JP2575965Y2 - チルト式ステアリング装置 - Google Patents

チルト式ステアリング装置

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JP2575965Y2
JP2575965Y2 JP1992086581U JP8658192U JP2575965Y2 JP 2575965 Y2 JP2575965 Y2 JP 2575965Y2 JP 1992086581 U JP1992086581 U JP 1992086581U JP 8658192 U JP8658192 U JP 8658192U JP 2575965 Y2 JP2575965 Y2 JP 2575965Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案に係るチルト式ステアリ
ング装置は、自動車を操舵する為のステアリングホイー
ルの高さ位置を調節するものである。
【0002】
【従来の技術】運転者の体格や運転姿勢等に応じてステ
アリングホイールの高さを変えられる様に、チルト式ス
テアリング装置と呼ばれるステアリングホイールの高さ
調節装置が、例えば実公昭62−18121号公報に記
載されている様に、従来から知られている。
【0003】従来から知られたチルト式ステアリング装
置は、例えば図4に示す様に構成されている。上(後)
端部に固定されたステアリングホイール1の操作により
回転するステアリングシャフト2を、ステアリングコラ
ム3に挿通している。そしてステアリングコラム3の下
(前)端部を車体に、横軸4を中心とする揺動自在に支
持し、上部を車体に、上下位置調節自在に支持してい
る。
【0004】ダッシュボードの下側等に於いて車体に固
定した固定ブラケット5には、前記横軸4を中心とする
円弧状の長孔6を、上下方向に亙って形成している。ス
テアリングコラム3の上部で、この固定ブラケット5に
挟まれる部分には、十分な剛性を有する金属板を折り曲
げ形成して成る昇降ブラケット7(後述する図6〜7参
照)を、溶接等により固定している。
【0005】この昇降ブラケット7に形成した円孔8、
8(図6〜7)と、前記長孔6とには、1本のチルトボ
ルト9を挿通している。このチルトボルト9の頭部21
(図5〜7)の外径dは、前記長孔6の幅W6 よりも十
分に大きく(d>W6 )して、この頭部21が長孔6を
通過しない様にしている。又、この頭部21は前記長孔
6に対し回転しない様に、昇降のみ自在に係合してい
る。一方、このチルトボルト9先端の雄螺子部に螺合し
たチルトナット10(図5〜7)の締め付け並びに締め
付け解除を、チルトレバー11の操作により自在として
いる。
【0006】前記ステアリングホイール1の高さ位置を
調節する場合には、チルトナット10を緩めた状態で、
固定ブラケット5の長孔6に沿ってチルトボルト9を移
動させてから、チルトレバー11によりこのチルトボル
ト9と螺合したチルトナット10を締め付ける。
【0007】例えば、チルトボルト9を長孔6の上端に
迄移動させた状態でチルトナット10を緊締すれば、ス
テアリングホイール1が、図4に実線で示す様に上昇し
た状態となり、チルトボルト9を長孔6の下端に迄移動
させた状態でチルトナット10を緊締すれば、ステアリ
ングホイール1が、同図に鎖線で示す様に下降した状態
となる。
【0008】ところで、ステアリングホイール1の高さ
位置調節時に、このステアリングホイール1の高さ位置
が不用意に動かない様にする為、実公昭59−4316
3号公報には、図5〜6に示す様な構造が記載されてい
る。固定ブラケット5を構成する1対の鉛直板部12、
12の内、一方の鉛直板部12の外側面には固定ギヤ1
3を螺子止め固定している。
【0009】この固定ギヤ13と、チルトボルト9の先
端部に螺合したチルトナット10との間には、ロックプ
レート14を設けている。このロックプレート14の内
側面及び前記固定ギヤ13の外側面には、互いに噛合す
る、洗濯板状の昇降側噛合歯17並びに固定側噛合歯1
6を形成している。そして、前記チルトナット10と前
