JP2576251B2 - 中空衝撃緩衝材およびそれからなる打具 - Google Patents

中空衝撃緩衝材およびそれからなる打具

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JP2576251B2 JP2026431A JP2643190A JP2576251B2 JP 2576251 B2 JP2576251 B2 JP 2576251B2 JP 2026431 A JP2026431 A JP 2026431A JP 2643190 A JP2643190 A JP 2643190A JP 2576251 B2 JP2576251 B2 JP 2576251B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、物と物との衝突や打撃操作などで発生する
衝撃振動を著しく抑えることのできる衝撃緩衝材に関す
る。
(従来の技術) 従来、金属製管、繊維強化プラスチック製管などが各
種製造されているが、これらは専ら強度特性ならびに軽
量化などを改善する点に着目して検討されてきたものば
かりであり、衝撃振動の問題について検討されたものは
ない。
一般に、物と物とが衝突すると衝撃振動が発生する
が、このような特殊な振動を制御する技術について、具
体的に解決したものは現在のところ存在しない。
(発明が解決しようとする課題) 衝撃振動の発生によって最も問題のある分野は打撃操
作をすることによって所望の仕事やプレーをする打具
(用具、道具、器具)が代表的なものであるが、かかる
打具を用いて打撃操作をすると、該打具の握り部分に強
い衝撃振動を受けるものである。
このような衝撃振動を長時間受け続けると手首、腕お
よび肘などにシビレ感が残るようになり、かかるシビレ
感からくる不快感や疲労が蓄積すると、やがて人体へ障
害をもたらすようになる。
本発明は、上述した衝突や打撃によって発生する問題
について鋭意検討したものである。
すなわち、本発明の目的は、物と物との衝突や打撃操
作などで発生する衝撃振動を著しく抑制することのでき
る中空材料を提供せんとするものである。
また、本発明によれば、たとえば、打撃時の衝撃振動
による手首、腕および肘などに残るシビレ感を伴なう不
快感や疲労の蓄積を解決し、肘痛などの障害の心配をす
ることなく、快適に打撃操作を長時間連続して行なうこ
とができる。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上述の目的を達成するために次のような手
段を採用する。
すなわち、本発明の中空衝撃緩衝材は、繊維強化樹脂
層と、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂および無機充填材
からなる、常温における振動損失係数が0.01以上である
振動抑止材層を少なくとも1層含む積層体からなり、か
つ該積層体の最外層は該繊維強化樹脂層で構成されてい
ることを特徴とするものである。
また、本発明の打具は、打具を構成する骨材の少なく
とも一部が、繊維強化樹脂層と、エポキシ樹脂、ポリア
ミド樹脂および無機充填材からなる、常温における振動
損失係数が0.01以上である振動抑止材層を少なくとも1
層含む積層体とからなる中空衝撃緩衝材で構成されてい
ることを特徴とするものである。
(作用) 本発明は、物と物との衝突や打撃操作などで発生する
衝撃振動の問題を解決するものであるが、かかる衝撃振
動により問題が発生している分野は打撃操作を伴う仕事
やプレーである。
すなわち、打具(用具、道具、器具)を用いるものが
代表的なものであり、以下、本発明はこの打具に代表さ
せて説明をする。
かかる打具としては、たとえば工具や武道用具、護身
用具、一般スポーツ用具などがあげられる。
工具としては、たとえばハンマー類、木槌、斧など、
また、武道用具としては、たとえばヌンチャク、木刀、
棒術棒などがあげられ、また、護身用具としては、たと
えば、警棒などがあげられ、また、一般スポーツ用具と
しては、たとえば、テニス、テニポン、バドミントンお
よびスカッシュなどのラケット、ホッケー、アイスホッ
ケー、クリケット、ゲートボールなどのスティック、ゴ
ルフクラブ、野球バットなどの打球具などがあげられ
