JP2572830B2 - 可燃性流体の循環のための管及びこの管から作られた導管 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、可燃性流体の循環のための管並びにこの管
から作られた導管に関するものである。

本発明は、特にではあるが、しかしながら、専らでは
無く、タンクのような種々の構造物が、少なくとも、部
分的に絶縁複合材料から作られる飛行機における燃料の
循環のための管に応用可能なものである。

さて、金属的燃料回路が、全部、あるいは、部分的に
絶縁する、例えば、複合材料製のタンクのような構造物
の中に据え付けられる時には、また、前記構造物が雷に
より衝撃される時には、雷のかなりの電流が、包囲する
材料よりも、電気的により良導体である導管の中の循環
を危うくする。この現象は、電流の通過の間に、種々の
導管要素の間の継手において発生されることがある過
熱、又は、火花によるかなりの危険を与える。

更に、燃料回路の導管は、二つの要求に対して安全で
なければならない。第一は、燃料により生成される機械
的力、又は、それが取り付けられている構造物の変形に
抵抗するという要求である。第二は、導管の中における
高速度において、燃料−電気的に絶縁されている−の循
環により生成される静電気の除去という要求である。こ
れらの二つの機能は、管が金属から作られる時には、一
般的に、確実とされ、これは、他方、上述のように、飛
行機が雷により衝撃された場合に危険を与える。

これらの欠点を回避することが、本発明の一つの目的
であり、また、本発明は、燃料のような可燃性の流体の
循環のための管に関するものであり、この管の設計は、
雷の電流が、前記管から作られた導管の中を循環するこ
とを阻止することを可能としながら、燃料の循環により
生成された静電気をタンクの導管区域の方へ流すことを
可能とし、燃料の循環、又は、前記管が取り付けられて
いる構造物の変形に結び付けられる機械的応力を顧慮す
るものである。

その目的のために、少なくとも、部分的に電気的に絶
縁材料から作られ、大気に起因する電気的妨害を受ける
ことのあり得る可燃性流体の循環のための管は、電気的
に伝導性材料から作られた継手のための２個の端部部材
と、本体とから成り立っており、また、本発明による
と、少なくとも内面が、その長さの主な部分の上を電気
的に伝導性とされた管の本体が、少なくとも一つの電気
的に絶縁性部分を有しているので、注目に値する。

このようにして、本発明は、管の中に、少なくとも一
つの局部的な非伝導性の区域を作り、これが、可燃性流
体、特に、燃料の循環のための導管が、雷の電流のため
の連続的な導体を構成することを阻止することを可能と
させるものである。更に、管の主な部分は、伝導性であ
り、構造物、又は、隣接する構造物の伝導的区域に接続
され、静電気を流出させることができる。

本発明の第一実施例によると、管の本体は、電気的に
絶縁性材料から作られ、また、前記本体の内面は、それ
ぞれ、分離されていると共に端部部材に、それぞれ、連
結されている２個の電気的に伝導性要素から成り立って
いる。特に、前記伝導性要素、管の本体の電気的に絶縁
性の中心部分に関して対称的に配列されている。

本発明の第二実施例によると、管の本体は、電気的に
伝導性材料から作られると共に電気的に絶縁性の中間部
分に連結された２個の端部部分により構成されている。

特に、前記中間部分は、２個の絶縁スリーブにより構
成されており、それらの内の１個は、前記端部部分の内
側に配列され、また、他は、外側に配列される。

本発明の他の特徴によると、前記の電気的に絶縁性材
料は、複合材料であり、また、前記の電気的に伝導性材
料製の管の部分は、接地されている。

添付図面は、本発明が、どのように実施されるかを、
明りょうに示している。これらの図面においては、同一
の参照記号は、同様な要素を現している。

第１図は、例えば、飛行機の燃料タンクを形成してい
る複合材料から作られた箱要素の略斜視図である。

第２図は、第１図の箱要素の部分略断面図である。

第３図は、本発明による管の第一実施例の縦断面図で
ある。

第４図は、第３図のＡの部分の拡大図である。

第５図は、第３図の管の組立図である。

第６図は、本発明の第二実施例の縦断面図である。

第７図は、第６図の管の組立図である。

第１図に示すように、例えば、飛行機の燃料タンクを
形成している箱要素１の中には、燃料循環の導管２が取
り付けられているが、これは、継手４により相互に連結
された多数の基本的管３により構成されている（第２
図）。