記ロックプレート14との間に設けた圧縮ばね15によ
り、このロックプレート14を前記固定ギヤ13に向
け、弾性的に押圧している。
【0010】ステアリングホイールの高さ位置を固定す
べく、前記チルトナット10を図6の左方向に移動させ
ると、前記ロックプレート14が同図で右方に変位不能
となる。この結果、このロックプレート14が、前記固
定側噛合歯16と昇降側噛合歯17とを噛合させた状態
のまま、昇降不能となる。従って、前記ロックプレート
14を挿通したチルトボルト9が昇降不能となり、前記
ステアリングホイールの高さ位置が不用意に変化する事
がなくなる。
【0011】一方、実開昭63−32963号公報に
は、図7に示す様な構造が記載されている。チルトナッ
ト10と固定ブラケット5との間にはロック片18を設
け、このロック片18に形成した昇降側噛合歯17と、
固定ブラケット5の外側面に形成した固定側噛合歯16
とを係脱自在としている。前記ロック片18の内側面上
下両端部には凸部19、19を形成し、各凸部19、1
9と長孔6との係合により、このロック片18の回転を
防止している。又、昇降ブラケット7の外側面と前記ロ
ック片18との間には圧縮ばね20を設けて、このロッ
ク片18に対し、前記固定側噛合歯16と昇降側噛合歯
17との噛合を外す方向の弾力を付与している。
【0012】ステアリングホイールの高さ位置を固定す
べく、前記チルトナット10を図7の右方向に移動させ
ると、前記ロック片18が同図で左方に変位不能とな
る。この結果、このロック片18が、前記固定側噛合歯
16と昇降側噛合歯17とを噛合させた状態のまま、昇
降不能となる。従って、前記ロック片18を挿通したチ
ルトボルト9が昇降不能となり、前記ステアリングホイ
ールの高さ位置が不用意に変化する事がなくなる。
【0013】
【考案が解決しようとする課題】本考案のチルト式ステ
アリング装置は、ステアリングホイールの高さ位置を調
節する際に、固定側噛合歯と昇降側噛合歯との噛合を完
全に外す事で、両噛合歯同士の噛合部で異音が発生する
のを防止しつつ、ステアリングホイールの高さ位置を固
定する際に、前記両噛合歯同士を確実に噛合させるもの
である。
【0014】前述した従来構造の内、図5〜6に示した
構造では、チルトナット10を緩めた状態でも、ロック
プレート14が圧縮ばね15の弾力により固定ギヤ13
に向け弾性的に押圧されたままの状態となる。この為、
前記ステアリングホイールの高さ位置を調節すべく、前
記ロックプレート14を昇降させると、前記固定側噛合
歯16と昇降側噛合歯17とが異音を発生し、チルト式
ステアリング装置を操作する者(運転者)に不快感を与
える。
【0015】一方、図7に示した構造の場合、チルトナ
ット10を緩めた状態では、圧縮ばね20の弾力により
前記両噛合歯16、17同士の噛合が完全に外れる。従
って、ステアリングホイールの高さ位置を調節する際に
も異音が発生する事がない反面、ステアリングホイール
の高さ位置を固定すべく、チルトナットを緊締した場合
に、前記両噛合歯16、17同士が噛合しにくくなる場
合がある。
【0016】即ち、図7に示した構造の場合、前記両噛
合歯16、17の山同士が対向した状態のまま、前記チ
ルトナット10を緊締すると、この山同士を突き当てた
状態で、ロック片18が固定ブラケット5の外側面に押
し付けられる。この状態でステアリングホイールに対し
上下方向の力が加わると、このステアリングホイールの
高さ位置が容易に変化してしまう。
【0017】特に、図7に示した構造の場合、ロック片
18が回転するのを防止する為、このロック片18に形
成した凸部19、19と固定ブラケット5の長孔6とを
係合させているが、前記ロック片18の昇降を円滑に行
なわせる為、係合部には若干の隙間を存在させなければ
ならない。この隙間の存在により、前記ロック片18が
若干とは言え、回転方向に変位する事が避けられない。
そして、この様にロック片18が変位した場合には、前
記固定側噛合歯16の頂部と前記昇降側噛合歯17の頂
部とが捻れの位置関係となって、両噛合歯16、17の
頂部同士が突き合わさり易くなる。