る。これらの打具の中でも、現在テニスやゴルフが最も
ブームを呼んでおり、それだけ肘痛を訴える者が多い。
本発明の中空衝撃緩衝材は、かかるスポーツ用のラケッ
トやクラブの骨材として好ましく使用されるものであ
る。
本発明は、振動抑止材とこれを包含する繊維強化樹脂
とからなる複合中空材料を、該打具を構成する骨材とし
て用いたときに、意外にも打撃時の衝撃振動を著しく小
さく抑えることができるという事実を究明して完成され
たものである。
上述の繊維強化樹脂としては、打具の骨材として十分
な高い強度と剛性を有する素材、たとえば熱可塑性樹脂
や熱硬化性樹脂が使用できるが、好ましくは熱硬化性樹
脂が剛性が高くてよい。
熱可塑性樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ABS系樹脂、ポ
リ塩化ビニル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリアク
リレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系
樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂などお
よびこれらの混合樹脂が使用できる。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂、不飽和ポリ
エステル系樹脂、フェノール系樹脂、ユリア系樹脂、メ
ラミン系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ウレタン系
樹脂、ポリイミド系樹脂などおよびこれらの混合樹脂が
使用できる。
これらの繊維強化樹脂は、金属繊維、炭素繊維、ガラ
ス繊維などの無機繊維やアラミド繊維、その他の高強力
合成繊維などの補強繊維で補強されているのが好まし
い。これらの補強繊維は単独またはこれらの混合系で補
強用に使用されていてもよく、また長繊維、短繊維また
はこれらの混合のいずれの形で使用されていてもよい。
本発明でいう振動抑止材は、エポキシ樹脂、ポリアミ
ド樹脂および無機充填材からなる特定な樹脂組成物から
なり、かつ、常温における振動損失係数が0.01以上のも
ので構成されており、衝撃振動を減衰する作用の主体を
なすものである。
かかる樹脂組成物は、所望の形状、たとえば突起状
物、板状およびフィルム状などの各形状に加工できる利
点がある上に、衝撃振動抑止性に優れている。特に常温
から100℃で流動性を有するエポキシ樹脂、常温から100
℃で流動性を有するポリアミド樹脂および黒鉛、フェラ
イトおよびマイカから選ばれた少なくとも1種の無機充
填材を主成分とする樹脂組成物からなる樹脂硬化物が好
ましく使用される。
すなわち、常温から100℃で流動性を有するエポキシ
樹脂としては、好ましくは少なくとも2個以上のグリシ
ジルエーテル基を有する樹脂であって、さらに好ましく
は25℃の粘度が1〜300ポイズ、エポキシ当量が100〜50
0、分子量が200〜1000のものがよい。具体的には、たと
えばエピコート828、827、834、807(以上、油化シェル
化学(株)製)などを使用することができる。
また、常温から100℃で流動性を有するポリアミド樹
脂としては、好ましくは25℃での粘度が3〜2000ポイ
ズ、アミン価が100〜800のものが、エポキシ樹脂の硬化
剤として、また硬化後の樹脂の可撓性付与剤として有効
に作用するのでよい。具体的には、たとえばトーマイド
#225−X、#215−X、#225(以上、富士化成(株)
製)、バーサミド930、115(以上、ジェネラル・ミルズ
社製)、エポン−V15(シェル社製)などを使用するこ
とができる。
かかるポリアミド樹脂は、エポキシ樹脂の硬化剤とし
て作用するものであるが、硬化時間の短縮ならびに成型
品の硬化を充分に進行させるために、一般に使用される
エポキシ樹脂の硬化剤を併用することができる。かかる
硬化剤としては、トリエチルテトラミン、プロパノール
アミン、アミノエチルエタノールアミンなどの脂肪族ア
ミン、P−フェニレンジアミン、トリス(ジメチルアミ
ノ)メチルフェノール、ベンジルメチルアミンなどの芳
香族アミン、さらには無水フタール酸、無水マレイン酸
