JP2577399B2 - トラクションドライブ用流体の製造方法 - Google Patents

トラクションドライブ用流体の製造方法

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JP2577399B2 JP62230952A JP23095287A JP2577399B2 JP 2577399 B2 JP2577399 B2 JP 2577399B2 JP 62230952 A JP62230952 A JP 62230952A JP 23095287 A JP23095287 A JP 23095287A JP 2577399 B2 JP2577399 B2 JP 2577399B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、トラクションドライブ用流体の製造方法に
関し、詳しくは低粘度でしかも低温から高温までの広い
温度範囲にわたってすぐれたトラクション性能を示す、
ジシクロヘキシルアルカン化合物を含有するトラクショ
ンドライブ用流体の製造方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕
一般に、トラクションドライブ用流体はトラクション
ドライブ装置(ころがり接触による摩擦駆動装置)、例
えば自動車用無段変速機,産業用無段変速機,水圧機器
などに用いられる流体であり、高いトラクション係数や
熱および酸化に対する安定性,経済性等が要求されてい
る。
近年、トラクションドライブ装置の小型軽量化が、自
動車用途を中心に研究されてきており、それに伴なって
このトラクションドライブ装置に用いるトラクションド
ライブ用流体にも、様々な苛酷な条件下で使用に耐え得
る性能、特に低温から高温(−30〜140℃程度)までの
広い温度範囲にわたって安定的に高性能(トラクション
係数が高いこと、粘度が低いこと、熱及び酸化安定性に
すぐれることなど)を発揮しうることが要求されてい
る。
しかしならが、今までに特公昭46−338号公報,特公
昭46−339号公報を始めとして種々のトラクションドラ
イブ用流体が開発されているが、いずれも上述の要求特
性を満足しうるものはなく、様々な問題があった。例え
ば、高温で高いトラクション係数を示す化合物は、室温
付近では粘度が高くなり、さらに低温になると著しい粘
度の上昇を起こして流動性が悪くなり、また撹拌ロスが
大きくなるという問題があると同時に、低温始動性にも
問題がある。
一方、これらの問題を解消するものとして開発された
特開昭60−58495号公報に記載の化合物は、低粘度で伝
達効率のすぐれたものであるが、高温下でのトラクショ
ン係数が低く、また高温になると粘度が低下しすぎて、
トラクション伝達装置の潤滑上のトラブルの原因とな
る。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで本発明者らは、上記従来技術の問題点を解消
し、広い温度範囲にわたって優れた性能を有するトラク
ションドライブ用流体を開発すべく鋭意研究を重ねた。
その結果、芳香族化合物のアルキル化用触媒とニトロ化
合物の存在下に所謂フリーデル・クラフツ反応をおこさ
せるにあたり、芳香族化合物及びアルキル化剤として特
定のものを使用すると、低温から高温にわたる総合的な
性能に優れた、ジシクロヘキシルアルカン化合物を含有
するトラクションドライブ用流体が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明はベンゼン核を一つ有する芳香族化
合物とアルキル化剤であって(i)−C=C−C=C
−,(ii)−C=C−C−X(Xは塩素又は臭素原子)
又は(iii)Ph−Cn−X(Phはフェニル基,nは1,2又は3,
Xは塩素又は臭素原子)なる骨格を有する化合物とを、
該芳香族化合物のアルキル化用触媒及び一般式R−NO2