【0018】更に、図5〜6に示した構造の場合も、図
7に示した構造の場合も、ロックプレート14或はロッ
ク片18を押圧するのに、コイル式の圧縮ばね15、2
0を使用している為、チルト式ステアリング装置の、チ
ルトボルト9の軸方向(図6〜7の左右方向)に亙る寸
法が大きくなってしまう。
【0019】本考案のチルト式ステアリング装置は、上
述の様な事情に鑑みて考えられたものである。
【0020】
【課題を解決する為の手段】本考案のチルト式ステアリ
ング装置は、後端部にステアリングホイールを固定する
ステアリングシャフトを回転自在に挿通するステアリン
グコラムと、このステアリングコラムの前端部を、横軸
を中心とする揺動自在に枢支した横軸と、前記ステアリ
ングコラムの中間部に固定の昇降ブラケットと、この昇
降ブラケットに形成した通孔と、1対の鉛直板部により
この昇降ブラケットを左右から挟む状態で、車体に固定
される固定ブラケットと、前記各鉛直板部の一部で前記
通孔と整合する位置に形成された、上下方向に亙る長孔
と、この長孔を通過不能な大径部分をその基端部に有
し、前記長孔及び通孔を挿通したロッド部材と、このロ
ッド部材の先端部で前記鉛直板部の外側面から突出した
部分に、このロッド部材の軸方向に亙る変位自在に係合
した、前記長孔を通過不能な形状を有する押圧部材と、
この押圧部材を前記ロッド部材に対し軸方向に変位させ
る為の操作部材と、少なくとも一方の鉛直板部の外側面
で前記長孔を挟む位置に固設された、この一方の鉛直板
部の前後方向に亙る幅寸法よりも小さな幅寸法を有する
固定ギヤと、この固定ギヤの外側面に形成された、上下
方向に亙って凹凸を繰り返す固定側噛合歯と、内側面に
この固定側噛合歯と噛合する昇降側噛合歯を形成し、前
記ロッド部材を挿通する為の貫通孔を有するロックプレ
ートと、このロックプレートと前記固定ブラケットとに
関連して設けられた、このロックプレートの内側面と前
記固定ギヤの外側面とを離隔させる方向の弾力を有する
板ばねと、この板ばねと前記ロックプレートとの間に設
けられ、このロックプレートが板ばねに対し、前記ロッ
ド部材を中心とする回転方向に変位するのを防止する変
位阻止部とを備えている。
【0021】この板ばねは、前記ロックプレートの外側
面に当接し、中央部に前記ロッド部材を挿通自在な透孔
を形成した基部と、前記基部の反対側両端縁部に設けら
れて、この基部に対し前記ロックプレートを保持する1
対の保持片と、前記基部の前後両端縁から前記鉛直板部
の方向に折れ曲がり、それぞれの先端縁をこの鉛直板部
の外側面で前記固定ギヤの前後両端縁から突出した部分
に当接させ、それぞれの先端部側面を前記固定ギヤの前
後両端縁に当接させる、互いに平行な1対の脚部とを備
えている。そして、この脚部の長さを、前記板ばねの自
由状態時に、前記固定側噛合歯と昇降側噛合歯との噛合
を完全に外せる大きさにしている。
【0022】
【作用】上述の様に構成される本考案のチルト式ステア
リング装置により、運転者の体格等に応じて、ステアリ
ングホイールの高さ位置を調節する際の作用自体は、前
述した従来のチルト式ステアリング装置の場合と同様で
ある。
【0023】特に、本考案のチルト式ステアリング装置
の場合、ステアリングホイールの高さ位置調節時には板
ばねの弾性により、固定側噛合歯と昇降側噛合歯との噛
合を完全に外して、ロックプレートの昇降に伴なってこ
れら両噛合歯同士が異音を発生するのを防止出来る。
【0024】又、板ばねの基部が固定ギヤに対し回転方
向に変位する事は、この固定ギヤの前後両側縁と脚部と
の係合により防止される。又、ロックプレートが基部に
対し回転方向に変位する事は、変位阻止部により防止さ
れる。この結果、前記固定ギヤに対してロックプレート
が、回転方向に変位する事はなくなる。
【0025】従って、前記固定側噛合歯の頂部と昇降側
噛合歯の頂部とが、捩りの位置関係とはならず、両噛合
歯の山同士が突き合わさったままとはなりにくい。この
結果、ステアリングホイールの高さ位置を固定する際
に、前記両噛合歯同士が噛合し易くなる。
【0026】
【実施例】図1〜2は本考案の第一実施例を示してい
