JP2580569B2 - 熱転写記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、熱転写記録装置、殊に熱転写材を供給側ロ
ールと巻取側ロールとの間に張設して収納した熱転写材
収納のカセットを装着し、熱転写材を熱転写に供する型
式の熱転写記録装置に関するもので、例えばパーソナル
コンピュータのグラフィックプリントに利用される。

（従来の技術） この種の熱転写記録装置に合成樹脂製の熱転写材収納
カセットを装着して用いることが特開昭60-27580号公報
で知られている。これに開示のものは、熱転写材収納の
カセットを着脱するのに、その熱転写材の巻取側ロール
からそれを駆動する熱転写材の巻取機構の連結を手操作
で解除させるようになっている。

（発明が解決しようとする問題点） 熱転写材を収納したカセットの使用で、熱転写材の装
着、取出しの作業が簡略化し、カセットを合成樹脂製と
することで軽量化、低コスト化が計れる。しかし、前記
のようにカセットを着脱するのに、巻取側ロールと巻取
機構とをいちいち手操作で連結解除させるのではまだ不
便である。

（問題点を解決するための手段） 本発明は前記のような問題点を解決するために、装置
本体内に固定して設けられて、熱転写材収納のカセット
をこれに備えた供給側および巻取側の各ロールの軸線と
直角な方向にて着脱自在に装着されるカセット装着部
と、このカセット装着部に装着された前記カセットの熱
転写材の前記巻取側ロールをこれの軸線方向から断接自
在に連結して駆動する手段であって非連結位置に付勢さ
れている巻取手段と、中央屈曲部が前記装置本体内の固
定部に前記巻取手段の進退方向および前記カセットの着
脱方向の双方と直角な向きの軸で枢支されて、一端が前
記巻取手段に係合してこれの進退に連動して回動でき、
非連結位置の前記巻取手段に連動した回動位置で他端が
前記カセット装着部の前記カセットの着脱経路の途中に
位置し、装着される前記カセットに他端が押動されると
きの回動によって前記巻取手段を前記付勢に抗し連結位
置に移動させる連結手段と、前記カセットを前記巻取手
段と連結した位置に保持する保持手段と、を備えたこと
を特徴とするものである。

（作用） 連結手段が、巻取手段の進退方向と、カセットの前記
進退方向に直角な着脱方向と、の双方に直角な向きの軸
で中央屈曲部を枢支されていることにより、一端が係合
している巻取手段の進退に連動して回動することができ
るし、着脱されるカセットの動きに連動して回動するこ
ともでき、しかも、カセットの装着に連動する連結手段
の回動が、巻取手段が連結位置に移動する動きに対応
し、巻取手段の付勢による非連結位置への移動に連動す
る回動が他端がカセットの着脱経路の途中に臨む動きに
対応する。

そして、カセット装着部に転写材収納のカセットが装
着されていないとき、連結手段および巻取手段はフリー
な状態にあるので、巻取手段は付勢によって非連結位置
に保持され、連結手段はこれに一端を介して連動した回
動位置にあって、他端がカセット装着部におけるカセッ
トの着脱経路の途中に臨んでいる。

これによって、カセットは、非連結位置にある巻取手
段に緩衝するようなことなくカセット装着部に装着する
ことができる。カセットがカセット装着部に装着される
とき、カセットは装着の途中でカセットの装着経路の途
中にある連結手段の他端に当接してこれを押動するの
で、連結手段は枢支部を中心に回動しながら巻取手段を
カセットの巻取側ロールに軸線方向から連結されてこれ
を駆動できる状態になり、装着したカセットの巻取側ロ
ールを駆動できるようにするための巻取手段との連結を
行う特別な操作が不要であるし、この連結状態は保持手
段によって保持され安定する。

また、カセットをカセット装着部から離脱させるとき
は、保持手段による保持を解除してカセットを直接離脱
方向に移動させさえすれば、このカセットの移動と同時
に連結手段の他端に対する押動を解除していき、その
分、巻取手段は付勢によって非連結位置に向け移動され
て、カセットの離脱方向への移動を邪魔するようなこと
がないので、巻取手段をカセットの巻取側ロールとの連
結を切断しておく特別な部材が不要である。

したがって、カセットは、これを着脱させるカセット
の移動作業だけで、装置本体に固定されたカセット装着
部に対し直接、簡単かつ短時間に着脱と、これに伴う巻
取手段の巻取側ロールとの断接とを達成することができ
て使用に便利なものとなうし、着脱が装置本体に対し直
接行うのと、この着脱に伴うカセットの巻取側ロールに
対する巻取手段の断接をカセットおよび巻取手段の双方
に直接関係し合う１つの枢支部材によって達成するの
で、構造が簡単で安価なものとなる。