(式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基あるいは炭素数
6〜8のアリール基を示す。)で表わされるニトロ化合
物の存在下で反応させてジアリールアルカン化合物を生
成させ、この生成化合物を水素化する、ジシクロヘキシ
ルアルカン化合物を含むトラクションドライブ用流体の
製造方法を提供するものである。
上記ベンゼン核を一つ有する芳香族化合物としては、
例えば、ベンゼン,トルエン,キシレン,エチルベンゼ
ン,イソプロピルベンゼン,n−プロピルベンゼン,n−ブ
チルベンゼン,イソブチルベンゼン,s−ブチルベンゼ
ン,t−ブチルベンゼンなど各種のものを挙げることがで
きる。
またアルキル化剤としては(i)−C=C−C=C−
なる骨格を有するイソプレン;ブタジエン;2,3−ジメチ
ルブタジエン等、(ii)−C=C−C−X(Xは塩素又
は臭素原子)なる骨格を有するアリルクロライド;2−メ
チルアリルクロライド(メタリルクロライド);プレニ
ルクロライド;又はこれらのブロマイド等又は(iii)P
h−Cn−X(Phはフェニル基,nは1,2又は3,Xは塩素又は
臭素原子)なる骨格を有するネオフィルクロライド又は
ブロマイド等が使用される。
本発明では、上記特定の芳香族化合物と特定のアルキ
ル化剤とを、該芳香族化合物のアルキル化用触媒及び一
般式R−NO2で表わされるニトロ化合物の存在下で反応
させることが必要である。ここで、上記一般式中のRは
炭素数1〜3のアルキル基あるいは炭素数6〜8のアリ
ール基を示し、具体的なニトロ化合物としては、ニトロ
メタン,ニトロエタン,ニトロプロパン等の脂肪族ニト
ロ化合物(ニトロアルカン)やニトロベンゼン,ニトロ
トルエン,ニトロキシレン等の芳香族ニトロ化合物をあ
げることができる。
このニトロ化合物は、通常は芳香族化合物のアルキル
化にあたっての一般的な触媒とともに、言わば助触媒と
して使用される。このニトロ化合物の使用量は特に制限
はないが、通常は前記芳香族化合物とアルキル化剤との
合計量に対して0.1wt%以上であれば充分である。上記
ニトロ化合物の不存在下で、上述の芳香族化合物のアル
キル化剤との反応を行い、さらに水素化処理を行った場
合は、得られるジシクロヘキシルアルカン化合物含有生
成物は充分なトラクション性能を示すものとならない。
また、上記のニトロ化合物とともに使用される触媒と
しては、各種のものがあげられるが、塩化第二アルミニ
ウム,塩化第二鉄,塩化第二スズ,臭化アルミニウム,
臭化第二鉄,臭化スズ,四塩化チタン,塩化ガリウム,
臭化ガリウム等の所謂フリーデル・クラフツ触媒として
知られているものが好適に使用される。この触媒の使用
量は、前記芳香族化合物とアルキル化剤との合計量に対
して0.1〜100wt%、好ましくは1〜20wt%の範囲で適宜
選定すればよい。
さらに、上述の芳香族化合物とアルキル化剤との反応
は、無溶媒下でも進行するが、溶媒を用いることもでき
る。前記溶媒は、原料である芳香族化合物を溶媒として
使用してもよく、また、n−ペンタン,n−ヘキサン,ヘ
プタン,オクタン,ノナン,デカン等やシクロペンタ
ン,シクロヘキサン,メチルシクロヘキサン,デカリン
等の飽和炭化水素ならほとんどのものが使用できる。そ
のほか、前記したニトロ化合物、例えばニトロメタンや
ニトロベンゼン等もこの溶媒として使用でき、また四塩
化水素,塩化メチレン等のフリーデルクラフツ反応用溶
媒も同様に使用することができる。
本発明に係るこれらニトロ化合物と触媒の存在下で行
われる反応は、前記特定されたアルキル化剤が、ベンゼ
ン核を含まない場合は、主として原料である前記の芳香
族化合物2分子とアルキル化剤1分子とが反応して、ジ
アリールアルカンが生成するものであるが、前記特定さ
れたアルキル化剤が、ネオフィルクロライドのようにベ
ンゼン核を一つ含む場合は、原料である前記の芳香族化
合物1分子と、アルキル化剤1分子とが反応して、ジア
リールアルカンが生成するものである。