る。本考案のチルト式ステアリング装置は、前述した従
来装置と同様、前記図4に示す様に、上端部に固定され
たステアリングホイール1の操作により回転するステア
リングシャフト2を、ステアリングコラム3に挿通する
と共に、このステアリングコラム3の下端部を車体に、
横軸4を中心とする揺動自在に支持し、上部を車体に、
上下位置調節自在に支持している。
【0027】この上下位置調節部分は、図1〜2に示す
様に構成されている。車体に固定する固定ブラケット5
を構成する鉛直板部12、12には、上下方向に亙る長
孔6a、6bを形成している。図示の実施例の場合、一
方(図1の左方)の長孔6aの幅を狭く、他方(図1の
右方)の長孔6bの幅を広くしている。又、ステアリン
グコラム3の上部下面でこの固定ブラケット5に挟まれ
る部分には、十分な剛性を有する金属板を折り曲げ形成
して成る昇降ブラケット7を、溶接等により固定してい
る。この昇降ブラケット7には、チルトボルト9aを挿
通する為の円孔8を形成している。
【0028】ロッド部材であるこのチルトボルト9aの
基端部には、前記長孔6aを通過不能な大径部分であ
る、頭部21を形成している。この頭部21の内側面に
は上下方向に亙って、前記長孔6aと係合する凸部22
を形成し、前記チルトボルト9aの回転防止を図ってい
る。
【0029】このチルトボルト9aの先端部で、このチ
ルトボルトを前記長孔6a、6bと円孔8とに挿通した
状態で前記鉛直板部12の外壁面から突出する部分に
は、押圧部材であるチルトナット10aを螺合させてい
る。このチルトナット10aは、操作部材であるチルト
レバー11aを操作する事により、前記チルトボルト9
aの軸方向(図2の左右方向)に亙る変位を自在として
いる。又、前記チルトナット10aの内端面(図2の左
端面)には、凸部36を形成している。チルトナット1
0aの中心に設けられ、前記チルトボルト9aが螺合す
る螺子孔37は、この凸部36の中心部に開口してい
る。
【0030】即ち、前記チルトナット10aの外半部
(図1〜2の右半部)に形成した雄螺子部23を前記チ
ルトレバー11aの基端部に形成した円孔24に挿入し
た状態で、前記雄螺子部23の先端部にナット25を螺
合し更に緊締して、前記チルトレバー11aの基端部を
前記チルトナット10aに固定している。従って、前記
チルトレバー11aを操作すれば、前記チルトナット1
0aが前記チルトボルト9aの軸方向に亙って変位し、
このチルトナット10aと前記頭部21との距離が変化
する。
【0031】前記固定ブラケット5を構成する1対の鉛
直板部12、12の内、一方(図1〜2の右方)の鉛直
板部12の外側面(図2の右側面)には固定ギヤ26
を、溶接、或は螺子止めにより固定している。この固定
ギヤ26は全体を矩形枠状に形成されたもので、中央部
には前記鉛直板部12の長孔6bとほぼ同じ形状及び大
きさの、長孔27を形成している。
【0032】前記固定ギヤ26の幅寸法wは、前記鉛直
板部12の幅寸法W12よりも小さく(W12>w)、従っ
て、長孔27と前記長孔6bとを整合させた状態で、固
定ギヤ26を前記鉛直板部12の外側面に固定すると、
この鉛直板部12の外側面前後両端部が、前記固定ギヤ
26の前後に露出する。上述の様な固定ギヤ26の一部
外側面(図2の右側面)で、前記長孔6b及び長孔27
を挟む位置には、上下方向に亙って波形の凹凸を繰り返
す、固定側噛合歯28を形成している。尚、図示の実施
例の場合、各固定側噛合歯28の形状を、次述するロッ
クプレート29が下方に変位するのを阻止する力を大き
くした、ラチェット歯状にしている。
【0033】上述の様な固定ギヤ26の外側面には、ロ
ックプレート29を添設している。このロックプレート
29は、前記固定ギヤ26と同じ幅寸法wを有し、中央
部には、前記チルトボルト9aを挿通自在な貫通孔30
を形成している。又、このロックプレート29の内側面
(図2の左側面)には、前記固定側噛合歯28と噛合す
る昇降側噛合歯31を形成している。
【0034】更に、前記ロックプレート29と前記固定
ブラケット5とに関連して板ばね32を設け、このロッ
クプレート29に、固定ブラケット5の外側面から離隔