などのカルボン酸などを使用することができる。かかる
硬化剤の添加量はエポキシ当量、アミン当量、酸当量を
勘案して、硬化に十分な量添加すればよい。
また、これらの樹脂に充填される無機充填材は、好ま
しくは黒鉛、フェライトおよびマイカから選ばれた少な
くとも1種のものがよい。かかる無機充填材のなかでも
黒鉛が衝撃振動抑制性に優れているので好ましく使用さ
れ、さらに、そのなかでもアスペクト比が3〜70のもの
が好ましい。アスペクト比とは、黒鉛粒子の直径を厚み
で除した値であり、上記範囲のものが樹脂に対する濡れ
性および混合特性に優れていてよい。
上記成分は、好ましくは次の割合で配合される。
すなわち、エポキシ樹脂100部に対するポリアミド樹
脂の配合量は、100〜800部、さらに好ましくは200〜500
部であり、無機充填材は、これらの樹脂総量(後述のモ
ノグリシジルエーテルを配合する場合はこれも含む)10
0部に対して30〜120部、さらに好ましくは40〜100部で
ある。
なお、上述の樹脂組成物に、さらにモノグリシジルエ
ーテル化合物を配合すると極めて柔軟で加工性に富んだ
制振性樹脂材料を提供することができ、さらに衝撃振動
減衰効果も優れたものを提供することができるので好ま
しい。特に好ましくはエポキシ当量が80〜400、分子量
が80〜400のモノグリシジルエーテル化合物がよい。具
体的には、オクタデシルグリシジルエーテル、フェニル
グリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテ
ルなどが好ましく使用できる。
この化合物の配合量は、エポキシ樹脂100部に対し
て、好ましくは5〜45部、より好ましくは10〜25部が適
当である。
本発明でいう振動抑止材として、さらに好ましい材料
は、常温20℃において50Hzから5kHzの周波数範囲におけ
る振動損失係数が0.02以上、特に好ましくは0.04以上で
あるものである。
上述の振動損失係数は、次のようにして測定される。
すなわち、10mm厚の試料樹脂を、5mm厚の鋼板に2液
型エポキシ接着剤により貼り付けた後、24時間放置した
後、米国軍規格のMIL−P−22581Bに準じ、室温(20
℃)条件下で振動減衰波形を測定し、次式により振動損
式係数(η)を求める。
a.減衰率(DECAY RATE) D0(dB/sec)=(F/N)20log(A1/A2) b.有効減衰率(EFFECTIVE DECAY RATE) De(dB/sec)=D0−DB c.限界減衰率(PERCENT CRITICAL DAMPING) C/Cc(%)=(183×De)/F ここで、 N:計算上取った周期の数 F:試料接着板の固有振動数 A1:N中の最大振幅 A2:N中の最小振幅 D0:試料接着板の減衰率 DB:オリジナル鋼板の減衰率 d.振動損失係数(η) η=(C/Cc)/50 本発明の振動抑止材として、上述の樹脂組成物に加え
て、JIS K6767に規定される25%圧縮時の圧縮硬さが5.0
kg/cm2以下、好ましくは3.0kg/cm2以下の材料を緩衝材
として使用することができる。すなわち、かかる緩衝材
を該振動抑止材に混合または複合して、島成分または層
を構成したり、中空部分に充填ししたりして中空衝撃緩
衝材を構成することができる。
ここで、圧縮硬さは、20℃の温調室において、圧縮硬
さ試験機((株)大栄科学精器製作所製)を使用して測
定する。
試験片は長さ50mm、幅50mm、厚さ約25mmの直方体のも
のを使用する。
該試験片の中央部の厚さを測定し、次に該試験片を試
験機の所定位置に設置し、圧縮スピード10mm/min.では
じめの厚さの25%圧縮して停止して、その状態で20秒間
放置後の荷重を測り、次式により応力を算出し、該応力
値を圧縮硬さ(H)として求める。なお、試験片の寸法
(長さ、幅)は、場合によっては、さらに小さなもので
該圧縮硬さ(応力値)を求めてもよい。
ここで P:25%圧縮状態での20秒後の荷重(kg) w:試験片の幅(cm) l: 〃 長さ(cm) かかる緩衝材としては、次に列挙するようなものを使
用することができるが、これらに限定されるものではな
い。
無水系エラストマー: ゴム状硫黄、フッ化ケイ素ポリマー、リン系、ケイ素系
