JP2572488B2 - 側流煙（煙の横もれ）の少い紙巻たばこ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は側流煙（煙の横もれ）の減少を可能にする新
規な紙巻たばこ構造に関する。

背景技術 紙巻たばこは従来棒状のたばこ充填体を入れた紙筒ま
たは紙巻きと煙の成分を除去するフィルターからできて
いる。紙巻たばこに関連する共通の問題の一つに、静的
な燃焼の際に、例えば喫煙者が紙巻たばこを口からはな
して喫煙していないときにまたは単に火をつけて灰皿の
中で放置しているときに生ずる側流煙（煙の横もれ）の
量がある。静的な燃焼の際に生ずる可視の側流煙（煙の
横もれ）は主に粒子状物質よりなっており、吸われてい
ない紙巻たばこの近くにいる非喫煙者にとってこの煙は
腹立たしくまた不愉快であることが多い。

発明の概要 本発明によれば、側流（横もれ）の排出を減少させる
新規な紙巻たばこ構造が提供される。本発明では、棒状
のたばこは二つの異る巻き紙で被覆される。

これまで２種以上の巻き紙を用いた紙巻たばこを製造
する多くの提案があり、その中には次の米国特許が含ま
れる。

米国特許3,633,589 Kahane 3,395,714 Kahane 3,744,496 McCarthyら 4,231,377 Cline ら 4,505,282 Cogbill ら 4,585,016 Grollimund 4,624,268 Baker ら この様な特許の一つに、米国特許第3,633,589号は、
従来の多孔質なたばこ用紙を外側に、空気を実質的に通
さない紙を内側に用いている。このような材料を用いれ
ば自己消火性の紙巻たばこになりがちである。本発明に
従って、気孔度の限られた紙を内側に用いると、自己消
火する傾向なしに側流煙（煙の横もれ）の発生が著しく
減るので、改良された紙巻たばこが得られる。

本発明に使用する内側の巻き紙の特性についての下記
の説明から、巻き紙の材質が先行技術に記載のものと異
っていることは明かであろう。本発明に規定した特性は
側流煙（煙の横もれ）の少い紙巻たばこの製造に必要で
ある。

発明の説明 好ましい実施態様と最良の方式 本発明の内側の巻紙は、比較的非孔性であるが幾分気
孔性があり、また填料の含有が非常に少い特殊なタイプ
の紙よりできている。この紙は燃えるのが非常におそく
側流煙（煙の横もれ）の発生が著しく減少する傾向があ
る。しかし自発的に、この紙は目ざわりな黒い灰を発生
しがちで、また紙巻たばこを消火する傾向があり、共に
好ましいことではない。

驚くことに、もしこの特殊な巻紙を従来のたばこ用紙
でできた外巻紙で覆えば側流煙（煙の横もれ）を著しく
減少させることができ、一方黒灰色は見られず紙巻たば
こが消火する傾向も減ることがわかった。その上、この
紙巻たばこは燃焼性内室を発火させる傾向が減少する。

従って本発明では、製品の紙巻たばこの棒状のたばこ
部分を二重巻きにする。すなわち特殊な紙で内側を覆い
従来のたばこ用紙で外側を覆う。

この特殊な紙は上記のような一定の性質を有する。こ
の紙は比較的非孔質であるが幾分かは気孔性を示し、好
ましくは１ないし５単位のコレスタ気孔度（Coresta po
rosity）を有している（コレスタ気孔度は国際基準I.S.
O.2965に記載）。この低いがしかし明確な気孔性は側流
煙（煙の横もれ）を著しく減少させるのに重要である。
というのは約５コレスタ単位より高いかまたは約１コレ
スタ単位より低い気孔度をもつ紙は殆んど有効でないか
らである。更に、２以下では紙巻たばこは自己消火性に
なる。

この特殊な紙はまた填料の含量が低く、通常１ないし
８重量％、好ましくは約５％未満である。この紙は一般
的に約18グラム／平方米の紙重量をもつ。

これらの性質のほかに、この内巻紙は他の特性をもっ
てよい。存在してよい一つの成分は、有機化合物の塩、
たとえばクエン酸またはその塩であり、内巻紙の燃焼を
抑制または促進して、その燃焼速度を所望の範囲に調整
する燃焼速度調整剤である。このような物質が存在する
場合は0.1ないし２重量％程度がよい。