この反応の条件は、芳香族化合物の種類やアルキル化
剤あるいは触媒や溶媒等の種類などにより適宜選定すれ
ばよいが、通常は反応温度としては、−30〜150℃、好
ましくは0〜80℃の範囲で行われる。
次に、このようにして得られた生成化合物を水素化処
理する。この水素化処理は、一般に触媒の存在下で行わ
れ、ここで用いる触媒としては、ニッケル,ルテニウ
ム,パラジウム,白金,ロジウム,イリジウム等の金属
を一種類以上含む、いわゆる水添用触媒として知られて
いるものを挙げることができる。またこの触媒の添加量
は、上記生成化合物に対して0.1〜100wt%、好ましくは
1〜10wt%の範囲で適宜選定すればよい。
また、この水素化処理は、無溶媒下でも進行するが、
溶媒を用いることもできる。その場合、使用できる溶媒
の種類としては、n−ペンタン,n−ヘキサン,ヘプタ
ン,オクタン,ノナン,デカン等やシクロペンタン,シ
クロヘキサン,メチルシクロヘキサン,デカリン等の液
状の飽和炭化水素ならほとんどのものが使用できる。さ
らに、芳香族炭化水素,オレフィン類,アルコール類,
ケトン類,エーテル類等の内の液状のものならばいずれ
も使用可能であるが、そのうち特に好ましくは、上記の
飽和炭化水素である。
上記水素化処理の条件は、各種状況に応じて適宜定め
ればよいが、例えば反応温度については、通常は室温〜
300℃、好ましくは80〜200℃であり、反応圧力は、常圧
から200kg/cm2G、好ましくは5〜150kg/cm2Gの範囲で行
うことができ、一般的な水素化処理と同様の操作で行う
ことが可能である。
この水素化処理によって、ベンゼン核は飽和されてシ
クロヘキサン環となり、その結果、ジシクロヘキシルア
ルカン化合物が主成分の生成物であって、トラクション
特性が優れた流体が得られる。
本発明に係る製造方法によれば、ジシクロヘキシルア
ルカン化合物を主成分として含むトラクションドライブ
用流体が得られるが、必要により他のトラクションドラ
イブ用流体と混合して同用途に好適に使用することもで
きる。ここで、他のトラクションドライブ用流体は、特
に限定されるものではなく、例えばデカリン環とシクロ
ヘキサン環をそれぞれ1個以上有するアルカン誘導体、
デカリン環を2個以上有するアルカン誘導体、シクロヘ
キサン環またはデカリン環が2個以上直接結合している
構造を有する化合物などがある。
さらに、本発明に係る製造方法により得られた、ジシ
クロヘキシルアルカン化合物を含むトラクションドライ
ブ用流体は、必要に応じて酸化防止剤,防錆剤,清浄分
散剤,流動点降下剤,粘度指数向上剤,極圧剤,耐摩耗
添加剤,疲労防止剤,潤滑剤,消泡剤,油性向上剤,着
色剤などの各種添加剤を適量配合して用いることもでき
る。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
実施例1 2の四つ口フラスコに、トルエン552gと無水塩化ア
ルミニウム27.6g及びニトロメタン12.6gを入れて、10℃
で撹拌しながらメタリルクロライド181.2gを2時間を要
して滴下し、さらに1時間撹拌を続けて反応を完結させ
た。これに水75mlを加えて塩化アルミニウムを分解し、
さらに油層を分離した後、該油層を水200mlで1回、1
規定の水酸化ナトリウム水溶液300ml2回洗浄し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥させた。
次にロータリーエバポレーターにより、未反応の原料
を留去した後、減圧蒸留して沸点110〜115℃/0.12mmHg
の留分262.5gを得た。
分析の結果、この留分は、2−メチル−1,2−ジトリ
ルプロパンが75%、異性化生成物の2−メチル−1,1−
ジトリルプロパンが25%であることがわかった。
続いて、この留分250gを1のオートクレーブに入れ
てニッケル触媒(日輝化学社製:N−113)20gを添加し、
水素圧85kg/cm2G、温度170℃で6時間かけて水素化を行