する方向の弾力を付与している。ステンレス鋼のばね材
等、十分な弾性を有する板材により造られた、この板ば
ね32は、基部33と、上下1対の保持片34、34
と、脚部である、前後1対の脚片35、35とから構成
されている。
【0035】前記基部33の中央部には、前記チルトナ
ット10aの内端面に形成した凸部36が進入自在な透
孔38を形成し、この基部33を四角枠状に形成してい
る。この基部33の上下両端縁部には前記保持片34、
34が、前記固定ブラケット5の鉛直板部12に向け直
角に折れ曲がった状態で、形成されている。各保持片3
4、34はそれぞれ、断面L字形に形成されており、前
記ロックプレート29の上下両端部を抱持する事で、こ
のロックプレート29を前記基部33に対しがたつきな
く保持する。
【0036】又、前記1対の脚片35、35は、前記基
部33の前後両端縁から前記鉛直板部12に向け、直角
に折り曲げ形成されている。この1対の脚片35、35
の間隔D35は、前記固定ギヤ26及びロックプレート2
9の幅寸法wとほぼ等しく(D35≒w)している。従っ
て、前記保持片34、34により前記板ばね32とロッ
クプレート29とを結合し、このロックプレート29の
昇降側噛合歯31と前記固定ギヤ26の固定側噛合歯2
8とを近接若しくは当接させた状態では、前記各脚片3
5、35の内側面先端部が、前記固定ギヤ26の前後両
端縁に当接し、内側面中間部が、前記ロックプレート2
9の前後両端縁に当接する。
【0037】従って、前記板ばね32が前記固定ギヤ2
6に対し、前記チルトボルト9aを中心とする回転方向
に変位する事は、前記各脚片35、35の内側面先端部
と前記固定ギヤ26の前後両端縁との当接係合により防
止され、前記ロックプレート29が前記板ばね32に対
し前記チルトボルト9aを中心とする回転方向に変位す
る事は、前記各脚片35、35の内側面中間部と前記ロ
ックプレート29の前後両端縁との当接係合により防止
される。この結果、前記ロックプレート29が前記固定
ギヤ26に対し、前記チルトボルト9aを中心とする回
転方向に変位する事が防止される。即ち、図1〜2の実
施例では、前記1対の脚片35、35が、このロックプ
レート29の変位防止の為の変位阻止部としての機能を
兼ね備えている。
【0038】上述の様な前後1対の脚片35、35の先
端縁はそれぞれ、前記鉛直板部12の外側面で、前記固
定ギヤ26の前後両端縁から突出した部分に当接させて
いる。前記各脚片35、35の長さLは、前記固定ギヤ
26の厚さT26と前記ロックプレート29の厚さT29
の和よりも大きく(L>T26+T29)している。従っ
て、前記板ばね32の自由状態時には、前記固定側噛合
歯28と昇降側噛合歯31との噛合が完全に外れる。
【0039】上述の様に構成される本考案のチルト式ス
テアリング装置により、運転者の体格等に応じて、ステ
アリングホイールの高さ位置を調節する際には、前述し
た従来のチルト式ステアリング装置の場合と同様に、前
記チルトレバー11aを操作する事で、チルトナット1
0aを緩め、このチルトナット10aを図2で右方に移
動させる。
【0040】チルトナット10aの移動に伴なって、こ
のチルトナット10aの凸部36がロックプレート29
を押圧している力が解除されると、このロックプレート
29は、前記板ばね32の弾力に基づいて、図2の右方
に変位する。この結果、前記固定ギヤ26外側面の固定
側噛合歯28と、前記ロックプレート29内側面の昇降
側噛合歯31との係合が外れ、このロックプレート29
並びにこのロックプレート29中央の貫通孔30に挿通
したチルトボルト9aが、昇降自在な状態となる。
【0041】そこで、前記固定ブラケット5の鉛直板部
12、12に形成した長孔6a、6bに沿ってチルトボ
ルト10aを移動させつつ、前記ステアリングホイール
1(図4参照)の高さ位置を調節してから、前記チルト
レバー11aにより前記チルトボルト9aと螺合したチ
ルトナット10aを図2で左行させ、前記板ばね32を
弾性変形させつつ、このチルトナット10aの凸部36
で前記ロックプレート29を固定ギヤ26に向け押し付