内巻紙はガスを通過させる細孔をそなえており、この
細孔は機械的に、静電気的に、またはレーザー光線によ
ってつくられる。

本発明は、喫煙材料の棒状集合体を巻紙で巻いてなる
紙巻たばこであって、（１）１ないし５単位のコレスタ
気孔度と１ないし８重量％の填料含量をもつ内側の内巻
紙と、（２）坪量が35ないし65グラム／平方米で、填料
含量が18ないし40重量％である外側の外巻紙とからなる
ことを特徴とする紙巻たばこを提供する。

本発明の紙巻たばこと従来の紙巻たばこと喫煙時にお
ける側流煙（副流煙）発生状況を対比すると、次のとお
りである。

従来の紙巻たばこと、これに本発明に従った構成の内
巻紙を追加した本発明の紙巻たばことについて、喫煙時
の側流煙発生状況を視察した。側流煙の発生速度は一定
でなく、また目視による判定であるが、本発明の紙巻た
ばこの側流煙発生量は、従来の紙巻たばこの側流発生量
に比し、約30％ないし70％の減少が観察された。

外巻紙には従来のたばこ用紙を用いる。この従来の用
紙は35ないし65グラム／平方米の重さをもち、また18な
いし40重量％の填料を含有することが好ましい。クエン
酸やその塩のような燃焼速度調整剤もまた0.2ないし４
重量％の量で存在してよい。

本発明による紙巻たばこは都合のよい方法でつくる
が、一般には従来の紙巻たばこ製造機を用いて２枚の巻
紙を順を追って連続的にまたは好ましくは同時に棒状の
たばこ充填体に巻いて製造する。この２枚の巻紙は、必
要ならば棒状のたばこ充填体を被覆する前にかさね合せ
てもよい。

本発明による紙巻たばこの好ましい製造方法は、次の
とおりである。すなわち、喫煙材料の棒状集合体を巻紙
で巻いて紙巻たばこ倍長体をつくり、該紙巻たばこ倍長
体を切断して個々の紙巻たばこをつくることによりなる
紙巻たばこ製造方法であって、（ａ）１ないし５単位の
コレスタ気孔度と１ないし８重量％の填料含量をもつ内
巻紙と、坪量が35ないし65グラム／平方米で、填料含量
が18ないし40重量％である外巻紙とを共に用い、（ｂ）
該外巻紙が外側になるように、該内巻紙と該外巻紙とを
同時に該喫煙材料の棒状集合体に巻いて該紙巻たばこ倍
長体をつくることを特徴とする紙巻たばこ製造方法が提
供される。

工業的適応性 上述のように、本発明は気孔性の低い紙を内側の巻紙
として用いて棒状のたばこを二重に被覆することによっ
て、側流煙（煙の横もれ）の発生の少い新規な紙巻たば
こ構造を提供する。紙巻たばこは主要な商品であり、従
って、本発明には工業的適応性がある。本発明の範囲内
で変更は可能である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平３−65172（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−33299（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−59199（ＪＰ，Ａ)

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】喫煙材料の棒状集合体を巻紙で巻いてなる
   紙巻たばこであって、該巻紙が （１）１ないし５単位のコレスタ気孔度と１ないし８重
   量％の填料含量をもつ内側の内巻紙と （２）35ないし65グラム／平方米の坪量と18ないし40重
   量％の填料含量をもつ外側の外巻紙とからなることを特
   徴とする紙巻たばこ。
2. 【請求項２】該内巻紙の気孔度が少なくとも２コレスタ
   単位であることを特徴とする請求項１に記載の紙巻たば
   こ。
3. 【請求項３】該外巻紙が少なくとも一種の燃焼速度調整
   剤を0.2ないし４重量％の量で含有することを特徴とす
   る請求項１に記載の紙巻たばこ。
4. 【請求項４】該内巻紙が少なくとも一種の燃焼速度調整
   剤を0.1ないし２重量％量含有することを特徴とする請
   求項１、２、または３に記載の紙巻たばこ。
5. 【請求項５】巻紙を喫煙材料の棒状集合体に巻いて紙巻
   たばこ倍長体をつくり、該紙巻たばこ倍長体を切断して
   個々の紙巻たばこをつくることによりなる紙巻たばこ製
   造方法であって、 （ａ）１ないし５単位のコレスタ気孔度と１ないし８重
   量％の填料含量をもつ内巻紙と、35ないし65グラム／平
   方米の坪量と18ないし40重量％の填料含量をもつ外巻紙
   とを共に用い、 （ｂ）該外巻紙が外側になるように、該内巻紙と該外巻
   紙とを同時に該喫煙材料の棒状集合体に巻いて該紙巻た
   ばこ倍長体をつくること を特徴とする紙巻たばこ製造方法。