第２図を参照するが、管３は、２個の金属端部部材５
と、本体６とから成り立っている。金属端部部材５は、
それぞれ、箱要素１の伝導性部材７に連結されており、
また、同様に、管３の連結フランジ８が、伝導性支持体
９に連結されている。

管３の本体６は、その少なくとも内面が、その長さの
主な部分の上を、電気的に伝導性となっているが、この
本体６は、電気的に絶縁性部分10を有しており、その詳
細は、本発明の管の２実施例を示している第３〜７図を
参照して、後に説明をする。外部の金属被覆が、箱要素
１の上に設けられても良いことに注意されたい。

本発明による管の第一実施例を示す第３、４及び５図
を参照するが、管の本体６は、樹脂を含浸された繊維製
の絶縁性の、抵抗性のある、複合材料から作られている
（繊維：ガラス、アラミドなど；樹脂：エポキシ、フェ
ノール類、ポリエステルなど）。

管本体６は、機械的力に対する抵抗の機能を果たす。
管本体６は、各端部において、金属端部部材５で終わっ
ているが、この金属端部部材５は、燃料の循環に対する
導管を接合するすべての公知の方式を使用することを可
能とさせる。

静電気は、管の内面、すなわち、高速度で循環する燃
料に接触する面の上に置かれた電気的に伝導性の要素11
により、流出される。金属網、金属フォイル、金属メッ
キ、針金の網細工、又は、ら旋針金によって構成される
ことができる各伝導性要素11は、各金属端部部材５に、
単に、接触によってか、又は、しわ寄せによってか、又
は、溶接によってか、電気的に接続される（第４図）。

伝導性要素11は、相互に分離されており、これは、管
本体６の絶縁性中心部分10を維持することを可能とさせ
る。この絶縁性中心部分10の長さは、２個の判定基準の
関数として決定される。非伝導性の長さは、放電火花の
現れることを阻止するのに、十分でなければならない。
実際、ある雷の条件は、２個の伝導性要素11の間の電位
に、かなりの差をもたらす。更に、この距離は、静電気
充電の存在に関連される危険な現象を生成しないよう
に、かなり短くなければならない。

このようにして、静電気は、燃料循環回路の導管２の
主な部分上を流出され、静電気充電の流出が、各端部部
材５の接地により確実とされる（第５図）。各管３の中
心区域の中の伝導性要素11の間の間隔は、燃料循環回路
が、雷のような、高強度の電流を流出する連続的な電気
的導体のように振る舞うことを阻止する。

この本発明の第一実施例による管は、次ぎのようにし
て、製造されることができる。

接着に対する適当な表面処理及び腐食に対する保護を
受けた２個の金属端部部材５が、マンドレルの上に置か
れる。各金属伝導性要素11が、それから、それが対応す
る端部部材５を部分的に被覆するように配列される。

樹脂を含浸された繊維により構成された複合材料が、
それから、交差された無方向性の重なりの形状にか、又
は、マンドレル組立体の上に巻かれた織物の形状にか、
あるいは、糸、又は、小さな幅の巻物（ラップ）を巻く
ことによってか、置かれる。層の上に含浸された繊維の
マット（不織布）の使用も、また、可能である。端部部
材５の複合材料の管本体の端部の部分的被覆は、接着に
より、管本体６は、端部部材５との間における機械的力
の移行を確実とさせる。