（実施例） 図に示す本発明の実施例について説明すれば、第１図
に示すように装置本体の本体ケース１の底板２上にカセ
ット装着部３が固定して設けられている。カセット装着
部３は基板４の上に熱転写材７収納のカセット８を上方
より受入れ、モルトプレーン５や後部位置決め用のブロ
ック６で着脱自在に受止めるようになっている。したが
って、カセット８は装置本体に固定して設けられたカセ
ット装着部３に上下方向に着脱自在となる。

カセット８は合成樹脂製で、前後に供給側ロール９お
よび巻取側ロール10を第１図や第２図等に示すように遊
びＳを持って横設状態に保持しており、供給側ロール９
に巻かれた熱転写材７はその先端を巻取側ロール10に第
４図の如く接着テープ11により連結され、両ロール９、
10間で熱転写に供されるようになっている。この熱転写
のためにカセット８の天板および底板には窓12、13が開
設され、カセット装着部３の基板４上のモルトプレーン
５とブロック６との間に装着されるカセット８内を窓1
2、13を通じて底板側から天板上に突き抜けるサーマル
ヘッド14部が設けられている。

サーマルヘッド14は装着されたカセット８内の熱転写
材７を両ロール９、10間で持ち上げる形で第１図のよう
にカセット８の天板上へ押し上げ、本体ケース１内の上
部に設けられたペーパーフィーダ15のプラテン16に圧接
させるようになっており、この圧接部で熱転写材７を用
いた用紙17への熱転写がサーマルヘッド14によって行わ
れる。

ペーパーフィーダ15は後部ヒンジ18を中心に第１図の
作用位置と、その位置から本体ケース１の上部開口19を
通じて上方へ回動したカセット装着部３からの退避位置
とに回動できるようにされている。ペーパーフィーダ15
はプラテン16の上部にプラテン16と同期駆動されるトラ
クタフィーダ20を有し、用紙17を第１図矢印のようにプ
ラテン16部に送り込み、またプラテン16部から送り出す
ようになっている。21はペーパーフィーダ15の駆動モー
タ、22は位置センサである。ペーパーフィーダ15の上部
には用紙ガイド板23が装着されている。用紙ガイド板23
はその先端折曲部23aがペーパーフィーダ15の軸24に着
脱自在に掛止し、後端部23bを本体ケース１の天板後部
に載せているだけで、それ自体は軸24を中心に回動で
き、ペーパーフィーダ15の前記位置変換に追随するし、
着脱を自在なようになっている。

本体ケース１の開口19のペーパーフィーダ15設置部よ
り前側の部分には着脱自在な前カバー25が設けられ、前
カバー25の取外しとペーパーフィーダ15の退避位置への
回動でカセット収納部３の全体が開口19へオープンし、
カセット８を簡単に着脱できるようになっている。

本体ケース１内の一固定部である基板４上には、第２
図から第６図に示すように装着されるカセット８の巻取
側ロール10の両端に対応する巻取手段26と、供給側ロー
ル９の両端部に対応する位置出しブロック27と、カセッ
ト８の着脱に応動して巻取手段26を巻取側ロール10に連
結させる連結手段28とが設けられている。

巻取手段26は、装着されるカセット８の巻取側ロール
10の各端部とほぼ同一軸線上で対向する位置に設けられ
た位置出し駆動用のヘッド31、32を有している。各ヘッ
ド31、32は、第３図、第５図、第６図に示すように基板
５の側壁に突設した軸33上に回転および巻取側ロール10
の軸線方向移動ができるよう保持され、軸33との間に働
かせたばね34によって常時第５図に示す後退した非連結
位置にあるように付勢されている。この非連結位置にあ
るとき、カセット装着部３へのカセット８の着脱経路か
ら退避して、着脱されるカセット８と干渉せず、また装
着されるカセット８の巻取側ロール10とは連結されない
切断状態にある。そして、巻取手段26の進退方向とカセ
ット８の着脱方向とは互いに直角となる関係にある。こ
の直角な関係はカセット８が前後に着脱されるような場
合でも本発明は対応することができる。

