白液ミスト
を分離することができる。脱水後のフィルタディスク3
7の表面に付着したライムマッドはサイクルの繰返しに
よって厚さが増加し、所定の厚さに達すると、ホワイト
ミルク15内に入る直前でスクレーパ25によって掻き
取られる。この場合、フィルタディスク37とスクレー
パ25の間のクリアランス分の厚さのライムマッドはプ
レコート層として残留し、それ以降に残留し堆積(たい
せき)したライムマッドのみが掻き取られる。
【0037】このようにして、白液から分離されたライ
ムマッドは、導入管52を通ってスラリーミキシングゾ
ーンZ2 内に落下させられ、該スラリーミキシングゾー
ンZ 2 において温水と混合させることによってスラリー
となり、次の工程、すなわち残留アルカリの回収工程、
再焼成工程等に送られる。この場合、前記導入管52内
の空間は中間バット35に形成された角筒状の開口を介
してスラリーミキシングゾーンZ2 に連通するようにな
っており、構造が簡素化される。
【0038】なお、54はろ過ゾーンZ1 とスラリーミ
キシングゾーンZ2 を一時的に連通させるための連通路
であり、ろ過ゾーンZ1 やスラリーミキシングゾーンZ
2 の内部を洗浄する際に弁55を開放することによって
ろ過ゾーンZ1 内の洗浄水などを放流することができ
る。また、56は温水の供給管、57はスラリーの排出
管である。
【0039】次に、スラリーミキシングゾーンZ2 内に
おいてライムマッドと温水を攪拌するためのスラリー循
環路について説明する。図9は本発明の第1の実施例に
おけるスラリーミキシングゾーンの断面図、図10は本
発明の第1の実施例におけるスラリーミキシングゾーン
の平面図である。図9の(a)はスラリーミキシングゾ
ーンの横断面図、(b)はスラリーミキシングゾーンの
縦断面図である。
【0040】図において、31は第1タンク、35は中
間バットである。また、58はスラリーを攪拌するため
のスラリー循環路であり、循環ポンプ59によってスラ
リーを循環させるようにしている。該スラリーはスラリ
ーミキシングゾーンZ2 の所定の位置に配設された吸引
口61から吸引され、前記循環ポンプ59によって送ら
れて、他の所定の位置に配設された複数のノズル62か
ら噴射される。図10に示すように、該ノズル62は方
向性を持たせて配設され、第1タンク31の軸に対して
設定された角度でスラリーを噴射する。このようにし
て、スラリーミキシングゾーンZ2 内においてライムマ
ッドと温水を攪拌するとともに、各ノズル62から噴射
されたスラリーが互いに干渉するのを防止する。
【0041】また、前記スラリーミキシングゾーンZ2
に仕切板63を軸方向に沿って配設すると、スラリーの
旋回流が形成されてデッドゾーンがなくなる。したがっ
て、ライムマッドが沈降して第1タンク31の底面に堆
積するのを防止することができる。このようにして、第
1タンク31及び第2タンク33を一体的に形成し、前
記第1タンク31内に中間バット35を配設することに
よって、ろ過ゾーンZ1 (図1)、スラリーミキシング
ゾーンZ2 及びろ液ゾーンZ3 を形成することができる
ので、加圧型ディスクフィルタ装置の重量を約20
〔%〕軽減することができるとともに、構造が簡素化さ
れ小型化することができる。また、製造コスト、保守・
管理コストを低くすることができる。
【0042】さらに、前記加圧型ディスクフィルタ装置
が自立式構造であるので、設置箇所において基礎の上に
直置きすることができる。したがって、専用の架構を配
設する必要はなく、設置コストを低くすることができる
だけでなく、設置に要する工期も短くすることができ
る。また、回転中空軸38の一端は鏡板31aを貫通し
て第2タンク33内に進入し、回転中空軸38と鏡板3
1aの間がシールリング42によってシールされるよう
になっているので、シール構造が簡素化されるととも
に、精度良く取り付けることが可能になり、製造コスト
を低くすることができる。
【0043】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。図11は本発明の第2の実施例を示す加圧型ディ
スクフィルタ装置の断面図である。図において、Z1A
1Bは第1、第2のろ過ゾーン、Z2A,Z2Bは第1、第
2のスラリーミキシングゾーン、Z3A,Z3Bは第1、第
2のろ液ゾーンである。第1、第2のろ過ゾーンZ1A
1Bにおいては、互いに異なる原液をろ過することがで
きる。
【0044】また、37はフィルタディスク、38は回
転中空軸、40は電動機、44a,44bは原液の供給
管、47a,47bはろ液回収管、57a,57bはス
ラリーの排出管、71は第1タンク、72は第2タン
ク、73は第3タンク、74は中間バット、75はコン
プレッサ、76は前記第1、第2のろ過ゾーンZ1A,Z
1Bを分離するとともに、第1、第2のスラリーミキシン
グゾーンZ2A,Z2Bを分離する仕切板である。
【0045】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形すること
が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するもの
ではない。
