JP2579919Y2 - 物干し器用吊下げ支持具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は洗濯物を吊下げるために
一般的に普及している物干し器（シンプルな構成のハン
ガーも含む。）等を吊下げることができる物干し器用吊
下げ支持具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、物干し器用吊下げ支持具の一実施
例として、例えば室内の壁の鴨居に取り付けられる物干
し器用吊下げ支持具がある。

【０００３】この吊下げ支持具は、壁の鴨居に遊嵌合す
る軽ミゾ形鋼の取付部と、この取付部の対向壁部の一方
に螺合し、かつ、内端部に鴨居と当接する受け板を有す
る固定用操作螺合杆と、この操作螺杆の外端部に設けら
れた摘み操作部と、前記取付部の中央壁部に一端部が溶
着され、かつ、先端部が半円弧状に折曲形成された所定
長さの支持バーとから構成されていた。

【０００４】しかしながら、上記構成の物干し器用吊下
げ支持具に於いては、室内の壁の鴨居に取付け可能であ
るが、ベランダの手摺、柵の横棒などの水平部材に取付
けることができず、また固定用操作螺合杆が緩んで吊下
げ支持具が鴨居から落下し易やすく、さらに、支持バー
の長さが決まっているので、所望する物干し器を吊り下
げることができないなどの欠点があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】本考案は以上のような
従来の欠点に鑑み、ベランダの手摺、柵の横棒などの水
平部材に取付けることができ、また水平部材から容易に
落下せず、さらに、所望する物干し器を吊り下げること
ができ、加えて、伸縮棒部材から物干し器が容易に落下
しない物干し器用吊下げ支持具を得ることである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案の物干し器用吊下
げ支持具は、固着具２５を介して水平部材２に固定的に
取り付けられる軽ミゾ形鋼の取付け部材１と、この取付
け部材の中央壁部５に縦軸１２を介して水平動可能に軸
着された軸受回動板９と、この軸受回動板に横軸１５を
介して垂直方向に回転可能に軸着された伸縮棒部材６と
から成り、前記伸縮棒部材６は軸受回動板９に枢支され
た第１の筒体６ａと、この第１の筒体６ａから出没し、
かつ、複数個の吊り下げ部材２１を備えると共に、先端
部にストッパー用頭部２０が形成された伸縮棒６ｂ、６
ｃとから構成され、また前記取付け部材１の中央壁部５
の外壁面には、先ず前記第１の筒体６ａの先端部と係合
する収納時伸縮棒部材移動防止用受け部７が設けられ、
次に伸縮棒部材６が略９０度水平回転した時に該伸縮棒
部材６と係合する前倒れ防止用支持部８が設けられてい
ることを特徴とする。

【０００７】上記各構成に於いて、取付け部材１Ａは２
つに分割され、分割された固定片３１、３０は、各水平
壁部３１ａ、３０ａに形成された調整長孔３３、３２を
貫通する固着具３５を介し、水平部材２の幅に対応して
取り付け幅を調整することができることを特徴とする。

【０００８】

【作用】まず取付け部材をベランダの手摺あるいは柵の
横棒など水平部材に嵌合し、次に固着具で取付け部材を
水平部材に固定する。

【０００９】次に取付け部材の受け部で支持されかつ収
納状態にある伸縮棒部材を伸張させる。伸縮棒部材は伸
縮棒を手で引き出すと、第１の筒体から第２の筒体及び
伸縮棒がそれぞれ伸張する。伸縮棒部材が伸張したなら
ば径の異なる各摺動リングを第２の筒体及び伸縮棒の所
望する部位にそれぞれスライドさせる。

【００１０】しかる後に、伸縮棒部材を多少持ち上げ、
略９０度回転させた後、伸縮棒部材の第１の筒体を取付
け部材の支持部に載せる。

【００１１】

【実施例】以下、図に示す実施例により本考案を詳細に
説明する。

【００１２】まず図１乃至図６に示す第１実施例に於い
て、１はベランダの手摺あるいは柵の横棒など水平部材
２に固定的に取り付けられる取付け部材である。この取
付け部材１は軽ミゾ形鋼である。