連結手段28は、各ヘッド31、32の下部で装置本体の一
固定部である基板４上へ、前記巻取手段26の進退方向お
よびカセット８の着脱方向の双方と直角な水平に向いた
軸35により、中央の屈曲部を枢支された側方より見てＬ
型のばねレバー36、36からなり、一端部36aが各ヘッド3
1、32の外周の環状溝31a、32aに係合してヘッド31、32
の軸線方向の進退に連動して回動するようにされるとと
もに、他端部36bがカセット装着部３におけるカセット
８の着脱経路の途中に臨んで、装着されるカセット８に
押動されて回動するようになっている。カセット８が前
後に着脱されるものである場合、連結手段28のばねレバ
ー36は垂直に向くようにすれば同様に働く。

このように、連結手段28のばねレバー36、36が、巻取
手段26の進退方向と、カセット８の前記進退方向に直角
な着脱方向と、の双方に直角な向きの軸35で中央屈曲部
を枢支されていることにより、一端部36aが係合してい
る巻取手段26のヘッド31、32の進退に連動して回動する
ことができるし、着脱されるカセット８の動きに連動し
て回動することもでき、しかも、カセット８の装着に連
動する連結手段28のばねレバー36の回動が、巻取手段26
のヘッド31、32が連結位置に移動する動きに対応し、巻
取手段26のヘッド31、32の付勢による非連結位置への移
動に連動する回動が他端部36bがカセット８の着脱経路
の途中位置に臨む動きに対応する。

そして、カセット装着部３に転写材７を収納したカセ
ット８が装着されていないとき、連結手段28のばねレバ
ー36および巻取手段26のヘッド31、32はフリーな状態に
あるので、巻取手段26のヘッド31、32はばね34の付勢に
よって非連結位置に保持され、連結手段28のばねレバー
36はこれに一端部36aを介して連動した回動位置にあっ
て、他端部36bがカセット装着部３におけるカセット８
の着脱経路の途中に臨む。

この状態でカセット装着部３にカセット８が装着され
ると他端部36bをカセット８によって下方に押動され、
一端部36aによりヘッド31、32を進出させ、ヘッド31、3
2の雄テーパ面31b、32bを装着されたカセット８の巻取
側ロール10の端部の雌テーパ面10aに自身のばね性を利
用して圧着させる。

この圧着によって巻取側ロール10を基板４上にカセッ
ト８とは無関係に位置決めし、必要な位置出しをカセッ
ト８の装着に連動して自動的に行うのと同時にヘッド3
1、32と巻取側ロール10とを互いに同体回転できるよう
に接続した連結状態として、一方のヘッド31に与えるモ
ータ37からの駆動力を伝達できるようになっている。

各ヘッド31、32に働くばね34およびばねレバー36はカ
セット８の自重より充分強くしてある。これによってカ
セット８をカセット装着部３に単に嵌め付けただけで
は、ばねレバー36によってカセット８は巻取側ロール10
の方で浮かされたままであるようにしてある。このた
め、カセット８の装着完了はペーパーフィーダ15を第１
図の作用位置に回動することによりカセット８を押し下
げて行い、そのとき前記巻取手段26との接続およびそれ
による巻取側ロール10の位置出しが自動的に達成され
る。そしてこのカセット装着状態はペーパーフィーダ15
を第１図に示す作用位置にロックすることで、ペーパー
フィーダ15の自由端部にある押圧片15aがカセット８を
前記装着位置に上方から押圧して保持するので、カセッ
ト装着状態が保たれる。この保持はペーパーフィーダ15
を前記退避位置へ開放することにより解除される。ここ
に、カセット８の装着状態への保持および保持解除は、
装置本体１のカセット８の着脱のための開閉操作を共用
して達成される。

したがってペーパーフィーダ15を退避位置に回動させ
ると、カセット８の押し下げを解除するので、ヘッド3
1、32はばね34の付勢で復帰して巻取側ロール10との圧
着を解除してカセット８の取出しを可能にすると共にば
ねレバー36を介し取出し可能としたカセット８を巻取側
ロール10側で浮かせる。このためカセット８は取出し可
能であるとともに取出しやすい状態とされる。このよう
にすると、カセット８をカセット装着部３から離脱させ
るのに便利であるが、これに限られることはなく、ペー
パーフィーダ15を退避位置に移動させてもカセット８は
浮き上がらず、手で持ち上げて離脱させるようにするこ
ともできる。

この場合、巻取手段26はカセット８の離脱の動きに連
動する状態で非連結位置に戻り、カセット８の離脱を妨
げることはない。

ヘッド31から巻取側ロール10への駆動力伝達が確実で
あるように、雄テーパ面31bとそれが圧着する雌テーパ
面10aとに互いに係合し合う係合凹凸31c、10bが形成さ
れている。これらはカセット８の装着時の自動圧着時に
確実に係合し合わなくても、ヘッド31に駆動力が掛かっ
て回動し始めて巻取側ロール10と滑り回転するときに確
実に係合し合うので問題はない。

