JP2580405B2 - 車両用乗員保護装置の起動装置 - Google Patents
車両用乗員保護装置の起動装置Info
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Description
して乗員保護を起動する車両用乗員保護装置の起動装置
に関する。
8574号の「エアーバッグ起動制御装置」があり、車
両の衝突時の加速度を検出して加速度信号を発生する加
速度センサを備え、この加速度センサからの加速度信号
を所定の積分期間の間積分して、その積分値が所定値以
上になったことを判別すると、エアバッグを作動させる
ようにしている。
ものは、車両の衝突時の加速度波形と車両の悪路走行時
の加速度波形とを積分によって区別できるものの、車両
の衝突形態としては、正面衝突以外に、斜め衝突、ポー
ル(電柱等)衝突、オフセット衝突(車両同士がずれて
衝突すること)等があり、斜め衝突、ポール衝突では、
衝突直後は低い加速度信号となりその後大きな加速度信
号となるため、上記の従来技術のように単に所定期間の
積分をしていただけでは、衝突判定に遅れが生じること
となる。
であり、斜め衝突、ポール衝突等といった大きな加速度
信号の発生が遅れるような車両の衝突形態においても応
答性よく衝突判定することができるようにすることを目
的とする。
するため、本発明の請求項1記載の車両用乗員保護装置
の起動装置では、車両の加速度を検出して電気的な加速
度信号を発生する加速度センサと、所定の積分期間毎の
前記加速度信号を積分する積分手段と、前記積分期間に
おける異なる第1、第2の時点における前記加速度信号
の第1、第2の微分値をそれぞれ検出する微分値検出手
段と、前記積分手段によって積分した積分値に、前記微
分値検出手段にて検出された第1、第2の微分値を加算
し、第1、第2の加算値を検出する加算値検出手段と、
この加算値検出手段にて検出された第1、第2の加算値
に基づいて車両の衝突状態を判別する判別手段と、この
判別手段にて車両の衝突状態を判別した時に車両の乗員
保護装置を起動させる起動手段とを備えることを特徴と
している。
1に記載の発明に対し、前記判別手段は、前記第1、第
2の加算値に対応するそれぞれの第1、第2のしきい値
を有すると共に、前記第1、第2の加算値と前記第1、
第2のしきい値とを比較する比較手段を有し、この比較
手段によって、前記第1、第2の加算値のいずれか一方
が対応する前記第1、第2のしきい値よりも大きい時
に、車両の衝突状態を判別することを特徴としている。
よって検出された所定の積分期間毎の前記加速度信号の
積分値と、微分値検出手段によって積分期間における異
なる第1、第2の時点における加速度信号の第1、第2
の微分値とを加算する。そして、判別手段にて、加算さ
れた第1、第2の加算値に基づいて車両の衝突状態を判
別して、車両の乗員保護装置を起動させるようにしてい
る。
比較手段にて、前記第1、第2の加算値に対応するそれ
ぞれの第1、第2のしきい値と、第1、第2の加算値と
を比較する。そして、前記第1、第2の加算値のいずれ
か一方が対応する前記第1、第2のしきい値よりも大き
い時に、車両の衝突状態を判別している。
する。図1は本発明の一実施例を示す概念構成図であ
る。この図1において、車両の加速度を加速度センサ1
にて検出する。この加速度センサ1は、加速度に応じた
信号を発生するトランスデューサ1aとこのトランスデ
ューサ1aからの信号を増幅して加速度信号を発生する
増幅器1bから成る。この加速度センサ1からの加速度
信号はローパスフィルタ2を介しその加速度信号に含ま
れる高周波成分が除去されて積分回路3と微分回路4に
入力される。積分回路3では入力された加速度信号を一
定の積分期間3T秒だけ積分する。微分回路4では入力
された加速度信号に対し現時刻よりT秒前までの期間に
おける平均的な微分値(以下、現時刻の微分値という)
を算出する。なお、その期間の平均的な微分値としたの
は、ノイズ等の影響により大きな微分値がでてそれによ
る誤判定を防止するためである。この平均的な微分値を
算出する方法としては各瞬時における微分値を算術平均
する方法、あるいは現時刻とT秒間を2分し、それぞれ
の間における積分値の差により概略的な平均微分値を求
める方法(この方法についてはマイクロコンピュータを
用いた例にて詳述する)等を用いることができる。
に、正面衝突、斜め衝突、ポール衝突、オフセット衝突