【００１３】しかして、取付け部材１の対向する前後の
垂直壁部（図１を基準とする。）３の下端部の適宜箇所
には複数個の貫通孔４が形成されている。また取付け部
材１の前後の垂直壁部と連設する中央壁部５の外壁面に
は、収納時伸縮棒部材６の移動防止用の受け部７が設け
られている。受け部７は図３を基準にすると、中央壁部
５の外壁面の左右にそれぞれ設けられ、本実施例では上
面が弧状に形成されている。これらの受け部７は伸縮棒
部材６の移動防止用であるから、その中央部に係合凹所
を形成しても良い。

【００１４】さらに、取付け部材１の中央壁部の外壁面
には、使用時伸縮棒部材６が略９０度回転した時に伸縮
棒部材を支持する前倒れ防止用の支持部８が設けられて
いる。支持部８は図３を基準にすると、中央壁部５の外
壁面の前後にそれぞれ設けられ、本実施例では前記受け
部と同様に上面が弧状に形成されている。この場合これ
らの支持部８に伸縮棒部材６の移動防止用の機能を確実
に付与させるためには、伸縮棒部材６の後述する第１の
筒体と係合する係合凹所を支持部８の中央部に形成する
のが望ましい。

【００１５】前記伸縮棒部材６は、取付け部材１に軸受
回動板９を介して水平方向及び垂直方向に回動できるよ
うに軸着されている。

【００１６】しかして、９は軽ミゾ形鋼の軸受回動板
で、この軸受回動板９は取付け部材１の中央壁部５の中
央部に軸受回動板９の縦方向軸孔１０及び取付け部材の
軸孔１１をそれぞれ貫通する縦軸１２を介して水平方向
に回動可能に取り付けられている。なお、１３は前記縦
軸１２の貫通端部に螺合するナットで、このナット１３
は取付け部材１の中央壁部５の内壁面に形成された凹所
１４に遊嵌合している。

【００１７】１５は軸受回動板９の対向する垂直壁部１
６にそれぞれ形成された横方向軸孔１７及び伸縮棒部材
６の第１の筒体６ａの後端部に形成された軸孔１８をそ
れぞれ貫通する横軸である。伸縮棒部材６はこの横軸１
５を介して軸受回動板９に枢支され、垂直方向に所要量
回動する。なお、１９は横軸１５の貫通端部に形成され
た貫通孔１５ａに貫通状態に挿入される割りピンであ
る。

【００１８】伸縮棒部材６は、軸受回動板９に枢支され
る前記第１の筒体６ａと、この第１の筒体６ａに出没自
在にスライド嵌合する第２の筒体６ｂと、この第２の筒
体６ｂに出没自在にスライド嵌合し、かつ、先端部にス
トッパー用の頭部２０を有する伸縮棒６ｃとから成る。

【００１９】２１は伸縮棒部材６に設けられ、かつ、図
示しない物干し器が落下しないように吊下げることがで
きるリング状の吊下げ部材である。この吊下げ部材２１
は、本実施例では第２の筒体６ｂと伸縮棒６ｃにそれぞ
れスライド嵌着する複数個の径の異なる摺動リング２
２、２３と、これらの各摺動リング２２、２３にそれぞ
れ連結された複数個の小リング２４とから成る。

【００２０】２５は取付け部材１を水平部材２に固定す
るための固着具で、この固着具２５は取付け部材１の貫
通孔４を貫通するボルト２５ａと、このボルト２５ａと
螺合するナット２５ｂとから成る。

【００２１】上記構成に於いては、まず取付け部材１を
ベランダの手摺あるいは柵の横棒など水平部材２に嵌合
し、次にボルト２５ａを取付け部材１の貫通孔４に貫通
させ、次にナット２５ｂを該ボルトに螺合させかつ適宜
ナットを締め付け、取付け部材１を水平部材２に固定す
る。

【００２２】次に図２及び図３で示すように受け部７で
支持されかつ収納状態にある伸縮棒部材６を図１で示す
ように伸張させる。伸縮棒部材６は釣り竿の如く伸縮棒
６ｃを手で引き出すと、第１の筒体６ａから第２の筒体
６ｂ及び伸縮棒６ｃがそれぞれ伸張する。伸縮棒部材６
が伸張したならば径の異なる各摺動リング２２、２３を
第２の筒体６ｂ及び伸縮棒６ｃの所望する部位にそれぞ
れスライドさせる。

【００２３】しかる後に、伸縮棒部材６を多少持ち上
げ、略９０度回転させた後、伸縮棒部材の第１の筒体６
ａを取付け部材の支持部８に載せる。なお、この伸縮棒
部材６の伸張あるいは回転動作の適当な時に物干し器を
吊下げ部材２１の小リングに吊り下げるのが望ましい。