った。得られた反応生成物から触媒を除去して分析した
ところ、水素化率は99.9%以上であり、2−メチル−1,
2−ジ(メチルシクロヘキシル)プロパンが75%、2−
メチル−1,1−ジ(メチルシクロヘキシル)プロパンが2
5%であることがわかった。
この生成物の性状は、 動粘度 14.84cSt(40℃) 2.844cSt(100℃) 粘度指数 −22 比 重(15/4℃) 0.8860 流動点 −35℃以下 屈折率(▲n20 D▼) 1.4813 であった。
なお、この生成物のトラクション係数を60℃から140
℃の温度範囲で測定した。その結果を第1図に示す。
実施例2 5の四つ口フラスコに、m−キシレン1278gと無水
塩化アルミニウム23.68g及びニトロメタン500mlを入れ
て、25℃で撹拌しながら、ネオフィルクロライド1012.6
gとニトロメタン300mlの混合液を6時間を要して滴下
し、さらに1時間撹拌を続けて反応を完結させた。これ
に水300mlを加えて塩化アルミニウムを分解し、さらに
油層を分離した後、該油層を水300mlで1回、1規定の
水酸化ナトリウム水溶液300mlで2回、さらに水300mlで
2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。
次に、ロータリーエバポレーターで軽質分を除去した
後、減圧蒸留して沸点149〜160℃/0.2mmHgの留分310.2g
を得た。
分析の結果、この留分は、2−メチル−1−フェニル
−1−キシリルプロパンが75%、2−メチル−1−フェ
ニル−2−キシリルプロパンが25%であることがわかっ
た。
続いて、この留分302gを1のオートクレーブに入れ
て、5%ルテニウム/活性炭触媒(日本エンゲルハルド
社製)30gを添加し、水素圧60kg/cm2G、温度160℃で6
時間かけて水素化を行った。
反応生成物から触媒を除去して分析したところ、水素
化率は99.9%以上であり、2−メチル−1−シクヘキシ
ル−1−(ジメチルシクロヘキシル)プロパンが75%、
2−メチル−1−シクロヘキシル−2−(ジメチルシク
ロヘキシル)プロパンが25%であることがわかった。
この生成物の性状は、 動粘度 15.52cSt(40℃) 2.680cSt(100℃) 粘度指数 −99 比 重(15/4℃) 0.8820 流動点 −32.5℃ 屈折率(▲n20 D▼) 1.4798 であった。
なお、実施例1と同様に、この生成物のトラクション
係数を60℃から140℃の温度範囲で測定した。その結果
を第2図に示す。
比較例1 2lの四つ口フラスコに、トルエン570gと無水塩化アル
ミニウム20gを入れて、45℃で撹拌しながらメタリルク
ロライド200gとトルエン100gとの混合物を3時間にわた
り徐々に滴下し、さらに1時間撹拌を続けて反応を行っ
た。これに水200mlを加えて塩化アルミニウムを分解
し、さらに油層を分離した後、該油層を水200mlで1
回、1規定の水酸化ナトリウム水溶液300mlで2回、水3
00mlで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ
た。
次にロータリーエバポレーターで、未反応の原料を除
去した後、減圧蒸留して沸点108〜116℃/0.12mmHgの留
分271.5gを得た。
分析の結果、この留分は、2−メチル−1,2−ジトリ
ルプロパンが55%、異性化生成物の2−メチル−1,1−
ジトリルプロパンが45%であることがわかった。
続いて、この留分250gを前記実施例1と同じ条件で水
素化を行った。反応生成物を分析したところ、水素化率
は99.9%以上であり、2−メチル−1,2−ジ(メチルシ
クロヘキシル)プロパンが55%、2−メチル−1,1−ジ
(メチルシクロヘキシル)プロパンが45%であることが
わかった。
その生成物の性状は、 動粘度 13.49cSt(40℃) 2.705cSt(100℃) 粘度指数 −17 比 重(15/4℃) 0.8850 流動点 −35℃以下 屈折率(▲n20 D▼) 1.4805 であった。