【0046】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば加圧型ディスクフィルタ装置は、両端が鏡板で閉鎖
された第1タンクと、該第1タンクの一端において前記
鏡板を包囲して配設され、ろ液ゾーンを形成する第2タ
ンクとを有する。前記第1タンク内の下部に半円筒状の
中間バットが配設され、上方にろ過ゾーンを形成すると
ともに下方にスラリーミキシングゾーンを形成する。ま
た、該中間バットの上方において、フィルタディスクが
前記第1タンクに対して回転自在に支持される。
【0047】そして、該フィルタディスクを透過したろ
液及びガスを前記ろ液ゾーンに供給する手段と、前記フ
ィルタディスクの表面に付着した固形物を前記スラリー
ミキシングゾーンに供給する手段とを有する。したがっ
て、構造が簡素化され加圧型ディスクフィルタ装置を小
型化することができる。また、製造コスト、保守・管理
コストを低くすることができる。さらに、自立式構造と
なるので、設置箇所において基礎の上に直置きすること
ができる。そして、専用の架構を配設する必要はなく、
設置コストを低くすることができるだけでなく、設置に
要する工期も短くすることができる。
【0048】本発明の他の加圧型ディスクフィルタ装置
においては、フィルタディスクを透過したろ液及びガス
を前記ろ液ゾーンに供給する手段は、前記第1タンクの
一端において前記鏡板を貫通する回転中空軸であり、該
回転中空軸と鏡板の間がシールリングによってシールさ
れる。したがって、シール構造が簡素化されるととも
に、シールリングを精度良く取り付けることが可能にな
り、製造コストを低くすることができる。
【0049】本発明の更に他の加圧型ディスクフィルタ
装置においては、前記スラリーミキシングゾーンにスラ
リー循環路が配設され、スラリーミキシングゾーンから
スラリーを吸引し、該スラリーをノズルからスラリーミ
キシングゾーンに噴射する。したがって、スラリーミキ
シングゾーン内にアジテータを配設する必要がないの
で、加圧型ディスクフィルタ装置を小型化することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す加圧型ディスクフ
ィルタ装置の縦断面図である。
【図2】従来の加圧型ディスクフィルタ装置の概念図で
ある。
【図3】従来の加圧型ディスクフィルタ装置におけるフ
ィルタディスクの概念図である。
【図4】従来の加圧型ディスクフィルタ装置の断面図で
ある。
【図5】従来の加圧型ディスクフィルタ装置におけるシ
ール構造を示す図である。
【図6】従来の加圧型ディスクフィルタ装置の組立状態
図である。
【図7】本発明の第1の実施例を示す加圧型ディスクフ
ィルタ装置の横断面図である。
【図8】本発明の第1の実施例におけるシールリングの
取付状態図である。
【図9】本発明の第1の実施例におけるスラリーミキシ
ングゾーンの断面図である。
【図10】本発明の第1の実施例におけるスラリーミキ
シングゾーンの平面図である。
【図11】本発明の第2の実施例を示す加圧型ディスク
フィルタ装置の断面図である。
【符号の説明】
31,71 第1タンク 31a,31b 鏡板 33,72 第2タンク 35,74 中間バット 37 フィルタディスク 38 回転中空軸 41 排出口 42 シールリング 45 コンプレッサ 58 スラリー循環路 62 ノズル Z1 ろ過ゾーン Z2 スラリーミキシングゾーン Z3 ろ液ゾーン

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)両端が鏡板で閉鎖された第1タン
    クと、(b)該第1タンクの一端において前記鏡板を包
    囲して配設され、ろ液ゾーンを形成する第2タンクと、
    (c)前記第1タンク内の下部に配設され、上方にろ過
    ゾーンを形成するとともに下方にスラリーミキシングゾ
    ーンを形成する半円筒状の中間バットと、(d)該中間
    バットの上方において、前記第1タンクに対して回転自
    在に支持されたフィルタディスクと、(e)該フィルタ
    ディスクを透過したろ液及びガスを前記ろ液ゾーンに供
    給する手段と、(f)前記フィルタディスクの表面に付
    着した固形物を前記スラリーミキシングゾーンに供給す
    る手段とを有することを特徴とする加圧型ディスクフィ
    ルタ装置。
  2. 【請求項2】 (a)フィルタディスクを透過したろ液
    及びガスを前記ろ液ゾーンに供給する手段は、前記第1
    タンクの一端において前記鏡板を貫通する回転中空軸で
    あり、(b)該回転中空軸と鏡板の間がシールリングに
    よってシールされた請求項1に記載の加圧型ディスクフ
    ィルタ装置。
  3. 【請求項3】 前記スラリーミキシングゾーンに配設さ
    れ、スラリーミキシングゾーンからスラリーを吸引し、
    該スラリーをノズルからスラリーミキシングゾーンに噴
    射するスラリー循環路を有する請求項1に記載の加圧型
    ディスクフィルタ装置。
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