(シロキサン系ポリマー、)ホスファゼン系エラストマ
ー(リン、窒素が骨格)など。
高分子ゲル系のもの: ポリビニルアルコールハイドロゲル、アクリル酸ナトリ
ウム/アクリルアミド共重合体ゲルなど。
有機系エラストマー: ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポ
リスチレン系、エチレン酢酸ビニル共重合体系、エチレ
ンエチルアクリレート系、ポリオレフィン系、ポリエス
テル系、エポキシ系の樹脂など。
ゴムエラストマー: 天然ゴム、スチレンブタジェンゴム、ニトリルゴム、イ
ソプレンゴム、ヒドリンゴム、クロロプレンゴムなど。
発泡プラスチックス: ポリウレタン系、ポリスチレン系、ポリエチレン系、弗
素系、EVA系、フェノール系、PVC系、ポリユリア系の樹
脂など。
次に、本発明の中空衝撃緩衝材は、たとえば、振動抑
止材からなるシートに繊維強化樹脂層を積層することに
よって形成される。該繊維強化樹脂は、一般に補強繊維
に樹脂を含浸またはコーティングしてプリプレグにされ
たものを使用する。かかるポリプレグは、該補強繊維の
配向(配列)方向に、より強い補強作用を発揮するの
で、積層する際に、それぞれのプリプレグの繊維配列角
度に変化を持たせることによって、補強効果のバランス
を好ましく達成させることができる。
かかるプリプレグは中空衝撃緩衝材の骨材の主体をな
すものであり、たとえば、該プリプレグを何プライか芯
棒(中空または中実の金属棒、樹脂棒)に巻き付けた
後、該振動抑止材シートを巻き付け、次いで、また、何
プライかプリプレグを巻き付ける。なお、振動抑止材層
は最終製品厚さの最外層以外の適宜の位置に何層でも配
置させることができる。かかる成型方法の一例を次にあ
げる。
一つの成型方法としては、上述のようにして得られた
芯棒入り棒状物を直に加熱して成型する。
また、他の成型方法としては、上述芯棒をそのまま該
中空衝撃緩衝材の芯として使用する場合がある。この場
合の芯材は実用しようとする材料からなる芯材で上述の
巻き付け体をつくり、これを型枠に嵌め込んで加熱成型
する。たとえば、ナイロンなどの合成樹脂チューブを芯
材として上述のようにプリプレグ、振動抑止材、プリプ
レグの順に巻き付けた後、成型金型に仕込み、加熱と同
時に芯材のチューブ内に圧縮空気を圧入して、該チュー
ブを金型に沿わせた形で成型するものである。
かかる芯材に代えて、加熱により発泡する合成樹脂を
芯材として使用することもできる。この場合は、該樹脂
をプリプレグと振動抑止材とからなる巻き付け体に装填
した後、そのまま、または型枠に仕込み加熱発泡させて
成型する。
本発明の中空衝撃緩衝材は、繊維強化樹脂材からなる
環状構造のものに限定される。すなわち、かかる中空材
料は、中実材料に比して衝撃振動が増幅される傾向を有
するが、特定な振動抑止材を複合することによって、該
衝撃振動を効果的に相殺し得たものである。
第1〜4図にその代表的な構造例を示すが、本発明の
中空衝撃緩衝材はこれらの構造に限定されるものではな
い。
第1図に示された中空衝撃緩衝材1は、繊維強化樹脂
層2で構成される骨材の中層の全周に振動抑止材層3を
配した例である。第2図は、第1図の構造の変形で、振
動抑止材層3を半周に配した例である。第3図は、第1
図の構造において、部分的に間歇部分を設けた構造例で
ある。第4図は、振動抑止材層3を多層に配した構造例
である。
さらに、本発明の中空衝撃緩衝材は、上述の第1〜4
図の構造例を各種組合わせた構造でもよいし、骨材の軸
方向の一部分に該振動抑止材層を配した構造でもよい。
かかる中空衝撃緩衝材の形状は、如何なる形状でもさ
しつかえなく、要するに環状であればよく、たとえば
円、三角および矩形など各種の形状が使用できる。
かくして得られる本発明の中空衝撃緩衝材またはそれ
を用いてなる打具の見掛けの振動損失係数は、好ましく
は0.02以上、さらに好ましくは0.03以上、特に好ましく
は0.04以上であるという優れた衝撃振動減衰効果を発揮
するものである。
かかる見掛けの振動損失係数の測定方法は次の通りで
ある。
すなわち、試料の一端または、打具の柄またはグリッ
プの中央にマイクロ加速度ピックアップを装着して吊下
げ、該試料または該打具の他端部(ヘッドまたは天頂
