JP2575906Y2 - 座付き偏平形電解コンデンサ及びこれに用いる座枠材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は座付き偏平形電解コンデ
ンサ及びこれに用いる座枠材に係り、さらに詳しくは、
微小化された偏平形電解コンデンサを実装する際により
低背化を実現することができる座付き偏平形電解コンデ
ンサ及びこれに用いる座枠材に関する。

【０００２】

【従来の技術】アルミニウム電解コンデンサは、これが
実装される機器側の軽薄短小化の傾向に対応してその微
小化が求められている。

【０００３】また、この種のアルミニウム電解コンデン
サは、微小化の程度が進めば進むほど、所定位置に正確
に実装することが困難になるのみならず、その耐熱性も
低下する傾向にある。

【０００４】図４は、このように微小なアルミニウム電
解コンデンサの実装時の位置精度と耐熱性の向上とを図
った座付きアルミニウム電解コンデンサの従来構造の一
例を示す説明図である。

【０００５】同図によれば、円筒形を呈する微小なアル
ミニウム電解コンデンサ５は、陽極箔と陰極箔とをセパ
レータを介して巻回してなるコンデンサ素子３を封口体
４とともに有底筒状のケース１内に格納し、一対のリー
ド端子２，２を通孔４ａ，４ａを介して封口体４の側か
ら導出することで形成されている。

【０００６】また、このようにして形成されたアルミニ
ウム電解コンデンサ５は、前記一対のリード端子２，２
を通孔７，７を介して貫通させた座板６に載置され、こ
の座板６の底面に形成された凹底部８，８に沿わせて折
曲配置させたリード端子２，２の平坦部２ａ，２ａを介
することで対象部材への実装を可能としたいわゆる縦置
きタイプとなって形成されている。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】ところで、従来からあ
る上記縦置きタイプの座付きアルミニウム電解コンデン
サによれば、絶縁性合成樹脂材からなる座板６を介在さ
せていることで耐熱性の向上を図ることはできる。

【０００８】しかし、実装時の位置精度の向上の問題に
ついては、アルミニウム電解コンデンサ５と座板６との
間にガタ付きが生じがちであることもあって必ずしも十
分であるとはいえない不都合があった。

【０００９】一方、実装時におけるアルミニウム電解コ
ンデンサ５の高さ寸法の低背化も強く求められており、
上記縦置きタイプの座付きアルミニウム電解コンデンサ
によっては限度があり、その促進を図る上での隘路とな
っていた。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本考案は、従来技術にみ
られた上記課題に鑑みてなされたものであり、そのうち
の座付き偏平形電解コンデンサの構成上の特徴は、偏平
形のケース内に封口体を介して偏平形コンデンサ素子を
格納し、その頂面側から一対のリード端子を導出し、外
周面に絶縁層を形成してなる偏平形電解コンデンサと、
該偏平形電解コンデンサを偏平面側に倒伏させたその倒
伏面を実装面の側に密着させてこれを下支えする座枠材
とで構成され、該座枠材は、倒伏時の前記偏平形電解コ
ンデンサの頂面側に配置される頂面当接部と、該頂面当
接部の両端部から延設されて前記偏平形電解コンデンサ
の胴側部のそれぞれをその凸曲面に沿わせて支持する胴
側支承部とで形成し、偏平形電解コンデンサの前記リー
ド端子のそれぞれは、前記頂面当接部の下底面の側にま
で至る案内溝に導かれて配置される先端固着部を介して
その実装を可能としたことにある。

【００１１】また、本考案において上記座付き偏平形電
解コンデンサに用いられる座枠材の構成上の特徴は、偏
平面側に倒伏させた偏平形電解コンデンサの頂面側に配
置される頂面当接部と、該頂面当接部の両端部から延設
されて偏平形電解コンデンサの胴側部のそれぞれをその
凸曲面に沿わせて支持する胴側支承部とからなり、前記
頂面当接部には、偏平形電解コンデンサの頂面から導出
された一対のリード端子のそれぞれを偏平面である下底
面側へと案内するための中継用溝部と、該中継用溝部を
介して導かれた各リード端子における先端固着部をその
下底に位置する座面が偏平形電解コンデンサの前記下底
面と略面一となるように導入して配置可能とした固着用
溝部とからなる案内溝を刻設したことにある。

