JP2573763Y2 - 船舶のzドライブ式推進装置 - Google Patents

船舶のzドライブ式推進装置

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JP2573763Y2
JP2573763Y2 JP1991029170U JP2917091U JP2573763Y2 JP 2573763 Y2 JP2573763 Y2 JP 2573763Y2 JP 1991029170 U JP1991029170 U JP 1991029170U JP 2917091 U JP2917091 U JP 2917091U JP 2573763 Y2 JP2573763 Y2 JP 2573763Y2
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propulsion device
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智範 三島
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Kawasaki Motors Ltd
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Kawasaki Jukogyo KK
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、船舶のZドライブ式
推進装置にかかり、詳しくは推進装置自体に水平フィン
や垂直フィンを設けて推進装置の多機能化を図った船舶
のZドライブ式推進装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種Zドライブ式推進装置は、従来の
ラインシヤフト式推進装置に比して種々のメリットはあ
るが高価である。しかし、既に相当な土台があるという
ことで、これに若干の要素を加え、その付加価値を大幅
に向上させるような試みがある。例えば、従来のライン
シヤフト式推進装置を2重反転プロペラにすることは大
変であるが、Zドライブ式推進装置では比較的に容易に
これを実現することができる。
【0003】図7は従来のラインシヤフト式推進装置を
備えた小型高速艇の典型的な配置図である。図中、Hは
船体、Sは操舵室、Aは居住区、Mは主機関、22は推
進器、23は推進軸、24は舵、25は張出軸受を示
す。
【0004】高速艇は小型であればある程波浪中で航走
する機会が多い。この時ピッチングなどで船体に働く加
速度は船首を最大として船尾に向かって減少し、船体中
央を過ぎてもなお減少し、最終船尾に向かって若干上昇
するという形が普通である。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】図7のように船尾の推
進器22を駆動するための主機関Mは配置上の必然か
ら、船体Hに働く加速度が最も小さいスペースを専有
し、結果として、居住区Aが加速度が大きく乗り心地の
悪い船首側に押し出されている。客船などでは、その居
住空間を快適に移動させることが目的そのものであり、
その面で現状は望ましい形になっていない。
【0006】高速艇も大型になると、船尾にも居住スペ
ースを設けることが行われる。ここでは、推進器の軸レ
ーキが大きいため、推進器は1回転を1サイクルとする
変動荷重を発生するが、これが高速艇の宿命である高速
回転によるキャビテーションによって大幅に増長され
る。このため船尾の居住区は振動騒音の面で乗り心地が
悪い。
【0007】そこで、従来よりローリングやピッチング
等の船体運動を抑制して、船体に働く加速度そのものを
減少させるため、フィンスタビライザーを装備すること
が行われる。しかし、フィンスタビライザーを装備する
ために、船体構造が複雑となる上、船体との取り合い関
係も複雑で現場工事も多くなり、工事的な困難を強いら
れる。特に上記の小型高速艇のような場合にはその取り
付けのための船内スペースを確保するのが非常に難しく
なる。
【0008】また、従来高速艇の船首船底部にフィンを
有する魚雷形の没水体を備えて、波浪中の船体動揺等を
軽減するものが知られている(例えば実開昭63−13
4891号公報参照)。しかし、この従来例では、推進
器とは別にフィン付没水体を設けるために、船体抵抗の
増加を余儀無くされ推進性能が悪化することは避けられ
ない。
【0009】本考案の目的は、Zドライブ式の推進装置
自体に、即ち下部ギヤボックスの反推進器側にある蓋の
形状および構造を変更して形成したハブにフィンを突設
することによって上記の従来技術の有する課題を解決す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的達成のため、
本考案は、上下2組の傘歯車式直角軸伝達装置を用い
て、Z形に駆動軸を配置し、これによって推進器を駆動
するようにした船舶のZドライブ式推進装置において、
推進器を支持駆動する下部ギヤボックスの反推進器側に
ハブを形成し、このハブに可動の水平フィンを突設し、
該推進器を該船舶の前部に該水平フィンが上流側に来る
ように配置したことを特徴とする船舶のZドライブ式推
進装置である。また、前記ハブに垂直フィンを突設して