【００２４】

【異なる実施例】次に本考案の異なる実施例につき説明
する。なお、この実施例の説明にあたって、前記本考案
の実施例と同一の部分には同一又は同様の符号を付し、
重複する説明を省略する。

【００２５】まず図７乃至図９に示す第２実施例に於い
て、前記第１実施例と主に異なる点は、取付け部材１Ａ
である。すなわち、この取付け部材１Ａは二分割され、
上下の固定片３０、３１はそれぞれ軽山形鋼である。し
かして、水平部材２Ａに直接あてがわれる下方固定片３
０の水平壁部３０ａの左右両端部よりの部位には、水平
部材２Ａの幅方向に長孔３２が形成されいる。

【００２６】一方、下方固定片３１と重ねるように水平
部材２Ａにあてがわれる上方固定片３１の水平壁部３１
ａにも前記長孔３１に対応する調整長孔３３が形成され
ている。

【００２７】なお、伸縮棒部材６Ａ及び該伸縮棒部材移
動防止用の受け部７Ａ並びに支持部８Ａは、上方固定片
３１の水平壁部３１ａにそれぞれ設けられているが、前
記支持部材８Ａの中央部には係合凹所３４が形成されて
いる。また上下の固定片３０、３１は、ボルト、ナット
などの固着具３５により一体的に固定される。

【００２８】このように構成すると、取付け部材１Ａを
水平部材２Ａの幅に対応して確実に固定することができ
る。

【００２９】

【考案の効果】以上の説明から明らかなように、本考案
に於いては次に列挙するような効果がある。 （１）ベランダの手摺、柵の横棒などの水平部材に取付
けることができる。 （２）軽ミゾ形鋼の取付け部材がベランダの手摺、柵の
横棒などの水平部材に上方から嵌合し、かつ、固着具で
水平部材に固定されるので、吊下げ支持具は水平部材か
ら容易に取り外れない。 （３）伸縮棒部材を所望する長さまで伸張させることが
できるので、各種サイズの物干し器を吊り下げることが
できる。 （４）伸縮棒部材にリング状の吊下げ部材が設けられて
いる実施例では、吊下げ部材が伸縮棒から外れないの
で、物干し器が容易に落下しない。

【図面の簡単な説明】

【図１乃至図６】本考案の第１実施例を示す各説明図。

【図７及至図９】本考案の第２実施例を示す各説明図。

【符号の説明】

１、１Ａ…取付け部材、３０…下方固定片、３１…上方
固定片、２、２Ａ…水平部材、５…中央壁部、６…伸縮
棒部材、７、７Ａ…受け部、８、８Ａ…支持部、９…軸
受回動板、１２…縦軸、１５…横軸、２１…吊下げ部
材、２５…固着具、３２…長孔、３３…調整長孔、３５
…固着具。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) D06F 57/00 310 D06F 57/12

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 固着具２５を介して水平部材２に固定的
   に取り付けられる軽ミゾ形鋼の取付け部材１と、この取
   付け部材の中央壁部５に縦軸１２を介して水平動可能に
   軸着された軸受回動板９と、この軸受回動板に横軸１５
   を介して垂直方向に回転可能に軸着された伸縮棒部材６
   とから成り、前記伸縮棒部材６は軸受回動板９に枢支さ
   れた第１の筒体６ａと、この第１の筒体６ａから出没
   し、かつ、複数個の吊り下げ部材２１を備えると共に、
   先端部にストッパー用頭部２０が形成された伸縮棒６
   ｂ、６ｃとから構成され、また前記取付け部材１の中央
   壁部５の外壁面には、先ず前記第１の筒体６ａの先端部
   と係合する収納時伸縮棒部材移動防止用受け部７が設け
   られ、次に伸縮棒部材６が略９０度水平回転した時に該
   伸縮棒部材６と係合する前倒れ防止用支持部８が設けら
   れていることを特徴とする物干し器用吊下げ支持具。
2. 【請求項２】 請求項１に於いて、取付け部材１Ａは２
   つに分割され、分割された固定片３１、３０は、各水平
   壁部３１ａ、３０ａに形成された調整長孔３３、３２を
   貫通する固着具３５を介し、水平部材２の幅に対応して
   取り付け幅を調整することができることを特徴とする物
   干し器用吊下げ支持具。