【００１２】なお、本考案における前記胴側支承部のそ
れぞれは、その開放端部相互を縮径方向へと予め付勢さ
せて形成したものであってもよい。

【００１３】

【作用】このため、本考案に係る座付き偏平形電解コン
デンサによれば、頂面側から一対のリード端子を導出
し、外周面に絶縁層を形成してなる偏平形電解コンデン
サは、座枠材に対しその偏平面の側を倒伏させ、しか
も、この倒伏面を実装面の側に密着させながら安定的に
下支えさせることができ、さらに、その際、偏平形電解
コンデンサの前記リード端子のそれぞれを座枠材におけ
る頂面当接部の案内溝に沿わせて案内し、その先端固着
部を介して対象部材に実装することができるので、実装
時における低背化を実現することができる。

【００１４】また、本考案に係る座枠材によれば、偏平
面側に倒伏させた偏平形電解コンデンサは、その頂面側
を支持する頂面当接部と、胴側部の側をその曲面に沿わ
せて支持する胴側支承部とで確実に支えることができ、
しかも、前記頂面当接部には、中継用溝部と固着用溝部
とからなる案内溝を刻設してあるので、これらの案内溝
を介することで偏平形電解コンデンサの頂面から導出さ
れた一対のリード端子は、それぞれの先端固着部を下底
に位置する座面が偏平形電解コンデンサの偏平面である
前記下底面と略面一となるように導入して配置すること
ができる。

【００１５】なお、本考案に係る座枠材において、前記
胴側支承部の開放端部相互を縮径方向へと予め付勢させ
て形成してあるときは、偏平形電解コンデンサの胴側部
を挟持するようにして確実に保持させることができるの
で、座枠材への偏平形電解コンデンサの組み込み作業を
より円滑に行なうことができる。

【００１６】

【実施例】以下、図１乃至図３に基づいて本考案の実施
例を詳説する。

【００１７】図１は、本考案に係る座付き偏平形電解コ
ンデンサの一実施例を示す全体斜視図である。

【００１８】同図によれば、その全体は、アルミニウム
電解コンデンサなどからなる微小な偏平形電解コンデン
サ１１と、該偏平形電解コンデンサ１１をその一方の偏
平面１６側に倒伏させたこの倒伏面を実装面の側に密着
させながら下支えすることができる絶縁性合成樹脂材か
らなる座枠材２１とで構成されている。

【００１９】このうち、偏平形電解コンデンサ１１は、
偏平形のケース１２内に封口体１３を介して偏平形コン
デンサ素子を格納し、その頂面１４側から一対のリード
端子１５，１５を導出するとともに、偏平面１６を含む
ケース１２の外周面に熱収縮性ビニルチューブを被着
し、あるいは絶縁塗料を塗布するなどしてなる絶縁層１
７を備えて形成されている。

【００２０】また、座枠材２１は、一方の偏平面１６側
に倒伏させた偏平形電解コンデンサ１１の頂面１４側に
配置される頂面当接部２２と、該頂面当接部２２の両端
部から延設されて偏平形電解コンデンサ１１の胴側部１
８のそれぞれをその凸曲面に沿わせて支持する胴側支承
部２３，２３とで形成されている。

【００２１】図２は、上記構成からなる座枠材２１の一
実施例を示す全体斜視図である。

【００２２】同図によれば、偏平形電解コンデンサ１１
の頂面１４側に位置してこれを当接支持する頂面当接部
２２は、倒伏させた偏平形電解コンデンサ１１の略１／
２程度の座高を有して形成されている。

【００２３】また、この頂面当接部２２には、偏平形電
解コンデンサ１１の頂面１４から導出された一対のリー
ド端子１５，１５のそれぞれを略ハ字形状を呈して下底
隅部２４側へと案内するための中継用溝部２５と、該中
継用溝部２５を介して導かれた各リード端子１５，１５
におけるそれぞれの先端固着部１９，１９を前記下底隅
部２４の側にその座面が偏平形電解コンデンサ１１の偏
平面１６である下底面と略面一となるように導入して配
置可能とした固着用溝部２６とからなる案内溝２７が刻
設されている。