等があり、それらの衝突における加速度信号の波形が図
2(a)〜(d)に示すように異なり、その積分期間に
おけるT秒前、2T秒前の時刻での加速度信号の変化、
すなわち微分値を衝突判定の情報に加えて衝突判定の応
答性を向上させるため、上記微分回路4にて得られた微
分信号を遅延回路5、6にてそれぞれT秒ずつ遅延させ
るようにしている。
対し乗算回路7にて所定の係数Ki を乗ずるとともに、
微分回路4、遅延回路5、6にて得られた微分信号に対
しても乗算器8〜9にて所定の係数Kd1、Kd2、Kd3を
乗じ、加算回路11〜13にて積分信号と微分信号の加
算を行う。なお、これらの係数は車種毎に対応して設定
されるもので、係数Kd1、Kd2、Kd3は係数Ki に対す
る相対的なものであるため、係数Kd1、Kd2、Kd3を係
数Ki に対する相対値として係数Ki の乗算をなくすよ
うにしてもよい。
た値は、メモリ14〜16にそれぞれ記憶された所定の
しきい値V1 、V2 、V3 と比較回路17〜19にてそ
れぞれ比較される。その比較回路17〜19のいずれか
にて衝突判定が行われると、オア回路20より点火信号
が出力される。この点火信号の発生により点火トランジ
スタ21がオン作動し、起動手段としてのスキブ22に
起動電流が流れてエアバッグ23が展開作動する。
するために設定された値、しきい値V2 はオフセット衝
突を検出するために設定された値、しきい値V3 はポー
ル衝突および正面衝突を検出するために設定された値で
ある。
速度センサ1は車両の加速度を検出し、その加速度を示
す加速度信号はローパスフィルタ2を介し積分回路3お
よび微分回路4に入力される。積分回路2では現時点か
ら3T秒間の加速度信号の積分を行う。また、微分回路
4では現時刻の微分値を算出する。また、微分回路4に
て算出された微分値は遅延回路5に記憶保持され、この
遅延回路5からはT秒前の時刻における微分値が出力さ
れる。さらに、この微分回路5に記憶保持された微分値
は微分回路6に記憶保持され、現時点から2T秒前の時
刻における微分値が出力される。
係数Ki を掛けたものと、微分回路4、遅延回路5、6
からの出力に係数Kd1、Kd2、Kd3をそれぞれ掛けたも
のとを加算回路11〜13にてそれぞれ加算する。それ
ぞれの加算値は比較回路17〜19にてメモリ14〜1
6に記憶されたしきい値V1 、V2 、V3 とそれぞれ比
較され、そのいずれかがしきい値を越えていることが判
定されると、オア回路20より点火信号が発生し、その
結果、点火トランジスタ21が作動してスキブ22に起
動電流が流れ、エアバッグ23が展開作動する。
には、図2(a)に示すように、衝突直後に非常に大き
な加速度の立上りがあるので、現時刻の加速度信号の微
分値により、時刻Tの時点で早期に衝突の判定を行うこ
とができる。
すように、衝突直後にある程度の大きさの加速度信号の
立ち上がりがあり、その後遅れて加速度信号が大きくな
っていくため、2T秒前の加速度信号の急峻な変化情報
を加味すべく、3T秒間の加速度信号の積分値に2T秒
前の時刻の微分値を加えてようにしている。
は、図2(c)に示すように、大きな加速度の発生が遅
れて発生し、しかもその前においてはそれ程急峻な立ち
上がりがないため、現時刻における加速度信号の変化情
報を加味すべく、3T秒間の加速度信号の積分値に現時
刻の加速度信号の微分値を加えて衝突判定をその時点に
て確実に行うようにしている。
(d)に示すように、衝突後に少したって急峻な加速度
信号の立ち上がりがあり、その後遅れて加速度信号が徐
々に大きくなっていくため、T秒前の加速度信号の急峻
な変化情報を加味すべく、3T秒間の加速度信号の積分
値にT秒前の時刻の微分値を加えてようにしている。
対し、その積分期間を3分割した期間のいずれかでの急
峻な加速度信号の変化情報を加味し、それによって種々
の衝突形態に対し応答性よく衝突判定できるようにして
いる。なお、図2に種々の衝突形態に対する波形例を示
したが、これは単なる一例であって、実際の衝突にあた
っては、複雑な信号波形となるとともに上記した衝突形
態に対しても必ず図2のような波形になるとは限らな
い。しかし、そのような場合であっても上記した各期間
での加速度信号の急峻な変化が衝突判定に用いられるこ
とになるため、衝突判定に対する応答性を向上させるこ
とができる。
の部分をマイクロコンピュータ100にて構成した具体
的実施例について説明する。図3はその構成を示す構成
