JP2575214Y2 - 交通機関内に設けられる運賃箱用紙幣収納装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は例えばワンマンバスの
運賃箱に適用され、挿入された紙幣の真偽を識別した
後、その紙幣を金庫に収納する紙幣収納装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来においては紙幣が挿入され、その紙
幣の真偽が識別されると、その紙幣を、紙幣搬送機構に
より直接一枚づつ金庫へ搬送収納していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】従来においては紙幣識
別装置からの紙幣を一枚づつ直接金庫へ搬送収納してい
るため、一枚の紙幣に対する処理時間が比較的長くかか
り、乗客が運賃として、または両替のために紙幣を次々
と挿入したい場合に、処理時間が長いことは乗客が待た
され、迷惑を掛けることになる。また紙幣は薄く、かつ
やわらかであるため、特に紙幣搬送路が比較的長い場合
はその搬送途中でつまり（ジャム）が生じるおそれが大
きい。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この考案による交通機関
内に設けられる運賃箱用紙幣収納装置は、挿入された紙
幣の真偽を識別する紙幣識別装置と、 上記紙幣識別装置
の出口と接近して設けられ、上記出口の紙幣の排出方向
に延長された紙幣搬送手段で上記出口から排出された紙
幣を搬送し、その搬送された紙幣を紙幣用収納箱へ収納
する紙幣収納手段と、 上記紙幣収納手段と接近して設け
られ、上記紙幣収納手段より収納された紙幣が順次重ね
て収納される上記紙幣用収納箱と、 上記紙幣用収納箱
を、金庫のシャッタの前まで搬送する収納箱搬送手段
と、 上記金庫のシャッタの前に搬送された上記紙幣用収
納箱を、上記金庫内に格納する収納箱格納手段と、 を具
備する。

【０００５】

【実施例】図１Ａにこの考案を運賃箱に適用した例を示
す。運賃箱１１の上面に硬貨投入口１２が設けられ、こ
の投入口１２に投入された硬貨は硬貨計数装置１３で識
別計数され、種銭収容部に金種ごとに収容され、種銭収
容部より溢れた硬貨は金庫１４に収納される。運賃箱１
１の１側面の上部に紙幣入口１５が設けられ、紙幣入口
１５に挿入された紙幣は紙幣識別装置１６へ送られ、そ
の真偽や金額が判別される。両替のために挿入された場
合は、制御基板１７は挿入された紙幣の金額に対応した
硬貨を、硬貨計数装置１３内の種銭収容部から払い出し
口（図示せず）に払い出す。

【０００６】この考案においては紙幣識別装置１６の出
口の近くに紙幣用収納箱１８が上下に移動自在に設けら
れる。紙幣識別装置１６より出された紙幣は紙幣収納装
置１９により紙幣用収納箱１８内に収納される。この運
賃箱１１が搭載されたバスの運行が終了した時に、紙幣
用収納箱搬送装置２１により紙幣用収納箱１８は金庫１
４の位置に搬送され、収納箱格納装置２２により金庫１
４内の収納箱格納スペース２３に格納される。以上の制
御は制御基板１７により行われる。

【０００７】次に各部の具体例を説明する。紙幣用収納
箱１８は図１Ｂ，Ｃに示すように、薄形の方形状箱であ
り、その広い面積の１面は開放とされ、この開放面と対
向する背板内面にスプリングにより開放面側に偏倚され
た受け板２５が可動自在に収納されている。開放面の内
側に形成されたつば２６に、収納された紙幣２７の周縁
部が受け板２５により押えられて保持される。

【０００８】この例では紙幣識別装置１６の底面から下
方に向って紙幣２７が出て来てその紙幣２７は一対の紙
幣搬送ベルト２８により両側部が挟持されて下方に搬送
される。その際紙幣２７はその幅方向において紙幣搬送
ガイド２９により案内位置決めされる。紙幣搬送ベルト
２８により搬送された紙幣２７と紙幣用収納箱１８の開
放面が近接対向するように紙幣用収納箱１８が位置され
る。モーター３１によりクランク３１ａの一端が１回転
されると、紙幣搬送ベルト２８により両側部が挟持され
た紙幣２７の中央部と近接対向した紙幣押え板３２がク
ランク３１ａの他端により駆動されて紙幣用収納箱１８
内にスプリング２４の偏倚力に抗して押し込まれた後、
もとの位置に戻される。この際に紙幣搬送ベルト２８に
保持されていた紙幣２７が紙幣用収納箱１８に収納され
る。紙幣搬送ベルト２８、モーター３１、押え板３２な
どで紙幣収納装置１９が構成される。紙幣収納装置１
９、紙幣用収納箱１８はその他の公知のものを用いても
よい。