部)をハンマーで軽打し、その時の最も衝撃強度の大き
い共振周波数を検知する。次いで該検知共振周波数付近
の周波数フィルターをセットし、新たに試料をハンマー
で軽打し、その振動の減衰波形をFFTアナライザー(小
野測器(株)製)で測定し、その波形をマイクロコンピ
ューター(日本電気(株)製)により前記MIL−P−225
81Bの算式に準じて振動損失係数(η)を測定する。
(実施例) 以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明す
る。
実施例1、比較例1 テニスラケット構造材として、Eガラスからなるガラ
ス繊維と炭素繊維が重量比率で80/20の割合に用い、こ
れにエポキシ樹脂を用いて、繊維重量比率が65%で、目
付350g/m2の一方向プリプレグシートを±45゜の方向に
2枚重ねて90゜直交型のプリプレグシートを形成した。
一方、振動抑止材として、つぎの樹脂組成物を展延し
て硬化させ、厚さ0.2mmの樹脂シートを得た。
エポキシ樹脂(エピコート#828、油化シェル(株)
製) 16.3部 オクタデシルグリシジルエーテル 3.2部 ポリアミド樹脂(トーマイド#225−X、富士化成
(株)製) 38.3部 トリス(ジメチルアミド)メチルフェノール 2.2部 黒鉛 40.0部 この樹脂シートの20℃における振動損失係数は、50Hz
から5KHzの周波数の範囲で0.04であった。
この樹脂シートを25×800mmの長方形に栽断した。該
シートの重量は5.6gであった。
ひき続き、上記プリプレグシートを約350×1600mmの
長方形に裁断し、ナイロンフィルム製チューブの芯に巻
き付けた。このとき該樹脂シートが外側から2層目で、
かつ、チューブの中央になるように配して管状積層体を
つくった。
つぎに、この管状積層体をテニスラケット金型に仕込
み、130℃の硬化炉に入れた。樹脂が軟化した時点でナ
イロンチューブ内に圧搾空気を圧入し、2時間硬化させ
た後、成型品を金型より取り出した。
この成型品は、フクレ、ボイドなどもなく良好な外観
であった。さらに、成型品のバリ取り、表面研磨などの
工程を経た後、グリップやガットを取り付けてテニスラ
ケットとした。
このラケットの重量は355gであった。このラケットの
見掛けの振動損失係数を測定した結果、20℃で共振周波
数137.5Hzにおいて、0.22であった。
このラケットを使用した場合の打球感は、市販のラケ
ットならびに後述の比較例のものに比して手首や肘に伝
わる衝撃振動が極めて小さく、快適に打球できた。
比較例のために、実施例1と同様にして、振動抑止材
シートを積層しないで、従来のテニスラケットを得た
(比較例1)。
このラケットの重量は349gであった。このラケットの
見掛けの振動損失係数を測定した結果、20℃で共振周波
数142.5Hzにおいて、0.007であった。このラケットを使
用した場合の打球感は、手首や肘に伝わる振動が大き
く、不快なものであった。
実施例2〜5、比較例2 振動抑止材として、下記樹脂組成物からなる、厚さ15
0μの樹脂シートを使用した。
エポキシ樹脂(エピコート#828、油化シェル(株)
製) 13.6部 オクタデシルグリシジルエーテル 2.7部 ポリアミド樹脂(トーマイド#225−X、富士化成
(株)製) 31.9部 トリス(ジメチルアミド)メチルフェノール 1.8部 黒鉛 50.0部 なお、上述樹脂組成物を25×50×20(mm)サイズに成
型硬化させて、20℃における振動損失係数をした結果、
50Hzから5KHzの周波数の範囲で0.05であった。
一つのプリプレグとして、総繊度3300Dの炭素繊維束
を目付139g/m2配列させ、これにエポキシ樹脂207g/m2
ーティングして得られたプリプレグを、該炭素繊維の配
列方向がバイアスになるように切断したものを用意した
(プリプレグA)。
別のプリプレグとして、総繊度3600Dの炭素繊維束を
目付150g/m2配列させ、これにエポキシ樹脂244g/m2コー
ティングして得られたプリプレグを、該炭素繊維の配列
方向がストレートでかつ短寸に切断したものを用意した
(プリプレグB)。
まず、上記プリプレグAを、フッ素系離型剤を塗布し
た鋼鉄製金属棒からなる芯棒に6プライ巻き付け、次い