もよい。
【0011】
【作用】上記構成を高速艇に適用した場合、Zドライブ
式推進装置の特性を利用して、主機と居住区の配置を入
れ替えて、居住区を船体加速度の最小の場所に配置でき
るうえに、水平フィンによって船体に働く加速度そのも
のを減少させることができ、更にZドライブ式推進装置
では、推進器の軸レーキがないため推進器が発生する振
動騒音を大幅に減ずることができる。垂直フィンを設け
た場合には舵の機能を発揮する。このように船体との取
り合い関係等に煩わされずに推進装置自体に船体運動軽
減機能や操舵機能を備えることができる。
【0012】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面を参照しながら
説明する。
【0013】図1は本考案にかかるZドライブ式推進装
置全体を一部断面して示す側面図である。魚雷状の下部
ギヤボックス1の一端に可変ピッチプロペラとしての推
進器2が装着されている。推進器2は、この他に固定ピ
ッチプロペラ、二重反転プロペラなど種々適用可能であ
るが、二重反転プロペラは下部ギヤボックス1の外径を
小さくでき、推進効率上有利である。また、対象船舶に
よってはダクトプロペラも考えられる。
【0014】本案対象の推進装置は、上下2組の傘歯車
式直角軸伝達装置を用いて、Z形に駆動軸を配置し、こ
れによって推進器を駆動するようにした船舶のZドライ
ブ式推進装置である。すなわち、上部ギヤボックス4内
において、主機関からの水平軸5をストラット6内を導
通する垂直軸7に傘歯車(図示略)を介して噛合させ、
主機からの動力を直角方向に下部ギヤボックス1側に伝
達し、下部ギヤボックス1内で傘歯車8を用いて上部ギ
ヤボックス4からの動力を垂直軸7と直角方向の水平軸
9に伝達して推進器2を回転駆動するようになってい
る。Zドライブ式推進装置では推進器の軸レーキがない
ため、推進器が発生する振動、騒音が大幅に減る。
【0015】図1に示す推進装置は、旋回装置を備えて
おり、これにより操舵機能を果たす。つまり、下部ギヤ
ボックス1と一体的に形成されたスパーギヤ10を、こ
れと噛合するピニオン11を介して油圧モータ12で駆
動することにより、推進器2を360°任意の方向に旋
回させて推力を発生させることで操舵機能が発揮され
る。図1では旋回式を示しているが、別途操舵機能を備
えておれば旋回式にする必要はない。
【0016】推進器2の反対側(反推進器側)に形成さ
れたハブ3には水平フィン13が突設されている。この
水平フィン13は、ハブ3に一体的に構成され船体のピ
ッチングやローリングに伴って受動的なダンピングとし
て機能する。また、水平フィン13の角度を調節できる
ようにして能動的に船体のピッチングやローリングを抑
制するようにもできる。その角度調節機構を図2と図3
に示す。
【0017】図2(a)(b)において、水平フィン13はハ
ブ3の両側に配設され、ハブ3は蓋の役割を果たしなが
ら水平フィン13を支持、駆動するためのメカニズムを
内包している。すなわち、ハブ3内に回動軸14が設け
られており、この回動軸14の両端に水平フィン13が
一体的に装着されている。回動軸14にはクランクレバ
ー15が装着され、アクチュエータ16の直線運動を回
転運動に変換する。アクチュエータ16は例えば油圧サ
ーボモータで構成され、一端をハブ3内面にヒンジで取
り付けられ、他端をクランクレバー15にヒンジ連結さ
れている。アクチュエータ16を作動することによりク
ランクレバー15を介して回動軸14が回動し、左右に
突設した一対の水平フィン13が同一方向に回動するよ
うになっている。従って、この場合の水平フィン13
は、船体のピッチング抑制として機能する。なお、この
水平フィン13の駆動の指令は、例えば船体のピッチン
グやローリングを検出するバーティカルジャイロなどの
出力を用いて演算し、このアクチュエータ16の作動指
令とする。
【0018】図3(a)(b)の場合には左右一対の水平フィ
ン13が常に反対方向に回転する機構である。すなわ
ち、ハブ3内に左右の水平フィン13と一体的に係合す
るクランクディスク17がそれぞれ設けられ、このディ
スク17の面上、偏心して取り付けられたピン18がブ
ッシュ19を介してクロスヘッド20と係合し、アクチ
ュエータ21の作動によるクロスヘッド20の水平移動
に伴って、クランク作用を行い、左右のクランクディス
ク17に設けたピン18は逆対称位置にあることから左
右の水平フィン13は互いに逆方向に回動するものであ
る。従って、この場合の水平フィン13は船体運動とし
てはローリングだけに対応できることになる。
【0019】実際にはローリングに対してもピッチング
に対しても対応できることが望ましい。この場合、アク
チュエータは2個の独立に作動するものが左右の各フィ
ンに係合して、それぞれを別々に駆動することになる。
【0020】図4は上記本考案装置を実際の船(小型高
速艇を例示)に装備した場合の透視的な側面図を示す。
従来例の図7と比較すると明らかなように、居住区Aと
主機関Mの配置が入れ代わっており、居住区Aが最も乗
り心地の良い場所に配置され、そのスペースの拡大も可
能であり、本船建造における費用対効果比が高められ
る。推進器2はほぼ流れに平行に配置されているため、