なお、実施例1と同様に、この生成物のトラクション
係数を60℃から140℃の温度範囲で測定し、その結果を
第1図に示す。
比較例2 3の四つ口フラスコに、m−キシレン800gと無水塩
化アルミニウム20gを入れて、45℃で撹拌しながらネオ
フィルクロライド502gとm−キシレン100gの混合液を4
時間を要して滴下し、さらに1時間撹拌を続けて反応を
完結させた。これに水300mlを加えて塩化アルミニウム
を分解し、さらに油層を分離した後、該油層を水300ml
で1回、1規定の水酸化ナトリウム水溶液300mlで2
回、水300mlで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥させた。
次に、ロータリーエバポレーターで軽質分を除去した
後、減圧蒸留して沸点142〜158℃/0.2mmHgの留分245gを
得た。
分析の結果、この留分は、2−メチル−1−フェニル
−1−キシリルプロパンが95%、2−メチル−1−フェ
ニル−2−キシリルプロパンが5%であることがわかっ
た。
続いて、この留分200gを前記実施例2と同じ条件で水
素化を行い、反応生成物を分析したところ、水素化率は
99.9%以上であり、2−メチル−1−シクロヘキシル−
1−(ジメチルシクロヘキシル)プロパンが95%、2−
メチル−1−シクロヘキシル−2−(ジメチルシクロヘ
キシル)プロパンが5%であった。
この生成物の性状は、 動粘度 14.64cSt(40℃) 2.540cSt(100℃) 粘度指数 −117 比 重(15/4℃) 0.8810 流動点 −35℃ 屈折率(▲n20 D▼) 1.4778 であった。
なお、実施例1と同様に、この生成物のトラクション
係数を60℃から140℃の温度範囲で測定した。その結果
を第2図に示す。
比較例3 2の四つ口フラスコに、トルエン552g及び無水塩化
アルミニウム27.6gをいれて、10℃で撹拌しながらメタ
リルクロライド181.2gを2時間を要して滴下し、さらに
1時間撹拌を続けて反応を完結させた。これに水75mlを
加えて塩化アルミニウムを分解し、さらに油層を分離し
た後、該油層を水200mlで1回、1規定の水酸化ナトリ
ウム水溶液300mlで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウム
で乾燥させた。
次にロータリーエバポレーターにより、未反応の原料
を留去した後、減圧蒸留して沸点110〜115℃/0.12mmHg
の留分247.3gを得た。
分析の結果、この留分は、2−メチル−1,2−0ジト
リルプロパンが57%、異性化生成物の2−メチル−1,1
−ジトリルプロパンが43%であることがわかった。
続いて、この留分250gを前記実施例1と同じ条件で水
素化を行った。反応生成物を分析したところ、水素化率
は99.9%以上であり、2−メチル−1,2−ジ(メチルシ
クロヘキシル)プロパンが57%、2−メチル−1,1−ジ
(メチルシクロヘキシル)プロパンが43%であることが
わかった。
この生成物の物性は、 動粘度 13.65cSt(40℃) 2.716cSt(100℃) 粘度指数 −19 比重(15/4℃) 0.8850 流動点 −35℃以下 屈折率(▲n20 D▼) 1.4807 であった。
実施例1と同様に、この生成物のトラクション係数を
60℃から140℃の温度範囲で測定し、その結果を第3図
に示す。
第1図〜第3図から明らかなように、本発明に係る製
造方法により得られた、ジシクロヘキシルアルカン化合
物を含むトラクションドライブ用流体は、高いトラクシ
ョン係数を有している。このように特定の原料、アルキ
ル化触媒および特定のニトロ化合物を使用することによ
り、高いトラクション係数を有する、ジシクロヘキシル
アルカン化合物を含むトラクションドライブ用流体が得
られる理由については、定かではないが、実施例、比較