【００２４】なお、この際に頂面当接部２２の下底隅部
２４に設けられた固着用溝部２６に配置されるリード端
子１５，１５の先端固着部１９，１９のそれぞれは、は
んだ付けにより対象部材に実装する際の固着面を確保す
るために平坦な座面を設けて形成しておくのが望まし
い。

【００２５】また、頂面当接部２２の両端部から延設さ
れた胴側支承部２３，２３相互の対向面には、偏平形電
解コンデンサ１１の倒伏面である偏平面１６を対象部材
の実装面の側に密着させながらその胴側部１８の凸曲面
に沿わせての支承を可能とした凹曲面２８がそれぞれ形
成されている。

【００２６】しかも、頂面当接部２２の両端部から延設
される胴側支承部２３のそれぞれは、図３に示すように
開放端部２９，２９相互を縮径方向へと予め付勢させる
ことで、倒伏時における偏平形電解コンデンサ１１の横
幅よりも狭くなるようにして形成しておくこともでき
る。

【００２７】本考案はこのようにして構成されているの
で、外周面に絶縁層１７を形成してなる偏平形電解コン
デンサ１１は、座枠材２１に対しその一方の側の偏平面
１６を倒伏面としてこれに安定的に下支えさせることが
できる。

【００２８】しかも、その際、偏平形電解コンデンサ１
１の頂面１４側から導出されている一対のリード端子１
５，１５のそれぞれは、座枠材２１における頂面当接部
２２の案内溝２７に沿わせて案内され、その先端固着部
１９を介して対象部材に実装することができるので、実
装時における低背化を実現することができる。

【００２９】また、図２に示す座枠材２１によれば、一
方の偏平面１６に倒伏させた偏平形電解コンデンサ１１
は、その頂面１４側を支持する頂面当接部２２と、胴側
部１８の側をその凸曲面に沿わせて支持する凹曲面２８
を有する胴側支承部２３とで確実に支えることができ、
しかも、前記頂面当接部２２には、中継用溝部２５と固
着用溝部２６からなる案内溝２７を刻設してあるので、
これらの案内溝２７を介することで偏平形電解コンデン
サ１１の頂面１４から導出された一対のリード端子１
５，１５は、それぞれの先端固着部１９，１９を下底隅
部２４側にその座面が偏平形電解コンデンサ１１の偏平
面１６である下底面と略面一となるように導入して配置
することができる。

【００３０】このため、偏平形電解コンデンサ１１は、
座枠材２１の胴側支承部２３の凹曲面２８を介して確実
に支承されるほか、頂面当接部２２の案内溝２７を介し
てリード端子１５の側も確実に保持される結果、座枠材
２１に対しガタ付きをなくして装着させることができる
ので、対象部材にこれを実装する際の位置精度を格段に
向上させることができる。

【００３１】しかも、偏平形電解コンデンサ１１の頂面
１４ら導出された一対のリード端子１５，１５における
先端固着部１９，１９のそれぞれは、座枠材２１の固着
用溝部２６に配置させて対象部材にはんだ付けされる結
果、偏平形電解コンデンサ１１の側とは隔離させた状態
のもとで実装することができ、その耐熱性の向上を図る
ことができる。

【００３２】なお、本考案における座枠材２１が前記胴
側支承部２３の開放端部２９相互を縮径方向へと予め付
勢させて形成されているときは、偏平形電解コンデンサ
１１の胴側部１８を挟持するようにして確実に保持させ
ることができるので、座枠材２１と偏平形電解コンデン
サ１１との組合せ作業をより円滑に行なうことができ
る。