で該樹脂シートを1プライ巻き付け、その上にプリプレ
グBを4プライ巻き付けて積層体をつくった(実施例
2)。
次に、1プライ目に該樹脂シートを上述と同じような
芯棒に巻き付け、次いで該プリプレグAを6プライ巻き
付け、その上に該プリプレグBを4プライ巻き付けて積
層体をつくった(実施例3)。
また、次に、該プリプレグAを6プライ該芯棒に巻き
付け、次いで該プリプレグBを4プライ巻き付け、最後
に該樹脂シートを1プライ巻き付けて積層体をつくった
(実施例4)。
最後に、該プリプレグAを6プライ該芯棒に巻き付
け、次いで該プリプレグBを2プライ巻き付け、その上
に該樹脂シートを1プライ巻き付けて、最後に該プリプ
レグBを2プライ巻き付けて積層体をつくった(実施例
5)。
なお、別に比較のために、プリプレグAを6プライ、
プリプレグBを4プライ積層した積層体をつくった(比
較例2)。
上述の5種の積層体を、高温型恒温槽に入れ、135℃
×2時間加熱してエポキシ樹脂を硬化させて成型し、該
成型品から該金属棒を引き抜いて、それぞれ5本のゴル
フシャフト用材料を得た。
これらのゴルフシャフト用材料を見掛けの振動損失係
数を測定した結果を表1に示した。
なお、この場合の見掛けの振動損失係は、20℃で共振
周波数250Hzにおける数値である。
実施例2〜5、特に実施例5の材料は優れた衝撃振動
減衰効果を示した。これらの材料からゴルフクラブをつ
くり、それぞれ使用した場合の打球感は、いずれの実施
例のものも、比較例2のものに比して手首や肘に伝わる
衝撃振動が格段に小さく、快適であった。特に実施例5
の材料からなるクラブは極めて優れていた。
(発明の効果) 本発明は、衝突や打撃操作などで発生する衝撃振動を
著しく制御し、手や体さらには衝撃を受けた部分以外の
箇所などに、該衝撃振動が伝わるのを極めて良好に減衰
させる機能を有する中空衝撃緩衝材を提供することがで
きる。
本発明の打具は、不快な振動やシビレがなく、衝撃振
動による腕や肘の疲労を良好に軽減し、かかる疲労を手
首、腕および肘などに蓄積することがなく、快適に仕事
やプレーをすることができる。さらに、精密機器などの
衝撃振動を嫌う用途に極めて有用な材料として期待され
るものである。
【図面の簡単な説明】
第1〜4図は、本発明の中空衝撃緩衝材の構造一例を示
す断面図である。 1:中空衝撃緩衝材 2:繊維強化樹脂 3:振動抑止材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−121074(JP,A) 特開 昭64−151(JP,A) 実開 平1−152398(JP,U) 特公 昭58−23427(JP,B2) 特公 昭62−1988(JP,B2)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維強化樹脂層と、エポキシ樹脂、ポリア
    ミド樹脂および無機充填材からなる、常温における振動
    損失係数が0.01以上である振動抑止材層を少なくとも1
    層含む積層体からなり、かつ該積層体の最外層は該繊維
    強化樹脂層で構成されていることを特徴とする中空衝撃
    緩衝材。
  2. 【請求項2】繊維強化樹脂層を構成する樹脂が、熱硬化
    性樹脂である請求項(1)記載の中空衝撃緩衝材。
  3. 【請求項3】熱硬化性樹脂が、エポキシ系樹脂および不
    飽和ポリエステル系樹脂から選ばれた樹脂である請求項
    (2)記載の中空衝撃緩衝材。
  4. 【請求項4】振動抑止材が、常温における振動損失係数
    が0.02以上である材料で構成されている請求項(1)記
    載の中空衝撃緩衝材。
  5. 【請求項5】打具を構成する骨材の少なくとも一部が、
    繊維強化樹脂層と、ポキシ樹脂、ポリアミド樹脂および
    無機充填材からなる、常温における振動損失係数が0.01
    以上である振動抑止材層を少なくとも1層含む積層体か
    らなる中空衝撃緩衝材で構成されていることを特徴とす
    る打具。
  6. 【請求項6】打具が、ラケットまたはゴルフクラブであ
    る請求項(5)記載の打具。
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