ければ、ステアリングホイール1の高さ位置を適当に調
節した状態で、ステアリングコラム3の上部を車体に固
定の固定ブラケット5に対して支持出来る。
【0042】前記チルトナット10aによる押圧力を解
除した状態で、前記ロックプレート29の昇降側噛合歯
31と固定ギヤ26の固定側噛合歯28との噛合は、完
全に外れる為、前記ステアリングホイール1の高さ位置
を調節する際に、前記両噛合歯31、28同士が噛み合
って異音が発生する事はない。
【0043】又、前述の様に、板ばね32を構成する前
後1対の脚片35、35が、固定ギヤ26並びにロック
プレート29の前後両端縁に当接しており、これら両部
材26、29同士が前記チルトボルト9aを中心とする
回転方向に変位する事が防止されている為、ステアリン
グホイール1の高さ位置調節の為、前記両噛合歯28、
31同士の噛合を外した場合にも、これら固定側噛合歯
28の頂部と昇降側噛合歯31の頂部とが、捩りの位置
関係になる事はない。従って、両噛合歯28、31の山
同士が突き合わさったままとはなりにくく、ステアリン
グホイール1の高さ位置を固定する際に、前記両噛合歯
28、31同士が噛合し易くなる。
【0044】次に、図3は本考案の第二実施例を示して
いる。本実施例の場合、ロックプレート29が固定ギヤ
26に対して回転するのを防止する為の第一板ばね39
と、ステアリングホイール1(図4参照)の高さ位置調
節時に前記ロックプレート29の昇降側噛合歯31と固
定ギヤ26の固定側噛合歯28との係合を外す為の第二
板ばね40とを分離している。
【0045】第二板ばね40とロックプレート29との
間に挟まれる、第一板ばね39の前後両端縁部には、変
位阻止部を構成する1対の折り曲げ板部41、41が形
成されている。各折り曲げ板部41、41の長さL
41は、前記ロックプレート29の厚さT29よりは大きい
(L41>T29)が、各折り曲げ板部41、41の先端縁
が鉛直板部12(図1〜2参照)の外側面に当接する事
はない様にしている。又、両折り曲げ板部41、41の
間隔D41は、前記固定ギヤ26及びロックプレート29
の幅寸法wとほぼ等しく(D41≒w)している。従っ
て、前記各折り曲げ板部41、41の内側面先端部が、
前記固定ギヤ26の前後両端縁に当接し、内側面基部
が、前記ロックプレート29の前後両端縁に当接して、
前記固定ギヤ26に対してロックプレート29が回転す
るのを防止する。
【0046】一方、第二板ばね40は、前記第一実施例
に於ける板ばね32と同様の形状に形成されている。但
し、脚片35a、35aの長さL′は、前記固定ギヤ2
6の厚さT26と前記ロックプレート29の厚さT29と前
記第一板ばね39の厚さT39との和よりも大きく(L′
>T26+T29+T39)している。従って、前記第二板ば
ね40の自由状態時には、前記固定側噛合歯28と昇降
側噛合歯31(図1〜2)との噛合が完全に外れる。前
記脚片35a、35aの間隔D′は、前記第一板ばね3
9の外寸W39と同じか、これよりも大きく(D′≧
39)している。
【0047】本実施例の場合、第一板ばね39の弾性と
第二板ばね40の弾性とを、それぞれの役目に応じて自
由に変えられる。この為、チルトレバー11a(図1〜
2)を操作する為に要する力を徒に大きくする事なく、
前記ロックプレート29の回転防止を確実に図る為の設
計が容易になる。
【0048】
【考案の効果】本考案のチルト式ステアリング装置は、
以上に述べた通り構成され作用するが、操作に伴なって
異音が発生する事がなく、且つ、ステアリングホイール
の高さ位置固定を確実且つ容易に行なえて、製品価値を
高める事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第一実施例を示す要部分解斜視図。
【図2】組み立てた状態で示す図1のA−A断面図。
【図3】本考案の第二実施例を示す要部分解斜視図。
【図4】本考案の対象となるチルト式ステアリング装置
の全体構成を示す側面図。
【図5】従来構造の第1例を示す要部分解斜視図。
【図6】組み立てた状態で示す図5のB−B断面図。