図であり、A/D変換器24およびマイクロコンピュー
タ100を用いた点を除き、図1に示す構成と同じであ
る。このマイクロコンピュータ100の作動を、図4〜
図7に示すフローチャートに従って説明する。
秒の期間の1/2をN分割した時点毎に加速度信号を入
力記憶し、その分割時点毎に、それまでに記憶した値に
基づいて上記積分値および微分値を算出し、これによっ
て衝突判定するようにしたものである。
キースイッチの投入により図3に示す各部回路に車載バ
ッテリ(図示せず)からの電源が供給され、マイクロコ
ンピュータ100は図4のスタートステップ101より
その演算処理を開始する。この後、ステップ102の演
算処理に進み、メモリにおける加速度波形の記憶用配列
GのポインタGPを0に初期化する。
配列SのポインタSP[i] をi×N(i=0〜5)にて
初期化する。従って、SP[i] は図8に示すように互い
にNづつ離れた記憶用配列Sの6つの要素SP[0]〜S
P[5] を示すことになる。ステップ104では加速度波
形の記憶用配列Gの全要素を、また次のステップ105
では積分値の記憶用配列Sの全要素を0に初期化する。
なお、配列Gの要素は0からN−1までのN個、配列S
の要素は図8に示す0から5×Nまでの5×N+1個と
なる。
24にA/D変換指令を出力し、ステップ107にて割
り込みルーチンの処理に必要な設定を行い、ステップ1
08にてタイマ割り込みを許可する。このタイマ割り込
みの許可によって所定周期で図5に示す割り込み演算処
理を実行することになる。なお、その周期hは、h=T
/2Nにて定められており、A/D変換器24の変換時
間はその周期hより短く設定されている。
る演算処理を示している。まず、ステップ201にてA
/D変換器24よりA/D変換した加速度データを入力
し、それを加速度波形の記憶用配列Gのうちのポインタ
GPにて指定される領域に記憶させる。そのポインタG
Pにて示される領域に記憶された加速度データをG[GP]
とする。この後、ポインタGPを次の加速度データの入
力記憶のために1だけインクリメントする。従って、加
速度波形の記憶用配列Gの各記憶領域には最新のN個の
加速度データが記憶されることになる。
用配列SのうちのポインタSP[0]にて指定される領域
の積分データ(以後、S[ SP[0]]という)を0に設定
した後、ステップ204にてG[0] 〜G[N-1] のデータ
を加算して、それをS[ SP[0]]とする。すなわち、最
新の加速度データのN個の積分値をS[ SP[0]]とす
る。そのN個の積分値はT/2秒の時間における加速度
データの積分値を意味する。なお、そのポインタSP
[0] は後述するステップ209にてインクリメントされ
るため、積分値の記憶用配列Sには最新の5N+1個の
積分値が記憶されることになる。
データBASEを0に設定し、ステップ206にてS[
SP[0]]〜S[ SP[5]]のデータを加算して積分データ
BASEの値を設定する。従って、この積分データBA
SEは6×T/2=3T秒の期間における積分値を示す
ことになる。
刻、T秒前の時刻、2T秒前の時刻における微分データ
を加えた微分積分データSA[i] を求める処理を次のス
テップ207にて行う。ここで、微分データを求めるた
め、図9に示すように、T秒間の期間を2分し、それぞ
れの間における積分値の差により概略的な平均微分値を
求める方法を採用しており、S[ SP[0]]−S[ SP
[1]]、S[ SP[2]]−S[SP[3]]、S[ SP[4]]−S
[ SP[5]]によりそれぞれの時点における微分値を求め
るようにしている。このようにT/2区間の積分値の差
をとることにより、図1のローパスフィルタ2と微分回
路4の効果を同時に実現している。すなわち、T/2区
間の積分値をとることで平滑化(ローパスフィルタ)の
効果を、差分をとることで微分の効果を得るようにして
いる。そして、これらの微分値に対し、所定の係数αを
乗じ、それに積分データBASEを加えて、3つの微分
積分データSA[0] 、SA[1] SA[2] を求める。そし
て、次のステップ208にてこれら3つの微分積分デー
タを、予め定めた3つのしきい値データSTH[0] 、S
TH[1]、STH[2] とそれぞれ比較し、衝突判定を行
う。
両の衝突が発生したとして、ステップ211に進み、点
火トランジスタ21に点火信号を発生する。この点火信