斜流の影響を受けることなく、振動騒音が少なくなって
いて、乗り心地の改善に寄与する。水平フィン13は極
力船首側に突出配置して船体ピッチングに対して効果が
大きくなるよう配慮されている。図5(a) は船底に図1
の推進器を1基装備した場合である。この種の高速艇で
は図5(b) に示すように、しばしば2基の推進器が装備
されるが、この図は船体HがV型になっている場合の推
進器2及び水平フィン13の配置図を示す。この場合、
左右舷の推進器2に装着される水平フィン13はハブの
片側に突設され、左右舷の水平フィン13の動きを同一
にすることで船体ピッチング、逆にすることによって船
体ローリングに対応することができる。
【0021】なお、上記旋回式の推進装置において、例
えば推進器2を横向きにした場合、水平フィン13は機
能しなくなるが、水平フィン13は元々前進速力がある
場合しか機能しないので、特に障害となることはない。
【0022】また、本推進装置を船尾側に配置すること
も考えられる。この場合、推進器2を船首側に水平フィ
ン13を船尾側に配置した方がピッチングに対応する場
合有利である。
【0023】上記の実施例では、推進器を360°旋回
可能に構成することによって操舵機能を備えていたが、
旋回装置を設けることはそれだけ構造的に複雑化は避け
られない。そこで、図6に示すように水平フィン13に
加えて、操舵機能をもつ垂直フィン13Aをハブ3の上
下方向に突設する。この場合、上下の垂直フィン13A
は前述の図2と同様なメカニズムで同一方向に回動自在
に構成し、推進器2は上流側に、垂直フィン13Aは下
流側に来るように船体に装備する。これにより推進器2
の後流中で上下方向に突設した垂直フィン13Aが同一
方向に回動して操舵機能を発揮するものである。
【0024】
【考案の効果】以上説明したように本考案では、次のよ
うな効果を奏する。
【0025】推進装置自体に装着した水平フィンによ
って、船体のピッチングやローリングを減じて、その乗
り心地を改善することができるフィンスタビライザーを
船体との取り合い関係に煩わされることなく、簡単に製
造、簡単に取り付けることができる。
【0026】推進装置自体に装着した垂直フィンによ
って構造的に複雑な旋回機構に代わる操舵機能をもたせ
ることができる。
【0027】本案のような多機能の推進装置を装備す
ることによって船体との取り合い関係に煩わされず船の
機能を種々改善することができる。
【0028】本案のようなZドライブ式推進装置を高
速艇に適用した場合、居住区画を船体加速度の最小の場
所に配置でき、しかも水平フィンによる船体に働く加速
度そのものを減少できると共に、Zドライブ式推進装置
では推進器の軸レーキがないため、推進器が発生する振
動、騒音を大幅に減ずることができるから、高速艇の乗
り心地を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例にかかるZドライブ式推進装置
を一部断面して示す側面図である。
【図2】(a)(b)はピッチングに対応できる水平フィンの
角度調節機構を示す横断面図と(a) のA−A矢視断面図
である。
【図3】(a)(b)はローリングに対応できる水平フィンの
角度調節機構を示す横断面図と(a) のB−B矢視断面図
である。
【図4】本考案装置を小型高速艇に適用した場合の透視
的側面図である。
【図5】(a)(b) は水平フィンを有する推進器を1基、
又は2基装備した場合の要部正面図である。
【図6】本考案の別の実施例であって、水平フィンと垂
直フィンを備えた場合のZドライブ式推進装置の側面図
である。
【図7】従来のラインシヤフト式推進装置を装備した小
型高速艇の透視的側面図である。
【符号の説明】
1…下部ギヤボックス 2…推進器 3…ハブ 13…水平フィン 13A…垂直フィン

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下2組の傘歯車式直角軸伝達装置を用
    いて、Z形に駆動軸を配置し、これによって推進器を駆
    動するようにした船舶のZドライブ式推進装置におい
    て、推進器を支持駆動する下部ギヤボックスの反推進器
    側にハブを形成し、このハブに可動の水平フィンを突設
    し、該推進器を該船舶の前部に該水平フィンが上流側に
    来るように配置したことを特徴とする船舶のZドライブ
    式推進装置。
  2. 【請求項2】 ハブに垂直フィンを突設したことを特徴
    とする請求項1記載の船舶のZドライブ式推進装置。
JP1991029170U 1991-04-25 1991-04-25 船舶のzドライブ式推進装置 Expired - Lifetime JP2573763Y2 (ja)

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JPH04123900U JPH04123900U (ja) 1992-11-10
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JPS6240100U (ja) * 1985-08-29 1987-03-10

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