【図7】従来構造の第2例を示す断面図。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール 2 ステアリングシャフト 3 ステアリングコラム 4 横軸 5 固定ブラケット 6、6a、6b 長孔 7 昇降ブラケット 8 円孔 9、9a チルトボルト 10、10a チルトナット 11、11a チルトレバー 12 鉛直板部 13 固定ギヤ 14 ロックプレート 15 圧縮ばね 16 固定側噛合歯 17 昇降側噛合歯 18 ロック片 19 凸部 20 圧縮ばね 21 頭部 22 凸部 23 雄螺子部 24 円孔 25 ナット 26 固定ギヤ 27 長孔 28 固定側噛合歯 29 ロックプレート 30 貫通孔 31 昇降側噛合歯 32 板ばね 33 基部 34 保持片 35、35a 脚片 36 凸部 37 螺子孔 38 透孔 39 第一板ばね 40 第二板ばね 41 折り曲げ板部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後端部にステアリングホイールを固定す
    るステアリングシャフトを回転自在に挿通するステアリ
    ングコラムと、このステアリングコラムの前端部を、横
    軸を中心とする揺動自在に枢支した横軸と、前記ステア
    リングコラムの中間部に固定の昇降ブラケットと、この
    昇降ブラケットに形成した通孔と、1対の鉛直板部によ
    りこの昇降ブラケットを左右から挟む状態で、車体に固
    定される固定ブラケットと、前記各鉛直板部の一部で前
    記通孔と整合する位置に形成された、上下方向に亙る長
    孔と、この長孔を通過不能な大径部分をその基端部に有
    し、前記長孔及び通孔を挿通したロッド部材と、このロ
    ッド部材の先端部で前記鉛直板部の外側面から突出した
    部分に、このロッド部材の軸方向に亙る変位自在に係合
    した、前記長孔を通過不能な形状を有する押圧部材と、
    この押圧部材を前記ロッド部材に対し軸方向に変位させ
    る為の操作部材と、少なくとも一方の鉛直板部の外側面
    で前記長孔を挟む位置に固設された、この一方の鉛直板
    部の前後方向に亙る幅寸法よりも小さな幅寸法を有する
    固定ギヤと、この固定ギヤの外側面に形成された、上下
    方向に亙って凹凸を繰り返す固定側噛合歯と、内側面に
    この固定側噛合歯と噛合する昇降側噛合歯を形成し、前
    記ロッド部材を挿通する為の貫通孔を有するロックプレ
    ートと、このロックプレートと前記固定ブラケットとに
    関連して設けられた、このロックプレートの内側面と前
    記固定ギヤの外側面とを離隔させる方向の弾力を有する
    板ばねと、この板ばねと前記ロックプレートとの間に設
    けられ、このロックプレートが板ばねに対し、前記ロッ
    ド部材を中心とする回転方向に変位するのを防止する変
    位阻止部とを備え、この板ばねは、前記ロックプレート
    の外側面に当接し、中央部に前記ロッド部材を挿通自在
    な透孔を形成した基部と、前記基部の反対側両端縁部に
    設けられて、この基部に対し前記ロックプレートを保持
    する1対の保持片と、前記基部の前後両端縁から前記鉛
    直板部の方向に折れ曲がり、それぞれの先端縁をこの鉛
    直板部の外側面で前記固定ギヤの前後両端縁から突出し
    た部分に当接させ、それぞれの先端部側面を前記固定ギ
    ヤの前後両端縁に当接させる、互いに平行な1対の脚部
    とを備え、この脚部の長さを、前記板ばねの自由状態時
    に、前記固定側噛合歯と昇降側噛合歯との噛合を完全に
    外せる大きさにしたチルト式ステアリング装置。
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JP6350849B2 (ja) * 2014-01-22 2018-07-04 株式会社ジェイテクト ステアリング装置

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