無論、置かれる層の数及びそれらの位置は、保持する
機械的力に依存する。

組立体は、それから、重合され、複合材料の樹脂の硬
化及び端部部材５の上への管本体６の接着が、同じ作業
において得られる。

高性能の複合材料の使用は、金属製のものよりも、よ
り軽い、抵抗性導管を生成することを可能とさせる。低
い弾性係数を有する繊維の選択は、更に、柔軟な導管を
生成することを可能とさせ、この導管は、それが取り付
けられる構造物の変形に追随する。更に、管本体の内面
の部分的な金属化は、燃料の中に生成される静電気が、
燃料循環回路に、雷の電流に対して特別な経路を与える
ことを避けながら、流出されることを許す。

本発明の第二実施例を示す第６及び７図を参照する
が、この管は 管３が、隣接する管に接合されることを許す２個の端
部部材５と 金属端部部材５に溶接され、又は、ひだ寄せされ、又
は、端部部材５に一体化された２個の金属端部部分12と 上に述べたような複合材料であっても良い絶縁性の、
抵抗性の複合材料から作られた中間部分10と から構成されている。

中間部分10は、２個の端部部分12にはまり、前もって
重合された絶縁複合材料製の内部スリーブ13と、同様
に、絶縁複合材料から作られ、内部スリーブ13及び部分
的に２個の金属端部部分12を被覆する外部スリーブ14と
により構成されている。

この、製造費用を減少させる設計は、また、燃料回路
に対して求められる要求、すなわち、緊密性、抵抗性、
雷に対する保護、静電気の流出を満足させるものでもあ
る。

Claims (8)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも部分的に電気的に絶縁性材料か
   ら作られ、大気に起因する電気的妨害を受けることがあ
   り得る、ある構造物の中に取り付けられるようにされ可
   燃性流体の循環のための管であって、前記管（３）は電
   気的に伝導性材料から作られた継手のための２個の端部
   部材（５）と、本体（６）とから成り立っている可燃性
   流体の循環のための管（３）において 管（３）の本体（６）が、その少なくとも内面が、その
   長さの主な部分の上を電気的に伝導性とされ、また、管
   （３）の本体（６）が、少なくとも一つの電気的に絶縁
   性部分（10）を有していること を特徴とする可燃性流体の循環のための管。
2. 【請求項２】管（３）の本体（６）が、電気的に絶縁性
   材料から作られており、また、前記本体（６）の内面
   が、それぞれ、分離されていると共に前記端部部材
   （５）に、それぞれ、連結されている２個の電気的に伝
   導性の要素（11）から成り立っている請求の範囲第１項
   記載の可燃性流体の循環のための管。
3. 【請求項３】前記伝導性要素（11）が、管（３）の本体
   （６）の電気的に絶縁性の中心部分（10）に関して対称
   的に配列されている請求の範囲第２項記載の可燃性流体
   の循環のための管。
4. 【請求項４】管（３）の本体（６）が、電気的に伝導性
   材料から作られると共に電気的に絶縁性の中間部分（1
   0）に連結されている２個の端部部分（12）により構成
   されている請求の範囲第１項記載の可燃性流体の循環の
   ための管。
5. 【請求項５】前記中間部分（10）が、２個の電気的に絶
   縁性のスリーブ（12,13）により構成されており、それ
   らの内の１個（13）が、前記端部部分（12）の内側に配
   置されており、他の１個が、前記端部部分（12）の外側
   に配置されている請求の範囲第４項記載の可燃性流体の
   循環のための管。
6. 【請求項６】前記電気的に絶縁性の材料が、複合材料で
   ある請求の範囲第１〜５項のいずれかに記載の可燃性流
   体の循環のための管。
7. 【請求項７】電気的に伝導性の材料から作られた前記管
   （5,12）の部分が、接地されている請求の範囲第１〜６
   項のいずれかに記載の可燃性流体の循環のための管。
8. 【請求項８】前記請求の範囲第１〜７項のいずれかに記
   載された管の多数を、相互に連結されて構成されている
   ことを特徴とする導管。