号の発生により上述したようにエアバッグ23が展開す
ることになる。
Oになれば、ステップ209に進んで、積分値の記憶用
配列SのポインタSP[i] (i=0〜5)をそれぞれ1
だけインクリメントし、ステップ210に進んでA/D
変換器24に次のA/D変換を開始させる指令を発生す
る。
リメント処理は、具体的には図6の処理にて行うように
しており、ステップ301にてインクリメント処理を行
い、ステップ302にてその値がN−1を越えたか否か
を判定し、その判定がYESになると、ステップ303
にてポインタGPを0に戻すようにしている。これは、
ポインタGPを0からN−1のいずれかの値になるよう
循環して変化させるためである。
メント処理においても、図7に示すように図6に示す処
理と類似した処理を行い、ポインタSP[i](i=0〜
5)をそれぞれ0から5×Nのいずれかの値になるよう
循環して変化させている。
N分割した時点毎に3T秒間の積分値に基づいて衝突判
定を行うようにしたが、特公昭59ー8574号に示す
ように一定の積分期間が経過する毎に衝突判定を行うも
のに本発明を適用するようにしてもよい。
めるものを示したが、その数は3つに限らず、2つある
いは4つ以上にしてもよい。また、上記いずれの実施例
においても、乗員保護装置としてエアバッグを作動させ
るものについて示したが、これ以外にシートベルトをス
クィブによる起爆を用いてパッシブに誘うさせる乗員保
護装置に適用してもよく、またその両者を用いたものに
適用させてもよい。
によれば、積分手段によって検出された所定の積分期間
毎の前記加速度信号の積分値と、微分値検出手段によっ
て積分期間における異なる第1、第2の時点における加
速度信号の第1、第2の微分値とを加算する。そして、
判別手段にて、加算された第1、第2の加算値に基づい
て車両の衝突状態を判別して、車両の乗員保護装置を起
動させるようにしているから、衝突形態によって異なる
加速度信号の発生に対しても、確実に衝突を判別して、
衝突判定の応答性を向上させることができるという優れ
た効果がある。
較手段にて、第1、第2の加算値に対応するそれぞれの
第1、第2のしきい値と、第1、第2の加算値とを比較
する。そして、第1、第2の加算値のいずれか一方が対
応する第1、第2のしきい値よりも大きい時に、車両の
衝突状態を判別しているから、第1、第2の加算値に対
応する第1、第2のしきい値を任意に設定してきめ細か
い応答性を確保することができるという優れた効果があ
る。
る。
ある。
すフローチャートである。
である。
ーチャトである。
フローチャトである。
図である。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】車両の加速度を検出して電気的な加速度信
号を発生する加速度センサと、 所定の積分期間毎の前記加速度信号を積分する積分手段
と、前記積分期間における異なる第1、第2の時点における
前記加速度信号の第1、第2の微分値をそれぞれ検出す
る微分値検出手段と、 前記積分手段によって積分した積分値に、前記微分値検
出手段にて検出された第1、第2の微分値を加算し、第
1、第2の加算値を検出する加算値検出手段と、 この加算値検出手段にて検出された第1、第2の加算値
に基づいて車両の衝突状態を判別する判別手段と、 この判別手段にて車両の衝突状態を判別した時に車両の
乗員保護装置を起動させる起動手段と、 を設けたことを特徴とする車両用乗員保護装置の起動装
置。 - 【請求項2】 前記判別手段は、 前記第1、第2の加算値に対応するそれぞれの第1、第
2のしきい値を有すると共に、前記第1、第2の加算値
と前記第1、第2のしきい値とを比較する比較手段を有
し、 この比較手段によって、前記第1、第2の加算値のいず
れか一方が対応する前記第1、第2のしきい値よりも大
きい時に、車両の衝突状態を判別することを特徴とする
請求項1記載の車両用乗員保護装置の起動装置。
Priority Applications (3)
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP3132786A Expired - Lifetime JP2580405B2 (ja) | 1991-06-04 | 1991-06-04 | 車両用乗員保護装置の起動装置 |
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