例の結果を参酌すれば、得られるジシクロヘキシルアル
カン化合物の異性体間の比率が関与しているのではない
かと推測される。
なお、実施例及び比較例におけるトラクション係数の
測定は、二円筒型摩擦試験機にて行った。即ち、接して
いる同じサイズの円筒(直径52mm,厚さ6mmで被駆動側は
曲率半径10mmのタイコ型,駆動側はクラウニング無しの
フラット型)の一方を一定速度(1500rpm)で、他方を1
500rpmから1750rpmまで連続的に回転させ、両円筒の接
触部分にバネにより7kgの荷重を与え、両円筒間に発生
する接線力、即ちトラクション力を測定し、トラクショ
ン係数を求めた。この円筒は、軸受鋼SUJ−2鏡面仕上
げでできており、最大ヘルツ接触圧は、112kgf/mm2であ
った。また、トラクション係数と温度との関係の測定に
あたっては、油タンクをヒーターで加熱することによ
り、油温を60℃から140℃まで変化させ、すべり率5%
におけるトラクション係数と温度との関係をプロットし
たものである。
〔発明の効果〕
以上の如く、本発明に係る製造方法によれば、特定の
芳香族化合物及び特定のアルキル化剤の反応の際に、ア
ルキル化触媒の他、併用されることのあるニトロ化合物
を使用するとジシクロヘキシルアルカン化合物が得られ
ることは勿論であるが、そのジシクロヘキシルアルカン
化合物を含有する生成化合物が前記ニトロ化合物を併用
しない場合に比較して優れたトラクションドライブ用流
体としての性能を示し、具体的には、常温から高温まで
の広い温度範囲にわたってトラクション係数がより高
く、また粘度が低いため、撹拌ロスが低減して伝達効率
が向上する。その結果、トラクションドライブ装置の小
型軽量化及び寿命延長を図ることができ、自動車用ある
いは産業用の無段変速機、さらには水圧機器等様々な機
械製品に幅広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1および比較例1で得られた、ジシク
ロヘキシルアルカン化合物を含むトラクションドライブ
用流体のトラクション係数の温度変化を示すグラフであ
る。第2図は、実施例2および比較例2で得られた、ジ
シクロヘキシルアルカン化合物を含むトラクションドラ
イブ用流体のトラクション係数の温度変化を示すグラフ
である。第3図は、実施例1および比較例3で得られ
た、ジシクロヘキシルアルカン化合物を含むトラクショ
ンドライブ用流体のトラクション係数の温度変化を示す
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 105:52 105:56) C10N 30:02 30:08 30:10 40:04 60:02 (56)参考文献 特開 昭60−58495(JP,A) 特開 昭62−70326(JP,A) 特開 昭61−218533(JP,A) 特開 昭47−10472(JP,A) 特公 昭40−28460(JP,B1)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベンゼン核を一つ有する芳香族化合物とア
    ルキル化剤であって(i)−C=C−C=C−,(ii)
    −C=C−C−X(Xは塩素又は臭素原子)又は(ii
    i)Ph−Cn−X(Phはフェニル基,nは1,2又は3,Xは塩素
    又は臭素原子)なる骨格を有する化合物とを、該芳香族
    化合物のアルキル化用触媒及び一般式R−NO2(式中、
    Rは炭素数1〜3のアルキル基あるいは炭素数6〜8の
    アリール基を示す。)で表わされるニトロ化合物の存在
    下で反応させてジアリールアルカン化合物を生成させ、
    この生成化合物を水素化することを特徴とするジシクロ
    ヘキシルアルカン化合物を含むトラクションドライブ用
    流体の製造方法。
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