モータ37からヘット31への駆動力伝達は、第２図のよ
うに摩擦クラッチ38を介した歯車列39によって行われ、
熱転写材７を損傷させるほどの駆動力は伝達しないよう
になっている。

ばねレバー36にはそれを枢支する板部材42に、ばねレ
バー36の一端部36aと他端部36bとの開き度が一定角度以
下にならないように規制する突部42aが設けられてい
る。この突部42aはばねレバー36と供回り可能でばねレ
バー36の回動を妨げないようになっている。

位置出しブロック27は、カセット８を基板上に受ける
前記ブロック６と一体に形成され、隙間40を持って配し
た立設壁41、41に、装着されるカセット８の供給側ロー
ル９の端部を回転自在に受けるＶ字形軸受部41aを有
し、この軸受部41aで供給側ロール９の両端部を受ける
ことでカセット８とは無関係に供給側ロール９を基板４
上で正確に芯出しし、巻取側ロール10との平行度を出
す。

また供給側ロール９の一端部には位置出しフランジ9a
が一体的に設けられており、これがカセット８の装着時
前記立設壁41間の隙間40に嵌り込むことによって供給側
ロール９の軸線方向位置を基板４上で規制し、基板４上
で巻取手段26の各ヘッド31、32が両端に圧着して軸線方
向位置を規制される巻取側ロール10と、軸線方向位置も
正確に合される。

これによって、巻取側ロール10が回転駆動されると供
給側ロール９に巻かれている熱転写材７は、蛇行したり
シワを生じたりすることなく巻取側ロール10へ移行し、
定位置でしかもシワなしで熱転写に供されるとともに、
巻取側ロールの定位置に巻取られる。

位置出しフランジ9aは隙間40に嵌り込みやすいように
山形の断面形状とされている。

なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく
本発明の効果を発揮し得る範囲で種々の態様で実施する
ことができる。例えば供給側ロール９の芯出し用の軸受
部41aの軸受形状はＶ字形に限るものではないし、軸方
向位置も両端からの挟み規制によって行うこともでき
る。同様に巻取手段26や連結手段28も具体的構造は種々
に変形設計することができる。

（発明の効果） 本発明によれば、カセットはこれを着脱させるカセッ
トの移動作業だけで、装置本体に固定されたカセット装
着部に対し直接、簡単かつ短時間に着脱と、これに伴う
巻取手段の巻取側ロールとの断接とを達成することがで
きて使用に便利なものとなるし、着脱が装置本体に直接
行うのと、この着脱に伴うカセットの巻取側ロールに対
する巻取手段の断接を、カセットおよび巻取手段の双方
に直接関係し合う１つの枢支部材によって達成するのと
で、構造が簡単で安価なものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す全体の縦断側面図、第
２図はカセット装着部の横断平面図、第３図は巻取側ロ
ール駆動部の縦断面図、第４図はカセットを開けて見た
一部の斜視図、第５図、第６図は巻取側ロールと巻取手
段と連結手段とのカセットの着脱に伴う動作状態を示す
断面図である。 １……本体ケース ３……カセット装着部 ４……基板 ７……熱転写材 ８……カセット ９……供給側ロール 10……巻取側ロール 15……ペーパーフィーダ 15a……押圧片 26……巻取手段 28……連結手段 31、32……ヘッド 34……ばね 35……軸 36……ばねレバー 36a……一端部 36b……他端部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】装置本体内に固定して設けられて、熱転写
   材収納のカセットをこれに備えた供給側および巻取側の
   各ロールの軸線と直角な方向にて着脱自在に装着される
   カセット装着部と、 このカセット装着部に装着された前記カセットの熱転写
   材の前記巻取側ロールをこれの軸線方向から断接自在に
   連結して駆動する手段であって非連結位置に付勢されて
   いる巻取手段と、 中央屈曲部が前記装置本体内の固定部に前記巻取手段の
   進退方向および前記カセットの着脱方向の双方と直角な
   向きの軸で枢支されて、一端が前記巻取手段に係合して
   これの進退に連動して回動でき、非連結位置の前記巻取
   手段に連動した回動位置で他端が前記カセット装着部の
   前記カセットの着脱経路の途中に位置し、装着される前
   記カセットに他端が押動されるときの回動によって前記
   巻取手段を前記付勢に抗し連結位置に移動させる連結手
   段と 前記カセットを前記巻取手段と連結した位置に保持する
   保持手段と、 を備えたことを特徴とする熱転写記録装置。