【０００９】紙幣用収納箱搬送装置２１の具体例を図２
Ａ，Ｂに示す。紙幣用収納箱１８の両外側面と対向して
上下に延長したガイド板３３が立てられ、これらガイド
板３３にそれぞれ上下に延長した案内溝３４が突出形成
され、これら案内溝３４に紙幣用収納箱１８の両外側面
より突起３５がそれぞれ挿入され、紙幣用収納箱１８が
ガイド板３３に案内されて上下可能とされる。２枚のガ
イド板３３の中間において紙幣用収納箱１８の背板の外
面が移動する軌跡と近接対向して搬送ベルト３６が設け
られ、搬送ベルト３６にＬ字状載置具３７が取付けら
れ、Ｌ字状載置具３７上に紙幣用収納箱１８が載置され
る。搬送ベルト３６を駆動して載置具３７を上昇させる
と紙幣用収納箱１８も上昇させられ、逆に載置具３７を
降下させると紙幣用収納箱１８もその自重により同時に
降下する。

【００１０】収納箱格納装置２２は例えば図２Ｃに示す
ように、金庫１４の収納箱格納スペース２３と対向し
て、搬送ベルト３６の両側に一対の紙幣収納箱挿入板３
８が配され、紙幣用収納箱１８が収納箱格納スペース２
３と対向する位置に搬送されると、モーター３９により
クランク３９ａの一端が一回転されてクランク３９ａの
他端により挿入板３８が収納箱格納スペース２３側へ移
動され、挿入板３８により紙幣用収納箱１８の背板が押
されて紙幣用収納箱１８は収納箱格納スペース２３内に
押し込まれ、その後、挿入板３８は元の位置に戻る。こ
の際突起３５が案内溝３４から抜け出されるように案内
溝３４に切欠き４０が形成されている。

【００１１】収納箱格納スペース２３の奥にその出入口
と対向して紙幣収納箱押出板４１が設けられ、モーター
４２によりクランク４２ａの一端を１回転するとクラン
ク４２ａの他端により押出板４１が出入口側に向って往
復動し、収納箱格納スペース２３に格納されている紙幣
用収納箱１８を金庫１４から載置具３７上に押し出すこ
とができる。収納箱格納スペース２３の出入口には図２
Ｄに示すようにシャッター４３が取付けられ、モーター
４４を駆動してシャッター４３により収納箱格納スペー
ス２３の出入口を開閉することができる。

【００１２】この考案は運賃箱のみならず、一般の自動
販売機における紙幣処理にも適用できる。

【００１３】

【考案の効果】以上述べたように、この考案によれば紙
幣用収納箱１８が紙幣識別装置１６の出口の近くに設け
られているため、識別された紙幣を金庫１４に直接収納
する場合と比較して短時間で紙幣を紙幣用収納箱１８に
収納することができる。従って両替用、または運賃用な
どとして次々と紙幣が挿入されても、その紙幣を次々と
処理でき、客を待たせないで済む。

【００１４】また紙幣識別装置１６から紙幣用収納箱１
８への紙幣の搬送路は金庫へ直接搬送する場合より、可
成り短かくなり、それだけ紙幣搬送において紙幣がジャ
ムるおそれが少ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】Ａはこの考案を適用した運賃箱の例の概略を示
す図、Ｂは紙幣用収納箱１８及び紙幣収納装置１９の具
体例を示す側面図、Ｃはその紙幣用収納箱１８の斜視図
である。

【図２】Ａは紙幣用収納箱搬送装置２１の具体例を示す
側面図、Ｂはその平面図、Ｃは収納箱格納装置２２の具
体例を示す側面図、Ｄは金庫１４の収納箱格納スペース
２３側を示す斜視図である。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 挿入された紙幣の真偽を識別する紙幣識
   別装置と、上記紙幣識別装置の出口と接近して設けられ、上記出口
   の紙幣の排出方向に延長された紙幣搬送手段で上記出口
   から排出された紙幣を搬送し、その搬送された紙幣を紙
   幣用収納箱へ収納する紙幣収納手段と、 上記紙幣収納手段と接近して設けられ、上記紙幣収納手
   段より収納された紙幣が順次重ねて収納される上記紙幣
   用収納箱と、 上記紙幣用収納箱を、金庫のシャッタの前まで搬送する
   収納箱搬送手段と、 上記金庫のシャッタの前に搬送された上記紙幣用収納箱
   を、上記金庫内に格納する収納箱格納手段と、 を具備する交通機関内に設けられる運賃箱用紙幣収納装
   置。