【００３３】

【考案の効果】以上述べたように本考案に係る座付き偏
平形電解コンデンサによれば、座枠材に対し偏平形電解
コンデンサをその偏平面の側を倒伏させて安定的に下支
えさせることができ、しかも、その際、偏平形電解コン
デンサのリード端子のそれぞれを座枠材における頂面当
接部の案内溝に沿わせて案内し、その先端固着部を介し
て実装することができるので、実装時の低背化を実現す
ることができる。

【００３４】また、本考案に係る座枠材によれば、偏平
面側に倒伏させた偏平形電解コンデンサをその頂面側は
頂面当接部で、胴側部の側は胴側支承部でそれぞれ確実
に支えることができ、しかも、前記頂面当接部には、中
継用溝部と固着用溝部とからなる案内溝を刻設してある
ので、これらの案内溝を介することで偏平形電解コンデ
ンサの頂面から導出された一対のリード端子は、それぞ
れの先端固着部をその下底に位置する座面が偏平形電解
コンデンサの偏平面である下底面と略面一となるように
導入して配置することができる。

【００３５】なお、上記座枠材を前記胴側支承部の開放
端部相互を縮径方向へと予め付勢させて形成してあると
きは、挟持力を付与して偏平形電解コンデンサの胴側部
を確実に保持させることができるので、座枠材への偏平
形電解コンデンサの組み込み作業をより円滑に行なうこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る座付き偏平形電解コンデンサの一
実施例を示す全体斜視図。

【図２】本考案に係る座枠材の一実施例を示す全体斜視
図。

【図３】本考案に係る座枠材の他の実施例を示す全体斜
視図。

【図４】従来からある座付きアルミニウム電解コンデン
サの構造例を示す説明図。

【符号の説明】

１１ 偏平形電解コンデンサ １２ ケース １３ 封口体 １４ 頂面 １５ リード端子 １６ 偏平面 １７ 絶縁層 １８ 胴側部 １９ 先端固着部 ２１ 座枠材 ２２ 頂面当接部 ２３ 胴側支承部 ２４ 下底隅部 ２５ 中継用溝部 ２６ 固着用溝部 ２７ 案内溝 ２８ 凹曲面 ２９ 開放端部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平３−239315（ＪＰ，Ａ) 実開 昭63−1321（ＪＰ，Ｕ) 実開 平６−44134（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) H01G 9/004

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 偏平形のケース内に封口体を介して偏平
   形コンデンサ素子を格納し、その頂面側から一対のリー
   ド端子を導出し、外周面に絶縁層を形成してなる偏平形
   電解コンデンサと、該偏平形電解コンデンサを偏平面側
   に倒伏させたその倒伏面を実装面の側に密着させてこれ
   を下支えする座枠材とで構成され、該座枠材は、倒伏時
   の前記偏平形電解コンデンサの頂面側に配置される頂面
   当接部と、該頂面当接部の両端部から延設されて前記偏
   平形電解コンデンサの胴側部のそれぞれをその凸曲面に
   沿わせて支持する胴側支承部とで形成し、偏平形電解コ
   ンデンサの前記リード端子のそれぞれは、前記頂面当接
   部の下底面の側にまで至る案内溝に導かれて配置される
   先端固着部を介してその実装を可能としたことを特徴と
   する座付き偏平形電解コンデンサ。
2. 【請求項２】 偏平面側に倒伏させた偏平形電解コンデ
   ンサの頂面側に配置される頂面当接部と、該頂面当接部
   の両端部から延設されて偏平形電解コンデンサの胴側部
   のそれぞれをその凸曲面に沿わせて支持する胴側支承部
   とからなり、前記頂面当接部には、偏平形電解コンデン
   サの頂面から導出された一対のリード端子のそれぞれを
   偏平面である下底面側へと案内するための中継用溝部
   と、該中継用溝部を介して導かれた各リード端子におけ
   る先端固着部をその下底に位置する座面が偏平形電解コ
   ンデンサの前記下底面と略面一となるように導入して配
   置可能とした固着用溝部とからなる案内溝を刻設したこ
   とを特徴とする座枠材。
3. 【請求項３】 前記胴側支承部のそれぞれは、その開放
   端部相互を縮径方向へと予め付勢させて形成したことを
   特徴とする請求項２記載の座枠材。