JP2580689B2 - Ti−Al合金粉末焼結体およびその製造方法 - Google Patents

Ti−Al合金粉末焼結体およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
本発明は、耐酸化性を改善したTi−Al合金粉末焼結体
に関し、その製造方法をも包含する。
【従来の技術】
最近、金属とセラミックスとの中間領域の性質をもっ
た材料として、種々の金属間化合物が注目されている。
その中で、Ti−Al系金属間化合物は比重が小さく、強度
や耐食性にすぐれているため、この特性を生かした用
途、たとえば航空機や自動車のエンジン関連材料として
の利用が試みられている。 Ti−Al系金属間化合物のうちTi Al(化学量論組成はT
i−36%Al)は、その周辺の、とくにAlリッチ側に広い
固溶範囲をもつが、そうした合金の中で常温で多少とも
塑性加工ができるのは、Al36%近辺の組成のものに限ら
れ、Alが40%を超えると、常温はもちろん高温でも塑性
加工が困難になる。 従って、比較的AlリッチのTi−Al合金は通常の鋳造−
熱間加工により製品をつくることができず、精密鋳造や
粉末冶金により最終製品またはそれに近い形状のものを
得て、必要ならば最小限の機械加工を行なって、製品と
するほかない。精密鋳造にくらべ、粉末冶金の方が、組
織の微細化が容易であり、強度を要求される部品の製造
技術としては適している。 この種のTi−Al系合金の焼結体は、通常、溶湯噴霧法
によって得た合金粉末を原料とし、合成樹脂などをバイ
ンダーとする射出成形とそれに続く焼結によって製造す
るか、またはHIP(熱間静水圧プレス)、熱間押出しな
どの熱間成形技術によって製造されている。形状の複雑
な製品は、前者の製法によることになる。いずれにして
も、それらの焼結体は、組織がもとの粉末の粒度を反映
して数十μのオーダーの微細なものであるため、鋳造品
より機械的性質がすぐれている。 しかし、既存の耐熱合金たとえばγ′折出硬化型のNi
基超合金などと比較すると、Ti−Al合金とくにTi Al焼
結体は、延靱性が低い。また、高温における耐酸化性が
不十分である。これらのことが原因となって、Ti Al焼
結体の実用化は進んでいない。 発明者らは、Ti Al金属間化合物を中心とする組成のT
i−Al合金の焼結体に、適量のSiおよびBを添加するこ
とによって延靱性を改善することに成功し、すでに提案
した(特願昭61−260124号)。
【発明が解決しようとする課題】
従って、つぎの課題は、Ti−Al合金の焼結体の耐高温
酸化性の向上である。本発明の目的は、この課題を解決
し、高温で酸化されにくいTi−Al合金粉末焼結体と、そ
の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
耐高温酸化性が向上した本発明のTi−Al合金粉末焼結
体は、Alを30〜45重量%含有し残部が実質上Tiからなる
Ti−Al合金の粉末を焼結してなり、焼結体中にSiを0.3
〜5.0重量%拡散させたことを特徴とする。 上記のTi−Al合金粉末焼結体の製造方法は、Alを30〜
45重量%含有し残部が実質上TiからなるTi−Al合金の粉
末焼結体を、SiまたはSiを発生する物質と接触させて、
温度800〜1100℃に1ないし数時間加熱することによ
り、上記焼結体に0.3〜5.0重量%のSiを拡散させること
を特徴とする。 「Siを発生する物質」とは、上記の処理温度におい
て、揮発、分解その他の機構によりSiが生成し、それが
焼結体に与えられるような物質であれば、何でもよい。
フェロシリコンの粉末などがその例であって、焼結体を
その中に埋没させ、不活性ガスで保護した雰囲気中で加
熱すれば、拡散を行なうことができる。 Siの拡散には、塩化アンモニウムのような活性化剤が
有効であって、処理に要する時間を短縮することができ
るから、結晶組織の粗大化が避けられて好ましい。 本発明による耐高温酸化性の向上は、たとえばターボ
チャージャーのホイールのように、形状が複雑で肉厚の
薄い部分が多いTi−Al合金粉末焼結体に適用したとき、
とくに有意義である。
【作 用】
焼結体をつくるTi−Al合金の組成についていえば、Ti
Al金属間化合物の化学量論組成、すなわち重量比でTi:
Al=64:36よりもAlが少ない領域では異種の金属間化合
物Ti3Alが生成して好ましくないから、あまりTiリッチ
となる組成を避けて、Alを少なくとも30重量%存在させ
るべきである。一方、Alリッチ側の固溶限は1300℃で60
重量%近くの組成まであるが、やはり別の金属間化合物
であるTiAl3が析出して脆化を招くから、Al:45重量%を
上限とする。 焼結体をSiに接触させた状態で加熱すると、Siが焼結
体の表層部に浸透し拡散して、一部は化合物をつくり、
一部は固溶する。拡散の量は温度と時間によって決定さ
れ、加熱温度800〜1100℃はこれに好適な範囲である。8
00℃未満では拡散に長時間を必要として実際的でないば
かりか、焼結体内のSi濃度勾配が不安定であって、焼結
部材を800℃近い温度で使用した場合に、それが変動し
やすい。他方、1100℃を超える高温では拡散量が多くな
りすぎて、焼結体の表層部がSiで被覆されたような状態
になる。やはり、焼結部材を高温で使用したときに一部
溶解するおよれがあり、好ましくない。 好適な拡散が行なわれた場合、Siが焼結体の重量に対
して0.3%以上添加されれば、多くの場合、表層部に耐
高温酸化性を改善するに足りる濃度のSiが存在すること
になる。同じSi含有量であっても、それぞれの焼結体の
比表面積の大小に応じて、表層部におけるSi濃度が異な
ることはいうまでもないが、本発明がとくにその意義を
発揮する、複雑な形での薄肉の、従って比表面積が大き
い焼結体においても、表層のSiが1%またはそれ以上存
在すれば、耐高温酸化性の向上が実現する。 一方、Siの量が過剰になって10%近くなると、前記し
たように表層部に多量存在するようになるほか、内部に
も浸透して、Ti Al金属間化合物組織に影響を与え、延
靱性や強度を損なう危険が生じる。Ti AlにSiを作用さ
せたとき、SiがTiおよびAlと置換し(このとき、SiはAl
よりもTiの方に多く置換するといわれている)、その結
果、TiAl3やAl2Siなどの化合物が生成して、Ti Al相中
に混在するようになるからである。とくに比表面積の大
きな焼結体でない限り、Si量は5%程度に止めておくの
がよいようである。
【実施例】
表に示す組成のTi−Al系合金を溶製し、溶湯噴霧法に
より粉末化して、60メッシュ通過の粉末を用意した。こ
の粉末を軟鋼製の缶に封入して1100℃でHIP処理し、缶
を取除いて再度1300℃でHIP処理することにより、焼結
体とした。 焼結体から引張試験片および酸化試験片を採取し、金
属ケイ素粉末:アルミナ粉末=1:9(重量比)の混合物
に微量の塩化アンモニウムを添加したものの中に埋没さ
せ、保護雰囲気下に種々の温度×時間を条件で加熱処理
して、Siの焼結体への拡散を行なった。 処理後の試験片に対し、900℃において、引張試験と
大気中20時間放置の酸化試験とを行なった。得られた高
温引張強度と酸化増量の値を、合金組成、Si拡散処理の
条件(温度,時間)およびSi拡散量とともに、表にまと
めて示す。 表の結果から、Ti−Al合金粉末焼結体に適量のSiを拡
散させたものは、耐高温酸化性が向上することがわか
る。Siの拡散による耐酸化性向上の効果は、Ti Al
(γ)金属間化合物以外の材料、すなわちAl:30重量%
以下の場合(比較例2)および45重量%以上(比較例
6)にも認められるが、これらの場合には焼結体の脆化
が著しく、実用的な焼結部材が得られない。 本発明の方法は、Ti−Al合金粉末中にあらかじめ固溶
強化元素などを適宜含有させたものの焼結体についても
適用でき、表層のSi化合物生成により耐酸化性が向上す
ることが確認された。
【発明の効果】
本発明のTi−Al合金粉末焼結体は、適量のSiの拡散に
より、耐高温酸化性が向上している。一方で、高温強度
は実質上影響を受けないから、この焼結体は、常温から
1000℃までの高温で使用する機械構造部材として有用で
ある。 本発明の製造方法によれば、このような耐高温酸化性
の向上したTi−Al合金粉末焼結体を、常用の装置を用い
て容易に製造することができる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Alを30〜45重量%含有し残部が実質上Tiか
    らなるTi−Al合金の粉末を焼結してなり、焼結体中にSi
    を0.3〜5.0重量%拡散させたことを特徴とするTi−Al合
    金粉末焼結体。
  2. 【請求項2】Alを30〜45重量%含有し残部が実質上Tiか
    らなるTi−Al合金の粉末焼結体を、SiまたはSiを発生す
    る物質と接触させて温度800〜1100℃に1ないし数時間
    加熱することにより、上記焼結体に0.3〜5.0重量%のSi
    を拡散させることを特徴とするTi−Al粉末焼結体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】SiまたはSiを発生する物質として金属ケイ
    素の粉末ケイ素合金または化合物の粉末を使用して実施
    する請求項2の製造方法。
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